JPS6439Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば刈取部及び脱穀部を備え、連続
的に穀稈を刈取つて脱粒するコンバインの脱穀装
置に関するものである。

従来扱室の排塵口より排出される排塵物は扱胴
での回転慣性力などによつて扱き方向となる排藁
の穂先側つまり反フイードチエーン側に偏集され
る状態となつて揺動選別盤の片側に団子状に送り
込まれていた。そのため排塵物中に混入する穀粒
は揺動選別盤のストローラツクの篩運動のみでは
分離が充分に行われずそのまま機外に排出されて
三番ロスを著しく増大させる原因となつたり、団
子状となつた排塵物が吸排塵装置に充分に吸い込
みされず詰まりを起す原因になつていた。

本考案は上記の点に鑑み考案されたもので、扱
胴後方の反フイードチエーン側に直交形処理胴を
備えると共に、前記処理胴に対向するフイードチ
エーン側に吸排塵装置を配備し、これら処理胴と
吸排塵装置との間に選別空域隙間を形成させるこ
とによつて、前記扱室より一側に片寄つて排出さ
れる排塵物及び枝梗付穀粒を前記処理胴で効果的
に脱粒及び細断処理して藁屑と穀粒の分離を促進
させその三番ロスの著しく減少させると共に、排
塵物を前記隙間で粗状態とさせて吸排塵装置への
吸い込みを助長させその詰まり事故など解消させ
て作業能率と選別性能の向上を図る脱穀装置を提
供しようとするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図はコンバインの側面図、第２図は同平面
図であり、図中１は走行駆動ミツシヨン２を取付
けるトラツクフレーム、３は前記トラツクフレー
ム１の両側に走行駆動スプロケツト４を介して装
設する走行クローラ、５は前記トラツクフレーム
１に支持させる機台、６は左側にフイードチエー
ン７を張設し扱胴８を内蔵する脱穀部、９は回動
支点軸１０及び昇降シリンダ１１を介して機台５
前方に支持させ刈刃１２及び穀稈搬送機構１３を
備える刈取部、１４は排藁チエーン１５終端を臨
ませる排藁カツター、１６は排藁集束台、１７は
コンバインの各部を駆動するエンジン、１８は揚
穀筒１９を臨ませて脱穀部６から取出す穀粒を溜
める籾タンク、２０は運転席２１及び運転操作部
２２を備える運転台であり、サイドクラツチレバ
ー２３，２３と刈取り及び脱穀クラツチレバー２
４，２５を運転席２１の前方に備えると共に、運
転席２１の左側に走行変速レバー２６を組込み、
連続的に穀稈を刈取つて脱穀するように構成す
る。

第３図は上記脱穀部６の断面側面図、第４図は
同断面平面図、第５図は同断面背面図であり、図
中２７は機体の前後方向に軸架する軸流型の扱胴
８を内設させる扱室、２８は前記扱室２７下方に
張架させるクリンプ網、２９は揺動リンク３０等
を介して前後方向に揺動自在に支持する揺動選別
盤であり、前記クリンプ網２８下方に位置させる
フイードパン３１と、前記クリンプ網２８及び排
塵口３２の下方に位置させるストローラツク３３
と、該ストローラツク３３の下方に位置させる選
別網３４とによつて前記揺動選別盤２９を構成す
る。

また、図中３５は前記選別網３４方向に選別風
を送給する唐箕フアン、３６は一番選別樋３７に
内設していて揚穀筒１９を介して籾タンク１８に
穀粒を取出す一番コンベア、３８は二番選別樋３
９に内設していて二番還元スロワ４０を介して二
番還元物を扱室２７に戻す二番コンベア、４１は
前記二番選別樋３９上方で揺動選別盤２９後端に
前記扱胴８に直交させるように反フイードチエー
ン側の機体右側に軸架させる処理胴、４２は前記
処理胴４１の下部周側に配設する受網、４３は前
記処理胴４１に対向する反フイードチエーン側の
機体左側に設ける吸排塵装置である吸排塵フア
ン、４４は前記フアン４３を介して塵埃及び藁屑
を機外に排出する三番口、４５は前記排藁チエー
ン１５によつて排出する排藁を案内させるべく前
記処理胴４１及びフアン４３の上方に架設する四
番樋、４６は前記処理胴４１の天板に設けて処理
物を左方向に案内する処理物リード弁であり、前
記扱胴８により脱粒された穀粒を揺動選別盤２９
で選別し整粒のみを前記籾タンク１８に取出すと
共に、排藁を排藁チエーン１５で、また藁屑など
を前記フアン４３で機外に排出されるように構成
している。

前記吸排塵フアン４３は処理胴４１と同一軸の
処理胴軸４７に装着させたもので、該処理胴軸４
７の右端側に処理胴４１を、また軸４７の左端側
に吸排塵フアン４３を取付けると共に、これら処
理胴４１に吸排塵フアン４３間に巻付防止管４８
を介設させ、この管４８の外側域を選別空域隙間
４９に形成している。そして前記隙間４９の下方
には前記揺動選別盤２９の後端に一体連設する揺
動篩線５０の後端を臨ませ、前記処理胴４１での
回転中脱粒処理された藁屑がリード弁４６の案内
によつてこの隙間４９に送り込まれたとき分散し
粗の状態となつて吸排塵フアン４３に良好に吸い
込まれ排出するように構成している。

本実施例は上記の如く構成しており、穀稈を連
続的に刈取つて脱穀する場合、上記扱室２７下部
のクリンプ網２８より漏下する穀粒は、フイード
パン３１及びストローラツク３３及び送別網３４
を介して一番選別樋３７に落下し、一番コンベア
３６及び揚穀筒１９を介して籾タンク１８に取出
される。また前記クリンプ網２８及び排塵口３２
より落下する藁屑は、ストローラツク３３上面を
この後方に送られ、前記フアン４４によつて吸排
塵されると共に、前記ストローラツク３３後方に
排出される藁屑並びに枝梗付穀粒は前記処理胴４
１外周に導入されるもので、今扱胴８での回転慣
性力により処理胴４１の右側に片寄つて導入され
る藁屑及び枝梗付穀粒はその持ち廻り回転での脱
粒処理中、前記リード弁４６によつて左方向に順
次送られて選別空域隙間４９に送り出される。そ
して該隙間４９に至つた藁屑などの処理物はこの
空域で前記フアン３５，４３の選別風或いは篩線
５０の揺動運動などによつて一層拡散され穀粒の
分離を促進させると共に、処理物の密度を粗状態
とさせて吸排塵フアン４３への吸い込みを助長さ
せる。

この結果、藁屑などが団子状のものとなつて穀
粒の分離を不充分とし三番ロスの増大或いは吸排
塵フアン４３への吸い込みを不良とさせて詰まり
事故を発生させるなどの各種不都合が解消される
ものである。

また、処理胴４１と吸排塵フアン４３とが同一
軸のため駆動系も簡単となると共に、これら処理
胴４１と吸排塵フアン４３を左右に対峙させるた
め扱室２７後方の選別処理室の前後長さを大巾に
縮小し得て機体をコンパクトとすることができ
る。

以上実施例からも明らかなように本考案は、扱
胴８後方の反フイードチエーン７側に直交形処理
胴４１を備えると共に、前記処理胴４１に対向す
るフイードチエーン７側に吸排塵装置４３を配備
し、これら処理胴４１と吸排塵装置４３との間に
選別空域隙間４９を形成させるものであるから、
扱室２７より一側に片寄つて排出される排塵物及
び枝梗付穀粒を前記処理胴４１で効果的に脱粒及
び細断処理して藁屑と穀粒の分離を促進させて三
番ロスの著しい低減を図ることができると共に、
排塵物を前記隙間４９で拡散させ粗状態とさせて
穀粒の一層の分離と、吸排塵装置４３への吸い込
みを良好とさせることができ、この結果排塵物に
よる詰まり事故など解消させて作業能率と選別性
能を向上させることができるなど顕著な効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すコンバインの
全体側面図、第２図は同平面図、第３図は脱穀部
の断面側面図、第４図は同平面図、第５図は同背
面図である。 ７……フイードチエーン、８……扱胴、４１…
…処理胴、４３……吸排塵装置、４９……選別空
域隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱胴後方の反フイードチエーン側に直交形処理
   胴を備えると共に、前記処理胴に対向するフイー
   ドチエーン側に吸排塵装置を配備し、これら処理
   胴と吸排塵装置との間に選別空域隙間を形成させ
   たことを特徴とする脱穀装置。