JP2571837Y2 - 歯車列の潤滑構造 - Google Patents

歯車列の潤滑構造

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JP2571837Y2
JP2571837Y2 JP1992081430U JP8143092U JP2571837Y2 JP 2571837 Y2 JP2571837 Y2 JP 2571837Y2 JP 1992081430 U JP1992081430 U JP 1992081430U JP 8143092 U JP8143092 U JP 8143092U JP 2571837 Y2 JP2571837 Y2 JP 2571837Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、歯車列の潤滑構造、殊
にスラスト力を受ける歯車を持つ歯車列に対する潤滑構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、エンジンのタイミングギヤ列の
ように、駆動軸(クランク軸)から中間軸(アイドリン
グギヤ軸)を介して被動軸(カム軸)へヘリカルギヤに
より動力を伝達する歯車列においては、該歯車列を構成
するギヤにスラスト力が発生し、このスラスト力は前記
歯車列から動力取出装置(PTO)により動力を取り出
す場合には大きくなる。このため、殊に中間軸に支持さ
れた中間ギヤは該中間軸の軸心に対して傾き、該ギヤの
側面に中間軸のスラスト受けとの間にスラストワッシャ
を組み込んでも、スラスト力が大きくなると表面にいわ
ゆるカジリを多発させ、時には焼付きを生じて、スラス
トワッシャ、中間ギヤ、中間軸等の交換を必要としてい
た。この場合、中間ギヤの前記傾きによるカジリの発生
する方向、位置は、前記歯車列のレイアウト、ヘリカル
歯の組合せ状況により決定されるが、潤滑油は従来図3
に示すように、中間軸1内の潤滑油路2を通って中間ギ
ヤ3の内径部のみへ供給されるのが通常であり、従って
前記カジリの発生個所への潤滑油供給はなされていなか
った。
【0003】ところで、実開昭60−110760号公
報には、歯車変速機におけるシャフト上のスラストワッ
シャに隣接する被潤滑部材(例えば上記シャフト支持用
ベアリング)に対する潤滑を、ハウジングに対する被潤
滑部材の位置に関わらず、且つ強制潤滑用の部材を追加
することなく行うため、前記シャフトにはその軸方向に
潤滑穴を設けると共に、その半径方向に指向する吐出孔
を貫設し、前記の被潤滑部材に接面するスラストワッシ
ャの側面には吐出孔に連通する油溝を凹設した歯車変速
機の潤滑構造が示されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記実
開昭公報記載のものは、回転する軸にあけた孔から遠心
力で周囲に放出される潤滑油を、スラストワッシャに形
成した油溝で例えば軸受に単に導くのみであり、前記の
如くスラスト力で倒れるギヤがカジリを発生しようとす
る、特定の方向、位置に潤滑油を吐出させることはでき
ない。本考案は上記に鑑み、スラスト力で倒れるギヤが
カジリを発生しようとする、特定の方向、位置に潤滑油
を吐出させることができ、これによって前記カジリを未
然に防止し得る潤滑構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本考案歯車列の潤滑構造は、駆動軸から中間軸を経て
被動軸へヘリカルギヤにより動力を伝達する歯車列にお
ける前記中間軸に、メタル及び該メタルを挟んで設けた
スラストワッシャを介して支持する中間ギヤ内径部への
潤滑油路を形成するとともに、前記スラストワッシャを
両側から挟持する前記中間軸と一体のフランジ及びスラ
ストプレートに対し、前記フランジに隣接して潤滑油を
噴出せしめる噴出油孔と、前記スラストプレートに面し
て形成した噴出油溝を各々設け、これら油孔、油溝を前
記潤滑油路に連結したことを特徴とする。
【0006】
【作 用】上記構成になる本考案歯車列の潤滑構造で
は、前記歯車列の回転時前記中間ギヤほかにはヘリカル
ギヤのためスラスト力が発生するが、中間ギヤでは前記
潤滑油路に送油された潤滑油が中間ギヤの内径部を潤滑
しつつ、前記噴出油孔及び噴出油溝から噴出して厚い油
膜を形成し、中間ギヤの倒れによる側面部材のカジリの
発生を未然に防止する。
【0007】
【実施例】図1〜2において、10は本考案が適用され
る歯車列で、駆動軸11から第1の中間軸12、第2の
中間軸13を介して図示しない被動軸へヘリカルギヤに
より動力を伝達するように構成されている。即ち、前記
駆動軸11には小径の駆動ギヤ(ピニオン)14が固定
されている。また、前記第1の中間軸12は回転しない
が、該軸12には、前記駆動ギヤ14と噛合う第1中間
ギヤ16が回転自在に支持されており、該中間ギヤ16
には内径部にメタル15が設けられている。さらに前記
第2の中間軸13も回転しないが、該軸13には前記第
1中間ギヤ16と噛合う第2中間ギヤ18がボールベア
リング17により回転自在に支持されている。なお、1
9は図示しない被動軸に固定され、前記第2中間ギヤ1
8と噛合う被動ギヤである。前記第1の中間軸12は、
図2に詳細を示すように、一端にフランジ部12aが形
成され、他端にスラストプレート20がボルト21によ
り固定し得るよう構成されており、中間ギヤ16は、両
側をスラストワッシャ22で挟んで前記中間軸16に嵌
装した後、スラストプレート20をボルト21により中
間軸12端部に固定して組付けられるように構成されて
いる。また、前記中間軸12の内部には、前記中間ギヤ
16のメタル15へ向かう分岐路23aを設けた潤滑油
路23と該潤滑油路23に連結してスラスト発生時中間
ギヤ16がスラストワッシャ22と接触する方向へ潤滑
油を噴出せしめる噴出油孔24及び噴出油溝25が形成
されている。即ち、上記噴出油孔24及び噴出油溝25
は中間軸12の軸心を挟んで互いに対向的に形成される
が、そのうち、噴出油孔24は、中間軸12と一体の
ランジ12a側に隣接して形成され、また噴出油溝25
は、中間軸12のスラストプレート20と接する端面1
2bに形成され、スラストプレート20との間で油路が
構成される。
【0008】上記構成になる本考案潤滑構造は、前記歯
車列10の回転時前記中間ギヤ16ほかにはヘリカルギ
ヤのためスラスト力が発生するが、中間ギヤ16では前
記潤滑油路23に送油された潤滑油が中間ギヤ12のメ
タル15内面を潤滑するとともに前記噴出油孔24か
ら噴出して、フランジ部12aとスラストワッシャ22
との間に吹き付けられ、また、噴出油溝25から噴出し
てスラストプレート20とスラストワッシャ22の間に
直接塗り付けてその箇所に厚い油膜を形成し、これによ
って中間ギヤ16の倒れによるスラストワッシャ22の
カジリの発生を未然に防止する。
【0009】
【考案の効果】本考案歯車列の潤滑構造は、駆動軸から
中間軸を経て被動軸ヘヘリカルギヤにより動力を伝達す
る歯車列における前記中間軸に、メタル及び該メタルを
挟んで設けたスラストワッシャを介して支持する中間ギ
ヤ内径部への潤滑油路を形成するとともに、前記スラス
トワッシャを両側から挟持する前記中間軸と一体のフラ
ンジ及びスラストプレートに対し、前記フランジに隣接
して潤滑油を噴出せしめる噴出油孔と、前記スラストプ
レートに面して形成した噴出油溝を各々設け、これら油
孔、油溝を前記潤滑油路に連結したので、前記歯車列の
駆動に伴い発生したスラストカにより中間ギヤが倒れ側
面部材と接触したときも、前記接触部所に形成した厚い
油膜によりスラストワッシャ等の側面部材のカジリを未
然に防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案歯車列の潤滑構造を持つ歯車列の断面図
【図2】本考案潤滑構造を備えた中間軸の側面図及び正
面図
【図3】従来の潤滑構造を備えた中間軸の側面図及び正
面図
【符号の説明】
10;歯車列 11;駆動軸 12;第1の中間軸 13;第2の中間軸 14;駆動ギヤ 15;メタルの短腕 16;第1中間ギヤ 18;第2中間ギヤ 19;被動ギヤ 20;スラストプレート 22;スラストワッシャ 23;潤滑油路24;噴出油孔 25;噴出油溝

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸から中間軸を経て被動軸へヘリカ
    ルギヤにより動力を伝達する歯車列における前記中間軸
    に、メタル及び該メタルを挟んで設けたスラストワッシ
    ャを介して支持する中間ギヤ内径部への潤滑油路を形成
    するとともに、前記スラストワッシャを両側から挟持す
    る前記中間軸と一体のフランジ及びスラストプレートに
    対し、前記フランジに隣接して潤滑油を噴出せしめる噴
    出油孔と、前記スラストプレートに面して形成した噴出
    油溝を各々設け、これら油孔、油溝を前記潤滑油路に連
    結したことを特徴とする歯車列の潤滑構造。
JP1992081430U 1992-10-31 1992-10-31 歯車列の潤滑構造 Expired - Fee Related JP2571837Y2 (ja)

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