JP2587032Y2 - タイミングギア装置 - Google Patents
タイミングギア装置Info
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- JP2587032Y2 JP2587032Y2 JP1993055254U JP5525493U JP2587032Y2 JP 2587032 Y2 JP2587032 Y2 JP 2587032Y2 JP 1993055254 U JP1993055254 U JP 1993055254U JP 5525493 U JP5525493 U JP 5525493U JP 2587032 Y2 JP2587032 Y2 JP 2587032Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車用エンジンを主
体として製造される産業用エンジンにおけるタイミング
ギア装置に関するものである。
体として製造される産業用エンジンにおけるタイミング
ギア装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業用機械のためのエンジン(以下、
「産業用エンジン」という)は、自動車用エンジンに比
べて生産数量が少ない。従って、独立して設計,生産し
たのではコストが高くつく。そこで、自動車エンジンを
主体とし、若干の改造を施したものを産業用エンジンと
して使用することが行われている。
「産業用エンジン」という)は、自動車用エンジンに比
べて生産数量が少ない。従って、独立して設計,生産し
たのではコストが高くつく。そこで、自動車エンジンを
主体とし、若干の改造を施したものを産業用エンジンと
して使用することが行われている。
【0003】改造が行われる箇所の例として、タイミン
グベルトの部分がある。自動車用エンジンでは、クラン
クシャフトからインジェクションポンプへ回転力を伝え
たり、クランクシャフトからカムシャフトへ回転力を伝
えたりする機構として、静粛性を良くするためにタイミ
ングベルトやタイミングチェーンが用いられている。し
かしながら、産業用エンジンでは、静粛性よりも耐久
性,信頼性の方が重視されるので、タイミングベルト等
の代わりにギア機構が用いられる。このギア機構は「タ
イミングギア」と呼ばれ、幾つかのアイドルギアを組み
合わせて構成される。タイミングギアは、シリンダボデ
ィの外側の、クランクシャフトギアがある側に取り付け
られるが、その支持装置としては、ボルトおよびスラス
ト板が用いられる。
グベルトの部分がある。自動車用エンジンでは、クラン
クシャフトからインジェクションポンプへ回転力を伝え
たり、クランクシャフトからカムシャフトへ回転力を伝
えたりする機構として、静粛性を良くするためにタイミ
ングベルトやタイミングチェーンが用いられている。し
かしながら、産業用エンジンでは、静粛性よりも耐久
性,信頼性の方が重視されるので、タイミングベルト等
の代わりにギア機構が用いられる。このギア機構は「タ
イミングギア」と呼ばれ、幾つかのアイドルギアを組み
合わせて構成される。タイミングギアは、シリンダボデ
ィの外側の、クランクシャフトギアがある側に取り付け
られるが、その支持装置としては、ボルトおよびスラス
ト板が用いられる。
【0004】図4は、従来のタイミングギア装置が使用
されているエンジンを示す図であり、クランクシャフト
の軸方向から見た模式図である。図4において、1はシ
リンダボディ、2はインジェクションポンプ、3はフロ
ントプレート、4はインジェクションポンプギア、5は
ボルト、6はギア部、7はスラスト板、8はシャフト
部、9はボルト、10はギア部、11はスラスト板、1
2はシャフト部、13はボルト、14は油穴、15はク
ランクシャフト、16はクランクシャフトギア、17は
カムシャフト、18はカムシャフトギア、19はウォー
ターポンプ、31,32はアイドルギアである。
されているエンジンを示す図であり、クランクシャフト
の軸方向から見た模式図である。図4において、1はシ
リンダボディ、2はインジェクションポンプ、3はフロ
ントプレート、4はインジェクションポンプギア、5は
ボルト、6はギア部、7はスラスト板、8はシャフト
部、9はボルト、10はギア部、11はスラスト板、1
2はシャフト部、13はボルト、14は油穴、15はク
ランクシャフト、16はクランクシャフトギア、17は
カムシャフト、18はカムシャフトギア、19はウォー
ターポンプ、31,32はアイドルギアである。
【0005】この例では、タイミングギア装置は、2つ
のアイドルギア31,32と、それらをシリンダボディ
1に支持するためのスラスト板7,11,ボルト9,1
3等から構成されている。アイドルギア31は、ギア部
10,シャフト部12とから構成されている。アイドル
ギア32は、ギア部6,シャフト部8とから構成されて
いる。
のアイドルギア31,32と、それらをシリンダボディ
1に支持するためのスラスト板7,11,ボルト9,1
3等から構成されている。アイドルギア31は、ギア部
10,シャフト部12とから構成されている。アイドル
ギア32は、ギア部6,シャフト部8とから構成されて
いる。
【0006】自動車用エンジンを主体としている関係
上、クランクシャフトギア16の位置,カムシャフトギ
ア18の位置,インジェクションポンプギア4の位置,
ウォーターポンプ19の位置は決まってしまっている。
それを前提条件として受け入れた上で、クランクシャフ
トギア16からカムシャフトギア18へ回転力を伝える
ためにアイドルギア31が設けられ、該アイドルギア3
1を介してインジェクションポンプギア4へ伝えるた
め、更にアイドルギア32が設けられている。
上、クランクシャフトギア16の位置,カムシャフトギ
ア18の位置,インジェクションポンプギア4の位置,
ウォーターポンプ19の位置は決まってしまっている。
それを前提条件として受け入れた上で、クランクシャフ
トギア16からカムシャフトギア18へ回転力を伝える
ためにアイドルギア31が設けられ、該アイドルギア3
1を介してインジェクションポンプギア4へ伝えるた
め、更にアイドルギア32が設けられている。
【0007】アイドルギアをわざわざ2つ設けなくて
も、クランクシャフトギア16とカムシャフトギア18
とインジェクションポンプギア4とに噛合するアイドル
ギアを設ければ、1つで済むように考えられる。しか
し、そのようなアイドルギアはサイズが大きくなるの
で、ウォーターポンプ19が邪魔になって搭載すること
が出来ない。そのため、サイズを小さくしなければなら
ず、アイドルギアの数は2つとなるのである。
も、クランクシャフトギア16とカムシャフトギア18
とインジェクションポンプギア4とに噛合するアイドル
ギアを設ければ、1つで済むように考えられる。しか
し、そのようなアイドルギアはサイズが大きくなるの
で、ウォーターポンプ19が邪魔になって搭載すること
が出来ない。そのため、サイズを小さくしなければなら
ず、アイドルギアの数は2つとなるのである。
【0008】図6は、図4におけるA−A線での一部断
面図である。符号は図4のものに対応し、20はボール
ベアリング、21はブッシュ、22はオイルギャラリ油
路である。オイルギャラリ油路22は、紙面に垂直な方
向に開けられている油路である。これは、クランクシャ
フト15等の潤滑のための油を供給する通路として、自
動車用エンジンに元々設けられている。フロントプレー
ト3は、インジェクションポンプ2をシリンダボディ1
に取り付けるためのものである。シリンダボディ1にフ
ロントプレート3をしっかりと固定し、そのフロントプ
レート3に対して、図示しないボルト等によりインジェ
クションポンプ2が取り付けられている。
面図である。符号は図4のものに対応し、20はボール
ベアリング、21はブッシュ、22はオイルギャラリ油
路である。オイルギャラリ油路22は、紙面に垂直な方
向に開けられている油路である。これは、クランクシャ
フト15等の潤滑のための油を供給する通路として、自
動車用エンジンに元々設けられている。フロントプレー
ト3は、インジェクションポンプ2をシリンダボディ1
に取り付けるためのものである。シリンダボディ1にフ
ロントプレート3をしっかりと固定し、そのフロントプ
レート3に対して、図示しないボルト等によりインジェ
クションポンプ2が取り付けられている。
【0009】アイドルギア31では、シャフト部12の
周囲に、ブッシュ21を介してギア部10が嵌合され
る。そして、スラスト板11を当てられた上で、シャフ
ト部12はボルト13でシリンダボディ1に固定されて
いる。アイドルギア32では、シャフト部8の周囲に、
ボールベアリング20を介してギア部6が嵌合される。
そして、スラスト板7を当てられ、ギア部6が外れない
ようにされた上で、シャフト部8はボルト9によりシリ
ンダボディ1に固定されている。
周囲に、ブッシュ21を介してギア部10が嵌合され
る。そして、スラスト板11を当てられた上で、シャフ
ト部12はボルト13でシリンダボディ1に固定されて
いる。アイドルギア32では、シャフト部8の周囲に、
ボールベアリング20を介してギア部6が嵌合される。
そして、スラスト板7を当てられ、ギア部6が外れない
ようにされた上で、シャフト部8はボルト9によりシリ
ンダボディ1に固定されている。
【0010】ブッシュ21への潤滑油の供給は、シリン
ダボディ1に開けた穴とシャフト部12に開けた油穴1
4とから成る通路を経由して行われる。シリンダボディ
1の表面のシャフト部12を取り付ける位置から、オイ
ルギャラリ油路22に達する穴を開け、シャフト部12
の底部を、その穴に嵌合し得る形状とする。シャフト部
12には、嵌合時に該穴とシャフト部の側面とを通ずる
ような油穴14を設ける。これらによって、潤滑油を取
り出す通路が形成される。
ダボディ1に開けた穴とシャフト部12に開けた油穴1
4とから成る通路を経由して行われる。シリンダボディ
1の表面のシャフト部12を取り付ける位置から、オイ
ルギャラリ油路22に達する穴を開け、シャフト部12
の底部を、その穴に嵌合し得る形状とする。シャフト部
12には、嵌合時に該穴とシャフト部の側面とを通ずる
ような油穴14を設ける。これらによって、潤滑油を取
り出す通路が形成される。
【0011】アイドルギアとシャフトとの間の潤滑機構
としては、アイドルギア31ではブッシュが用いられ、
アイドルギア32ではボールベアリングが用いられてい
るが、その理由は次の通りである。ボールベアリングよ
りもブッシュの方がコストが安いので、もしブッシュが
使えるのであればブッシュの方が採用される。しかし、
ブッシュを使う場合には、そこに潤滑油を供給してやる
必要がある。シリンダボディ1で潤滑油が流れている機
構としてはオイルギャラリ油路22があるが、アイドル
ギア31を設ける位置はオイルギャラリ油路22に近
く、そこから潤滑油を取り出すことが出来る。そのた
め、アイドルギア31ではブッシュを使用している。一
方、アイドルギア32の位置はオイルギャラリ油路22
から遠いので、潤滑油を導くのが困難である。そこでボ
ールベアリングを使用している。
としては、アイドルギア31ではブッシュが用いられ、
アイドルギア32ではボールベアリングが用いられてい
るが、その理由は次の通りである。ボールベアリングよ
りもブッシュの方がコストが安いので、もしブッシュが
使えるのであればブッシュの方が採用される。しかし、
ブッシュを使う場合には、そこに潤滑油を供給してやる
必要がある。シリンダボディ1で潤滑油が流れている機
構としてはオイルギャラリ油路22があるが、アイドル
ギア31を設ける位置はオイルギャラリ油路22に近
く、そこから潤滑油を取り出すことが出来る。そのた
め、アイドルギア31ではブッシュを使用している。一
方、アイドルギア32の位置はオイルギャラリ油路22
から遠いので、潤滑油を導くのが困難である。そこでボ
ールベアリングを使用している。
【0012】なお、アイドルギアへの給油装置に関する
文献としては、例えば実開昭55−55655 号公報,実開昭
55− 55656号公報等がある。
文献としては、例えば実開昭55−55655 号公報,実開昭
55− 55656号公報等がある。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】(問題点) しかしながら、前記した従来のタイミングギア装置に
は、次のような問題点があった。第1の問題点は、ギア
の噛み合い音が大となったり、ギアの片当たりによるピ
ッチングが増大するという点である。第2の問題点は、
潤滑機構としてボールベアリングを用いているアイドル
ギアが含まれているので、コストが高くつくと共に、耐
久性が悪いという点である。
は、次のような問題点があった。第1の問題点は、ギア
の噛み合い音が大となったり、ギアの片当たりによるピ
ッチングが増大するという点である。第2の問題点は、
潤滑機構としてボールベアリングを用いているアイドル
ギアが含まれているので、コストが高くつくと共に、耐
久性が悪いという点である。
【0014】(問題点の説明) まず第1の問題点について説明する。従来のタイミング
ギア装置では、各アイドルギアは片持ち支持のかたちで
個別に支持されているので、ギアの伝達トルクが大とな
った場合、シャフトが倒れがちとなる。図5は、アイド
ルギアシャフトの倒れを説明する図である。符号は、図
6のものに対応している。シャフト部8は、ボルト9に
よりシリンダボディ1に取り付けられているが、この取
り付け状態は片持ち支持の状態となっている。そのた
め、伝達トルクが大となった場合には、点線で描いたよ
うに幾らか倒れることがある。
ギア装置では、各アイドルギアは片持ち支持のかたちで
個別に支持されているので、ギアの伝達トルクが大とな
った場合、シャフトが倒れがちとなる。図5は、アイド
ルギアシャフトの倒れを説明する図である。符号は、図
6のものに対応している。シャフト部8は、ボルト9に
よりシリンダボディ1に取り付けられているが、この取
り付け状態は片持ち支持の状態となっている。そのた
め、伝達トルクが大となった場合には、点線で描いたよ
うに幾らか倒れることがある。
【0015】シャフトが倒れると、離れた方のギアとの
バックラッシ(噛合関係にある相手ギアとの歯と歯の隙
間)が大になる。そうすると、ギアの噛み合い音が大と
なったり、ギアの片当たりによるピッチングが増大する
ことになる。
バックラッシ(噛合関係にある相手ギアとの歯と歯の隙
間)が大になる。そうすると、ギアの噛み合い音が大と
なったり、ギアの片当たりによるピッチングが増大する
ことになる。
【0016】次に第2の問題点についての捕捉説明をす
る。ボールベアリングには格別の潤滑油供給機構を設け
ていないので、その潤滑は雰囲気中のオイル飛沫に頼ら
ざるを得ないが、それでは耐久性が悪くなる。本考案
は、以上のような問題点を解決することを課題とするも
のである。
る。ボールベアリングには格別の潤滑油供給機構を設け
ていないので、その潤滑は雰囲気中のオイル飛沫に頼ら
ざるを得ないが、それでは耐久性が悪くなる。本考案
は、以上のような問題点を解決することを課題とするも
のである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本考案のタイミングギア装置では、エンジンのクラ
ンクシャフトの回転力をインジェクションポンプギアお
よびカムシャフトギアに伝えるためシリンダボディの外
面に固着されているタイミングギア装置において、シャ
フト部にシリンダボディのオイルギャラリ油路および該
シャフト部の頭部並びに側壁に通ずる第1の油穴が開け
られ、ギア部との間の潤滑機構としてブッシュが用いら
れた第1のアイドルギアと、シャフト部の頭部並びに側
壁に通ずる第2の油穴が開けられ、ギア部との間の潤滑
機構としてブッシュが用いられた第2のアイドルギア
と、前記第1,第2のアイドルギアをシリンダボディに
固着する際に共通して用いられ、前記第1,第2の油穴
へ固着時に通ずる第3の油穴が開けられたスラスト板と
を具えることとした。
め、本考案のタイミングギア装置では、エンジンのクラ
ンクシャフトの回転力をインジェクションポンプギアお
よびカムシャフトギアに伝えるためシリンダボディの外
面に固着されているタイミングギア装置において、シャ
フト部にシリンダボディのオイルギャラリ油路および該
シャフト部の頭部並びに側壁に通ずる第1の油穴が開け
られ、ギア部との間の潤滑機構としてブッシュが用いら
れた第1のアイドルギアと、シャフト部の頭部並びに側
壁に通ずる第2の油穴が開けられ、ギア部との間の潤滑
機構としてブッシュが用いられた第2のアイドルギア
と、前記第1,第2のアイドルギアをシリンダボディに
固着する際に共通して用いられ、前記第1,第2の油穴
へ固着時に通ずる第3の油穴が開けられたスラスト板と
を具えることとした。
【0018】
【作 用】タイミングギア装置を構成する第1,第2
のアイドルギアを、シリンダボディに取り付ける際、個
別のスラスト板を用いるのではなく、共通のスラスト板
を用いる。これにより、アイドルギアの支持剛性が個別
に取り付けた場合に比して強固となると共に、2つのア
イドルギア間の距離が変化しなくなる。そのため、伝達
トルクが大であってもシャフトの倒れが少なくなり、ギ
アのバックラッシが小となるので、ギアの片当たりによ
るピッチングおよびギアの噛み合い音が小となる。
のアイドルギアを、シリンダボディに取り付ける際、個
別のスラスト板を用いるのではなく、共通のスラスト板
を用いる。これにより、アイドルギアの支持剛性が個別
に取り付けた場合に比して強固となると共に、2つのア
イドルギア間の距離が変化しなくなる。そのため、伝達
トルクが大であってもシャフトの倒れが少なくなり、ギ
アのバックラッシが小となるので、ギアの片当たりによ
るピッチングおよびギアの噛み合い音が小となる。
【0019】また、共通のスラスト板に油穴を開け、シ
リンダボディのオイルギャラリ油路から取り出した潤滑
油を、どのアイドルギアにも給油できるようにしたの
で、全てのアイドルギアの潤滑機構としてブッシュを使
用することが可能となった。これにより、ボールベアリ
ングを用いた場合に比し、コストが低減されると共に、
耐久性が向上する。
リンダボディのオイルギャラリ油路から取り出した潤滑
油を、どのアイドルギアにも給油できるようにしたの
で、全てのアイドルギアの潤滑機構としてブッシュを使
用することが可能となった。これにより、ボールベアリ
ングを用いた場合に比し、コストが低減されると共に、
耐久性が向上する。
【0020】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本考案のタイミングギア装置が使
用されているエンジンを示す図である。符号は図4のも
のに対応し、23はスラスト板、24は油穴である。図
4と対応するものの構造,機能は、図4の場合と同様で
あるので、その説明は省略する。
に説明する。図1は、本考案のタイミングギア装置が使
用されているエンジンを示す図である。符号は図4のも
のに対応し、23はスラスト板、24は油穴である。図
4と対応するものの構造,機能は、図4の場合と同様で
あるので、その説明は省略する。
【0021】図1に表れている従来例との相違点は、2
つのアイドルギアをシリンダボディに固着するに際し、
個別のスラスト板を用いるのでなく、共通のスラスト板
23を用いたという点である。なお、スラスト板23に
は、油穴24が設けられている。
つのアイドルギアをシリンダボディに固着するに際し、
個別のスラスト板を用いるのでなく、共通のスラスト板
23を用いたという点である。なお、スラスト板23に
は、油穴24が設けられている。
【0022】図2は、スラスト板23の断面図であり、
図1のB−Bの位置の断面を示している。図示する如
く、もし開けようとしている油穴24の径に比し、スラ
スト板23の肉厚が薄い場合には、油穴24を開ける部
分に沿って予め肉厚を大にしておく。
図1のB−Bの位置の断面を示している。図示する如
く、もし開けようとしている油穴24の径に比し、スラ
スト板23の肉厚が薄い場合には、油穴24を開ける部
分に沿って予め肉厚を大にしておく。
【0023】図3は、図1におけるA−A線での一部断
面図である。符号は図6および図1のものに対応し、2
5は油穴、26はシーリングカップ、27はブッシュで
ある。図6と対応するものの説明は省略する。全てのア
イドルギア31,32に対して、共通のスラスト板23
が用いられ、更にアイドルギア32のギア部6とシャフ
ト部8との潤滑機構としても、ボールベアリングではな
くブッシュ27が用いられる。即ち、本考案では、全て
のアイドルギアのためのスラスト板は共通にされると共
に、全てのアイドルギアのギア部とシャフト部との潤滑
機構にはブッシュが用いられる。
面図である。符号は図6および図1のものに対応し、2
5は油穴、26はシーリングカップ、27はブッシュで
ある。図6と対応するものの説明は省略する。全てのア
イドルギア31,32に対して、共通のスラスト板23
が用いられ、更にアイドルギア32のギア部6とシャフ
ト部8との潤滑機構としても、ボールベアリングではな
くブッシュ27が用いられる。即ち、本考案では、全て
のアイドルギアのためのスラスト板は共通にされると共
に、全てのアイドルギアのギア部とシャフト部との潤滑
機構にはブッシュが用いられる。
【0024】全てのアイドルギアのためのスラスト板が
共通にされ、それが複数のボルトで(1つのアイドルギ
アにつき少なくとも1本のボルトが用いられるが、アイ
ドルギアが複数なのでボルトも複数となる)シリンダボ
ディ1に取り付けられると、取り付けが強固になり、支
持剛性が大幅に向上する。そのため、伝達トルクが大と
なってもシャフトが倒れにくくなる。更に、共通のスラ
スト板23で固着されることにより、アイドルギア3
1,32間の距離が固定されるから、バックラッシが増
大することがなくなる。従って、ギアの噛み合い音が大
となったり、ギアの片当たりによるピッチングが増大し
たりすることはない。
共通にされ、それが複数のボルトで(1つのアイドルギ
アにつき少なくとも1本のボルトが用いられるが、アイ
ドルギアが複数なのでボルトも複数となる)シリンダボ
ディ1に取り付けられると、取り付けが強固になり、支
持剛性が大幅に向上する。そのため、伝達トルクが大と
なってもシャフトが倒れにくくなる。更に、共通のスラ
スト板23で固着されることにより、アイドルギア3
1,32間の距離が固定されるから、バックラッシが増
大することがなくなる。従って、ギアの噛み合い音が大
となったり、ギアの片当たりによるピッチングが増大し
たりすることはない。
【0025】ところで、ブッシュ27にも潤滑油を供給
する必要が出て来るわけであるが、その供給は、共通の
スラスト板23に油穴24を設けると共に、アイドルギ
ア32のシャフト部8に油穴25を設けることによって
行う。そこで、まず油穴24について説明する。油穴2
4は、次の第1〜第3の穴から成る。第1の穴は、先端
がシャフト部12の頭部を覆う部分で止まるよう、スラ
スト板23の長手方向に開けた穴である。第2の穴は、
シャフト部12の頭部を覆う部分から、前記第1の穴に
到達するようスラスト板23の厚み方向に開けた穴であ
る。第3の穴は、シャフト部8の頭部を覆う部分から、
前記第1の穴に到達するようスラスト板23の厚み方向
に開けた穴である。なお、シーリングカップ26は、前
記第1の穴を開けた際の開口部を、単に塞ぐためのもの
である。
する必要が出て来るわけであるが、その供給は、共通の
スラスト板23に油穴24を設けると共に、アイドルギ
ア32のシャフト部8に油穴25を設けることによって
行う。そこで、まず油穴24について説明する。油穴2
4は、次の第1〜第3の穴から成る。第1の穴は、先端
がシャフト部12の頭部を覆う部分で止まるよう、スラ
スト板23の長手方向に開けた穴である。第2の穴は、
シャフト部12の頭部を覆う部分から、前記第1の穴に
到達するようスラスト板23の厚み方向に開けた穴であ
る。第3の穴は、シャフト部8の頭部を覆う部分から、
前記第1の穴に到達するようスラスト板23の厚み方向
に開けた穴である。なお、シーリングカップ26は、前
記第1の穴を開けた際の開口部を、単に塞ぐためのもの
である。
【0026】シャフト部12においては、スラスト板2
3を装着した時、前記第2の穴と従来の油穴14とが通
ずるように、油穴14を延長する。また、シャフト部8
には、スラスト板23を装着した時、前記第3の穴と油
穴24とが通ずるよう新たに油穴25を開けたものを使
用する。
3を装着した時、前記第2の穴と従来の油穴14とが通
ずるように、油穴14を延長する。また、シャフト部8
には、スラスト板23を装着した時、前記第3の穴と油
穴24とが通ずるよう新たに油穴25を開けたものを使
用する。
【0027】以上のような構成にすることにより、オイ
ルギャラリ油路22から従来と同様ブッシュ21に潤滑
油が供給されると共に、油穴14→油穴24→油穴25
を経由して、ブッシュ27にも供給される。
ルギャラリ油路22から従来と同様ブッシュ21に潤滑
油が供給されると共に、油穴14→油穴24→油穴25
を経由して、ブッシュ27にも供給される。
【0028】
【考案の効果】以上述べた如く、本考案のタイミングギ
ア装置によれば、タイミングギア装置を構成する第1,
第2のアイドルギアを、共通のスラスト板を用いてシリ
ンダボディに取り付けるので、アイドルギアの支持剛性
が個別に取り付けた場合に比して強固となると共に、2
つのアイドルギア間の距離が変化しなくなる。そのた
め、シャフトの倒れが少なくなり、ギアのバックラッシ
が小となるので、ギアの片当たりによるピッチングおよ
びギアの噛み合い音が小となる。
ア装置によれば、タイミングギア装置を構成する第1,
第2のアイドルギアを、共通のスラスト板を用いてシリ
ンダボディに取り付けるので、アイドルギアの支持剛性
が個別に取り付けた場合に比して強固となると共に、2
つのアイドルギア間の距離が変化しなくなる。そのた
め、シャフトの倒れが少なくなり、ギアのバックラッシ
が小となるので、ギアの片当たりによるピッチングおよ
びギアの噛み合い音が小となる。
【0029】また、共通のスラスト板に油穴を開け、シ
リンダボディのオイルギャラリ油路から取り出した潤滑
油を、どのアイドルギアにも給油できるようにしたの
で、アイドルギアの潤滑機構としてブッシュを使用する
ことが出来、ボールベアリングを用いた場合に比し、コ
ストが低減されると共に、耐久性が向上される。
リンダボディのオイルギャラリ油路から取り出した潤滑
油を、どのアイドルギアにも給油できるようにしたの
で、アイドルギアの潤滑機構としてブッシュを使用する
ことが出来、ボールベアリングを用いた場合に比し、コ
ストが低減されると共に、耐久性が向上される。
【図1】 本考案のタイミングギア装置が使用されてい
るエンジンを示す図
るエンジンを示す図
【図2】 本考案で使用するスラスト板の断面図
【図3】 図1におけるA−A線での一部断面図
【図4】 従来のタイミングギア装置が使用されている
エンジンを示す図
エンジンを示す図
【図5】 アイドルギアシャフトの倒れを説明する図
【図6】 図4におけるA−A線での一部断面図
1…シリンダボディ、2…インジェクションポンプ、3
…フロントプレート、4…インジェクションポンプギ
ア、5…ボルト、6…ギア部、7…スラスト板、8…シ
ャフト部、9…ボルト、10…ギア部、11…スラスト
板、12…シャフト部、13…ボルト、14…油穴、1
5…クランクシャフト、16…クランクシャフトギア、
17…カムシャフト、18…カムシャフトギア、19…
ウォーターポンプ、20…ボールベアリング、21…ブ
ッシュ、22…オイルギャラリ油路、23…スラスト
板、24,25…油穴、26…シーリングカップ、27
…ブッシュ、31,32…アイドルギア
…フロントプレート、4…インジェクションポンプギ
ア、5…ボルト、6…ギア部、7…スラスト板、8…シ
ャフト部、9…ボルト、10…ギア部、11…スラスト
板、12…シャフト部、13…ボルト、14…油穴、1
5…クランクシャフト、16…クランクシャフトギア、
17…カムシャフト、18…カムシャフトギア、19…
ウォーターポンプ、20…ボールベアリング、21…ブ
ッシュ、22…オイルギャラリ油路、23…スラスト
板、24,25…油穴、26…シーリングカップ、27
…ブッシュ、31,32…アイドルギア
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 67/04 F01M 1/06 F16H 57/04 F16H 57/12
Claims (1)
- 【請求項1】 エンジンのクランクシャフトの回転力を
インジェクションポンプギアおよびカムシャフトギアに
伝えるためシリンダボディの外面に固着されているタイ
ミングギア装置において、シャフト部にシリンダボディ
のオイルギャラリ油路および該シャフト部の頭部並びに
側壁に通ずる第1の油穴が開けられ、ギア部との間の潤
滑機構としてブッシュが用いられた第1のアイドルギア
と、シャフト部の頭部並びに側壁に通ずる第2の油穴が
開けられ、ギア部との間の潤滑機構としてブッシュが用
いられた第2のアイドルギアと、前記第1,第2のアイ
ドルギアをシリンダボディに固着する際に共通して用い
られ、前記第1,第2の油穴へ固着時に通ずる第3の油
穴が開けられたスラスト板とを具えたことを特徴とする
タイミングギア装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993055254U JP2587032Y2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | タイミングギア装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993055254U JP2587032Y2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | タイミングギア装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0722042U JPH0722042U (ja) | 1995-04-21 |
JP2587032Y2 true JP2587032Y2 (ja) | 1998-12-14 |
Family
ID=12993465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993055254U Expired - Fee Related JP2587032Y2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | タイミングギア装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2587032Y2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4248462B2 (ja) * | 2004-08-20 | 2009-04-02 | 株式会社クボタ | エンジン |
JP4705889B2 (ja) * | 2006-06-30 | 2011-06-22 | ヤンマー株式会社 | エンジンの駆動伝達機構 |
JP6785814B2 (ja) * | 2018-03-27 | 2020-11-18 | ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 | エンジン |
-
1993
- 1993-09-17 JP JP1993055254U patent/JP2587032Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0722042U (ja) | 1995-04-21 |
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