JPS608094Y2 - エンジンにおけるデイストリビユ−タおよびオイルポンプ駆動ギヤ部の潤滑機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジンにおけるディストリビュータおよび
オイルポンプ駆動ギヤ部の潤滑機構に関し、さらに詳し
くは、シリンダブロック内にオイルポンプを配置してポ
ンプケースの筒状先端部を前記シリンダブロックに設け
た取付穴に挿通して外部へ延出させ、カムシャフト上に
組付けたドライブギヤと噛合するドリブンギヤを備えた
ディストリビュータシャフトの一端を前記ポンプケース
の筒状先端部内に臨むポンプシャフトの一端に連結し、
前記カムシャフトの回転によりディストリビュータとと
もに前記オイルポンプを駆動させるよにしたエンジンに
おけるディストリビュータおよびオイルポンプ駆動ギヤ
部の潤滑機構に関する。

一般に、この種エンジンにおいては、ディストリビュー
タおよびオイルポンプ駆動ギヤ部であるドライブギヤと
ドリブンギヤの噛合部は、非常に厳しい接触状態にある
。

このため、両ギヤの噛合部への潤滑油の供給が適切でな
い場合、エンジンの低温始動時には潤滑油の供給遅れに
より両ギヤに焼付き等の焼損が生じ、またエンジンの高
回転高負荷時には油膜切れにより両ギヤにギヤ摩耗が生
じることが多い。

本考案は、このような問題に対処すべくなされたもので
、その主たる目的は、エンジンの低温始動時、および始
動時から高回転時までの全ての回転領域において、前記
両ギヤの噛合部に十分な潤滑油を供給して両ギヤの焼損
、摩耗を抑制することにある。

以下、本考案を図面に基づいて説明するに、第１図には
本考案の一実施例が示されている。

本実施例に示されたエンジンは、シリンダブロック１０
内にオイルポンプ２０を配置してなるもので、ポンプケ
ース２１の筒状先端部２１ａがシリンダブロック１０に
設けた取付穴１１内に液密的に挿通されて外部に延出し
ている。

また、この筒状先端部２１ａ内にはオイルポンプ２０の
ポンプシャフト２２の先端部２２ａが臨んでいて、ポン
プケ−ス２１とポンプシャフト２２間にオイルポンプ２
０の油圧室Ｒの一部が形成されている。

一方、ディストリビュータ３０は、ディストリビュータ
シャフト３１上にドリブンギヤ３２（ハス歯歯車）を備
えていて、ディストリビュータシャフト３１の下端部が
ポンプケース２１の筒状先端部２１ａ内に挿入されてポ
ンプシャフト２２の先端に連結されている。

ディストリビュータシャフト３１上のドリブンギヤ３２
は、エンジンのカムシャフト４１上に組付けたドライブ
ギヤ４２（ハス歯歯車）に常時噛合しており、ディスト
リビュータ３０はドライブギヤ４２を介してエンジンと
同期して駆動し、同時にオイルポンプ２０が駆動してエ
ンジン各部に潤滑油を供給して当該部を潤滑する。

しかして、ポンプケース２１の筒状先端部２１ａの一側
には、第１図および第２図に示すように、シリンダブロ
ック１０に設けた取付穴１１の周縁に当接する外周部に
軸方向へ延びて上方に開口する溝部２１ｂが形成されて
いる。

この溝部２１ｂは、断面半円形の形状を呈していて、筒
状先端部２１ａに設けた連通孔２１ｃを介してオイルポ
ンプ２０の油圧室Ｒ内に連通し、シリンダブロック１０
の取付穴１１周縁とともに噴射ノルズ５０を構成してい
る。

また、取付穴１１の穴径Ｄ□とドリブンギヤ３２の噛合
い径Ｄ２とは略同長に形成されていて、噴射ノルズ５０
は両ギヤ３２゜４２の噛合部へ略指向して開口している
。

なお、噴射ノルズ５０の径は一般には１．５ｒＩｒ！ｎ
が適当であり、また連通孔２１ｃの孔径は２ｒＩｖｆＬ
、連通孔２１Ｃのポンプシャフト２２となす角度θは３
０°〜５００が適当である。

このように構成したエンジンにおいては、カムシャフト
４１の図示矢印方向への回転によりディストリビュータ
シャフト３１が図示矢印方向へ回転して、ディストリビ
ュータ３０が駆動され同時にオイルポンプが駆動される
。

これにより、オイルポンプ２０の油圧室Ｒにおける潤滑
油の圧力が上昇して、この潤滑油の一部が連通孔２１ｃ
および噴射ノルズ５０を通してドライブギヤ４２とドリ
ブンギヤ３２との噛合部に近傍に継続的に噴射される。

従って、両ギヤ３２，４２の噛合部には、オイルポンプ
２０から直接潤滑油が供給されて潤滑油の流動に起因す
る供給遅れがほとんどなく、またディストリビュータ３
０の駆動中常時潤滑油が供給されて、両ギヤ３２，４２
の噛合部の潤滑が常に良好に維持される。

この結果、低温始動時における両ギヤ３２，４２の焼損
が抑制されるとともに、低回転時においては勿論のこと
高回転高負荷時においても油膜切れによる両ギヤ３２．
４２の摩耗が抑制される。

また、一般に両ギヤ３２，４２の噛合部は、エンジン内
部の構造による位置的制約を受けるため、その良好な潤
滑は非常に難しい部位であるが、本実施例においては、
ポンプケース２１の筒状先端部２１ａの一側に設けた溝
部２１ｂとシリンダブロック１０の取付穴１１周縁とに
より、オイルポンプ２０の油室Ｒ内に連通ずる噴射ノズ
ル５０を形成しているにすぎない。

このため、比較的簡単な加工を施すのみで、オイルポン
プ２０等の形状をかえずかつその強度を損うことなく、
両ギヤ３２．４２の噛合部を良好に潤滑することができ
、また噴射ノズル５０の開口方向の管理もさほどの精度
を要しない。

なお、上記実施例においては、噴射ノズル５０を形成す
る溝部２１ｂをポンプケース２１の先端部２１ａの一側
に設けた例について示したが、当該溝部２１ｂをシリン
ダブロック１０の取付穴１１周縁に設けて、この溝部と
ポンプケース２１の先端部２１ａ外周とにより噴射ノズ
ル５０を形成するようにしてもよい。

また、本考案は、上記実施例に示した形式のエンジンに
限らず、シリンダブロック内にオイルポンプを配置して
ポンプケースの筒状先端部を前記シリンダブロックに設
けた取付穴に挿通して外部へ延出させ、カムシャフト上
に組付けたドライブギヤと噛合するドリブンギヤを備え
たディストリビュータシャフトの一端を前記ポンプケー
スの筒状先端部内に臨むポンプシャフトの一端に連結し
、前記カムシャフトの回転によりディストリビュータと
ともに前記オイルポンプを駆動させるようにした各種形
式のエンジンに実施しうる。

以上要するに、本考案においては上記した各種形式のエ
ンジンにおいて、前記シリンダブロックの取付穴周縁と
前記ポンプケースの筒状先端部外周間に、前記両ギヤの
噛合部またはその近傍へ指向して開口する噴射ノズルを
設けて、この噴射ノズルを前記オイルポンプの油室内に
連結させたことにその構成上の特徴がある。

従って、本考案によれば、エンジンの始動時から高回転
時までの全ての回転領域において前記両ギヤの噛合部に
十分な潤滑油を供給することができて、前記両ギヤの焼
損、摩耗を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る潤滑機構の一実施例を示す要部縦
断面図、第２図は第１図の噴射ノズル部を示す拡大縦断
面図である。 符号の説明、１０・・・・・・シリンダブロック、１１
・・・・・・取付穴、２０・・・・・・オイルポンプ、
２１・・・・・・ポンプケース、２１ｂ・・・・・・溝
部、２１ｃ・・・・・・連通孔、２２・・・・・・ポン
プシャフト、３０・・・・・・ディストリビュータ、３
１・・・・・・ディストリビュータシャフト、３２・・
・・・・ドリブンギヤ、４１・・・・・・カムシャフト
、４２・・・・・・ドライブギヤ、５０・・・・・・噴
射ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダブロック内にオイルポンプを配置してポンプケ
   ースの筒状先端部を前記シリンダブロックに設けた取付
   穴に挿通して外部へ延出させ、カムシャフト上に取付け
   たドライブギヤと噛合するドリブンギヤを備えたディス
   トリビュータシャフトの一端を前記ポンプケースの筒状
   先端部内に臨むポンプシャフトの一端に連結し、前記カ
   ムシャフトの回転によりディストリビュータとともに前
   記オイルポンプを駆動させるようにしたエンジンにおい
   て、前記シリンダブロックの取付穴周縁と前記ポンプケ
   ースの筒状先端部外周間に、前記両ギヤの噛合部または
   その近傍へ指向して開口する噴射ノルズを設けて、この
   噴射ノルズを前記オイルポンプの油圧室内に連通させる
   ことを特徴とするディストリビュータおよびオイルポン
   プ駆動ギヤ部の潤滑機構。