JPH034755Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、電気着火式横型４サイクルエンジン
に関し、シリンダブロツクを横型４サイクルデイ
ーゼルエンジンのシリンダブロツクと共通部品化
することができるうえ、エンジンの外形が大形化
しないようにすることを特徴とする。

＜従来技術＞ 従来の電気着火式横型４サイクルエンジンとし
ては例えば、第６図に示すものである。それはエ
ンジン１のシリンダブロツク２の前壁２ａにギヤ
ケース３を固定し、ギヤケース３内のクランクギ
ヤ５でカムギヤ７を介してカム軸６を回転駆動
し、このカム軸６の前端部６ａをカムギヤ７の前
側に位置するケース壁部分３ａに設けた潤滑ポン
プ８に連動連結するとともに、カム軸６の後端部
分６ｂをシリンダブロツク２の後壁２ｂに配設し
た発電器ハウジング９内の発電器１０に連動連結
して構成されている。なお符号１１はキヤブレタ
である。

他方、既存の横型４サイクルデイーゼルエンジ
ンとしては、第４図及び第５図に示すものがあ
る。第６図に示す電気着火式エンジンと第４図及
び第５図に示すデイーゼルエンジンとの基本的な
相違は、着火方式の相違に基づくものであり、前
者が発電器１０及び気化器１１を装備しているの
に対して後者が燃料噴射ポンプ１２を装備してい
る点にある。

なお第４図及び第５図におて、第６図に示すも
のと同一の部材は同一の符号で表わし、符号４は
クランク軸、１３はアイドルギア、１４はバラン
サギヤ、１５はガバナ装置のガバナウエイトであ
る。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 第６図の従来例の電気着火式横型４サイクルエ
ンジンは、第５図の既存の横型４サイクルデイー
ゼルエンジンと比べて、シリンダブロツク２の後
壁２ｂに発電器ハウジング９を有する点で異なる
ため、シリンダブロツク２を共通部品にする事が
できない。

また、本考案者は、シリンダブロツク２を共通
部品にするために、発電器ハウジング９をギヤケ
ース３の前側に移設して、発電器ハウジング９内
の発電器１０を潤滑ポンプ１０を介してカム軸６
の前端部６ａに連動連結する事を考えた。しか
し、発電器ハウジング９がギヤケース３から前方
に大きく突出するため、エンジン１の外形が大き
くなる。

本考案は電気着火式横型４サイクルエンジンの
シリンダブロツクを、横型４サイクルデイーゼル
エンジンのシリンダブロツクと共通部品化できる
うえ、エンジンの外形が大きくならないようにす
ることを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案の電気着火式横型４サイクルエンジン
は、上記目的を達成するために、既存の横型４サ
イクルデイーゼルエンジンのシリンダブロツクを
そのまま使用するとともに、そのギヤケースを次
のように変更することを特徴とする（第１図参
照）。

即ち、ギヤケース３の前壁のうちのカムギヤ７
の前側に位置するケース壁部分３ａを凹入状に形
成して、この凹入ケース壁部分３ａ内に発電器室
１６を形成し、発電器室１６の前面を蓋２７で蓋
するとともに、その後壁３ａの中央近傍部１７に
通し孔１８をあけ、カム軸６の前端部６ａを通し
孔１８に回転自在で油密状に貫通させて発電器室
１６に突入させ、発電器室１６に電気点火装置の
発電器１０を内装し、発電器１０のロータ２５を
カム軸前端部６ａに固定するとともに、ステータ
２６を凹入ケース壁部分１６ｂに固定し、潤滑ポ
ンプ８をギヤケース３の前壁のうちの凹入ケース
壁部分３ａから外れた部分３ｂに設けてクランク
ギヤ５に連動連結した事を特徴とするものであ
る。

＜実施例＞ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は、第５図の横型デイーゼルエンジンの
本体部分であるシリンダブロツク２を用いて成る
電気着火式横型４サイクルエンジンの横断平面図
である。

この図において、符号１はエンジン全体を示
し、このエンジン１のシリンダブロツク２の前壁
２ａにギヤケース３が固定され、ギヤケース３内
では、クランク軸４に固定したクランクギヤ５で
カムギヤ７及びアイドルギヤ１３が駆動され、ア
イドルギヤ１３を介して、潤滑ポンプ８及びバラ
ンサギヤ１４が回転駆動される。

ギヤケース３の前壁のうち、カムギヤ７の前側
に位置するケース壁部分３ａは凹入状に形成さ
れ、この凹入部１６は発電器１０を装着する発電
器室として形成され、その前面は蓋２７で閉じら
れている。

この発電器室１６の後壁３ａの中央のボス部１
７には、通し孔１８があけられ、カム軸６の前端
部６ａをこの通し孔１８に油密状に貫通させて発
電器室１６に突入させ、回転自在に枢支してあ
る。

通し孔１８にはドライメタル１９及びオイルシ
ール２０が内嵌固定され、ドライメタル１９に内
嵌されるカム軸枢支面６ｃにはカム軸６の回転に
より潤滑油をギヤケース３内側へ戻すように、螺
線状の油戻し溝２１が切設されている。なお、符
号２２は通し孔１８内へオイルミスト等の潤滑油
を導入するためのオイル導入孔である。

発電器室１６内のカム軸前端部６ａには、発電
器１０のロータ２５が固定され、発電器室１６の
凹入壁部分１６ｂにステータ２６が固定装置さ
れ、この発電器２４と蓋２７に固定された点火時
期制御装置２８と、図外の点火プラグとで電気点
火装置が構成される。

潤滑ポンプ８はギヤケース３の前壁のうち、ア
イドルギヤ１３の前側に位置するケース壁部分３
ｂ内に設けられ、アイドルギヤ１３の前端に固設
した駆動力伝導部材２９に潤滑ポンプ８の回転軸
８ａが連結され、アイドルギヤ１３とともに潤滑
ポンプ８が回転するようになつている。この伝導
部材２９は、アイドルギヤ１３の前後方向のガタ
つきを防止する機能をも有する。

なお符号３０はシリンダブロツク２に固定さ
れ、アイドルギヤ１３を遊嵌支持する支軸であ
り、この支軸３０内には、潤滑油の圧送油路３１
が形成され、この圧送油路３１を通つて所要の潤
滑部にオイルを圧送するように構成されている。

第２図及び第３図は駆動力伝導部材２９の別実
施例を示すもので、第２図は第１図の−矢視
方向から見た要部側面図、第３図は第２図の−
線断面図である。

これらの図において、符号３２はアイドルギヤ
１３の前後方向のガタつきを防止するための係止
部材であり、この係止部材３２は支軸３０の前端
部に切設した抜け止め溝３０ａに遊嵌され、アイ
ドルギヤ１３と伝導部材２９との間に介在され、
ボルト３３で固定されている。

なお符号３４はアイドルギヤ１３と伝導部材２
９との芯合せ用のピンである。

＜考案の効果＞ 本考案の電気着火式横型４サイクルエンジン
は、ギヤケースに発電器室を形成することによ
り、シリンダブロツクの後壁から発電器ハウジン
グを省略して、シリンダブロツクを既存の横型４
サイクルデイーゼルエンジンのシリンダブロツク
と共通部品化することができ、その製造コストを
引き下げることができる。

そのうえ、発電器室をギヤケースの前壁の凹入
ケース壁部分内に形成するとともに、潤滑ポンプ
をこの凹入ケース壁部分から外れた部分に設ける
ので、発電器室がギヤケースから前方に大きく突
出する事がなくなり、エンジンの外形が大形化し
ないようにする事ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による電気着火式横型４サイク
ルエンジンの横断平面図、第２図及び第３図は駆
動力伝導部材の別実施例を示すもので第２図は第
１図の−矢視方向から見た要部側面図、第３
図は第２図の−線断面図、第４図は横型デイ
ーゼルエンジンのギヤケース内を示す側面図、第
５図は第４図の−線の要部を示す横断平面
図、第６図は従来の電気着火式横型４サイクルエ
ンジンの要部を示す横断平面図である。 １……電気着火式横型４サイクルエンジン、２
……シリンダブロツク、３……ギヤケース、３ａ
……凹入ケース壁部分、５……クランクギヤ、６
……カム軸、６ａ……カム軸前端部、７……カム
ギヤ、８……潤滑ポンプ、１０……発電器、１６
……発電器室、１８……通し孔、２５……ロー
タ、２６……ステータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気着火式横型４サイクルエンジン１のシリン
   ダブロツク２の前壁２ａにギヤケース３を固定
   し、ギヤケース３に潤滑ポンプ８を設け、ギヤケ
   ース３内でクランクギヤ５にカムギヤ７及び潤滑
   ポンプ８を連動連結してなる電気着火式横型４サ
   イクルエンジンにおいて、ギヤケース３の前壁の
   うちのカムギヤ７の前側に位置するケース壁部分
   ３ａを凹入状に形成して、この凹入ケース壁部分
   ３ａ内に発電器室１６を形成し、発電器室１６の
   前面を蓋２７で蓋するとともに、その後壁３ａの
   中央近傍部１７に通し孔１８をあけ、カム軸６の
   前端部６ａを通し孔１８に回転自在で油密状に貫
   通させて発電器室１６に突入させ、発電器室１６
   に電気点火装置の発電器１０を内装し、発電器１
   ０のロータ２５をカム軸前端部６ａに固定すると
   ともに、ステータ２６を凹入ケース壁部分１６ｂ
   に固定し、潤滑ポンプ８をギヤケース３の前壁の
   うちの凹入ケース壁部分３ａから外れた部分３ｂ
   に設けてクランクギヤ５に連動連結した事を特徴
   とする電気着火式横型４サイクルエンジン。