JP3194999B2 - 自動二輪車における発電機と燃料噴射ポンプの配設構造 - Google Patents

自動二輪車における発電機と燃料噴射ポンプの配設構造

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JP3194999B2
JP3194999B2 JP23713191A JP23713191A JP3194999B2 JP 3194999 B2 JP3194999 B2 JP 3194999B2 JP 23713191 A JP23713191 A JP 23713191A JP 23713191 A JP23713191 A JP 23713191A JP 3194999 B2 JP3194999 B2 JP 3194999B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動二輪車における
発電機と燃料噴射ポンプの配設構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車には、エンジンのクランク軸
に連動して発電する発電機を車体の外側部に設け、一
方、同上エンジンに加圧燃料を供給する燃料噴射ポンプ
を設けたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動二輪車
では、特に、車体をコンパクトに構成することが望まれ
るため、上記発電機や燃料噴射ポンプについても、これ
らをコンパクトに配設させることが要求されている。
【0004】また、発電機はこれが高温になると、発電
効率が低下するため、これを簡単な構成で、しかも、効
率よく冷却させることも要求されている。
【0005】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、自動二輪車において発電機と燃料噴
射ポンプとがコンパクトに配設されるようにし、かつ、
上記発電機が簡単な構成で、かつ、効果的に冷却される
ようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の特徴とするところは、車体の外側部に設け
られた発電機の下方の空間に上記燃料噴射ポンプを配設
、上記発電機の外殻を形成する発電機ケース内の底部
側にクランク軸に常時連動する駆動ギヤを配設し、この
駆動ギヤにより潤滑油を飛散させるようにした点にあ
【0007】上記の場合、駆動ギヤは燃料噴射ポンプの
駆動用のものであってもよい。
【0008】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0009】自動二輪車1では、通常、フライホイール
マグネト(発電機)80は車体の外側部に設けられてい
る。そして、上記フライホイールマグネト80の下方の
空間80aに燃料噴射ポンプ108が配設されている。
【0010】このため、上記フライホイールマグネト8
0の下方の空間80aが有効利用されたのであり、よっ
て、その分、フライホイールマグネト80と燃料噴射ポ
ンプ108とはコンパクトに配設されることとなる。
【0011】また、上記フライホイールマグネト80の
外殻を形成する発電機ケース84の底部側に、クランク
軸34に常時連動する第6ギヤ(駆動ギヤ)114が配
設され、この第6ギヤ(駆動ギヤ)114により発電機
ケース84の底部側に溜った潤滑油を飛散させるように
してある。
【0012】このため、エンジン18の作動中は上記第
6ギヤ(駆動ギヤ)114によって潤滑油が常時飛散さ
せられ、この飛散させられた潤滑油によってフライホイ
ールマグネト80が常時冷却されることとなる。そし
て、この場合、上記フライホイールマグネト80の冷却
には、他機を駆動させるための第6ギヤ(駆動ギヤ)1
14が利用されていて、部品点数の増加が抑えられてい
る。
【0013】また、上記第6ギヤ(駆動ギヤ)114は
上記燃料噴射ポンプ108の駆動用のものであってもよ
く、このようにすれば、上記第6ギヤ(駆動ギヤ)11
4は上記燃料噴射ポンプ108の機能上、高速回転させ
られるものであるため、上記潤滑油の飛散は効果的に行
われる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0015】図2において、符号1は車両たる自動二輪
車であり、図中矢印Frはその前方を示している。
【0016】この自動二輪車1の車体フレーム2はその
前端にヘッドパイプ3を有し、このヘッドパイプ3から
後下方に向って左右一対の主フレーム4が延び、かつ、
これら各主フレーム4の後端から下方に向ってリヤアー
ムブラケット5が延びている。
【0017】上記ヘッドパイプ3にはフロントフォーク
7が操向自在に支承され、このフロントフォーク7の下
端に前輪8が支承され、上端にはハンドル9が取り付け
られている。
【0018】上記リヤアームブラケット5には枢支軸1
0によりリヤアーム11が上下揺動自在に枢支されてい
る。このリヤアーム11の揺動端に後輪12が支承さ
れ、上記主フレーム4の後端とリヤアーム11との間に
は緩衝器13が架設されている。また、上記主フレーム
4の後端から後上方に向って突出するシートフレーム1
5が設けられ、このシートフレーム15上にシート16
が取り付けられている。
【0019】上記主フレーム4の下方にエンジン18が
設けられ、このエンジン18は同上主フレーム4とリヤ
アームブラケット5とにボルト19によって支持されて
いる。このエンジン18は2気筒の2サイクルエンジン
で、クランクケース20の左側から前上方に向って左気
筒21が突出し、同上クランクケース20の右側から前
下方に向って右気筒22が突出し、これら左気筒21と
右気筒22の交角は側面視でほぼ90°をなしている。
【0020】上記クランクケース20には動力伝達装置
24が連設され、この動力伝達装置24の出力鎖車25
と、上記後輪12に取り付けられた入力鎖車26とに伝
動チェーン27が巻き掛けられている。そして、上記エ
ンジン18の動力が上記伝動チェーン27等を介して後
輪12に伝えられ、自動二輪車1が路面28上を走行可
能とされている。
【0021】その他、30は燃料タンク、31は排気
管、32はラジエータである。
【0022】図3において、上記クランクケース20に
は左右に延びるクランク軸34が支承されている。上記
左気筒21は同上クランクケース20から前上方に向っ
て突出するシリンダ35を有し、このシリンダ35の突
出端にはシリンダヘッド36が取り付けられている。同
上シリンダ35にはその軸心37上でピストン38が摺
動自在に嵌入され、このピストン38と上記クランク軸
34とは連接棒39により連結されている。
【0023】上記出力鎖車25、シリンダヘッド36、
およびピストン38で囲まれた空間が燃焼室41であ
る。上記クランクケース20には吸気ポート42が形成
され、この吸気ポート42に吸気管43が連結されてい
る。上記シリンダ35には上記吸気ポート42を燃焼室
41に連通させる掃気ポート44が形成されている。一
方、同上燃焼室41を外部に貫通させる排気ポート45
が形成され、この排気ポート45に前記排気管31が連
結されている。上記シリンダ35とシリンダヘッド36
には水ジャケット46が形成されている。
【0024】上記吸気管43には第1燃料噴射弁48が
取り付けられている。また、上記シリンダヘッド36に
は第2燃料噴射弁49が取り付けられている。この第2
燃料噴射弁49は上記燃焼室41に燃料噴射するもので
あり、同上燃焼室41はいわゆるウェッジタイプであっ
て、上記第2燃料噴射弁49の燃料噴射方向は前記軸心
37にほぼ平行で、この軸心37から少し前方に偏位し
ている。同上シリンダヘッド36には上記第2燃料噴射
弁49の後方近傍に第1点火プラグ50がねじ止めさ
れ、同上第2燃料噴射弁49の前方には左右一対の第2
点火プラグ51,51がねじ止めされている。
【0025】同上図3において、前記右気筒22は前記
クランクケース20から前下方に向って突出するシリン
ダ53を有し、このシリンダ53の突出端にはシリンダ
ヘッド54が取り付けられている。同上シリンダ53に
はその軸心55上でピストン56が摺動自在に嵌入され
ている。
【0026】また、前記左気筒21と同じように連接棒
39、燃焼室41、吸気ポート(図示せず)、吸気管
(図示せず)、燃焼室58、掃気ポート59、排気ポー
ト60、上記吸気管に取り付けられる第3燃料噴射弁
(図示せず)、第4燃料噴射弁63、第3点火プラグ6
4、および第4点火プラグ65が設けられている。
【0027】上記の場合、第4燃料噴射弁63は上記燃
焼室58に燃料噴射するものであり、同上燃焼室58は
いわゆるバスタブタイプ(横吹き)であって、上記第4
燃料噴射弁63の燃料噴射方向は上記シリンダ53の軸
心55にほぼ直交する方向で、かつ、下方に向ってい
る。また、第3点火プラグ64は上記軸心55とほぼ平
行に延び、この軸心55よりも少し下方に偏位してい
る。
【0028】図1と図3において、前記クランクケース
20はクランクケース本体68と、このクランクケース
本体68の左、右側面にそれぞれ取り付けられる左カバ
ー69と右カバー70とで構成されている。
【0029】前記クランク軸34の後上方にはこのクラ
ンク軸34に平行に延びるバランサ軸72がクランクケ
ース本体68に左軸受73と右軸受74とによって支承
されている。そして、このバランサ軸72の左自由端に
左ウェイト75が取り付けられ、右自由端に右ウェイト
76が取り付けられている。上記クランク軸34の右端
に取り付けられた第1ギヤ77と、同上バランサ軸72
の右端に取り付けられた第2ギヤ78とが互いに噛合し
ており、上記クランク軸34の回転が同速でバランサ軸
72に伝えられる。そして、このバランサ軸72に連動
する左ウェイト75と右ウェイト76とによって、エン
ジン18の駆動時に、この駆動により生じようとする振
動が打ち消される。
【0030】80は発電機たるフライホイールマグネト
で、このフライホイールマグネト80は車体の左側部に
設けられている。このフライホイールマグネト80は上
記クランク軸34と同軸上でクランクケース本体68の
左端にねじ止めされるコイルたるステータ81と、同上
クランク軸34の左端に取り付けられるボス82と、こ
のボス82に取り付けられる磁石たるローター83と、
これらを車体の左側外方から覆う発電機ケース84とで
構成されている。
【0031】上記発電機ケース84は前記左カバー69
の一部を左側外方に向って膨出させることにより形成さ
れている。このため、上記フライホイールマグネト80
はクランクケース20の左側面から外方に向って突出す
る形状となっており、その下方の空間80aは余剰空間
となっている。そして、上記フライホイールマグネト8
0の出力は前記各点火プラグやバッテリ等の電源に用い
られる。
【0032】図1、図3、および図4により、前記動力
伝達装置24につき説明する。
【0033】上記動力伝達装置24は上記クランクケー
ス20の後端に一体成形される伝動ケース85を有し、
この伝動ケース85はケース本体86、左カバー87、
および右カバー88で構成されている。上記ケース本体
86には、上記クランク軸34に平行に並設される入力
軸89と出力軸90とが支承され、これら両軸89,9
0は変速ギヤ組91により互いに連結されている。
【0034】上記クランク軸34の右端に取り付けられ
た減速小ギヤ93と、上記入力軸89に回転自在に支承
された減速大ギヤ94とが噛合しており、かつ、この減
速大ギヤ94と入力軸89との間には多板クラッチ95
が介設され、一方、上記出力軸90の左端には前記出力
鎖車25が取り付けられている。
【0035】そして、上記多板クラッチ95を接続させ
ると、エンジン18の動力はクランク軸34から減速小
ギヤ93、減速大ギヤ94、多板クラッチ95、入力軸
89、変速ギヤ組91、出力軸90に順次伝えられ、こ
こから、前記したように出力鎖車25、伝動チェーン2
7、入力鎖車26を介して前輪8に伝えられる。
【0036】上記入力軸89の前下方に、これと平行に
ポンプ軸97が設けられ、このポンプ軸97はケース本
体86に支承されている。上記入力軸89に取り付けら
れた第3ギヤ98と上記ポンプ軸97の右端に取り付け
られた第4ギヤ99とが噛合しており、上記入力軸89
の動力がほぼ同速で上記ポンプ軸97に伝えられる。
【0037】100はオイルポンプで、このオイルポン
プ100はケーシング101と、このケーシング101
内で上記ポンプ軸97に取り付けられるローター102
とで構成されている。そして、このオイルポンプ100
は上記ポンプ軸97の回転分だけ、クランクケース20
や伝動ケース85底部の潤滑油を吸入する一方、これを
吐出して、所定の被潤滑部に供給する。
【0038】104は水ポンプで、この水ポンプ104
はケーシング105と、このケーシング105内で同上
ポンプ軸97の左端に取り付けられるローター106と
で構成されている。そして、この水ポンプ104は上記
ポンプ軸97の回転分だけ前記ラジエータ32から冷却
水107を吸入し、これを前記水ジャケット46,61
に送り込んで各気筒21,22を冷却する。また、この
後の冷却水107は上記ラジエータ32に戻されて空冷
され、再び上記水ポンプ104に吸入される。
【0039】108はトロコイド式の燃料噴射ポンプ
で、前記左カバー87の外面にねじ止めされるケーシン
グ109と、ケース本体86と左カバー87に跨って支
承される燃料ポンプ軸110と、上記ケーシング109
内で上記燃料ポンプ軸110の左端に連動するローター
111とで構成されている。
【0040】上記ポンプ軸97の左端部に取り付けられ
た第5ギヤ112と、上記燃料ポンプ軸110に第1ワ
ンウェイクラッチ113を介して取り付けられた第6ギ
ヤ114とが噛合しており、この第6ギヤ114は前記
クランク軸34に常時連動する駆動ギヤとなっている。
そして、上記ポンプ軸97の動力は上記第5ギヤ11
2、第6ギヤ114、および第1ワンウェイクラッチ1
13を介して燃料ポンプ軸110に伝えられ、上記燃料
噴射ポンプ108が駆動する。
【0041】上記燃料噴射ポンプ108が駆動すれば、
これは前記燃料タンク30の燃料115を吸入する一
方、これを吐出してその加圧燃料116を前記各燃料噴
射弁に供給する。
【0042】上記の場合、加圧燃料116は、まず、第
2燃料噴射弁49と第4燃料噴射弁63とに供給され、
その後レギュレータ(図示せず)を介し減圧されて第1
燃料噴射弁48と第3燃料噴射弁とに供給される。
【0043】また、上記燃料噴射ポンプ108は前記フ
ライホイールマグネト80の下方の空間80aを有効利
用して設けられており、つまり、これらはコンパクトに
配設されている。また、上記燃料噴射ポンプ108はフ
ライホイールマグネト80の下方に位置して左カバー8
7の外面から外側方に突出している。このため、上記燃
料噴射ポンプ108は、フライホイールマグネト80に
邪魔されることなく、走行風によって十分に冷却される
ようになっている。
【0044】更に、上記燃料噴射ポンプ108のケーシ
ング109と左カバー87との間には断熱材117が介
設されており、この点でも、燃料噴射ポンプ108が高
温になることは確実に防止される。また、上記燃料噴射
ポンプ108は前記水ポンプ104に隣接し、かつ、共
に伝動ケース85の左側に設けられており、このため、
これらを集中的に保守点検し易いという利点がある。
【0045】上記右カバー88の外面にはピストン式の
空気ポンプ118が取り付けられている。この空気ポン
プ118は前記減速大ギヤ94から動力を受け増速ギヤ
組119を介して駆動されるようになっている。そし
て、上記空気ポンプ118が駆動すれば、これは外気を
吸入する一方、これを吐出してその加圧空気122を前
記各燃料噴射弁に供給する。
【0046】上記加圧燃料116と加圧空気122とが
供給された各燃料噴射弁は、これら加圧燃料116と加
圧空気122とをエンジン18の燃焼室41,58や吸
気管内に所定のクランク角においてほぼ同時、もしくは
多少の時間的ずれをもって噴射し、エンジン18の燃焼
行程に供する。
【0047】上記の場合、上記空気ポンプ118のシリ
ンダ120はクランクケース本体68の外側方に位置し
て後上がり状に突出している。また、シリンダ120外
面には冷却フィン121が形成されている。このため、
上記空気ポンプ118は走行風により十分に冷却される
ことから、これの圧縮効率が向上することとなってい
る。また、振動源としての空気ポンプ118がエンジン
18の下部側に配設されたことで、シート16上のライ
ダーの体感振動が低減することとなっている。
【0048】図1において、上記エンジン18の始動装
置124が設けられている。この始動装置124はセル
モータであるスタータモータ125を有し、このスター
タモータ125はクランクケース本体68の下部に取り
付けられている。このスタータモータ125の出力軸に
は第7ギヤ126が形成されている。
【0049】一方、前記クランク軸34には第8ギヤ1
27が回転自在に支承されており、この第8ギヤ127
は上記第7ギヤ126に減速ギヤ組129により連動連
結されている。また、上記第8ギヤ127から前記ボス
82を介してクランク軸34にのみ動力を伝えるワンウ
ェイクラッチ128が設けられている。
【0050】そして、エンジン18の始動時に、上記ス
タータモータ125を駆動させれば、その動力が上記第
7ギヤ126、減速ギヤ組129、第8ギヤ127、ワ
ンウェイクラッチ128、およびボス82を介してクラ
ンク軸34に伝えられ、クランキングが行われる。
【0051】前記燃料ポンプ軸110には第2ワンウェ
イクラッチ131を介して第9ギヤ132が支承され、
この第9ギヤ132は上記第7ギヤ126に噛合してい
る。
【0052】そして、エンジン18の始動時に、前記し
たようにスタータモータ125を駆動させると、第9ギ
ヤ132、第2ワンウェイクラッチ131、および燃料
ポンプ軸110を介して前記燃料噴射ポンプ108が駆
動されるようになっている。この始動の際、燃料噴射ポ
ンプ108が前記各燃料噴射弁に十分の量と圧力の加圧
燃料116を供給するよう、この燃料噴射ポンプ108
の回転数が定められており、始動時に燃料が不足するこ
とは防止され、円滑な始動が得られることとなってい
る。
【0053】つまり、この実施例では、上記燃料噴射ポ
ンプ108は、クランク軸34側の駆動により回転する
通常のエンジン18の駆動時よりも、始動時に、より速
く回転するように構成されている。このため、始動時に
おいても、加圧燃料116の圧力は各燃焼室41,58
内の圧力と、各加圧空気の圧力とに打ち勝って、上記加
圧燃料116の所定量の噴射ができるようになされてい
る。
【0054】そして、上記始動によりエンジン18の通
常の駆動が開始されると、上記スタータモータ125の
代りに、前記したようにクランク軸34の動力が第1ワ
ンウェイクラッチ113を介して上記燃料噴射ポンプ1
08と空気ポンプ118とに伝えられて、エンジン18
の回転数に応じた加圧燃料116と加圧空気122とが
前記各燃料噴射弁を介して同上燃焼室41,58や吸気
管内に供給され、このようにして始動から通常の駆動状
態への移行が円滑に行われる。
【0055】また、上記の場合、クランク軸34側から
第1ワンウェイクラッチ113に至る動力伝達系にオイ
ルポンプ100および水ポンプ104を介在させてある
ため、例えば、エンジン18を急減速させようとすると
き、このエンジン18の動力が上記オイルポンプ100
および水ポンプ104で消費される分だけ、燃料噴射ポ
ンプ108に伝えられる動力が急減し、これに伴い、こ
の燃料噴射ポンプ108により、燃焼室41,58に供
給される加圧燃料116も急減して上記エンジン18の
急減速が効果的になされるようになっている。
【0056】前記クランクケース20の右側にロータリ
エンコーダ134が配設され、このロータリエンコーダ
134は上記クランクケース20の右カバー70に外側
からボルト135により着脱自在にねじ止めされてい
る。前記バランサ軸72の右端に第10ギヤ136が形
成され、一方、上記ロータリエンコーダ134の入力軸
137に第11ギヤ138が取り付けられ、上記第10
ギヤ136と第11ギヤ138とが噛合している。この
場合、第11ギヤ138はノンバックラッシュ機構を有
し、上記噛合にがたつきが生じないようになされてい
る。
【0057】エンジン18が駆動するときには、クラン
ク軸34に同期して同速でバランサ軸72が回転し、こ
れに第10ギヤ136と第11ギヤ138を介してロー
タリエンコーダ134が作動し、このロータリエンコー
ダ134によりクランク角や上死点が検出されるように
なっている。そして、この検出信号に基づき、前記各燃
料噴射弁の噴射時期や期間が定められ、また、前記各点
火プラグの点火時期が定められるようになっている。
【0058】上記構成において、潤滑油により各部を冷
却させたり、潤滑させたりするための構成につき説明す
る。
【0059】前記オイルポンプ100により吐出された
潤滑油のうち一部の潤滑油139は、発電機ケース84
の上部に取り付けられたノズル140によりフライホイ
ールマグネト80内に注入される。そして、この潤滑油
139は、上記フライホイールマグネト80や水ポンプ
104を冷却させると共に、第5ギヤ112、第1ワン
ウェイクラッチ113、および第6ギヤ114や、始動
装置124の各ギヤ等を潤滑させる。
【0060】また、前記発電機ケース84の底部側たる
クランクケース20底部と伝動ケース85底部の連結部
近傍に、クランク軸34に常時連動する第6ギヤ114
が配設され、この第6ギヤ114により、上記潤滑油1
39や、クランクケース20や伝動ケース85の底部に
溜った潤滑油を飛散させるようにしてある。
【0061】このため、エンジン18の作動中は上記第
6ギヤ114によって潤滑油が常時飛散させられ、この
飛散させられた潤滑油によっても上記フライホイールマ
グネト80等が常時冷却や潤滑されることとなる。そし
て、この場合、上記冷却や潤滑には、他機を駆動させる
ための第6ギヤ114が利用されて、部品点数の増加が
抑えられることから、上記冷却や潤滑は簡単な構成によ
って達成される。
【0062】また、上記第6ギヤ114は上記燃料噴射
ポンプ108の駆動に用いられるものであり、この第6
ギヤ114は上記燃料噴射ポンプ108の機能上、高速
回転させられるものである。このため、上記潤滑油の飛
散は効果的に行われ、よって、上記冷却や潤滑が効果的
に行われる。
【0063】図1、図5、および図6において、前記ク
ランク軸34はクランクケース本体68に対し、左軸受
141、中軸受142、および右軸受143により支承
され、上記中軸受142と右軸受143とに前記オイル
ポンプ100から吐出された潤滑油のうちの一部の潤滑
油144が供給されるようになっている。
【0064】上記中軸受142と右軸受143に対する
潤滑油144の供給の構成は互いにほぼ同じであるた
め、図5と図6とにより右軸受143に関連するものに
ついてのみ詳しく説明する。
【0065】上記クランク軸34は前記連接棒57に回
転自在に嵌合するクランクピン145と、同上連接棒5
7の左右に位置する左ウェブ146と右ウェブ147と
を備えている。上記クランクピン145は左ウェブ14
6に一体成形され、同上クランクピン145の右端たる
突出端は右ウェブ147に圧入されている。
【0066】上記クランクピン145には、その軸心上
で、このクランクピン145の研磨用センター孔148
が形成され、このセンター孔148はクランクピン14
5の右端に開放されている。また、上記センター孔14
8の左右中途部から、上記連接棒57とクランクピン1
45との嵌合支承部149に向って分岐孔150が延び
ている。上記クランクピン145と右ウェブ147の各
右端面には、クランク軸34の軸心を中心とする環状溝
152が形成され、この環状溝152に板金製の第1環
状ガイド153が嵌め付けられている。この第1環状ガ
イド153の外周部はその径方向内方に向って折り返さ
れ、これにより内周溝154が形成されている。また、
この内周溝154から上記センター孔148の右端内に
開口する連通孔155が形成されている。
【0067】一方、前記潤滑油144が右軸受143の
右側域に向うようクランクケース本体68に油路156
が形成されている。そして、この油路156に押し込ま
れた潤滑油144は右軸受143内を通ってこの右軸受
143の左側域に押し出されるようになっており、これ
により、上記右軸受143が潤滑される。また、上記右
軸受143の左側面には板金製の第2環状ガイド158
が取り付けられており、この第2環状ガイド158は上
記潤滑油144を上記第1環状ガイド153の内周溝1
54に案内する。
【0068】そして、クランク軸34が回転するときに
は、上記潤滑油144はこれに生じる遠心力で上記内周
溝154内に全周にわたって溜ると共に、連通孔155
を通って上記センター孔148に押し込められ、この潤
滑油144は同上センター孔148と分岐孔150とを
通って上記嵌合支承部149を潤滑する。
【0069】上記構成によれば、使用条件の厳しい中軸
受142と右軸受143とを互いに等しく効果的に潤滑
させることができる。また、上記潤滑には各センター孔
148が有効利用されている。更に、上記環状溝152
は周方向に不連続であるが、第1環状ガイド153を用
いたことにより、上記のような潤滑が支障なくできる。
【0070】
【発明の効果】この発明によれば、自動二輪車における
発電機は、通常、車体の外側部に設けられて、その下方
に余剰空間が存在することに着目して、上記空間に燃料
噴射ポンプを配設したのである。このため、上記発電機
の下方の空間が有効利用されたことから、その分、発電
機と燃料噴射ポンプとはコンパクトに配設されることと
なる。
【0071】また、上記発電機の外殻を形成する発電機
ケースの底部に、クランク軸に常時連動する駆動ギヤが
配設され、この駆動ギヤにより、発電機ケースの底部に
溜った潤滑油を飛散させるようにしてある
【0072】このため、エンジンの作動中は上記駆動ギ
ヤによって潤滑油が常時飛散させられ、この飛散させら
れた潤滑油によって発電機が常時冷却されることとな
る。そして、この場合、上記発電機の冷却には、他機を
駆動させるための駆動ギヤが利用されて、部品点数の増
加が抑えられることから、上記発電機の冷却は簡単な構
成によって達成される。
【0073】上記の場合、駆動ギヤは上記燃料噴射ポン
プの駆動用のものであってもよく、このようにすれば、
上記駆動ギヤは上記燃料噴射ポンプの機能上、高速回転
させられるものであるため、上記潤滑油の飛散は効果的
に行われ、よって、上記発電機は効果的に冷却されるこ
ととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの平面断面図である。
【図2】自動二輪車の全体側面図である。
【図3】図2の部分拡大一部断面図である。
【図4】動力伝達装置の平面断面図である。
【図5】図1の部分拡大断面図である。
【図6】図5の6‐6線矢視図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車 18 エンジン 34 クランク軸 80 フライホイールマグネト(発電機) 80a 空間 84 発電機ケース 108 燃料噴射ポンプ 114 第6ギヤ(駆動ギヤ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正博 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動 機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−191173(JP,A) 特開 昭64−70289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62M 7/02 B62K 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランク軸に連動して発電す
    る発電機を車体の外側部に設け、一方、同上エンジンに
    加圧燃料を供給する燃料噴射ポンプを設けた自動二輪車
    において、 上記発電機の下方の空間に上記燃料噴射ポンプを配設
    上記 発電機の外殻を形成する発電機ケース内の底部側に
    クランク軸に常時連動する駆動ギヤを配設し、この駆動
    ギヤにより潤滑油を飛散させるようにした自動二輪車に
    おける発電機と燃料噴射ポンプの配設構造。
  2. 【請求項2】 上記駆動ギヤが燃料噴射ポンプの駆動用
    のものである請求項に記載の自動二輪車における発電
    機と燃料噴射ポンプの配設構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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