JP4322585B2 - スタータギア軸受の潤滑構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関におけるスタータギア軸受の潤滑構造に関し、特にクランク軸端部近傍に取付けられるスタータドリブンギアの潤滑における改良構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスタータドリブンギア軸受における潤滑は、スタータドリブンギア軸受部そのものを飛沫給油雰囲気中に位置せしめることでその潤滑を行うことが知られており、また、ミッションギアのシャフト潤滑用に圧送されたオイルをスタータドリブンギア軸受部へノズルにより噴出させることで該軸受部の潤滑を行うことも良く知られている。さらに、オイルポンプから潤滑オイルパイプを介してクランク軸受に供給されたオイルを、スタータドリブンギア軸受部へと導くことで該軸受部の潤滑を行うことも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公昭60−36727号公報(第1頁−第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特許文献1に記載のスタータギア(スタータドリブンギア)04における潤滑装置は、図5に図示されるように、クランク軸01にベアリング04aを介してスタータギア04が軸架され、該スタータギア04はワンウエイクラッチ05を介してクランクホイール01aに連結されている。そして、クランク軸01を支承するクランク軸ベアリング010aの径方向外側のクランクケース011内壁面にスタータギア04の側面に近接かつ対向させて環状の突部012が設けられている。
【0005】
図示されないオイルポンプからの潤滑オイルは、潤滑オイルパイプ014を通してクランク軸ベアリング010aに流し込まれ、該ベアリング010aを通過した潤滑オイルは、前記スタータギア04の側面に近接かつ対向させた環状突部012の内側を流れて、スタータギア04のベアリング04aに送られ、該ベアリング04aを潤滑した後、さらにクランク軸01の横孔01b及び芯孔01cを抜けてクランク室内に流れるようになされている。
【0006】
ところで、前記特許文献1に記載のスタータドリブンギア(スタータギア)への潤滑オイルの供給構造は、潤滑オイルをオイルポンプから直接潤滑オイルパイプを用いて導くことになるので、部品点数が多くなり、また、そのためのオイル通路を機関の構造部に配設する必要があることから、機関構造の複雑化を招く。
【0007】
そして、既述のようにスタータドリブンギア軸受部を飛沫給油雰囲気中に位置させて、オイルの跳ね上げによる飛沫の降りかけにより前記軸受部の潤滑をなす構造においては、跳ね上げによるオイルの飛沫の降りかけのみであるから、充分な量の潤滑オイルを確保し、確実かつ充分な潤滑を配慮する必要がある。
【0008】
さらに、既述のミッションギアのシャフト潤滑用に圧送されたオイルをスタータドリブンギアにノズルにより噴出させて該軸受部の潤滑を行う構造においては、高い油圧が必要であるため、ミッションギアが飛沫給油の場合にはこの構造が採用できないという課題が残されている。
【0009】
したがって、このような状況の中で、前記スタータドリブンギアの軸受部における潤滑構造の改良において、その部品点数を増やすことなく、しかも簡単な構造変更により確実かつ効率的な前記軸受部の潤滑がなされる潤滑のための改良構造の開発が求められている。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、前記課題を解決するための内燃機関におけるスタータドリブンギアの潤滑構造の改良に関し、特に簡単な構造の変更により、しかも確実かつ効率的な潤滑がなされる前記潤滑における改良構造において、クランクケースと、クランクケースにベアリングを介して回転可能に支持されたクランク軸と、クランクケースの構成壁を抜けてクランクケース外側に延出するクランク軸延長軸部と、該クランク軸延長軸部に軸受を介して回転可能に支持され、かつ一方向クラッチを介して前記クランク軸延長軸部に連結可能に装着されたスタータドリブンギアと、該スタータドリブンギアを駆動回転するスタータに連結されたドライブギアとを備えたスタータギア軸受の潤滑構造において、前記スタータドリブンギアのギア側面に対向するクランクケースの前記構成壁の外壁は、タイミングチェーン用のカムチエーンテンショナのチエーンガイドをピボット回動可能に嵌合するボス部を有し、前記ボス部には、クランクケースの構成壁の内外を連通するように貫通する連通孔が設けられ、前記連通孔のスタータドリブンギア側開口部は、カムチエーンテンショナの前記ボス部に設けられ、該連通孔を通して、クランクウエブの回転による飛沫オイルを前記スタータドリブンギアの前記ギア側面を介して前記スタータドリブンギアのクランク軸延長軸部への前記軸受に導き、該軸受における潤滑が行われるようにされたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスタータギア軸受の潤滑構造において、前記連通孔のクランクウエブ側開口部周辺で、かつクランク軸の回転方向に沿って前記連通孔の後側に位置する前記構成壁にのみクランク軸径方向に延びる突部が設けられたことを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のスタータギア軸受の潤滑構造において、前記タイミングチェーンを駆動するためのスプロケットが前記クランク軸延長軸部に配置され、前記スプロケットは、クランク軸軸線方向に関して、クランク軸をクランクケースに支持する前記ベアリングと、クランク軸延長軸部上のスタータドリブンギア用前記軸受との間に配置され、前記連通孔の前記スタータドリブンギア側開口部は、クランク軸軸線方向に関して、前記スプロケットの歯部とスタータドリブンギアの前記ギア側面との間に配置されたことを特徴とする。
【0012】
請求項1に係る発明は、クランクケースと、クランクケースにベアリングを介して回転可能に支持されたクランク軸と、クランクケースの構成壁を抜けてクランクケース外側に延出するクランク軸延長軸部と、該クランク軸延長軸部に軸受を介して回転可能に支持され、かつ一方向クラッチを介して前記クランク軸延長軸部に連結可能に装着されたスタータドリブンギアと、該スタータドリブンギアを駆動回転するスタータに連結されたドライブギアとを備えたスタータギア軸受の潤滑構造において、前記スタータドリブンギアのギア側面に対向するクランクケースの構成壁にその内外を連通する連通孔を設け、該連通孔を通してクランクウエブの回転による飛沫オイルを前記スタータドリブンギアの前記ギア側面を介して前記スタータドリブンギアのクランク軸延長軸部への軸受に導き、該軸受における潤滑を行うようにしたので、クランク軸の回転に伴うクランクウエブによる跳ね上げ飛沫オイルを連通孔に導き、スタータドリブンギア側面にオイルを供給することにより、連通孔を出て該ギアの側面を流下したオイルをスタータドリブンギアの軸受に効果的に導き、該軸受への潤滑油量を確実に増やすことができる。しかも該潤滑油量の増加はクランクケースの鋳物形状変更のみでなされるので、加工コストは不要であり、部品点数も増やすことなく前記軸受部の潤滑効果を上げることが可能となる。
また、クランクケースの構成壁は、カムチエーンテンショナをピボット回動可能に支持するためのボス部を有し、前記連通孔のスタータドリブンギア側開口部をカムチエーンテンショナの前記ボス部に設けたから、ボス部を利用してスタータドリブンギア側面に連通孔の開口部を近接させて、スタータドリブンギア側面にオイル直接供給することが可能となり、潤滑オイルを該スタータドリブンギアの軸受に確実に導くことができ、該軸受部の的確な潤滑が確保される。
【0014】
さらに、請求項3に係る発明は、前記請求項1に記載のスタータギア軸受の潤滑構造において、前記クランクケースはカムチエーンテンショナのピボットボス部を有し、前記連通孔のスタータドリブンギア側開口部をカムチエーンテンショナの前記ピボットボス部に設けたから、スタータドリブンギア側面に連通孔の開口部を近接させることが可能となり、潤滑オイルを該スタータドリブンギアの軸受部に確実に導くことができ、該軸受部の的確な潤滑が確保される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1ないし図4に基づいて以下に説明する。
図1には、自動二輪車において、そのシリンダヘッド部を車両の前方に向けて横置き状態で搭載される本発明内燃機関Eの主要部の側面が図示されており、該図によれば、クランクケース10と、該クランクケース10に結合されたシリンダブロック20と、該シリンダブロック20に結合されたシリンダヘッド30等の構造部分が図示されている。
【0016】
そして、図2に図示されるように、クランクケース10にはその一方側のみが図示される軸受部10aを介してクランク軸1が回転可能に支持されており、該軸受部10aは、ボールベアリング10bのインナレース部10cがクランク軸1に固定され、そのアウタレース部10dがクランクケース10の環状軸受孔部12に嵌合固定されることで、該クランク軸1をクランクケース10に対して回転可能に支持する構造を備えている。
【0017】
クランク軸1のクランクピン1cには、周知のようにその大端部2aを介してコンロッド2が回動可能に連結され、該コンロッド2の小端部には図示されないピストンピンを介してピストンが取付けられ、このピストンはクランクケース10に結合された前記シリンダブロック20のシリンダ孔内を往復摺動する。
【0018】
クランク軸1には、前記ボールベアリング10bによりクランクケース10に回転可能に支持されたその軸受部10aからクランクケース構成壁11の外壁11a側に延びた該軸1の延長軸部1aがあり、該クランク軸1の延長軸部1aには、タイミングチエーン9駆動のためのスプロケット3が固定されている。
【0019】
また、該延長軸部1aには、スタータドリブンギア4がそのボス部内周においてニードルベアリング4aを介して回転可能に支持され、さらに一方向クラッチ5の一方側を構成する部材5aがキーKにより該延長軸部1aに固定されている。
そして、この一方向クラッチ5の一方側を構成する部材5aには発電機6のロータ部が固定され、また一方向クラッチ5の他方側を構成する部材5bは前記スタータドリブンギア4のボス部外周における構造部そのものとして構成されている。
【0020】
ところで、一方向クラッチ5は、前記のようにその一方側の構成部材5aがその外輪部として構成され、また、他方側の構成部材5bがその内輪部として構成され、内輪部と外輪部の相対回転速度の差により内輪部から外輪部への回転駆動力の伝達と遮断がなされるものであり、周知構造の一方向クラッチ5が採用される。
【0021】
したがって、本実施形態においては、外輪部、すなわちクランク軸1側の回転速度に対して内輪部、すなわちスタータドリブンギア4側の回転速度が速い時には、該スタータドリブンギア4側からクランク軸1側へと回転駆動力が伝達され、クランク軸1側の回転速度に対して相対的にスタータドリブンギア4側の回転速度が遅い時には、内輪部と外輪部は互いに自由状態となり、回転駆動力の伝達は遮断される作用をなすものである。
【0022】
スタータドリブンギア4は実質的に2枚の歯車7a,7bからなる減速歯車7の小径歯車7bに噛合い、該減速歯車7の大径歯車7aがスタータモータMの駆動軸のピニオン歯車8(図1参照)と噛合うことにより、スタータドリブンギア4は減速歯車7を介してスタータモータMのピニオン歯車8により駆動回転され、これにより、スタータモータMによる内燃機関E始動時のクランク軸1回転のための回転駆動力が前記スタータドリブンギア4から前記構造の一方向クラッチ5を介してクランク軸1に伝達される。
【0023】
また、カムチエーン9駆動のためのスプロケット3は、既述のようのクランク軸1の前記延長軸部1aに固定されており、クランク軸1の回転に伴いカムチエーン9を駆動し、タイミングギア9h(図1参照)の回転を通して明瞭には図示されないカムシャフトを回転駆動し、クランク軸1の回転との同調関係をもって該カムシャフトのカムによる図示されない吸・排気バルブの開閉作動をなさしめる。
【0024】
カムチエーン9は、図1に図示されるように、その適正な張り具合の維持・調整と振れのない安定した駆動のためにカムチエーンテンショナ9aによりカムチエーンガイド9bを介して所定圧で抑えられており、該カムチエーンガイド9bはそのためにその一端部がクランクケース構成壁11から突出するボス部13にその嵌合孔部9cを介してピボット回動可能に嵌合されて取付けられている(図2参照)。
【0025】
そして、カムチエーンガイド9b一端部の嵌合孔部9cの前記ボス部13への嵌合状態での取付けは、該嵌合状態において、ボス部13の先端に係止部材9dがその孔部9eを介して嵌合されて、該係止部材9dがその取付部9fのボルト孔9gによりクランクケース10の構成壁11の外壁11aにボルトBにより固定されることでなされ、該係止部材9dにより前記一端部は外れないように外側から抑えられる(図1,2参照)。
【0026】
また、図2に図示されるように、クランクケース構成壁11のカムチエーンガイド9b一端部を嵌合支持する前記ボス部13は、クランク軸1の軸受であるボールベアリング10bのアウタレース10dが嵌合される軸受孔部12の外周部の近傍に位置しており、ボス部13にはその中央部を貫通する連通孔14が形成されている。
【0027】
そして、連通孔14は、クランクケース構成壁11のボス部13頂部、すなわち、スタータドリブンギア4のギア側面4bに近接対向する位置で開口する開口部14aから、クランクケース10の構成壁11肉厚部を貫通して、該壁11の内壁11bの前記ボールベアリング10bのアウタレース10dが嵌合される軸受孔部12外周部の隣接位置、すなわち、クランクウエブ1b側面に近接対向する位置で開口する開口部14bまで延伸しており、該連通孔14は後に説明されるようにスタータドリブンギア4のニードル軸受部4aの潤滑に供されるオイルの供給路である(図2,4参照)。
【0028】
また、図4の拡大図から理解できるように、前記連通孔14は、クランクケース構成壁11の外壁11aのボス部13頂部開口部14aからクランクケース構成壁11の内壁11bの開口部14bまでの貫通孔として延伸する部分において、ボス部13頂部開口部14a側が径の小さな細い孔とされ、構成壁11の内壁11b開口部14b側が径の大きな孔とされて全体として緩やかなテーパ形状に形成されており、また特徴的には構成壁11の内壁11b側開口部14bの開口縁14cは面取りされ、該開口部14b周縁14cが拡径されている。この面取り開口は後に説明される潤滑オイルの取入れを容易にする。
【0029】
そして、連通孔14の前記内壁11b側開口部14bの拡径開口縁14cに隣接して、クランクケース構成壁11の内壁11bには所定の長さと高さのリブ状突部11cが形成されており、このリブ状突部11cは、図2,3,4に図示されるようにクランク軸1の回転方向が考慮されてその配設位置が決められていて、その配設位置は、前記連通孔14の内壁11b側開口部14bに隣接するクランク軸1の回転方向Rに沿った該連通孔14の後側に寄せられた位置とされ、かつクランク軸1の径方向に指向して延びるリブ状の突部として形成されている(図3,4参照)。
【0030】
また、このリブ状突部11cの突出高さは前記所定の高さであると称したが、図2,4に図示されるように、クランクケース構成壁11の内壁11bにおけるクランク軸1支持軸受であるボールベアリング10b装着のための軸受孔部12のボス部と同一面を形成する高さであり、この高さはまた、前記クランクケース構成壁11の内壁11bにおける連通孔14の拡径開口縁14cと同じ高さでもある。そして、リブ状突部11cのこの構造はクランク軸1の回転におけるクランクウエブ1bによる跳ね上げによるオイル飛沫の効果的な前記連通孔14への導入を促進するものである。
【0031】
ここで、本実施形態におけるスタータ機構の作動と、スタータドリブンギア4の潤滑作用について簡単に説明する。
【0032】
内燃機関Eの始動にあたり、先ずスタータモータMが回転駆動される(図1参照)。スタータモータMの回転駆動力は、該モータMの駆動軸に固定されたピニオン歯車8に噛合う2枚構成の減速歯車7の大径歯車7aに伝達され、該減速歯車7の小径歯車7bとスタータドリブンギア4の噛合いを介して該ドリブンギア4に減速して伝達され、スタータドリブンギア4が駆動回転される(図1,2参照)。
【0033】
スタータドリブンギア4の駆動回転は、一方向クラッチ5を介してクランク軸1の延長軸部1aに伝達され、クランク軸1を回転せしめる(図2参照)。そしてクランク軸1の回転に伴う図示されないピストンの作動により内燃機関Eが始動を開始する。内燃機関Eの始動に伴いスタータドリブンギア4からの回転駆動力は前記一方向クラッチ5により自由状態とされ、実質的に該ドリブンギア4からのクランク軸1への回転駆動力の伝達は遮断される。そして、スタータモータMは直ちにその駆動が停止される。
【0034】
内燃機関Eの運転状態において、クランク軸1の回転に伴うクランクウエブ1bにより跳ね上げられた飛沫オイルは、クランク室内を飛び交い、クランク室内の内壁11b等各所に衝突する。そして、前記跳ね上げられた飛沫オイルのあるものは、前記内壁部の一つである前記連通孔14の内壁開口部14bに隣接したリブ状突部11cに衝突して、該飛沫オイルは、前記連通孔14の内壁開口部14bの拡径されたその開口縁14cから該連通孔14内へと導き入れられる(図2,3,4参照)。
【0035】
そして、リブ状突部11cの配設位置は連通孔14の内壁開口部14bに対して、クランクウエブ1bの回転方向(図3における矢印R方向参照)に沿った後側寄りの位置とされ、かつ該リブ状突部11cはクランク軸1の径方向に指向して延びているので、クランクウエブ1bの回転により所定の指向性をもって飛ばされた飛沫オイルは前記リブ状突部11cに衝突して、該リブ状突部11cにより効果的に捕らえられる。
【0036】
捕らえられた飛沫オイルは、連通孔14の拡径開口縁14cに導かれて連通孔14内へ導入され、該連通孔14内を流れて、クランクケース構成壁外壁11aの前記ボス部13頂部の開口部14aから流出する。その後、流出オイルは該開口部14aに近接対向したスタータドリブンギア4の側面4bに沿って流下して、該ドリブンギア4のニードル軸受部4aに流入され、該軸受部4aの潤滑を行なう(図2,3,4参照)。
【0037】
本発明の図1ないし図4に図示された実施形態は上記構成であるから、クランク軸1の回転に伴うクランクウエブ1bにより跳ね上げられた飛沫オイルが前記リブ状突部11cにより効果的に捕らえられて、その開口部14bが拡径された連通孔14内に効果的に導かれる。そして、該連通孔14を通してスタータドリブンギア4の側面4bに導かれたオイルは、さらに該側面4bを通してスタータドリブンギア4のニードル軸受部4aに確実に供給される。
【0038】
したがって、スタータドリブンギア軸受部4aへの潤滑油量の増加がクランクケース10の鋳物形状の僅かな変更により達成され部品点数も増やす必要性がない単純な構造変更の採用により効果的な潤滑が達成される。
【0039】
クランクケース構成壁11の内壁11bに形成された前記リブ状突部11cは、連通孔14に対して、クランク軸1の回転方向に沿って後側寄りで、かつクランク軸1の径方向に指向して延びており、さらに、該連通孔14の拡径開口縁14cに隣接して形成されているから、クランク軸1の回転に伴うクランクウエブ1bからの飛沫オイルを効果的に捕らえて前記連通孔14の拡径開口縁14cに効率良くオイルを導き入れることができる。
【0040】
潤滑オイルを導く連通孔14がカムチエーンガイド9bのピボットボス部13である突出部に設けられているので、スタータドリブンギア4の側面4bにその分近接させて前記連通孔14の開口部14aを位置させることができ、潤滑オイルは的確に導かれスタータドリブンギア4のニードル軸受部4aへの潤滑オイルの確実な供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴的な潤滑のための構造が施された内燃機関主要部の外観側面を示す図である。
【図2】本発明の特徴的な潤滑のための構造が施された内燃機関の主要部を示す図である。
【図3】図2に図示された内燃機関のクランクケース構成壁の内壁側を示す図である。
【図4】本発明の主要部の拡大図である。
【図5】従来の主要構造部を示す図である。
【符号の説明】
1・・・クランク軸、1a・・・延長軸部、1b・・・クランクウエブ、1c・・・クランクピン、2・・・コンロッド、3・・・スプロケット、4・・・スタータドリブンギア、4a・・・ニードル軸受部、4b・・・ギア側部、5・・・一方向クラッチ、5a・・・一方側の部材、5b・・・他方側の部材、6・・・発電機、7・・・減速歯車、7a・・・大径歯車、7b・・・小径歯車、8・・・ピニオン歯車、9・・・、カムチエーン、9a・・・カムチエーンテンショナ、9b・・・カムチエーンガイド、9c・・・嵌合孔部、9d・・・係止部材、9e・・・孔部、9f・・・取付部、9g・・・ボルト孔、9h・・・タイミングギア、10・・・クランクケース、10a・・・軸受部、10b・・・ボールベアリング、10c・・・インナレース、10d・・・、アウタレース、11・・・クランクケース構成壁、11a・・・外壁、11b・・・内壁、11c・・・リブ状突部、12・・・環状軸受孔部、13・・・ボス部、14・・・連通孔、14a・・・外壁側開口部、14b・・・内壁側開口部、14c・・・拡径開口縁、20・・・シリンダブロック、30・・・シリンダヘッド、B・・・ボルト、E・・・内燃機関、K・・・キー、M・・・スタータモータ、R・・・クランクウエブの回転方向。
Claims (3)
- クランクケースと、クランクケースにベアリングを介して回転可能に支持されたクランク軸と、クランクケースの構成壁を抜けてクランクケース外側に延出するクランク軸延長軸部と、該クランク軸延長軸部に軸受を介して回転可能に支持され、かつ一方向クラッチを介して前記クランク軸延長軸部に連結可能に装着されたスタータドリブンギアと、該スタータドリブンギアを駆動回転するスタータに連結されたドライブギアとを備えたスタータギア軸受の潤滑構造において、
前記スタータドリブンギアのギア側面に対向するクランクケースの前記構成壁の外壁は、タイミングチェーン用のカムチエーンテンショナのチエーンガイドをピボット回動可能に嵌合するボス部を有し、
前記ボス部には、クランクケースの構成壁の内外を連通するように貫通する連通孔が設けられ、
前記連通孔のスタータドリブンギア側開口部は、カムチエーンテンショナの前記ボス部に設けられ、
該連通孔を通して、クランクウエブの回転による飛沫オイルを前記スタータドリブンギアの前記ギア側面を介して前記スタータドリブンギアのクランク軸延長軸部への前記軸受に導き、該軸受における潤滑が行われるようにされた
ことを特徴とするスタータギア軸受の潤滑構造。 - 前記連通孔のクランクウエブ側開口部周辺で、かつクランク軸の回転方向に沿って前記連通孔の後側に位置する前記構成壁にのみクランク軸径方向に延びる突部が設けられた
ことを特徴とする請求項1に記載のスタータギア軸受の潤滑構造。 - 前記タイミングチェーンを駆動するためのスプロケットが前記クランク軸延長軸部に配置され、前記スプロケットは、クランク軸軸線方向に関して、クランク軸をクランクケースに支持する前記ベアリングと、クランク軸延長軸部上のスタータドリブンギア用前記軸受との間に配置され、
前記連通孔の前記スタータドリブンギア側開口部は、クランク軸軸線方向に関して、前記スプロケットの歯部とスタータドリブンギアの前記ギア側面との間に配置された
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスタータギア軸受の潤滑構造。
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