JP2569722B2 - 無杼織機における緯糸処理方法 - Google Patents

無杼織機における緯糸処理方法

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JP2569722B2 JP63113888A JP11388888A JP2569722B2 JP 2569722 B2 JP2569722 B2 JP 2569722B2 JP 63113888 A JP63113888 A JP 63113888A JP 11388888 A JP11388888 A JP 11388888A JP 2569722 B2 JP2569722 B2 JP 2569722B2
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金平 三矢
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株式会社豊田自動織機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は緯入れミス検知装置の緯入れミス発生検知に
ともない機台が停止された後機台を逆転し、緯入れミス
された不良緯糸を開口装置の口開き状態で経糸開口内か
ら自動的に除去する不良緯糸除去装置を備えた無杼織機
における緯糸処理方法に関するものである。
[従来の技術] エアジェットルーム、ウォータジェットルーム等の無
杼織機は有杼織機に比べてはるかに高い生産性を上げる
ことができ、緯入れミス発生割合は有杼織機に比べて単
位生産当りでは少ないが、単位時間当り比較するとやや
多くなる。緯入れミス発生の場合緯入れミス検知装置か
らの緯入れミス検知信号に基づいて機台停止が行われる
が、織機の各部が過大な減速度により破損することを防
止するために、緯入れミス検知後約1サイクル程度慣性
作動した後に機台の完全停止が行われ、緯入れミスの緯
糸(以下不良緯糸という)が機台停止前に筬打ちされる
とともに経糸が閉口されて織布に織込まれる。そのため
不良緯糸を取除くには機台を逆転して経糸による不良緯
糸の把持状態を解除した後、不良緯糸を取除かなければ
ならない。この不良緯糸除去作業を自動的に行う緯糸処
理装置が従来種々提案されている(例えば特開昭61−24
5339号公報)。これらの従来装置においては緯入れミス
発生に伴う機台停止後、機台を逆転してクランク角180
゜付近で機台を停止させた後、不良緯糸除去装置により
経糸開口内から不良緯糸を除去する。そして、不良緯糸
除去装置による不良緯糸の除去完了後、機台の再起動が
自動的に行われるようになっている。
[発明が解決しようとする課題] 前記従来装置においては、不良緯糸除去装置による不
良緯糸の除去作業中に切断事故が発生して不良緯糸除去
が失敗に終った場合には機台の再起動は行われず、作業
者による不良緯糸除去及び機台再起動が行われるまでク
ランク角ほぼ180゜の位置で待機していた。クランク角1
80゜の位置では第3図(a)に示すように経糸Tが最も
開いた状態にあり、経糸Tに加わる張力も大きい。この
ように経糸Tに加わる張力が大きい状態で長時間保持さ
れると経糸Tが伸びきり、作業者による不良緯糸除去作
業完了、機台の再起動後、織布に織物欠点(止め段)が
発生し易いという問題がある。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は不良緯糸除去装置による不良緯糸作業が
不成功に終り、作業者による除去作業及び機台再起動を
行った場合にも織布に織物欠点が発生するのを防止する
ことができる無杼織機における緯糸処理方法を提供する
ことにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するため本発明においては、緯入れ
ミス検知装置の緯入れミス発生検知にともない機台が停
止された後機台を逆転し、緯入れミスされた不良緯糸を
開口装置の口開き状態で経糸開口内から自動的に除去す
る不良緯糸除去装置による不良緯糸の除去作業が不成功
の場合、機台を正転して経糸開口を口閉じ状態とし、そ
の状態で作業者による不良緯糸除去作業時まで待機する
ようにした。
[作用] すなわち、本発明においては不良緯糸除去装置による
不良緯糸の除去が不成功となった場合には、機台が経糸
開口の口閉じ状態となる位置まで正転駆動され、その位
置で作業者による不良緯糸除去作業、機台再起動操作が
行われるまで待機する。従って、従来装置と異なり経糸
開口が閉じた状態で待機するため経糸に加わる張力が小
さくなり、機台再起動後に織成された織布に止め段が発
生するのが防止される。
[実施例] 以下本発明を具体化した一実施例を図面に従って説明
する。
第2図に示すようにスレイ1上の一端側にはメインノ
ズル2が固定され、同メインノズル2の前方には緯糸Y
を案内する機能を備えた筬3が立設されている。緯糸測
長貯留装置4から供給される緯糸Yは前記メインノズル
2内に導かれ、緯入れタイミングに同期してメインノズ
ル2から噴射される流体と共に前記筬3の緯糸案内通路
(図示せず)内に緯入れされる。織布Wの織前と対応す
るメインノズル2側側方には、筬打ちされて織布内に織
込まれた状態でメインノズル2に繋った状態にある緯糸
Yを緯入れ毎に切断する緯糸切断装置5が配設されてい
る。緯糸切断装置5はスレイ1の反メインノズル側端部
に配置された緯入れミス検知装置6が緯入れミスを検知
した場合にエアシリンダ7の突出作動により不作動状態
に保持され、織布の織前に織込また不良緯糸Ybがメイン
ノズル2側に繋った状態に保持されるようになってい
る。
メインノズル2の上方には緯糸導入ダクト8、エアガ
イド9及び吸引ダクト10が配設され、メインノズル2の
前方緯入れ経路の下方にはブローノズル11が前記緯糸導
入ダクト8の入口8aを指向して装着されている。クラン
ク角ほぼ180゜でスレイ1が停止した時の前記緯糸導入
ダクト8とエアガイド9との間にはモータ12により駆動
される駆動ローラ13と、エアシリンダ14により駆動ロー
ラ13に圧接される作用位置と駆動ローラ13から離間した
退避位置とに移動配置される押圧ローラ1とが配設され
ている。又、エアガイド9と吸引ダクト10との間と対向
する位置には緯糸検出器16が配設されている。前記緯糸
切断装置5用のエアシリンダ7は電磁弁17を介して、ブ
ローノズル11は電磁弁18を介して、吸引ダクト10は電磁
弁19を介して、エアシリンダ14は電磁弁20を介してそれ
ぞれ圧力エア供給タンク21に接続されている。緯糸導入
ダクト8内に導入された緯糸は吸引ダクト10まで到達
し、前記両ローラ13,15間に把持され、両ローラ13,15の
回転により吸引ダクト10側へ引取られる。又、メインノ
ズル2の噴射口の直上には切断刃22が配設され、緯糸導
入ダクト8に導入された緯糸が両ローラ13,15の作用に
より引取られる際に、切断刃22に対して緊張状態で圧接
されることにより切断されるようになっている。
綜絖枠23を上下動するためのジャックレバーを支持す
る開口ブラケット(図示せず)には緯糸処理制御用コン
ピュータ24が支持されており、同緯糸処理制御用コンピ
ュータ24は織機制御用コンピュータ25とのデータ授受及
び緯糸検出器16からの緯糸検出情報に基づいてモータ12
及び電磁弁20の作動制御を行う。緯糸処理制御用コンピ
ュータ24はモータ12の回転開始時からの緯糸検出器16に
よる緯糸検出信号と、モータ12に設けられたロータリエ
ンコーダ12aからの信号とに基づいて緯糸検出器16の設
定位置を通過する緯糸Y1,Ybの長さを測定し、この測定
長さが設定された値の範囲内にあれば不良緯糸除去成功
と判定し、設定範囲外であれば不成功と判定して織機制
御用コンピュータ25にその判定信号を出力する。又、不
成功と判定した場合には異常表示ランプ26を点滅させ
る。
機械制御用コンピュータ25は緯入れミス検知装置6か
らの緯入れミス検出信号と、機台に設けられたクランク
角検出用のエンコーダ27からの出力信号とに応答して電
磁弁17,18,19の開閉動作及び機台駆動用モータ(図示せ
ず)の正逆回転駆動を制御する。機台制御用モータには
インバータによる駆動されるモータが使用されている。
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
さて、この実施例では緯入れミス発生の場合の不良緯糸
処理は第1図のフローチャートに従って行われる。緯入
れミスが発生すると緯入れミス検知装置6からの緯入れ
ミス検出信号に基づいて織機制御用コンピュータ25は機
第停止指令を出すとともに、電磁弁17,18,19に開放指令
を出す。これにより機台の慣性作動中にブローノズル11
からエアが噴射されるとともに吸引ダクト10に吸引気流
が生じ、更に緯糸切断装置5が不作動状態に保持され
る。そのため、織前に織込まれた不良緯糸Ybがメインノ
ズル2側に接続した状態に保持されるとともに、不良緯
糸Ybに続く緯糸Y1が緯入れされることなく緯糸導入ダク
ト8内へ導入される。機台停止後、機台駆動用モータが
逆転されてスレイ1が最後退位置へ後退した位置(クラ
ンク角180゜)で停止され、経糸Tの開口状態が形成さ
れるとともに上下の経糸Tによる不良緯糸Ybの織込み状
態が解除される。
機台の逆転停止とともに電磁弁18が閉成され、ブロー
ノズル11からのエア噴射が停止する。次に電磁弁20が開
放されてエアシリンダ14が突出作動し、押圧ローラ15が
駆動ローラ13に圧接される作用位置に配置されて緯糸Y1
が両ローラ13,15間に把持される。続いて緯糸検出器16
が作動されるとともに、所定時間をおいてモータ12が作
動される。これにおり緯糸Y1が吸引ダクト10側へ引取ら
れ、織前上の不良緯糸Ybが前記緯糸Y1に続いて経糸開口
内から引抜かれる。緯糸検出器16及びロータリエンコー
ダ12aからの出力信号に基づき、緯糸処理制御用コンピ
ュータ24が緯糸処理成功と判定した場合には、その信号
に基づき織機制御用コンピュータ25が機台の再起動信号
を出力する。そして、機台が再起動に最も適した位置す
なわちクランク角300゜の位置まで自動的に逆転される
とともに、電磁弁17が閉成されて緯糸切断装置5が作動
可能な状態に復帰された後、機台が自動的に再起動され
る。
不良緯糸Ybの引出し途中において切断事故が発生した
場合等不良緯糸Ybの長さが短い場合には、緯糸処理制御
用コンピュータ24から緯糸処理不成功の信号が織機制御
用コンピュータ25に出力されるとともに異常表示ランプ
26の点滅が行われる。織機制御用コンピュータ25は前記
緯糸処理不成功の信号に基づき機台駆動用モータを正転
させて機台をクランク角300゜の位置で停止させその位
置で待機する。そして、その後不良緯糸除去及び再起動
操作が作業者による手動操作に移される。作業者による
不良緯糸除去及び再起動装置が行われるまで第3図
(b)に示すように経糸開口が閉じた状態すなわち経糸
Tに加わる張力が小さい状態に保持されるため、従来と
異なり再起動後に織布に止め段が発生するのが防止され
る。機台をクランク角300゜の口閉じ状態にする場合に
正転駆動で行うのは経糸Tが緯糸に絡まないようにする
ためである。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、例えば、不良緯糸除去作業が不成功に終った場合、
所定時間経過後に機台を正転するように設定して、作業
者の到着が遅い場合に口閉じ状態とするようにしてもよ
い。又、機台駆動用モータとしてインバータを使用しな
い従来と同様なモータを使用するとともに機台停止後に
不良緯糸除去の準備のために機台を低速で回転させるた
めの別の低速駆動大用モータを設けたり、不良緯糸除去
装置として経糸開口の側方から不良緯糸Ybを引出す構成
の装置に代えて特開昭58−220856号公報に開示された装
置のように経糸開口の上方へ不良緯糸Ybを引出す構成の
装置を用いてもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば緯入れミス発生
時に不良緯糸除去装置による不良緯糸除去が不成功に終
った場合に、機台が自動的に経糸開口が閉じた状態に正
転された後、その状態で作業者による再起動時まで待機
するので、経糸に長時間大きな張力が付与された状態で
放置されることがなくなり、機台再起動後に織布に止め
段が発生するのが防止される。
【図面の簡単な説明】
第1図は緯入れミスに伴う不良緯糸処理手順を示すフロ
ーチャート、第2図は本発明を実施する装置の概略正面
図、第3図(a),(b)はクランク角180゜及びクラ
ンク角300゜における経糸開口の状態を示す概略図であ
る。 メインノズル……2、緯入れミス検知装置……6、緯糸
導入ダクト……8、吸引ダクト……10、ブローノズル…
…11、駆動ローラ……13、押圧ローラ……15、緯糸検出
器……16、緯糸処理制御用コンピュータ……24、織機制
御用コンピュータ……25、異常表示ランプ……26、不良
緯糸……Yb、緯糸……Y,Y1、経糸……T。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯入れミス検知装置の緯入れミス発生検知
    にともない機台が停止された後機台を逆転し、緯入れミ
    スされた不良緯糸を開口装置の口開き状態で経糸開口内
    から自動的に除去する不良緯緯糸除去装置を備えた無杼
    織機において、 前記不良緯糸除去装置による不良緯糸の除去作業が不成
    功の場合、機台を正転して経糸開口を口閉じ状態とし、
    その状態で作業者による不良緯糸除去作業時まで待機す
    る無杼織機における緯糸処理方法。
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