JP2569721B2 - 無杼織機における緯糸処理方法 - Google Patents

無杼織機における緯糸処理方法

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JP2569721B2 JP63113887A JP11388788A JP2569721B2 JP 2569721 B2 JP2569721 B2 JP 2569721B2 JP 63113887 A JP63113887 A JP 63113887A JP 11388788 A JP11388788 A JP 11388788A JP 2569721 B2 JP2569721 B2 JP 2569721B2
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金平 三矢
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株式会社豊田自動織機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は緯入れミス検知手段の緯入れミス発生検知信
号により機台が停止された後機台を逆転し、開口装置の
口開き状態において緯入れミスされた不良緯糸を経糸開
口内から自動的に除去する不良緯糸除去装置を備えた無
杼織機における緯糸処理方法に関するものである。
[従来の技術] エアジエットルール、ウォタージェットルーム等の無
杼織機は有杼織機に比べてはるかに高い生産性を上げる
ことができ、緯入れミスの発生割合が有杼織機に比べて
単位生産当たりでは少ないが、単位時間当たりで比較す
るとやや多くなる。緯入れミス発生の場合緯入れミス検
知装置からの緯入れミス検知信号に基づいて機台停止が
行なわれるが、織機の各部が過大な減速度により破損す
ることを防止するために、緯入れミス検知後約1サイク
ル程度慣性作動した後に機台の完全停止が行なわれ、緯
入れミスの緯糸(以下不良緯糸という)が機台停止前に
筬打ちされるとともに経糸が閉口されて織布に織り込ま
れる。このため不良緯糸を取り除くには機台を逆転して
経糸による不良緯糸の把持状態を解除した後、不良緯糸
を取り除かなければならない。この不良緯糸除去作業を
自動的に行なう装置として従来種々の装置が提案されて
いる(特開昭59−21757号公報、特開昭61−245339号公
報等参照)。
[発明が解決しようとする課題] ところが、従来装置においては織物の種類に拘りなく
緯入れミス発生に伴う機台停止後、機台を一定位置まで
逆転して経糸を開口状態にするための停止位置がクラン
ク角ほぼ180度で一定となっている。平織で口閉じ位置
が300度の場合にはクランク角180度で経糸の開口状態が
最大となり不良緯糸の除去を行ない易いが、口閉じ位置
が270度の綾織の場合にはクランク角180度の場合が必ず
しも不良緯糸の除去に最適な開口状態とはならない。す
なわち、第5図(b)に示すようにクランク角180度で
は第1ヘルドH1に挿通された経糸Tと第3ヘルドH3に挿
通された経糸Pとの開口状態は最大となるが、第2ヘル
ドH2に挿通された緯糸Tと第3ヘルドH3に挿通された経
糸Tの開口状態は必ずしも最大とはならず、第2ヘルド
H2に挿通された経糸Tが緩んだ状態となり、緯糸Yの引
出し時における接触摩擦抵抗が大きくなる。これに対
し、クランク角150度の場合には第5図(a)に示すよ
うに、第1ヘルドH1、第2ヘルドH2に挿通された経糸T
と第3ヘルドH3に挿通された経糸Tとの開口状態が等し
く最大となり180度の場合よりも緯糸の引出し時におけ
る接触摩擦抵抗が小さくなる。すなわち、不良緯糸を経
糸開口内から除去するのに適したクランク角度は織物の
種類によ異なり、緯糸除去作業時におけるクランク角を
一定に設定した場合には平織以外の織物織成時に不良緯
糸の除去が成功しない確立が高くなる。
本発明は前記の問題点を鑑みてなされたものであっ
て、その目的は緯入れミスされた不良緯糸を常に確実に
経糸開口内から除去することができる無杼織機における
緯糸処理方法に提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するため本発明においては、緯入れ
ミス検知装置の緯入れミス発生検知信号におり機台が停
止された後機台を逆転し、開口装置の口開き状態で緯入
れミスされた不良緯糸を経糸開口内から自動的に除去す
る不良緯糸除去装置を備えた無杼織機において、前記機
台停止後の逆転位置を織物種類に応じて予め設定し、前
記機台の停止後前記設定した逆転位置と一致するまでの
機台を逆転し、経糸の開口状態を織物種類に合った最適
な状態に設定して不良緯糸の除去を行なうようにした。
[作用] 本発明においては不良緯糸除去装置を作動することが
できる機台逆転位置を織物の種類に応じた所定の値、例
えばクランク角度で口閉じが300度の平織の場合には180
度に、口閉じが270度の綾織の場合には150度のように予
じめ設定しておく。従って、緯入れミス発生により機台
が停止された後、機台が逆転されて所定の位置に停止す
ると、経糸の開口状態は常に肥料緯糸の除去に最適な開
口状態となり、緯糸処理の成功率が向上する。
[実施例] 以下本発明を具体化した一実施例を図面に従って説明
する。第2図に示すようにスレイ1の一端側にはメイン
ノズル2が固定され、同メインノズル2の前方には緯糸
Yを案内する機能を備えた筬3が立設されている。緯糸
測長貯留装置4から供給される緯糸Yは前記メインノズ
ル2内に導かれ、緯入れタイミングに同期してメインノ
ズル2から噴射される流体とともに緯糸案内通路3a(第
3図に図示)内に緯入れされる。
織布Wの織前W1のメインノズル2側側方には電磁駆動
方式の緯糸切断装置5が配設されている。緯糸切断装置
5は緯入れが正常に行なわれた場合には緯入れ毎に作動
され、緯入れミス発生時にはスレイ1の反メインノズル
側端部に配置された緯入れミス検知装置6からの緯入れ
ミス検出信号に基いて不作動状態に保持されて織布Wの
織前W1に織込まれた不良緯糸Ybがメインノズル2に繋が
った状態に保持される。なお、緯糸Yの切断防止はブロ
ーノズル等他の手段により緯糸切断装置5の作用領域外
に緯糸を移行するようにしてもよい。
第3図に示すようにメインノズル2の直下のスレイ1
前面には支持ブラケット7が固定され、同支持ブラケッ
ト7上には図示しない圧力エア供給源に接続されたブロ
ーノズル8が装着されている。ブローノズル8はその噴
射口8aがメインノズル2の噴射経路を指向するように形
成されている。スレイ1の後面には三叉状の支持部材9
が固定され、その支持アーム9a,9b,9cは各先端部がメイ
ンノズル2の上方に延びるように屈曲形成されている。
第1の支持アーム9aの先端部上には緯糸導入ダクト10が
メインノズル2のほぼ平行に固定されている。緯糸導入
ダクト10はその入口10aが前記ブローノズル8の噴射口8
aと対向する位置に形成され、入口10aとメインノズル2
の噴射口との間には切断刃11が固定されている。第の支
持アーム9bの先端上部には、エアガイド12がその出入口
が前記緯糸導入ダクト10の出口10bの排出経路上となる
ように固定されている。第3の支持アーム9c上にはほぼ
L字状に屈曲形成された吸引パイプ13が、入口側が前記
出口10bの排出経路に出口側がスレイ1の揺動領域の前
方に設置されたダストボックス14に向かうように固定さ
れている。吸引パイプ13の屈曲部には前記圧力エア供給
源に接続されたノズル15が吸引パイプ13の出口を指向す
るように接続されている。スレイ1の揺動領域後方には
駆動ローラ16が、スレイ1が最後退位置に配置された時
及びクランク角ほぼ140度の位置に配置された際に、緯
糸導入ダクト10とエアガイド12との間と対応可能な長さ
に形成されるとともに、ベルト電動機構17を介してステ
ップモータ18により回転駆動されるようになっている。
駆動ローラ16の上方にはエアシリンダ19が下向きに配設
され、そのピストンロッドの先端に固定されたブラケッ
ト20には被動ローラ21が駆動ローラ16に対向して回転可
能に支持されている。被動ローラ21はエアシリンダ19の
作動により駆動ローラ25に押圧される作用位置と、離間
する退避位置とに移動される。エアシリンダ19の側面に
突設された支軸22には支持プレート23が回動可能に支承
されており、その下部側に形成された円弧状のガイド孔
23aには前記ブラケット20上に突設されたガイドピン20a
が嵌入されている。支持プレート23の上部側には検出ア
ーム24aを備えた緯糸検出装置24が装着されている。
次に前記の不良緯糸除去装置を駆動制御するための制
御回路を第4図に従って説明する。制御装置Cを構成す
るマイクロコンピュータ25は中央処理装置(以下CPUと
いう)26と、制御プログラムを記憶した読出し専用メモ
リ(ROM)よりなるプログラムメモリ27と、CPU26におけ
る演算処理結果等を一時記憶する読出し及び書換え可能
なメモリ(RAM)よりなる作業用メモリ28とからなり、C
PU26はプログラムメモリ27に記憶されたプログラムデー
タに基づいて動作する。機台駆動用モータMにはインバ
ータにより駆動されるモータが使用され、CPU26は出力
インタフェース29、駆動回路30、インバータ31を介して
機台駆動用モータMを駆動制御する。緯入れミス発生に
伴う機台停止後、不良緯糸除去装置を作動できる位置ま
での機台逆転位置設定手段として、クランク角を任意に
設定可能な入力装置32が制御装置Cにキーボードとして
一体に組込まれている。CPU26は緯入れミス発生に伴う
機台停止後の逆転駆動時に、機台側に設けられたエンコ
ーダ33からの出力信号を入力してクランク角を演算する
とともに、前記入力装置32により入力された設定値と比
較してその設定価の位置で機台が停止するように機台駆
動用モータMを駆動制御する。
CPU26は緯糸検出装置24からの緯糸検知信号が入力さ
れると同時にステップモータ18に対して出力インタフェ
ース29、駆動回路34を介してステップモータ18を所定量
回動させる。CPU26はステップモータ18が所定量回動さ
れるまで緯糸検出装置24の検出信号が入力されている場
合には不良緯糸Ybの除去成功と判断して機台再起動信号
を出力し、ステップモータ18の所定量の回動が完了する
前に緯糸検出装置24からの緯糸検出信号が入力されなく
なった場合には緯糸除去不成功として判断し、駆動回路
35を介して異常表示ランプ36を点滅させる。
次に前記のように構成された装置による緯糸処理作用
を説明する。機台の運転に先立って、織物の種類に応じ
て予め不良緯糸除去装置を作動させる際の機台停止時に
おける経糸の開口状態が最適な状態となる値を入力装置
32により入力する。織物の種類が例えば口閉じ位置270
度の綾織の場合には前記クランク角の設定値は150度と
し、口閉じ位置300度の平織の場合には前記設定値を180
度とする。
さて、緯入れミス発生時における不良緯糸処理は第1
図のフローチャートに従って行なわれる。緯入れミスが
発生すると緯入れミス検知装置6により緯入れミス検出
信号が発せられ、同信号に基づいて制御装置Cから機台
駆動用モータMの停止指令が発せられる。緯入れミス発
生に伴いメインノズル2における噴射停止及び緯糸切断
装置5の不作動状態のもとに機台はほぼ一回転した後停
止し、スレイ1は第2図の鎖線で示す位置に停止する。
これにより不良緯糸Ybはメインノズル2側に接続した状
態で織前W1に織込まれる。又、前記緯入れミス検知信号
に基づきブローノズル8及びノズル15に圧力エアが供給
され、ブローノズル8と緯糸導入ダクト10との間には緯
入れ経路を横切る空気流が生じるとともに、吸引パイプ
13の入口側には吸引気流が生じる。緯入れミス検出から
機台停止に至る機台の惰性回転中に緯糸側長貯留装置4
から1ピック分の緯糸Y1が開放され、この1ピック分の
緯糸Y1が機台の惰性回転中にブローノズル8からの噴射
空気流によりメインノズル2から引出されて緯糸導入ダ
クト10へ導入され、緯糸導入ダクト10内に導入された緯
糸Y1はエアガイド12を経て吸引パイプ13内へ到達し、ノ
ズル15の噴射作用によりダストボックス14に向けて吹き
さられる。これにより緯糸導入ダクト10と吸引パイプ13
との間の緯糸Y1が適度の張力を付与されて緊張状態に保
持される。
機台の停止後制御装置Cから機台駆動用モータMに逆
転駆動指令が送られ、機台が逆転される。この時CPU26
はエンコーダ33からの出力信号を入力してクランク角を
演算するとともにこの値を所定の設定値と比較し、クラ
ンク角が所定の設定値を満した時点で機台駆動用モータ
を停止させる。逆転駆動時は機台駆動用モータMが低速
で回転駆動されているため、停止指令と同時にブレーキ
の作用によりただちに停止される。これにより経糸Tの
開口状態が形成され、経糸Tによる不良緯糸Ybの織込状
態が解除される。そして、この停止位置では経糸Tの開
口状態が不良緯糸Ybの引出しに最適な状態すなわち、綾
織の場合には第5図(a)に示す状態に、平織の場合に
は第6図(a)に示す状態にある。又、緯糸導入ダクト
10とエアガイド12との間の緯糸Y1が駆動ローラ16と被動
ローラ21との間の圧接把持領域内に配置されるととも
に、エアガイド12と吸引パイプ13との間の緯糸Y1が検出
アーム24aの回動領域内に配置される。
次にエアシリンダ19が作動されてそのピストンロッド
が突出され、被動ローラ2が駆動ローラ16に圧接される
作用位置に配置され、緯糸導入ダク10とエアガイド12と
の間において緯糸Y1を把持する。又、被動ローラ21の下
降に伴いガイドピン20aとガイド孔23aとの係合作用によ
り支持プレート23が支軸22を中心に回動され、検出アー
ム24aがエアガイド12と吸引パイプ13の間を横切るよう
に回動される。この時、検出アーム24の回動領域内に緯
糸Y1が存在するため、検出アーム24aの移動が規制さ
れ、緯糸検出装置24から緯糸有りの検出信号が発せられ
る。この信号に基づきCPU26はステップモータ18を経糸
開口内から不良緯糸Ybを引出すのに必要な所定量回動さ
せる。ステップモータ18の回動により両ローラ16,21が
緯糸Y1を把持した状態で回転され、緯糸Y1が吸引パイプ
13側へ引取られ、この引取り張力により緯糸Y1が切断刃
11に緊張状態で圧接されメインノズル2側から切断分離
され、織前W1上の不良緯糸Ybが織前W1から分離されると
ともに経糸開口内から引出される。そして、ステップモ
ータ18が所定量回動された時点で不良緯糸Ybの先端が両
ローラ16,21の圧接部を通過し、不良緯糸Ybがダストボ
ックス14に向けて吐出される。CPU26はステップモータ1
8が所定量回動されるまで緯糸検出装置24からのオン信
号が継続されている場合には不良緯糸除去成功と判断し
て機台の再起動信号を出力する。そして、機台が再起動
に最も適した位置(クランク角300度)まで自動的に逆
転されるとともに、緯糸切断装置5が作動可能な状態に
復帰された後、機台が自動的に再起動される。
不良緯糸Ybの引出し途中において切断事故が発生した
場合等不良緯糸Ybの長さが短い場合には、ステップモー
タ18の所定量の回動が完了する前に検出アーム24aと緯
糸Ybとの係合が解除されて緯糸検出装置24からの検出信
号がOFFとなる。CPU26はステップモータ18の所定量の回
動完了前に緯糸検出装置24からの検出信号がOFFとなっ
た場合には不良緯糸除去失敗と判断して異常表示ランプ
36の点滅を行なう。そして、その後不良緯糸除去及び再
起動操作が作業者による手動操作に移される。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、例えば、不良緯糸除去装置として経糸開口の側方か
ら不良緯糸Ybを引出す構成の装置に代えて特開昭58−22
0856号公報に開示された装置のように経糸開口の上方へ
不良緯糸Ybを引出す不良緯糸除去装置を用いてもよい。
又、緯入れミス発生に伴う機台停止後、機台を所定位置
まで低速で逆転駆動させるためサーボモータ等の別のモ
ータを設けてもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、緯入れミス発生
時に不良緯糸を除去する際の経糸開口の状態、織物の種
類に応じた最適な状態において不良緯糸の除去が行なわ
れるため、不良緯糸処理の失敗が少なくなり機台の稼動
効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は不良緯糸処理手順を示すフローチャート、第2
図は織機及び不良緯糸除去装置の一部破断概略平面図、
第3図は不良緯糸処理装置の機台惰性回転中の要部斜視
図、第4図はブロック図、第5図(a)〜(d)は綾織
物の織成時におけるクランク角150度、180度、270度、3
00度に対応する経糸開口状態を示す概略図、第6図
(a),(b)は平織物の織成時におけるクランク角18
0度及び300度の経糸開口状態を示す概略図である。 メインノズル……2、緯入れミス検知装置……6、ブロ
ーノズル……8、吸引パイプ……13、駆動ローラ……1
6、ステップモータ……18、被動ローラ……21、緯糸検
出装置……24、CPU……26、機台駆動用モータ……M、
制御装置……C、緯糸……Y、不良緯糸……Yb。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯入れミス検知装置の緯入れミス発生検知
    信号により機台が停止された後機台を逆転し、開口装置
    の口開き状態で緯入れミスされた不良緯糸を経糸開口内
    から自動的に除去する不良緯糸除去装置を備えた無杼織
    機において、 前記機台停止後の逆転位置を織物種類に応じて予め設定
    し、前記機台の停止後前記設定した逆転位置と一致する
    まで機台を逆転し、経糸の開口状態を織物種類に合った
    最適な状態に設定して不良緯糸の除去を行う無杼織機に
    おける緯糸処理方法。
JP63113887A 1988-05-10 1988-05-10 無杼織機における緯糸処理方法 Expired - Lifetime JP2569721B2 (ja)

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