JP2559195Y2 - 冷凍・保冷用発泡容器 - Google Patents

冷凍・保冷用発泡容器

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JP2559195Y2 JP13084990U JP13084990U JP2559195Y2 JP 2559195 Y2 JP2559195 Y2 JP 2559195Y2 JP 13084990 U JP13084990 U JP 13084990U JP 13084990 U JP13084990 U JP 13084990U JP 2559195 Y2 JP2559195 Y2 JP 2559195Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は冷凍・保冷用発泡容器に関し、詳しくは発泡
容器内に被冷凍物を収納した状態で冷凍させたり、ある
いは予冷した被保冷物を冷却保存するための冷凍・保冷
用発泡容器に関する。
〔従来の技術〕
近年、鮮魚の輸送などには軽量性,断熱性,供給の安
定性などの点から発泡樹脂により成形された発泡容器が
用いられていて、従来の木箱はほとんど用いられなくな
ってきているのが現状である。ところが、塩鯖を代表と
する塩蔵魚の冷凍保存や輸送は木箱が主流であり、発泡
容器はほとんど用いられていない。その理由は、発泡容
器は木箱よりも高価であり、鮮魚よりも低級魚であると
される塩鯖にはコスト的に不向きとされていることもあ
るが、むしろ技術的に塩鯖の冷凍保存やその輸送に適し
た発泡容器が開発されていなかったことにあった。詳し
くは、塩鯖の流通ルートが特殊で且つ複雑であるため、
容器の強度に対する要求が厳しく、また冷凍させるだけ
でなく流通中に再冷凍させる必要などがあったためであ
る。
すなわち、発泡樹脂により成形された発泡容器は断熱
性が高いため、従来、被冷凍物を発泡容器に収納した状
態で冷凍させたり、あるいは再冷凍させることが充分で
きる発泡容器はなかったのである。このため、鮮魚など
にあっては、別途冷凍させた鮮魚を発泡容器に入れ替え
て、解凍させないように保冷していたのである。しか
し、入れ替え作業に伴う人件費などは商品価値の高い鮮
魚などにあっては無視し得るものであるが、商品価値の
低い塩蔵魚などにあってはコストに反映してしまい、入
れ替え作業などを伴う容器は使用できないという問題が
あった。
一方、木箱は気密性に欠けるため、冷凍された塩鯖で
あっても約1か月程で変色が始まるという問題があっ
た。また、木箱は塩鯖から出る液汁を吸い取るという利
点があるが、液汁を吸い込んだ木箱は非衛生であり、再
利用することもできず、全て焼却処分されていた。この
ため、森林破壊がクローズアップされてきた今日、使い
捨ての木箱は社会問題になりつつあり、また木箱の供給
が困難になってきた。
そこで、本考案者らは発泡容器の利点を活かしつつ、
被冷凍物を発泡容器内で冷凍させるとともに容易に再凍
結させることができる発泡容器を得るために鋭意研究を
重ねた結果、先に実願平2−85180号において、扉体に
よって通気口が閉止させられる冷凍用発泡容器を提案し
た。この考案により、上記問題を解決することができ
た。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、この冷凍用発泡容器を作業者が抱えて
運ぶとき、その作業者の腕などが通気口に係止された扉
体に触れて、扉体が通気口の口縁に沿って浮き上がり、
通気口が開いてしまうことがあった。通気口が開いたま
まその発泡容器を運ぼうとすると、その通気口から被冷
凍物が滑り出てしまうことがあり問題であった。
扉体によって閉止させられた通気口が発泡容器の搬送
中に扉体が浮き上がって開いてしまうという問題は冷凍
用発泡容器の他、果菜類などを冷却して低温状態に保持
して市場に出荷するための保冷用発泡容器についても生
じていた。そこで、本考案者らは更に鋭意研究を重ねた
結果、本考案に至ったのである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係る冷凍・保冷用発泡容器の要旨とするとこ
ろは、発泡樹脂製の容器本体の開口部が蓋体又は積み重
ねられた容器本体の底によって密閉させられる発泡容器
であって、前記容器本体の側壁に前記開口部まで繋がっ
て開口させられた通気口と、該通気口を閉止する扉体を
備え、該扉体と接する通気口の口縁又は該通気口と接す
る扉体の端面のいずれか一方に凸部が設けられるととも
に、該他方に必要に応じて凹部が設けられ、前記凸部又
は凹部を構成する部材の弾性力により扉体が通気口に係
止され該通気口を閉止させるようにした発泡容器におい
て、前記容器本体の通気口の口縁近傍部に前記開口部へ
向かう方向と異なる方向に係合凹部を形成するととも
に、前記扉体に前記係合凹部と係合させられる係合凸部
を設けたことにある。
また、かかる冷凍・保冷用発泡容器において、前記通
気口が側壁のほぼ相対向する位置に設けられたことにあ
る。
更に、かかる冷凍・保冷用発泡容器において、必要に
応じて前記容器本体の側壁及び/又は側壁から底に連な
る角部の少なくとも結束紐締付部が補強され、また前記
蓋体の少なくとも結束紐締付部が補強されたことにあ
る。
〔作用〕
かかる本考案の冷凍・保冷用発泡容器は、被冷凍物あ
るいは被保冷物が収納された容器本体が複数積み重ねら
れるとともに最上部の容器本体に蓋体が被せられて、全
体が結束紐により結束された状態、あるいは容器本体ご
とに蓋体が被せられて結束紐により結束された状態など
で用いられる。容器本体の上部開口部が蓋体や積み重ね
られた容器本体の底により密閉された状態でその中の被
冷凍物などを冷凍あるいは予冷させるために、容器本体
に設けられた通気口から扉体が取り除かれ、通気口が開
けられる。この通気口は好ましくは容器本体にほぼ相対
向して設けられていて、その開口させられた通気口から
冷気が円滑に流入し、発泡容器内の被冷凍物が迅速に冷
凍され、あるいは被保冷物が迅速に予冷される。
被冷凍物などが冷凍あるいは予冷された後、通気口に
扉体が取り付けられる。扉体は容器本体の外部から、容
器本体及び扉体の部材の弾性圧縮変形を利用して通気口
に挿入され、通気口の口縁又は扉体のいずれか一方又は
双方に形成された凹部又は凸部により、扉体は通気口に
緊密に係止されて、通気口は完全に閉止される。
この扉体により、その後の保管や流通の過程で発泡容
器内に常温の大気が自由に出入するのが阻止されて、保
冷効果が高められる。また、この扉体により発泡容器の
気密性が高められるため、容器に収納されている被冷凍
物などが酸化させられて、変色させられるまでの期間を
大幅に延ばすことができる。更に、かかる冷凍・保冷用
発泡容器に収納された被冷凍物が流通段階で解凍させら
れてしまい再冷凍させる必要が生じた場合や、被保冷物
を再度予冷する必要が生じた場合は、容器本体に設けら
れた通気口から扉体が取り外され、結束された状態のま
までその冷凍・保冷用発泡容器が冷凍庫に入れられる。
発泡容器の内部へは開口させられた通気口から冷気が流
入され、その冷気により被冷凍物は再凍結され、あるい
は被保冷物は予冷される。
かかる冷凍・保冷用発泡容器が市場などに搬入されて
蓋体が取り外され、陳列された後、容器本体がそのまま
搬出されることがある。その際、容器本体の通気口に係
止された扉体に作業者の腕が触れたり、あるいは容器本
体が振動したり複雑に変形して、通気口に係止された扉
体を浮き上がらせる方向に力が作用することがある。し
かし、この力に対しては扉体は、容器本体の通気口の口
縁近傍部に上部開口部へ向かう方向と異なる方向に形成
された係合凹部と、扉体に形成された容器本体の係合凹
部と係合させられる係合凸部とが係合させられているた
め、通気口の口縁に沿って上記開口部の方向へ摺動させ
られることはなく、通気口が開口してしまうことはな
い。したがって、不用意に開いた通気口から中の被冷凍
物や被保冷物が滑り落ちる事態がなくなる。更に、扉体
が係合部により通気口に緊密に係止されて側壁と一体的
になることによって、通気口を設けることにより低下し
た側壁の強度を高めることができる。
また、かかる冷凍・保冷用発泡容器の容器本体の側面
が補強されることにより、乱雑な取扱いや長距離輸送に
伴う振動などに対して容器本体が折れたり割れたりする
ことはない。また、容器本体の角部や蓋体における結束
紐締付部が補強されることにより、結束紐によって結束
された複数の発泡容器がその結束紐が保持されて運ばれ
るとき、結束紐が容器本体や蓋体に食い込むことはな
く、結束が緩むことはない。
〔実施例〕
次に、本考案に係る冷凍・保冷用発泡容器の実施例を
図面に基づいて詳しく説明する。
第1図及び第2図において、符号10は本考案に係る冷
凍・保冷用発泡容器12の容器本体であり、また符号14は
この容器本体10に被せられる蓋体である。この容器本体
10及び蓋体14は発泡ポリスチレン系樹脂、発泡ポリエチ
レンや発泡ポリプロピレンなどの発泡ポリオレフィン系
樹脂、スチレンとエチレンやプロピレンとの共重合体を
発泡させた発泡体、発泡ポリウレタンなどで成形される
が、発泡ポリスチレン系樹脂がコストなどの点から最も
好ましい。また、この容器本体10及び蓋体14はこれら発
泡合成樹脂の単体から形成されていても良いが、発泡容
器の内面あるいは内部にアルミニウム蒸着フィルムなど
を積層しあるいは挿入して断熱性や気密性を向上させた
もの、あるいは段ボール箱の内面あるいは内部に発泡合
成樹脂体を積層しあるいは挿入したものなども、種々採
用される。
冷凍・保冷用発泡容器12は第2図に示すように複数の
容器本体10と蓋体14から構成されたり、あるいは1つの
容器本体10と蓋体14から構成され、容器本体10の開口部
が蓋体14あるいは積み重ねられた容器本体10の底16によ
って密閉されるようにされている。この容器本体10はた
とえば鯖などの魚を数匹並べて収納し得る大きさに成形
されていて、また、その底16の内部形状は同図に示すよ
うに段部18が形成され、並べられた魚の形が崩れないよ
うに成形されている。
容器本体10の側壁20の短辺側にはほぼ相対向する位置
に通気口22が設けられている。通気口22は側壁20の上方
に開放させられて大きく形成され、冷気が容器本体10の
内部に円滑に流入して被冷凍物が迅速に冷凍させられる
ように形成されている。この通気口22の下部口縁には係
止段部24が設けられ、またその係止段部24の両端部に連
なる上下方向の口縁には溝状の凹部26が設けられてい
る。一方、通気口22には第1図及び第3図に示すような
扉体28が挿入されて、閉止させられるように構成されて
いる。扉体28の下部には通気口22の係止段部24に係止さ
せられる係止突部30と、前記溝状の凹部26に部材の弾性
力によって係止させられる線条の凸部32が設けられてい
る。
この通気口22の係止段部24と扉体28の係止突部30とが
第4図に拡大して示すように相互に係止させられるとと
もに、口縁の凹部26と扉体28の凸部32とが弾性圧縮変形
させられて、その発泡部材の弾性力によって緊密に係止
させられることにより、扉体28の表面に容器本体10の内
方から作用した一定の直角方向の外力に対して、扉体28
が通気口22から脱落しないようにされている。
また、容器本体10の外方から扉体28の表面に作用させ
られる外力に対しては、通気口22の口縁部両側部に設け
られた凹陥部34と扉体28に設けられた当接プレート部36
とが当接させられ、扉体28が容器本体10内に入り込まな
いようにされている。なお、この扉体28の当接プレート
部36、係止突部30及び凸部32により、冷凍・保冷用発泡
容器12の保冷性、気密性が高められている。
更に、扉体28の当接プレート部36の下部側方には係合
プレート(係合凸部)38が幅方向に突出した状態で一体
的に設けられていて、その係合プレート部38に対応する
容器本体10の凹陥部34には係合凹陥部(係合凹部)40が
開口部へ向かう方向と異なる方向に形成されている。し
たがって、容器本体10の通気口22に挿入されて係止させ
られた扉体28は、その係合プレート部38が係合凹陥部40
と係合させられるため、通気口22の口縁に沿って上方に
摺動させられることはなく、通気口22が開くことはな
い。
扉体28は容器本体10が積み重ねられたり、あるいは蓋
体14が被せられた状態でも通気口22に着脱し得るように
構成されている。すなわち第4図に示すように、扉体28
の係止突部30を通気口22の係止段部24に係止させて、そ
の係止部を中心に扉体28を回動させることによって扉体
28は通気口22に着脱される。扉体28を通気口22から取り
除くとき、扉体28と通気口22との接触面に入り込んだ水
が凍っている場合においても、扉体28をその面と直角方
向に引っ張ることによって氷の影響を受けずに通気口22
から取り除くことができる。また、通気口22に係止され
た扉体28の上部は積み重ねられた容器本体10の底16、あ
るいは被せられた蓋体14の底部と当接させられ、通気口
22を密閉し得るように構成されている。なお、扉体28の
上部と当接させられる容器本体10の底16あるいは蓋体14
の底部には線条の突部42が設けられ、一方の扉体28の上
部には溝状の凹部44が設けられていて、冷凍・保冷用発
泡容器12の保冷性、気密性が高められている。
以上の構成に係る冷凍・保冷用発泡容器12において、
容器本体10内にたとえば塩鯖をはじめとする塩蔵魚や鮮
魚などの被冷凍物が入れられて二段積みされ、その上に
蓋体14が被せられて、更に結束紐によって結束される。
結束された冷凍・保冷用発泡容器12の通気口22から扉体
28が取り除かれ、対向して設けられた通気口22が開けら
れる。かかる状態で冷凍・保冷用発泡容器12は冷凍庫に
入れられ、通気口22から冷気が円滑に容器本体10内に導
入されて、収納された被冷凍物は迅速に凍結させられ
る。被冷凍物が凍結させられた後、冷凍・保冷用発泡容
器12が冷凍庫から搬出される時などにその通気口22に扉
体28が係止されて、通気口22が密閉される。容器本体10
の上部開口部は積み重ねられた容器本体10の底16や被せ
られた蓋体14によって密閉されており、通気口22は扉体
28によって保冷性、気密性が保たれ、中の被冷凍物はい
わゆる冷凍焼けなどから防止されるとともに、外気温の
変動に対してほとんど影響されず、ほぼ一定温度で保冷
される。
市場などに搬入された冷凍・保冷用発泡容器12は結束
紐が解かれ、蓋体14が取られて容器本体10毎に展示など
された後、搬送される。その際、作業者の腕などが扉体
28に触れたり、あるいは容器本体10が振動したり複雑に
変形挙動して、扉体28には通気口22から押し上げられる
ような力が作用させられることがある。このような場合
においても、扉体28の係合プレート部38が容器本体10の
側壁20に設けられた係合凹陥部40と係合させられている
ため、扉体28は通気口22から浮き上がることはない。ま
た、扉体28は係止突部30と線条の凸部32によって通気口
22の係止段部24と溝状の凹部26に係止させられていて、
更に当接プレート部36と凹陥部34が当接させられている
ため、相当大きな外力が作用しない限り扉体28が通気口
22から外れることはほとんどない。したがって、容器本
体10を搬送しているときに通気口22が開き、その通気口
22から中の被冷凍物が滑り落ちるという事態が防止され
る。更に、扉体28が通気口22に緊密に係止されることに
よって、扉体28が側壁20と一体となり、通気口22を設け
ることによって生ずる側壁20の強度の低下が最小限に抑
制できる。
以上、本考案に係る冷凍・保冷用発泡容器の一実施例
を詳述したが、本考案はその他の形態でも実施すること
が可能である。
たとえば第5図において、符号46は保冷容器の容器本
体であり、保冷容器は果菜類などを市場に出荷するとき
にその果菜類などの鮮度を保持するため、果菜類などを
冷却してその低温状態を保持させる容器である。保冷容
器に収納された果菜類などの被保冷物を冷却させる方法
には被保冷物を冷気に直接接触させたり、容器内外に圧
差を生じさせることによって強制的に吸引した冷気と接
触させたり、あるいは減圧下に晒して被保冷物の表面か
ら水分を蒸発させて潜熱を奪うなどの方法がある。これ
らの冷却方法を被保冷物に施すため保冷容器には通気口
が設けられていて、その通気口を介して被保冷物を冷却
した後、気密性及び保冷性を保持するために通気口に扉
体が係止される。このような保冷容器においても、前述
の実施例に示した構造の通気口22と扉体28を設けても良
いが、ここでは他の実施例を示す。
保冷容器の容器本体46の側壁48には同第5図及び第6
図(a)に示すように、上部が開放させられた通気口50
が設けられ、その通気口50には扉体52が係止させられ
る。通気口50の鉛直方向の口縁は外部開口端から内部方
向に拡径させられた凹部54を成すとともに、内部開口端
は縮径させられた当接部56を成し、扉体52が当接させら
れるように構成されている。また、この鉛直方向の口縁
の下部には凹部54から外部に開いた係合凹陥部(係合凹
部)58が形成されていて、更に通気口50の水平方向の口
縁には溝状の凹部60が形成されている。
一方、扉体52は通気口50に係止させられる形状を成
し、扉体52の両側面は通気口50の凹部54に嵌合させら
れ、その先端部が当接部56に当接されるように凸部62を
成し、また扉体52の底面には通気口50の溝状の凹部60に
係止させられる線条の凸部64が形成されている。更に、
扉体52の両側面の下部には通気口50の係合凹陥部58に係
合させられる係合凸部66が突出させられている。
かかる構成の冷凍・保冷用発泡容器において、扉体52
は両側面の凸部62と通気口50の凹部54における外部縮径
部が当接させられ、双方の部材が弾性圧縮変形させられ
て、第6図(b)及び第7図に示すように扉体52が通気
口50に挿入される。通気口50に挿入された扉体52はその
凸部62と通気口50の凹部54が緊密に係止されるととも
に、凸部62が当接部56に当接され、更に凸部64と凹部60
が係止されて、扉体52はその表面に直角方向の外力に対
して通気口50に緊密に保持されている。また、扉体52の
係合凸部66と通気口50の係合凹陥部58とが係合させられ
るため、扉体52は通気口50の凹部54に沿って浮き上がる
ことはない。
なお、本実施例に示す通気口50に設けられる係合凹陥
部58はたとえば第8図に示すように、容器本体46を成形
するキャビティを構成する雄型67と雌型68を用い、更に
係合凹陥部58を形成するフリー金型70を雄型67又は雌型
68のいずれか一方の所定位置に付着させて、常法によっ
て成形される。次に第9図に示すように、成形型から取
り出した容器本体46にはフリー金型70が付着させられて
おり、そのフリー金型70が取り除かれて、通気口50の所
定位置に係合凹陥部58が形成される。その他、フリー金
型70の形状はたとえば扉体52と同一の形状によって構成
することも可能である。
次に第10図に示すように、容器本体72の側壁74に設け
られた通気口76は、鉛直方向の口縁のうち一方の側壁74
内側に係止段部78と係合凹陥部(係合凹部)80を設ける
とともに、他方の側壁74外側に係止段部82と係合凹陥部
84を設けて構成される。これに対して、通気口76に係止
させられる扉体86の一方の側面は係止段部78に係止させ
られる段部79と、係合凹陥部80に係合させられる係合凸
部81とを備え、他方の側面には係止段部82に係止させら
れる段部83と、係合凹陥部(係合凹部)84に係合させら
れる係合凸部85とを備えて構成されている。また、通気
口76の係止段部82には凹部88が設けられており、一方、
扉体86の段部83には凹部88と係合させられる凸部90が設
けられている。
このような構成に係る通気口76には第11図に示すよう
に、扉体86の一方の側面を通気口76の内側にあてがっ
て、他方の側面を回動させることによって、扉体86が通
気口76に係止され、凹部88と凸部90が係合させられて緊
密に係止される。本実施例において、扉体86は係合凸部
81,85と係合凹陥部80,84とが係合させられているため、
通気口76から浮き上がることはない。
また、第12図に示すように、容器本体92の通気口94の
下部に係合フック96を設けるとともに、通気口94に係止
される扉体98に係合フック96と係合させられる係合フッ
ク100を設け、両係合フック96,100を係合させることに
よって、扉体98が通気口94から浮き上がらないように構
成することも可能である。ここで、両係合フック96,100
がそれぞれ係合凹部と係合凸部を構成することになる。
かかる実施例において、扉体98の両側面には凹部あるい
は凸部が設けられていて、扉体98が面と直角方向に容易
に回動しないようにされている。
以上、本考案の実施例を図面に基づいて詳述したが、
本考案は上述の図面に限定されるものではない。
たとえば容器本体は発泡倍率の異なる2種類の発泡ビ
ーズが用いられて成形され、容器本体の側壁から底面に
連なる角部、特に結束紐が掛けられる角部は発泡倍率の
低い発泡ビーズによって成形されて、硬度が高められる
のが好ましい。また、容器本体の他の箇所は発泡倍率の
高い発泡ビーズによって成形されていて、製造コストが
下げられても良い。更に、容器本体の側壁のみを低発泡
倍率の発泡ビーズにより成形して、冷凍・保冷用発泡容
器の強度を高めても良い。
また、発泡倍率を変えるだけでなく、発泡樹脂の種類
を替えて、たとえば容器本体の側壁をポリスチレンとポ
リエチレンの共重合樹脂の発泡体により、容器本体の底
をその他のポリスチレンなどの発泡体によって、公知の
部分二層成形法を用いて一体的に成形しても良い。
このようにすれば、柔軟性が高くて割れ難い反面、変
形し易い性質を有するポリスチレンとポリエチレンの共
重合樹脂の発泡体と、硬くて変形し難い反面、割れ易い
性質を有するポリスチレン発泡体の特性を備えた高強度
の冷凍・保冷用発泡容器を得ることができる。なお、発
泡樹脂の組合せや混合割合は冷凍・保冷用発泡容器の用
途やコストなどを加味して適宜設定し得るものであっ
て、上記の実施例に限定されるものではない。
更に、容器本体の側壁にたとえばビニルテープなどを
巻き付けて補強しても良い。このように容器本体を補強
することによって、搬送中、被冷凍物の自重や外部から
の衝撃力などによって容器本体が割れたり、あるいは荷
崩れの発生などから防止できる。
また、扉体と通気口とを係合する係合部が少なくとも
設けられていれば良く、たとえば第1図や第5図に示す
係合プレート部38、係合凸部66及び係合凹陥部40、58は
1箇所だけであっても良い。更に、これら係合プレート
部38、係合凸部66や係合凹陥部40、58の形状は図示に限
定されるものではないのは当然である。
その他、本考案に係る冷凍・保冷用発泡容器の使用方
法は任意であり、たとえば被冷凍物からでる液汁などに
対して、吸水シートなどを適宜、容器本体の底に敷設す
るなど、使用方法に応じた設定が可能である。また、容
器本体の底に通気穴あるいはドレン穴を設けることも可
能である。更に、その他の公知の形態を施すことも適
宜、可能である。
以上、本考案の実施例を種々説明したが、本考案に係
る冷凍・保冷用発泡容器は上記の実施例を適宜、組み合
わせて構成することも可能であり、また、たとえば容器
本体を構成する発泡樹脂材料と、扉体や蓋体などを構成
する発泡樹脂材料を異ならしめても良く、更に扉体は発
泡樹脂以外の材料によって構成することも可能である。
その他、側壁に形成される通気口は側壁の中央部に設け
たり、あるいは長辺側の側壁に設けても良いなど、本考
案はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基
づき種々なる改良、修正、変更を加えた形態で実施し得
るものである。
〔考案の効果〕
本考案に係る冷凍・保冷用発泡容器の容器本体には扉
体によって閉止される通気口が形成されており、容器本
体が積み重ねられたり、あるいは蓋体によって容器本体
の上部開口部が密閉されていても、扉体が取り除かれた
通気口を介して冷気が流入させられて容器内の被冷凍物
が冷凍させられあるいは被保冷物が予冷させられる。そ
の後、通気口に扉体を係止させて容器本体を密閉するこ
とによって、冷凍あるいは予冷させられた発泡容器内を
気密に保つことができ、被冷凍物や被保冷物の酸化や被
冷凍物などからの水分の昇華(蒸散)を防ぎ、変色など
を防止することができる。更に、扉体によって通気口を
閉止することによって、発泡容器の保冷性を高めること
ができ、被冷凍物などの品質維持が一層容易となる。
また、本考案に係る冷凍・保冷用発泡容器は蓋体を取
り除いて容器本体のみで搬送しても、通気口に係止され
た扉体は、容器本体と扉体のそれぞれに形成された係合
凹部と係合凸部とが係合させられていて、通気口の口縁
に沿って摺動しないようにされているため、扉体が浮き
上がって脱落するようなことはない。したがって、開い
た通気口から被冷凍物や被保冷物が滑り落ちるという事
故も生じない。しかも、係合凹部と係合凸部とから成る
係合部によって扉体と係合させられた側壁とが緊密に一
体化させられることにより、通気口が設けられることに
よって生じた側壁の強度の低下が最小限に抑えられ、従
来に増して強度の高い冷凍・保冷用発泡容器を提供する
ことができる。
このように、従来においては断熱性の高い発泡容器、
特に蓋体によって密閉された発泡容器に被冷凍物などを
収納して、その被冷凍物を冷凍させることはできないと
されてきたが、本考案に係る冷凍・保冷用発泡容器によ
れば、被冷凍物を冷凍させることができるとともに、扉
体によって相対向して設けられた通気口を閉止すること
により、本来の保冷性を確保することができ、しかも気
密性も維持でき、被冷凍物の品質維持が一層容易とな
る。更に、通気口から扉体を取り除くことによって、冷
凍・保冷用発泡容器を蓋体などとともに結束したままで
も再冷凍させることができ、従来にない効果を奏するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る冷凍・保冷用発泡容器の容器本体
と扉体を示す要部破砕斜視図であり、第2図は第1図に
示す冷凍・保冷用発泡容器の正面断面説明図である。第
3図は第1図に示す扉体の斜視図であり、第4図は第1
図に示す容器本体に設けられた通気口に扉体を係止させ
る方法を説明するための要部断面説明図である。 第5図は本考案に係る冷凍・保冷用発泡容器の他の実施
例である容器本体と扉体を示す要部破砕斜視図であり、
第6図(a)及び同図(b)はいずれも第5図に示す容
器本体の通気口に扉体を係止させる方法を説明するため
の説明図である。第7図は第6図(b)に示す扉体が係
止された通気口を示す要部断面図である。第8図及び第
9図はいずれも第5図に示す容器本体に係合凹陥部を備
えた通気口を形成するための成形方法の一例を説明する
ための要部断面説明図である。 第10図は本考案に係る冷凍・保冷用発泡容器の更に他の
実施例である容器本体と扉体を示す要部破砕斜視図であ
り、第11図は第10図に示す通気口に扉体を係止させる方
法を説明するための要部平面説明図である。第12図は本
考案に係る冷凍・保冷用発泡容器の更に他の実施例であ
る容器本体の通気口に扉体を係止させる方法を説明する
ための要部断面説明図である。 10,46,72,92;容器本体 12;冷凍・保冷用発泡容器 14;蓋体 20,48,74;側壁 22,50,76,94;通気口 26,54,88;凹部 28,52,86,98;扉体 32,62,90;凸部 38;係合プレート部 40,58,80,84;係合凹陥部 66,81,85;係合凸部 96,100;係合フック

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡樹脂製の容器本体の開口部が蓋体又は
    積み重ねられた容器本体の底によって密閉させられる発
    泡容器であって、前記容器本体の側壁に前記開口部まで
    繋がって開口させられた通気口と、該通気口を閉止する
    扉体を備え、該扉体と接する通気口の口縁又は該通気口
    と接する扉体の端面のいずれか一方に凸部が設けられる
    とともに、該他方に必要に応じて凹部が設けられ、前記
    凸部又は凹部を構成する部材の弾性力により扉体が通気
    口に係止され該通気口を閉止させるようにした発泡容器
    において、前記容器本体の通気口の口縁近傍部に前記開
    口部へ向かう方向と異なる方向に係合凹部を形成すると
    ともに、前記扉体に前記係合凹部と係合させられる係合
    凸部を設けたことを特徴とする冷凍・保冷用発泡容器。
  2. 【請求項2】前記通気口が側壁のほぼ相対向する位置に
    設けられたことを特徴とする請求項第1項に記載する冷
    凍・保冷用発泡容器。
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