JPH0340777Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は容器本体に果物、野菜、魚、ハムなど
の被保冷物を収容したのち上蓋を被せ、冷蔵施設
内に段積などして冷気を内部に流通させ、出荷時
には、容器本体内に挿入可能に形成した保冷材収
納容器にドライアイス、袋結め氷等の保冷材を収
容し、この部材を容器本体に挿入して密閉状態と
し、移送時においても、被保冷物を充分な保冷状
態に保持することができるようにした包装容器に
関するものである。

野菜や果物などの生鮮食品は、生産地と消費地
が離れているために輸送にも長時間を要し、ま
た、生産時期が集中する場合には、集荷時に一時
貯蔵して出荷を調整する必要がある。しかしなが
ら、野菜などの生鮮品は呼吸しており、その発散
する呼吸熱で貯蔵室内の温度が上昇し、食味も減
退するばかりでなく、甚だしい場合には腐敗、変
質が起きる。これらを防止するためには、野菜な
どの呼吸作用を抑えるために、貯蔵室内の温度を
低くすることが必要である。このために、冷蔵室
についての発明、考案が種々なされている。

たとえば発泡ポリスチロール樹脂製箱型本体に
被保冷物を収容し、ドライアイス、氷等を入れた
発泡ポリスチロール製箱型本体と発泡ポリスチロ
ール製蓋体とからなる保冷容器は、実開昭57−
172752号、実開昭58−52144号公報にそれぞれ開
示されている。

このような保冷容器は、冷蔵施設内で収容物を
保冷状態にするために、中蓋体と上蓋体を取り外
した状態で箱型本体内へ冷気を流通させるように
している。

（考案が解決しようとする問題点） このような断熱性を有する箱型本体と蓋体とに
よつて保冷容器を形成し、箱型本体内に被保冷物
を収容し、蓋体を被せ閉鎖して冷蔵施設内に段積
すると冷気は箱型本体内に流通しない。したがつ
て、前記箱型本体と中蓋体と上蓋体よりなる保冷
容器の場合においては、冷蔵施設内では段積して
保管することができない等の問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、容器本体内に被保冷物を収容し上蓋
を被せて冷蔵施設内において段積することがで
き、出荷時には容器本体に出し入れ可能に形成し
た保冷材収納容器に、ドライアイス、袋結め氷等
の保冷材を収容し、かかる部材を挿入させて密閉
状態とし、直ちに移送することができるようにし
た保冷用の容器である。

すなわち本考案は、保冷材収納容器付き輸送箱
において、該輸送箱は少なくとも容器本体２、上
蓋３および保冷材収納容器４の３つより分離可能
に構成され、該容器本体２はその一側面に保冷材
収納容器挿入用切り欠き部５を有し、該上蓋３は
裏面に保冷材収納容器係止鉤９ａ，９ｂを設け、
該保冷材収納容器４は係止突縁部１３、保冷材収
納部１４および冷気貫通孔１５を有していること
を特徴とする保冷材収納容器付き輸送箱、であ
る。

以下本考案の輸送箱の詳細を実施例について説
明する。

実施例の輸送箱は、完全組み立て時には第１図
に示すような形状であるが、これを分解すると３
つの部分からなつている。すなわち、第２図に示
す容器本体２、第３，４図に示す上蓋３および第
５図に示す保冷材収納容器４とからなつている。
上蓋３は嵌合構造により容器本体２と着脱可能で
あり、保冷材収納容器４は上蓋３とともに着脱す
ることも可能であり、また上蓋３を容器本体２に
着けたまま側方から押し込みまたは引き出すこと
もできる。

これをさらに詳細に設明すると、第２図の容器
本体２は容器本体２の一側面に保冷材収納容器挿
入用切り欠き部５と、その反対側の上縁部の約半
周に嵌合用突縁部６を有し、上蓋の溝７と嵌合
し、また保冷材収納容器４を挿入することができ
るようになつている。また第３図、第４図の上蓋
３にはその裏面に嵌合用溝７を設けて容器本体と
着脱可能にしている。また上蓋の上面には型内成
型法により係止鉤９ａ，９ｂを得るために、窓８
ａ，８ｂが形成されるが、この窓８ａ，８ｂは後
加工で発泡体片で目隠ししてもよい。上蓋３の裏
面には保冷材収納容器係止鉤９ａ，９ｂを設け保
冷材収納容器の係止突縁部１３を係止する。また
保冷材収納容器を挿入する側には保冷材収納容器
支持突部１０ａ，１０ｂを設け、保冷材収納容器
の係止突部１２ａ，１２ｂを支持し、保冷材収納
容器係止鉤９ａ，９ｂとあいまつて保冷材収納容
器４を挿入、引き出し可能に支えている。第５図
の保冷材収納容器４は、完成容器の側面の一部を
構成する容器側面１１と係止突部１２ａ，１２
ｂ、係止突縁部１３、保冷材収納部１４ならびに
冷気貫通孔１５および１６を有している。これに
保冷材、たとえば蓄冷材や氷を入れて上蓋に係止
して容器本体上に嵌合するときは、冷気はこの貫
通孔を通つて下の野菜や果物に達しこれを冷却す
る。野菜や果物を冷蔵する場合には、容器本体内
にこれらの収穫した野菜や果物を入れ、上蓋３を
したままで、保冷材収納容器だけを引き出して除
き、これを適宜段数積み上げ、これを冷蔵室に入
れて所定の温度で冷蔵する（第６図）。この場合、
容器側面には大きな開口部１７があり、冷蔵室内
の冷気は十分容器内に達し、野菜や果物を効率良
く冷却することができる。このようにして予備冷
却した野菜や果物を、冷蔵室から出して輸送した
り、別の場所で保存したりする必要がある場合に
は、保冷材収納部１４に蓄冷材や氷を入れて、こ
れを側面から挿入して上蓋と容器本体の中に係止
（第１図）しておけば、容器内の品物を長時間低
温に保存することができる。

保冷材としては、蓄冷材や袋結めの氷のような
ものが使用される。また内容物が肉、魚等冷凍食
品のばあいには、保冷材として蓄冷材、ドライア
イス等を使用することによつて、冷凍したままで
輸送することもできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の輸送箱の一実施例を示すもので
あつて、第１図は完全組み立て時の見取り図、第
２図は容器本体の斜め上方からの見取り図、第３
図は上蓋の斜め上方からの見取り図、第４図は上
蓋の斜め下方からの見取り図、第５図は保冷材収
納容器の斜め上方からの見取り図、および第６図
は容器本体と上蓋を嵌合した状態を示す見取り図
である。 １……組み立てた容器全体、２……容器本体、
３……上蓋、４……保冷材収納容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 保冷材収納容器付き輸送箱において、該輸送箱
   は少なくとも容器本体、上蓋および保冷材収納容
   器の３つより分離可能に構成され、該容器本体は
   その一側面に保冷材収納容器挿入用切り欠き部を
   有し、該上蓋は裏面に保冷材収納容器係止鉤を設
   け、該保冷材収納容器は係止突縁部、保冷材収納
   部および冷気貫通孔を有していることを特徴とす
   る保冷材収納容器付き輸送箱。