JP2590962Y2 - 冷凍用発泡容器 - Google Patents

冷凍用発泡容器

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JP2590962Y2 JP1990093368U JP9336890U JP2590962Y2 JP 2590962 Y2 JP2590962 Y2 JP 2590962Y2 JP 1990093368 U JP1990093368 U JP 1990093368U JP 9336890 U JP9336890 U JP 9336890U JP 2590962 Y2 JP2590962 Y2 JP 2590962Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は冷凍用発泡容器に関し、詳しくは被冷凍物を
容器内に収納した状態で冷凍させ、保存するための冷凍
用発泡容器に関する。
〔従来の技術と解決すべき課題〕
近年、鮮魚の輸送などには軽量性,断熱性,供給の安
定性などの点から発泡樹脂により成形された発泡容器が
用いられていて、従来の木箱はほとんど用いられなくな
ってきているのが現状である。ところが、塩鯖を代表と
する塩蔵魚の冷凍保存や輸送は木箱が主流であり、発泡
容器はほとんど用いられていない。その理由は、発泡容
器は木箱よりも高価であり、鮮魚よりも低級魚であると
される塩鯖にはコスト的に不向きとされていたこともあ
るが、むしろ技術的に塩鯖の冷凍保存やその輸送に適し
た発泡容器が開発されていなかったことにあった。詳し
くは、塩鯖の流通ルートが特殊で且つ複雑であるため、
容器の強度に対する要求が厳しく、また冷凍させるだけ
でなく流通中に再冷凍させる必要などがあったためであ
る。
すなわち、発泡樹脂により成形された発泡容器は断熱
性が高いため、従来、被冷凍物を発泡容器に収納した状
態で冷凍させたり、あるいは再冷凍させることが充分で
きる発泡容器はなかったのである。このため、鮮魚など
にあっては、別途冷凍させた鮮魚を発泡容器に入れ替え
て、解凍させないように保冷していたのである。
ここで、容器に収納した状態で被冷凍物を冷凍させる
一例として、木箱による塩鯖の冷凍保存の方法について
説明すると、先ず生鯖から内臓が取り出された後、塩が
振られ、たとえば10数匹ごと木箱に収納され、可撓性プ
レートにより閉蓋された上から紐によって結束され、そ
の状態で冷凍されて保存又は出荷されているのである。
すなわち、木箱が塩鯖の冷凍保存に今なお使用されてい
るのは、木箱に収納した状態で塩鯖の急速冷凍加工処理
が可能であり、しかも木箱の強度が高いため、乱雑な取
扱いや長距離輸送などにも耐え、また木箱を結束する結
束紐が緩まないなどの利点を有しているからである。こ
れに対して、発泡容器は断熱性が高いため、密閉された
発泡容器内に塩鯖を入れて急速冷凍加工処理を行うこと
ができず、しかも発泡容器は弾力性に富み、力の集中に
対して割れ易いという性質があるため、乱雑な取扱いに
よって割れたり、結束紐が容器に食い込んでしまうなど
の問題点があった。市場への出荷後、市場や仲買商にお
いて保冷庫外で保管しているときに冷凍鯖が解凍してし
まった場合、木箱は凍結室へ再入庫させて再凍結操作が
可能であるが、発泡容器の場合は断熱性が高いため再凍
結ができないという問題があった。
一方、木箱は塩鯖から出る液汁を吸い取るという利点
がある反面、液汁を吸い込んだ木箱を再利用することが
できず、全て焼却処分されていた。このため、森林破壊
がクローズアップされてきた今日、使い捨ての木箱は社
会問題になりつつあり、また木箱の供給が困難になって
きた。
そこで、本考案者らは発泡容器の利点を活かしつつ、
その問題点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本考
案に至った。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係る冷凍用発泡容器の要旨とするところは、
側壁と底から構成される発泡樹脂製の容器であって、該
側壁の開口端部の近傍部に該開口部の一部を覆い且つ該
開口部を覆う可撓性プレートの端部を係合し得る少なく
とも一対の梁部材が設けられるとともに、該梁部材と対
応する部位の底又は側壁に梁部材成形用の成形孔が形成
されていないことにある。
また、本考案に係る冷凍用発泡容器の他の要旨とする
ところは、側壁と底から構成される発泡樹脂製の容器で
あって、該側壁の開口端部の近傍部に該開口部の一部を
覆い且つ該開口部を覆う可撓性プレートの端部を係合し
得る少なくとも一対の梁部材が設けられるとともに、該
側壁の開口端部に少なくとも1以上の流通口が形成され
ていることにある。すなわち、少なくとも一対の梁部材
が開口端部の上面に突出させて形成されている場合に
は、その一対以上の梁部材によって、1以上の流通口が
形成される。また、梁部材が開口端部と面一又は上面よ
り下に形成されている場合には、側壁の上部に設けられ
た切欠きによって、1以上の流通口が形成される。1以
上の流通口はいずれの場合をも含むものである。
更に、本考案に係る冷凍用発泡容器の他の要旨とする
ところは、側壁と底から構成される発泡樹脂製の容器で
あって、該側壁の開口端部の近傍部に該開口部の一部を
覆い且つ該開口部を覆う可撓性プレートの端部を係合し
得る少なくとも一対の梁部材が設けられるとともに、積
み重ねられた下の容器の少なくとも1以上の流通口とな
る切欠きが該底の外面に形成されていることにある。こ
の流通口となる切欠きは突起を形成することによっても
構成することができ、突起を含むものである。
次に、かかる冷凍用発泡容器において、前記冷凍用発
泡容器の底に複数の通気口を設けたことにある。
また、かかる冷凍用発泡容器において、前記冷凍用発
泡容器の底内面に、魚の頭部を持ち上げる傾斜段部が形
成されていることにある。
更に、かかる冷凍用発泡容器において、該発泡容器の
側壁又は側壁から底に連なる角部の少なくとも結束紐締
付部のいずれか一方又は双方が補強されたことにある。
〔作用〕
かかる本考案の冷凍用発泡容器によれば、先ず塩蔵魚
などの被冷凍物が収納された複数の発泡容器は積み上げ
られ、冷凍庫で冷凍させられる。そのとき、発泡容器は
その側壁の開口端部上面に突出して設けられた梁部材、
すなわち側壁の開口端部に形成された少なくとも1以上
の流通口(切欠き)によって、上の発泡容器の底と下の
発泡容器の側面開口端部との間に空所が形成される。こ
の空所から冷凍庫の冷気が発泡容器内に入り、被冷凍物
が冷凍させられる。あるいは、少なくとも一対の梁部材
が側壁の上面と面一又は上面より下に設けられ、且つ流
通口(切欠き)が設けられていない場合には、発泡容器
は交互に直交する方向に積み上げられ、発泡容器の開口
部がその上の発泡容器の底によって塞がれないようにさ
れ、冷気が発泡容器の内部に流入させられて、被冷凍物
が冷凍させられる。
また、発泡容器の側壁開口端部に設けられた梁部材は
開口部の一部を覆うように形成されているため、その開
口部の一部を覆う梁部材に可撓性プレートの端部を係合
させることができる。したがって、可撓性プレートを梁
部材に係合させて発泡容器に取付け、発泡容器の開口部
における断熱をし、あるいは容器内を保護することがで
きる。すなわち、梁部材と対応する部位にある底あるい
は側壁に、その梁部材を成形するための成形孔が形成さ
れていないため、断熱性を維持することが可能となる。
しかも、梁部材を成形するための大きな成形孔がないた
め、容器としての強度を維持することも可能となる。
更に、このような発泡容器の底に通気口あるいは溝と
通気口とを組み合わせて設けることにより、発泡容器内
に底側から冷気を流入させることができ、収納された被
冷凍物を迅速に且つ均一に冷凍させることができる。な
お、発泡容器の底に設けられた通気口や溝は被冷凍物か
ら出た液汁やその他結露させられた水分などのドレンを
適宜集めて排出することができるドレン排出口としても
機能させられることになる。したがって、発泡容器内で
たとえば自然解凍させられた被冷凍物がドレンに浸漬さ
れることはなく、被冷凍物の品質保持がより可能とな
る。
また、かかる冷凍用発泡容器において、その底内面に
魚の頭部を持ち上げる傾斜段部が形成されることによ
り、魚の形状を自然な形に維持することができる。
更に、かかる冷凍用発泡容器において、発泡容器の側
面が補強されることにより、乱雑な取扱いや長距離輸送
時の振動などによって発泡容器が割れたり、折れたりす
ることが大幅に減少させられる。また、発泡容器の側面
から底に連なる角部における結束紐締付部が補強される
ことにより、結束紐によって結束された複数の発泡容器
がその結束紐が保持されて運ばれるとき、結束紐が発泡
容器の内部に食い込むことはなく、したがって結束紐が
緩むことはない。
〔実施例〕
次に、本考案に係る冷凍用発泡容器の実施例を図面に
基づいて詳しく説明する。
第1図及び第2図において、符号10は本考案に係る冷
凍用発泡容器であり、この発泡容器10は発泡ポリスチレ
ン系樹脂、発泡ポリエチレンや発泡ポリプロピレンなど
の発泡ポリオレフィン系樹脂、スチレンとエチレンやプ
ロピレンとの共重合体を発泡させた発泡体、発泡ポリウ
レタンなどで成形されている。この発泡容器10は鯖など
の魚を数匹並べて収納し得る大きさに形成されていて、
また、発泡容器10の底12の形状は第2図に詳しく示すよ
うに、並べられた魚の頭部を持ち上げてその形が崩れな
いように、段部14を備えて成形されている。魚の頭部が
持ち上げられることにより、魚の目玉に血が上って充血
して赤変するのを防ぐことができる。しかも、鰓の部分
から血や体液を下げて、腐り難くすることができる。
更に、発泡容器10の底12には、溝16がその底12を横切
るように形成されるとともに、その溝16の底には複数の
通気口18が形成されている。通気口18は発泡容器10が冷
凍庫に入れられたとき、冷気をその通気口18から発泡容
器10の内部に流入させて、被冷凍物を迅速に且つ均一に
冷凍させるために設けられている。一方、溝16は通気口
18から流入させられた冷気を発泡容器10の内部に均一に
拡散させるために設けられていて、被冷凍物によって通
気口18が閉止されないようにされている。なお、発泡容
器10内でドレンが生じたとき、そのドレンは溝16に集め
られ、更に通気口18から容器の外部へ排出されることに
なる。すなわち、通気口18はドレン排出孔を兼ねて構成
されている。
一方、発泡容器10の側壁20の短辺側における開口端部
上面には一対の梁部材22がその上面から突出して設けら
れている。梁部材22は発泡容器10の開口部を一部覆うよ
うに、側壁20から内方に突き出して形成されている。
ここで、梁部材22を備えた発泡容器10の成形方法の一
例を説明する。第3図に示すように、発泡容器10の成形
型は発泡容器10の底12と側壁20を成形するキャビティが
形成される内型24及び外型26と、成形型の一部を成して
内型24に対して位置決めされ、且つ着脱可能に取付けら
れるフリーダイ28とから構成され、内型24と外型26とは
相互に一軸方向に離合させられるようにされている。ま
ず、同図に示すように、内型24と外型26、及び内型24に
位置決めされ取付けられたフリーダイ28によって構成さ
れたキャビティ内に発泡性ビーズが充填され、その発泡
性ビーズが発泡させられ融着成形される。次に、内型24
と外型26とが離型させられ、第4図に示すように、成形
された発泡容器10がフリーダイ28が付着させられた状態
で取り出され、その後、フリーダイ28が発泡容器10から
取り除かれる。このような成形方法により、底12と梁部
材22との間に空間を備えた発泡容器10が容易に成形され
るのである。
また、発泡容器10は発泡倍率の異なる少なくとも2種
類の発泡性ビーズが用いられて成形されるのが好まし
い。たとえば、発泡容器10の側壁20から底12に連なる角
部30において、少なくともその発泡容器10を結束する結
束紐が締め付けられる結束紐締付部32は低発泡倍率の発
泡性ビーズが用いられて成形されていて、結束紐締付部
32の補強が図られている。他方、発泡容器10の他の箇所
は発泡倍率が高い発泡性ビーズによって成形されてい
て、製造コストの低減が図られている。なお、発泡倍率
の異なる発泡性ビーズを2種類以上用いて、発泡容器10
を一体的に成形する技術は本出願人が提案する技術の
他、その他の公知技術が用いられる。
更に、発泡容器10の側壁20の外周部には高強度のテー
プ34が巻付けられていて、側壁20が補強されるのが好ま
しい。このテープ34による補強により、発泡容器10の側
壁20に曲げ荷重が作用しても割れ難いようにされるとと
もに、たとえば側壁20に局部的に外力が作用して割れた
時、テープ34によって発泡容器10の破片が散乱するのを
抑止して保冷性が失われないようにされている。
このような構成に係る冷凍用発泡容器10は、好ましく
は底12に吸水性シートが敷設され、その吸水性シートの
上に塩鯖などの被冷凍物が並べられて収納される。更
に、第2図に二点鎖線で示すように被冷凍物の上には可
撓性プレート36が載せられ、その可撓性プレート36はそ
の端部が側壁20から突き出す梁部材22の下面に係合させ
られる。このように発泡容器10の開口部は可撓性プレー
ト36によって覆われ、通常使用されるのである。ここ
で、可撓性プレート36はポリスチレンを始めとする樹脂
により成形された一重若しくは多重構造の樹脂プレート
あるいは樹脂発泡体プレート、又はダンボールなど断熱
性に優れたプレートが好ましく用いられる。
被冷凍物が収納された発泡容器10は第5図に示すよう
に、原則として一つずつ結束紐38により結束され、更に
結束紐38により結束された発泡容器10が複数積み重ねら
れて、冷凍庫に入れられ冷凍させられる。積み重ねられ
た発泡容器10は下の段の発泡容器10の開口部とその上の
発泡容器10の底12とは梁部材22により一定の隙間が開け
られており、冷凍庫内の冷気はその隙間から発泡容器10
の開口部を覆う可撓性プレート36の間隙や底12に設けら
れた通気口18を通って発泡容器10内に円滑に入り、被冷
凍物が急速に且つ均一に冷凍させられる。
冷凍させられた被冷凍物を冷凍用発泡容器10内に入れ
たまま冷凍車などにて輸送する場合などにおいて、発泡
容器10は保冷性,断熱性に優れているため、伝熱によっ
て被冷凍物が解凍させられることはほとんどなく、被冷
凍物の品質維持が一層容易となる。また、被冷凍物が徐
々に解凍させられるのに伴って、被冷凍物から出る液汁
や結露させられた水分などのドレンは溝16に集められ、
通気口18から排出される。したがって、被冷凍物がドレ
ンに浸漬されることはなく、被冷凍物の品質が悪化させ
られることはない。
また、流通過程において冷凍用発泡容器10が保冷倉庫
などの外で保管させられた結果、再冷凍させる必要が生
じた場合、冷凍用発泡容器10は結束紐38により結束され
たまま冷凍庫に入れられる。これにより、冷凍庫の冷気
は可撓性プレート36の間隙や通気口18から冷凍用発泡容
器10の内部に流入して、被冷凍物が迅速に再冷凍させら
れる。
更に、結束紐38によって結束された冷凍用発泡容器10
を搬送するために、その結束紐38が把持された場合にお
いても、結束紐38の力が集中する発泡容器10の結束紐締
付部32は低発泡倍率の発泡性ビーズによって成形されて
おり、結束紐38が発泡容器10の角部30内に食い込んだり
して緩むことはない。したがって、輸送中などにおいて
振動によって荷崩れの発生が非常に減少させられる。更
に、発泡容器10の側壁20にはテープ34が巻き付けられて
補強されているため、搬送中などにおいて被冷凍物の自
重や外部からの衝撃力などによって発泡容器10が折れた
り、割れたりすることはほとんどなくなる。しかも、発
泡容器10は軽いため、一度に多くの被冷凍物をトラック
などに積み込んで搬送することができる。
以上、本考案に係る冷凍用発泡容器の実施例を詳述し
たが、本考案はその他の形態でも実施することが可能で
ある。
たとえば、第6図に示すように、冷凍用発泡容器40の
側壁42の開口端部上面に設けられる梁部材44は側壁42の
上面から突出せずにその平面内に設けても良い。本例に
よれば、輸送や保管などのために積み上げられた冷凍用
発泡容器40は側壁42の上面とその上の冷凍用発泡容器40
の底46とが密着して、箱折れなどに対して安定するとと
もに、底46によって冷凍用発泡容器40の開口部が密閉さ
れて、気密性及び保冷性が高められる。また、本例の冷
凍用発泡容器40により被冷凍物を冷凍させたり、あるい
は再冷凍させるには冷凍用発泡容器40を交互にほぼ直交
させて積み上げるか、あるいは容器40と容器40が重なっ
て開口部が塞がらないようにした冷凍用の専用棚に載置
して、開口部から冷気が流入し得るようにされる必要が
ある。
また、冷凍用発泡容器48は第7図に示すように、仕切
板50によって上下2段に仕切られ、図示しない被冷凍物
が2段重ねに収納されるように構成しても良い。本例の
場合、被冷凍物を迅速に且つ均一に冷凍させるため、冷
凍用発泡容器48の底に多数の通気口52を形成し、冷気が
円滑に容器48内に流入し得るように構成するのが好まし
い。
更に、第6図及び第7図に示すように、梁部材44が側
壁42の開口端部上面から突出しないように形成されてい
る場合、被冷凍物を冷凍させるには冷凍用発泡容器40,4
8を交互に直交させるように積み上げて冷凍させ、被冷
凍物を冷凍させた後は再度その冷凍用発泡容器40,48を
同方向に積み替える必要があり、作業が煩雑なものとな
る。そこで、第8図に示すように、冷凍用発泡容器54の
側壁56と底58の一部に非対称に切欠き60を形成してお
き、冷凍用発泡容器54を180度回転させた状態で積み重
ねるとき、側壁56の切欠き60と底58の切欠き60とが一致
して通気口62が形成され、他方冷凍用発泡容器54を同方
向に積み重ねるとき、側壁56の切欠き60が底58の側面に
よって閉止されるように構成されるのが好ましい。本例
によれば、冷凍庫から搬出した冷凍用発泡容器54を積み
替えることなく輸送することができ、また直ちに再冷凍
することが可能である。更に長期間、保管する場合は通
気口62を閉止するように積み替えることにより、保冷性
及び気密性が高まり、被冷凍物の品質が維持される。
次に、第9図に示すように、冷凍用発泡容器64の側壁
66の上面に突出して設けられる梁部材68は、たとえば3
つに分割された形状であっても良い。このような梁部材
68は従来の内型と外型とを用いた成形方法により、発泡
容器64の底70に型挿通孔72を形成することによって容易
に成形することが可能である。このように梁部材68を分
割することによって、積み重ねられた発泡容器64の内部
に冷気を導入する流通口73を各方向に設けることがで
き、一層急速冷凍が可能となる。なお、型挿通孔72は発
泡容器64の底70から冷気を導入する通気口として機能さ
せられる。
また、同図に示すように、発泡容器64の側壁66の上面
における結束紐が締め付けられる箇所に、梁部材68とほ
ぼ同じ高さの突起74を設けても良い。突起74を設けるこ
とによって、第10図に示すように、発泡容器64が積み重
ねられて結束紐38により締め付けられるとき、発泡容器
64が両梁部材68を支点として曲げられるのが防止され、
一層、発泡容器64の強度が高められる。
更に、第11図に示すように、梁部材76の形状や分割さ
れる個数は任意に設定することができ、また、同図に示
すように、結束紐が締め付けられる側壁78上面の突起80
を容器の内方に突き出させて形成し、その突起80により
前述の可撓性プレート36が係合させられるように構成し
ても良い。すなわち、本例における突起80は梁部材とし
ての機能を備えるものである。
次に、冷凍用発泡容器は流通期間の長さや取扱いの乱
雑さなど、その業界の流通形態に鑑みて容器の強度を向
上させておくのが好ましい。冷凍用発泡容器の補強方法
としては、たとえば第12図に示すように、冷凍用発泡容
器の開口部と側壁とを覆う包装部材82によって補強する
ように構成しても良い。包装部材82はたとえばプラスチ
ック段ボールやラミネートPSPなどから成り、包装部材8
2に設けられた舌片84が発泡容器10,40…の梁部材22,44
に係合させられ、包装部材82が発泡容器10,40…に固定
される。一方、発泡容器10,40…の側壁を覆う包装部材8
2の垂下部86により、発泡容器10,40…は曲げ荷重に対し
て強度が高められる。なお、結束紐38が包装部材82の上
から締め付けられるため、包装部材82により結束紐38が
発泡容器10,40…に食い込むのが防止されることにな
る。本例の包装部材82は前述の可撓性プレート36として
機能させられ、保冷性及び気密性がより効果的に確保さ
れることとなる。
また、第13図に示すように、発泡容器88の側壁90の補
強は、硬質の樹脂プレート92あるいは金属プレートなど
を側壁90に埋設させたり、接着させることによって達成
しても良い。このように樹脂プレート92などを側壁90に
埋設あるいは接着することによって、発泡容器88に作用
させられる曲げ強度に対して強度が大幅に向上させられ
る。
更に、第14図に示すように、発泡容器94の側壁96の補
強は、側壁96部だけでなく、側壁96から底98に連なる角
部にかけて、硬質の樹脂成形体100あるいは金属成形体
を埋設させたり、あるいは接着させて達成しても良い。
本例においては、結束紐38が締め付けられて力が作用さ
せられる発泡容器94の角部は樹脂成形体100などによっ
て一体的に補強されていて、発泡容器94が割れ難いだけ
でなく、結束紐38が緩むことも防止される。
その他、図示を省略するが、発泡容器の補強は前述し
たように発泡倍率の異なる発泡ビーズを用いて、発泡倍
率の低い発泡ビーズにより結束紐締付部を成形して強度
を高める他、発泡容器の側壁のみを低発泡倍率の発泡ビ
ーズにより成形して、冷凍用発泡容器の強度を高めても
良い。
また、発泡倍率を変えるだけでなく、発泡樹脂の種類
を換えて、たとえば発泡容器の側壁をポリスチレンとポ
リエチレンの共重合樹脂の発泡体により、発泡容器の底
をその他のポリスチレンなどの発泡体によって、たとえ
ば本出願人の発明に係る特許第1547217号などに開示さ
れるような公知の部分二層成形法を用いて一体的に成形
しても良い。ポリスチレンとポリエチレンの共重合樹脂
の発泡体は柔軟性が高く割れ難い性質があるため、重量
物の被冷凍物によって生ずるいわゆる箱折れを少なくす
ることができる。
なお、発泡樹脂の組合せや混合割合は冷凍用発泡容器
の用途やコストなどを加味して適宜設定し得るものであ
って、上記の実施例に限定されるものではない。
以上、本考案の実施例を種々説明したが、本考案に係
る冷凍用発泡容器は上記の実施例を適宜、組み合わせて
構成することも可能である。また、たとえば発泡容器を
構成する発泡樹脂材料と梁部材を構成する発泡樹脂材料
とを異ならしめて一体的に製造することも可能であり、
更に、発泡容器と梁部材とをそれぞれ別個に成形した
後、梁部材を発泡容器の所定の位置に接着して形成して
も良く、成形方法が限定されないのは勿論である。その
他、発泡容器の側壁に通気口を設けても良いなど、本考
案はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基
づき種々なる改良、修正、変更を加えた形態で実施し得
るものである。
〔考案の効果〕
本考案に係る冷凍用発泡容器の側壁上面には梁部材が
側壁上面から突出して設けられているため、発泡容器が
積み重ねられたとき、梁部材により下の発泡容器の開口
部が上の発泡容器の底によって密閉されることはなく、
被冷凍物を急速に冷凍させることができる。また、冷凍
用発泡容器を交互に直交するように積み上げることによ
って、発泡容器の開口部が上に積み重ねられた発泡容器
の底により塞がれることがなく、被冷凍物は迅速に冷凍
させられる。更に、この梁部材は発泡容器の開口部の一
部を覆うように突き出して形成されており、梁部材に可
撓性プレートの端部を係合させて、冷凍用発泡容器の開
口部からの通気を抑えて、断熱性,保冷性を高めること
ができる。
また、かかる冷凍用発泡容器の底に通気口を複数設け
ることにより、適所に冷気を導入することができ、被冷
凍物を一層迅速に且つ均一に冷凍することができる。
更に、発泡容器の側壁をテープなどによって補強する
ことにより、冷凍用発泡容器は長期間の使用に耐え、ま
た乱雑な取扱いなどによって発泡容器が破壊される事態
から大幅に解消されることになる。更に、発泡容器の角
部、特に結束紐締付部を低発泡倍率の発泡性ビーズによ
って成形するなどにより補強しているため、結束紐が締
付部に食い込むなどの事態を回避することができる。し
たがって、結束紐が緩むことがないため、輸送中に荷崩
れなどのトラブルが生ずることはない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る冷凍用発泡容器の一実施例を示す
斜視図であり、第2図は第1図に示す冷凍用発泡容器の
一部破砕正面図である。第3図及び第4図はいずれも第
1図に示す冷凍用発泡容器の成形方法の一例を説明する
ための要部断面図である。第5図は第1図に示す冷凍用
発泡容器の使用例を示す要部破砕正面図である。 第6図乃至第8図はいずれも本考案に係る冷凍用発泡容
器の他の実施例を示す図であり、第6図は一部破砕正面
図、第7図及び第8図は正面断面図である。第9図は本
考案に係る冷凍用発泡容器の更に他の実施例を示す要部
斜視図であり、第10図は第9図に示す冷凍用発泡容器の
作用を説明するための正面図である。第11図は更に本考
案に係る冷凍用発泡容器の他の実施例を示す要部斜視図
である。第12図は本考案に係る冷凍用発泡容器に用いら
れる包装部材を示す斜視図である。第13図及び第14図は
いずれも冷凍用発泡容器の側壁を補強するための手段の
他の実施例を示す要部斜視図である。 {10,40,48,54,64,88,94};冷凍用発泡容器 12,46,58,70,98;底 16;溝 18,52;通気口 20,42,56,66,90,96;側壁 22,44,68,76;梁部材 30;角部 32;結束紐締付部 34;テープ 38;結束紐 72;型挿通口(通気口) 80;突起(梁部材) 82;包装部材(補強) 92;樹脂プレート 100;樹脂成形体

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】側壁と底から構成される発泡樹脂製の容器
    であって、該側壁の開口端部の近傍部に該開口部の一部
    を覆い且つ該開口部を覆う可撓性プレートの端部を係合
    し得る少なくとも一対の梁部材が一体的に設けられると
    ともに、該梁部材と対応する部位の底又は側壁に梁部材
    成形用の成形孔が形成されていないことを特徴とする冷
    凍用発泡容器。
  2. 【請求項2】側壁と底から構成される発泡樹脂製の容器
    であって、該側壁の開口端部の近傍部に該開口部の一部
    を覆い且つ該開口部を覆う可撓性プレートの端部を係合
    し得る少なくとも一対の梁部材が一体的に設けられると
    ともに、該側壁の開口端部に少なくとも1以上の流通口
    が形成されていることを特徴とする冷凍用発泡容器。
  3. 【請求項3】側壁と底から構成される発泡樹脂製の容器
    であって、該側壁の開口端部の近傍部に該開口部の一部
    を覆い且つ該開口部を覆う可撓性プレートの端部を係合
    し得る少なくとも一対の梁部材が一体的に設けられると
    ともに、積み重ねられた下の容器の少なくとも1以上の
    流通口となる切欠きが該底の外面に形成されていること
    を特徴とする冷凍用発泡容器。
  4. 【請求項4】前記冷凍用発泡容器の底に複数の通気口を
    設けたことを特徴とする請求項第1項乃至請求項第3項
    に記載する冷凍用発泡容器。
  5. 【請求項5】前記冷凍用発泡容器の底内面に、魚の頭部
    を持ち上げる傾斜段部が形成されていることを特徴とす
    る請求項第1項乃至請求項第3項に記載する冷凍用発泡
    容器。
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JPS58121313A (ja) * 1982-01-14 1983-07-19 坂本 宗幸 穂付ネジくぎ

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