JP2555512Y2 - 磁気ヘッド取付機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ＶＴＲ等の磁気ヘッド
のヘッド取付け台への取付けを容易にした磁気ヘッド取
付け機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＶＴＲ等における磁気ヘッド取付け機構
としてヘッド取付け台にアリ溝を形成し、磁気ヘッドケ
ースには長尺の弾性片を形成して、これらアリ溝と弾性
片とを弾性係合させることにより、磁気ヘッドケースを
ヘッド取付け台に取付けるようにした構成のものが、実
開昭６３−６２９０７号に開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】この従来の磁気ヘッド
取付け機構では、磁気ヘッドケースの取付けが単にアリ
溝と弾性片との弾性係合によってなされているだけであ
るから、取付け状態が不確実であった。また、取付け状
態を強固にしようとすると、アリ溝と弾性片との弾性係
合力を強化しなければならないので、その結果、組み立
て作業が困難になるという問題があった。

【０００４】本考案は、組み立て作業が容易で、しかも
強固な取付け状態が得られる磁気ヘッド取付け機構を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】磁気ヘッドケースにアリ
溝を設け、ヘッド取付け台のヘッド取付面には上記アリ
溝に弾性係合可能な長尺弾性片（９）を形成し、長尺弾
性片を弾性変形させ、且つ磁気ヘッドケースを前記磁気
ヘッド取付面に沿って滑らせながらヘッド取付け台に磁
気ヘッドケースを取付ける。また、ヘッド取付面にはヘ
ッド取付け台に対する磁気ヘッドケースの外れ方向への
移動を禁止する弾性係止片を一体に形成し、磁気ヘッド
ケースをヘッド取付け台に取付ける際は、磁気ヘッドケ
ースで長尺弾性片を弾性変形させながらアリ溝を長尺弾
性片に係合させる。

【０００６】

【作用】弾性係止片を弾性変形させながらアリ溝と弾性
片とを弾性係合させ、弾性係合完了時には弾性係止片が
弾性復帰して磁気ヘッドケースに係合し、アリ溝と弾性
片との外れを防止する。

【０００７】

【実施例】図１は、本考案の実施例を示す分解斜視図
で、磁気ヘッドケース１は、底面２に有底のアリ溝３、
上面４に磁気ヘッドに接続する端子５を有し、前面６が
テープ摺接面となっている。

【０００８】合成樹脂製ヘッド取付け台７のヘッド取付
け面８上には、逆Ｌ字形の２本の長尺弾性片９が平行に
突設されている。また、これら弾性片９の近傍位置に開
口部１０が設けられ、この開口部１０内に弾性係止片１
１が形成されている。この弾性係止片１１は弾性腕部１
２の先端にフック部１３を有するもので、フック部１３
はヘッド取付け面８上に突出している。また、ヘッド取
付け台７には、ヘッド取付け面８に連続して係合凹部１
４を有する係止片１５が設けられている。

【０００９】更に、ヘッド取付け台７は、前記ヘッド取
付け面８に隣接するシャーシ固定部１６を有する。この
シャーシ固定部１６は円板部１７の下面に円柱部１８を
突出させた形状をなし、中心孔１９を有している。そし
て、円柱部１８外周には３個の係止突起２０が等角度間
隔で突設されている。これらの突起２０は円板部１７の
下面からシャーシ２１の板厚分だけ離間させてある。一
方、シャーシ２１には前記円柱部１８を挿通させる取付
け孔２２と、この取付け孔２２に連続して前記各係止突
起２０を挿通させる凹部２３とが設けてある。また、シ
ャーシ２１の上面には前記係合凹部１４と係合する係合
凸部２４が設けてある。

【００１０】そこで、ヘッド取付け台７をシャーシ２１
に取付けるにあったては、円柱部１８及び係止突起２０
を取付け孔２２及び凹部２３に挿通させた後、ヘッド取
付け台７を所定角度回転して係合凹部１４を係合凸部２
４に係合させるだけで、簡単に行なえる。前記中心孔１
９には、インピーダンスローラ２５の軸２６がかん合さ
れる。

【００１１】また、磁気ヘッドケース１をヘッド取付け
台７に取付けるにあったては、図２の如く磁気ヘッドケ
ース１の底面２をヘッド取付け面８に接触させた状態で
アリ溝３を弾性片９にかん合させる。このとき弾性係止
片１１はフック部１３を磁気ヘッドケース１の底面２に
押されて下方にたわむ。また、一対の弾性片９は図３の
如く若干弾性変形した状態となる。そして、磁気ヘッド
ケース１が所定の位置に達すると、弾性係止片１１が図
４の如く弾性復帰してフック部１３が磁気ヘッドケース
１の前面下部に係合し、アリ溝３と弾性片９との外れを
防止するようになる。

【００１２】

【考案の効果】ヘッド取付け台７に弾性係止片１１を形
成し、アリ溝３と弾性片９との係合は弾性係止片の弾性
変形により可能で、アリ溝３と弾性片９との係合完了時
には、弾性片の弾性復帰によって両者の外れを防止する
ようにしたので、弾性片とアリ溝内面との圧接力を強固
にしなくても両者が外れるおそれはない。従って、両者
の弾性圧接力を軽減して組み立て作業の容易化が図れ、
しかも強固な取付け状態を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す分解斜視図

【図２】磁気ヘッドケースの取付け途中段階を一部を断
面にして示す側面図

【図３】組み立て状態を示す正面図

【図４】組み立て状態を一部を断面にして示す側面図

【符号の説明】

１ 磁気ヘッドケース ３ アリ溝 ７ ヘッド取付け台 ９ 弾性片 １１ 弾性係止片

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ヘッドケース（１）にアリ溝（３）を
   設けるとともに、ヘッド取付け台（７）のヘッド取付面
   （８）には上記アリ溝に弾性係合可能な長尺弾性片
   （９）を形成し、前記長尺弾性片を弾性変形させて、且
   つ前記磁気ヘッドケースを前記磁気ヘッド取付面に沿っ
   て滑らせながら前記ヘッド取付け台に前記磁気ヘッドケ
   ースを取付けてなる磁気ヘッド取付機構において、 前記ヘッド取付面には前記ヘッド取付け台に対する前記
   磁気ヘッドケースの外れ方向への移動を禁止する弾性係
   止片（１１）を一体に形成し、前記磁気ヘッドケースを
   前記ヘッド取付け台に取付ける際は、前記磁気ヘッドケ
   ースで前記長尺弾性片を弾性変形させながら前記アリ溝
   を前記長尺弾性片に係合させることを特徴とする磁気ヘ
   ッド取付機構。