JP2555111B2 - アンカーボルト固定装置 - Google Patents

アンカーボルト固定装置

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JP2555111B2 JP62302772A JP30277287A JP2555111B2 JP 2555111 B2 JP2555111 B2 JP 2555111B2 JP 62302772 A JP62302772 A JP 62302772A JP 30277287 A JP30277287 A JP 30277287A JP 2555111 B2 JP2555111 B2 JP 2555111B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は鉄骨造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物
に使用される柱脚部アンカーボルトを基礎のコンクリー
ト中に固定する装置に関する。
〔従来の技術〕
鉄骨構造物の精度は最下階柱の位置精度によって大き
く左右され、その柱は基礎構造部分の精度に大きな影響
を受ける。工場において製作された鉄骨部材は許容誤差
範囲内で納入されるのが一般的であるから、工事現場に
おける鉄骨建方の誤差はアンカーボルトの精度の影響が
そのまま現われる場合が多い。従って鉄骨建方の良否は
一に上記アンカーボルトの精度にかかっており、正確な
位置決めを行なう必要がある。このため、例えば鉄骨工
事技術指針・同解説(昭和54年4月25日、日本建築学会
発行)第625頁に記載のようにアンカーボルトを鋼製フ
レーム若しくは保持具によって保持し、コンクリートの
打設による衝撃や流れによる圧力によって移動しないよ
うにするアンカーボルト固定装置を使用するのが通常で
ある。
第5図は従来のアンカーボルトの固定装置の一例を示
す要部正面図である。同図において1はフレームであ
り、例えば等辺山形鋼によって角枠状に構成すると共
に、上部に上部形板2を、下端部から若干の高さの位置
に下部形板3を各々固着し、上部形板2および下部形板
3に設けた保持穴(図示せず)にアンカーボルト4を保
持するように構成する。なおアンカーボルト4の上下方
向の位置決めは、例えば角片状の定着板5を介してナッ
ト6により下部形板3を挟着する手段によって行なう。
上記の構成により、予め打設した捨てコンクリート7上
の所定の位置にフレーム1を載置し、ドリルアンカー7
を打込んで固定した後、鎖線にて示すような基礎8をコ
ンクリート打設により形成するのである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来の固定装置を構成するフレーム1は、予め工
場において製作した後、建方現場に運搬するのが通常で
あるが、次のような問題点がある。
(1)フレーム1に突出部分が多いため、工場から現場
までの運搬途中において、フレーム1相互の重合、衝突
等によって変形を生じ、アンカーボルト4を基礎8中に
高精度で埋設することが困難である。
(2)フレーム1は一般に溶接接合で組立製作されるた
め、建方現場におけるアンカーボルト4の水平方向若し
くは垂直方向の位置調整を行なうことができない。
(3)アンカーボルト4の下端部は定着板5に固定する
のであるが、定着板5は水平方向に大きな面積を有する
ため、これを収納できるようにするためにはフレーム1
全体を大きくする必要がある。
(4)フレーム1は基礎コンクリートの打設によってア
ンカーボルト4がずれないよう剛性が要求される。この
ため、用いられる部材は比較的大寸法のものを使用する
必要があるが、基礎コンクリート中に配設する鉄筋(図
示せず)との干渉頻度が高い。
(5)アンカーボルトの外周にはアンボンド用の被覆ス
リーブ(第5図では図示せず)によって被覆されてい
る。そして、第6図にて示すようにアンカーボルト4の
上端部はアンカーボルト被覆スリーブ11を介してフレー
ムの上部形板2に支持されるようになっている。しか
し、上部形板2とスリーブ11とアンカーボルト4との間
には隙間があるため、例えば第7図のように傾斜してく
るいが生じ、アンカーボルト4の固定精度を高めること
ができない。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために、本発明においては、基
礎の捨てコンクリート等に固定した複数の鋼材の上部に
鋼材を横方向に渡した状態で溶接し、その横方向の鋼材
の上部に、アンカーボルトの上部ねじ部に上部形板を、
下部ねじ部に定着板と定着板の下に配置した下部形板と
をナットの締結で一体にしたアンカーボルトフレームを
載せ、横方向の鋼材とアンカーボルトフレームとを固定
するという技術的手段を採用したのである。
〔作用〕
上記の構成とすることにより次の作用効果が得られ
る。
(1)工場において予め所定寸法に加工した構成部材の
みを製作して建方現場において組立てることができるた
め、運搬作業が極めて容易となる。
(2)従来のフレームのように突出部分が少なく、上記
(1)と関連して運搬中の変形が殆んどないため、保持
具およびアンカーフレームの精度が大幅に向上する。
(3)アンカーボルトフレームが主にアンカーボルトと
上部形板、下部形板という少ない要素で構成されている
ので、従来のようなフレームと基礎コンクリートの鉄筋
との干渉頻度が大幅に低減される。
(4)本発明では下部形板が定着板の下側に設けられて
いるので、下部形板の直下に設けた横方向の鋼材が定着
板に干渉せず、定着板と下部形板とをアンカーボルトの
下部ねじ部に固定するナットの近隣まで広げた位置に配
置でき、横方向の鋼材の間隔を大きくできる。これがコ
ンクリートの打設によって起こる下部形板の変形を小さ
くし、アンカーボルトの心ずれを防止するのに大きく寄
与する。
(5)上部形板はアンカーボルト被覆スリーブを介さず
にアンカーボルトに連結されるので、アンカーボルトと
位置決め精度がアンカーボルト被覆スリーブとアンカー
ボルトの間隙に左右されない。
上記の構成による装置によって、アンカーボルトを正
確に位置決めした状態で基礎コンクリート中に埋設する
ことができるのである。
〔実施例〕
第1図は本発明の実施例を示す要部正面図、第2図は
第1図のA−A線断面図であり同一部分は前記第5図と
同一参照符合にて示す。両図において上部形板2、下部
形板3は所定寸法のピッチでアンカーボルト4の挿通穴
を有し、5は例えば角片状の定着板であり、下部形板3
の上部に位置する。アンカーボルト4の下部ねじ部には
下部ナット6により定着板5とその下に下部形板3を挟
着する。上部形板2は上部ナット6aによりアンカーボル
ト4に挟着する。また、アンカーボルトの軸部にはアン
カーボルト被覆スリーブ11が設けられている。これらの
組立てによりアンカーボルトセット23が形成される。
次に複数の例えば山形鋼からなる鋼材13を複数の固定
部材21に溶接等により固着し、捨てコンクリート7上の
所定の位置に固定ボルト22により捨てコンクリート7上
に固着する。複数の横方向の鋼材14は所定の高さで複数
の鋼材13に溶接接合すると共に、上面は実質的に水平面
を形成するように構成する。その後横方向の鋼材14上に
前記アンカーボルトフレーム23を載置し、芯出し、溶接
等によって固着した後、コンクリートを打設すればアン
カーボルトを精度よくかつ強固に、基礎8中に埋設する
ことができる。
第3図は本発明の他の実施例を示す要部正面図、第4
図は第3図のA−A線断面図であり同一部分は前記第1
図および第2図に示す実施例と同一の参照符合で示す。
アンカーボルト23の構成は前記第1図および第2図の実
施例と同様である。捨てコンクリート7中に例えば山形
鋼からなる4本の鋼材13を埋設し、この鋼材に横方向の
鋼材14を上面が実質的に水平面を形成するように固着し
てアンカーフレーム15を構成する。この構成によりアン
カーボルトフレーム23をアンカーフレーム15上に載置し
て、両者をボルト・ナット(図示せず)若しくは溶接接
合により、アンカーフレーム15と共にアンカーボルト4
を精度よくかつ強固に基礎中に埋設することができる。
なお、これらの実施例において、上部形板2は基礎8
中に埋設されず、アンカーボルトに連結される鉄骨柱を
建てる前に、上部ナット6aを取外し除去する。
〔発明の効果〕
本発明は以下に記述の構成によるものであるから、次
の効果が得られる。
(1)本発明の装置は建方現場に部材を運搬して組立て
ることができるため、運搬が容易であるほか、組立てに
際しても精度が得られるので、アンカーボルトとの位置
決め精度が向上する。
(2)部材数が少なく全体の構造が簡素であるので基礎
コンクリート中に配設する鉄筋との干渉が低減される。
(3)横方向の鋼材の間隔が広まり、コンクリート打設
の際のコンクリートの流れによる圧力による変形が殆ん
どなくアンカーボルトの高精度な芯出しが可能である。
(4)アンカーボルトと上部形板とが、アンカーボルト
被覆スリーブを介さずに連結されるため、アンカーボル
トの固定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は各々本発明の実施例を示す要部正
面図およびA−A線断面図、第3図および第4図は各々
本発明の他の実施例を示す要部正面図およびA−A断面
図、第5図は従来のアンカーボルトの固定装置の一例を
示す要部正面図、第6図は第5図要部正面図のアンカー
ボルト上端部における上部形板との関係を示す部分詳細
縦断面図、第7図は同じく間隙によってアンカーボルト
が一方向に片寄った状況を示す部分詳細縦断面図であ
る。 2:上部形板、3:下部形板、4:アンカーボルト、5:定着
板、6,6a:ナット、7:捨てコンクリート、13:鋼材、14:
横方向の鋼材、23:アンカーボルトフレーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成重 修 福岡県北九州市若松区北浜1丁目9番1 号 日立金属株式会社若松工場内 (56)参考文献 特開 昭54−107109(JP,A) 実開 昭57−12444(JP,U) 実開 昭64−646(JP,U) 実公 昭54−28803(JP,Y2)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基礎の捨てコンクリート等に固定した複数
    の鋼材の上部に鋼材を横方向に渡した状態で溶接し、そ
    の横方向の鋼材の上部に、アンカーボルトの上部ねじ部
    に上部形板を、下部ねじ部に定着板と定着板の下に配置
    した下部形板とをナットの締結で一体にしたアンカーボ
    ルトフレームを載せ、横方向の鋼材とアンカーボルトフ
    レームとを固定したことを特徴とするアンカーボルト固
    定装置。
  2. 【請求項2】複数の鋼材を捨てコンクリート等の中に埋
    め込むことにより固定したことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のアンカーボルト固定装置。
  3. 【請求項3】複数の鋼材を捨てコンクリート上に固定ボ
    ルト等を用いて固定したことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のアンカーボルト固定装置。
  4. 【請求項4】複数の鋼材を捨てコンクリートに連結され
    た鉄筋等により固定したことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のアンカーボルト固定装置。
  5. 【請求項5】横方向の鋼材とアンカーボルトフレームの
    下部形板とをボルト・ナットで固定したことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載
    のアンカーボルト固定装置。
  6. 【請求項6】横方向の鋼材とアンカーボルトフレームの
    下部形板とを溶接で固定したことを特徴とする特許請求
    の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載のアンカー
    ボルト固定装置。
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