JP2552672B2 - 酸化物垂直磁化膜の作製方法 - Google Patents
酸化物垂直磁化膜の作製方法Info
- Publication number
- JP2552672B2 JP2552672B2 JP62172689A JP17268987A JP2552672B2 JP 2552672 B2 JP2552672 B2 JP 2552672B2 JP 62172689 A JP62172689 A JP 62172689A JP 17268987 A JP17268987 A JP 17268987A JP 2552672 B2 JP2552672 B2 JP 2552672B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- perpendicular magnetization
- coating
- oxide
- nitric acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はドキュメントファイル、フロッピーディス
ク、ハードディスク等として使用される光磁気記録媒体
の酸化物垂直磁化膜の作製方法に関する。
ク、ハードディスク等として使用される光磁気記録媒体
の酸化物垂直磁化膜の作製方法に関する。
従来技術 近年、半導体レーザー光により磁気記録を行う光磁気
記録媒体が高密度記録用として種々研究されている。従
来、これら光磁気記録媒体に用いられる垂直磁化膜とし
てはアモルファス磁性合金膜が広く知られている。例え
ば特公昭57−20291号公報ではTb−Feアモルファス磁性
膜について報告されている。しかしながら、これら従来
のアモルファス膜を用いた光磁気記録媒体は保磁力等の
磁気特性及び記録感度(ファラデー回転角と関連)等の
磁気光学特性が優れる等の長所を有する反面、酸化によ
る磁気特性の経時劣化、即ち膜安定性に劣るという問題
があった。しかもこの種の磁性膜の形成方法としては蒸
着法やスパッタリング法が採用されているが、これらの
方法は成膜自体が容易でない上、大面積化が困難である
という欠点があった。
記録媒体が高密度記録用として種々研究されている。従
来、これら光磁気記録媒体に用いられる垂直磁化膜とし
てはアモルファス磁性合金膜が広く知られている。例え
ば特公昭57−20291号公報ではTb−Feアモルファス磁性
膜について報告されている。しかしながら、これら従来
のアモルファス膜を用いた光磁気記録媒体は保磁力等の
磁気特性及び記録感度(ファラデー回転角と関連)等の
磁気光学特性が優れる等の長所を有する反面、酸化によ
る磁気特性の経時劣化、即ち膜安定性に劣るという問題
があった。しかもこの種の磁性膜の形成方法としては蒸
着法やスパッタリング法が採用されているが、これらの
方法は成膜自体が容易でない上、大面積化が困難である
という欠点があった。
そこで本発明者らは先に特願昭61−190958号において
耐熱基板上にFeイオン及びCoイオンを含む硝酸溶液を塗
布乾燥後、塗膜をアニールして熱分解することにより基
板上にCoフェライトの垂直磁化膜を形成する方法を提案
した。この方法は酸化物の垂直磁化膜が得られるので、
膜安定性に優れる上、塗布法が適用されるので、成膜も
大面積化も容易であるという長所を有する反面、得られ
る膜は表面平滑性に欠け、またこのため透過率、従って
磁気光学効果が不充分であるという欠点があった。
耐熱基板上にFeイオン及びCoイオンを含む硝酸溶液を塗
布乾燥後、塗膜をアニールして熱分解することにより基
板上にCoフェライトの垂直磁化膜を形成する方法を提案
した。この方法は酸化物の垂直磁化膜が得られるので、
膜安定性に優れる上、塗布法が適用されるので、成膜も
大面積化も容易であるという長所を有する反面、得られ
る膜は表面平滑性に欠け、またこのため透過率、従って
磁気光学効果が不充分であるという欠点があった。
目的 本発明の目的は膜安定性に優れ、成膜も大面積化も容
易であり、しかも平滑面が得られる上、磁気特性及び磁
気光学特性に優れた酸化物垂直磁化膜の作製方法を提供
することである。
易であり、しかも平滑面が得られる上、磁気特性及び磁
気光学特性に優れた酸化物垂直磁化膜の作製方法を提供
することである。
構成 本発明による酸化物垂直磁化膜の作製方法は耐熱基板
上にFeイオン、Coイオン及び弗素化炭化水素を含む硝酸
溶液を塗布乾燥後、塗膜をアニールして熱分解すること
により基板上にCoフェライトの垂直磁化膜を形成するこ
とを特徴とするものである。
上にFeイオン、Coイオン及び弗素化炭化水素を含む硝酸
溶液を塗布乾燥後、塗膜をアニールして熱分解すること
により基板上にCoフェライトの垂直磁化膜を形成するこ
とを特徴とするものである。
このように本発明の酸化物垂直磁化膜の作製方法は先
の提案方法を改良したもので、使用される硝酸溶液に特
徴がある。即ちこの硝酸溶液はFeイオン及びCoイオンの
他に弗素化炭化水素(いわゆるフレオン)を含むもの
で、鉄又はその塩〔例えばFe(NO3)3,FeCl3,Fe2(S
O4)3〕(好ましくは硝酸塩)或いはその酸化物(例え
ばFe2O3)とコバルト又はその塩〔例えばCo(NO3)2,Co
Cl2,Co2(SO4)3〕(好ましくは硝酸塩)或いはその酸
化物(例えばCo2O3)とを硝酸に溶解し、これに弗素化
炭化水素(例えばCHClF2,CCl2F2,CCln2F・CClF2混合
物)を添加して得られる。こゝで硝酸溶液中のCo/Fe比
はモル比で0.8/2〜1.3/2程度が適当であり、またCo及び
Feの濃度は0.4〜0.7モル/程度が適当である。この弗
素化炭化水素の添加量は5〜20容量%程度が適当であ
る。この弗素化炭水素は界面活性剤として塗膜の平滑性
向上のために使用される。
の提案方法を改良したもので、使用される硝酸溶液に特
徴がある。即ちこの硝酸溶液はFeイオン及びCoイオンの
他に弗素化炭化水素(いわゆるフレオン)を含むもの
で、鉄又はその塩〔例えばFe(NO3)3,FeCl3,Fe2(S
O4)3〕(好ましくは硝酸塩)或いはその酸化物(例え
ばFe2O3)とコバルト又はその塩〔例えばCo(NO3)2,Co
Cl2,Co2(SO4)3〕(好ましくは硝酸塩)或いはその酸
化物(例えばCo2O3)とを硝酸に溶解し、これに弗素化
炭化水素(例えばCHClF2,CCl2F2,CCln2F・CClF2混合
物)を添加して得られる。こゝで硝酸溶液中のCo/Fe比
はモル比で0.8/2〜1.3/2程度が適当であり、またCo及び
Feの濃度は0.4〜0.7モル/程度が適当である。この弗
素化炭化水素の添加量は5〜20容量%程度が適当であ
る。この弗素化炭水素は界面活性剤として塗膜の平滑性
向上のために使用される。
こうして得られた硝酸溶解はそのまゝでも使用できる
が、更に塗膜性を向上させるたにエタノールで稀釈して
使用することもできる。この場合、エタノールの稀釈量
は硝酸溶液の1〜2倍量が適当である。
が、更に塗膜性を向上させるたにエタノールで稀釈して
使用することもできる。この場合、エタノールの稀釈量
は硝酸溶液の1〜2倍量が適当である。
本発明方法はまず以上のような硝酸溶液(又はその稀
釈液)を耐熱基板上に塗布乾燥する。耐熱基板としては
石英、Siウェーハー、バイコールガラス、パイレックス
ガラス等が使用される。塗布方法としてはワイヤーバ
ー、ロールコーター、スピンコーター等によるコーティ
ング、浸漬コーティング、スプレーコーティング等のい
ずれでもよいが、他の塗布法に比べて大面積化が容易な
スビンコーティングが好ましい。乾燥は通常、大気中30
0〜400℃の温度で行なわれる。なおこの塗布及び乾燥工
程は所望の膜厚になるまで何回も繰返して行なってもよ
い。
釈液)を耐熱基板上に塗布乾燥する。耐熱基板としては
石英、Siウェーハー、バイコールガラス、パイレックス
ガラス等が使用される。塗布方法としてはワイヤーバ
ー、ロールコーター、スピンコーター等によるコーティ
ング、浸漬コーティング、スプレーコーティング等のい
ずれでもよいが、他の塗布法に比べて大面積化が容易な
スビンコーティングが好ましい。乾燥は通常、大気中30
0〜400℃の温度で行なわれる。なおこの塗布及び乾燥工
程は所望の膜厚になるまで何回も繰返して行なってもよ
い。
次にこうして得られた塗膜はアニールにより熱分解す
る。アニールは通常、大気中又は酸素雰囲気中、800〜1
200℃の温度で行なわれる。これにより塗膜は熱分解す
ると共に結晶化してCoフェライトの垂直磁化膜となる。
なおこのCoフェライト膜の厚さは500〜5000Å程度が適
当である。
る。アニールは通常、大気中又は酸素雰囲気中、800〜1
200℃の温度で行なわれる。これにより塗膜は熱分解す
ると共に結晶化してCoフェライトの垂直磁化膜となる。
なおこのCoフェライト膜の厚さは500〜5000Å程度が適
当である。
以下に本発明を実施例によって説明する。
実施例 Fe(NO3)3・9H2O:4.04g及びCo(NO3)2・6H2O:1.46g
を61%硝酸30mlに撹拌溶解し、これにエタノール65mlを
加えて撹拌混合した後、この混合液にCCl2F・CClF220ml
を加え、再び撹拌混合した。次にこの硝酸溶液をバイコ
ール基板上に下記条件でスピンコートした。
を61%硝酸30mlに撹拌溶解し、これにエタノール65mlを
加えて撹拌混合した後、この混合液にCCl2F・CClF220ml
を加え、再び撹拌混合した。次にこの硝酸溶液をバイコ
ール基板上に下記条件でスピンコートした。
溶液滴下時:1000rpm,15秒間 溶液滴下時:3000rpm,12秒間 次にこの塗膜を電気炉中400℃で30分間乾燥した。以
下、この塗布及び乾燥工程を9回繰返した後、1000℃で
12時間アニールすることによりCoフェライトからなる54
0Å厚の酸化物垂直磁化膜を作製した。
下、この塗布及び乾燥工程を9回繰返した後、1000℃で
12時間アニールすることによりCoフェライトからなる54
0Å厚の酸化物垂直磁化膜を作製した。
一方、比較例として前記弗素化炭化水素の添加を行な
わなかった他は同様にして酸化物垂直磁化膜を作製し
た。
わなかった他は同様にして酸化物垂直磁化膜を作製し
た。
次に、実施例及び比較例の垂直磁化膜について触針式
膜面粗さ計により表面平滑性を調べたところ、夫々第1
図(a)及び(b)に示す結果が得られた。また反射計
により光の透過率を調べたところ、第2図に示す結果が
得られた。これらの結果から本発明品の方が比較品に比
べて表面平滑性及び透過性に優れていることが判る。一
般に透過型光磁気メモリーでは透過率が高い程、再生特
性(C/N比)が高く、より優れていると言える。
膜面粗さ計により表面平滑性を調べたところ、夫々第1
図(a)及び(b)に示す結果が得られた。また反射計
により光の透過率を調べたところ、第2図に示す結果が
得られた。これらの結果から本発明品の方が比較品に比
べて表面平滑性及び透過性に優れていることが判る。一
般に透過型光磁気メモリーでは透過率が高い程、再生特
性(C/N比)が高く、より優れていると言える。
なお実施例の垂直磁化膜については更に磁気特性(保
持力として)及び磁気光学特性(ファラデー回転角θF
として)を調べた。その結果を夫々第3図及び第4図に
示す。これらの結果から本発明品は磁気特性も磁気光学
特性も優れていることが判る。
持力として)及び磁気光学特性(ファラデー回転角θF
として)を調べた。その結果を夫々第3図及び第4図に
示す。これらの結果から本発明品は磁気特性も磁気光学
特性も優れていることが判る。
効果 以上の如く本発明の酸化物垂直酸化膜の作製方法は弗
素化炭化水素を含む塗布液を用いてCoフェライト膜を作
製するので、膜安定性に優れ、成膜も大面積化も容易で
ある上、平滑な表面が得られ、しかも磁気特性及び磁気
光学特性に優れた垂直磁化膜を提供できる。
素化炭化水素を含む塗布液を用いてCoフェライト膜を作
製するので、膜安定性に優れ、成膜も大面積化も容易で
ある上、平滑な表面が得られ、しかも磁気特性及び磁気
光学特性に優れた垂直磁化膜を提供できる。
第1図(a)及び(b)は夫々実施例及び比較例で得ら
れた酸化物垂直磁化膜の表面粗さを示す図、第2図はこ
れら垂直磁化膜の透過率を示す曲線図、第3図及び第4
図は夫々実施例で得られた垂直磁化膜の磁気特性及び磁
気光学特性を示す曲線図である。
れた酸化物垂直磁化膜の表面粗さを示す図、第2図はこ
れら垂直磁化膜の透過率を示す曲線図、第3図及び第4
図は夫々実施例で得られた垂直磁化膜の磁気特性及び磁
気光学特性を示す曲線図である。
Claims (1)
- 【請求項1】耐熱基板上にFeイオン、Coイオン及び弗素
化炭化水素を含む硝酸溶液を塗布乾燥後、塗膜をアニー
ルして熱分解することにより基板上にCoフェライトの垂
直磁化膜を形成することを特徴とする酸化物垂直磁化膜
の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62172689A JP2552672B2 (ja) | 1987-07-09 | 1987-07-09 | 酸化物垂直磁化膜の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62172689A JP2552672B2 (ja) | 1987-07-09 | 1987-07-09 | 酸化物垂直磁化膜の作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6415911A JPS6415911A (en) | 1989-01-19 |
JP2552672B2 true JP2552672B2 (ja) | 1996-11-13 |
Family
ID=15946532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62172689A Expired - Lifetime JP2552672B2 (ja) | 1987-07-09 | 1987-07-09 | 酸化物垂直磁化膜の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2552672B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5306128A (en) * | 1992-03-02 | 1994-04-26 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Discharge valve device of a rotary compressor |
US6705151B2 (en) | 1995-05-30 | 2004-03-16 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Angular velocity sensor |
US6912901B1 (en) | 1995-05-30 | 2005-07-05 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Angular velocity sensor |
US6732586B2 (en) | 1995-05-30 | 2004-05-11 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Angular velocity sensor |
JP4843855B2 (ja) * | 2001-03-09 | 2011-12-21 | パナソニック株式会社 | 角速度センサ |
-
1987
- 1987-07-09 JP JP62172689A patent/JP2552672B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6415911A (en) | 1989-01-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0265246B1 (en) | Magnetic iron oxide film and production thereof | |
JP2552672B2 (ja) | 酸化物垂直磁化膜の作製方法 | |
JPH06274954A (ja) | 光磁気記録媒体の製造方法 | |
JPS61196439A (ja) | 光磁気記録媒体とその製造方法 | |
JP2546999B2 (ja) | 酸化物垂直磁化膜の製造方法 | |
JPH01247551A (ja) | 光磁気記録媒体およびその製造方法 | |
JPS6347368A (ja) | 酸化物垂直磁化膜の製造方法 | |
JP2508711B2 (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
JP2770515B2 (ja) | 光磁気記録媒体およびその製造方法 | |
JPH0467684B2 (ja) | ||
JPS59139138A (ja) | 磁気記録媒体及びその製造方法 | |
JPH04311809A (ja) | 垂直磁気記録媒体とその製造方法 | |
JPH0125144B2 (ja) | ||
JP2824998B2 (ja) | 磁性膜 | |
JPS62214521A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPS6310354A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH07192336A (ja) | 光磁気記録媒体の製造方法および光磁気記録媒体 | |
JPH0576547B2 (ja) | ||
JPH0354750A (ja) | 光磁気記録媒体とその製造方法 | |
JPH0582724B2 (ja) | ||
JPS5988808A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS6353735A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH0417648A (ja) | 耐熱性軟磁性薄膜 | |
JPH0338655B2 (ja) | ||
JPH0417647A (ja) | 軟磁性薄膜 |