JP2551726Y2 - 硬貨入出金機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば、銀行などの金
融機関において、硬貨の入金処理と出金処理を行う硬貨
入出金機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の硬貨入出金機としては、
例えば、特開昭６２ー１６４１８９号公報に記載されて
いる構造が知られている。この硬貨入出金機は、入金硬
貨を一括して受け入れた後に、その硬貨を一枚ずつ繰出
して識別を行い、入金硬貨の金額確認を行った後に、出
金用硬貨として循環使用するために、硬貨を金種別に分
類収納するようにし、出金時には金種別に分類収納され
ている硬貨を必要枚数投出して取出し口まで搬出するよ
うにした構造が採られている。

【０００３】そして、この硬貨入出金機は、操作性を考
慮して入金硬貨の投入口と出金硬貨の取出し口とを共通
にして機体の前面側上部に設けられていた。また、硬貨
を一枚ずつ繰出す繰出し構造は、投入口に投入された硬
貨を一括して受入れる関係上、投入口より下方位置に設
けられその下方位置から硬貨を一枚ずつ繰出し、金種別
に分類する分類通路まで搬送ベルトなどによって搬送さ
れるようになっている。この分類通路は金種別に分類し
た硬貨をその下方に重積収納する関係上、分類通路が機
体の上方位置に設けられ、その下方から機体の下方位置
にかけて収納部が設けられている。そして、その収納部
の最下端から硬貨が投出され、搬送ベルトなどを介して
機体上部に設けられた取出し口へ搬送されるようになっ
ている。このような硬貨入出金機においては、比較的低
い位置で繰出された硬貨を搬送ベルトによって上方の分
類通路まで搬送する一方、収納部の最下端から投出され
た出金硬貨を前述の搬送ベルトとは別の搬送ベルトによ
って、上方の取出し口まで搬送するようになっていたた
め、下方から上方への搬送系が多くなり、構造が複雑化
するという問題がある。 また、特開昭５９−１０９９８
８号公報に記載されているように、バケットを昇降可能
に設け、このバケットにより、投入口に投入された入金
硬貨を受入れて硬貨繰出し装置に搬送するとともに、収
納部の最下端から投出された出金硬貨を受入れて上方の
取出し口まで搬送するようにした硬貨入出金機がある。
このような構成により、上下方向の搬送系の構成を簡略
化が可能となる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで、投入口に投
入される入金硬貨に混じって、例えば折れ曲がった変形
硬貨や、パチンコ玉のような異物が間違って投入される
場合がある。

【０００５】従来の硬貨入出金機では、変形硬貨、異物
を硬貨繰出し装置に受入れてしまうと、それら変形硬
貨、異物を繰出すことも回収することもできなくなって
残ってしまい、取引を完了させることも次の取引へ移る
こともできなくなるという問題がある。特に、銀行のＡ
ＴＭ（自動預出金機）などの無人機にこのような装置を
適用する場合には致命的な問題となる。 また、仮に、変
形硬貨、異物などを取出し口まで返却するために搬送系
を別途設けようすれば、上下方向の搬送系が複雑化する
問題が生じる。

【０００６】本考案は上記問題点に鑑みなされたもの
で、硬貨の搬送系、特に、上下方向の搬送系の構成を簡
略化し、硬貨受入後に繰出すことができない変形硬貨、
異物などを容易に返却できる硬貨入出金機を提供するこ
とを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案の硬貨入出金機
は、入出金共用の硬貨取引き口から投入された入金硬貨
を一括して受入れた後に、その硬貨を硬貨分類通路へ一
枚ずつ繰り出して金種別に分類し硬貨収納部に分類収納
するとともに、出金時には硬貨収納部内の硬貨を必要枚
数投出して前記硬貨取引き口へ払出す硬貨入出金機にお
いて、複数枚数の硬貨の貯溜が可能でかつ前記硬貨取引
き口からの硬貨の投入および取出しが可能なバケット形
状とされ、機体内を昇降自在に設けられるとともに貯溜
硬貨を放出する状態に揺動可能に設けられた昇降バケッ
トと、この昇降バケットの昇降軌道に隣接して設けら
れ、この昇降バケットの揺動によって放出される貯溜硬
貨を一括して受入れ、底部に張設された繰出しベルトの
正転によって硬貨を前記硬貨分類通路に一枚ずつ繰出す
とともに、逆転によって前記昇降バケットの昇降軌道内
へ硬貨を一括して放出する硬貨繰出し装置と、前記硬貨
収納部から投出された出金硬貨を前記昇降バケットの昇
降軌道内へ搬送する搬送手段と、前記昇降バケットを昇
降駆動するとともに少くとも硬貨取引き口からの硬貨の
投入および取出しが可能な取引き位置、前記昇降バケッ
トの揺動によって貯溜硬貨を一括して前記硬貨繰出し装
置内に放出する一括放出位置、前記繰出しベルトの逆転
によって一括して放出される貯溜硬貨を受取る一括受取
り位置、および前記搬送手段によって搬送される出金硬
貨を受取る出金受取り位置の各位置において停止させる
昇降駆動停止手段と、前記昇降バケットが前記一括放出
位置にあるときにその昇降バケットに係合して揺動させ
る揺動手段とを具備したものである。

【０００８】

【作用】本考案の硬貨入出金機は、硬貨取引き口から投
入された硬貨は、昇降バケットに受入れられ、バケット
は一括放出位置で揺動手段により揺動して硬貨を硬貨繰
出し装置に放出し、この硬貨繰出し装置は繰出しベルト
の正転駆動によって硬貨を硬貨分類通路に一枚ずつ繰出
し、硬貨分類通路にて硬貨は金種ごとに分類されて硬貨
収納部に収納する。また、硬貨収納部から投出された硬
貨は、搬送手段にて出金受取り位置に待機されているバ
ケットに収納され、バケットは上昇されて硬貨取引き口
に臨ませられ、硬貨取引き口からバケットに収納されて
いる硬貨を取出すことができる。さらに、硬貨取引き口
から投入された硬貨に異物が混入されたときは、バケッ
トから一括放出位置で繰出し装置に放出されると、繰出
しベルトは逆転駆動され、下降されて一括受取り位置に
待機されているバケットに受入れられ、硬貨とともに異
物を収納したバケットは硬貨取引き口にから取出せる位
置に上昇し、硬貨取引き口から異物を取出すことができ
る。

【０００９】

【実施例】本考案の一実施例の構成を図面に基づいて説
明する。

【００１０】図１および図２において、１は機体で筐体
状に形成され、上部前側には入出金共用の硬貨取引き口
２が開口されている。この機体１内には前面内部に沿っ
て昇降される昇降バケット３が設けられている。この昇
降バケット３は図３に示すように、支持枠４に両端後部
を支軸５にて揺動自在に軸支され、この支持枠４の一端
面に支軸５を中心とした円弧状の案内溝６が形成され、
この案内溝６に前記昇降バケット３の一端面に突設した
揺動案内軸７が挿通され、この揺動案内軸７と前記支持
枠４とに両端を係止した引張りコイルスプリング８にて
この昇降バケット３は上面開口部が水平状態となるよう
に保持されている。

【００１１】また、前記支持枠４の一端部に形成した取
付け片部９には案内部10が設けられ、この案内部10に上
下面に貫通した上下方向の案内孔11には前記機体１に支
持した案内軸12が挿通され、また、この昇降バケット３
の他端側に軸支したベアリング13が機体１に取付けた案
内板14に形成されている案内溝15に転動自在に係合され
て昇降自在に支持されるようになっている。そして、前
記取付け片部９に前記機体１の上下部に軸支したプーリ
17に懸回したタイミングベルト18が固着され、このタイ
ミングベルト18の駆動で昇降バケット３は昇降されるよ
うに昇降駆動停止手段16が構成されている。

【００１２】さらに、前記支持枠４には検知片部19が突
設され、この検知片部19は前記硬貨取引き口２からの硬
貨の投入および取出しができる取引き位置を兼ねバケッ
ト３から硬貨を一括して硬貨繰出し装置20内に放出する
一括放出位置Ａ、この硬貨繰出し装置20から硬貨を一括
してバケット３に受取る一括受取り位置Ｂ、取り忘れ硬
貨回収位置Ｃ、搬送手段21によって搬送される出金硬貨
をバスケット３に受取る出金受取り位置Ｄ、補充硬貨受
取り位置Ｅおよび初期補充硬貨受取り位置Ｆの各位置に
それぞれ設けられたフォトセンサなどの検知装置22を作
動させるようになっている。

【００１３】また、前記昇降バケット３の硬貨取引き口
２からの硬貨の投入および取出しができる取引き位置を
兼ねる一括放出位置Ａおよび取り忘れ硬貨回収位置Ｃに
は、それぞれこの昇降バケット３を駆動する揺動手段2
5，26が設けられている。そして、この各揺動手段25，2
6はそれぞれソレノイド28のプランジャ29に後端を枢着
した揺動レバー30，31を有し、この各揺動レバー30，31
は機体１に設けた案内軸33を挿通する案内溝35が形成さ
れている。

【００１４】さらに、一括放出位置Ａの揺動手段25の揺
動レバー30の先端には前記昇降バスケット３の揺動案内
軸７に係脱される下向きに開口した係合溝37が形成さ
れ、前記取り忘れ硬貨回収位置Ｃの揺動手段26の揺動レ
バー31の先端には長孔状の係合溝38が形成されている。
そして、この揺動レバー31の上下縁には案内縁片部39が
折曲げ形成され、この案内縁片部39の後側には傾斜案内
部40が形成されている。また、この揺動レバー31は規制
ブラケット41に進退自在に挿通保持され、この揺動レバ
ー31は引張りコイルスプリング42にて前記昇降バケット
３の揺動案内軸７の昇降位置から退避した位置に保持さ
れ、ソレノイド28の励磁動作で揺動レバー31が後退され
ると、傾斜案内部40と規制ブラケット41との係合で揺動
レバー31が側方に揺動し係合溝38に昇降バケット３の揺
動案内軸７が係合されるようになっている。

【００１５】また、図１および図２に示すように、前記
繰出し装置20は、前記昇降バケット３の昇降軌道に隣接
して一括放出位置Ａにて昇降バケット３から放出された
硬貨を受取る位置に設けられ、底部に上向きに傾斜され
た繰出しベルト43を有し、この繰出しベルト43の上端部
に、この繰出しベルト43の正転方向の駆動時に硬貨の繰
出し方向と反対方向に回転し硬貨を硬貨分類通路44に一
枚ずつ繰出すように規制するローラ43a が設けられてい
る。また、この繰出しベルト43の逆転によって前記昇降
バケット３へ硬貨を一括して放出するようになってお
り、この繰出し装置20の繰出しベルト43の下端部には、
この繰出しベルト43の逆転駆動時に開放され硬貨を一括
受取り位置Ｂの昇降バケット３に放出するシャッター45
が設けられている。

【００１６】前記硬貨分類通路44には繰出し装置20から
繰り出された硬貨を搬送する搬送ベルト46が設けられ、
この硬貨分類通路44に沿って搬送される硬貨を適性硬貨
であるか、または、偽貨または異物などの不適性硬貨で
あるかを識別するイメージセンサなどの識別部47と、こ
の識別部47で不適性硬貨と識別されたものを硬貨分類通
路44から排除するリジェクト機構48と、硬貨を硬貨分類
通路44から保留回収部50に案内する通路開閉機構51と、
さらに、各金種ごとに硬貨を分類選別する選別部52が順
次設けられている。

【００１７】また、前記リジェクト機構48にて硬貨分類
通路44から排出された硬貨は前記機体１内の下部に設け
られた搬送手段55上にシュート49によって案内されるよ
うになっている。

【００１８】また、前記通路開閉機構51は図示しないソ
レノイドによって硬貨分類通路44を開口するシャッタを
有し、このシャッタの開放で硬貨分類通路44を通過する
硬貨を保留回収部50に落下分離させるようにし、落下分
離された硬貨は、この保留回収部50に設けたシャッタ板
56上に一時保留されるようになっている。このシャッタ
板56はソレノイド57の励磁動作で開放し非励磁の常時は
閉じており硬貨を保留するようになっている。さらに、
この保留回収部50にはシャッタ板56の下方にソレノイド
58によって通路を切換える切換え板59が設けられ、この
ソレノイド58の非励磁の常時は保留回収部50は前記搬送
手段55に連通させ、このソレノイド58の励磁時には機体
１の下部に挿脱自在に設けた回収箱60に連通されるよう
になっている。

【００１９】また、前記硬貨選別部52は硬貨の径によっ
て小径の硬貨から選別する選別孔61から各金種ごとの筒
状の硬貨収納部62に硬貨を落下させる構成、または、選
別孔61を前記識別部47の識別信号で作動するソレノイド
にて開閉される選別シャッタにて開閉するようにして各
金種ごとに硬貨を硬貨収納部62に収納させる構成など適
宜の構成を有している。

【００２０】また、前記各硬貨収納部62に落下された硬
貨は重積収納され、この各硬貨収納部62の下部に設けら
れた硬貨投出手段63によって重積された硬貨の最下端か
ら順次一枚ずつ放出されるようになっている。

【００２１】また、前記各硬貨収納部62から投出された
出金硬貨は前記昇降バケット３の昇降軌道内へ搬送する
前記搬送手段55の搬送ベルト64上に供給されるようにな
っている。そして、出金硬貨はこの搬送ベルト64によっ
て出金受取り位置Ｄに位置されている昇降バケット３に
放出されるようになっている。

【００２２】また、この搬送手段55の中間部には搬送ベ
ルト64にて搬送される硬貨をこの搬送手段55の下方に位
置して機体１内に設けられた金箱65に誘導するゲート板
66が設けられ、このゲート板66はロータリーソレノイド
67の励磁動作によって搬送ベルト64上に進出されて硬貨
を金箱65に誘導する。また、この金箱65内には収納され
た硬貨を前記補充硬貨受取り位置Ｅの昇降バケット３に
搬送する繰出しコンベア68が設けられている。

【００２３】さらに、前記回収箱60には収納されている
硬貨を繰出す繰出しコンベア69が設けられ、この繰出し
コンベア69にて繰出された硬貨は搬送コンベア70にて初
期補充硬貨受取り位置Ｆに位置している前記昇降バケッ
ト３に収納されるようにようになっている。

【００２４】また、前記取り忘れ硬貨回収位置Ｃの昇降
バケット３から放出される硬貨は取り忘れ硬貨収納箱71
に収納されるようになっている。

【００２５】さらに、機体１内には前記昇降駆動停止手
段16、昇降バケット３の揺動手段25，26、硬貨繰出し装
置43、硬貨分類通路44の搬送ベルト46、硬貨投出手段6
3、繰出しコンベア68，59などの制御部72が設けられて
いる。

【００２６】次にこの実施例の作用を説明する。

【００２７】硬貨を受入れる場合には、硬貨取引き口２
に投入された硬貨は、取引き位置を兼ねバケット３から
硬貨を一括して硬貨繰出し装置20内に放出する一括放出
位置Ａの昇降バケット３内に収納される。そして、一括
放出位置Ａの揺動手段25の揺動レバー30の先端に形成さ
れている係合溝37に係合した前記昇降バケット３の揺動
案内軸７がソレノイド28の励磁動作でプランジャ29を介
して引き寄せられ、昇降バケット３は支軸５を中心とし
て回動され、昇降バケット３内の硬貨は硬貨繰出し装置
20の繰出しベルト43上に放出され、この繰出しベルト43
の正転方向の駆動によりローラ43a にて一枚ずつ硬貨分
類通路44に繰出される。

【００２８】また、硬貨分類通路44に繰出された硬貨
は、搬送ベルト46によって搬送され、搬送される硬貨は
識別部47にて金種、および適性硬貨であるか、または、
偽貨または異物などの不適性硬貨であるかを識別され、
この識別部47で適性硬貨と識別された硬貨は、硬貨を硬
貨分類通路44からソレノイドによって開放されている通
路開閉機構51のシャッタにて保留回収部50に落下され
る。落下された硬貨は、この保留回収部50に設けたシャ
ッタ板56上に一時保留される。

【００２９】そして、この保留回収部50に保留された硬
貨はソレノイド57にて開放されるシャッタ板56にて下方
に落下され、ソレノイド58によって通路を切換える切換
え板59に案内されて前記搬送手段55の搬送ベルト64上に
放出され、この搬送ベルト64にて硬貨は出金受取り位置
Ｄに位置されている昇降バケット３に放出される。

【００３０】次いで、昇降バケット３は昇降駆動停止手
段16のタイミングベルト18の駆動で硬貨を一括して硬貨
繰出し装置20内に放出する一括放出位置Ａまで上昇さ
れ、検知片部19が検知装置22にて検知され、昇降駆動停
止手段16が昇降バケット３を停止させる。このとき、昇
降バケット３の揺動案内軸７は一括放出位置Ａの揺動手
段25の揺動レバー30の先端に形成されている係合溝37に
係合される。この状態で、一括放出位置Ａの揺動手段25
の動作で、再び前記昇降バケット３の揺動案内軸７が引
き寄せられ、昇降バケット３は支軸５を中心として回動
され、昇降バケット３内の硬貨は硬貨繰出し装置20の繰
出しベルト43上に放出され、この繰出しベルト43の正転
方向の駆動により硬貨分類通路44に繰出される。この硬
貨分類通路44に繰出された硬貨は、搬送ベルト46によっ
て搬送され、識別部47にて金種を識別され、硬貨は硬貨
選別部52によって各金種ごとの硬貨収納部62に硬貨を落
下されて重積収納される。

【００３１】また、前記硬貨取引き口２に投入された硬
貨に異物が混入され、硬貨繰出し装置20から硬貨分類通
路44に繰出されずに残留している異物があるときには、
シャッター45が開き、異物は繰出しベルト43の逆転によ
って一括受取り位置Ｂの昇降バケット３へ硬貨を一括し
て放出される。そして、昇降バケット３は上昇し、取引
き位置を兼ねる一括放出位置Ａにて硬貨および異物を硬
貨取引き口２から取出すことができる。

【００３２】また、硬貨の受入れ時に、識別部47で不適
性硬貨または異物として識別されると、不適性硬貨また
は異物はリジェクト機構48にて硬貨分類通路44から排出
され、搬送手段55上にシュート49によって案内される。
そして、搬送手段55にて昇降バケット３に収納され、不
適性硬貨または異物はこの昇降バケット３の上昇で硬貨
取引き口２から取出すことができる。

【００３３】さらに、各硬貨収納部62の内、硬貨が満杯
となった硬貨収納部62の硬貨投出手段63が動作し、投出
された硬貨は搬送手段55の搬送ベルト64にて搬送され、
ロータリーソレノイド67の励磁動作によって搬送ベルト
64上に進出されているゲート板66にて金箱65に誘導収納
される。

【００３４】また、硬貨収納部62の硬貨が不足して補充
するときには、金箱65の繰出しベルト68が駆動し、硬貨
は補充硬貨受取り位置Ｅに位置されている昇降バケット
３に収納され、この昇降バケット３は一括放出位置Ａま
で上昇される。そして、昇降バケット３は一括放出位置
Ａの揺動手段25の動作で、昇降バケット３は支軸５を中
心として回動され、昇降バケット３内の硬貨は硬貨繰出
し装置20の繰出しベルト43上に放出され、この繰出しベ
ルト43の正転方向の駆動により硬貨分類通路44に繰出さ
れる。この硬貨分類通路44に繰出された硬貨は、搬送ベ
ルト46によって搬送され、識別部47にて金種を識別さ
れ、硬貨は硬貨選別部52によって各金種ごとの硬貨収納
部62に硬貨を落下されて重積収納されて補充される。

【００３５】さらに、初期硬貨補充に際しては、回収箱
60の繰出しベルト69が駆動され、硬貨はこの繰出しベル
ト69にて繰出され、搬送コンベア70にて初期補充硬貨受
取り位置Ｆに位置している昇降バケット３に収納され、
この昇降バケット３は一括放出位置Ａまで上昇される。
そして、昇降バケット３は一括放出位置Ａの揺動手段25
の動作で、昇降バケット３内の硬貨は硬貨繰出し装置20
の繰出しベルト43上に放出され、この繰出しベルト43の
正転方向の駆動により硬貨分類通路44に繰出される。こ
の硬貨分類通路44に繰出された硬貨は、搬送ベルト46に
よって搬送され、識別部47にて金種を識別され、硬貨は
硬貨選別部52によって各金種ごとの硬貨収納部62に硬貨
を落下されて重積収納される。

【００３６】また、硬貨の払出しに際しては、硬貨投出
手段63の動作で硬貨は搬送手段55の搬送ベルト64上に投
出され、出金硬貨は搬送ベルト64にて出金受取り位置Ｄ
に位置されている昇降バケット３に供給される。そし
て、この昇降バケット３の取引き位置を兼ねる一括放出
位置Ａまでの上昇で出金硬貨を硬貨取引き口２から取出
すことができる。

【００３７】さらに、機体１内の硬貨を回収する場合に
は、各硬貨収納部62から硬貨投出手段63にて硬貨を搬送
手段55の搬送ベルト64上に放出し、硬貨は搬送ベルト64
にて出金受取り位置Ｄに位置されている昇降バケット３
に供給される。そして、この昇降バケット３の取引き位
置を兼ねる一括放出位置Ａまで上昇させ、昇降バケット
３は一括放出位置Ａの揺動手段25の動作で、昇降バケッ
ト３内の硬貨は硬貨繰出し装置20の繰出しベルト43上に
放出され、この繰出しベルト43の正転方向の駆動により
硬貨分類通路44に繰出される。この硬貨分類通路44に繰
出された硬貨は、ソレノイドによって硬貨分類通路44を
シャッタにて開口する通路開閉機構51によって保留回収
部50に落下され、硬貨は、この保留回収部50に設けたシ
ャッタ板56がソレノイド57の励磁動作で開放され、ま
た、ソレノイド58によって切換えられている切換え板59
にて回収箱60に回収される。

【００３８】また、硬貨の払出しに際して、昇降バケッ
ト３の取引き位置を兼ねる一括放出位置Ａでの出金硬貨
の取り忘れがあった場合には、昇降バケット３は取り忘
れ硬貨回収位置Ｃまで下降され、検知片部19が検知装置
22にて検知され、昇降駆動停止手段16が昇降バケット３
を停止させる。そして、昇降バケット３を駆動する揺動
手段26のソレノイド28が励磁され、プランジャ29に後端
を枢着した揺動レバー31が引張られ、この揺動レバー31
の引張りコイルスプリング42に抗した後退で、揺動レバ
ー31の傾斜案内部40と規制ブラケット41との係合で揺動
レバー31が側方に揺動し係合溝38に昇降バケット３の揺
動案内軸７が係合される。さらに引き続き揺動レバー31
が後退されると、昇降バケット３は支軸５を中心として
図４鎖線で示すように回動し、取り忘れ硬貨は取り忘れ
硬貨収納箱71に収納される。

【００３９】なお、前記実施例では、昇降バケット３の
硬貨取引き口２からの硬貨の投入および取出しができる
取引き位置と繰出し装置20への一括放出位置を共通とし
たが、それぞれ異なる位置に形成することもできる。

【００４０】

【考案の効果】本考案の硬貨入出金機によれば、昇降バ
ケットを取引き位置、一括放出位置、一括受取り位置お
よび出金受取り位置の各位置に昇降させるため、硬貨取
引き口での入金硬貨の投入および出金硬貨の取出し、硬
貨取引き口から投入された入金硬貨を一枚ずつ繰出して
金種別に分類収納するための硬貨繰出し装置への放出、
硬貨収納部から投出される出金硬貨の硬貨取引き口への
払出しを行え、さらに、硬貨繰出し装置に受入れた後に
繰出すことができない変形硬貨、異物などの硬貨取引き
口への返却をも行え、したがって、硬貨の搬送系、特
に、上下方向の搬送系の構成を簡略化できるとともに、
硬貨繰出し装置に残る変形硬貨、異物などを容易に返却
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す硬貨入出金機の縦断正
面図である。

【図２】同上縦断側面図である。

【図３】同上昇降バケット部の分解斜視図である。

【図４】同上昇降バケット部の取り忘れ硬貨回収部の側
面図である。

【符号の説明】

１ 機体 ２ 硬貨取引き口 ３ 昇降バケット 16 昇降駆動停止手段 20 硬貨繰出し装置 25 揺動手段 43 繰出しベルト 44 硬貨分類通路 55 搬送手段 62 硬貨収納部 Ａ 取引き位置を兼ねる一括放出位置 Ｂ 一括受取り位置 Ｄ 出金受取り位置

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 入出金共用の硬貨取引き口から投入され
   た入金硬貨を一括して受入れた後に、その硬貨を硬貨分
   類通路へ一枚ずつ繰り出して金種別に分類し硬貨収納部
   に分類収納するとともに、出金時には硬貨収納部内の硬
   貨を必要枚数投出して前記硬貨取引き口へ払出す硬貨入
   出金機において、 複数枚数の硬貨の貯溜が可能でかつ前記硬貨取引き口か
   らの硬貨の投入および取出しが可能なバケット形状とさ
   れ、機体内を昇降自在に設けられるとともに貯溜硬貨を
   放出する状態に揺動可能に設けられた昇降バケットと、この 昇降バケットの昇降軌道に隣接して設けられ、この
   昇降バケットの揺動によって放出される貯溜硬貨を一括
   して受入れ、底部に張設された繰出しベルトの正転によ
   って硬貨を前記硬貨分類通路に一枚ずつ繰出すととも
   に、逆転によって前記昇降バケットの昇降軌道内へ硬貨
   を一括して放出する硬貨繰出し装置と、 前記硬貨収納部から投出された出金硬貨を前記昇降バケ
   ットの昇降軌道内へ搬送する搬送手段と、 前記昇降バケットを昇降駆動するとともに少くとも硬貨
   取引き口からの硬貨の投入および取出しが可能な取引き
   位置、前記昇降バケットの揺動によって貯溜硬貨を一括
   して前記硬貨繰出し装置内に放出する一括放出位置、前
   記繰出しベルトの逆転によって一括して放出される貯溜
   硬貨を受取る一括受取り位置、および前記搬送手段によ
   って搬送される出金硬貨を受取る出金受取り位置の各位
   置において停止させる昇降駆動停止手段と、 前記昇降バケットが前記一括放出位置にあるときにその
   昇降バケットに係合して揺動させる揺動手段とを具備し
   たことを特徴とする硬貨入出金機。