JPH10208107A - 硬貨入金装置および循環式硬貨入出金機 - Google Patents

硬貨入金装置および循環式硬貨入出金機

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JPH10208107A
JPH10208107A JP9014046A JP1404697A JPH10208107A JP H10208107 A JPH10208107 A JP H10208107A JP 9014046 A JP9014046 A JP 9014046A JP 1404697 A JP1404697 A JP 1404697A JP H10208107 A JPH10208107 A JP H10208107A
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JP
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coin
coins
shutter
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depositing
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JP9014046A
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Inventor
Yoshiaki Shimazu
義昭 嶋津
Toshiyasu Hagiwara
敏康 萩原
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Glory Ltd
Original Assignee
Glory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入金硬貨を投入する入金部において発生した
残留硬貨類を簡単に解消する。 【解決手段】 入金口11を開閉する入金口シャッタ15を
設ける。入金口シャッタ15を開閉駆動するシャッタ開閉
駆動部51を設ける。上部に入金口11を有し、入金口11を
通じて入金硬貨を受け入れるとともに1枚ずつ分離して
入金経路121 に繰り込む入金硬貨繰込部71を設ける。入
金硬貨繰込部71に、残留硬貨類を検知する残留検知セン
サ76a ,76b を設ける。残留検知センサ76a ,76b によ
る残留検知時、入金処理を一時中断させて、入金口シャ
ッタ15を開放させ、入金口11からの残留解消操作を可能
とする。残留解消操作後、入金口シャッタ15を閉鎖さ
せ、入金処理を再開させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば循環式硬貨
入出金機や硬貨入金機などに適用され、入金硬貨繰込部
入金口に投入される入金硬貨を入金経路に繰り込む硬貨
入金装置、およびこの硬貨入金装置を備えた循環式硬貨
入出金機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の循環式硬貨入出金機では、例えば
特開昭60−245094号公報に記載されているよう
に、機体の前面にシャッタで開閉される入出金口(入金
口と出金口を兼ねる)を設け、この入出金口の下方に硬
貨を受け入れる受皿を設け、受皿の下方に受皿から放出
される硬貨を受け入れるとともに硬貨を1枚ずつ分離し
て硬貨通路に繰り込む硬貨繰込部を設けている。
【0003】そして、入金処理時においては、シャッタ
を開放して入出金口への入金硬貨の投入を可能とし、入
金硬貨が受皿に投入されたらシャッタを閉鎖し、受皿の
硬貨を硬貨繰込部に放出し、硬貨繰込部により硬貨を1
枚ずつ分離して硬貨通路に繰り込んで識別と分類を行な
い、入金硬貨のうちの出金に使用する硬貨のみを金種別
硬貨収納繰出部に収納する。また、出金処理時におい
て、金種別硬貨収納繰出部から投出される硬貨を受皿に
払い出し、シャッタを開放して入出金口からの出金硬貨
の取り出しを可能とし、硬貨取出後にシャッタを閉鎖す
る。
【0004】ところで、硬貨を1枚ずつ分離して硬貨通
路に繰り込む硬貨繰込部においては、例えば側壁などに
寄り掛かって立ち回りしているような正規硬貨の他に、
変形硬貨、偽造貨、異物など(以下、残留硬貨類と呼
ぶ)を硬貨通路に繰り込むことができず、残留が生じや
すい。
【0005】従来、このような残留硬貨類の発生を検知
した場合、硬貨繰込部から残留硬貨類を排出させるとと
もに入出金口に搬送して返却するようにしている。
【0006】あるいは、残留硬貨類の発生を検知した場
合、硬貨繰込部の残留硬貨類を回収箱などに回収し、回
収される残留硬貨類に異物以外に現金が混ざっている可
能性があるため、以後の入出金処理を不能とするべく機
械をダウンさせている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硬貨繰
込部での残留硬貨類の発生時に、機械がダウンしてしま
うと、以後の入出金処理が不能となる問題があり、ま
た、機械をダウンさせないために、残留硬貨類を入出金
口に返却するようにすると、その残留硬貨類を入出金口
に返却するための大掛かりな機構が必要となり、複雑化
および大形化するとともに、コスト高になる問題があ
る。
【0008】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、入金硬貨繰込部で残留硬貨類を検知した場合
に、機械をダウンさせたり、残留硬貨類の返却のために
特別な機構を用いることなく、残留解消を簡単にできる
硬貨入金装置および循環式硬貨入出金機を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の硬貨入金
装置は、上部に入金硬貨を受け入れる入金口を有すると
ともに、この入金口の下部に入金硬貨を1枚ずつ分離し
て入金経路に繰り込む繰込手段を有する入金硬貨繰込部
を備え、入金硬貨の入金経路への繰込処理およびその後
の処理を含む入金処理を行なう入金処理部と、前記入金
口を開閉する入金口シャッタと、前記入金口シャッタを
開閉駆動するシャッタ開閉駆動部と、前記入金硬貨繰込
部に設けられ、残留硬貨類を検知する残留検知センサ
と、この残留検知センサの入力を受けて残留検知と判断
した場合に、前記入金処理部による入金処理を一時中断
させるとともに前記シャッタ開閉駆動部により入金口シ
ャッタを開放させて入金口を通じて残留解消操作を可能
とし、かつ、残留解消操作後にシャッタ開閉駆動部によ
り入金口シャッタを閉鎖させるとともに入金処理部によ
る入金処理を再開させる制御部とを具備しているもので
ある。
【0010】入金処理時には、入金口を通じて入金硬貨
が入金硬貨繰込部に投入され、入金口シャッタの閉鎖状
態において、入金硬貨繰込部から入金硬貨が1枚ずつ分
離されて入金経路に繰り込まれ、入金処理部による入金
処理が行なわれる。
【0011】入金硬貨繰込部で繰込不能の残留硬貨類が
検知された場合に、入金処理部による入金処理が一時中
断されるとともに、入金口シャッタが自動または手動操
作で開放されて入金口から残留硬貨類の除去などの残留
解消操作が行なえる。残留解消操作後には、入金口シャ
ッタが自動または手動操作で閉鎖されるとともに、入金
処理部による入金処理が再開される。
【0012】なお、残留硬貨類には、例えば側壁などに
寄り掛かって立ち回りしているような正規硬貨の他に、
変形硬貨、偽造貨、異物などが含まれる。
【0013】請求項2記載の硬貨入金装置は、請求項1
記載の硬貨入金装置において、入金口シャッタは、入金
硬貨が投入される投入口を有し、シャッタ閉鎖状態にお
いて投入口からの入金硬貨の投入を可能とするととも
に、シャッタ開放状態において残留解消操作を可能とす
るものであり、入金硬貨以外の異物などの投入の可能性
が低減される。
【0014】請求項3記載の硬貨入金装置は、請求項1
記載の硬貨入金装置において、入金口の上方の機体に入
金硬貨が投入される投入口が設けられ、入金口シャッタ
は残留解消操作時に開放されるものであり、入金硬貨以
外の異物などの投入の可能性が低減される。
【0015】請求項4記載の硬貨入金装置は、請求項2
または3記載の硬貨入金装置において、投入口を開閉す
る投入口シャッタを有するものであり、入金処理時以外
での投入口への硬貨や異物などの投入が防止される。
【0016】請求項5記載の硬貨入金装置は、請求項1
記載の硬貨入金装置において、入金口シャッタは、入金
硬貨の投入時および残留解消操作時に開放されるととも
に、入金処理部による入金処理時に閉鎖されるものであ
り、入金硬貨の投入および残留解消操作が容易に行なえ
るとともに、入金処理を確実に行なえる。
【0017】請求項6記載の循環式硬貨入出金機は、入
金硬貨中の出金に使用する硬貨を分類して金種別硬貨収
納繰出部に収納するとともに、金種別硬貨収納繰出部の
硬貨を繰り出して出金する循環式硬貨入出金機におい
て、請求項1ないし5いずれか記載の硬貨入金装置と、
この硬貨入金装置の入金硬貨繰込部の入金口とは別に設
けられ、出金硬貨が出金される出金口とを具備している
ものであり、入金口と出金口が別々であるため、入金経
路、出金経路の簡略化が可能となる。
【0018】請求項7記載の循環式硬貨入出金機は、請
求項6記載の循環式硬貨入出金機において、入金口と出
金口が並設されるとともに、入金口と出金口を開閉する
入金口シャッタと出金口シャッタが設けられ、それら入
金口シャッタと出金口シャッタが共通のシャッタ開閉駆
動部で駆動されるものであり、シャッタ開閉構造が簡素
化される。
【0019】請求項8記載の循環式硬貨入出金機は、請
求項7記載の循環式硬貨入出金機において、入金口と出
金口を開閉する入金口シャッタと出金口シャッタおよび
投入口を開閉する投入口シャッタが共通のシャッタ開閉
駆動部で駆動されるものであり、シャッタ開閉構造が簡
素化される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の硬貨入金装置を適
用した循環式硬貨入出金機の実施の形態を図面を参照し
て説明する。
【0021】まず、図1ないし図26に第1の実施の形
態を示して説明する。
【0022】図6に示すように、1は循環式硬貨入出金
機の機体で、この機体1は、前後方向および上下方向の
寸法が長く、左右方向の幅寸法が短い箱状に形成されて
いる。機体1の上面前部には入金硬貨の投入および出金
硬貨の取り出しが行なわれる開口部2が形成され、この
開口部2に硬貨入金装置の一部を構成する後述するシャ
ッタ機構3が配設されている。機体1の右側面には、取
忘れボックス5および回収ボックス6がそれぞれ引出可
能に装填されているとともに、機体1内に装填される後
述する出金カセット7および補充カセット8が出し入れ
される扉体9が開閉可能に配設されている。
【0023】そして、この循環式硬貨入出金機は、例え
ば銀行などの金融機関の2人のデラーの間に設置されて
共用されるものであり、前面運用する場合には機体1を
前方へ引き出して取忘れボックス5、回収ボックス6お
よび補充カセット8などの着脱が行なわれ、後面運用す
る場合には機体1を後方へ引き出して取忘れボックス
5、回収ボックス6および補充カセット8などの着脱が
行なわれる。
【0024】次に、図1ないし図5に示すように、開口
部2の下方には入金口11と出金口12が並設され、これら
入金口11と出金口12がシャッタ機構3によって選択的に
開閉される。シャッタ機構3は、入金口シャッタおよび
出金口シャッタとして兼用される第1のシャッタ15、入
金口シャッタおよび投入口シャッタとして兼用される第
2のシャッタ16、投入口シャッタとしての第3のシャッ
タ17を有している。
【0025】第1のシャッタ15は、入金口11および出金
口12を閉鎖可能とするとともに開口部2全体を閉鎖可能
とする寸法形状に形成され、機体1側に対して前後方向
に移動自在に支持されている。第1のシャッタ15の後縁
の左端(出金口12側)には作動板21が連結固定片21a に
て取り付けられ、この作動板21の後端には下方に突出さ
れるとともに第1のシャッタ15の後縁に沿って第2のシ
ャッタ16の後方域に突出される作動部22が形成されてい
る。
【0026】第1のシャッタ15の作動板21には、第1の
シャッタ15を前方の閉鎖方向に付勢するスプリング23が
連結されている。出金口12の前方には第1のシャッタ15
の閉鎖位置で第1のシャッタ15の前縁部位置を規制する
ストッパ24が配設され、出金口12の後方には第1のシャ
ッタ15の閉鎖位置で作動板21を係止可能とする第1のソ
レノイド25が配設されている。第1のソレノイド25には
この第1のソレノイド25の作動によって上下動(励磁時
に上昇、非励磁時に下降)されるロック片26(第1のソ
レノイド25の鉄心と兼用される)が設けられ、このロッ
ク片26の上昇により第1のシャッタ15が閉塞位置で係止
され、ロック片26の下降により第1のシャッタ15の後方
への開放移動が許容される。
【0027】第1のシャッタ15の閉塞位置における入金
口11の上方位置の上面には投入口金具27が取り付けら
れ、この投入口金具27および第1のシャッタ15を貫通し
て投入口28が形成されている。投入口28には、複数(例
えば5枚)の硬貨を重積状態で一度にまとめて投入可能
とする。第1のシャッタ15の右側(入金口11側)の側縁
前端には、係合片部29が突出形成されている。
【0028】また、第2のシャッタ16は、入金口11を閉
鎖可能とする寸法形状に形成され、第1のシャッタ15の
下側に配置されるとともに、機体1側に対して前後方向
に移動自在に支持されている。第2のシャッタ16の後端
には下方に突出されるとともに第1のシャッタ15の作動
板21に向けて突出される作動部31が形成されている。こ
の作動部31は、第1のシャッタ15の作動部22より前方に
位置されるとともに、その作動部22と一部が互いに重な
り合うように構成されている。
【0029】第2のシャッタ16の作動部31には、第2の
シャッタ16を前方の閉鎖方向に付勢するスプリング32が
連結されている。入金口11の前方には第2のシャッタ16
の閉鎖位置で第2のシャッタ16の前縁部位置を規制する
ストッパ33が配設され、入金口11の後方には第2のシャ
ッタ16の閉鎖位置で係止可能とする第2のソレノイド34
が配設されている。第2のソレノイド34にはこの第2の
ソレノイド34の作動によって上下動(励磁時に上昇、非
励磁時に下降)されるロック片35(第2のソレノイド34
の鉄心と兼用される)が設けられ、第2のシャッタ16に
はロック片35が係脱可能とする係合凹部36が形成されて
いる。第2のシャッタ16の閉鎖状態において、ロック片
35の上昇によりこのロック片35が係合凹部36に係合して
第2のシャッタ16が閉塞位置で係止され、ロック片35の
下降により第2のシャッタ16の後方への開放移動が許容
される。
【0030】第2のシャッタ16には、第1および第2の
シャッタ15,16の閉鎖状態(図3に示す状態)におい
て、第1のシャッタ15の投入口28の位置に対応してその
投入口28より大形の開口37が形成されている。
【0031】また、第3のシャッタ17は、投入口28およ
び開口部37を閉鎖可能とする寸法形状に形成され、第2
のシャッタ16の下側に配置されるとともに、機体1側に
対して前後方向に移動自在に支持されている。第3のシ
ャッタ17の右端にはレバー部41が後方に延設され、この
レバー部41の後端に第1のシャッタ15の係合片部29と係
合可能とする作動部42が上方に突出形成されている。レ
バー部41には、第3のシャッタ17を前方に付勢するスプ
リング43が連結されている。レバー部41の前方域には、
第3のシャッタ17が入金口11の上方に位置するとともに
閉鎖状態の第2のシャッタ16の開口37より前方に位置す
る状態で、第3のシャッタ17の前縁部位置を規制するス
トッパ44が配設されている。
【0032】第3のシャッタ17のレバー部41の前端下面
には第3のソレノイド45が取り付けられ、この第3のソ
レノイド45にはこの第3のソレノイド45の作動によって
上下動(励磁時に上昇、非励磁時に下降)される作動片
46(第3のソレノイド45の鉄心が兼用される)が設けら
れている。作動片46の上昇により第1のシャッタ15の係
合片部29と係合可能とし、作動片46の下降により第1の
シャッタ15の係合片部29と係合しない。作動片46はレバ
ー部41の前端に形成された凹部47内に上下動可能に配置
されている。
【0033】なお、図4に示すように、第2のシャッタ
16が閉鎖状態のままで、第1のシャッタ15が開放位置に
移動され、第1のシャッタ16の係合片部29と第3のシャ
ッタ17の作動部42が係合されて第3のシャッタ17が後方
へ移動された状態において、第3のシャッタ17が第2の
シャッタ16の開口37を閉鎖するように寸法関係が設定さ
れている。
【0034】また、第1ないし第3のシャッタ15〜17
は、共通のシャッタ開閉駆動部51によって選択的に開閉
される。このシャッタ開閉駆動部51は、出金口12の後方
において、それぞれほぼ垂直状のプーリ軸52,53を中心
として回転可能に配設された前後一対のプーリ54,55、
これら両プーリ54,55に張設された無端状のベルト56を
有している。
【0035】後方のプーリ55のプーリ軸53には正逆転駆
動するステッピングモータなどのシャッタモータ57が連
結されている。さらに、そのプーリ軸53には放射状に複
数のスリットが形成されたスリット板58が固定され、こ
のスリット板58の上下面に臨んでプーリ軸53の回転量を
検知するための投受光式の回転量検知センサ59が配設さ
れている。
【0036】ベルト56の上縁の1箇所には、第1のシャ
ッタ15の作動部22または第2のシャッタ16の作動部31に
係合可能とするピン60が突設されている。さらに、ベル
ト56の側面の1箇所には検知孔61が形成され、図2に示
すように、ピン60で第2のシャッタ16の作動部31を後方
へ押動させて、第2のシャッタ16で第1のシャッタ15の
投入口28を閉鎖した状態、すなわち入金口11、出金口12
および投入口28の全てが閉鎖された定位置の状態で、検
知孔61を検知する投受光式の一対の定位置検知センサ62
が配設されている。
【0037】そして、詳細は後述するが、シャッタ開閉
駆動部51により、第1ないし第3のシャッタ15〜17が選
択的に開閉される。
【0038】次に、図1、図7および図8に示すよう
に、入金口11の下方には、入金口11に投入された硬貨を
受け入れるとともに1枚ずつ分離して入金経路としての
後述する硬貨通路121 に繰り込む入金硬貨繰込部71が配
設されている。入金硬貨繰込部71は、入金口11が上縁開
口縁とされるとともに、上下方向に連通開口する入金ホ
ッパ72を有し、この入金ホッパ72の底面開口72a は、後
方に上昇傾斜して前後方向に沿って配設された繰込手段
としてのベルトコンベヤ73が臨み、これらによって入金
硬貨繰込部71が構成され、ベルトコンベヤ73はそのベル
ト上面が後方へ移動するように図示しないモータの駆動
によって回転される。
【0039】この入金ホッパ72は上方の入金口11から下
端の底面開口72a に向けて角形の漏斗状に狭まってお
り、その底面のベルトコンベヤ73に臨む底面開口72a の
ベルトコンベヤ73の幅に対応する幅方向寸法は処理対象
の最大径硬貨の径寸法よりやや大で最小径硬貨の径寸法
の2倍より小なる寸法とされる。
【0040】ベルトコンベヤ73の上方には、ベルト上面
との間に硬貨1枚が通過可能とする間隙をあけて、図示
しないモータの駆動によってベルト上面に対して逆方向
に回転される逆転ローラ74が配設されている。そして、
ベルトコンベヤ73によって入金ホッパ72内の硬貨を後方
へ移動させ、逆転ローラ74と入金ホッパ72の底面開口72
a によってベルト上面に直接載って移動する1層目の硬
貨で径方向にも1枚の硬貨の通過を許容するとともにそ
の1層目の硬貨上に重なる2層以上の硬貨を入金ホッパ
72内に戻し、入金ホッパ72から硬貨を1枚ずつ繰り出
す。なお、入金ホッパ72の底面開口72a は逆転ローラ74
の後段まで延び、後述する硬貨通路121 の入口まで硬貨
を径方向に1枚規制して案内する。
【0041】閉塞状態の第1のシャッタ15の投入口28の
下方位置において、その投入口28に投入される硬貨を検
知する投受光式の一対の投入口検知センサ75が前後に対
向して配設されている。前側の一方の投入口検知センサ
75は第3のシャッタ17の下面側に取り付けられている。
また、ベルトコンベヤ73のベルト上面に臨む複数位置に
おいて、そのベルトコンベヤ73上に投入された残留硬貨
類(なお、出金硬貨、入金返却硬貨、リジェクト貨(偽
貨、変造貨などを含む)、異物、これらを総称して残留
硬貨類という)を検知する投受光式の一対の残留検知セ
ンサ76a ,76bがそれぞれ左右に対向して配設されてい
る。なお、残留硬貨類には、例えば入金ホッパ72の側壁
などに寄り掛かって立ち回りしているような正規硬貨の
他に、変形硬貨、偽造貨、異物などが含まれる。
【0042】また、出金口12の下方には、後述する出金
硬貨、返却硬貨、リジェクト硬貨などを受け入れる出金
トレイ81が配設されている。この出金トレイ81の底面
は、図示しないモータの駆動によって開閉される円弧状
の可動底板82にて構成されている。可動底板82の上面に
沿って臨む複数箇所において、その可動底板82上に払い
出された硬貨などを検知する投受光式の一対の残留検知
センサ83がそれぞれ左右に対向して配設されている。そ
して、出金トレイ81で取忘れ硬貨が検知された場合に
は、可動底板82が開放されて取忘れ硬貨が取忘れボック
ス5に放出される。
【0043】また、入金ホッパ72のベルトコンベヤ73の
後端に連続して、ベルトコンベヤ73から1枚ずつ繰り出
される硬貨を受け入れて搬送する入金経路としての硬貨
通路121 が前後方向に沿って配設されている。この硬貨
通路121 は、通路底板122 と、この通路底板122 上に径
方向に1枚状態での処理対象硬貨の通過が可能な間隙を
あけて配置された一対の通路側板123 ,124 とにて形成
されている。一方の通路側板123 には、下流側が通路内
方に傾斜突出する第1のガイド壁123a、この第1のガイ
ド壁123aに連続した第1の基準壁123b、下流側が通路内
方に傾斜突出する第2のガイド壁123c、この第2のガイ
ド壁123cに連続した第2の基準壁123dが形成されてい
る。他方の通路側板124 は、一方の通路側板123 の形状
に対応した形状に形成されている。
【0044】通路底板122 の上方には、第1のガイド壁
123aから第1の基準壁123bの範囲に対応して第1の搬送
ベルト125 が前後一対のプーリ126 ,127 によって張設
され、第2のガイド壁123cから第2の基準壁123dの範囲
に対応して第2の搬送ベルト128 が前後一対のプーリ12
7 ,129 によって張設され、これら搬送ベルト125 ,12
8 が図示しないモータの駆動によって回転される。これ
ら搬送ベルト125 ,128 の通路底板122 に対向するベル
ト部位には、そのベルト部位を後述する各分類孔134 〜
138 に向けて押える複数の押えプーリ130 が配設されて
いる。各搬送ベルト125 ,128 は、下流側が各基準壁12
3b,123dに近接するように硬貨搬送方向に対して傾斜さ
れている。
【0045】そして、硬貨通路121 内に進入する硬貨
を、第1の搬送ベルト125 の下側にくわえ込んで、第1
のガイド壁123aを通じて第1の基準壁123bに沿わせなが
ら搬送し、さらに、第1の搬送ベルト125 で搬送される
硬貨のうち第1の基準壁123bの部分を通過した硬貨を、
第2の搬送ベルト128 の下側にくわえ込んで、第2のガ
イド壁123cを通じて第2の基準壁123dに沿わせながら搬
送する。なお、両搬送ベルト125 ,128 の周速はベルト
コンベヤ73の周速より速く、通路内を搬送される硬貨の
間隔があけられる。
【0046】硬貨通路121 には、第1の基準壁123b域の
上流側の位置に対応して識別部131が設けられている。
この識別部131 は、例えばイメージセンサなどの径セン
サ132 と磁気センサ133 を有し、正貨、偽貨、金種など
を識別する。
【0047】硬貨通路121 の通路底板122 上には、識別
部131 の後流に、第1の基準壁123bを基準としてリジェ
クト硬貨用の分類孔134 、オーバーフロー硬貨用および
5円、50円、500円用の分類孔135 が順にそれぞれ
形成され、第2の基準壁123dを基準として1円、100
円、10円用の分類孔136 ,137 ,138 が順にそれぞれ
形成されている。
【0048】各分類孔134 ,135 は強制分類を行なうも
ので、各分類孔134 ,135 の第1の基準壁123b側に強制
分類手段139 ,140 がそれぞれ配設されている。各強制
分類手段139 ,140 は、通路内に進退可能に軸支された
レバー141 ,142 、およびレバー141 ,142 を揺動させ
て通路内に進退させるロータリーソレノイド143 ,144
を有しており、レバー141 ,142 を通路内に進入させる
ことによって、このレバー141 ,142 で対応する硬貨の
第1の基準壁123b側の縁部を分類孔134 ,135に強制的
に落とし込んで落下させる。
【0049】各分類孔136 〜138 は径分類を行なうもの
で、対応する金種より大径の硬貨は分類孔136 ,137 の
両側縁上に載ったまま通過し、対応する金種の硬貨は第
2の基準壁123dと反対側の縁部が分類孔136 〜138 内に
落ち込んで落下する。
【0050】なお、通路底板122 上には、識別部131 の
直前位置、各分類孔135 〜138 の直前位置にタイミング
センサ145 〜149 がそれぞれ配設され、これらタイミン
グセンサ145 〜149 によって、各強制分類手段139 ,14
0 の動作のタイミング取り、各分類孔135 〜138 への分
類の確認が行なわれる。
【0051】また、リジェクト用の分類孔134 の下方に
はリジェクトシュート151 が配設され、このリジェクト
シュート151 の下端がリフトシュート152 に連通されて
いる。リフトシュート152 は、出金トレイ81の後方位置
で、上端が出金トレイ81の後面に連通するように前方に
傾斜されている。リフトシュート152 の内側には、所定
枚数の硬貨を収納可能とするバケット153 がリフトシュ
ート152 内に沿って移動可能に配設されている。このバ
ケット153 は、リジェクトシュート151 および後述する
出金コンベヤ162 から放出される硬貨を受け取る硬貨受
取位置(定位置)(図7および図8の実線位置)と、最
も上昇した硬貨放出位置(図7および図8の2点鎖線位
置)との間で、後述するバケット駆動部335 (図20参
照)によって移動される。そして、バケット153 が硬貨
放出位置に上昇すると、バケット153 が支点部153aを支
点に出金トレイ81内に向けて回転駆動され、バケット15
3内の硬貨が出金トレイ81に放出される。なお、バケッ
ト153 の定位置の近傍には、バケット153 の定位置への
復帰を検知するバケット定位置検知部154 が配設されて
いる。
【0052】リフトシュート152 の下端は振分シュート
155 に連通され、この振分シュート155 の下端は回収ボ
ックス6に連通されている。振分シュート155 内は、バ
ケット153 が受取位置から上昇された状態で、出金コン
ベヤ162 から放出される硬貨を受け入れる。出金コンベ
ヤ162 から振分シュート155 へ放出される硬貨には、入
金時の5円、50円、500円硬貨で収納すべき硬貨、
入金時の1円、100円、10円のオーバーフロー硬貨
で収納すべき硬貨、出金時の投出異常硬貨(硬貨詰まり
などによって所定金額の出金がなされなかった場合など
の硬貨)、回収時の回収硬貨がある。振分シュート155
内には図示しないソレノイドなどの駆動によって通路を
切り換える切換板156 が配設されている。回収ボックス
6の上部には運用リジェクト部6aが区画形成されてお
り、切換板156 によって、入金硬貨および回収硬貨は回
収ボックス6内(運用リジェクト部6aを除く)に振り分
け、投出異常硬貨は運用リジェクト部6aに振り分ける。
【0053】また、分類孔135 の下方にはシュート161
が配設され、このシュート161 の下端が出金コンベヤ16
2 上に臨んで連通配置されている。出金コンベヤ162
は、機体1の左側に前後方向に沿って水平に配設され、
すなわち、前端がリフトシュート152 に連通されて、硬
貨通路121 、後述する一時保留部172a〜172cおよび金種
別硬貨収納繰出部173a〜173cの側部下方域に配設されて
いる。出金コンベヤ162は、コンベヤ枠163 の内側に配
設されており、ベルト上面が前方のリフトシュート152
に向かって移動するように図示しないモータの駆動によ
って回転される。出金コンベヤ162 のリフトシュート15
2 に臨む端部上方には、シャッタ164 が図示しないソレ
ノイドなどの駆動によって開閉可能に配設されている。
シャッタ164 は、通常時に閉鎖され、出金コンベヤ162
からの硬貨の送出時にのみ開放される。
【0054】また、各分類孔136 〜138 の下方には金種
別のシュート171a〜171cが配設され、このシュート171a
〜171cの下方に硬貨を金種別に重積状態で一時保留する
金種別の一時保留部(金種別一時保留部)172a〜172cが
配設されている。これらの一時保留部172a〜172cは、シ
ュート171a〜171cの下方の保留位置と、出金コンベヤ16
2 上の返却位置との間を移動可能とし、保留位置でシュ
ート171a〜171cから硬貨を受け入れて一時保留し、一時
保留硬貨の返却時に返却位置に移動して一時保留硬貨を
出金コンベヤ162 に放出する。
【0055】また、保留位置で各一時保留部172a〜172c
の下方には1円、100円、10円用の金種別硬貨収納
繰出部173a〜173cの出金用筒体174a〜174cがそれぞれ配
設され、硬貨通路121 の下方には各金種別硬貨収納繰出
部173a〜173cの出金用筒体174a〜174cに対応してその隣
接域に金種別補充硬貨収納部175a〜175cの補充用筒体17
6a〜176cがそれぞれ配設されている。出金用筒体174a〜
174cは出金カセット7に設けられ、補充用筒体176a〜17
6cは補充カセット8に設けられ、それぞれ機体1に対し
て着脱自在になっている。なお、出金カセット7は保
守、点検時にのみ着脱するようにし、原則として機体1
に装填状態のままとする。
【0056】また、出金コンベヤ162 の下方には各金種
別硬貨収納繰出部173a〜173c用の支承部材駆動手段177a
〜177cが配設され、各金種別補充硬貨収納部175a〜175c
の前側および後側には各金種別補充硬貨収納部175a〜17
5c用の支承部材駆動手段178a〜178cが配設されている。
【0057】次に、図9および図10に示すように、一
時保留部172a〜172cは、保留枠181に各分類孔136 〜138
および各シュート171a〜171cに対応して上下方向に貫
通形成された保留筒部182 にて構成されるとともに、後
述する投出部材212 の上側にて構成される。保留枠181
は、両側から突設した複数のガイド片183 がガイド軸18
4 に沿って保留位置または返却位置に一時保留硬貨放出
手段185 によって移動される。保留位置ではシュート17
1a〜171cから硬貨を受け入れて一時保留し、返却位置で
は一時保留硬貨を出金コンベヤ162 に放出する。
【0058】一時保留硬貨放出手段185 では、モータ18
6 の正逆転駆動によりギヤ187 ,188 を介して回転され
るカム板189 が設けられ、このカム板189 と保留枠181
とがリンク190 で連結されている。そして、モータ186
の正逆転駆動により、保留枠181 が保留位置または返却
位置に選択的に移動される。
【0059】保留枠181 の移動位置は、図示しないセン
サで検知する。さらに、保留枠181の移動位置は、スプ
リング191 で回転付勢されたレバー192 に回転自在に設
けたローラ193 が、カム板189 の周面に保留位置保持用
の凹部194 または放出位置保持用の凹部195 に嵌まり込
むことにより、カム板189 の回転を規制して保持する。
【0060】保留枠181 の下面には、各保留筒部182 の
出金コンベヤ162 側の縁部に規制片196 がそれぞれ突設
されている。
【0061】次に、図9および図11に示すように、保
留枠181 の下方でかつ出金用筒体174a〜174cおよび補充
用筒体176a〜176cの上方には、投出枠201 が配設されて
いる。この投出枠201 は、各出金用筒体174a〜174cの上
端に連通する投出口202 、および補充用筒体176a〜176c
の上端に連通する繰出口203 が上下方向に貫通形成され
ている。各出金用筒体174a〜174cに連通する投出口202
は、保留位置に位置する保留枠181 の各保留筒部182 と
同軸上に位置し、一時保留部172a〜172cの一時保留硬貨
を重積状態で受入れ可能になっている。
【0062】投出枠201 の上面部には、各投出口202 か
ら出金コンベヤ162 側に下降傾斜して連通する投出溝20
4 が形成され、各繰出口203 から各投出口202 に下降傾
斜して連通する繰出溝205 が形成され、繰出口203 から
投出口202 とは反対側に溝部206 が形成されている。投
出溝204 および繰出溝205 の幅は、投出口202 および繰
出口203 の内径とほぼ同一で、処理対象とする金種硬貨
の通過を可能に形成され、また、溝部206 の幅は、投出
溝204 および繰出溝205 より狭く形成され、投出部材21
2 の後退時の硬貨の連れ出しを防止するようにしてい
る。また、投出溝204 と保留枠181 の下面との間には硬
貨1枚の厚みより少し大きい程度の投出ゲート部として
の間隙が形成され、繰出溝205 と投出部材212 の下面
(出金用投出部215 の厚み部分の下面)との間には硬貨
1枚の厚みより少し大きい程度の繰出ゲート部としての
間隙が形成されている。
【0063】また、投出枠201 の上部には、繰出機構21
1 の一部を構成する投出部材212 が配置されている。投
出部材212 は、基部213 およびこの基部213 から一体に
突出形成された3つの金種毎に投出板214 を有してお
り、各投出板214 が投出枠201の対応する各溝部206 に
移動可能に嵌合されている。各投出板214 の先端には対
応する各出金用筒体174a〜174cの上部から硬貨を投出す
る出金用投出部215 が形成され、各投出板214 の下面で
各出金用投出部215 から所定距離だけ離反した位置には
補充用筒体176a〜176cの上部から硬貨を出金用筒体174a
〜174cに繰り出す補充用投出部216 が下方へ突出形成さ
れている。そして、投出部材212 の同一ストロークの移
動によって、出金用筒体174a〜174cからの硬貨の投出
と、補充用筒体176a〜176cから出金用筒体174a〜174cへ
の硬貨の繰り出しとを可能とする。
【0064】投出部材212 の基部213 には、投出部材駆
動手段217 の図示しないモータの駆動によって可動され
るレバー218 が連結されている。なお、投出部材駆動手
段217 の具体的構造は前述の一時保留硬貨放出手段185
(図10図示)とほぼ同構造であり、レバー218 がレバ
ー190 に相当する。そして、この投出部材212 は、投出
部材駆動手段217 の作動にて一体的に可動し、各投出板
214 の出金用投出部215 および補充用投出部216 が投出
口202 および繰出口203 の上方から溝部206 側に退避す
る退避位置(図9および図11に2点鎖線で示す位置)
と、出金用投出部215 および補充用投出部216 が投出口
202 および繰出口203 の上方に進入した投出位置(図9
および図11に実線で示す位置)とに移動する。投出部
材212 の退避位置から投出位置への移動時に、出金用筒
体174a〜174cからの硬貨の投出、および補充用筒体176a
〜176cから出金用筒体174a〜174cへの硬貨の繰り出しが
可能となっている。
【0065】また、投出枠201 の各投出口202 および各
繰出口203 の内縁部には、出金用筒体174a〜174cおよび
補充用筒体176a〜176c内の硬貨上端位置を検知する一対
の投受光器形式の硬貨上端検知センサ202s,203sがそれ
ぞれ配設されている。
【0066】投出枠201 の各投出溝204 および各繰出溝
205 の一側には、出金用筒体174a〜174cおよび補充用筒
体176a〜176cから繰り出される硬貨を計数する計数部21
9 ,220 が配設されている。これら各計数部219 ,220
は、各投出溝204 および各繰出溝205 の一側に、それら
各投出溝204 および各繰出溝205 内に突出するレバー22
1 ,222 が揺動可能にそれぞれ配設されるとともに、レ
バー221 ,222 の先端に臨ませて硬貨投出枚数カウント
用のスイッチ223 ,224 が配設されている。そして、硬
貨が投出部材212 にて繰り出される際に、硬貨でレバー
221 ,222 を揺動させ、このレバー221 ,222 でスイッ
チ223 ,224 を押して出金硬貨枚数および補充硬貨枚数
をカウントする。
【0067】なお、計数部219 ,220 は、硬貨の計数の
みならず、金種のチェックも同時に行なえる。すなわ
ち、投出溝204 および繰出溝205 を対応金種が通過する
際には、レバー221 ,222 の揺動によりスイッチ223 ,
224 を押して検知されるが、対応金種よりも小径金種が
通過する際にはレバー221 ,222 の揺動が小さくてスイ
ッチ223 ,224 を押すことができない。そのため、出金
用筒体174a〜174cおよび補充用筒体176a〜176cに対応金
種より小径金種が混入していた場合、出金用筒体174a〜
174cおよび補充用筒体176a〜176cからの投出動作および
繰出動作が行なわれたにもかかわらず計数部219 ,220
でカウントされなければ金種異常として処理する。な
お、対応金種より大径金種については、出金用筒体174a
〜174cおよび補充用筒体176a〜176cに入らないので混入
するおそれはない。
【0068】この出金用筒体174a〜174cからの出金時に
金種異常が生じた場合には、出金を中止し、出金コンベ
ヤ162 に投出された硬貨を無効として回収ボックス6の
運用リジェクト部6aに回収し、再度投出動作を行なう。
また、補充用筒体176a〜176cの出金用筒体174a〜174cへ
の補充時に金種異常が生じた場合には、補充を中止し、
対応金種の出金用筒体174a〜174cから金種異常の小径金
種硬貨の投出動作を行ない、その小径金種硬貨を回収ボ
ックス6の運用リジェクト部6aに回収し、再度補充動作
を行なう。
【0069】投出枠201 の各繰出溝205 の底面には、投
出部材212 による出金用筒体174a〜174cからの投出動作
時において、この投出部材212 の後退移動時にこの投出
部材212 の下面に位置する硬貨(次に投出する硬貨)が
投出部材212 の後退移動に追従移動しないよう一対のス
トッパ226 が配設されている。一対のストッパ226 は図
示しないソレノイドなどの駆動によって昇降され、上昇
時に繰出溝205 の底面から突出して投出部材212 の後退
移動に硬貨が追従移動することを阻止し、下降時に繰出
溝205 の底面から退避して補充用筒体176a〜176cから出
金用筒体174a〜174cへの硬貨の通過を可能とする。
【0070】次に、図9、図12ないし図15におい
て、出金用筒体174a〜174cおよび補充用筒体176a〜176c
について説明する。なお、図12ないし図15に補充用
筒体176a〜176cの詳細構造を図示し、出金用筒体174a〜
174cの詳細構造は図示しないが補充用筒体176a〜176cと
ほぼ同一構造であり、補充用筒体176a〜176cと一緒に出
金用筒体174a〜174cを説明する。
【0071】各出金用筒体174a〜174cおよび各補充用筒
体176a〜176cは、側壁部231 および底板部232 を有する
筒状に形成されている。側壁部231 の一側に円弧面部23
3 が形成され、この円弧面部233 から他側方向に平面部
234 が平行に形成され、この平面部234 の先端から閉鎖
部235 が形成され、この閉鎖部235 間に開口236 が筒長
手方向に沿って形成されている。上端には、投出枠201
の投出口202 (出金用筒体174a〜174cの場合)および繰
出口203 (補充用筒体176a〜176c)の下端内縁に着脱可
能に嵌合する嵌合部237 およびこの嵌合部237 の内側に
硬貨が通過する通孔238 を有する上板239 が設けられて
いる。
【0072】各出金用筒体174a〜174cおよび各補充用筒
体176a〜176cの開口236 に臨んで、底板部232 と上板23
9 との間に筒側壁部材240 が架設され、この筒側壁部材
240と側壁部231 の円弧面部233 との間で重積硬貨の周
面を支持する。
【0073】筒側壁部材240 には、各出金用筒体174a〜
174cおよび各補充用筒体176a〜176c内の重積硬貨下面を
支承する繰出機構211 の一部を構成する支承部材241 が
上下動可能に嵌合されている。この支承部材241 は、出
金用筒体174a〜174cおよび補充用筒体176a〜176cのほぼ
内側断面形状に合わせて形成された基部242 に、筒側壁
部材240 の外側にスライド自在に嵌合するガイド孔243
が形成されているとともに、開口236 を通じて突出する
突部244 が形成されている。基部242 上には、硬貨を上
面に重積するステージ245 が基部242 に対して上下動可
能に挿通される支軸246 を介して支持され、このステー
ジ245 を上方に付勢するスプリング247が設けられてい
る。
【0074】そして、各出金用筒体174a〜174cおよび各
補充用筒体176a〜176cはそれぞれ一体的に出金カセット
7および補充カセット8として構成されている。なお、
各出金用筒体174a〜174cおよび各補充用筒体176a〜176c
は各筒部ごとに出金カセット7および補充カセット8か
ら着脱自在に構成されており、硬貨を重積状態のままで
各出金用筒体174a〜174cおよび各補充用筒体176a〜176c
ごと、すなわち金種ごとに交換することにより硬貨の装
填などができるようになっている。
【0075】出金カセット7および補充カセット8は、
上方に開口する装着枠251 を有し、各出金用筒体174a〜
174cおよび各補充用筒体176a〜176cが並列に収納されて
いる。装着枠251 の一側には各出金用筒体174a〜174cお
よび各補充用筒体176a〜176cの開口236 に対応して突部
244 が突出する開口252 が形成され、両端面には装着枠
251 を持ち運ぶためのハンドル253 が回動自在に軸着さ
れている。
【0076】出金カセット7の開口252 から突出する各
出金用筒体174a〜174cの突部244 には、支承部材駆動手
段177a〜177cと連結される図示しない連結ピンがそれぞ
れ突設されている。補充カセット8の開口252 から突出
する各補充用筒体176a〜176cの突部244 には、支承部材
駆動手段178a〜178cと連結される連結ピン254 を有する
連結アーム255a〜255cがそれぞれ取り付けられている。
補充用筒体176aの連結アーム255aは、補充カセット8の
前方位置に延設され、その先端に連結ピン254が前方へ
向けて突設され、また、補充用筒体176bの連結アーム25
5bは、装填時の出金カセット7の前方位置に延設され、
その先端に連結ピン254 が前方へ向けて突設され、さら
に、補充用筒体176cの連結アーム255cは、補充カセット
8の後方位置に延設され、その先端に連結ピン254 が後
方へ向けて突設されている。
【0077】また、機体1内には、機体1の側面の扉体
9の内方位置に、出金カセット7および補充カセット8
を着脱自在に装着するカセット装着部としてのカセット
台256 ,257 がそれぞれ設けられている。これらのカセ
ット台256 ,257 は、出金カセット7および補充カセッ
ト8の下部を載せる受板部258 ,258 を有し、この受板
部258 の扉体9側に対向する縁部および両端縁部に出金
カセット7および補充カセット8の下部周縁を保持する
保持片部259 が上方に折曲形成されており、機体1に対
して上下方向に垂直移動可能に支持されている。各カセ
ット台256 ,257 の両端部下側には、ローラ260 がそれ
ぞれ回転自在に設けられている。
【0078】カセット台256 の各ローラ260 の位置に対
応して、ローラ260 を押上可能とする押上レバー261 が
図示しない操作レバーの操作によって上下動するように
配設されている。そして、操作レバーの操作によって押
上レバー261 を下降させると、カセット台256 が下降
し、このカセット台256 と投出枠201 との間への出金カ
セット7の装着、あるいはその間からの出金カセット7
の取り外しができる。また、出金カセット7の装着状態
で操作レバーの操作によって押上レバー261 を上昇させ
ると、押上レバー261 がローラ260 を介してカセット台
256 を押し上げ、出金カセット7の上部に突出する各嵌
合部237 が投出枠201 の各投出口202 の下縁部に嵌合し
て保持される。なお、出金カセット7は原則として機体
1に装着状態のままとし、保守点検時のみ取り外すよう
にしている。
【0079】カセット台257 の各ローラ260 の位置に対
応して、ローラ260 を押し上げ可能とする押上レバー26
2 が扉体9の内壁から突設されている。押上レバー262
の先端には、ローラ260 の押上レバー262 上への乗り上
げを容易にするための傾斜部263 が形成されている。そ
して、扉体9を開放させると、押上レバー262 がローラ
260 から外れて、カセット台257 が下降し、このカセッ
ト台257 と投出枠201との間への補充カセット8の装
着、あるいはその間からの補充カセット8の取り外しが
できる。また、補充カセット8の装着状態で扉体9を閉
鎖させると、押上レバー262 がローラ260 を介してカセ
ット台257 を押し上げ、補充カセット8の上部に突出す
る各嵌合部237 が投出枠201 の各繰出口203 の下縁部に
嵌合して保持される。
【0080】次に、図13ないし図15、図16および
図17に示すように、各支承部材駆動手段177a〜177c,
178a〜178cは、共通構造に構成されており、対応する各
出金用筒体174a〜174cおよび各補充用筒体176a〜176cの
支承部材241 を個々に上下動させる金種別のステッピン
グモータ271 をそれぞれ有し、これらのステッピングモ
ータ271 が機体1側に取り付けられる支持板272 に支持
されている。
【0081】ステッピングモータ271 の上方に突出する
回転軸273 にねじ軸274 が回り止め連結され、ねじ軸27
4 の上端部が機体1側に取り付けられる支持板275 に嵌
合された軸受部材276 により回転自在に支持されてい
る。
【0082】ねじ軸274 には昇降部材277 が螺合されて
いる。この昇降部材277 には、ねじ軸274 に螺合するね
じ孔278 が形成されているとともに、このねじ孔278 に
対して長孔状に形成されたガイド孔279 が形成されてい
る。
【0083】昇降部材277 の一側には連結部材280 (例
えば図13図示)が配置され、連結部材280 の上下縁部
から突設された取付片281 が昇降部材277 の上下面に回
転自在に軸着されている。なお、連結部材280 は昇降部
材277 の一側に接合する方向に回動付勢されている。連
結部材280 の先端には連結片282 が略L字状に折曲形成
され、この連結片282 に連結ピン254 に係合可能とする
連結溝283 が形成され、連結片282 の上縁および下縁に
円弧状の導入部284 が形成されている。また、昇降部材
277 の他側には検知板285 が取り付けられている。
【0084】ねじ軸274 には揺動枠286 が取り付けられ
ている。この揺動枠286 は、上側縁部および下側縁部か
ら支持板部287 ,288 が折曲形成され、上側支持板部28
7 が軸受部材276 の外側に回動自在に嵌合し、下側支持
板部288 がねじ軸274 の下端に取り付けた軸受部材289
の外側に回動自在に嵌合されている。この支持板部287
,288 間には昇降部材277 のガイド孔279 を挿通する
回転規制軸290 が架設されている。
【0085】揺動枠286 には、昇降部材277 の検知板28
5 の下降域に対応して、硬貨収納量が残りわずかである
ことを検知するニアエンプティセンサ291 、昇降部材27
7 の下限位置を検知する下限センサ292 が配設されてい
る。また、昇降部材277 の検知板285 の上昇域に、硬貨
の満杯状態を検知するフルセンサ293 、昇降部材277の
上限位置を検知する上限センサ294 が配設されている。
【0086】次に、図18に示すように、補充カセット
8の上方位置で、連動部材301 がスライド受部材302 に
より各補充用筒体176a〜176cの配列方向に沿ってスライ
ド可能に配設されている。各支承部材駆動手段178a,17
8bの各揺動枠286 の上面には連動リンク303 がそれぞれ
支軸304 によって回転可能に連結されている。連動リン
ク303 には連動部材301 の側面に当接するローラ305 が
回転自在に設けられ、支承部材駆動手段178cの揺動枠28
6 には連動部材301 の側面に当接するローラ306 が回転
自在に設けられている。連動部材301 の各ローラ305 ,
306 が当接する側面には、各ローラ305 ,306 を押動す
るガイド部307 ,308 が突出形成されている。ローラ30
5 は連動リンク303 に張設されたスプリング309 によっ
て連動部材301 に当接付勢され、ローラ306 は図示しな
いスプリングによって連動部材301 に当接付勢されてい
る。
【0087】したがって、連動部材301 のスライドによ
り、連動部材301 に当接するローラ305 ,306 を介し
て、各支承部材駆動手段178a〜178cの各揺動枠286 がね
じ軸274 を中心として一体的に連動して揺動するように
なっている。そして、各揺動枠286 が図18の2点鎖線
位置に揺動することにより、各支承部材駆動手段178a〜
178cの連結部材280 と連結ピン254 (例えば図14図
示)との係合が解除され、補充カセット8の着脱が可能
となる。また、各揺動枠286 が図18の実線位置に揺動
することにより、各支承部材駆動手段178a〜178cの連結
部材280 と連結ピン254 とが係合可能となる。
【0088】連動部材301 の一端は、支軸310 を支点と
して揺動可能に設けた揺動レバー311 の一端の長孔312
にピン313aを嵌合して連結されている。揺動レバー311
は、一端側をスプリング313 で引っ張り付勢するととも
に、その付勢による揺動をストッパ314 で規制し、他端
にローラ315 が回転自在に取り付けられている。
【0089】揺動レバー311 のローラ315 の位置に対応
して扉体9の内壁に作動部材316 が突設されており、扉
体9の開放時に、スプリング313 の付勢により揺動レバ
ー311 が図18の2点鎖線に示すように揺動し、また、
扉体9の閉鎖時に、作動部材316 でローラ315 を押圧
し、スプリング313 の付勢に抗して揺動レバー311 を図
18の実線に示すように揺動する。この揺動レバー311
の揺動に伴い、連動部材301 および連動リンク303 を介
して各支承部材駆動手段178a〜178cの各揺動枠286 が一
体的に揺動する。
【0090】なお、各出金用筒体174a〜174cに対応する
各支承部材駆動手段177a〜177cの各揺動枠286 は、押上
レバー261 (図9図示)を操作する操作レバーによって
一体的に揺動するようになっており、操作レバーの操作
に伴い、押上レバー261 の昇降と各支承部材駆動手段17
7a〜177cの各揺動枠286 の揺動とが連動して行なわれ
る。
【0091】次に、図19には、主として各カセット
7,8に関連する循環式硬貨入出金機の制御系の概略ブ
ロック図を示し、制御部321 は、各種のセンサ291 ,29
2 ,293 ,294 などを含むセンサ群322 、硬貨上端検知
センサ202s,203s、各カセット7,8が各カセット台25
6 ,257 に装着されたことを検知するカセット検知セン
サ323 などから検知信号を入力し、支承部材駆動手段17
7a〜177c,178a〜178c、投出部材駆動手段217 などの駆
動を制御する。
【0092】また、制御部321 は、カセット検知センサ
323 からの検知信号としての初期設定動作信号がある
と、各出金用筒体174a〜174cおよび各補充用筒体176a〜
176cごとに支承部材駆動手段177a〜177c,178a〜178cを
駆動させて支承部材241 を上昇させる初期動作駆動手段
324 の機能と、この初期動作駆動手段324 による作動中
に、上限センサ294 が支承部材241 を検知するまでに硬
貨上端検知センサ202s,203sが硬貨を検知しないときに
は異常と判別する初期動作異常判別手段325 の機能とを
備えている。
【0093】そして、制御部321 は、初期動作異常判別
手段325 が異常を判別したときに各出金用筒体174a〜17
4cおよび各補充用筒体176a〜176cごとに異常を知らせる
例えば表示器などにて構成される異常報知手段326 を制
御する。
【0094】また、制御部321 はインターフェース327
を介してテラー用端末328 と接続され、このテラー用端
末328 からの指令により、硬貨投出動作を行なったり、
初期設定動作を行なう。なお、ATMの場合は、テラー
用端末328 に代え、ATM側に設けた操作入力部にて操
作を行なうようにする。
【0095】次に、図20には、主としてシャッタ機構
3の動作に関連する循環式硬貨入出金機の制御系の概略
ブロック図を示し、制御部321 は、テラー用端末328 や
ATM側の操作入力部に設けられる入金操作部331 およ
び出金操作部332 、回転量検知センサ59、定位置検知セ
ンサ62、投入口検知センサ75、残留検知センサ76a ,76
b 、残留検知センサ83、識別部131 、バケット定位置検
知部154 などから信号を入力し、シャッタモータ57、第
1のソレノイド25、第2のソレノイド34、第3のソレノ
イド45、入金処理部333 、出金処理部334 、バケット15
3 の上下動および反転動作を行なうバケット駆動部335
、入金処理や出金処理に伴う案内表示などを行なう表
示部336 を制御する。
【0096】入金操作部331 には、入金承認釦、入金非
承認釦、入金スタート釦などを有する。
【0097】入金処理部333 は、入金硬貨繰込部71、硬
貨通路121 などを含み、投入口28に投入された入金硬貨
の収納または返却までを行なう。また、出金処理部334
は、繰出機構211 、出金コンベヤ162 などを含み、出金
用筒体174a〜174cから繰り出された出金硬貨の出金トレ
イ81への払い出しまでを行なう。
【0098】そして、制御部321 は、識別部131 からの
入力および残留検知センサ76a ,76b の入力を受けて残
留検知と判断した場合に、入金処理部333 による入金処
理を一時中断させるとともにシャッタ開閉駆動部51によ
り入金口11を開放させて入金口11からの残留解消操作を
可能とし、かつ、残留解消操作後にシャッタ開閉駆動部
51により入金口11を閉鎖させるとともに入金処理部333
による入金処理を再開させる機能を有する。
【0099】次に、第1の実施の形態の作用を説明す
る。
【0100】まず、入金処理に関連したシャッタ機構3
の動作について説明する。なお、詳しい入金処理につい
ては後述する。
【0101】図2に示すように、待機状態では、入金口
11および出金口12が第1のシャッタ15で閉鎖され、投入
口28が第2のシャッタ16で閉鎖されている。第1および
第2のソレノイド25,34の励磁によって各ロック片26,
35が上昇したロック状態にあり、第1および第2のシャ
ッタ15,16が各ロック片26,35でロックされ、第1およ
び第2のシャッタ15,16とも手などで押し開けることは
できないようになっている。
【0102】そして、入金スタート釦(図20の入金操
作部331 )が操作されると、第1および第2のソレノイ
ド25,34が非励磁となり、各ロック片26,35が下降し
て、第1および第2のシャッタ15,16のロック解除され
る。
【0103】続いて、シャッタモータ57が所定量正転
(図2時計回り方向)され、図1および図3に示す状態
で停止される。この停止は、定位置検知センサ62がベル
ト56の検知孔61を検知している状態から回転量検知セン
サ59が所定パルスカウントすることにより行なわれる。
図1および図3に示す状態では、ベルト56の回動によっ
て、ピン60が第2のシャッタ16の作動部31の後方への押
動を解除するため、第2のシャッタ16がスプリング32の
付勢によって前方へ移動し、ストッパ33に当接して停止
し、その結果、第2のシャッタ16の開口37が投入口28の
下方に合致し、投入口28が開放される。
【0104】図1および図3に示す状態において、操作
者により入金硬貨(重積した状態で一度に投入可能とす
る枚数は最高5枚程度)が投入口28に投入され、その入
金硬貨が入金硬貨繰込部71のベルトコンベヤ73上に落下
する。
【0105】投入口28に投入された入金硬貨はその落下
時に投入口検知センサ75の検知光ラインを一時的に遮
り、投入口検知センサ75により硬貨の投入検知がなされ
る。
【0106】硬貨投入後、所定時間経過しても投入口検
知センサ75が遮られない場合には、もう硬貨投入はない
ものと判断し、シャッタモータ57が逆転(図3反時計回
り方向)され、図2に示す状態に復帰されて停止され
る。この停止は、定位置検知センサ62がベルト56の検知
孔61を検知することにより行なわれる。シャッタモータ
57の逆転によるベルト56の回動によって、ピン60で第2
のシャッタ16の作動部31が後方へ押動され、第2のシャ
ッタ16で投入口28が閉鎖される。これにより、投入口28
への異物の投入が防止される。
【0107】また、前述の定位置検知センサ62がベルト
56の検知孔61を検知したとき、第1および第2のソレノ
イド25,34が励磁され、ロック片26,35により第1およ
び第2のシャッタ15,16がロックされる。
【0108】一方、投入口検知センサ75が硬貨の投入検
知をした後、所定時間その投入検知をせずまた定位置検
知センサ62がベルト56の検知孔61を検知することを条件
に、ベルトコンベヤ73および硬貨通路121 の各搬送ベル
ト125 ,128 が正転されるとともに、逆転ローラ74が逆
転される。これにより、入金処理部333 による入金処理
が開始される。
【0109】硬貨投入後、所定時間経過しても投入口検
知センサ75が遮られない場合には、もう硬貨投入はない
ものと判断し、シャッタモータ57が逆転(図3反時計回
り方向)され、図2に示す状態に復帰されて停止され
る。この停止は、定位置検知センサ62がベルト56の検知
孔61を検知することにより行なわれる。シャッタモータ
57の逆転によるベルト56の回動によって、ピン60で第2
のシャッタ16の作動部31が後方へ押動され、第2のシャ
ッタ16で投入口28が閉鎖される。これにより、投入口28
への異物の投入が防止される。
【0110】入金硬貨繰込部71内の入金硬貨は、ベルト
コンベヤ73の正転によって入金経路としての硬貨通路12
1 へ向けて送られるとともに、入金ホッパ72の両側壁お
よび逆転ローラ74の作動によって1層1列状態とされて
硬貨通路121 に繰り込まれる。硬貨通路121 に繰り込ま
れた入金硬貨は識別部131 によって識別され、入金正規
硬貨は一時保留が行なわれ、リジェクト貨はバケット15
3 への送り込みが行なわれる。
【0111】なお、シャッタモータ57はパルスモータで
あるため、停止時にはブレーキがかかっている。第1お
よび第2のソレノイド25,34は、入金動作中、非励磁状
態に保たれ、第1および第2のシャッタ15,16を各ロッ
ク片26,35でロック状態に保持する。
【0112】入金硬貨繰込部71内の全ての入金硬貨が硬
貨通路121 に繰り込まれ、残留検知センサ76a ,76b の
両方が残留硬貨無の検知状態でかつ識別部131 が硬貨識
別してから所定時間(識別済硬貨の分岐が完了するのに
十分な時間)経過時において、リジェクト貨が存在する
場合(識別部131 の識別結果による)には、バケット15
3 (リジェクト貨収納済)が定位置から上昇および反転
し、出金トレイ81にリジェクト貨が放出される。リジェ
クト貨の放出後にはバケット153 が下降して定位置に復
帰される。
【0113】バケット153 が定位置に復帰したことがバ
ケット定位置検知部154 で検知されると、図2に示す状
態からシャッタモータ57が所定量正転(図2時計回り方
向)され、図4に示す状態で停止される。この停止は、
定位置検知センサ62がベルト56の検知孔61の検知状態か
ら回転量検知センサ59が所定パルスカウントすることに
より行なわれる。図4に示す状態では、ベルト56の回動
によって、ピン60が第2のシャッタ16の作動部31の後方
への押動を解除して、第2のシャッタ16がスプリング32
の付勢によって前方へ移動した後、ピン60が第1のシャ
ッタ15の作動部22に当接して後方へ押動し、第1のシャ
ッタ15が開放される。この第1のシャッタ15の開放移動
時に、第1のシャッタ15の係合片部29が第3のシャッタ
17の作動部42に係合し、第3のシャッタ17が後方へ移動
され、第1のシャッタ15の投入口28が移動した後の第2
のシャッタ16の開口37が第3のシャッタ17で閉鎖され、
開口37からの異物の投入が防止される。
【0114】なお、この第1のシャッタ15の開放時に
は、第3のソレノイド45は非励磁状態で、作動片46は下
降位置にあり、そのため、第1のシャッタ15の係合片部
29が第3のシャッタ17上を移動するとき、係合片部29は
作動片46に接触せずに作動部42に係合される。
【0115】図4の状態において、第1のシャッタ15の
開放移動によって開放された出金口12からリジェクト貨
が取り出される。出金トレイ81の残留検知センサ83の全
てがリジェクト貨を含む残留硬貨類(変形硬貨、偽造貨
または異物)を検知しないときは残留無し、いずれか1
つでも残留硬貨類を検知するときは残留有りと判断す
る。
【0116】リジェクト貨が出金口12から取り出され、
残留検知センサ83が硬貨無しを検知すると、図4に示す
状態からシャッタモータ57が逆転(図4反時計回り方
向)され、第1、第2および第3のシャッタ15,16,17
が図2に示す状態に復帰されて停止される。この停止
は、ベルト56の検知孔61を定位置検知センサ62で検知す
ることで行なわれる。この状態で、入金承認操作あるい
は入金非承認操作に備えられる。
【0117】また、リジェクト貨がない場合には、バケ
ット153 の移動はなく、図2に示す状態のままで、入金
承認操作あるいは入金非承認操作に備えられる。
【0118】また、入金硬貨繰込部71からの入金硬貨の
繰込み動作中において、識別部131が硬貨を識別してか
ら所定時間経過しても硬貨を検知せず、残留検知センサ
76a,76b の一方または両方が硬貨有りを検知している
と、残留硬貨類(入金硬貨または変形硬貨、偽造貨また
は異物)が存在すると判断(制御部321 が判断)し、図
2に示す状態からシャッタモータ57が所定量逆転(図2
反時計回り方向)され、図5の状態で停止される。この
停止は、定位置検知センサ62がベルト56の検知孔61の検
知状態から回転量検知センサ59が所定パルスカウントす
ることにより行なわれる。
【0119】このとき、ベルト56の回動によって、ピン
60が第2のシャッタ16の作動部31に当接した状態からピ
ン60の後方への移動でその作動部31に当接する第1のシ
ャッタ15の作動部22も一緒に後方へ移動される。一方、
第3のシャッタ17の下面に設けられる第3のソレノイド
45が励磁され、第3のソレノイド45の作動片46が上方へ
突出状態となる。この状態で第1のシャッタ15が後方へ
移動されると、第1のシャッタ15の係合片部29が作動片
46に当接する。その結果、第1のシャッタ15と一緒に第
3のシャッタ17も後方へ移動される。そして、図5に示
すように、第1ないし第3のシャッタ15〜17が入金口1
1、出金口12から完全に退避される。なお、入金硬貨繰
込部71のベルトコンベヤ73および逆転ローラ74、硬貨通
路121 の各搬送ベルト125 ,128 はシャッタ開放開始時
点で停止される。
【0120】第1ないし第3のシャッタ15〜17の開放に
より、入金口11を通じて入金ホッパ72内の残留硬貨類の
取り除きを行ない、また、その残留硬貨類が入金ホッパ
72の側壁に斜めにもたれかかってベルトコンベヤ73の回
転で連れ回りして硬貨通路121 へ繰り出されなかった硬
貨の場合は、ベルトコンベヤ73上に倒した状態にする。
【0121】残留硬貨類の取り除き、または硬貨をベル
トコンベヤ73上に倒した後、入金操作部331 の入金スタ
ート釦を再度押すと、シャッタモータ57が正転(図5時
計回り方向)され、第1ないし第3のシャッタ15〜17が
閉じられ、図2の状態となり(この場合、図3の状態と
はならない)、硬貨の繰込み動作が再開される。したが
って、従来のように入金ホッパ72内に残留硬貨類がある
場合に機械をダウンさせることがなく、入金口11および
投入口28が閉じられた入金硬貨繰込部71内の残留硬貨類
の取り出しを可能とし、入金動作を再開できるようにし
ている。
【0122】硬貨の繰込み動作の再開後、残留検知セン
サ76a ,76b の両方が残留硬貨無の検知状態でかつ識別
部131 が硬貨識別してから所定時間(識別済硬貨の分岐
が完了するのに十分な時間)経過時において、硬貨の繰
込み動作が停止されて、入金承認操作あるいは入金非承
認操作に備えられる。
【0123】この入金承認操作あるいは入金非承認操作
に備える状態になると、表示部336でその操作をうなが
す表示がなされる。
【0124】そして、入金操作部331 の入金承認釦を操
作すると、一時保留硬貨の収納動作が行なわれる。な
お、オーバーフロー硬貨についてはバケット153 が上昇
した状態で回収ボックス6へ収納し、収納時間を見越し
た時間経過時にバケット153 が下降して定位置復帰す
る。これで入出金待機状態となる。第1ないし第3のシ
ャッタ15〜17は図2の状態のままである。
【0125】また、入金操作部331 の入金非承認釦の操
作時は、入金一時保留硬貨が出金用コンベヤ162 上へ放
出されてバケット153 へ送り込まれ、バケット153 の上
昇と反転により出金トレイ81へ送出される。バケット15
3 が定位置へ下降復帰したことが定位置検知センサ154
で検知されると、図2に示す状態からシャッタモータ57
が正転(図2時計回り方向)され、図4に示す位置で停
止される。この停止は、定位置検知センサ62がベルト56
の検知孔61の検知状態から回転量検知センサ59が所定パ
ルスカウントすることにより行なわれる。そして、第
1、第2および第3のシャッタ15,16,17が図4に示す
位置へ移動されて、出金口12のみが開放される。
【0126】出金口12を通じて入金返却硬貨が取り出さ
れ、出金トレイ81の残留検知センサ83が残留無しを検知
すると、図4に示す状態からシャッタモータ57が逆転
(図4反時計回り方向)され、第1、第2および第3の
シャッタ15,16,17が図2に示す状態に復帰されて停止
される。この停止は、ベルト56の検知孔61を定位置検知
センサ62で検知することで行なわれる。
【0127】また、入金返却硬貨の取り忘れまたは取り
残しが存在し、所定時間経過(バケット153 の定位置へ
の下降復帰の検知から所定時間経過)時においても、出
金トレイ81の残留検知センサ83が残留有りのまま(残留
有りがそれまでに解消され、残留無しとなると、前述の
図2に示す状態への復帰動作が行なわれる)の場合は、
その所定時間経過時に、図4に示す状態からシャッタモ
ータ57が逆転(図4反時計回り方向)され、第1、第2
および第3のシャッタ15,16,17が図2に示す状態に復
帰されて停止される。この停止は、ベルト56の検知孔61
を定位置検知センサ62で検知することで行なわれる。さ
らに、その定位置検知センサ62の検知信号は出金トレイ
81の可動底板82が図示しないモータまたはソレノイドに
よって開放され、取忘れボックス5に回収され、可動底
板82が閉鎖状態に復帰されて、次の入出金処理に待機さ
れる。
【0128】次に、出金処理に関連したシャッタ機構3
の動作について説明する。なお、詳しい出金処理につい
ては後述する。
【0129】出金時には、シャッタ機構3が図2に示す
状態において、出金操作部332 で出金額が入力されると
ともに出金スタート釦の操作が行なわれる。
【0130】この操作により、金種別硬貨収納繰出部73
a 〜73c から所定金額の硬貨が投出され、この出金硬貨
が出金用コンベヤ162 を通じてバケット153 へ送り込ま
れ、バケット153 の上昇と回転反転により出金トレイ81
に送出される。バケット153が回転復帰後、定位置へ下
降復帰したことが定位置検知センサ154 で検知される
と、図2に示す状態からシャッタモータ57が正転(図2
時計回り方向)され、図4に示す位置で停止される。こ
の停止は、定位置検知センサ62がベルト56の検知孔61の
検知状態から回転量検知センサ59が所定パルスカウント
することにより行なわれる。そして、第1、第2および
第3のシャッタ15,16,17が図4に示す位置へ移動され
て、出金口12のみが開放される。
【0131】出金口12を通じて出金硬貨が取り出され、
出金トレイ81の残留検知センサ83が残留無しを検知する
と、図4に示す状態からシャッタモータ57が逆転(図4
反時計回り方向)され、第1および第2のシャッタ15,
16が図2に示す状態に復帰されて停止される。この停止
は、ベルト56の検知孔61を定位置検知センサ62で検知す
ることで行なわれる。
【0132】出金硬貨の取り忘れまたは取り残しが存在
し、所定時間経過(バケット153 の定位置への下降復帰
の検知から所定時間経過)しても、出金トレイ81の残留
検知センサ83が残留有りを検知したままの場合は、その
所定時間経過時に、図4に示す状態からシャッタモータ
57が逆転(図4反時計回り方向)され、第1、第2およ
び第3のシャッタ15,16,17が図2に示す状態に復帰さ
れて停止される。この停止は、ベルト56の検知孔61を定
位置検知センサ62で検知することで行なわれる。さら
に、その定位置検知センサ62の検知信号は出金トレイ81
の可動底板82が図示しないモータまたはソレノイドによ
って開放され、取忘れボックス5に回収され、可動底板
82が閉鎖状態に復帰されて、次の入出金処理に待機され
る。
【0133】また、後述する硬貨の補充時(補充は補充
用筒体176a〜176cから出金用筒体174a〜174cに行なわれ
る)とか回収時には、シャッタ機構3は図2に示す状態
において行なわれる。
【0134】なお、ロック片26,35は入出金処理が待機
状態に復帰すると、第1および第2のソレノイド25,34
の励磁により、第1および第2のシャッタ15,16をロッ
ク状態にしておく。
【0135】次に、図21のフローチャート(一部を省
略している)を参照して、補充カセット8の機体1内へ
の装填時の初期設定動作を説明する。なお、ここでは補
充カセット8について説明するが、出金カセット7も同
様である。ただし、出金カセット7は、原則的に着脱し
ないが、硬貨詰まりの発生時や点検時において、扉体9
側の補充カセット8を取り外した状態で操作レバーを操
作して着脱できる。
【0136】補充カセット8への硬貨の収納は、装着枠
251 から突出する各連結アーム255a〜255cを操作し、自
重で筒最下部に位置する支承部材241 を上昇させて硬貨
を補給する毎に下降させていく。これにより、硬貨を重
積状態に容易に収納させることができる。
【0137】そして、扉体9を開放すると、カセット台
257 が下降し、このカセット台257上に補充カセット8
を載置して、扉体9を閉鎖する。この扉体9の閉鎖に伴
ってカセット台257 が上昇し、補充カセット8の上部に
突出する各嵌合部237 が投出枠201 の各繰出口203 の下
縁部に嵌合する。なお、各支承部材241 の連結ピン254
が対応する各支承部材駆動手段178a〜178cに対向する。
また、各昇降部材277は連結ピン254 の位置より上方に
位置している。また、各揺動枠286 は、扉体9の閉鎖に
よって図18の実線位置、すなわち各支承部材駆動手段
178a〜178cの連結部材280 と各補充用筒体176a〜176c用
の連結ピン254 とが上下方向に係合可能な位置に揺動す
る。
【0138】また、補充カセット8が装填されたことを
カセット検知センサ323 で検知し、初期設定動作信号が
制御部321 に入力され、制御部321 の初期動作駆動手段
324の機能により、各補充用筒体176a〜176cの初期設定
動作が平行して開始される(ステップ1,2)。
【0139】なお、図21には、1円の初期設定動作に
ついてのフローチャートを示すが、平行処理される10
0円、10円の初期設定動作も同様であり、フローチャ
ートは省略している。
【0140】初期設定動作では、まず、ステッピングモ
ータ271 が駆動されて昇降部材277が一旦下降し、連結
部材280 の連結片282 が連結ピン254 に当接する。この
とき、連結片282 の下縁に設けた円弧状の導入部284 が
連結ピン254 の周面に当接するため、連結片282 が逃げ
るように回動した後、連結片282 の連結溝283 が連結ピ
ン254 に係合する。
【0141】この時点で、昇降部材277 の下降位置を下
限センサ292 で検知し、ステッピングモータ271 の駆動
が逆転されて昇降部材277 とともに支承部材241 および
重積硬貨が上昇する(ステップ3)。
【0142】そして、硬貨上端検知センサ203sが重積硬
貨の上端を検知したか、初期設定動作の開始から所定時
間経過したか、上限センサ294 が支承部材241 を検知し
たかを判断する(ステップ4,5,6)。
【0143】そして、補充用筒体176a〜176c内の硬貨重
積状態、支承部材241 と昇降部材277 との連結状態、ス
テッピングモータ271 の駆動による支承部材241 の上昇
がいずれも正常であるならば、所定時間以内に硬貨上端
検知センサ203sが重積硬貨の上端を検知する。その検知
に基づいて、ステッピングモータ271 の駆動が所定時間
逆転された後に停止され、重積硬貨の上端が硬貨上端検
知センサ203sより所定距離下降した待機位置(図24お
よび図25図示位置)に停止される(ステップ7)。
【0144】また、補充用筒体176a〜176c内の硬貨重積
不良あるいはステッピングモータ271 の駆動による支承
部材241 の上昇不良により所定時間経過しても硬貨上端
検知センサ203sが検知しなかった場合や、支承部材241
と昇降部材277 との連結不良により昇降部材277 のみが
上昇して上限センサ294 が検知した場合には、制御部32
1 の初期動作異常判別手段325 の機能により異常と判別
する。
【0145】この異常判別時は、異常報知手段326 によ
り、1円についてのエラーコードを表示し、補充カセッ
ト8のセット不良を報知する(ステップ8,9)。
【0146】そして、以上のステップ3〜9に示す初期
設定動作は、1円以外の各金種についても並行して行な
われる。
【0147】また、テラー用端末328 から初期設定動作
の指令がなされた場合にも、初期設定動作が行なわれ
る。
【0148】次に、図22のフローチャート(一部を省
略している)を参照して、硬貨入金処理について説明す
る。
【0149】なお、待機状態では、図24に示すよう
に、投出部材212 は投出位置に位置され、保留位置に位
置する保留枠181 の各一時保留部172a〜172cの下面を閉
鎖している(ステップ11)。
【0150】投入口28に例えば5枚の硬貨が一度にまと
めて投入される。投入口28に投入された硬貨は、入金ホ
ッパ72のベルトコンベヤ73上に落下し、ベルトコンベヤ
73と逆転ローラ74の作動によって1枚ずつ硬貨通路121
に繰り出される。硬貨通路121 に繰り出された硬貨は、
ベルトコンベヤ73と搬送ベルト125 ,128 との周速差に
よって間隔をあけられるとともに第1の基準壁123bに沿
って搬送され、識別部131 で識別される。
【0151】識別部131 でリジェクト貨が識別されれ
ば、強制分類手段139 が作動され、リジェクト貨が分類
孔134 で強制的に落下排除されてリジェクトシュート15
1 を通じてリフトシュート152 の硬貨受取位置に位置す
るバケット153 内に収容される。
【0152】識別部131 で出金に利用しない5円、50
円、500円の金種硬貨、あるいは出金に利用する1
円、100円、10円の金種硬貨でもフルセンサ293 に
よって満杯が検知されている金種硬貨が識別されれば、
強制分類手段140 が作動され、対応する硬貨が分類孔13
5 から強制的に落下排除されてシュート161 を通じて出
金コンベヤ162 上に一時保留される。
【0153】識別部131 で出金に利用する1円、100
円、10円の金種硬貨で満杯が検知されていない金種硬
貨は、強制分類手段139 ,140 の位置を通過して硬貨通
路121 の下流域の第2の基準壁123dに沿って搬送され、
対応する大きさの分類孔136〜138 に落下して、図24
に示すように、保留枠181 の一時保留部172a〜172cに落
下し、一時保留部172a〜172cの下面を閉鎖状態にある投
出部材212 上に重積状態に一時保留される(ステップ1
2)。
【0154】入金硬貨繰込部71の残留硬貨検知センサ76
a ,76b が硬貨無を検知しかつ識別部131 が硬貨を一定
時間検知しないことにより入金硬貨の全てが一時保留し
たものと判断する(ステップ13)。このとき、リジェク
ト貨が識別されてバケット153 に収容されている場合に
は、識別部131 によるリジェクト貨識別結果を制御部32
1 が記憶していることによりこの制御部321 を通じ、バ
ケット153 が上昇されて出金トレイ81内に回転し、リジ
ェクト貨が出金トレイ81内に放出されることにより、前
述のように第1のシャッタ15が開放移動されて出金口12
のみが開放され、出金トレイ81内のリジェクト貨の取り
出しが可能となる。バケット153 は、原姿勢に回転復帰
した後、下降し、元の定位置に復帰して停止する。
【0155】なお、ベルトコンベヤ73上に繰り出せない
残留硬貨類が残ったことが残留検知センサ76a ,76b に
よって検知された場合には、前述のように、第1ないし
第3のシャッタ15〜17が開放移動されて入金口11および
出金口12が開放され、操作者によりベルトコンベヤ73上
の残留硬貨類が取り出される。再度の入金スタート釦の
操作により入金処理が再開される。
【0156】そして、硬貨の一時保留が終了した後、入
金が承認されれば、出金コンベヤ162 上の一時保留硬貨
は、再度バケット153 が硬貨受取位置から上方へ移動さ
れた状態で、シャッタ164 が開放されるとともに出金コ
ンベヤ162 が駆動されることにより、リフトシュート15
2 および振分シュート155 を通じて回収ボックス6に導
かれて一括して収納される。バケット153 は、出金コン
ベヤ162 上の硬貨が放出するに十分な所定時間経過後
に、下降し、定位置へ復帰して停止する。
【0157】一方、1円、100円、10円の金種硬貨
のうち、入金があって保留枠181 に一時保留された金種
硬貨についての硬貨収納動作が並行して行なわれる。な
お、図22には、1円の硬貨収納動作についてのフロー
チャートを示すが、並行処理される100円、10円の
硬貨収納動作も同様であり、フローチャートは省略して
いる。
【0158】1円、100円、10円の金種硬貨のう
ち、入金があった金種硬貨に対応する出金用筒体174a〜
174cの支承部材駆動手段177a〜177cのステッピングモー
タ271が駆動され、重積硬貨の上端が硬貨上端検知セン
サ202sよりやや下方となる定位置(図26参照)から投
出部材212 の下面の収納位置まで上昇される(ステップ
14,15)。
【0159】投出部材212 が退避位置(図24の2点鎖
線位置)に移動して各保留筒部182の下面が開口され、
一時保留硬貨が重積状態のまま支承部材241 上の重積硬
貨上に載り移る(ステップ16)。なお、一対のストッパ
226 は硬貨補充動作時以外は上昇位置にあり、一時保留
硬貨の収納時もその誘導ガイドとして機能する。
【0160】1円、100円、10円の金種硬貨のう
ち、入金があった金種硬貨に対応する出金用筒体174a〜
174cの支承部材駆動手段177a〜177c(図8および図9参
照)のステッピングモータ271 が逆転駆動され、支承部
材241 が下降する(ステップ17,18)。それに伴い、重
積硬貨が下降されて対応する出金用筒体174a〜174c内に
収納されていき、重積硬貨の上端が硬貨上端検知センサ
202sで検知されなくなった時点で、支承部材241 の下降
が一時停止される(ステップ19,20)。
【0161】投出部材212 が投出位置に移動され(ステ
ップ21)、また一時停止された支承部材駆動手段177a〜
177cのステッピングモータ271 が逆転駆動され、重積硬
貨の上端が硬貨上端検知センサ202sより所定距離下降し
た待機位置(図26図示位置)に移動されたときステッ
ピングモータ271 が停止される(ステップ22)。
【0162】一方、硬貨の一時保留後、返却が指令され
た場合には、一時保留硬貨放出手段185 のモータ186 が
駆動され、保留枠181 が返却位置(図24の2点鎖線位
置)に移動され、一時保留硬貨が出金コンベヤ162 上に
放出される。放出後に、保留枠181 は移動前の収納位置
に復帰される。
【0163】バケット153 が硬貨受取位置に位置する状
態で、シャッタ164 が開放されるとともに出金コンベヤ
162 が駆動され、出金コンベヤ162 上に一時保留されて
いた硬貨および保留枠181 から出金コンベヤ162 上に放
出された硬貨が、リフトシュート152 のバケット153 内
に投入される。返却硬貨を収納したバケット153 が上昇
されて出金トレイ81内に回転し、返却硬貨が出金トレイ
81内に放出されることにより、前述のように、第1のシ
ャッタ15が開放移動されて出金口12のみが開放され、出
金トレイ81内の返却硬貨の取り出しが可能となる。な
お、バケット153は回転復帰した姿勢で硬貨受取位置ま
で下降して停止される。
【0164】なお、出金トレイ81に返却硬貨が返却され
た後、所定時間経過しても出金トレイ81内に硬貨(リジ
ェクト貨を含む)があることが残留検知センサ83で検知
されると、硬貨を取り忘れたものと判断し、第1のシャ
ッタ15を閉じた後、出金トレイ81の可動底板82を開放
し、取り忘れ硬貨を取忘れボックス5に回収する。回収
後に、可動底板82は移動前の閉鎖位置に復帰される。
【0165】次に、図23のフローチャート(一部を省
略している)を参照して、硬貨出金処理について説明す
る。なお、出金は1円、10円、100円の3種類の硬
貨の組み合わせによって行なわれる。
【0166】例えばデラーズマシンから投出指令(金種
や枚数など)が入力されると(ステップ31)、まず、初
期設定が行なわれる(ステップ32)。この初期設定で
は、各金種硬貨の投出枚数のカウンタの数値がn1 =n
100 =n10=0にセットされ、図25に示すように、投
出部材212 が退避位置に移動されるとともに、保留枠18
1 が放出位置に移動されて、各出金用筒体174a〜174cの
上方に保留枠181 の下面が臨ませられる。
【0167】投出指令のあった複数の金種硬貨について
の硬貨投出動作が並行して行なわれる。なお、図23に
は、1円の硬貨投出動作についてのフローチャートを示
すが、並行処理される他の金種硬貨の硬貨投出動作も同
様であり、フローチャートは省略している。
【0168】投出指令があった金種に対応する支承部材
駆動手段177a〜177cのステッピングモータ271 が駆動さ
れ、各出金用筒体174a〜174cの重積硬貨の最上位の1枚
の硬貨が図26位置から投出位置(図25位置)まで上
昇される(ステップ33,34)。このとき、重積硬貨の最
上位硬貨は保留枠181 の下面に当接している。なお、重
積硬貨の最上位の硬貨が保留枠181 の下面に当接して
も、支承部材241 のスプリング247 が収縮して吸収す
る。このとき、補充用筒体176a〜176cの重積硬貨上面は
図25位置にあり投出部材212 はそれらの重積硬貨とは
接触しない。
【0169】投出部材212 が往復駆動され、図25に示
すように、この投出部材212 の投出板214 の出金用投出
部215 で最上位の硬貨1枚が投出溝204 に押し出されて
出金コンベヤ162 上に放出される(ステップ35)。この
とき、投出される硬貨によって計数部219 のスイッチ22
3 が入り、投出枚数n1 がカウントされる(ステップ3
6)。出金コンベヤ162 上に投出された硬貨は、指令さ
れた金種硬貨枚数分の硬貨が投出されるまで一括して一
時保留される。
【0170】投出枚数n1 が投出指令枚数に達しなけれ
ば、重積硬貨が硬貨1枚分だけ上昇され、保留枠181 の
下面に当接状態となり、ステップ35に戻って再度投出動
作を行なう(ステップ37,38)(図25参照)。
【0171】ある金種硬貨についてカウントされる投出
枚数n1 が指令投出枚数に達したならば、ステッピング
モータ271 が制御部321 により逆転駆動され、投出部材
212の次の投出動作時にはその金種の重積硬貨上面は投
出部材212 下面より下方に位置しているので、その金種
硬貨の投出は行なわれない。また、その金種のステッピ
ングモータ271 はさらに逆転を続け重積硬貨上面が図2
5の硬貨上端検知センサ202sを通過してから所定パルス
逆転した時点で制御部321 により停止され、そのときの
重積硬貨上面は図26図示位置である。
【0172】他の金種硬貨については、硬貨の投出動作
が続けられ、カウントされた投出枚数n1 が投出指令枚
数に達する毎に前述の動作でその金種の投出動作は終了
し、最後の金種のカウントされる投出枚数が投出指令枚
数に達したとき、その支承部材241 は前述の動作で下降
されて停止され、また、投出部材212 は後退位置へ後退
したとき、制御部321 により投出部材駆動手段217 でも
ってその位置で停止される(ステップ39)。
【0173】なお、各金種毎に設けられる一対のストッ
パ226 は硬貨補充動作以外のときは、図25の破線位置
(上昇位置)に位置しており、図11および図25にお
いて、投出部材212 の投出動作(往復移動)後の復動
時、その投出部材212 下面に接触する重積硬貨中の最上
位硬貨が繰出溝205 へ送られるのを防止している。
【0174】指令された全金種硬貨枚数(指令された金
額から算出される全金種枚数の場合も含む)とカウント
された全金種硬貨枚数とが一致すれば、バケット153 が
硬貨受取位置に位置する状態で、シャッタ164 が開放さ
れるとともに出金コンベヤ162 が駆動され、出金コンベ
ヤ162 上に一時保留されていた出金硬貨が、リフトシュ
ート152 のバケット153 内に投入される。出金硬貨を収
納したバケット153 が上昇されて出金トレイ81内に回転
し、出金硬貨が出金トレイ81内に放出されることによ
り、前述のように、第1のシャッタ15が開放移動されて
出金口12のみが開放され、出金トレイ81内の出金硬貨の
取り出しが可能となる。なお、バケット153 は、出金ト
レイ81内へ揺動回転した後、回転復帰姿勢となり、その
姿勢のまま下降し、図7実線位置(硬貨受取位置)へ復
帰して停止する。
【0175】なお、出金トレイ81に出金硬貨が返却され
た後、所定時間経過しても出金トレイ81内に出金硬貨が
あることが残留検知センサ83で検知されると、硬貨を取
り忘れたものと判断し、前述のように、第1のシャッタ
15を閉じた後、出金トレイ81の可動底板82を開放し、取
り忘れ硬貨を取忘れボックス5に回収する。回収後に、
可動底板82は移動前の閉鎖位置に復帰される。
【0176】また、例えば、硬貨詰まりなどによってい
ずれかの金種(複数金種の場合もある)について指令さ
れた金種硬貨枚数とカウントされた金種硬貨枚数とが一
致しなかった場合には、まず、バケット153 が硬貨受取
位置から上方へ移動されて停止されるとともに、振分シ
ュート155 の切換板156 が回収ボックス6の運用リジェ
クト部6a側に通路を切り換え、この状態で、シャッタ16
4 が開放されるとともに出金コンベヤ162 が駆動され、
出金コンベヤ162 上に一時保留されていた硬貨がリフト
シュート152 、振分シュート155 、切換板156 を通じて
回収ボックス6の運用リジェクト部6aに回収される。
【0177】なお、不一致となった硬貨を回収した後に
は、再度出金処理を行なってもよいし、出金エラーとし
て停止するようにしてもよい。
【0178】次に、出金用筒体174a〜174cへの補充処理
について説明する。
【0179】この補充処理は、例えば、循環式硬貨入出
金機が設置された金融機関の始業時に、硬貨が装填され
ていない機体1内の出金用筒体174a〜174cに対して硬貨
を装填するために、補充カセット8を装着して図示しな
い補充指令ボタンなどを操作することで開始されたり、
あるいは、出金用筒体174a〜174cからの出金に伴ってニ
アエンプティセンサ293 により硬貨収納量が残りわずか
であることが検知された場合に、自動的または図示しな
い補充指令ボタンなどの操作によって開始される。
【0180】図26に示すように、補充指令によって、
保留枠181 は保留位置のまま、投出部材212 が退避位置
に移動される。なお、そのとき、出金用筒体174a〜174c
の重積硬貨上面は図26位置に位置しているが、出金終
了直後などの場合は図26位置になった状態でないと硬
貨補充動作に入らない。また、補充指令により一対のス
トッパ226 は図示しないソレノイドによって図26図示
位置へ下降位置している。
【0181】補充指令のあった金種硬貨についての硬貨
補充動作が各金種並行して行なわれる。すなわち、投出
指令があった金種に対応する支承部材駆動手段178a〜17
8cのステッピングモータ271 が正転駆動され、補充用筒
体176a〜176cの最上位の1枚の硬貨が図24、図25図
示位置から繰出位置(投出部材212 の下面当接位置)ま
で上昇される。なお、重積硬貨の最上位の硬貨が投出部
材212 の下面に当接しても、支承部材241 のスプリング
247 が収縮して吸収する。
【0182】投出部材212 が往復駆動され、この投出部
材212 の投出板214 の補充用投出部216 で補充用筒体17
6a〜176cの最上位の硬貨1枚が繰出溝205 に押し出さ
れ、その繰出溝205 を滑り落ちて出金用筒体174a〜174c
内に落下し、出金用筒体174a〜174c内の重積硬貨の上面
に重積される。このとき、投出される硬貨によって計数
部220 のスイッチ224 が入り、補充枚数がカウントされ
る。また、保留枠181 の下面の各規制片196 が投出枠20
1 の各投出溝204 に入り込み、投出溝204 への硬貨の進
入が不可能な状態となるため、補充硬貨が誤って出金コ
ンベヤ162 側に投出されることはない。
【0183】このとき、出金用筒体174a〜174cの支承部
材241 はその上の重積硬貨上面(重積硬貨がない場合は
支承部材241 上面)が硬貨上端検知センサ202sで検知さ
れた位置からステッピングモータ271 が所定パルス逆転
した状態で停止(図26図示)されており、出金用筒体
174a〜174cに補充硬貨が入り、その補充硬貨が硬貨上端
検知センサ202sで検知されると、補充があった金種硬貨
に対応する出金用筒体174a〜174cの支承部材駆動手段17
7a〜177cのステッピングモータ271 が前記所定パルス逆
転駆動されて支承部材241 が下降され、重積硬貨の上端
が硬貨上端検知センサ202sで検知されなくなった時点で
支承部材241 の下降が停止され、重積硬貨の上端が硬貨
上端検知センサ202sより所定距離下降した待機位置に移
動される。
【0184】カウントされた補充枚数が所定の補充指令
枚数に達しなければ、補充用筒体176a〜176cの重積硬貨
が硬貨1枚分だけ上昇されてその最上位の硬貨が投出部
材212 の下面に当接し、往復移動する投出部材212 によ
って再度繰り出して補充動作を行なう。
【0185】その補充動作中に、複数の補充金種中のあ
る金種について、カウントされた補充枚数が所定の補充
指令枚数に達した時点で、その金種の支承部材駆動手段
178a〜178cが制御部321 により逆転駆動され、投出部材
212 の投出動作時にその金種の硬貨は投出されない。ま
た、その金種の支承部材駆動手段178a〜178cはさらに回
転を続け、硬貨上端検知センサ203sが重積硬貨上面の通
過を検知してから所定パルス分、ステッピングモータ27
1 が逆転駆動された時点、すなわち図24、図25位置
に支承部材241 上の重積硬貨上面が位置した時点で制御
部321 により停止される。
【0186】カウントされた補充枚数が所定の補充指令
枚数に達しない金種については、前述の補充動作が制御
部321 により続行され、補充指令枚数に達した金種毎に
その金種のステッピングモータ271 が制御部321 により
逆転駆動され、支承部材241が下降されて図24、図2
5位置で停止される。
【0187】そして、硬貨補充すべき全ての金種につい
てカウントされた補充枚数が所定の補充指令枚数に達し
たとき、投出部材212 は、後退位置へ位置したときすな
わち図25、図26の位置に位置したときに制御部321
による投出部材駆動手段217の停止でもって停止され
る。なお、単金種の補充の場合は、その金種の硬貨のカ
ウントされた補充枚数が所定の補充指令枚数に達し、投
出部材212 が後退位置へ復帰した段階で停止され、支承
部材駆動手段178a〜178cも支承部材241 上の重積硬貨上
面が図24、図25に位置した時点で停止される。
【0188】以上の動作で補充動作が完了し、次の入出
金処理が可能となる。
【0189】このように、出金用筒体174a〜174cに対応
してその出金用筒体174a〜174cの隣接域に補充用筒体17
6a〜176cを設け、この補充用筒体176a〜176cの硬貨を1
枚ずつ繰り出して対応する出金用筒体174a〜174cに直接
補充するため、硬貨の補充時間を短縮できるとともに、
硬貨を必要枚数だけ補充でき、入出金取引準備状態に迅
速に移行できる。
【0190】なお、本実施の形態では、本発明の繰出停
止部は制御部321 と支承部材駆動手段178a〜178cおよび
または投出部材駆動手段217 であり、硬貨の補充手段と
兼用されている。また、本発明の計数部は、本実施の形
態では計数部220 が相当する。
【0191】次に、硬貨の回収処理について説明する。
【0192】この回収処理は、例えば、循環式硬貨入出
金機が設置された金融機関の終業時に、機体1内の全て
の硬貨を回収して金庫などに収納するために、図示しな
い回収指令ボタンなどの操作によって開始される。
【0193】出金用筒体174a〜174cからの硬貨の回収
は、前述の出金時と同様に、出金用筒体174a〜174c内の
全ての硬貨が出金コンベヤ162 上に投出された後、バケ
ット153 が硬貨受取位置から上方へ移動された状態で、
シャッタ164 が開放されるとともに出金コンベヤ162 が
駆動されることにより、リフトシュート152 および振分
シュート155 を通じて回収ボックス6に導かれて回収さ
れる。
【0194】補充用筒体176a〜176cからの硬貨の回収
は、まず、前述の補充時と同様に、補充用筒体176a〜17
6c内の全ての硬貨が出金用筒体174a〜174cに収納され、
その後、前述の出金用筒体174a〜174cからの硬貨の回収
と同様に、出金用筒体174a〜174c内の全ての硬貨が出金
コンベヤ162 上に投出され、リフトシュート152 および
振分シュート155 を通じて回収ボックス6に導かれて回
収される。
【0195】そして、前面運用の場合には機体1を前方
へ引き出して回収ボックス6の取り外しが行なわれ、後
面運用の場合には機体1を後方へ引き出して回収ボック
ス6の取り外しが行なわれる。なお、機体1の前方また
は後方への引き出し状態で、取忘れボックス5および補
充カセット8も取り外すことができる。
【0196】次に、補充カセット8の機体1からの取り
外しについて説明する。
【0197】図8において、扉体9を開放すると、押上
レバー262 がローラ260 から外れ、カセット台257 およ
び補充カセット8が下降し、補充カセット8の上部に突
出する各嵌合部237 が投出枠201 の繰出口203 の下縁部
から下方に脱落する。
【0198】また、それと同時に、図18において、扉
体9の作動部材316 がローラ315 との接触位置から外
れ、スプリング313 の付勢により、揺動レバー311 、連
動部材301 および連動リンク303 を介して、各揺動枠28
6 が実線位置から2点鎖線位置へ一体的に揺動する。そ
のため、揺動枠286 と一体に図16図示の昇降部材277
も揺動し、図16および図17図示の連結部材280 の連
結片282 が支承部材241の連結ピン254 から外れ、各補
充用筒体176a〜176c内で支承部材241 および重積硬貨が
下降する。
【0199】したがって、扉体9が開放された開口部を
通じて、補充カセット8を機体1内から取り出すことが
できる。
【0200】以上のように、出金用筒体174a〜174cに対
応してその出金用筒体174a〜174cの隣接域に補充用筒体
176a〜176cを設け、この補充用筒体176a〜176cの硬貨を
1枚ずつ繰り出して対応する出金用筒体174a〜174cに直
接補充するため、硬貨の補充時間を短縮できるととも
に、硬貨を必要枚数だけ補充でき、入出金取引準備状態
に迅速に移行できる。
【0201】また、補充カセット8は補充用筒体176a〜
176cとその補充用筒体176a〜176cが装着される装着枠25
1 を有し、この装着枠251 は機体1に対して着脱可能に
装着でき、この装着枠251 を機体1から外すことにより
機体1外で補充用筒体176a〜176cへの硬貨の装填作業を
容易に行なえ、しかも、補充用筒体176a〜176cを着脱可
能としても、機体1側に設けた繰出機構211 により、補
充用筒体176a〜176cの硬貨を繰り出すことができる。な
お、繰出機構211 は、機体1側、補充カセット8の装着
枠251 側、機体1側と装着枠251 側とに分割のうちのい
ずれの状態で設けてもよい。
【0202】また、繰出機構211 では、補充用筒体176a
〜176cから繰り出される硬貨を計数部220 により計数
し、必要枚数繰出時に補充用筒体176a〜176cからの硬貨
の繰り出しを繰出停止部により停止するため、硬貨を必
要枚数だけ補充できる。
【0203】また、上部から硬貨を出し入れする出金用
筒体174a〜174cおよび補充用筒体176a〜176cであって、
出金用筒体174a〜174cの上部から硬貨を投出する出金用
投出部215 を有するとともに補充用筒体176a〜176cの上
部から硬貨を出金用筒体174a〜174cに繰り出す補充用投
出部216 を有する1つの投出部材212 の同一ストローク
の移動により、出金用筒体174a〜174cからの硬貨の投出
および補充用筒体176a〜176cから出金用筒体174a〜174c
への硬貨の繰り出しを行なえ、繰出機構211 は投出部材
212 を同一ストローク移動させればよいので簡素化でき
る。なお、ある金種の出金用筒体174a〜174cからの硬貨
の投出に並行して別の金種の補充用筒体176a〜176cから
出金用筒体174a〜174cへの硬貨の補充も可能であり、こ
の方法により硬貨の補充を行なう場合には入出金取引準
備状態により一層迅速に移行できる。
【0204】なお、出金用筒体174a〜174cおよび補充用
筒体176a〜176cとしては、円筒形状、四角筒形状、硬貨
径方向の周縁複数箇所に接触する複数の側壁部材で構成
するものでもよく、また、重積硬貨が保持できれば筒周
壁の一部が開放していてもよい。また、投出部材212 は
金種毎に別の電気的駆動手段としてもよく、また、出金
用と補充硬貨繰出用で別の投出部材としてもよく、電気
的駆動手段も別々に設けてもよい。
【0205】また、前記実施の形態では一時保留部172a
〜172cを保留枠181 とこの保留枠181 の下面を開閉する
投出部材212 とで構成していたが、投出部材212 とは別
に、保留枠181 の下面を開閉する底板を設けてもよい。
【0206】また、投出部材212 に保留枠181 の下面を
開閉する機能を兼用させる場合、投出部材212 の投出側
の下面縁部に重積硬貨の上端の硬貨1枚に係合可能とす
る段部を設ける。そして、硬貨投出時において、支承部
材141 で上昇される重積硬貨の上端を投出部材212 の段
部で受け、この段部で硬貨1枚を引掛けて投出する。こ
の場合、前記実施の形態のように保留枠181 の下面を出
金用筒体74a 〜74c の上方に臨ませずに、重積硬貨の状
態を受けて支持することができる。
【0207】また、保留枠181 と投出枠201 との間に2
枚の投出板を設け、上側の投出板で保留枠181 内の硬貨
を返却投出させ、下側の投出板で出金用筒体174a〜174c
および補充用筒体176a〜176c内の硬貨を投出および繰出
させ、両投出板の退避で保留枠181 の保留硬貨を出金用
筒体174a〜174c内に収納させるようにしてもよい。この
場合、前記実施の形態のように保留枠181 を移動させず
にすむ。
【0208】また、保留枠181 の入金硬貨の受け入れ待
機時の位置を出金コンベヤ162 上に配置し、保留枠181
の保留硬貨の返却時に保留枠181 からそのまま出金コン
ベヤ162 に放出し、収納時には保留枠181 が出金用筒体
174a〜174c上へ移動して収納させるようにしてもよい。
【0209】なお、入金硬貨中の出金に使用する硬貨を
分類して金種別硬貨収納繰出部173a〜173cに収納するこ
とは、入金硬貨を一時保留することなく、入金硬貨を金
種分類して金種別硬貨収納繰出部173a〜173cに収納する
タイプ、入金硬貨を一時保留するものでも金種別に一時
保留し、入金承認時に金種別硬貨収納繰出部173a〜173c
に収納するタイプ、入金硬貨を一時保留するものでも一
括一時保留(金種分類せずに金種混合状態で一時保留)
し、入金承認時に金種分類して金種別硬貨収納繰出部17
3a〜173cに収納するタイプを含む。
【0210】また、入金硬貨中の出金に使用する硬貨を
分類して金種別硬貨収納繰出部173a〜173cに収納するこ
とは、入金識別時に入金真貨を正貨と損貨に区分識別す
るタイプを採用する場合、金種別硬貨収納繰出部173a〜
173cには入金真貨中の正貨が収納され、入金真貨中の損
貨は別の収納部に収納されるタイプ、入金真貨を正貨・
損貨に区分けしないタイプを含む。さらに、金種別硬貨
収納繰出部173a〜173cの収納量が設定量に達するとそれ
以上の硬貨はオーバーフロー硬貨として扱う場合もあ
り、金種分類とは具体的な分類方式にもよるが単に金種
分類するものに限定されるものではなく、入金正貨の金
種分類、入金正貨中のオーバーフロー到達前の硬貨の分
類も含む。
【0211】次に、図27ないし図31に第2の実施の
形態を示して説明する。
【0212】この実施の形態では、図28において、シ
ャッタ機構3は、入金口11を開閉する入金口シャッタ40
0 、出金口12を開閉する出金口シャッタ(図示せず)を
有し、それら入金口シャッタ400 および出金口シャッタ
が図示しないシャッタ開閉駆動部によって選択的に開閉
される。そして、入金口11の下方に配設された入金硬貨
繰込部401 に硬貨を重積状態で一度にまとめて投入する
ように構成される。
【0213】入金硬貨繰込部401 は、図27および図2
8に示すように、重積状態で一度にまとめて投入される
硬貨を受け取る受入部材402 を有し、この受入部材402
には、硬貨が径方向から挿入されてその硬貨の周縁を保
持可能な後側半分の半円筒部403 が形成され、この半円
筒部403 の底面に硬貨の底面を受ける底板部404 が形成
されている。半円筒部403 には底板部404 の上面から硬
貨1枚の厚みより少し大きい程度の間隙すなわち硬貨1
枚のみが通過可能とする間隙および横幅をあけて繰出溝
405 が形成され、底板部404 には前後方向に沿って(半
円筒部403 の径方向の開口403a側から繰出溝405 にわた
って)溝部406 が形成され、この溝部406 の前端側の両
側に面取部407 が形成されている。この面取部407 は重
積硬貨挿入時の重積硬貨下面を支える指の進入を可能と
するものである。
【0214】受入部材402 の半円筒部403 の両側外面に
は、その半円筒部403 の外面に沿った円弧状の一対のシ
ャッタ板408 がそれぞれ配設されている。一対のシャッ
タ板408 には円周方向に沿って複数の長孔409 が形成さ
れ、この各長孔409 が半円筒部403 から突設された複数
の各ガイドピン410 に係合されて、各シャッタ板408が
半円筒部403 の円周方向に移動可能に支持されている。
これにより、一対のシャッタ板408 は、後方へ移動して
半円筒部403 の前面の開口404aを開放するとともに繰出
溝405 の両側縁を閉鎖する第1の位置と、前方へ移動し
て半円筒部403の前面の開口404aの両側縁を閉鎖すると
ともに繰出溝405 を開放する第2の位置とに移動可能と
する。
【0215】各シャッタ板408 の外面には支持ピン411
が突設され、この両支持ピン411 間に半円筒部403 の後
側を経由してスプリング412 が張設され、このスプリン
グ412 の付勢によって一対のシャッタ板408 が開放方向
に付勢されている。各シャッタ板408 の外面には突部41
3 が突設されている。
【0216】受入部材402 の半円筒部403 の上端には機
体1側に対して回動可能に支持される揺動支軸414 が水
平に取り付けられている。受入部材403 は、揺動支軸41
4 を支点として、半円筒部403 の前面開口が上方の開口
部2に臨むように傾斜した硬貨受入位置(図28の2点
鎖線位置、図30の位置)と、ほぼ垂直となる硬貨繰出
位置(図28の実線位置、図31の位置)とに揺動可能
とされる。揺動支軸414 には図示しない駆動手段によっ
て駆動される駆動レバー415 が固着され、この駆動レバ
ー415 を介して受入部材402 が揺動される。
【0217】受入部材402 の硬貨繰出位置の両側域に対
応して、硬貨受入位置から硬貨繰出位置への受入部材40
2 の揺動時に、各シャッタ板408 の突部413 と当接して
各シャッタ板408 を係止し、受入部材402 の続行する揺
動を通じてこの各シャッタ板408 を受入部材402 に対し
て後方の第1の位置から前方の第2の位置に移動させる
一対の押動ピン416 が配設されている。
【0218】受入部材402 の下方から硬貨通路121 の入
口部にかけて繰出ベルト321 が張設されている。この繰
出ベルト321 は、前後の一対のプーリ322 ,323 間に張
設され、図示しないモータの駆動によってベルト上面が
後方の硬貨通路121 に向けて移動するように回転され
る。繰出ベルト321 の外面には1箇所に繰出突起324 が
突設されている。
【0219】図29において、硬貨通路121 の通路底板
22の前端には、硬貨繰出位置に揺動する受入部材402 の
底板部404 の後縁が係合する凹部325 が形成されている
とともに、繰出ベルト321 が配置されるベルト係合用溝
部326 が形成されている。
【0220】なお、受入部材402 が硬貨繰出位置に揺動
した際には、底板部404 の上面が硬貨通路121 の通路底
板22の上面とほぼ同一高さ面となる。繰出ベルト321 が
底板部404 の溝部406 に入り込み、繰出ベルト321 の繰
出突起324 が底板部404 の上面より上方に突出可能とす
るとともに繰出溝405 の下側を通過可能とする。
【0221】次に、第2の実施の形態の作用を説明す
る。
【0222】入金硬貨繰込部401 の待機状態では、図2
8の2点鎖線位置および図30に示すように、受入部材
402 が、半円筒部403 の前面の開口404aが上方の開口部
2に臨むように傾斜した硬貨受入位置に位置されてい
る。この状態では、スプリング412 の付勢によって一対
のシャッタ板408 が後方の第1の位置に位置され、半円
筒部403 の前面の開口404aが開放されて硬貨の受け入れ
が可能な状態となっているとともに、繰出溝405 の両側
縁が閉鎖されて硬貨の通過が不可能な状態となってい
る。
【0223】入金操作部331 の操作により、入金口シャ
ッタ400 が開移動して入金口11が開放され、この入金口
11を通じて、図27に示すように、硬貨を重積状態にま
とめた状態で受入部材402 に投入する。投入された硬貨
は、半円筒部403 または繰出溝405 を閉鎖するシャッタ
板408 に寄りかかった状態で、受入部材402 の底板部40
4 上に載置される。
【0224】受入部材402 への硬貨の投入が図示しない
センサなどで検知されると、入金口シャッタ400 が閉移
動して入金口11が閉鎖され、図28の実線位置および図
31に示すように、受入部材402 がほぼ垂直な硬貨繰出
位置に揺動される。
【0225】受入部材402 がほぼ垂直な硬貨繰出位置に
揺動されると、底板部404 の上面が硬貨通路121 の通路
底板22の上面とほぼ同一高さ面となるとともに、繰出ベ
ルト321 が底板部404 の溝部406 に入り込む。さらに、
各シャッタ板408 の突部413が各押動ピン416 に当接
し、スプリング412 の付勢に抗して、一対のシャッタ板
408 が受入部材402 上で後方の第1の位置から前方の第
2の位置に移動される。この一対のシャッタ板408 の第
2の位置への移動により、半円筒部403 の前面の開口40
4aの両側縁が閉鎖されて硬貨の前方への移動が規制され
るとともに、繰出溝405 が開放されて硬貨の繰り出しが
可能とされる。
【0226】そして、繰出ベルト321 が回転され、受入
部材402 外に待機されていた繰出ベルト321 の繰出突起
324 が一対のシャッタ板408 の間および溝部406 を通じ
て受入部材402 の内側に進入し、その繰出突起324 が底
板部404 上に載る最下位の硬貨に係合して、その1枚の
硬貨を繰出溝405 を通じて硬貨通路121 に繰り出す。硬
貨通路121 に繰り出される硬貨は、硬貨通路121 上の搬
送ベルト125 に受け渡されて搬送される。このとき、繰
出ベルト321 による硬貨の繰出速度より搬送ベルト125
による搬送速度の方が速く、硬貨通路121 を搬送される
硬貨の間隔があけられる。
【0227】また、受入部材402 からの硬貨の繰り出し
が終了した後(硬貨通路121 の識別部131 が所定時間硬
貨を検知しなくなった後)、繰出ベルト321 が停止さ
れ、受入部材402 が元の硬貨受入位置に揺動され、次の
硬貨の受入が可能な状態に復帰される。
【0228】以上のように、入金口シャッタ15〜17,40
0 で開閉される入金口11の下部に臨んで入金硬貨繰込部
71,401 を設けることにより、この入金硬貨繰込部71,
401で残留硬貨類が発生した場合に、入金処理部333 に
よる入金処理を一時中断させるとともに入金口シャッタ
15〜17,400 を開放させて入金口11から残留硬貨類の除
去などの残留解消操作を可能とし、かつ、残留解消操作
後に入金口シャッタ15〜17,400 を閉鎖させるとともに
入金処理部333 による入金処理を再開させるため、機械
をダウンさせたり、残留硬貨類の返却のために特別な機
構を用いることなく、残留解消を簡単にできる。
【0229】また、第1の実施の形態では、第1のシャ
ッタ15の閉鎖状態において投入口28からの入金硬貨の投
入を可能とするため、入金硬貨以外の異物などの投入の
可能性を低減でき、さらに、第1ないし第3のシャッタ
15〜17を開放すれば残留解消操作を行なえる。しかも、
投入口28を開閉する第3のシャッタ17を有するため、入
金処理時以外での投入口28への硬貨や異物などの投入を
防止できる。また、入金口11と出金口12を並設し、それ
ら入金口11と出金口12を開閉する第1および第2のシャ
ッタ15,16、および投入口28を開閉する第3のシャッタ
17を共通のシャッタ開閉駆動部51で駆動するため、シャ
ッタ開閉構造を簡素化できる。
【0230】また、第2の実施の形態では、入金硬貨の
投入時および残留解消操作時に入金口シャッタ400 を開
放するとともに、入金処理部333 による入金処理時に入
金口シャッタ400 を閉鎖するため、入金硬貨の投入およ
び残留解消操作を容易に行なえるとともに、入金処理を
確実に行なえる。
【0231】次に、図32に本発明の第3の実施の形態
を示す。
【0232】この実施の形態は、第1の実施の形態にお
いて投入口28を第1のシャッタ15に設けるのに代えて、
入金硬貨繰込部71の上縁開口部となる入金口11の上部位
置の機体1の固定機枠に投入口28を設け、入金口11を入
金口シャッタ501 で開閉するとともに投入口28を投入口
シャッタ502 で開閉するようにしてもよい。この場合、
入金口シャッタ501 を残留解消操作時にのみ開放するた
め、入金硬貨以外の異物などの投入の可能性を低減で
き、さらに、入金口シャッタ501 を開放すれば残留解消
操作を行なえる。
【0233】また、図2において、入金口11、出金口12
に各々専用の入金口シャッタ、出金口シャッタを設け、
独立した駆動モータで開閉させてもよく、また、入金口
シャッタに投入口を設けず、この入金口シャッタを開放
して入金硬貨を投入するようにしてもよい。
【0234】なお、金種別硬貨収納繰出部173a〜173cお
よび金種別補充硬貨収納部75a〜175cとしては、ミニホ
ッパ(傾斜円板とホッパ)タイプ、ベルト底ホッパタイ
プ(第2の実施の形態)、筒で上部投出タイプ(第1の
実施の形態)、筒で下部投出タイプのいずれを用いても
よく、同様の作用効果が得られる。
【0235】
【発明の効果】請求項1記載の硬貨入金装置によれば、
入金口を上部に有する入金硬貨繰込部の入金口を入金口
シャッタで開閉することにより、この入金硬貨繰込部で
残留硬貨類が発生した場合に、入金処理部による入金処
理を一時中断させるとともに入金口シャッタを開放させ
て入金口から残留硬貨類の除去などの残留解消操作を可
能とし、かつ、残留解消操作後に入金口シャッタを閉鎖
させるとともに入金処理部による入金処理を再開させる
ため、機械をダウンさせたり、残留硬貨類の返却のため
に特別な機構を用いることなく、残留解消を簡単にでき
る。
【0236】請求項2記載の硬貨入金装置によれば、請
求項1記載の硬貨入金装置の効果に加えて、入金口シャ
ッタの閉鎖状態において投入口からの入金硬貨の投入を
可能とするため、入金硬貨以外の異物などの投入の可能
性を低減でき、さらに、その入金口シャッタを開放すれ
ば残留解消操作を行なえる。
【0237】請求項3記載の硬貨入金装置によれば、請
求項1記載の硬貨入金装置の効果に加えて、投入口は入
金硬貨繰込部の入金口の上方の機体に設け、入金口シャ
ッタは残留解消操作時に開放するため、入金硬貨以外の
異物などの投入の可能性を低減でき、さらに、入金口シ
ャッタを開放すれば残留解消操作を行なえる。
【0238】請求項4記載の硬貨入金装置によれば、請
求項2または3記載の硬貨入金装置の効果に加えて、投
入口を開閉する投入口シャッタを有するため、入金処理
時以外での投入口への硬貨や異物などの投入を防止でき
る。
【0239】請求項5記載の硬貨入金装置によれば、請
求項1記載の硬貨入金装置の効果に加えて、入金硬貨の
投入時および残留解消操作時に入金口シャッタを開放す
るとともに、入金処理部による入金処理時に入金口シャ
ッタを閉鎖するため、入金硬貨の投入および残留解消操
作を容易に行なえるとともに、入金処理を確実に行なえ
る。
【0240】請求項6記載の循環式硬貨入出金機によれ
ば、請求項1ないし5いずれか記載の硬貨入金装置を備
えるため、機械をダウンさせたり、残留硬貨類の返却の
ために特別な機構を用いることなく、残留解消を簡単に
できる。
【0241】請求項7記載の循環式硬貨入出金機によれ
ば、請求項6記載の循環式硬貨入出金機の効果に加え
て、入金口と出金口を並設し、それら入金口と出金口を
開閉する入金口シャッタと出金口シャッタを共通のシャ
ッタ開閉駆動部で駆動するため、シャッタ開閉構造を簡
素化できる。
【0242】請求項8記載の循環式硬貨入出金機によれ
ば、請求項7記載の循環式硬貨入出金機の効果に加え
て、入金口と出金口を開閉する入金口シャッタと出金口
シャッタおよび投入口を開閉する投入口シャッタを共通
のシャッタ開閉駆動部で駆動するため、シャッタ開閉構
造を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す硬貨入金装置
の一部を示す投入口の開口状態の側面図である。
【図2】同上硬貨入金装置の一部を示す待機状態の平面
図である。
【図3】同上硬貨入金装置の一部を示す投入口の開口状
態の平面図である。
【図4】同上硬貨入金装置の一部を示す出金口の開放状
態の平面図である。
【図5】同上硬貨入金装置の一部を示す入金口および出
金口の開放状態の平面図である。
【図6】同上循環式硬貨入出金機の斜視図である。
【図7】同上循環式硬貨入出金機の内部機構を示す側面
図である。
【図8】同上循環式硬貨入出金機の内部機構を示す平面
図である。
【図9】同上循環式硬貨入出金機の内部機構を示す後面
側から視る断面図である。
【図10】同上循環式硬貨入出金機の保留枠部分の平面
図である。
【図11】同上循環式硬貨入出金機の投出枠部分の平面
図である。
【図12】同上循環式硬貨入出金機の補充カセットの斜
視図である。
【図13】同上循環式硬貨入出金機の1円用の補充用筒
体および支承部材駆動手段の断面図である。
【図14】同上循環式硬貨入出金機の100円用の補充
用筒体および支承部材駆動手段の断面図である。
【図15】同上循環式硬貨入出金機の10円用の補充用
筒体および支承部材駆動手段の断面図である。
【図16】同上循環式硬貨入出金機の支承部材駆動手段
の断面図である。
【図17】同上循環式硬貨入出金機の支承部材駆動手段
部分の一部の斜視図である。
【図18】同上循環式硬貨入出金機の補充カセットの付
近の平面図である。
【図19】同上循環式硬貨入出金機の主として各カセッ
トに関連する循環式硬貨入出金機の制御系のブロック図
である。
【図20】同上循環式硬貨入出金機の主としてシャッタ
機構の動作に関連する制御系の概略ブロック図である。
【図21】同上初期設定動作の一部を省略したフローチ
ャートである。
【図22】同上入金動作の一部を省略したフローチャー
トである。
【図23】同上出金動作の一部を省略したフローチャー
トである。
【図24】同上入金処理に対応した出金用筒体および補
充用筒体の部分の一部の断面図である。
【図25】同上出金処理に対応した出金用筒体および補
充用筒体の部分の一部の断面図である。
【図26】同上補充処理に対応した出金用筒体および補
充用筒体の部分の一部の断面図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態を示す入金硬貨繰
込部の斜視図である。
【図28】同上循環式硬貨入出金機の内部機構を示す一
部の側面図である。
【図29】同上循環式硬貨入出金機の内部機構を示す一
部の平面図である。
【図30】同上入金硬貨繰込部を示し、(a) は入金硬貨
繰込部の硬貨受入位置での平面図(図30(b) のA方向
からの矢視図)、(b) は入金硬貨繰込部の硬貨受入位置
での側面図である。
【図31】同上入金硬貨繰込部を示し、(a) は入金硬貨
繰込部の硬貨繰出位置での平面図、(b) は入金硬貨繰込
部の硬貨繰出位置での側面図である。
【図32】本発明の第3の実施の形態を示す硬貨入金装
置の一部の断面図である。
【符号の説明】
11 入金口 12 出金口 15 入金口シャッタおよび出金口シャッタとして兼用
される第1のシャッタ 16 入金口シャッタおよび投入口シャッタとして兼用
される第2のシャッタ 17 投入口シャッタとしての第3のシャッタ 28 投入口 51 シャッタ開閉駆動部 71 入金硬貨繰込部 73 繰込手段としてのベルトコンベヤ 76a ,76b 残留検知センサ 121 入金経路としての硬貨通路 173a〜173c 金種別硬貨収納繰出部 321 制御部 333 入金処理部 400 入金口シャッタ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に入金硬貨を受け入れる入金口を有
    するとともに、この入金口の下部に入金硬貨を1枚ずつ
    分離して入金経路に繰り込む繰込手段を有する入金硬貨
    繰込部を備え、入金硬貨の入金経路への繰込処理および
    その後の処理を含む入金処理を行なう入金処理部と、 前記入金口を開閉する入金口シャッタと、 前記入金口シャッタを開閉駆動するシャッタ開閉駆動部
    と、 前記入金硬貨繰込部に設けられ、残留硬貨類を検知する
    残留検知センサと、 この残留検知センサの入力を受けて残留検知と判断した
    場合に、前記入金処理部による入金処理を一時中断させ
    るとともに前記シャッタ開閉駆動部により入金口シャッ
    タを開放させて入金口を通じて残留解消操作を可能と
    し、かつ、残留解消操作後にシャッタ開閉駆動部により
    入金口シャッタを閉鎖させるとともに入金処理部による
    入金処理を再開させる制御部とを具備していることを特
    徴とする硬貨入金装置。
  2. 【請求項2】 入金口シャッタは、入金硬貨が投入され
    る投入口を有し、シャッタ閉鎖状態において投入口から
    の入金硬貨の投入を可能とするとともに、シャッタ開放
    状態において残留解消操作を可能とすることを特徴とす
    る請求項1記載の硬貨入金装置。
  3. 【請求項3】 入金口の上方の機体に入金硬貨が投入さ
    れる投入口が設けられ、入金口シャッタは残留解消操作
    時に開放されることを特徴とする請求項1記載の硬貨入
    金装置。
  4. 【請求項4】 投入口を開閉する投入口シャッタを有す
    ることを特徴とする請求項2または3記載の硬貨入金装
    置。
  5. 【請求項5】 入金口シャッタは、入金硬貨の投入時お
    よび残留解消操作時に開放されるとともに、入金処理部
    による入金処理時に閉鎖されることを特徴とする請求項
    1記載の硬貨入金装置。
  6. 【請求項6】 入金硬貨中の出金に使用する硬貨を分類
    して金種別硬貨収納繰出部に収納するとともに、金種別
    硬貨収納繰出部の硬貨を繰り出して出金する循環式硬貨
    入出金機において、 請求項1ないし5いずれか記載の硬貨入金装置と、 この硬貨入金装置の入金硬貨繰込部の入金口とは別に設
    けられ、出金硬貨が出金される出金口とを具備している
    ことを特徴とする循環式硬貨入出金機。
  7. 【請求項7】 入金口と出金口が並設されるとともに、
    入金口と出金口を開閉する入金口シャッタと出金口シャ
    ッタが設けられ、それら入金口シャッタと出金口シャッ
    タが共通のシャッタ開閉駆動部で駆動されることを特徴
    とする請求項6記載の循環式硬貨入出金機。
  8. 【請求項8】 入金口と出金口を開閉する入金口シャッ
    タと出金口シャッタおよび投入口を開閉する投入口シャ
    ッタが共通のシャッタ開閉駆動部で駆動されることを特
    徴とする請求項7記載の循環式硬貨入出金機。
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