JP3479426B2 - 循環式硬貨入出金機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、入金硬貨中の出金
に使用する硬貨を分類して金種別硬貨収納繰出部に収納
するとともに、金種別硬貨収納繰出部の硬貨を繰り出し
て出金する循環式硬貨入出金機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の循環式硬貨入出金機では、例えば
特開平６−６８３３５号公報に記載されているように、
入金処理時において、操作者により一括投入される入金
硬貨を１枚ずつ識別分類通路に送り込んで識別と分類を
行ない、入金硬貨のうちの出金に使用する硬貨を金種別
硬貨収納繰出部に収納し、また、出金処理時において、
金種別硬貨収納繰出部から投出される硬貨を操作者側に
払い出すようにしている。

【０００３】また、金種別硬貨収納繰出部への初期補充
時や、出金処理に伴って金種別硬貨収納繰出部の硬貨の
収納量が減少した場合の途中補充時において、補充硬貨
収納部から補充硬貨を送り出し、この補充硬貨を１枚ず
つ識別分類通路に送り込んで識別と分類を行なって金種
別硬貨収納繰出部に補充するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
循環式硬貨入出金機では、補充硬貨を１枚ずつ識別分類
通路に送り込んで識別と分類を行なって金種別硬貨収納
繰出部に補充するため、補充に時間がかかる問題があ
る。

【０００５】また、識別分類通路の識別部まで至らない
と補充硬貨の金種と枚数が分からず、識別部で補充の必
要な全ての金種について必要枚数の補充硬貨が検知され
た時点で補充硬貨収納部からの補充硬貨の送り出しを停
止しても、補充硬貨収納部から識別部までの通路上には
補充硬貨がまだ存在し、補充すべき枚数より余分の枚数
の補充硬貨が補充される問題がある。

【０００６】したがって、初期補充時や途中補充時の処
理に時間がかかり、入出金取引準備状態へ直ぐに移行で
きないという問題がある。

【０００７】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、硬貨の補充時間を短縮できるとともに、硬貨を
必要枚数だけ補充でき、入出金取引準備状態に迅速に移
行できる循環式硬貨入出金機を提供することを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の循環式硬
貨入出金機は、入金硬貨中の出金に使用する硬貨を分類
して金種別硬貨収納繰出部に重積収納するとともに、金
種別硬貨収納繰出部の硬貨を１枚ずつ繰り出して出金す
る循環式硬貨入出金機において、入金硬貨中の出金に使
用する硬貨に加え金種別補充硬貨を上部域から受け入れ
て重積状態で収納する金種別硬貨収納繰出部であって、
重積硬貨を上部に支承し出金時には重積硬貨を投出位置
へ位置させるとともに補充時には重積硬貨の上面を投出
位置より下方の補充硬貨を受け入れる位置に位置させる
支承部材を有する金種別硬貨収納繰出部と、この金種別
硬貨収納繰出部の投出位置に位置される重積硬貨のうち
の最上位硬貨を投出する投出部材と、前記金種別補充硬
貨を重積状態で収納する金種別補充硬貨収納部であっ
て、重積硬貨を上部に支承し補充時に重積硬貨を繰出位
置に位置させる支承部材を有し、前記金種別硬貨収納繰
出部に対応してその金種別硬貨収納繰出部の隣接域に設
けられる金種別補充硬貨収納部と、この金種別補充硬貨
収納部の繰出位置に位置される最上位硬貨を１枚ずつ繰
り出して対応する金種別硬貨収納繰出部に直接補充する
繰出機構とを具備しているものである。

【０００９】金種別硬貨収納繰出部への初期補充時や、
出金処理に伴って金種別硬貨収納繰出部の硬貨の収納量
が減少した場合の途中補充時において、硬貨を重積状態
で収納する金種別硬貨収納繰出部に対応してその金種別
硬貨収納繰出部の隣接域に設けられた硬貨を重積状態で
収納する金種別補充硬貨収納部の繰出位置に位置される
最上位硬貨を繰出機構により１枚ずつ繰り出して対応す
る金種別硬貨収納繰出部の上部域から直接補充する。こ
れにより、硬貨の補充時間が短縮できるとともに、硬貨
を必要枚数だけ補充し、入出金取引準備状態に迅速に移
行する。

【００１０】なお、入金硬貨中の出金に使用する硬貨を
分類して金種別硬貨収納繰出部に収納することは、入金
硬貨を一時保留することなく、入金硬貨を金種分類して
金種別硬貨収納繰出部に収納するタイプ、入金硬貨を一
時保留するものでも金種別に一時保留し、入金承認時に
金種別硬貨収納繰出部に収納するタイプ、入金硬貨を一
時保留するものでも一括一時保留（金種分類せずに金種
混合状態で一時保留）し、入金承認時に金種分類して金
種別硬貨収納繰出部に収納するタイプを含む。

【００１１】また、入金硬貨中の出金に使用する硬貨を
分類して金種別硬貨収納繰出部に収納することは、入金
識別時に入金真貨を正貨と損貨に区分識別するタイプを
採用する場合、金種別硬貨収納繰出部には入金真貨中の
正貨が収納され、入金真貨中の損貨は別の収納部に収納
されるタイプ、入金真貨を正貨・損貨に区分けしないタ
イプを含む。さらに、金種別硬貨収納繰出部の収納量が
設定量に達するとそれ以上の硬貨はオーバーフロー硬貨
として扱う場合もあり、金種分類とは具体的な分類方式
にもよるが単に金種分類するものに限定されるものでは
なく、入金正貨の金種分類、入金正貨中のオーバーフロ
ー到達前の硬貨の分類も含む。

【００１２】請求項２記載の循環式硬貨入出金機は、請
求項１記載の循環式硬貨入出金機において、金種別補充
硬貨収納部は、機体に対して着脱可能な装着枠に設けら
れ、繰出機構は、機体側、装着枠側、機体側と装着枠側
とに分割のうちのいずれかにて設けられるものである。

【００１３】装着枠により金種別補充硬貨収納部を機体
に対して着脱可能とし、機体外で金種別補充硬貨収納部
への硬貨の装填作業を行なえ、しかも、金種別補充硬貨
収納部を着脱可能としても、機体側、装着枠側、機体側
と装着枠側とに分割のうちのいずれかにて設けられる繰
出機構により、金種別補充硬貨収納部の硬貨を繰り出せ
る。

【００１４】請求項３記載の循環式硬貨入出金機は、請
求項１または２記載の循環式硬貨入出金機において、繰
出機構は、金種別補充硬貨収納部から繰り出される硬貨
を計数する計数部と、必要枚数繰出時に金種別補充硬貨
収納部からの硬貨の繰り出しを停止する繰出停止部とを
有するものである。

【００１５】金種別補充硬貨収納部から繰り出される硬
貨を計数部により計数し、必要枚数繰出時に金種別補充
硬貨収納部からの硬貨の繰り出しを繰出停止部により停
止し、硬貨を必要枚数だけ補充する。

【００１６】なお、請求項１ないし３において、金種別
硬貨収納繰出部および金種別補充硬貨収納部としては、
ミニホッパ（傾斜円板とホッパ）タイプ、ベルト底ホッ
パタイプ、筒で下部投出タイプ、筒で上部投出タイプを
含む。

【００１７】請求項４記載の循環式硬貨入出金機は、請
求項１ないし３いずれか記載の循環式硬貨入出金機にお
いて、金種別硬貨収納繰出部および金種別補充硬貨収納
部は、硬貨を上下方向に重積状態で収納する出金用筒体
および補充用筒体をそれぞれ有し、繰出機構は、それら
出金用筒体および補充用筒体の硬貨をそれぞれ繰り出す
ものである。

【００１８】出金用筒体および補充用筒体に重積状態で
収納される硬貨を繰出機構によりそれぞれ繰り出すた
め、硬貨を１枚ずつ確実に繰り出せる。

【００１９】請求項５記載の循環式硬貨入出金機は、請
求項４記載の循環式硬貨入出金機において、繰出機構
は、出金用筒体および補充用筒体内の重積硬貨の下面を
支承して上下動する支承部材と、硬貨収納時に支承部材
を下降させるとともに、硬貨繰出時に支承部材を上昇さ
せる支承部材駆動手段と、前記出金用筒体および補充用
筒体の上部でそれら出金用筒体および補充用筒体の配列
方向に沿って移動可能に配置され、出金用筒体の上部か
ら硬貨を投出する出金用投出部を有するとともに補充用
筒体の上部から硬貨を出金用筒体に繰り出す補充用投出
部を有し、同一ストロークの移動によって出金用筒体か
らの硬貨の投出および補充用筒体からの硬貨の繰り出し
を可能とする投出部材と、この投出部材を同一ストロー
ク移動させる投出部材駆動手段とを具備しているもので
ある。

【００２０】繰出機構により、出金用投出部および補充
用投出部を有する１つの投出部材を同一ストローク移動
させることにより、出金用筒体からの硬貨の投出および
補充用筒体から出金用筒体への硬貨の繰り出しを行なえ
る。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の循環式硬貨入出金
機の実施の形態を図面を参照して説明する。

【００２２】まず、図１ないし図２０に第１の実施の形
態を示して説明する。

【００２３】図４に示すように、１は循環式硬貨入出金
機の機体で、この機体１は、前後方向および上下方向の
寸法が長く、左右方向の幅寸法が短い箱状に形成されて
いる。機体１の上面前部には入出金口２が形成され、こ
の入出金口２に図示しないモータの駆動によって開閉さ
れるシャッタ３が配設されている。シャッタ３上の右寄
り位置には複数（例えば５枚）の硬貨を重積状態で一度
にまとめて投入する硬貨投入口４が形成されている。機
体１の右側面には、取忘れボックス５および回収ボック
ス６がそれぞれ引出可能に装填されているとともに、機
体１内に装填される後述する出金カセット７および補充
カセット８が出し入れされる扉体９が開閉可能に配設さ
れている。

【００２４】そして、この循環式硬貨入出金機は、例え
ば銀行などの金融機関の２人のデラーの間に設置されて
共用されるものであり、前面運用する場合には機体１を
前方へ引き出して取忘れボックス５、回収ボックス６お
よび補充カセット８などの着脱が行なわれ、後面運用す
る場合には機体１を後方へ引き出して取忘れボックス
５、回収ボックス６および補充カセット８などの着脱が
行なわれる。

【００２５】次に、図２および図３に示すように、入出
金口２の右側下方（硬貨投入口４の下方）には、硬貨投
入口４に投入された硬貨を受け入れる入金ホッパ11が配
設されている。入金ホッパ11の底面は、後方に上昇傾斜
して前後方向に沿って配設されたベルトコンベヤ12によ
って構成され、ベルトコンベヤ12はそのベルト上面が後
方へ移動するように図示しないモータの駆動によって回
転される。ベルトコンベヤ12の上方には、ベルト上面と
の間に硬貨１枚が通過可能とする間隙をあけて、図示し
ないモータの駆動によってベルト上面に対して逆方向に
回転される逆転ローラ13が配設されている。そして、ベ
ルトコンベヤ12によって入金ホッパ11内の硬貨を後方へ
移動させ、逆転ローラ13によってベルト上面に直接載っ
て移動する１層目の硬貨の通過を許容するとともにその
１層目の硬貨上に重なる２層以上の硬貨を入金ホッパ11
内に戻し、入金ホッパ11から硬貨を１枚ずつ繰り出す。

【００２６】入出金口２の左側下方（入金ホッパ11の左
側）には、後述する出金硬貨、返却硬貨、リジェクト硬
貨などを受け入れる出金トレイ14が配設されている。こ
の出金トレイ14の底面は、図示しないモータの駆動によ
って開閉される可動底板15にて構成されている。そし
て、出金トレイ14上の取り忘れ硬貨が検知された場合
に、可動底板15が開放して取り忘れ硬貨を取忘れボック
ス５に放出する。

【００２７】また、入金ホッパ11のベルトコンベヤ12の
後端に連続して、ベルトコンベヤ12から１枚ずつ繰り出
される硬貨を受け入れて搬送する硬貨通路21が前後方向
に沿って配設されている。この硬貨通路21は、通路底板
22と、この通路底板22上に処理対象硬貨の通過が可能な
間隙をあけて配置された一対の通路側板23，24とにて形
成されている。一方の通路側板23には、下流側が通路内
方に傾斜突出する第１のガイド壁23a 、この第１のガイ
ド壁23a に連続した第１の基準壁23b 、下流側が通路内
方に傾斜突出する第２のガイド壁23c 、この第２のガイ
ド壁23c に連続した第２の基準壁23d が形成されてい
る。他方の通路側板24は、一方の通路側板23の形状に対
応した形状に形成されている。

【００２８】通路底板22の上方には、第１のガイド壁23
a から第１の基準壁23b の範囲に対応して第１の搬送ベ
ルト25が前後一対のプーリ26，27によって張設され、第
２のガイド壁23c から第２の基準壁23d の範囲に対応し
て第２の搬送ベルト28が前後一対のプーリ27，29によっ
て張設され、これら搬送ベルト25，28が図示しないモー
タの駆動によって回転される。これら搬送ベルト25，28
の通路底板22に対向するベルト部位には、そのベルト部
位を後述する各分類孔34〜38に向けて押える複数の押え
プーリ30が配設されている。各搬送ベルト25，28は、下
流側が各基準壁23b ，23d に近接するように硬貨搬送方
向に対して傾斜されている。

【００２９】そして、硬貨通路21内に進入する硬貨を、
第１の搬送ベルト25の下側にくわえ込んで、第１のガイ
ド壁23a を通じて第１の基準壁23b に沿わせながら搬送
し、さらに、第１の搬送ベルト25で搬送される硬貨のう
ち第１の基準壁23b の部分を通過した硬貨を、第２の搬
送ベルト28の下側にくわえ込んで、第２のガイド壁23c
を通じて第２の基準壁23d に沿わせながら搬送する。な
お、両搬送ベルト25，28の周速はベルトコンベヤ12の周
速より速く、通路内を搬送される硬貨の間隔があけられ
る。

【００３０】硬貨通路21には、第１の基準壁23b 域の上
流側の位置に対応して識別部31が設けられている。この
識別部31は、例えばイメージセンサなどの径センサ32と
磁気センサ33を有し、正貨、偽貨、金種などを識別す
る。

【００３１】硬貨通路21の通路底板22上には、識別部31
の後流に、第１の基準壁23b を基準としてリジェクト硬
貨用の分類孔34、オーバーフロー硬貨用および５円、５
０円、５００円用の分類孔35が順にそれぞれ形成され、
第２の基準壁23d を基準として１円、１００円、１０円
用の分類孔36，37，38が順にそれぞれ形成されている。

【００３２】各分類孔34，35は強制分類を行なうもの
で、各分類孔34，35の第１の基準壁23b 側に強制分類手
段39，40がそれぞれ配設されている。各強制分類手段3
9，40は、通路内に進退可能に軸支されたレバー41，4
2、およびレバー41，42を揺動させて通路内に進退させ
るロータリーソレノイド43，44を有しており、レバー4
1，42を通路内に進入させることによって、このレバー4
1，42で対応する硬貨の第１の基準壁23b 側の縁部を分
類孔34，35に強制的に落とし込んで落下させる。

【００３３】各分類孔36〜38は径分類を行なうもので、
対応する金種より大径の硬貨は分類孔36，37の両側縁上
に載ったまま通過し、対応する金種の硬貨は第２の基準
壁23d と反対側の縁部が分類孔36〜38内に落ち込んで落
下する。

【００３４】なお、通路底板22上には、識別部31の直前
位置、各分類孔35〜38の直前位置にタイミングセンサ45
〜49がそれぞれ配設され、これらタイミングセンサ45〜
49によって、各強制分類手段39，40の動作のタイミング
取り、各分類孔35〜38への分類の確認が行なわれる。

【００３５】また、リジェクト用の分類孔34の下方には
リジェクトシュート51が配設され、このリジェクトシュ
ート51の下端がリフトシュート52に連通されている。リ
フトシュート52は、出金トレイ14の後方位置で、上端が
出金トレイ14の後面に連通するように前方に傾斜されて
いる。リフトシュート52の内側には、所定枚数の硬貨を
収納可能とするバケット53がリフトシュート52内に沿っ
て移動可能に配設されている。このバケット53は、リジ
ェクトシュート51および後述する出金コンベヤ62から放
出される硬貨を受け取る硬貨受取位置（図２および図３
の実線位置）と、最も上昇した硬貨放出位置（図２およ
び図３の２点鎖線位置）との間で、図示しない駆動手段
の駆動によって移動される。そして、バケット53が硬貨
放出位置に上昇すると、バケット53が支点部54を支点に
出金トレイ14内に向けて回転し、バケット53内の硬貨を
出金トレイ14に放出する。

【００３６】リフトシュート52の下端は振分シュート55
に連通され、この振分シュート55の下端は回収ボックス
６に連通されている。振分シュート55内は、バケット53
が受取位置から上昇された状態で、出金コンベヤ62から
放出される硬貨を受け入れる。出金コンベヤ62から振分
シュート55へ放出される硬貨には、入金時の５円、５０
円、５００円硬貨で収納すべき硬貨、入金時の１円、１
００円、１０円のオーバーフロー硬貨で収納すべき硬
貨、出金時の投出異常硬貨（硬貨詰まりなどによって所
定金額の出金がなされなかった場合などの硬貨）、回収
時の回収硬貨がある。振分シュート55内には図示しない
ソレノイドなどの駆動によって通路を切り換える切換板
56が配設されている。回収ボックス６の上部には運用リ
ジェクト部6aが区画形成されており、切換板56によっ
て、入金硬貨および回収硬貨は回収ボックス６内（運用
リジェクト部6aを除く）に振り分け、投出異常硬貨は運
用リジェクト部6aに振り分ける。

【００３７】また、分類孔34の下方にはシュート61が配
設され、このシュート61の下端が出金コンベヤ62上に臨
んで連通配置されている。出金コンベヤ62は、機体１の
左側に前後方向に沿って水平に配設され、すなわち、前
端がリフトシュート52に連通されて、硬貨通路21、後述
する一時保留部72a 〜72c および金種別硬貨収納繰出部
73a 〜73c の側部下方域に配設されている。出金コンベ
ヤ62は、コンベヤ枠63の内側に配設されており、ベルト
上面が前方のリフトシュート52に向かって移動するよう
に図示しないモータの駆動によって回転される。出金コ
ンベヤ62のリフトシュート52に臨む端部上方には、シャ
ッタ64が図示しないソレノイドなどの駆動によって開閉
可能に配設されている。シャッタ64は、通常時に閉鎖さ
れ、出金コンベヤ62からの硬貨の送出時にのみ開放され
る。

【００３８】また、各分類孔36〜38の下方には金種別の
シュート71a 〜71c が配設され、このシュート71a 〜71
c の下方に硬貨を金種別に重積状態で一時保留する金種
別の一時保留部（金種別一時保留部）72a 〜72c が配設
されている。これらの一時保留部72a 〜72c は、シュー
ト71a 〜71c の下方の保留位置と、出金コンベヤ62上の
返却位置との間を移動可能とし、保留位置でシュート71
a 〜71c から硬貨を受け入れて一時保留し、一時保留硬
貨の返却時に返却位置に移動して一時保留硬貨を出金コ
ンベヤ62に放出する。

【００３９】また、保留位置で各一時保留部72a 〜72c
の下方には１円、１００円、１０円用の金種別硬貨収納
繰出部73a 〜73c の出金用筒体74a 〜74c がそれぞれ配
設され、硬貨通路21の下方には各金種別硬貨収納繰出部
73a 〜73c の出金用筒体74a〜74c に対応してその隣接
域に金種別補充硬貨収納部75a 〜75c の補充用筒体76a
〜76c がそれぞれ配設されている。出金用筒体74a 〜74
c は出金カセット７に設けられ、補充用筒体76a 〜76c
は補充カセット８に設けられ、それぞれ機体１に対して
着脱自在になっている。なお、出金カセット７は保守、
点検時にのみ着脱するようにし、原則として機体１に装
填状態のままとする。

【００４０】また、出金コンベヤ62の下方には各金種別
硬貨収納繰出部73a 〜73c 用の支承部材駆動手段77a 〜
77c が配設され、各金種別補充硬貨収納部75a 〜75c の
前側および後側には各金種別補充硬貨収納部75a 〜75c
用の支承部材駆動手段78a 〜78c が配設されている。

【００４１】次に、図１および図５に示すように、一時
保留部72a 〜72c は、保留枠81に各分類孔36〜38および
各シュート71a 〜71c に対応して上下方向に貫通形成さ
れた保留筒部82にて構成されるとともに、後述する投出
部材112 の上側にて構成される。保留枠81は、両側から
突設した複数のガイド片83がガイド軸84に沿って保留位
置または返却位置に一時保留硬貨放出手段85によって移
動される。保留位置ではシュート71a 〜71c から硬貨を
受け入れて一時保留し、返却位置では一時保留硬貨を出
金コンベヤ62に放出する。

【００４２】一時保留硬貨放出手段85では、モータ86の
正逆転駆動によりギヤ87，88を介して回転されるカム板
89が設けられ、このカム板89と保留枠81とがリンク90で
連結されている。そして、モータ86の正逆転駆動によ
り、保留枠81が保留位置または返却位置に選択的に移動
される。

【００４３】保留枠81の移動位置は、図示しないセンサ
で検知する。さらに、保留枠81の移動位置は、スプリン
グ91で回転付勢されたレバー92に回転自在に設けたロー
ラ93が、カム板89の周面に保留位置保持用の凹部94また
は放出位置保持用の凹部95に嵌まり込むことにより、カ
ム板89の回転を規制して保持する。

【００４４】保留枠81の下面には、各保留筒部82の出金
コンベヤ62側の縁部に規制片96がそれぞれ突設されてい
る。

【００４５】次に、図１および図６に示すように、保留
枠81の下方でかつ出金用筒体74a 〜74c および補充用筒
体76a 〜76c の上方には、投出枠101 が配設されてい
る。この投出枠101 は、各出金用筒体74a 〜74c の上端
に連通する投出口102 、および補充用筒体76a 〜76c の
上端に連通する繰出口103 が上下方向に貫通形成されて
いる。各出金用筒体74a 〜74c に連通する投出口102
は、保留位置に位置する保留枠81の各保留筒部82と同軸
上に位置し、一時保留部72a 〜72c の一時保留硬貨を重
積状態で受入れ可能になっている。

【００４６】投出枠101 の上面部には、各投出口102 か
ら出金コンベヤ62側に下降傾斜して連通する投出溝104
が形成され、各繰出口103 から各投出口102 に下降傾斜
して連通する繰出溝105 が形成され、繰出口103 から投
出口102 とは反対側に溝部106 が形成されている。投出
溝104 および繰出溝105 の幅は、投出口102 および繰出
口103 の内径とほぼ同一で、処理対象とする金種の通過
を可能に形成され、また、溝部106 の幅は、投出溝104
および繰出溝105 より狭く形成され、投出部材112 の後
退時の硬貨の連れ出しを防止するようにしている。ま
た、投出溝104 と保留枠81の下面との間には硬貨１枚の
厚みより少し大きい程度の投出ゲート部としての間隙が
形成され、繰出溝105 と投出部材112 の下面（出金用投
出部115 の厚み部分の下面）との間には硬貨１枚の厚み
より少し大きい程度の繰出ゲート部としての間隙が形成
されている。

【００４７】また、投出枠101 の上部には、繰出機構11
1 の一部を構成する投出部材112 が配置されている。投
出部材112 は、基部113 およびこの基部113 から一体に
突出形成された３つの金種毎の投出板114 を有してお
り、各投出板114 が投出枠101の対応する各溝部106 に
移動可能に嵌合されている。各投出板114 の先端には対
応する各出金用筒体74a 〜74c の上部から硬貨を投出す
る出金用投出部115 が形成され、各投出板114 の下面の
各出金用投出部115 から所定距離だけ離反した位置には
補充用筒体76a 〜76c の上部から硬貨を出金用筒体74a
〜74c に繰り出す補充用投出部116 が突出形成されてい
る。そして、投出部材112 の同一ストロークの移動によ
って、出金用筒体74a 〜74c からの硬貨の投出と、補充
用筒体76a〜76c から出金用筒体74a 〜74c への硬貨の
繰り出しとを可能とする。

【００４８】投出部材112 の基部113 には、投出部材駆
動手段117 の図示しないモータの駆動によって可動され
るレバー118 が連結されている。なお、投出部材駆動手
段117 の具体的構造は前述の一時保留硬貨放出手段85
（図５図示）とほぼ同構造であり、レバー118 がレバー
90に相当する。そして、この投出部材112 は、投出部材
駆動手段117 の作動にて一体的に可動し、各投出板114
の出金用投出部115 および補充用投出部116 が投出口10
2 および繰出口103 の上方から溝部106 側に退避する退
避位置（図１および図６に２点鎖線で示す位置）と、出
金用投出部115 および補充用投出部116 が投出口102 お
よび繰出口103 の上方に進入した投出位置（図１および
図６に実線で示す位置）とに移動する。投出部材112 の
退避位置から投出位置への移動時に、出金用筒体74a 〜
74c からの硬貨の投出、および補充用筒体76a 〜76c か
ら出金用筒体74a 〜74c への硬貨の繰り出しが可能とな
っている。

【００４９】また、投出枠101 の各投出口102 および各
繰出口103 の内縁部には、出金用筒体74a 〜74c および
補充用筒体76a 〜76c 内の硬貨上端位置を検知する一対
の投受光器形式の硬貨上端検知センサ102s，103sがそれ
ぞれ配設されている。

【００５０】投出枠101 の各投出溝104 および各繰出溝
105 の一側には、出金用筒体74a 〜74c および補充用筒
体76a 〜76c から繰り出される硬貨を計数する計数部11
9 ，120 が配設されている。これら各計数部119 ，120
は、各投出溝104 および各繰出溝105 の一側に、それら
各投出溝104 および各繰出溝105 内に突出するレバー12
1 ，122 が揺動可能にそれぞれ配設されるとともに、レ
バー121 ，122 の先端に臨ませて硬貨投出枚数カウント
用のスイッチ123 ，124 が配設されている。そして、硬
貨が投出部材112 にて繰り出される際に、硬貨でレバー
121 ，122 を揺動させ、このレバー121 ，122 でスイッ
チ123 ，124 を押して出金硬貨枚数および補充硬貨枚数
をカウントする。

【００５１】なお、計数部119 ，120 は、硬貨の計数の
みならず、金種のチェックも同時に行なえる。すなわ
ち、投出溝104 および繰出溝105 を対応金種が通過する
際には、レバー121 ，122 の揺動によりスイッチ123 ，
124 を押して検知されるが、対応金種よりも小径金種が
通過する際にはレバー121 ，122 の揺動が小さくてスイ
ッチ123 ，124 を押すことができない。そのため、出金
用筒体74a 〜74c および補充用筒体76a 〜76c に対応金
種より小径金種が混入していた場合、出金用筒体74a 〜
74c および補充用筒体76a 〜76c からの投出動作および
繰出動作が行なわれたにもかかわらず計数部119 ，120
でカウントされなければ金種異常として処理する。な
お、対応金種より大径金種については、出金用筒体74a
〜74c および補充用筒体76a 〜76c に入らないので混入
するおそれはない。

【００５２】この出金用筒体74a 〜74c からの出金時に
金種異常が生じた場合には、出金を中止し、出金コンベ
ヤ62に投出された硬貨を無効として回収ボックス６の運
用リジェクト部6aに回収し、再度投出動作を行なう。ま
た、補充用筒体76a 〜76c の出金用筒体74a 〜74c への
補充時に金種異常が生じた場合には、補充を中止し、対
応金種の出金用筒体74a 〜74c から小径金種硬貨の投出
動作を行ない、その小径金種硬貨を回収ボックス６の運
用リジェクト部6aに回収し、再度補充動作を行なう。

【００５３】投出枠101 の各繰出溝105 の底面には、投
出部材112 による出金用筒体74a 〜74c からの投出動作
時において、この投出部材112 の後退移動時にこの投出
部材112 の下面に位置する硬貨（次に投出する硬貨）が
投出部材112 の後退移動に追従移動しないよう一対のス
トッパ126 が配設されている。一対のストッパ126 は図
示しないソレノイドなどの駆動によって昇降され、上昇
時に繰出溝105 の底面から突出して投出部材112 の後退
移動に硬貨が追従移動することを阻止し、下降時に繰出
溝105 の底面から退避して補充用筒体76a 〜76c から出
金用筒体74a 〜74c への硬貨の通過を可能とする。

【００５４】次に、図１、図７ないし図１０において、
出金用筒体74a 〜74c および補充用筒体76a 〜76c につ
いて説明する。なお、図７ないし図１０に補充用筒体76
a 〜76c の詳細構造を図示し、出金用筒体74a 〜74c の
詳細構造は図示しないが補充用筒体76a 〜76c とほぼ同
一構造であり、補充用筒体76a 〜76c と一緒に出金用筒
体74a 〜74c を説明する。

【００５５】各出金用筒体74a 〜74c および各補充用筒
体76a 〜76c は、側壁部131 および底板部132 を有する
筒状に形成されている。側壁部131 の一側に円弧面部13
3 が形成され、この円弧面部133 から他側方向に平面部
134 が平行に形成され、この平面部134 の先端から閉塞
部135 が形成され、この閉塞部135 間に開口136 が筒長
手方向に沿って形成されている。上端には、投出枠101
の投出口102 （出金用筒体74a 〜74c の場合）および繰
出口103 （補充用筒体76a 〜76c ）の下端内縁に着脱可
能に嵌合する嵌合部137 およびこの嵌合部137 の内側に
硬貨が通過する通孔138 を有する上板139 が設けられて
いる。

【００５６】各出金用筒体74a 〜74c および各補充用筒
体76a 〜76c の開口136 に臨んで、底板部132 と上板13
9 との間に筒側壁部材140 が架設され、この筒側壁部材
140と側壁部131 の円弧面部133 との間で重積硬貨の周
面を支持する。

【００５７】筒側壁部材140 には、各出金用筒体74a 〜
74c および各補充用筒体76a 〜76c内の重積硬貨下面を
支承する繰出機構111 の一部を構成する支承部材141 が
上下動可能に嵌合されている。この支承部材141 は、出
金用筒体74a 〜74c および補充用筒体76a 〜76c のほぼ
内側断面形状に合わせて形成された基部142 に、筒側壁
部材140 の外側にスライド自在に嵌合するガイド孔143
が形成されているとともに、開口136 を通じて突出する
突部144 が形成されている。基部142 上には、硬貨を上
面に重積するステージ145 が基部142 に対して上下動可
能に挿通される支軸146 を介して支持され、このステー
ジ145 を上方に付勢するスプリング147が設けられてい
る。

【００５８】そして、各出金用筒体74a 〜74c および各
補充用筒体76a 〜76c はそれぞれ一体的に出金カセット
７および補充カセット８として構成されている。なお、
各出金用筒体74a 〜74c および各補充用筒体76a 〜76c
は各筒部ごとに出金カセット７および補充カセット８か
ら着脱自在に構成されており、硬貨を重積状態のままで
各出金用筒体74a 〜74c および各補充用筒体76a 〜76c
ごと、すなわち金種ごとに交換することにより硬貨の装
填などができるようになっている。

【００５９】出金カセット７および補充カセット８は、
上方に開口する装着枠151 を有し、各出金用筒体74a 〜
74c および各補充用筒体76a 〜76c が並列に収納されて
いる。装着枠151 の一側には各出金用筒体74a 〜74c お
よび各補充用筒体76a 〜76cの開口136 に対応して突部1
44 が突出する開口152 が形成され、両端面には装着枠1
51 を持ち運ぶためのハンドル153 が回動自在に軸着さ
れている。

【００６０】出金カセット７の開口152 から突出する各
出金用筒体74a 〜74c の突部144 には、支承部材駆動手
段77a 〜77c と連結される図示しない連結ピンがそれぞ
れ突設されている。補充カセット８の開口152 から突出
する各補充用筒体76a 〜76cの突部144 には、支承部材
駆動手段78a 〜78c と連結される連結ピン154 を有する
連結アーム155a〜155cがそれぞれ取り付けられている。
補充用筒体76a の連結アーム155aは、補充カセット８の
前方位置に延設され、その先端に連結ピン154が前方へ
向けて突設され、また、補充用筒体76b の連結アーム15
5bは、装填時の出金カセット７の前方位置に延設され、
その先端に連結ピン154 が前方へ向けて突設され、さら
に、補充用筒体76c の連結アーム155cは、補充カセット
８の後方位置に延設され、その先端に連結ピン154 が後
方へ向けて突設されている。

【００６１】また、機体１内には、機体１の側面の扉体
９の内方位置に、出金カセット７および補充カセット８
を着脱自在に装着するカセット装着部としてのカセット
台156 ，157 がそれぞれ設けられている。これらのカセ
ット台156 ，157 は、出金カセット７および補充カセッ
ト８の下部を載せる受板部158 ，158 を有し、この受板
部158 の扉体９側に対向する縁部および両端縁部に出金
カセット７および補充カセット８の下部周縁を保持する
保持片部159 が上方に折曲形成されており、機体１に対
して上下方向に垂直移動可能に支持されている。各カセ
ット台156 ，157 の両端部下側には、ローラ160 がそれ
ぞれ回転自在に設けられている。

【００６２】カセット台156 の各ローラ160 の位置に対
応して、ローラ160 を押上可能とする押上レバー161 が
図示しない操作レバーの操作によって上下動するように
配設されている。そして、操作レバーの操作によって押
上レバー161 を下降させると、カセット台156 が下降
し、このカセット台156 と投出枠101 との間への出金カ
セット７の装着、あるいはその間からの出金カセット７
の取り外しができる。また、出金カセット７の装着状態
で操作レバーの操作によって押上レバー161 を上昇させ
ると、押上レバー161 がローラ160 を介してカセット台
156 を押し上げ、出金カセット７の上部に突出する各嵌
合部137 が投出枠101 の各投出口102 の下縁部に嵌合し
て保持される。なお、出金カセット７は原則として機体
１に装着状態のままとし、保守点検時のみ取り外すよう
にしている。

【００６３】カセット台157 の各ローラ160 の位置に対
応して、ローラ160 を押し上げ可能とする押上レバー16
2 が扉体９の内壁から突設されている。押上レバー162
の先端には、ローラ160 の押上レバー162 上への乗り上
げを容易にするための傾斜部163 が形成されている。そ
して、扉体９を開放させると、押上レバー162 がローラ
160 から外れて、カセット台157 が下降し、このカセッ
ト台157 と投出枠101との間への補充カセット８の装
着、あるいはその間からの補充カセット８の取り外しが
できる。また、補充カセット８の装着状態で扉体９を閉
塞させると、押上レバー162 がローラ160 を介してカセ
ット台157 を押し上げ、補充カセット８の上部に突出す
る各嵌合部137 が投出枠101 の各繰出口103 の下縁部に
嵌合して保持される。

【００６４】次に、図８ないし図１０、図１１および図
１２に示すように、各支承部材駆動手段77a 〜77c ，78
a 〜78c は、共通構造に構成されており、対応する各出
金用筒体74a 〜74c および各補充用筒体76a 〜76c の支
承部材141 を個々に上下動させる金種別のステッピング
モータ171 をそれぞれ有し、これらのステッピングモー
タ171 が機体１側に取り付けられる支持板172 に支持さ
れている。

【００６５】ステッピングモータ171 の上方に突出する
回転軸173 にねじ軸174 が回り止め連結され、ねじ軸17
4 の上端部が機体１側に取り付けられる支持板175 に嵌
合された軸受部材176 により回転自在に支持されてい
る。

【００６６】ねじ軸174 には昇降部材177 が螺合されて
いる。この昇降部材177 には、ねじ軸174 に螺合するね
じ孔178 が形成されているとともに、このねじ孔178 に
対して長孔状に形成されたガイド孔179 が形成されてい
る。

【００６７】昇降部材177 の一側には連結部材180 が配
置され、連結部材180 の上下縁部から突設された取付片
181 が昇降部材177 の上下面に回転自在に軸着されてい
る。なお、連結部材180 は昇降部材177 の一側に接合す
る方向に回動付勢されている。連結部材180 の先端には
連結片182 が略Ｌ字状に折曲形成され、この連結片182
に連結ピン154 に係合可能とする連結溝183 が形成さ
れ、連結片182 の上縁および下縁に円弧状の導入部184
が形成されている。また、昇降部材177 の他側には検知
板185 が取り付けられている。

【００６８】ねじ軸174 には揺動枠186 が取り付けられ
ている。この揺動枠186 は、上側縁部および下側縁部か
ら支持板部187 ，188 が折曲形成され、上側支持板部18
7 が軸受部材176 の外側に回動自在に嵌合し、下側支持
板部188 がねじ軸174 の下端に取り付けた軸受部材189
の外側に回動自在に嵌合されている。この支持板部187
，188 間には昇降部材177 のガイド孔179 を挿通する
回転規制軸190 が架設されている。

【００６９】揺動枠186 には、昇降部材177 の検知板18
5 の下降域に対応して、硬貨収納量が残りわずかである
ことを検知するニアエンプティセンサ191 、昇降部材17
7 の下限位置を検知する下限センサ192 が配設されてい
る。また、昇降部材177 の検知板185 の上昇域に、硬貨
の満杯状態を検知するフルセンサ193 、昇降部材177の
上限位置を検知する上限センサ194 が配設されている。

【００７０】次に、図１３に示すように、補充カセット
８の上方位置で、連動部材201 がスライド受部材202 に
より各補充用筒体76a 〜76c の配列方向に沿ってスライ
ド可能に配設されている。各支承部材駆動手段78a ，78
b の各揺動枠186 の上面には連動リンク203 がそれぞれ
支軸204 によって回転可能に連結されている。連動リン
ク203 には連動部材201 の側面に当接するローラ205 が
回転自在に設けられ、支承部材駆動手段78c の揺動枠18
6 には連動部材201 の側面に当接するローラ206 が回転
自在に設けられている。連動部材201 の各ローラ205 ，
206 が当接する側面には、各ローラ205 ，206 を押動す
るガイド部207 ，208 が突出形成されている。ローラ20
5 は連動リンク203 に張設されたスプリング209 によっ
て連動部材201 に当接付勢され、ローラ206 は図示しな
いスプリングによって連動部材201 に当接付勢されてい
る。

【００７１】したがって、連動部材201 のスライドによ
り、連動部材201 に当接するローラ205 ，206 を介し
て、各支承部材駆動手段78a 〜78c の各揺動枠186 がね
じ軸174 を中心として一体的に連動して揺動するように
なっている。そして、各揺動枠186 が図１３の２点鎖線
位置に揺動することにより、各支承部材駆動手段78a 〜
78c の連結部材180 と連結ピン154 との係合が解除さ
れ、補充カセット８の着脱が可能となる。また、各揺動
枠186 が図１３の実線位置に揺動することにより、各支
承部材駆動手段78a 〜78c の連結部材180 と連結ピン15
4 とが係合可能となる。

【００７２】連動部材201 の一端は、支軸210 を支点と
して揺動可能に設けた揺動レバー211 の一端の長孔212
にピン213aを嵌合して連結されている。揺動レバー211
は、一端側をスプリング213 で引っ張り付勢するととも
に、その付勢による揺動をストッパ214 で規制し、他端
にローラ215 が回転自在に取り付けられている。

【００７３】揺動レバー211 のローラ215 の位置に対応
して扉体９の内壁に作動部材216 が突設されており、扉
体９の開放時に、スプリング213 の付勢により揺動レバ
ー211 が図１３の２点鎖線に示すように揺動し、また、
扉体９の閉塞時に、作動部材216 でローラ215 を押圧
し、スプリング213 の付勢に抗して揺動レバー211 を図
１３の実線に示すように揺動する。この揺動レバー211
の揺動に伴い、連動部材201 および連動リンク203 を介
して各支承部材駆動手段78a 〜78c の各揺動枠186 が一
体的に揺動する。

【００７４】なお、各支承部材駆動手段77a 〜77c の各
揺動枠186 は、押上レバー161 を操作する操作レバーに
よって一体的に揺動するようになっており、操作レバー
の操作に伴い、押上レバー161 の昇降と各支承部材駆動
手段77a 〜77c の各揺動枠186 の揺動とが連動して行な
われる。

【００７５】次に、図１４には、循環式硬貨入出金機を
制御する制御部221 を示し、この制御部221 は、各種の
センサ191 ，192 ，193 ，194 などを含むセンサ群222
、硬貨上端検知センサ102s，103s、各カセット７，８
が各カセット台156 ，157 に装着されたことを検知する
カセット検知センサ223 などから検知信号を入力し、支
承部材駆動手段77a 〜77c ，78a 〜78c 、投出部材駆動
手段117 などの駆動を制御する。

【００７６】また、制御部221 は、カセット検知センサ
223 からの検知信号としての初期設定動作信号がある
と、各出金用筒体74a 〜74c および各補充用筒体76a 〜
76c ごとに支承部材駆動手段77a 〜77c ，78a 〜78c を
駆動させて支承部材141 を上昇させる初期動作駆動手段
234 の機能と、この初期動作駆動手段234 による作動中
に、上限センサ194 が支承部材141 を検知するまでに硬
貨上端検知センサ102s，103sが硬貨を検知しないときに
は異常と判別する初期動作異常判別手段235 の機能とを
備えている。

【００７７】そして、制御部221 は、初期動作異常判別
手段235 が異常を判別したときに各出金用筒体74a 〜74
c および各補充用筒体76a 〜76c ごとに異常を知らせる
例えば表示器などにて構成される異常報知手段236 を制
御する。

【００７８】また、制御部221 はインターフェース237
を介してテラー用端末238 と接続され、このテラー用端
末238 から指令により、硬貨投出動作を行なったり、初
期設定動作を行なう。なお、ＡＴＭの場合はテラー用端
末238 に代え、循環式硬貨入出金機側に設けた操作入力
部にて操作を行なうようにする。

【００７９】次に、本実施の形態の作用を説明する。

【００８０】まず、図１５のフローチャート（一部を省
略している）を参照して、補充カセット８の機体１内へ
の装填時の初期設定動作を説明する。なお、ここでは補
充カセット８について説明するが、出金カセット７も同
様である。ただし、出金カセット７は、原則的に着脱し
ないが、硬貨詰まりの発生時や点検時において、扉体９
側の補充カセット８を取り外した状態で操作レバーを操
作して着脱できる。

【００８１】補充カセット８への硬貨の収納は、装着枠
151 から突出する各連結アーム155a〜155cを操作し、自
重で筒最下部に位置する支承部材141 を上昇させて硬貨
を補給する毎に下降させていく。これにより、硬貨を重
積状態に容易に収納させることができる。

【００８２】そして、扉体９を開放すると、カセット台
157 が下降し、このカセット台157上に補充カセット８
を載置して、扉体９を閉塞する。この扉体９の閉塞に伴
ってカセット台157 が上昇し、補充カセット８の上部に
突出する各嵌合部137 が投出枠101 の各繰出口103 の下
縁部に嵌合する。なお、各支承部材141 の連結ピン154
が対応する各支承部材駆動手段78a 〜78c に対向する。
また、各昇降部材177は連結ピン154 の位置より上方に
位置している。また、各揺動枠186 は、扉体９の閉塞に
よって図１３の実線位置、すなわち各支承部材駆動手段
78a 〜78c の連結部材180 と各補充用筒体76a 〜76c 用
の連結ピン154 とが上下方向に係合可能な位置に揺動す
る。

【００８３】また、補充カセット８が装填されたことを
カセット検知センサ223 で検知し、初期設定動作信号が
制御部221 に入力され、制御部221 の初期動作駆動手段
234の機能により、各補充用筒体76a 〜76c の初期設定
動作が平行して開始される（ステップ１，２）。

【００８４】なお、図１５には、１円の初期設定動作に
ついてのフローを示すが、平行処理される１００円、１
０円の初期設定動作も同様であり、フローは省略してい
る。

【００８５】初期設定動作では、まず、ステッピングモ
ータ171 が駆動されて昇降部材177が一旦下降し、連結
部材180 の連結片182 が連結ピン154 に当接する。この
とき、連結片182 の下縁に設けた円弧状の導入部184 が
連結ピン154 の周面に当接するため、連結片182 が逃げ
るように回動した後、連結片182 の連結溝183 が連結ピ
ン154 に係合する。

【００８６】この時点で、昇降部材177 の下降位置を下
限センサ192 で検知し、ステッピングモータ171 の駆動
が逆転されて昇降部材177 とともに支承部材141 および
重積硬貨が上昇する（ステップ３）。

【００８７】そして、硬貨上端検知センサ103sが重積硬
貨の上端を検知したか、初期設定動作の開始から所定時
間経過したか、上限センサ194 が支承部材141 を検知し
たかを判断する（ステップ４，５，６）。

【００８８】そして、補充用筒体76a 〜76c 内の硬貨重
積状態、支承部材141 と昇降部材177 との連結状態、ス
テッピングモータ171 の駆動による支承部材141 の上昇
がいずれも正常であるならば、所定時間以内に硬貨上端
検知センサ103sが重積硬貨の上端を検知する。その検知
に基づいて、ステッピングモータ171 の駆動が所定時間
逆転された後に停止され、重積硬貨の上端が硬貨上端検
知センサ103sより所定距離下降した待機位置（図１８お
よび図１９図示位置）に停止される（ステップ７）。

【００８９】また、補充用筒体76a 〜76c 内の硬貨重積
不良あるいはステッピングモータ171 の駆動による支承
部材141 の上昇不良により所定時間経過しても硬貨上端
検知センサ103sが検知しなかった場合や、支承部材141
と昇降部材177 との連結不良により昇降部材177 のみが
上昇して上限センサ194 が検知した場合には、制御部22
1 の初期動作異常判別手段235 の機能により異常と判別
する。

【００９０】この異常判別時は、異常報知手段236 によ
り、１円についてのエラーコードを表示し、補充カセッ
ト８のセット不良を報知する（ステップ８，９）。

【００９１】そして、以上のステップ３〜９に示す初期
設定動作は、１円以外の各金種についても並行して行な
われる。

【００９２】また、テラー用端末238 から初期設定動作
の指令がなされた場合にも、初期設定動作が行なわれ
る。

【００９３】次に、図１６のフローチャート（一部を省
略している）を参照して、硬貨入金処理について説明す
る。

【００９４】なお、待機状態では、図１８に示すよう
に、投出部材112 は投出位置に位置され、保留位置に位
置する保留枠81の各一時保留部72a 〜72c の下面を閉塞
している（ステップ11）。

【００９５】硬貨投入口４に例えば５枚の硬貨が一度に
まとめて投入される。硬貨投入口４に投入された硬貨
は、入金ホッパ11のベルトコンベヤ12上に落下し、ベル
トコンベヤ12と逆転ローラ13の作動によって１枚ずつ硬
貨通路21に繰り出される。硬貨通路21に繰り出された硬
貨は、ベルトコンベヤ12と搬送ベルト25，28との周速差
によって間隔をあけられるとともに第１の基準壁23b に
沿って搬送され、識別部31で識別される。

【００９６】識別部31でリジェクト貨が識別されれば、
強制分類手段39が作動され、リジェクト貨が分類孔34で
強制的に落下排除されてリジェクトシュート51を通じて
リフトシュート52の硬貨受取位置に位置するバケット53
内に収容される。

【００９７】識別部31で出金に利用しない５円、５０
円、５００円の金種硬貨、あるいは出金に利用する１
円、１００円、１０円の金種硬貨でもフルセンサ193 に
よって満杯が検知されている金種硬貨が識別されれば、
強制分類手段40が作動され、対応する硬貨が分類孔35か
ら強制的に落下排除されてシュート61を通じて出金コン
ベヤ62上に一時保留される。

【００９８】識別部31で出金に利用する１円、１００
円、１０円の金種硬貨で満杯が検知されていない金種硬
貨は、強制分類手段39，40の位置を通過して硬貨通路21
の下流域の第２の基準壁23d に沿って搬送され、対応す
る大きさの分類孔36〜38に落下して、図１８に示すよう
に、保留枠81の一時保留部72a 〜72c に落下し、一時保
留部72a 〜72c の下面を閉塞状態にある投出部材112 上
に重積状態に一時保留される（ステップ12）。

【００９９】識別部31が硬貨を一定時間検知しないこと
により入金硬貨の全てが一時保留したものと判断する
（ステップ13）。このとき、リジェクト貨が識別されて
バケット53に収容されている場合には、識別部31による
リジェクト貨識別結果を制御部221 が記憶していること
によりこの制御部221 を通じ、バケット53が上昇されて
出金トレイ14内に回転し、リジェクト貨が出金トレイ14
内に放出されることにより、シャッタ３が開放され、出
金トレイ14内のリジェクト貨の取り出しが可能となる。
バケット53は、原姿勢に回転復帰した後、下降し、元の
定位置に復帰して停止する。

【０１００】なお、ベルトコンベヤ12上に繰り出せない
異物が残ったことが図示しないセンサなどによって検知
された場合には、制御部221 を通じて自動的にあるいは
図示しないボタン操作によってシャッタ３を開放させ
て、操作者がベルトコンベヤ12上の異物を取り出す。そ
れにより入金処理が再開される。

【０１０１】そして、硬貨の一時保留が終了した後、入
金が承認されれば、出金コンベヤ62上の一時保留硬貨
は、再度バケット53が硬貨受取位置から上方へ移動され
た状態で、シャッタ64が開放されるとともに出金コンベ
ヤ62が駆動されることにより、リフトシュート52および
振分シュート55を通じて回収ボックス６に導かれて一括
して収納される。バケット53は、出金コンベヤ62上の硬
貨が放出するに十分な所定時間経過後に、下降し、定位
置へ復帰して停止する。

【０１０２】一方、１円、１００円、１０円の金種硬貨
のうち、入金があって保留枠81に一時保留された金種硬
貨についての硬貨収納動作が並行して行なわれる。な
お、図１６には、１円の硬貨収納動作についてのフロー
を示すが、並行処理される１００円、１０円の硬貨収納
動作も同様であり、フローは省略している。

【０１０３】１円、１００円、１０円の金種硬貨のう
ち、入金があった金種硬貨に対応する出金用筒体74a 〜
74c の支承部材駆動手段77a 〜77c のステッピングモー
タ171が駆動され、重積硬貨の上端が硬貨上端検知セン
サ102sよりやや下方となる定位置（図２０参照）から投
出部材112 の下面の収納位置まで上昇される（ステップ
14，15）。

【０１０４】投出部材112 が退避位置（図１８の２点鎖
線位置）に移動して各保留筒部82の下面が開口され、一
時保留硬貨が重積状態のまま支承部材141 上の重積硬貨
上に載り移る（ステップ16）。なお、一対のストッパ12
6 は硬貨補充動作時以外は上昇位置にあり、一時保留硬
貨の収納時もその誘導ガイドをする。

【０１０５】１円、１００円、１０円の金種硬貨のう
ち、入金があった金種硬貨に対応する出金用筒体74a 〜
74c の支承部材駆動手段77a 〜77c （図３および図１参
照）のステッピングモータ171 が逆転駆動され、支承部
材141 が下降する（ステップ17，18）。それに伴い、重
積硬貨が下降されて対応する出金用筒体74a 〜74c 内に
収納されていき、重積硬貨の上端が硬貨上端検知センサ
102sで検知されなくなった時点で、支承部材141 の下降
が一時停止される（ステップ19，20）。

【０１０６】投出部材112 が投出位置に移動され（ステ
ップ21）、また一時停止された支承部材駆動手段77a 〜
77c のステッピングモータ171 が逆転駆動され、重積硬
貨の上端が硬貨上端検知センサ102sより所定距離下降し
た待機位置（図２０図示位置）に移動されたときステッ
ピングモータ171 が停止される（ステップ22）。

【０１０７】一方、硬貨の一時保留後、返却が指令され
た場合には、一時保留硬貨放出手段85のモータ86が駆動
され、保留枠81が返却位置（図１８の２点鎖線位置）に
移動され、一時保留硬貨が出金コンベヤ62上に放出され
る。放出後に、保留枠81は移動前の収納位置に復帰され
る。

【０１０８】バケット53が硬貨受取位置に位置する状態
で、シャッタ64が開放されるとともに出金コンベヤ62が
駆動され、出金コンベヤ62上に一時保留されていた硬貨
および保留枠81から出金コンベヤ62上に放出された硬貨
が、リフトシュート52のバケット53内に投入される。返
却硬貨を収納したバケット53が上昇されて出金トレイ14
内に回転し、返却硬貨が出金トレイ14内に放出されるこ
とにより、シャッタ３が開放され、出金トレイ14内の返
却硬貨の取り出しが可能となる。なお、バケット53は回
転復帰した姿勢で硬貨受取位置まで下降して停止され
る。

【０１０９】なお、出金トレイ14に返却硬貨が返却され
た後、所定時間経過しても出金トレイ14内に硬貨（リジ
ェクト貨を含む）があることが図示しないセンサで検知
されると、硬貨を取り忘れたものと判断し、シャッタ３
を閉じた後、出金トレイ14の可動底板15を開放し、取り
忘れ硬貨を取忘れボックス５に回収する。回収後に、可
動底板15は移動前の閉鎖位置に復帰される。

【０１１０】次に、図１７のフローチャート（一部を省
略している）を参照して、硬貨出金処理について説明す
る。なお、出金は１円、１０円、１００円の３種類の硬
貨の組み合わせによって行なわれる。

【０１１１】例えばデラーズマシンから投出指令（金種
や枚数など）が入力されると（ステップ31）、まず、初
期設定が行なわれる（ステップ32）。この初期設定で
は、各金種硬貨の投出枚数のカウンタの数値がｎ₁ ＝ｎ
₁₀₀ ＝ｎ₁₀＝０にセットされ、図１９に示すように、投
出部材112 が退避位置に移動されるとともに、保留枠81
が放出位置に移動されて、各出金用筒体74a 〜74c の上
方に保留枠81の下面が臨ませられる。

【０１１２】投出指令のあった複数の金種硬貨について
の硬貨投出動作が並行して行なわれる。なお、図１７に
は、１円の硬貨投出動作についてのフローを示すが、並
行処理される他の金種硬貨の硬貨投出動作も同様であ
り、フローは省略している。

【０１１３】投出指令があった金種に対応する支承部材
駆動手段77a 〜77c のステッピングモータ171 が駆動さ
れ、各出金用筒体74a 〜74c の重積硬貨の最上位の１枚
の硬貨が図２０位置から投出位置（図１９位置）まで上
昇される（ステップ33，34）。このとき、重積硬貨の最
上位硬貨は保留枠81の下面に当接している。なお、重積
硬貨の最上位の硬貨が保留枠81の下面に当接しても、支
承部材141 のスプリング147 が収縮して吸収する。この
とき、補充用筒体76a 〜76c の重積硬貨上面は図１９位
置にあり投出部材112 はそれらの重積硬貨とは接触しな
い。

【０１１４】投出部材112 が往復駆動され、図１９に示
すように、この投出部材112 の投出板114 の出金用投出
部115 で最上位の硬貨１枚が投出溝104 に押し出されて
出金コンベヤ62上に放出される（ステップ35）。このと
き、投出される硬貨によって計数部119 のスイッチ123
が入り、投出枚数ｎ₁ がカウントされる（ステップ3
6）。出金コンベヤ62上に投出された硬貨は、指令され
た金種硬貨枚数分の硬貨が投出されるまで一括して一時
保留される。

【０１１５】投出枚数ｎ₁ が投出指令枚数に達しなけれ
ば、重積硬貨が硬貨１枚分だけ上昇され、保留枠81の下
面に当接状態となり、ステップ35に戻って再度投出動作
を行なう（ステップ37，38）（図１９参照）。

【０１１６】ある金種硬貨についてカウントされる投出
枚数ｎ₁ が指令投出枚数に達したならば、ステッピング
モータ171 が制御部221 により逆転駆動され、投出部材
112の次の投出動作時にはその金種の重積硬貨上面は投
出部材112 下面より下方に位置しているので、その金種
硬貨の投出は行なわれない。また、その金種のステッピ
ングモータ171 はさらに逆転を続け重積硬貨上面が図１
９の硬貨上端検知センサ102sを通過してから所定パルス
逆転した時点で制御部221 により停止され、そのときの
重積硬貨上面は図２０図示位置である。

【０１１７】他の金種硬貨については、硬貨の投出動作
が続けられ、カウントされた投出枚数ｎ₁ が投出指令枚
数に達する毎に前述の動作でその金種の投出動作は終了
し、最後の金種のカウントされる投出枚数が投出指令枚
数に達したとき、その支承部材141 は前述の動作で下降
されて停止され、また、投出部材112 は後退位置へ後退
したとき、制御部221 により投出部材駆動手段117 でも
ってその位置で停止される（ステップ39）。

【０１１８】なお、各金種毎に設けられる一対のストッ
パ126 は硬貨補充動作以外のときは、図１９の破線位置
（上昇位置）に位置しており、図６および図１９におい
て、投出部材112 の投出動作（往復移動）後の復動時、
その投出部材112 下面に接触する重積硬貨中の最上位硬
貨が繰出溝105 へ送られるのを防止している。

【０１１９】指令された全金種硬貨枚数（指令された金
額から算出される全金種枚数の場合も含む）とカウント
された全金種硬貨枚数とが一致すれば、バケット53が硬
貨受取位置に位置する状態で、シャッタ64が開放される
とともに出金コンベヤ62が駆動され、出金コンベヤ62上
に一時保留されていた出金硬貨が、リフトシュート52の
バケット53内に投入される。出金硬貨を収納したバケッ
ト53が上昇されて出金トレイ14内に回転し、出金硬貨が
出金トレイ14内に放出されることにより、シャッタ３が
開放され、出金トレイ14内の出金硬貨の取り出しが可能
となる。なお、バケット53は、出金トレイ14内へ揺動回
転した後、回転復帰姿勢となり、その姿勢のまま下降
し、図２実線位置（硬貨受取位置）へ復帰して停止す
る。

【０１２０】なお、出金トレイ14に出金硬貨が返却され
た後、所定時間経過しても出金トレイ14内に出金硬貨が
あることが図示しないセンサで検知されると、硬貨を取
り忘れたものと判断し、シャッタ３を閉じた後、出金ト
レイ14の可動底板15を開放し、取り忘れ硬貨を取忘れボ
ックス５に回収する。回収後に、可動底板15は移動前の
閉鎖位置に復帰される。

【０１２１】また、例えば、硬貨詰まりなどによってい
ずれかの金種（複数金種の場合もある）について指令さ
れた金種硬貨枚数とカウントされた金種硬貨枚数とが一
致しなかった場合には、まず、バケット53が硬貨受取位
置から上方へ移動されて停止されるとともに、振分シュ
ート55の切換板56が回収ボックス６の運用リジェクト部
6a側に通路を切り換え、この状態で、シャッタ64が開放
されるとともに出金コンベヤ62が駆動され、出金コンベ
ヤ62上に一時保留されていた硬貨がリフトシュート52、
振分シュート55、切換板56を通じて回収ボックス６の運
用リジェクト部6aに回収される。

【０１２２】なお、不一致となった硬貨を回収した後に
は、再度出金処理を行なってもよいし、出金エラーとし
て停止するようにしてもよい。

【０１２３】次に、出金用筒体74a 〜74c への補充処理
について説明する。

【０１２４】この補充処理は、例えば、循環式硬貨入出
金機が設置された金融機関の始業時に、硬貨が装填され
ていない機体１内の出金用筒体74a 〜74c に対して硬貨
を装填するために、補充カセット８を装着して図示しな
い補充指令ボタンなどを操作することで開始されたり、
あるいは、出金用筒体74a 〜74c からの出金に伴ってニ
アエンプティセンサ193 により硬貨収納量が残りわずか
であることが検知された場合に、自動的または図示しな
い補充指令ボタンなどの操作によって開始される。

【０１２５】図２０に示すように、補充指令によって、
保留枠81は保留位置のまま、投出部材112 が退避位置に
移動される。なお、そのとき、出金用筒体74a 〜74c の
重積硬貨上面は図２０位置で、補充硬貨を受け入れる位
置に位置しているが、出金終了直後などの場合は図２０
位置になった状態でないと硬貨補充動作に入らない。ま
た、補充指令により一対のストッパ126 は図示しないソ
レノイドによって図２０図示位置へ下降位置している。

【０１２６】補充指令のあった金種硬貨についての硬貨
補充動作が各金種並行して行なわれる。すなわち、投出
指令があった金種に対応する支承部材駆動手段78a 〜78
c のステッピングモータ171 が正転駆動され、補充用筒
体76a 〜76c の最上位の１枚の硬貨が図１８、図１９図
示位置から繰出位置（投出部材112 の下面当接位置）ま
で上昇される。なお、重積硬貨の最上位の硬貨が投出部
材112 の下面に当接しても、支承部材141 のスプリング
147 が収縮して吸収する。

【０１２７】投出部材112 が往復駆動され、この投出部
材112 の投出板114 の補充用投出部116 で補充用筒体76
a 〜76c の最上位の硬貨１枚が繰出溝105 に押し出さ
れ、その繰出溝105 を滑り落ちて出金用筒体74a 〜74c
内に落下し、出金用筒体74a 〜74c 内の重積硬貨の上面
に重積される。このとき、投出される硬貨によって計数
部120 のスイッチ124 が入り、補充枚数がカウントされ
る。また、保留枠81の下面の各規制片96が投出枠101 の
各投出溝104 に入り込み、投出溝104 への硬貨の進入が
不可能な状態となるため、補充硬貨が誤って出金コンベ
ヤ62側に投出されることはない。

【０１２８】このとき、出金用筒体74a 〜74c の支承部
材141 はその上の重積硬貨上面（重積硬貨がない場合は
支承部材141 上面）が硬貨上端検知センサ102sで検知さ
れた位置からステッピングモータ171 が所定パルス逆転
した状態で停止（図２０図示）されており、出金用筒体
74a 〜74c に補充硬貨が入り、その補充硬貨が硬貨上端
検知センサ102sで検知されると、補充があった金種硬貨
に対応する出金用筒体74a 〜74c の支承部材駆動手段77
a 〜77c のステッピングモータ171 が前記所定パルス逆
転駆動されて支承部材141 が下降され、重積硬貨の上端
が硬貨上端検知センサ102sで検知されなくなった時点で
支承部材141 の下降が停止され、重積硬貨の上端が硬貨
上端検知センサ102sより所定距離下降した待機位置に移
動される。

【０１２９】カウントされた補充枚数が所定の補充指令
枚数に達しなければ、補充用筒体76a 〜76c の重積硬貨
が硬貨１枚分だけ上昇されてその最上位の硬貨が投出部
材112 の下面に当接し、往復移動する投出部材112 によ
って再度繰り出して補充動作を行なう。

【０１３０】その補充動作中に、複数の補充金種中のあ
る金種について、カウントされた補充枚数が所定の補充
指令枚数に達した時点で、その金種の支承部材駆動手段
78a〜78c が制御部221 により逆転駆動され、投出部材1
12 の投出動作時にその金種の硬貨は投出されない。ま
た、その金種の支承部材駆動手段78a 〜78c はさらに回
転を続け、硬貨上端検知センサ103sが重積硬貨上面の通
過を検知してから所定パルス分、ステッピングモータ17
1 が逆転駆動された時点、すなわち図１８、図１９位置
に支承部材141 上の重積硬貨上面が位置した時点で制御
部221 により停止される。

【０１３１】カウントされた補充枚数が所定の補充指令
枚数に達しない金種については、前述の補充動作が制御
部221 により続行され、補充指令枚数に達した金種毎に
その金種のステッピングモータ171 が制御部221 により
逆転駆動され、支承部材141が下降されて図１８、図１
９位置で停止される。

【０１３２】そして、硬貨補充すべき全ての金種につい
てカウントされた補充枚数が所定の補充指令枚数に達し
たとき、投出部材112 は、後退位置へ位置したときすな
わち図１９、図２０の位置に位置したときに制御部221
による投出部材駆動手段117の停止でもって停止され
る。なお、単金種の補充の場合は、その金種の硬貨のカ
ウントされた補充枚数が所定の補充指令枚数に達し、投
出部材112 が後退位置へ復帰した段階で停止され、支承
部材駆動手段78a 〜78c も支承部材141 上の重積硬貨上
面が図１８、図１９に位置した時点で停止される。

【０１３３】以上の動作で補充動作が完了し、次の入出
金処理が可能となる。

【０１３４】このように、出金用筒体74a 〜74c に対応
してその出金用筒体74a 〜74c の隣接域に補充用筒体76
a 〜76c を設け、この補充用筒体76a 〜76c の硬貨を１
枚ずつ繰り出して対応する出金用筒体74a 〜74c に直接
補充するため、硬貨の補充時間を短縮できるとともに、
硬貨を必要枚数だけ補充でき、入出金取引準備状態に迅
速に移行できる。

【０１３５】なお、本実施の形態では、本発明の繰出停
止部は制御部221 と支承部材駆動手段78a 〜78c および
または投出部材駆動手段117 であり、硬貨の補充手段と
兼用されている。また、本発明の計数部は、本実施の形
態では計数部120 が相当する。

【０１３６】次に、硬貨の回収処理について説明する。

【０１３７】この回収処理は、例えば、循環式硬貨入出
金機が設置された金融機関の終業時に、機体１内の全て
の硬貨を回収して金庫などに収納するために、図示しな
い回収指令ボタンなどの操作によって開始される。

【０１３８】出金用筒体74a 〜74c からの硬貨の回収
は、前述の出金時と同様に、出金用筒体74a 〜74c 内の
全ての硬貨が出金コンベヤ62上に投出された後、バケッ
ト53が硬貨受取位置から上方へ移動された状態で、シャ
ッタ64が開放されるとともに出金コンベヤ62が駆動され
ることにより、リフトシュート52および振分シュート55
を通じて回収ボックス６に導かれて回収される。

【０１３９】補充用筒体76a 〜76c からの硬貨の回収
は、まず、前述の補充時と同様に、補充用筒体76a 〜76
c 内の全ての硬貨が出金用筒体74a 〜74c に収納され、
その後、前述の出金用筒体74a 〜74c からの硬貨の回収
と同様に、出金用筒体74a 〜74c 内の全ての硬貨が出金
コンベヤ62上に投出され、リフトシュート52および振分
シュート55を通じて回収ボックス６に導かれて回収され
る。

【０１４０】そして、前面運用の場合には機体１を前方
へ引き出して回収ボックス６の取り外しが行なわれ、後
面運用の場合には機体１を後方へ引き出して回収ボック
ス６の取り外しが行なわれる。なお、機体１の前方また
は後方への引き出し状態で、取忘れボックス５および補
充カセット８も取り外すことができる。

【０１４１】次に、補充カセット８の機体１からの取り
外しについて説明する。

【０１４２】図１において、扉体９を開放すると、押上
レバー162 がローラ160 から外れ、カセット台157 およ
び補充カセット８が下降し、補充カセット８の上部に突
出する各嵌合部137 が投出枠101 の繰出口103 の下縁部
から下方に脱落する。

【０１４３】また、それと同時に、図１３において、扉
体９の作動部材216 がローラ215 との接触位置から外
れ、スプリング213 の付勢により、揺動レバー211 、連
動部材201 および連動リンク203 を介して、各揺動枠18
6 が実線位置から２点鎖線位置へ一体的に揺動する。そ
のため、揺動枠186 と一体に図１１図示の昇降部材177
も揺動し、図１１および図１２図示の連結部材180 の連
結片182 が支承部材141の連結ピン154 から外れ、各補
充用筒体76a 〜76c 内で支承部材141 および重積硬貨が
下降する。

【０１４４】したがって、扉体９が開放された開口部を
通じて、補充カセット８を機体１内から取り出すことが
できる。

【０１４５】以上のように、出金用筒体74a 〜74c に対
応してその出金用筒体74a 〜74c の隣接域に補充用筒体
76a 〜76c を設け、この補充用筒体76a 〜76c の硬貨を
１枚ずつ繰り出して対応する出金用筒体74a 〜74c に直
接補充するため、硬貨の補充時間を短縮できるととも
に、硬貨を必要枚数だけ補充でき、入出金取引準備状態
に迅速に移行できる。

【０１４６】また、補充カセット８は補充用筒体76a 〜
76c とその補充用筒体76a 〜76c が装着される装着枠15
1 を有し、この装着枠151 は機体１に対して着脱可能に
装着でき、この装着枠151 を機体１から外すことにより
機体１外で補充用筒体76a 〜76c への硬貨の装填作業を
容易に行なえ、しかも、補充用筒体76a 〜76c を着脱可
能としても、機体１側に設けた繰出機構111 により、補
充用筒体76a 〜76c の硬貨を繰り出すことができる。な
お、繰出機構111 は、機体１側、補充カセット８の装着
枠151 側、機体１側と装着枠151 側とに分割のうちのい
ずれの状態で設けてもよい。

【０１４７】また、繰出機構111 では、補充用筒体76a
〜76c から繰り出される硬貨を計数部120 により計数
し、必要枚数繰出時に補充用筒体76a 〜76c からの硬貨
の繰り出しを繰出停止部により停止するため、硬貨を必
要枚数だけ補充できる。

【０１４８】また、上部から硬貨を出し入れする出金用
筒体74a 〜74c および補充用筒体76a 〜76c であって、
出金用筒体74a 〜74c の上部から硬貨を投出する出金用
投出部115 を有するとともに補充用筒体76a 〜76c の上
部から硬貨を出金用筒体74a〜74c に繰り出す補充用投
出部116 を有する１つの投出部材112 の同一ストローク
の移動により、出金用筒体74a 〜74c からの硬貨の投出
および補充用筒体76a〜76c から出金用筒体74a 〜74c
への硬貨の繰り出しを行なえ、繰出機構111 は投出部材
112 を同一ストローク移動させればよいので簡素化でき
る。なお、ある金種の出金用筒体74a 〜74c からの硬貨
の投出に並行して別の金種の補充用筒体76a 〜76c から
出金用筒体74a 〜74c への硬貨の補充も可能であり、こ
の方法により硬貨の補充を行なう場合には入出金取引準
備状態により一層迅速に移行できる。

【０１４９】なお、出金用筒体74a 〜74c および補充用
筒体76a 〜76c としては、円筒形状、四角筒形状、硬貨
径方向の周縁複数箇所に接触する複数の側壁部材で構成
するものでもよく、また、重積硬貨が保持できれば筒周
壁の一部が開放していてもよい。また、投出部材112 は
金種毎に別の電気的駆動手段としてもよく、また、出金
用と補充硬貨繰出用で別の投出部材としてもよく、電気
的駆動手段も別々に設けてもよい。

【０１５０】また、前記実施の形態では一時保留部72a
〜72c を保留枠81とこの保留枠81の下面を開閉する投出
部材112 とで構成していたが、投出部材112 とは別に、
保留枠81の下面を開閉する底板を設けてもよい。

【０１５１】また、投出部材112 に保留枠81の下面を開
閉する機能を兼用させる場合、投出部材112 の投出側の
下面縁部に重積硬貨の上端の硬貨１枚に係合可能とする
段部を設ける。そして、硬貨投出時において、支承部材
71で上昇される重積硬貨の上端を投出部材47の段部で受
け、この段部で硬貨１枚を引掛けて投出する。この場
合、前記実施の形態のように保留枠81の下面を硬貨重積
筒部41の上方に臨ませずに、重積硬貨の状態を受けて支
持することができる。

【０１５２】また、保留枠81と投出枠101 との間に２枚
の投出板を設け、上側の投出板で保留枠81内の硬貨を返
却投出させ、下側の投出板で出金用筒体74a 〜74c およ
び補充用筒体76a 〜76c 内の硬貨を投出および繰出さ
せ、両投出板の退避で保留枠81の保留硬貨を出金用筒体
74a 〜74c 内に収納させるようにしてもよい。この場
合、前記実施の形態のように保留枠81を移動させずにす
む。

【０１５３】また、保留枠81の入金硬貨の受け入れ待機
時の位置を出金コンベヤ62上に配置し、保留枠81の保留
硬貨の返却時に保留枠81からそのまま出金コンベヤ62に
放出し、収納時には保留枠81が出金用筒体74a 〜74c 上
へ移動して収納させるようにしてもよい。

【０１５４】なお、入金硬貨中の出金に使用する硬貨を
分類して金種別硬貨収納繰出部73a〜73c に収納するこ
とは、入金硬貨を一時保留することなく、入金硬貨を金
種分類して金種別硬貨収納繰出部73a 〜73c に収納する
タイプ、入金硬貨を一時保留するものでも金種別に一時
保留し、入金承認時に金種別硬貨収納繰出部73a 〜73c
に収納するタイプ、入金硬貨を一時保留するものでも一
括一時保留（金種分類せずに金種混合状態で一時保留）
し、入金承認時に金種分類して金種別硬貨収納繰出部73
a 〜73c に収納するタイプを含む。

【０１５５】また、入金硬貨中の出金に使用する硬貨を
分類して金種別硬貨収納繰出部73a〜73c に収納するこ
とは、入金識別時に入金真貨を正貨と損貨に区分識別す
るタイプを採用する場合、金種別硬貨収納繰出部73a 〜
73c には入金真貨中の正貨が収納され、入金真貨中の損
貨は別の収納部に収納されるタイプ、入金真貨を正貨・
損貨に区分けしないタイプを含む。さらに、金種別硬貨
収納繰出部73a 〜73cの収納量が設定量に達するとそれ
以上の硬貨はオーバーフロー硬貨として扱う場合もあ
り、金種分類とは具体的な分類方式にもよるが単に金種
分類するものに限定されるものではなく、入金正貨の金
種分類、入金正貨中のオーバーフロー到達前の硬貨の分
類も含む。

【０１５６】まず、図２１に第２の実施の形態を示して
説明する。

【０１５７】この実施の形態では、金種別硬貨収納繰出
部73a 〜73c として金種別の出金ホッパ体250 が用いら
れるとともに、金種別補充硬貨収納部75ａ〜75c として
金種別の補充ホッパ体251 が用いられ、金種別の補充ホ
ッパ体251 が装着枠151 に組み込まれて機体１に着脱可
能とする補充カセット８として構成される。

【０１５８】各出金ホッパ体250 は、硬貨を貯留するホ
ッパ255 を有し、このホッパ255 の底面にベルトコンベ
ヤ256 が配設される。ベルトコンベヤ256 はそのベルト
上面が出金コンベヤ62へ向けて移動するように図示しな
いモータの駆動によって回転される。ベルトコンベヤ25
6 の上方には、ベルト上面との間に硬貨１枚が通過可能
とする間隙をあけて、図示しないモータの駆動によって
ベルト上面に対して逆方向に回転される逆転ローラ257
が配設されている。なお、この逆転ローラ257域ではベ
ルトコンベヤ256 の幅方向両側の図示しない側壁により
硬貨径方向に１枚の硬貨が通過可能とされる。この逆転
ローラ257 よりも出金コンベヤ62側には、ベルトコンベ
ヤ256 と逆転ローラ257 との間を１枚ずつ１層１列で通
過する硬貨を出金コンベヤ62へ投出する投出ローラ258
が配設されている。

【０１５９】そして、ベルトコンベヤ256 の回動によっ
てホッパ255 内の硬貨を出金コンベヤ62に向けて１列状
態で移動させ、逆転ローラ257 によって硬貨を１層にす
るとともに１層にされた硬貨を投出ローラ258 で出金コ
ンベヤ62に投出し、したがって、出金ホッパ体250 から
硬貨を１枚ずつ出金コンベヤ62に投出する。

【０１６０】ホッパ255 内には硬貨収納量を検知する硬
貨検知センサ259 が配設されている。投出ローラ258 の
下流側には出金コンベヤ62に投出される硬貨を検知する
投出検知センサ261 が配設されているとともに、投出指
令枚数投出時に図示しないソレノイドなどの駆動によっ
て投出通路260 上に突出して硬貨の通過を阻止するスト
ッパ262 が配設されている。

【０１６１】保留枠81が出金ホッパ体250 上と出金コン
ベヤ62に連通するシュート263 とに移動可能とし、保留
枠81の下面には底板264 が開閉可能に配設されている。

【０１６２】そして、保留枠81に一時保留された金種別
一時保留硬貨の入金承認時は底板264 を開放することに
よりその硬貨を出金ホッパ体250 へ放出し、入金不承認
時は保留枠81を移動させて一時保留硬貨をシュート263
を通じて出金コンベヤ62へ放出する。

【０１６３】また、各補充ホッパ体251 は、硬貨を貯留
するホッパ271 を有し、このホッパ271 の底面にベルト
コンベヤ272 が配設される。このベルトコンベヤ272 は
そのベルト上面が出金ホッパ体250 へ向けて移動するよ
うに図示しないモータの駆動によって回転される。ベル
トコンベヤ272 の上方でかつベルトコンベヤ272 の上端
から出金ホッパ体250 に連通する補充通路273 の上方に
は、ベルト上面との間に硬貨１枚が通過可能とする間隙
をあけて、図示しないモータの駆動によってベルト上面
に対して順方向に回転される搬送ベルト274 が配設され
ている。なお、ベルトコンベヤ272 の幅方向両側の側壁
（図示せず）により径方向にも１枚に規制されて送り出
される。

【０１６４】そして、ベルトコンベヤ272 および搬送ベ
ルト274 の回動によって、ホッパ271 内の硬貨を１層１
列状態で補充通路273 に送り込み、出金ホッパ体250 に
投出し、したがって、補充ホッパ体251 から硬貨を１枚
ずつ出金ホッパ体250 に投出する。

【０１６５】ホッパ255 内には硬貨収納量を検知する硬
貨検知センサ275 が配設されている。補充通路273 には
出金ホッパ体250 に投出される硬貨を検知する投出検知
センサ276 が配設されているとともに、必要補充枚数繰
出時に図示しないソレノイドなどの駆動によって投出通
路273 上に突出して硬貨の通過を阻止するストッパ277
が配設されている。この例では、投出検知センサ276 お
よび図示しない制御部が本発明の計数部、ストッパ277
と図示しないソレノイドと制御部が本発明の繰出停止部
となる。

【０１６６】このように、金種別硬貨収納繰出部73a 〜
73c および金種別補充硬貨収納部75ａ〜75c として金種
毎の出金ホッパ体250 および補充ホッパ体251 を用いた
場合にも、第１の実施の形態と同様の作用効果が得られ
る。

【０１６７】なお、金種別硬貨収納繰出部73a 〜73c お
よび金種別補充硬貨収納部75ａ〜75c としては、ミニホ
ッパ（傾斜円板とホッパ）タイプ、ベルト底ホッパタイ
プ（第２の実施の形態）、筒で上部投出タイプ（第１の
実施の形態）、筒で下部投出タイプのいずれを用いても
よく、同様の作用効果が得られる。

【０１６８】次に、図２２ないし図２６に第３の実施の
形態を示して説明する。

【０１６９】この実施の形態では、図２３において、第
１の実施の形態のシャッタ３に硬貨投入口４が形成され
ず、シャッタ３の開放によって入出金口２の右側下方に
配設された硬貨投入装置301 に硬貨を重積状態で一度に
まとめて投入するように構成される。

【０１７０】硬貨投入装置301 は、図２２、図２３を参
照して、重積状態で一度にまとめて投入される硬貨を受
け取る受入部材302 を有し、この受入部材302 には、硬
貨が径方向から挿入されてその硬貨の周縁を保持可能な
後側半分の半円筒部303 が形成され、この半円筒部303
の底面に硬貨の底面を受ける底板部304 が形成されてい
る。半円筒部303 には底板部304 の上面から硬貨１枚の
厚みより少し大きい程度の間隙すなわち硬貨１枚のみが
通過可能とする間隙および横幅をあけて繰出溝305 が形
成され、底板部304 には前後方向に沿って（半円筒部30
3 の径方向の開口303a側から繰出溝305 にわたって）溝
部306 が形成され、この溝部306 の前端側の両側に面取
部307 が形成されている。この面取部307 は重積硬貨挿
入時の重積硬貨下面を支える指の進入を可能とするもの
である。

【０１７１】受入部材302 の半円筒部303 の両側外面に
は、その半円筒部303 の外面に沿った円弧状の一対のシ
ャッタ板308 がそれぞれ配設されている。一対のシャッ
タ板308 には円周方向に沿って複数の長孔309 が形成さ
れ、この各長孔309 が半円筒部303 から突設された複数
の各ガイドピン310 に係合されて、各シャッタ板308が
半円筒部303 の円周方向に移動可能に支持されている。
これにより、一対のシャッタ板308 は、後方へ移動して
半円筒部303 の前面の開口303aを開放するとともに繰出
溝305 の両側縁を閉塞する第１の位置と、前方へ移動し
て半円筒部303の前面の開口303aの両側縁を閉塞すると
ともに繰出溝305 を開放する第２の位置とに移動可能と
する。

【０１７２】各シャッタ板308 の外面には支持ピン311
が突設され、この両支持ピン311 間に半円筒部303 の後
側を経由してスプリング312 が張設され、このスプリン
グ312 の付勢によって一対のシャッタ板308 が開放方向
に付勢されている。各シャッタ板308 の外面には突部31
3 が突設されている。

【０１７３】受入部材302 の半円筒部303 の上端には機
体１側に対して回動可能に支持される揺動支軸314 が水
平に取り付けられている。受入部材303 は、揺動支軸31
4 を支点として、半円筒部303 の前面開口が上方の入出
金口２に臨むように傾斜した硬貨受入位置（図２３の２
点鎖線位置、図２５の位置）と、ほぼ垂直となる硬貨繰
出位置（図２３の実線位置、図２６の位置）とに揺動可
能とされる。揺動支軸314 には図示しない駆動手段によ
って駆動される駆動レバー315 が固着され、この駆動レ
バー315 を介して受入部材302 が揺動される。

【０１７４】受入部材302 の硬貨繰出位置の両側域に対
応して、硬貨受入位置から硬貨繰出位置への受入部材30
2 の揺動時に、各シャッタ板308 の突部313 と当接して
各シャッタ板308 を係止し、受入部材302 の続行する揺
動を通じてこの各シャッタ板308 を受入部材302 に対し
て後方の第１の位置から前方の第２の位置に移動させる
一対の押動ピン316 が配設されている。

【０１７５】受入部材302 の下方から硬貨通路21の入口
部にかけて繰出ベルト321 が張設されている。この繰出
ベルト321 は、前後の一対のプーリ322 ，323 間に張設
され、図示しないモータの駆動によってベルト上面が後
方の硬貨通路21に向けて移動するように回転される。繰
出ベルト321 の外面には１箇所に繰出突起324 が突設さ
れている。

【０１７６】図２４において、硬貨通路21の通路底板22
の前端には、硬貨繰出位置に揺動する受入部材302 の底
板部304 の後縁が係合する凹部325 が形成されていると
ともに、繰出ベルト321 が配置されるベルト係合用溝部
326 が形成されている。

【０１７７】なお、受入部材302 が硬貨繰出位置に揺動
した際には、底板部304 の上面が硬貨通路21の通路底板
22の上面とほぼ同一高さ面となる。繰出ベルト321 が底
板部304 の溝部306 に入り込み、繰出ベルト321 の繰出
突起324 が底板部304 の上面より上方に突出可能とする
とともに繰出溝305 の下側を通過可能とする。

【０１７８】次に、第３の実施の形態の作用を説明す
る。

【０１７９】硬貨投入装置301 の待機状態では、図２３
の２点鎖線位置および図２５に示すように、受入部材30
2 が、半円筒部303 の前面の開口303aが上方の入出金口
２に臨むように傾斜した硬貨受入位置に位置されてい
る。この状態では、スプリング312 の付勢によって一対
のシャッタ板308 が後方の第１の位置に位置され、半円
筒部303 の前面の開口303aが開放されて硬貨の受け入れ
が可能な状態となっているとともに、繰出溝305 の両側
縁が閉塞されて硬貨の通過が不可能な状態となってい
る。

【０１８０】図示しない入金ボタンなどの操作により、
機体１のシャッタ３が開移動して入出金口２が開放さ
れ、この入出金口２を通じて、図２２に示すように、硬
貨を重積状態にまとめた状態で受入部材302 に投入す
る。投入された硬貨は、半円筒部303 または繰出溝305
を閉塞するシャッタ板308 に寄りかかった状態で、受入
部材302 の底板部304 上に載置される。

【０１８１】図示しない入金ボタンなどが再度操作され
て入金指令が出されることにより、機体１のシャッタ３
が閉移動して入出金口２が閉鎖され、図２３の実線位置
および図２６に示すように、受入部材302 がほぼ垂直な
硬貨繰出位置に揺動される。受入部材302 がほぼ垂直な
硬貨繰出位置に揺動されると、底板部304 の上面が硬貨
通路21の通路底板22の上面とほぼ同一高さ面となるとと
もに、繰出ベルト321 が底板部304 の溝部306 に入り込
む。さらに、各シャッタ板308 の突部313 が各押動ピン
316 に当接し、スプリング312 の付勢に抗して、一対の
シャッタ板308 が受入部材302 上で後方の第１の位置か
ら前方の第２の位置に移動される。この一対のシャッタ
板308 の第２の位置への移動により、半円筒部303 の前
面の開口303aの両側縁が閉塞されて硬貨の前方への移動
が規制されるとともに、繰出溝305 が開放されて硬貨の
繰り出しが可能とされる。

【０１８２】そして、繰出ベルト321 が回転され、受入
部材302 外に待機されていた繰出ベルト321 の繰出突起
324 が一対のシャッタ板308 の間および溝部306 を通じ
て受入部材302 の内側に進入し、その繰出突起324 が底
板部304 上に載る最下位の硬貨に係合して、その１枚の
硬貨を繰出溝305 を通じて硬貨通路21に繰り出す。硬貨
通路21に繰り出される硬貨は、硬貨通路21上の搬送ベル
ト25に受け渡されて搬送される。このとき、繰出ベルト
321 による硬貨の繰出速度より搬送ベルト25による搬送
速度の方が速く、硬貨通路21を搬送される硬貨の間隔が
あけられる。

【０１８３】また、受入部材302 からの硬貨の繰り出し
が終了した後（硬貨通路21の識別部31が所定時間硬貨を
検知しなくなった後）、繰出ベルト321 が停止され、受
入部材302 が元の硬貨受入位置に揺動され、次の硬貨の
受入が可能な状態に復帰される。

【０１８４】

【発明の効果】請求項１記載の循環式硬貨入出金機によ
れば、硬貨を重積状態で収納する金種別硬貨収納繰出部
に対応してその金種別硬貨収納繰出部の隣接域に硬貨を
重積状態で収納する金種別補充硬貨収納部を設け、この
金種別補充硬貨収納部の繰出位置に位置される最上位硬
貨を繰出機構により１枚ずつ繰り出して対応する金種別
硬貨収納繰出部の上部域から直接補充するため、硬貨の
補充時間を短縮できるとともに、硬貨を必要枚数だけ補
充でき、入出金取引準備状態に迅速に移行できる。

【０１８５】請求項２記載の循環式硬貨入出金機によれ
ば、請求項１記載の循環式硬貨入出金機の効果に加え
て、装着枠により金種別補充硬貨収納部を機体に対して
着脱可能に装着でき、機体外で金種別補充硬貨収納部へ
の硬貨の装填作業を容易に行なえ、しかも、金種別補充
硬貨収納部を着脱可能としても、機体側、装着枠側、機
体側と装着枠側とに分割のうちのいずれかにて設けられ
る繰出機構により、金種別補充硬貨収納部の硬貨を繰り
出すことができる。

【０１８６】請求項３記載の循環式硬貨入出金機によれ
ば、請求項１または２記載の循環式硬貨入出金機の効果
に加えて、繰出機構では、金種別補充硬貨収納部から繰
り出される硬貨を計数部により計数し、必要枚数繰出時
に金種別補充硬貨収納部からの硬貨の繰り出しを繰出停
止部により停止するため、硬貨を必要枚数だけ補充でき
る。

【０１８７】請求項４記載の循環式硬貨入出金機によれ
ば、請求項１ないし３いずれか記載の循環式硬貨入出金
機の効果に加えて、金種別硬貨収納繰出部および金種別
補充硬貨収納部は硬貨を上下方向に重積状態で収納する
出金用筒および補充用筒をそれぞれ有し、繰出機構によ
りそれら出金用筒体および補充用筒体の硬貨をそれぞれ
繰り出すため、硬貨を１枚ずつ確実に繰り出すことがで
きる。

【０１８８】請求項５記載の循環式硬貨入出金機によれ
ば、請求項４記載の循環式硬貨入出金機の効果に加え
て、上部から硬貨を出し入れする出金用筒体および補充
用筒体であって、出金用筒体の上部から硬貨を投出する
出金用投出部を有するとともに補充用筒体の上部から硬
貨を出金用筒体に繰り出す補充用投出部を有する１つの
投出部材の同一ストロークの移動により、出金用筒体か
らの硬貨の投出および補充用筒体から出金用筒体への硬
貨の繰り出しを行なえ、繰出機構は投出部材を同一スト
ローク移動させればよいので簡素化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す循環式硬貨入出金
機の内部機構を示す後面側から視る断面図である。

【図２】同上循環式硬貨入出金機の内部機構を示す側面
図である。

【図３】同上循環式硬貨入出金機の内部機構を示す平面
図である。

【図４】同上循環式硬貨入出金機の斜視図である。

【図５】同上保留枠部分の平面図である。

【図６】同上投出枠部分の平面図である。

【図７】同上補充カセットの斜視図である。

【図８】同上１円用の補充用筒体および支承部材駆動手
段の断面図である。

【図９】同上１００円用の補充用筒体および支承部材駆
動手段の断面図である。

【図１０】同上１０円用の補充用筒体および支承部材駆
動手段の断面図である。

【図１１】同上支承部材駆動手段の断面図である。

【図１２】同上支承部材駆動手段部分の一部の斜視図で
ある。

【図１３】同上補充カセットの付近の平面図である。

【図１４】同上循環式硬貨入出金機の制御系のブロック
図である。

【図１５】同上初期設定動作の一部を省略したフローチ
ャート図である。

【図１６】同上入金動作の一部を省略したフローチャー
ト図である。

【図１７】同上出金動作の一部を省略したフローチャー
ト図である。

【図１８】同上入金処理に対応した出金用筒体および補
充用筒体の部分の一部の断面図である。

【図１９】同上出金処理に対応した出金用筒体および補
充用筒体の部分の一部の断面図である。

【図２０】同上補充処理に対応した出金用筒体および補
充用筒体の部分の一部の断面図である。

【図２１】本発明の第２の実施の形態を示す金種別硬貨
収納繰出部および金種別補充硬貨収納部の断面図であ
る。

【図２２】本発明の第３の実施の形態を示す硬貨投入装
置の斜視図である。

【図２３】同上循環式硬貨入出金機の内部機構を示す一
部の側面図である。

【図２４】同上循環式硬貨入出金機の内部機構を示す一
部の平面図である。

【図２５】同上硬貨投入装置を示し、(a) は硬貨投入装
置の硬貨受入位置での平面図（図２５(b) のＡ方向から
の矢視図）、(b) は硬貨投入装置の硬貨受入位置での側
面図である。

【図２６】同上硬貨投入装置を示し、(a) は硬貨投入装
置の硬貨繰出位置での平面図、(b) は硬貨投入装置の硬
貨繰出位置での側面図である。

【符号の説明】

１ 機体 73a 〜73c 金種別硬貨収納繰出部 74a 〜74c 出金用筒体 75a 〜75c 金種別補充硬貨収納部 76a 〜76c 補充用筒体 77a 〜77c ，78a 〜78c 繰出停止部に兼用される支
承部材駆動手段 111 繰出機構 112 投出部材 115 出金用投出部 116 補充用投出部 117 繰出停止部に兼用される投出部材駆動手段 120 計数部 141 支承部材 151 装着枠 276 計数部としての投出検知センサ 277 繰出停止部としてのストッパ

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−108918（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−14085（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−68335（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−119272（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−44066（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−147576（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G07D 1/00 - 3/16 G07D 9/00 - 9/06

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入金硬貨中の出金に使用する硬貨を分類
   して金種別硬貨収納繰出部に重積収納するとともに、金
   種別硬貨収納繰出部の硬貨を１枚ずつ繰り出して出金す
   る循環式硬貨入出金機において、入金硬貨中の出金に使用する硬貨に加え金種別補充硬貨
   を上部域から受け入れて重積状態で収納する金種別硬貨
   収納繰出部であって、重積硬貨を上部に支承し出金時に
   は重積硬貨を投出位置へ位置させるとともに補充時には
   重積硬貨の上面を投出位置より下方の補充硬貨を受け入
   れる位置に位置させる支承部材を有する金種別硬貨収納
   繰出部と、 この金種別硬貨収納繰出部の投出位置に位置される重積
   硬貨のうちの最上位硬貨を投出する投出部材と、 前記金種別補充硬貨を重積状態で収納する金種別補充硬
   貨収納部であって、重積硬貨を上部に支承し補充時に重
   積硬貨を繰出位置に位置させる支承部材を有し、 前記金
   種別硬貨収納繰出部に対応してその金種別硬貨収納繰出
   部の隣接域に設けられる金種別補充硬貨収納部と、 この金種別補充硬貨収納部の繰出位置に位置される最上
   位硬貨を１枚ずつ繰り出して対応する金種別硬貨収納繰
   出部に直接補充する繰出機構とを具備していることを特
   徴とする循環式硬貨入出金機。
2. 【請求項２】 金種別補充硬貨収納部は、機体に対して
   着脱可能な装着枠に設けられ、 繰出機構は、機体側、装着枠側、機体側と装着枠側とに
   分割のうちのいずれかにて設けられることを特徴とする
   請求項１記載の循環式硬貨入出金機。
3. 【請求項３】 繰出機構は、金種別補充硬貨収納部から
   繰り出される硬貨を計数する計数部と、必要枚数繰出時
   に金種別補充硬貨収納部からの硬貨の繰り出しを停止す
   る繰出停止部とを有することを特徴とする請求項１また
   は２記載の循環式硬貨入出金機。
4. 【請求項４】 金種別硬貨収納繰出部および金種別補充
   硬貨収納部は、硬貨を上下方向に重積状態で収納する出
   金用筒体および補充用筒体をそれぞれ有し、 繰出機構は、それら出金用筒体および補充用筒体の硬貨
   をそれぞれ繰り出すことを特徴とする請求項１ないし３
   いずれか記載の循環式硬貨入出金機。
5. 【請求項５】 繰出機構は、 出金用筒体および補充用筒体内の重積硬貨の下面を支承
   して上下動する支承部材と、 硬貨収納時に支承部材を下降させるとともに、硬貨繰出
   時に支承部材を上昇させる支承部材駆動手段と、 前記出金用筒体および補充用筒体の上部でそれら出金用
   筒体および補充用筒体の配列方向に沿って移動可能に配
   置され、出金用筒体の上部から硬貨を投出する出金用投
   出部を有するとともに補充用筒体の上部から硬貨を出金
   用筒体に繰り出す補充用投出部を有し、同一ストローク
   の移動によって出金用筒体からの硬貨の投出および補充
   用筒体から出金用筒体への硬貨の繰り出しを可能とする
   投出部材と、 この投出部材を同一ストローク移動させる投出部材駆動
   手段とを具備していることを特徴とする請求項４記載の
   循環式硬貨入出金機。