JP3848470B2 - 硬貨搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨を受け入れるとともに上方へ搬送して排出する硬貨搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、銀行等の金融機関で利用される硬貨出金機や硬貨入出金機等の硬貨処理機では、この硬貨処理機の内部での硬貨の流れとして硬貨を低い位置から高い位置に搬送する場合がある。
【0003】
このような硬貨を低い位置から高い位置に搬送する硬貨搬送装置では、例えば、特開平4−340695号公報に記載されているように、突起付きベルトを用いて硬貨を上方へ搬送するようにしている。
【0004】
突起付きベルトの表面には、硬貨と係合してすくい上げる対の突起がベルト長手方向に沿って等間隔に突設されており、低い位置で硬貨を受け入れる受入位置に対応してほぼ水平ベルト部分を形成し、この受入位置に受け入れた硬貨を対の突起で1枚ずつすくい上げて上方に搬送するとともに上端から放出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように突起付きベルトによる硬貨搬送では、受入位置においていわゆる競輪と呼ばれる硬貨が立った状態でベルトに対して転動して空回りしたまま対の突起にすくい上げられず、遅れて搬送されたり、搬送されないで残留するおそれがある。そのため、硬貨を搬送した後でも、所定時間空回りさせなければならず、処理時間が長くなる問題がある。
【0006】
また、硬貨が遅れて搬送されると、例えば顧客に硬貨を払い出す硬貨払出口への搬送に突起付きベルトによる硬貨搬送装置が用いられた場合、硬貨払出口へ遅れて搬送、投出された硬貨が取り忘れられることがある。
【0007】
また、パチンコ玉のように硬貨と形状が大きく異なる異物が混入された場合、突起付きベルトでは拾い上げることができずに、いつまでも残留する問題もある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、硬貨を一括して確実に搬送し、硬貨の搬送遅れがなく、硬貨の搬送処理時間を短くでき、硬貨や異物等の残留を防止できる硬貨搬送装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の硬貨搬送装置は、硬貨を受け入れるとともに上方へ搬送して排出する硬貨搬送装置において、上下方向に延設され、上方に硬貨を排出する上方排出口が、下方に硬貨を排出する下方排出口が、中間に硬貨を受け入れる受入口がそれぞれ形成される筒状ガイド部材と、この筒状ガイド部材内と略同じ断面形状の硬貨受面を有し、筒状ガイド部材内に沿って移動可能に設けられる搬送部材と、この搬送部材を、前記上方排出口から硬貨を排出する上方停止位置、前記受入口より上方で前記下方排出口から硬貨を排出する中間停止位置、および前記下方排出口より上方でかつ受入口より下方で前記搬送部材の硬貨受面に硬貨を受け止める下方停止位置の間で昇降させ、硬貨を上方へ搬送するときには搬送部材を下方停止位置から上方停止位置へ移動させ、硬貨を下方へ排出するときには搬送部材を中間停止位置に位置させる昇降駆動機構とを具備しているものである。
【0010】
そして、搬送部材が下方停止位置にある状態で、硬貨が受入口を通じて筒状ガイド部材内に送り込まれると、この硬貨は搬送部材の硬貨受面に受け止められる。昇降駆動機構により搬送部材が上昇されると、硬貨は筒状ガイド部材内を一括して上方へ搬送される。搬送部材が上方停止位置に達すると、硬貨が排出口から排出される。また、搬送部材が中間停止位置にある状態で、受入口を通じて硬貨が筒状ガイド部材内に送り込まれると、この硬貨は筒状ガイド部材内を流下され、下方排出口から排出される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
この実施の形態では硬貨搬送装置を適用した硬貨入出金機を示し、この硬貨入出金機は、ATM(現金預入支払機)等の機械11(図4参照)に搭載され、利用者が投入する硬貨を受け入れるとともに、予め装填される硬貨を利用者の要求に応じて払い出すものである。
【0013】
まず、図4および図5において、硬貨入出金機の全体の概略構成を説明する。機体12の前方上部位置には、開閉可能なシャッタ部材13を備え、利用者によって投入される硬貨を受け入れるとともに機体12内から払い出される硬貨を利用者に払い出す入出金部14が配設されている。この入出金部14には、正面から視て左寄り位置(図5上側)に排出口および上方排出口としての出金口15が形成され、右寄り位置(図5下側)に入金繰出ベルト16および逆転ローラ17が配設されているとともに、これら入金繰出ベルト16および逆転ローラ17の作用で入出金部14の後方へ硬貨が1枚ずつ繰り出される入金口18が形成されている。
【0014】
入出金部14の下方には、入出金部14に払い出されたものの利用者に取り出されなかった場合に、入出金部14から下方へ放出される取り忘れ硬貨等を回収シュート19を通じて回収する取り忘れ回収部20が配設されている。
【0015】
入出金部14の入金口18の後方には、入金口18を通じて1枚ずつ繰り出された硬貨を入金繰出ベルト16上から受け入れて後方へ搬送する入金搬送通路21が配設されている。この入金搬送通路21の途中位置には、硬貨の真偽や金種を識別する硬貨識別部22が配設されている。
【0016】
入金搬送通路21の後方には、指定された硬貨を通路外へ分岐排出する第1および第2の硬貨リジェクト機構23,24を有する硬貨リジェクト通路25が接続されている。第1の硬貨リジェクト機構23の下方には後述するバケット搬送機構35に硬貨を導くシュート26が配設され、第2の硬貨リジェクト機構24の下方には後述する出金搬送ベルト34に硬貨を導くシュート27が配設されている。
【0017】
硬貨リジェクト通路25の後方には、径差に基づいて硬貨を金種別(1円、10円、100円の3金種)に選別する3つの硬貨選別孔28を有する硬貨選別通路29が接続されている。
【0018】
硬貨選別通路29の下方には、選別された硬貨を金種別(1円、10円、100円の3金種)に重積状態で一時保留する一時保留部30が配設されている。この一時保留部30は、硬貨選別孔28の下方の保留位置と、後述する出金搬送コンベヤ34上の返却位置との間を移動可能とし、保留位置で硬貨選別孔28から落下する硬貨を受け入れて一時保留し、一時保留硬貨の返却時に返却位置に移動して一時保留硬貨を出金搬送ベルト34に放出可能とする。
【0019】
一時保留部30の下方には、硬貨を金種別(1円、10円、100円の3金種)に収納する金種別硬貨収納部31が配設されているとともに、この金種別硬貨収納部31への補充用の硬貨を金種別(1円、10円、100円の3金種)に収納する補充カセット32が着脱可能に配設されている。一時保留部30と金種別硬貨収納部31および補充カセット32との間には、金種別硬貨収納部31内の硬貨を1枚ずつ左側方に繰り出しおよび補充カセット32内の補充硬貨を1枚ずつ金種別硬貨収納部31内に繰り出し可能とする繰出機構33が配設されている。
【0020】
金種別硬貨収納部31の左側方には、一時保留部30から放出される硬貨および金種別硬貨収納部31から繰り出された硬貨を前方へ搬送する出金搬送ベルト34が前後方向に沿って張設されている。
【0021】
出金搬送ベルト34の前端近傍から斜め上方の入出金部14へ向けて硬貨搬送装置としてのバケット搬送機構35が配設されている。このバケット搬送機構35は、筒状ガイド部材36の内部を搬送部材としてのバケット37が上下動するように構成されている。筒状ガイド部材36の上端は出金口15として構成され、筒状ガイド部材36の下端には硬貨を前後2つの通路38,39(後側を第1の回収通路38、前側を第2の回収通路39とする)に振り分ける振分部材40が配設されている。筒状ガイド部材36の下方には回収カセット41が着脱可能に配設され、第1の回収通路38が回収カセット41の一括回収部42に通じ、第2の回収通路39が回収カセット41の運用リジェクトボックス43に通じている。出金搬送ベルト34の前端には、出金搬送ベルト34の前端を開閉するフラッパ44が配設されている。
【0022】
なお、硬貨入出金機の操作は、硬貨入出金機が搭載されるATM等の操作部を使って行なわれる。
【0023】
次に、図5において、入金搬送通路21、硬貨リジェクト通路25、および硬貨選別通路29の構成を説明する。
【0024】
入金搬送通路21および硬貨リジェクト通路25は、底面を形成する通路底板51、両側面を形成して処理する最大径硬貨の直径より若干大きな間隔をあけて配置される第1の通路側板52および第2の通路側板53を有し、上方には第1の搬送ベルト54が張設されている。
【0025】
第1の通路側板52の前端には通路内方に向けて傾斜する導入部52a が形成され、入金搬送通路21に1枚ずつ送り込まれる硬貨が必ず導入部52a に接触して第1の通路側板52に沿って搬送される。
【0026】
第1の搬送ベルト54は、入金搬送通路21の始端から硬貨リジェクト通路25の終端にわたって張設されているとともに、下流側が第1の通路側板52に対して接近するように若干の角度で傾斜して張設されている。この第1の搬送ベルト54によって、硬貨が通路底板51に押し付けられるとともに第1の通路側板52に寄せて押し付けながら搬送される。
【0027】
また、硬貨リジェクト通路25に配設された第1および第2の硬貨リジェクト機構23,24は、リジェクトされた硬貨の排出先が異なるものの基本的に同じ構造に形成されている。
【0028】
通路底板51に、第1の通路側板52から残余底板部51a を残して第2の通路側板53の下方位置にわたって硬貨排出孔55が開口形成されている。硬貨排出孔55に、第2の通路側板53側の半分程度を塞ぐ位置(通常位置)と、第2の通路側板53の下方に退避する位置(開放位置)との間で、図示しない駆動手段によって進退移動される可動底板56が配置されている。
【0029】
第1の硬貨リジェクト機構23の硬貨排出孔55の下方に配設されるシュート26はバケット搬送機構35の筒状ガイド部材36に連通され、第2の硬貨リジェクト機構24の硬貨排出孔55の下方に配設されるシュート27は出金搬送ベルト34上に連通されている。
【0030】
通路底板51には、硬貨識別部22、各硬貨リジェクト機構23,24の上流位置には、硬貨の通過を検知するセンサ57,58が配設されている。
【0031】
また、硬貨選別通路29は、底面を形成する通路底板61、両側面を形成する第1および第2の通路側板62,63を有し、通路底板61の上方に第2の搬送ベルト64が張設されている。
【0032】
第2の搬送ベルト64は、硬貨選別通路29の始端から終端にわたって張設されているとともに、下流側が第1の通路側板62に対して接近するように若干の角度で傾斜して張設されている。この第2の搬送ベルト64によって、硬貨が通路底板61に押し付けられるとともに第1の通路側板62に寄せて押し付けながら搬送される。
【0033】
通路底板61には、径差に基づいて硬貨を金種別(1円、10円、100円の3金種)に選別する3つの硬貨選別孔28が形成されているとともに、各硬貨選別孔28の上流位置に硬貨の通過を検知するセンサ65が配設されている。
【0034】
次に、図2において、出金搬送ベルト34の構成を説明する。
【0035】
出金搬送ベルト34は、金種別硬貨収納部31の側方(補充カセット32と反対側)で前後のローラ71間に張設されており、前側のローラ71に駆動モータ72からの駆動力が駆動伝達ベルト73を介して伝達され、各金種別硬貨収納部31から繰り出された硬貨が前方へ搬送される。出金搬送ベルト34の前端は、筒状ガイド部材36の後述する受入口87に対向される。出金搬送ベルト34の前方にはフラッパ44が支軸74を支点として開閉可能に配設され、このフラッパ44は出金搬送ベルト34の回動と連動されていて、出金搬送ベルト34の駆動時には出金搬送ベルト34の前方が開放され、停止時には出金搬送ベルト34の前方が閉鎖される。
【0036】
次に、図1ないし図3において、バケット搬送機構35の構成を説明する。
【0037】
バケット搬送機構35の筒状ガイド部材36は、互いに平行に対向配置される両側の側板部81,82、この両側の側板部81,82間で互いに平行に対向配置される上面部83および下面部84を有し、これらによって断面略四角形の空間85を有する筒状に形成されている。
【0038】
筒状ガイド部材36の上端に出金口(上方排出口)15が、下端に排出口(下方排出口)86が、中間に受入口87がそれぞれ形成されている。
【0039】
出金口15には、シャッタ部材88が支軸89を支点として開閉可能に配設されている。このシャッタ部材88は、通常、出金口15を閉鎖する位置にあり、バケット37が上方待機位置(排出位置、上方停止位置)に移動してくると出金口15を開放する位置に押し上げられる。
【0040】
受入口87は、上面部83に開口形成され、出金搬送ベルト34によって搬送される硬貨を受け入れるとともに、第1の硬貨リジェクト機構23からシュート26を通じて送り込まれる硬貨を受け入れる。この受入口87は、通常は開放されており、バケット37が下方待機位置(受入位置、下方停止位置)から上方へ移動して受入口87の前方を通過する間のみシャッタ部材90で閉鎖されるように構成されている。
【0041】
筒状ガイド部材36の両側の側板部81,82には、筒状ガイド部材36の長手方向に沿ってガイド溝91が形成されているとともに、このガイド溝91の外側を覆うカバー体92が取り付けられている。一方の側板部81のカバー体92には挿通溝93が長手方向に沿って形成されている。
【0042】
また、バケット37は、筒状ガイド部材36内に沿って移動可能に筒状ガイド部材36内と略同じ断面形状を有する箱状に形成され、筒状ガイド部材36内に臨む上面には筒状ガイド部材36内と略同じ断面形状で凹面状の硬貨受面94が形成されている。バケット37の両側面には、筒状ガイド部材36の両側のガイド溝91に転動可能に係合するガイドローラ95が上下2箇所にそれぞれ回転自在に軸支されている。バケット37の一側面には、筒状ガイド部材36の外側に配置される支持部材96の支持片97が、カバー体92の挿通溝93を通じて連結されている。
【0043】
また、バケット37は、昇降駆動機構101 により、出金口15の近傍の上方待機位置と、受入口87より低い下方待機位置との間を昇降可能になっている。昇降駆動機構101 は、駆動モータ(バケット搬送用駆動モータ)102 およびこの駆動モータ102 の駆動力をバケット37に伝達して昇降させるリンク機構103 を有している。
【0044】
リンク機構103 は、駆動モータ102 で回動される駆動円板104 、中間部が支軸105 によって揺動可能に軸支された揺動リンク106 、この揺動リンク106 の一端と支持部材96とを連結する連結リンク107 、揺動リンク106 の他端と駆動円板とを連結する連結リンク108 を有している。そして、駆動モータ102 の正逆回転により、リンク機構103 を介して、バケット37が上方待機位置と下方待機位置との間で昇降される。
【0045】
また、筒状ガイド部材36には、バケット37の上方待機位置と下方待機位置のそれぞれに対応する位置に、バケット37の位置を検知するための例えばフォトインタラプタで構成される上方位置センサ109 および下方位置センサ110 が配設されている。一方、バケット37の支持部材96には検知突起111 が立設されており、バケット37が各待機位置に達すると、検知突起111 が上方位置センサ109 および下方位置センサ110 の検知ラインを遮光して、各位置に達したことが確認される。
【0046】
また、筒状ガイド部材36の下端は振分機構部121 に接続されている。この振分機構部121 は、上部が筒状ガイド部材36の排出口86に連通されるとともに、下部が後側の第1の回収通路38および前側の第2の回収通路39に分かれ、中央には振分部材40が配置される。振分部材40は、支軸122 を支点として揺動可能とし、支軸122 の端部に回動部材123 が固定され、この回動部材123 にソレノイド(振分部材用ソレノイド)124 が連結されている。待機時すなわちソレノイド124 の非励磁時には硬貨を第1の回収通路38へ案内する第1の振分位置をとり、励磁時には第2の回収通路39へ案内する第2の振分位置をとるように構成されている。
【0047】
振分機構部121 には、振分部材40の第1の振分位置と第2の振分位置のそれぞれに対応する位置に、振分部材40の回動位置を検知するための例えばフォトインタラプタで構成される回動位置センサ125 ,126 が配設されている。一方、回動部材123 には図示しない検知突起が立設されており、振分部材40が各回動位置に達すると、検知突起が回動位置センサ125 ,126 の検知ラインを遮光して、各回動位置に達したことが確認される。
【0048】
次に、図4において、回収カセット41の構成を説明する。
【0049】
振分機構部121 の下方には、回収カセット41が機体12の側方から着脱可能に取り付けられる。
【0050】
回収カセット41の内部は大小2個の空間に分割され、各空間に対応して上面にシャッタ付きの受入口が形成されている。大きな空間は一括回収部42であり、小さい空間には運用リジェクトボックス43がセットされる。
【0051】
回収カセット41は錠機構付きの開閉部を備えており、錠を操作することにより一括回収部42内の回収硬貨や運用リジェクトボックス43を取り出すことができる。
【0052】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0053】
なお、この硬貨入出金機は、6金種(1円、5円、10円、50円、100円、500円)の硬貨を入金可能とするとともに、3金種(1円、10円および100円)の硬貨を出金可能とするものである。また、1円、10および100円硬貨はリサイクル使用(入金硬貨を出金硬貨に使用)するが、5円、50円および500円硬貨はリサイクル使用されない。
【0054】
まず、待機状態においては、各金種別硬貨収納部31には出金用の硬貨が収納されている。補充カセット32にも補充用硬貨が収納されて機体12内に装填されている。入出金部14のシャッタ部材13は閉鎖されている。第1および第2の硬貨リジェクト機構23,24の各可動底板56は通常位置にある。バケット搬送機構35のバケット37は下方待機位置にあり、出金口15のシャッタ部材88は閉鎖位置にある。振分部材40は、回収カセット41の一括回収部42に通じる第1の回収通路38へ硬貨を導く第1の振分位置にある。
【0055】
次に、入金処理について説明する。
【0056】
入金処理が指示されると、入出金部14のシャッタ部材13が開放され、硬貨の投入が可能となる。利用者により入出金部14に投入された硬貨は、入金繰出ベルト16上に載置される。
【0057】
投入動作が完了すると、シャッタ部材13が閉鎖された後、入金繰出ベルト16が駆動される。入金繰出ベルト16に接触する硬貨から順に入金口18に送り込まれ、逆転ローラ17によって一層に規制されながら入金搬送通路21内に1枚ずつ取り込まれる。取り込まれた硬貨は、第1の搬送ベルト54によって搬送され、硬貨識別部22において真偽および金種が識別される。
【0058】
識別の結果、入金リジェクト硬貨(偽貨、識別不可能な硬貨)であると判断されると、第1の硬貨リジェクト機構23の可動底板56が開放位置に移動し、可動底板56による支えがない入金リジェクト硬貨は、硬貨排出孔55に落下するとともにシュート26に案内され、受入口87を通じて、筒状ガイド部材36内に送り込まれる。このとき、バケット37は下方待機位置にあり、入金リジェクト硬貨は、バケット37の硬貨受面94上、つまり筒状ガイド部材36の内面とバケット37の硬貨受面94とで囲まれる空間85に保留される。
【0059】
識別の結果、5円、50円および500円硬貨であると判断された場合、第2の硬貨リジェクト機構24の可動底板56が開放位置に移動し、可動底板56による支えがない5円、50円および500円硬貨は、硬貨排出孔55に落下するとともにシュート27に案内されて出金搬送ベルト34上に保留される。このとき、出金搬送ベルト34は停止され、出金搬送ベルト34の出口側がフラッパ44で閉止されているので、硬貨が筒状ガイド部材36内へ落下することはない。
【0060】
識別の結果、1円、10円および100円硬貨であると判断された場合、硬貨リジェクト通路25を通過して硬貨選別通路29に送り込まれ、対応する硬貨選別孔28に落下し、一時保留部30に一時保留される。但し、一時保留部30の保留枚数を超える場合や、金種別硬貨収納部31が満杯の場合は、第2の硬貨リジェクト機構24から排出されて、出金搬送ベルト34上に保留される。
【0061】
そして、全ての硬貨の選別が完了すると、バケット搬送機構35のバケット37が上方待機位置へ移動される。入金リジェクト硬貨がある場合は、バケット37上の入金リジェクト硬貨が出金口15から入出金部14に払い出される。
【0062】
さらに、利用者により入金承認操作が行なわれると、出金搬送ベルト34が駆動され、載置されている硬貨(5円、50円および500円硬貨、一時保留容量を超える1円、10円および100円硬貨等)が受入口87を通じて筒状ガイド部材36内に送り込まれる。このとき、バケット37は上方待機位置に位置するので、筒状ガイド部材36内に送り込まれた硬貨は、筒状ガイド部材36内を下方へ流下され、排出口86および振分部材40を通じて、回収カセット41の一括回収部42に回収される。
【0063】
また、一時保留部30に保留されている硬貨も下方の金種別硬貨収納部31に収納される。なお、金種別硬貨収納部31に収納スペースがない場合は、一時保留部30に保留されている硬貨が出金搬送ベルト34上へ放出され、回収カセット41の一括回収部42へ回収される。
【0064】
また、利用者により入金非承認繰作が行なわれると、一時保留部30の保留硬貨が出金搬送ベルト34上に放出される。次にバケット37が下方待機位置に移動されるとともに、出金搬送ベルト34が駆動され、保留硬貨(前もって出金搬送ベルト34上に保留されていた硬貨を含む)が受入口87を通じて筒状ガイド部材36内に送り込まれる。筒状ガイド部材36内に送り込まれた硬貨は、筒状ガイド部材36の内面とバケット37とに囲まれる空間85に保留される。全ての保留硬貨が筒状ガイド部材36内に送り込まれると、バケット37が上方待機位置に移動され、硬貨が出金口15から入出金部14に払い出される。バケット37が下方待機位置に移動した後、入出金部14のシャッタ部材13が開放され、返却された硬貨を利用者が取り出して取引が完了する。
【0065】
なお、バケット37が筒状ガイド部材36の受入口87の近傍を通過する間は、受入口87がシャッタ部材90によって閉鎖されており、硬貨が出金搬送ベルト34上に逆流することはない。
【0066】
次に、出金処理について説明する。
【0067】
出金処理が指示され、出金金額が入力されると、対応する金種別硬貨収納部31から硬貨が出金搬送ベルト34上へ繰り出される。なお、出金は1円、10円、100円の3種類の硬貨の組み合わせによって行なわれる。また、バケット37が下方待機位置になければ、バケット37が下方待機位置に移動される。
【0068】
指示された硬貨が出金搬送ベルト34上に繰り出されると、出金搬送ベルト34が駆動され、出金硬貨は受入口87を通じて筒状ガイド部材36内に送り込まれる。バケット37は下方待機位置にあり、出金硬貨は、筒状ガイド部材36の内面とバケット37とに囲まれる空間85に貯留される。全ての出金硬貨が筒状ガイド部材36内に送り込まれると、バケット37が上方待機位置に移動され、出金硬貨が出金口15から入出金部14に払い出される。バケット37が下方待機位置に移動した後、入出金部14のシャッタ部材13が開放され、出金された硬貨を利用者が取り出して取引が完了する。
【0069】
硬貨が放出されてから所定時間が経過すると、入出金部14のシャッタ部材13が閉鎖される。入出金部14に硬貨が残留していた場合(取り忘れ等)、硬貨は回収シュート19を通じて取り忘れ回収部20に回収される。この硬貨は、メンテナンス時等に係員によって取り出される。
【0070】
また、硬貨詰まり等により、指示されたとおりの硬貨が投出されなかった場合、筒状ガイド部材36内のバケット37が上方待機位置へ移動され、振分部材40が回収カセット41の運用リジェクトボックス43に通じる第2の回収通路39へ硬貨を導く第2の振分位置に回動される。その後、出金搬送ベルト34が駆動されて出金硬貨が受入口87を通じて筒状ガイド部材36内に送り込まれ、下方の回収カセット41の運用リジェクトボックス43に回収される。
【0071】
出金搬送ベルト34上の硬貨を全て回収した後、バケット37は下方待機位置へ、振分部材40は一括回収部42に通じる第1の回収通路38へ硬貨を導く第1の振分位置に戻され、可能な場合は再び出金動作を行なう。出金が不可能な場合は、メカダウンとなる。
【0072】
次に、回収処理について説明する。
【0073】
回収処理が指示されると、バケット搬送機構35のバケット37が上方待機位置に移動される。次に、繰出機構33が駆動されて各金種別硬貨収納部31内の硬貨が出金搬送ベルト34上に繰り出される。同時に出金搬送ベルト34が駆動され、硬貨は、筒状ガイド部材36内に送り込まれ、振分部材40を通じて回収カセット41の一括回収部42に回収される。
【0074】
補充カセット32内の硬貨を回収するには、補充硬貨を金種別硬貨収納部31に一旦収納し、この金種別硬貨収納部31から出金搬送ベルト34上に投出して、回収カセット41の一括回収部42に回収する。
【0075】
回収カセット41を機体12の側方へ抜き取れば回収動作が完了する。
【0076】
以上、実施の形態に示したように、バケット搬送機構35によれば、受入口87から筒状ガイド部材36の内面と下方待機位置にあるバケット37とで囲まれる空間85に受け入れ、バケット37の上方待機位置への上昇により、筒状ガイド部材36内を通じて硬貨を一括して搬送して出金口15から排出できる。
【0077】
そのため、硬貨がどんな姿勢をしていてもバケット37で硬貨を一括して搬送するので、競輪等が発生せず、硬貨の残留のおそれがないとともに、硬貨が遅れて排出されることがなく、突起付ベルトのように搬送後に空回りを行なう必要ない。しかも、どんな形状の物でも、筒状ガイド部材36内に受け入れられさえすればバケット37によって押し上げられるので、筒状ガイド部材36内に残留することはない。また、筒状ガイド部材36の内面とバケット37とに囲まれる空間85に硬貨を受け入れるので、量的な制限をうけない。
【0078】
なお、筒状ガイド部材36の出金口15より下方でかつ受入口87より上方の中間待機位置(中間停止位置)を設定すれば、バケット37が中間待機位置にある状態で、受入口87から筒状ガイド部材36内に受け入れた硬貨を筒状ガイド部材36内を通じて排出口86から排出でき、しかも、出金口15と排出口86との排出方向の切り換えに伴って、硬貨を受け止める下方待機位置と硬貨を排出口86からの排出させる中間待機位置との間でのバケット37の移動量を少なくできる。
【0079】
【発明の効果】
請求項1記載の硬貨搬送装置によれば、受入口から筒状ガイド部材の内面と下方停止位置にある搬送部材とで囲まれる空間に受け入れ、搬送部材の上方停止位置への上昇により、筒状ガイド部材内を通じて硬貨を一括して搬送して上方排出口から排出でき、あるいは、搬送部材が中間停止位置にある状態で、受入口から筒状ガイド部材内に受け入れた硬貨を筒状ガイド部材内を通じて下方排出口から排出できるので、一括して搬送できる硬貨量を増大でき、硬貨の搬送遅れがなく、硬貨の搬送処理時間を短くでき、硬貨や異物等の残留も防止できる。しかも、上方排出口と下方排出口との排出方向の切り換えに伴って、硬貨を受け止める下方停止位置と硬貨を下方排出口からの排出させる中間停止位置との間での搬送部材の移動量を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す硬貨搬送装置の断面図である。
【図2】 同上硬貨搬送装置の側面図である。
【図3】 同上硬貨搬送装置の一部を示し、(a) は平面図、(b) は側面図、(c) は断面図である。
【図4】 同上硬貨入出金機の概略を示し、(a) は側面図、(b) は平面図、(c) は正面図、(d) は背面図である。
【図5】 同上硬貨入出金機の上部構造を示す平面図である。
【符号の説明】
15 上方排出口としての出金口
35 硬貨搬送装置としてのバケット搬送機構
36 筒状ガイド部材
37 搬送部材としてのバケット
86 下方排出口としての排出口
87 受入口
101 昇降駆動機構
Claims (1)
- 硬貨を受け入れるとともに上方へ搬送して排出する硬貨搬送装置において、
上下方向に延設され、上方に硬貨を排出する上方排出口が、下方に硬貨を排出する下方排出口が、中間に硬貨を受け入れる受入口がそれぞれ形成される筒状ガイド部材と、
この筒状ガイド部材内と略同じ断面形状の硬貨受面を有し、筒状ガイド部材内に沿って移動可能に設けられる搬送部材と、
この搬送部材を、前記上方排出口から硬貨を排出する上方停止位置、前記受入口より上方で前記下方排出口から硬貨を排出する中間停止位置、および前記下方排出口より上方でかつ受入口より下方で前記搬送部材の硬貨受面に硬貨を受け止める下方停止位置の間で昇降させ、硬貨を上方へ搬送するときには搬送部材を下方停止位置から上方停止位置へ移動させ、硬貨を下方へ排出するときには搬送部材を中間停止位置に位置させる昇降駆動機構と
を具備していることを特徴とする硬貨搬送装置。
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-
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