JP2549573Y2 - 軒樋装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、軒樋相互を継手体によ
って接続して、軒先部分に配置してなる軒樋装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図７に示す如く、軒先前面
（イ）に軒樋支持具（ロ）を固定し、該軒樋支持具
（ロ）に軒樋（ハ）を取着保持させた構造は知られてい
る。この場合、軒樋支持具（ロ）は、軒樋（ハ）を保持
する保持体（ニ）と、軒先前面（イ）に固定される取着
体（ホ）とが結合されて形成されている。保持体（ニ）
の前後両端には略コ字型状の耳係合部（ヘ）が形成され
ており、該両耳係合部（ヘ）に軒樋（ハ）の前後両端縁
の耳部（ト）が各々係止されて、同保持体（ニ）に軒樋
（ハ）は吊下保持されるものである。取着体（ホ）の後
端には取着板（チ）が結合固着されており、該取着板
（チ）において固定釘（リ）が打ち込まれて、同取着体
（ホ）は軒先前面（イ）に取着固定されるものである。
又、軒樋（ハ）と軒先前面（イ）との間隔を閉塞するカ
バ−材（ヌ）が、軒先下面に固定釘（リ）にて取着され
ていて、該カバ−材（ヌ）によって同間隔内が下方から
塞ぎ隠されるものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術にあっては、軒先下面にカバ−材（ヌ）の固定
釘（リ）による固定部分が露出して外観が良くないもの
であった。

【０００４】それなれば、カバ−材（ヌ）を断面略Ｌ型
に形成して軒先前面（イ）に取着してやれば良いのであ
るが、この場合には、軒樋（ハ）を軒樋支持具（ロ）に
吊下保持させた後では、カバ−材（ヌ）を固定釘（リ）
にて軒先前面（イ）に打ち付け固定取着することが困難
であるため、同カバ−材（ヌ）を軒先前面（イ）に取着
した後に、軒樋（ハ）を軒樋支持具（ロ）に吊下保持さ
せることになる。しかしながら、そうすると、軒樋
（ハ）の後側の耳部（ト）を保持体（ニ）後端の耳係合
部（ヘ）に係止させる際にカバ−材（ヌ）が邪魔になっ
て、軒樋（ハ）を軒樋支持具（ロ）に吊下保持させ難く
なるものである。

【０００５】又、図８に示す如く、軒樋（ハ）の底部後
端にカバ−材（ヌ）を一体に形成しておくことも考えら
れるが、そうすると、軒樋（ハ）相互を継手体（ル）に
よって接続することが困難となる。

【０００６】本考案は、上記従来の技術における問題を
解決するために考案されたものであり、すなわちその課
題は、軒樋を軒樋支持具に吊下保持させた後にカバ−材
を簡単に取着することができ、又、軒樋相互は継手体に
て支障なく接続されており、しかも、同カバ−材によっ
て軒樋と軒先前面との間隔が体裁良く閉塞される軒樋装
置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案の軒樋装置は、軒
樋の外側に装着されて軒樋相互を接続する継手体の外面
に係合部を設け、該係合部に軒樋と軒先前面との間隔を
閉塞するカバー材を係止取着してなり、この構成によっ
て上記課題が解決されたものである。

【０００８】

【作用】本考案の軒樋装置においては、軒樋相互を接続
する継手体に設けられる係合部に、軒樋と軒先前面との
間隔を閉塞するカバー材が係止取着されるため、軒樋相
互は継手体にて支障なく接続されており、軒樋を軒樋支
持具に取着保持させた後に、カバー材を同係合部に係止
して簡単に取着することができるものである。又、同カ
バー材によって、軒樋と軒先前面との間隔が体裁良く閉
塞されるものである。更に、軒樋の外側に装着される継
手体であるため、該継手体によって軒樋の接続部分の外
側が覆い隠されて下方からの外観が良好となるように接
続され、この場合に、継手体の外面に係合部が設けられ
るので、同継手体にて軒樋相互は支障なく接続され、し
かも、軒樋の長手方向における部分的な個所での係止に
よってカバー材を簡単に取着することができるものであ
る。

【０００９】

【実施例】図１、図２に示す軒樋装置は、本考案の一実
施例で、軒樋１の外側に装着されて軒樋１相互を接続す
る継手体２の外面に係合部３を設け、該係合部３に軒樋
１と軒先前面４との間隔を閉塞するカバー材５を係止取
着してなるものである。

【００１０】軒樋１は、金属薄板がインサ−トされた合
成樹脂帯板素材を折曲加工して形成されたもので、その
前壁部６及び後壁部７の上端縁には各々中空形状の耳部
８が一体に形成されている。又、前壁部６は後壁部７よ
りも高く後方へ傾倒しており、該前壁部６の上端縁の耳
部８は内方へ折り返っていて、該耳部８の内側に係止溝
部９が形成されている。

【００１１】軒樋１は、図３に示す如く、軒先前面４に
固定される軒樋支持具10によって吊下保持されている。
該軒樋支持具10は、軒先前面４に固定される取着体11と
軒樋１を保持する保持体12とでなり、両者はボルト13と
蝶ナット14にて結合されている。この場合、保持体12と
取着体11は相互に前後方向スライド自在に重合されてお
り、保持体12に穿設された長孔15にボルト13が貫通され
ていて、ボルト13、蝶ナット14を緩めることによって、
保持体12を取着体11に対して前後方向にスライド移動さ
せてその結合固定位置を調節できるものである。

【００１２】又、取着体11の後端には取着板16が結合固
着されており、該取着板16において固定釘17が打ち込ま
れることによって、同取着体11は軒先前面４に取着固定
されるものである。

【００１３】又、保持体12の後端には略コ字型状の耳係
合部18が形成されており、該耳係合部18に軒樋１の後側
の耳部８が係止されるものである。その際、同耳係合部
18の前側において保持体12の下面に固着された板バネ19
によって、耳係合部18に係止された耳部８の脱落が防止
されるものである。又、同保持体12の前端には後方へ傾
倒した前縦片20が設けられており、該前縦片20上に軒樋
１の前壁部６が載置保持され、同前縦片20の上端屈曲部
21に軒樋１の係止溝部９が係止されるものである。この
ようにして、軒樋支持具10の保持体12に軒樋１が吊下保
持されるものである。

【００１４】継手体２は、合成樹脂にて一体に射出成形
されたもので、軒樋１の外周形状に沿った継手本体部22
と、該継手本体部22の内側に一体に形成される内片部23
とで形成されており、両者の間にはその両側方に開口し
た間隙部24が形成されるものである。該両間隙部24に軒
樋１の端部が各々挿入嵌合されて、両軒樋１の端部は継
手体２によって相互に接続されるものである。又、該継
手体２の後端部にはＬ型片25が突設されて、溝状の係合
部３が一体に形成されており、該係合部３の内面には上
下方向に複数段の係止段部26が形成されている。

【００１５】カバ−材５は合成樹脂にて一体に押出成形
されたもので、帯状水平板部27と、該帯状水平板部27の
中程より立設される縦片部28とで形成されており、該縦
片部28の外面には上下方向に複数段の係止段部26が形成
されている。該縦片部28が上記継手体２の係合部３内に
挿入され、係止段部26が相互に係止されて、該カバ−材
５は同係合部３に係止取着されるものである。又、該カ
バ−材５は、その後端部が軒下面29に当止して、該軒下
面29と軒樋１の底部とを略面一平面状に連続させるもの
である。

【００１６】したがって、該実施例の軒樋装置において
は、軒樋１相互を接続する継手体２に設けられる係合部
３に、軒樋１と軒先前面４との間隔をその下方にて閉塞
するカバー材５が係止取着されるため、軒樋１相互は継
手体２にて支障なく接続されており、しかも、軒樋１を
軒樋支持具10に吊下保持させた後に、カバー材５を同係
合部３に係止して簡単に取着することができるものであ
る。又、同カバー材５によって、軒樋１と軒先前面４と
の間隔がその下方にて閉塞され、軒樋支持具10が体裁良
く隠されるものである。更には、軒樋１の外側に装着さ
れる継手体２であるため、該継手体２によって軒樋１の
接続部分の外側が覆い隠されて下方からの外観が良好と
なるように接続され、この場合に、継手体２の外面に係
合部３が設けられるので、同継手体２にて軒樋１相互は
支障なく接続され、又、軒樋１の長手方向における部分
的な個所での係止によってカバー材５を簡単に取着する
ことができるものである。

【００１７】なお、本考案の軒樋装置においては、図
４、図５、図６に示す実施例の如きであっても良いもの
である。すなわち、該実施例の軒樋装置においては、軒
樋１がアルミニウムにて一体に押出成形されたものであ
り、該軒樋１の前後の耳部８が係止される軒樋支持具10
の保持体12の両耳係合部18の内側には、上下方向にスラ
イド自在なピン体30が設けられていて、該ピン体30によ
って同耳係合部18に係止される耳部８の脱落が防止され
るものである。又、継手体２は弾性を有し、軒樋１の外
側に嵌着されるものであり、その際、該継手体２の両上
縁部分に形成される耳嵌合部31が軒樋１の両耳部８に各
々嵌合されるものであり、又、同継手体２の後側下端部
分には、折曲片部32が垂設されて係合部３が形成されて
いる。又、カバ−材５はアルミニウムにて形成されてお
り、帯状板の前縁部分に折曲片部32が一体に設けられて
形成されている。該カバ−材５は、水平方向に後方へと
スライド移動され折曲片部32が相互に係合されて、継手
体２の係合部３に係止取着されるものである。

【００１８】

【考案の効果】上述の如く、本考案の軒樋装置において
は、軒樋相互を接続する継手体に設けられる係合部に、
軒樋と軒先前面との間隔を閉塞するカバー材が係止取着
されるため、軒樋相互は継手体にて支障なく接続されて
おり、軒樋を軒樋支持具に取着保持させた後に、カバー
材を同係合部に係止して簡単に取着することができるも
のであり、又、同カバー材によって、軒樋と軒先前面と
の間隔が体裁良く閉塞されるものである。更に、継手体
によって軒樋の接続部分の外側が覆い隠されて下方から
の外観が良好となるように接続され、この場合に、同継
手体にて軒樋相互は支障なく接続され、しかも、軒樋の
長手方向における部分的な個所での係止によってカバー
材を簡単に取着することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である軒樋装置を示す断面図
である。

【図２】同軒樋装置の要部分解斜視図である。

【図３】同軒樋装置における軒樋の支持形態を示す断面
図である。

【図４】別の実施例である軒樋装置を示す断面図であ
る。

【図５】同軒樋装置の要部分解斜視図である。

【図６】同軒樋装置における軒樋の支持形態を示す断面
図である。

【図７】本考案の従来例である軒樋装置を示す断面図で
ある。

【図８】同従来例の改良形態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 軒樋 ２ 継手体 ３ 係合部 ４ 軒先前面 ５ カバ−材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軒樋の外側に装着されて軒樋相互を接続
   する継手体の外面に係合部を設け、該係合部に軒樋と軒
   先前面との間隔を閉塞するカバー材を係止取着してなる
   軒樋装置。