JP2535646Y2 - 軒樋支持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、軒先に取り付けられて、軒樋を上側から保
持する軒樋支持具に関するものである。

〔従来の技術〕

従来から、第５図に示す如く、軒樋（イ）を上側から
保持する支持具本体（ロ）の端部に、内方へ開口した略
コ字型の軒樋耳保持部（ハ）を形成し、該軒樋耳保持部
（ハ）の内側において支持具本体（ロ）に上下方向に貫
通した透孔（ニ）を穿設して、該透孔（ニ）に軒樋耳外
れ防止ピン（ホ）を上下方向スライド自在に保持せしめ
てなる軒樋支持具は知られている。該軒樋支持具におい
ては、軒樋耳保持部（ハ）及び軒樋耳外れ防止ピン
（ホ）が、支持具本体（ロ）の前後両端部に設けられて
いる。又、支持具本体（ロ）の中程には、螺子杆（ヘ）
が上方へ突設されており、該螺子杆（ヘ）には一対のナ
ット（ト）が螺合されていて、同螺子杆（ヘ）が折版屋
根（チ）の先端部分に貫通され、前記両ナット（ト）が
折版屋根（チ）挟着されることによって、該軒樋支持具
は軒先に取り付け固定されるものである。又、軒樋
（イ）の両耳部（リ）が支持具本体（ロ）の両軒樋耳保
持部（ハ）に各々係合されて、該軒樋（イ）は支持具本
体（ロ）に上側から保持されるものである。この場合、
軒樋（イ）の耳部（リ）が軒樋耳外れ防止ピン（ホ）上
方へ押し上げながら該耳部（リ）は軒樋耳保持部（ハ）
に係合され、耳部（リ）が軒樋耳保持部（ハ）に係合さ
けた後には、軒樋耳外れ防止ピン（ホ）が下方へ下り
て、耳部（リ）が軒樋耳保持部（ハ）から外れるのを防
止するものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来の技術においては、透孔
（ニ）に挿通保持された軒樋耳外れ防止ピン（ホ）が振
れ動き易いため、該軒樋耳外れ防止ピン（ホ）はスムー
ズに上下方向にスライドされ難くて、軒樋（イ）の耳部
（リ）を軒樋耳保持部（ハ）に係合させ難く、しかも、
軒樋耳保持部（ハ）に係合された耳部（リ）の外れが確
実には防止されないものであった。

本考案は、上記従来の技術における問題を解決するた
めに考案されたものであり、すなわちその課題は、軒樋
耳外れ防止ピンが振れ動き難くて、該軒樋耳外れ防止ピ
ンがスムーズに上下方向にスライドされ、しかも、軒樋
耳保持部に係合された軒樋の耳部の外れが確実に防止さ
れる軒樋支持具を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の軒樋支持具は、軒樋を上側から保持する支持
具本体の端部に、内側へ開口した略コ字型の軒樋耳保持
部を形成し、該軒樋耳保持部の内側において支持具本体
に上下方向に貫通した透孔を穿設して、該透孔に軒樋耳
外れ防止ピンを上下方向スライド自在に保持せしめてな
る軒樋支持具にあって、前記透孔に上下方向に貫通した
筒状部を突設して、該筒状部内に軒樋耳外れ防止ピンを
上下方向スライド自在に嵌合保持せしめてなり、この場
合に、下方へ開口した断面略コ字型に形成される支持具
本体の上辺部分に透孔が形成されて該透孔から筒状部が
垂設され、該筒状部の垂下寸法が同支持具本体の両側辺
部分の高さ寸法以内に納められていることを特徴とする
ものであり、この構成により上記課題が解決されたもの
である。

〔作用〕

本考案の軒樋支持具においては、透孔に上下方向に貫
通した筒状部が突設されて、該筒状部内に軒樋耳該れ防
止ピンが上下方向スライド自在に嵌合保持されているた
め、軒樋耳外れ防止ピンは振れ動き難く上下方向にスム
ーズにスライドされ、軒樋の耳部を軒樋耳保持部にスム
ーズに係合させることができるものであり、又、耳部が
軒樋耳保持部に係合された後には、前記振れ動き難い軒
樋耳外れ防止ピンによって、軒樋耳保持部に係合された
軒樋の耳部の外れが確実に防止されるものである。特
に、この場合、筒状部の垂下寸法が断面略コ字型に形成
される支持具本体の両側辺部分の高さ寸法以内に納めら
れているので、軒樋の耳部を軒樋耳保持部に下方から係
合させる際に、軒樋耳外れ防止ピンを押し上げている同
耳部が、支持具本体の両側辺部分の下縁に摺接して筒状
部に引っ掛かることなく軒樋耳保持部内へスムーズに案
内されて係合されるものであり、しかも、筒状部が断面
略コ字型に形成される支持具本体の内側に納められるの
で邪魔にならず外観も良好となる。

〔実施例〕

以下、本考案を、図面を示した実施例に基づいて詳細
に説明する。

第１図、第２図、第３図に示す軒樋支持具は、本考案
の一実施例で、軒樋１を上側から保持する支持具本体２
の後端部に、内方前側へ開口した略コ字型の軒樋耳保持
部３を形成し、該軒樋耳保持部３の内側前方において支
持具本体２に上下方向に貫通した透孔４を穿設して、該
透孔４に軒樋耳外れ防止ピン５を上下方向スライド自在
に保持せしめてなる軒樋支持具であって、前記透孔４に
上下方向に貫通した筒状部６を下方へ垂下突設して、該
筒状部６内に軒樋耳外れ防止ピン５を上下方向スライド
自在に嵌合保持せしめてなるものである。この場合に、
下方へ開口した断面略コ字型に形成される支持具本体２
の上辺部分に透孔４が形成されて該透孔４から筒状部６
が垂設され、第３図に示す如く、該筒状部６の垂下寸法
が同支持具本体２の両側辺部分の高さ寸法以内に納めら
れている。

支持具本体２は、いずれも断面略コ字型の帯状金属板
を折曲加工して形成される保持部材７と取着部材８とで
構成されている。該保持部材７と取着部材８とは、ボル
ト９と蝶ナット10とによって結合されている。この場
合、保持部材７にはスライド用長孔11が穿設され、該ス
ライド用長孔11にボルト９が貫通されているため、保持
部材７は取着部材８に対して前後方向にスライド移動さ
れ得るものであり、ボルト９と蝶ナット10とを緩めて保
持部材７をスライド移動させることによって、該保持部
材７に保持される軒樋１の軒先からの出寸法の調整が行
われるものである。

支持具本体２の取着部材８の後端部は下方へ折曲され
ていて、該折曲部分にはリベット12によって取着板体13
が結合固着されている。該取着板体13にはその両側部分
に各々上下に二個の釘用孔14が穿設されており、該釘用
孔14に固定釘15が挿通され軒先前面16に打ち付けられる
ことによって、同取着板体13は軒先前面16に固定され、
軒樋支持具が軒先に取り付け固定ている。又、前記取着
板体13の上下両釘用孔14の間には、該釘用孔14よりも大
径のアンカーボルト用孔17が穿設されており、該アンカ
ーボルト用孔17を採用して、アンカーボルトによって
も、該取着板体13は軒先に固定され得るものである。

支持具本体２の保持部材７の後端部は下方へ折曲され
ており、該下方へ折曲された垂下片部18にはリベット12
によって折曲金属片19が結合固着されている。該折曲金
属片19と前記垂下片部18とによって、略コ字型の軒樋耳
保持部３が形成されている。又、前記折曲金属片19の下
側前端には、斜め後方へ折り返った耳部ガイド片20が一
体に垂設されている。

上記検出樋耳保持部３の前方内側において、支持具本
体２の保持部材７に透孔４が穿設されている。該透孔４
を形成するに際しては、バーリング加工が施されて、そ
の際に、下方へ垂設される筒状部６が一体に形成される
ものである。又、保持部材７の上側に重合する取着部材
８には、前記透孔４に対応してピン用長孔21が穿設され
ており、該ピン用長孔21と前記透孔４及び筒状部６に軒
樋耳外れ防止ピン５が挿通されて、該軒樋耳外れ防止ピ
ン５は振れ動かないように上下方向スライド自在に嵌合
保持されている。この場合、保持部材７が取着部材８に
対して前後方向にスライド移動されても、軒樋耳外れ防
止ピン５は前記ピン用長孔21に沿ってスライド移動し得
るため、支障のないものである。又、軒樋耳外れ防止ピ
ン５は、その頭部22と先端圧潰部23とによって、ピン用
長孔21、透孔４、筒状部６から抜け外れないように保持
されている。

支持具本体２の保持部材７の前端部は下方へ折曲され
ていて、該下方へ折曲された折曲片部24にはリベット12
によって前縦片25が結合固着されている。該前縦片25
は、前記折曲片部24に重合される垂直片部26と、該垂直
片部26の上端から斜め後方へ延出する傾斜片部27と、該
傾斜片部27の上端に延設される屈曲片部28とで構成され
ている。

軒樋１は、合成樹脂層29内に金属製薄板30がインサー
トされて形成されており、該軒樋１の前後両上縁部分に
は、中空形状の前耳部31及び後耳部32が一体に形成され
ている。又、前耳部31は内方へ折り返っており、該前耳
部31の内側に係止溝部33が設けられている。又、軒樋１
の前壁部34は、上記軒樋支持具の前縦片25に沿った形状
となっており、該前壁部34の下端には屈曲状の水切り部
35が形成され、該水切り部35の屈曲角部分の外面には水
切り用凸条36が一体に突設されている。

軒樋１が軒樋支持具に保持されるに際しては、係止溝
部33が前縦片25上端の屈曲片部28に嵌合係止され、前壁
部34が同前縦片25上に載置支持され、後耳部32が軒樋耳
保持部３に係合されるものである。又、後耳部32が軒樋
耳保持部３に係合される際には、軒樋１の後耳部32が耳
部ガイド片20にガイドされて上方へ移動され、該後耳部
32が軒樋耳外れ防止ピン５を上方へ押し上げながら該後
耳部32は軒樋耳保持部３に係合されるものである。又、
後耳部32が軒樋耳保持部３に係合された後には、軒樋耳
外れ防止ピン５が下方へ下りて、後耳部32が軒樋耳保持
部３から外れるのを防止するものである。

したがって、該実施例の軒樋支持部具においては、透
孔４に上下方向に貫通した筒状部６が一体に垂設されて
おり、該筒状部６内に軒樋耳外れ防止ピン５が上下方向
スライド自在に嵌合保持されているため、軒樋耳外れ防
止ピン５は振れ動き難く上下方向にスムーズにスライド
され、軒樋１の後耳部32を軒樋耳保持部３にスムーズに
係合させることができるものであり、又、後耳部32が軒
樋耳保持部３に係合された後には、前記振れ動き難い軒
樋耳外れ防止ピン５によって、軒樋耳保持部３に係合さ
れた軒樋１の後耳部32の外れが確実に防止されるもので
ある。特に、この場合、筒状部６の垂下寸法が断面略コ
字型に形成される支持具本体２の両側辺部分の高さ寸法
以内に納められているので、軒樋１の後耳部32を軒樋耳
保持部３に下方から係合させる際に、軒樋耳外れ防止ピ
ン５を押し上げている同後耳部32が、支持具本体２の両
側辺部分の下縁に摺接して筒状部６に引っ掛かることな
く軒樋耳保持部３内へスムーズに案内されて係合される
ものであり、しかも、筒状部６が断面略コ字型に形成さ
れる支持具本体２の内側に納められるので邪魔にならず
外観も良好となっている。

なお、本考案の軒樋支持具においては、第４図に示す
実施例の如きであっても良いものである。すなわち、該
実施例の軒樋支持具においては、支持具本体２が、断面
略コ字型の帯状金属板を折曲加工して一体に形成されて
いる。又、該支持具本体２の後部下面に、金属製の略コ
字型部材37がリベット12にて結合固着されることによっ
て、軒樋耳保持部３が形成されている。又、同支持具本
体２の前端部は上方へ折曲されており、該折曲した立上
片部38に軒樋１の係止溝部33が係止されるものである。

〔考案の効果〕

上述の如く、本考案の軒樋支持具においては、透孔に
上下方向に貫通した筒状部が突設されて、該筒状部内に
軒樋耳外れ防止ピンが上下方向スライド自在に嵌合保持
されているため、軒樋耳外れ防止ピンは振れ動き難く上
下方向にスムーズにスライドされるものであり、しか
も、該振れ動き難い軒樋耳外れ防止ピンによって、軒樋
耳保持部に係合された軒樋の耳部の外れが確実に防止さ
れるものである。特に、この場合、筒状部の垂下寸法が
断面略コ字型に形成される支持具本体の両側辺部分の高
さ寸法以内に納められているので、軒樋の耳部を軒樋耳
保持部に下方から係合させる際に、軒樋耳外れ防止ピン
を押し上げている同耳部が、支持具本体の両側辺部分の
下縁に摺接して筒状部に引っ掛かることなく軒樋耳保持
部内へスムーズに案内されて係合されるものであり、し
かも、筒状部が断面略コ字型に形成される支持具本体の
内側に納められるので邪魔にならず外観も良好となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である軒樋支持具の施工状態
を示す側面図、第２図は同軒樋支持具を示す斜視図、第
３図は同軒樋支持具の要部断面図、第４図は別の実施例
である軒樋支持具の施工状態を示す側面図、第５図は本
考案の従来例である軒樋支持具の施工状態を示す側面図
である。 図において、１は軒樋、２は支持具本体、３は軒樋耳保
持部、４は透孔、５は軒樋耳外れ防止防止ピン、６は筒
状部である。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軒樋を上側から保持する支持具本体の端部
   に、内方へ開口した略コ字型の軒樋耳保持部を形成し、
   該軒樋耳保持部の内側において支持具本体に上下方向に
   貫通した透孔を穿設して、該透孔に軒樋耳外れ防止ピン
   を上下方向スライド自在に保持せしめてなる軒樋支持具
   にあって、前記透孔に上下方向に貫通した筒状部を突設
   して、該筒状部内に軒樋耳外れ防止ピンを上下方向スラ
   イド自在に嵌合保持せしめてなり、この場合に、下方へ
   開口した断面略コ字型に形成される支持具本体の上辺部
   分に透孔が形成されて該透孔から筒状部が垂設され、該
   筒状部の垂下寸法が同支持具本体の両側辺部分の高さ寸
   法以内に納められていることを特徴とする軒樋支持具。