JPH0230574Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は軒樋が支持される軒樋支持装置に関す
るものであり、軒樋の軒樋取付具に取付ける部分
の構造に関するものである。

〔背景技術〕

従来の軒樋A′にあつては、第１図に示すよう
に前部側壁２′及び後部側壁１′の上端に角筒状の
耳部３′，４′を設けてあるだけであり、軒樋取付
具B′の両側のコ字状嵌合部５′を耳部３′，４′に
嵌合させて吊つている。このため軒樋A′を取付
けた後外観上目立つ前部側壁２′側のコ字状嵌合
部５′が見えて外観上好ましくなかつた。

〔考案の目的〕

本考案は叙述の点に鑑みてなされたものであつ
て、本考案の目的とするところは軒樋の前部側に
軒樋取付具の一部が露出したりしないように軒樋
を吊ることができて外観を向上できる軒樋支持装
置を提供するにある。

〔考案の開示〕

本考案の軒樋支持装置は断面略Ｕ字状に形成さ
れた軒樋Ａの前部側壁２の上端と後部側壁１の上
端に中空となつた耳部３，４を夫々設け、前部側
壁２の上端に設けた耳部３の上面に上方に開口す
る上係止溝８を凹設し、前部側壁２の耳部３の内
側面に後部側壁１に向けて開口する下係止溝９を
凹設し、軒樋取付具Ｂを構成する取付具本体１３
の先端に下係止溝６を設け、取付具本体１３の先
端部に押え板１７を載設し、押え板１７の先端部
に上方に向けて逆Ｌ字状に屈曲した屈曲片部２１
を設け、屈曲片部２１の先端に下向きの上係止部
７を設け、前部側壁２の耳部３に設けた上係止溝
８に屈曲片部２１の先端に設けた上係止部７を係
合すると共に前部側壁２の耳部３に設けた下係止
溝９に取付具本体１３の先端に設けた下係止部６
を係合し、下係止部６の基部に設けた係当段部１
６を下係止溝９と前部側壁２との角部に当接した
ものであつて、上記のように構成することにより
従来例の欠点を解決したものである。つまり、耳
部３の上面と内側面とに凹設した上係止溝８と下
係止溝９に軒樋取付具の先端に設けた上係止部７
と下係止部６とをそれぞれ係合させることによ
り、前部側壁２側の耳部３の内側を軒樋取付具に
取付けられるようにし、軒樋取付具が外観上軒樋
の外側に露出したりすることがないようにし、ま
た、上係止部と下係止部とによつて中空の耳部３
を挟持した状態で保持することでがたつくことな
く耳部３を保持することができ、さらに、上方に
向けて開口した上係止溝に係合された下向きの上
係止部によつて耳部３が側方にずれて位置ずれす
るのを防止し、後部側壁に向けて開口した下係止
溝に係合された下係止部によつて耳部が上下にず
れて位置ずれするのを防止し、耳部３をがたつく
ことなく確実に保持することができるようにした
ものである。

以下、本考案を実施例により詳述する。断面略
Ｕ字状に形成された軒樋Ａは本実施例の場合、角
樋であつて、略全体が合成樹脂１０にて形成さ
れ、内部に略全面に亘つて金属板１１を埋入して
ある。軒樋Ａを取付けたとき軒先側に位置する後
方の後部側壁１より軒先側と反対に位置する前方
の前部側壁２の高さを高くしてあつて、所謂前高
の軒樋Ａとなつている。前部側壁２の上端及び後
部側壁１の上端には角筒状の耳部３，４を長手方
向全長に亘つて設けてある。耳部３の上面には上
方に向けて開口する断面略Ｌ字状の上係止溝８を
耳部３の長手方向全長に亘つて凹設してあり、上
係止溝８の後方側より前方側をやや高くして突部
１２を長手方向全長に亘つて設けてある。耳部３
の内側面には後部側壁１に向けて開口する奥部程
やや巾広になつた下係止溝９を耳部３の長手方向
全長に亘つて凹設してある。軒樋取付具Ｂは軒樋
Ａを吊るためのもので、金属帯板のような材料に
て形成されている。軒樋取付具Ｂを構成する取付
具本体１３基端には垂直方向を向く取付片１４を
設けてあり、取付片１４に押え具２３を取付けて
あり、取付片１４の上部にコ字状の嵌合部５を設
けてあり、嵌合部５の前方側に上下動自在に抜け
止めピン１５を挿着してある。軒樋取付具Ｂの取
付具本体１３の先端には先端に向かつてやや上方
に傾斜せる下係止部６を設けてあり、下係止部６
の基部には係当段部１６を設けてある。取付具本
体１３の先端部上には押え板１７の基部を載置し
てあつて、押え板１７の下面に設けたスライド突
起１８を取付具本体１３の長孔状のスライド孔１
９にスライド自在に嵌合してあり、取付具本体１
３と押え板１７とボルト２０ａと蝶ナツト２０ｂ
よりなる締付ねじ具２０にて締結してある。押え
板１７の先端部には上方に向けて略逆Ｌ字状に屈
曲せる屈曲片部２１を設けてあり、屈曲片部２１
の先端には下方に屈曲せる下向きの上係止部７を
設けてある。

しかして軒樋Ａを取付施工するに当たつては、
次のように行う。軒樋取付具Ｂの取付片１４を軒
先の鼻板等に当接し、取付片１４を押え具２３に
て押えて押え具２３を取付孔２５に挿通した木ね
じ等にて軒先の鼻板等に固着することにより軒先
に軒樋取付具Ｂを取付ける。軒樋Ａの後部側壁１
側の耳部４は、抜け止めピン１５を上方に移動さ
せて耳部４を嵌合部５に嵌合し、抜け止めピン１
５を下降させて取付ける。軒樋Ａの前部側壁２側
の耳部３は、締付ねじ具２０を緩めておき、係止
部６を係止溝９に挿入すると共に耳部３と前部側
壁２との角部に係当段部１６を当接し、押え板１
７の下向きの上係止部７を耳部３の係止溝８に係
止し、締付ねじ具２０を締付けて下係止部６と上
係止部７とで挟持するように取付ける。この際突
部１２があると一層係止部７が見えにくくなる。
つまり、突部１２は上係止溝８の後方側より前方
側をやや高くして形成してあることにより、上係
止溝８に嵌合された上係止部７は突部１２により
隠されることとなり、側方または下方から見た場
合、上係止部７が見えないようして接続部分が見
えないようにすることができるものである。

〔考案の効果〕

本考案の軒樋支持装置は叙述の如く前部側壁の
耳部に設けた上係止溝に屈曲片部の先端に設けた
下向きの上係止部を係合すると共に前部側壁の耳
部に設けた下係止溝に取付具本体の先端に設けた
下係止部を係合してあるので、耳部の上面と内側
面とに凹設した上係止溝と下係止溝に軒樋取付具
の先端に設けた上係止部と下係止部とをそれぞれ
係合させることにより、前部側壁の耳部の内側を
軒樋取付具に取付けられるようにし、軒樋取付具
が外観上軒樋の外側に露出したりすることがない
ようにし、また、上係止部と下係止部とによつて
中空の耳部を挟持した状態で保持することでがた
つくことなく耳部を保持することができ、さら
に、上方に向けて開口した上係止溝に係合された
下向きの上係止部によつて耳部が側方にずれて位
置ずれするのを防止し、後部側壁に向けて開口し
た下係止溝に係合された下係止部によつて耳部が
上下にずれて位置ずれするのを防止し、耳部をが
たつくことなく確実に保持することができるもの
である。また、下係止部の基部に設けた係当段部
を下係止溝と前部側壁との角部に当接してあるの
で、外力によつて前部側壁が内方に向けて押され
たとしても係当段部が下係止溝と前部側壁との角
部に当接していることで前部側壁が内方にたわん
だりしにくいものであり、耳部が変形して係合部
分が外れるのを防止することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図は本考案の一
実施例の断面図、第３図は同上の前部の耳部部分
の拡大断面図、第４図は同上の後部の耳部部分の
拡大断面図であつて、１は後部側壁、２は前部側
壁、３，４は耳部、６は下係止部、７は上係止
部、８は上係止溝、９は下係止溝、Ａは軒樋、Ｂ
は軒樋取付具である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面略Ｕ字状に形成された軒樋の前部側壁の上
   端と後部側壁の上端に中空となつた耳部を夫々設
   け、前部側壁の上端に設けた耳部の上面に上方に
   開口する上係止溝を凹設し、前部側壁の耳部の内
   側面に後部側壁に向けて開口する下係止溝を凹設
   し、軒樋取付具を構成する取付具本体の先端に下
   係止部を設け、取付具本体の先端部に押え板を載
   設し、押え板の先端部に上方に向けて逆Ｌ字状に
   屈曲した屈曲片部を設け、屈曲片部の先端に下向
   きの上係止部を設け、前部側壁の耳部に設けた上
   係止溝に屈曲片部の先端に設けた上係止部を係合
   すると共に前部側壁の耳部に設けた下係止溝に取
   付具本体の先端に設けた下係止部を係合し、下係
   止部の基部に設けた係当段部を下係止溝と前部側
   壁との角部に当接して成る軒樋支持装置。