JP2533961Y2 - 軒樋取り付け装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、軒樋を吊下保持する軒樋保持具の後端固定
部を軒先前面に取着固定してなる軒樋取り付け装置に関
するものである。

〔従来の技術〕 従来から、第７図に示す如く、軒樋（イ）を吊下保持
する軒樋保持具（ロ）の後端固定部（ハ）を軒先前面
（ニ）に取着固定してなる軒樋取り付け装置は知られて
いる。該軒樋取り付け装置においては、軒樋保持具
（ロ）が、軒樋（イ）を吊下保持する支持板体（ホ）
と、その中程にリベット（ト）にて固着されて後方へ突
設される固定板体（ヘ）とで形成されている。支持板体
（ホ）の前後両端部には下方内方へと折曲した耳保持部
（チ）が一体に形成されており、該両耳保持部（チ）に
軒樋（イ）の前後両上縁耳部（リ）が各々係止されてい
る。又、固定板体（ヘ）の後端部に下方へ折曲した後端
固定部（ハ）が一体に形成されており、該後端固定部
（ハ）にはリベット（ト）にて取着板（ヌ）が固着され
ていて、該取着板（ヌ）に固定釘（ル）が貫通されて軒
先前面（ニ）に打ち込まれることによって、同軒樋保持
具（ロ）は軒先前面（ニ）に取着固定されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来の技術においては、軒樋
（イ）と軒先前面（ニ）との間に間隔が発生しし、該間
隔の下方から軒樋保持具（ロ）が見えて体裁が悪いもの
であった。又、同間隔にカバー材（オ）を設けることも
考えられるが、その際、軒先前面（ニ）にカバー材
（オ）を取着固定すると、軒天面（ワ）と軒樋（イ）の
底部（カ）とが異なる高さに施工された場合には特に、
該取着固定位置が適切な一定高さとなり難いため、同カ
バー材（オ）と軒樋（イ）の底部（カ）との間に隙間が
発生し易いものであった。

本考案は、上記従来の技術における問題を解決するた
めに考案されたものであり、すなわちその課題は、軒樋
と軒先前面との間隔を閉塞するカバー材が、適切な一定
高さ位置に簡単且つ確実に取着固定され、同間隔内が体
裁良く塞ぎ隠される軒樋取り付け装置を提供することで
ある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の軒樋取り付け装置は、軒樋を吊下保持する軒
樋保持具の後端固定部を軒先前面に取着固定し、該軒樋
保持具の後端固定部より垂下片を下方へ延設し、該垂下
片の下端に結合部を設けて該結合部の下面を軒天面と略
同一高さに配置し、同結合部の下面に略帯板状のカバー
材を当接させて取着固定し、該カバー材にて軒樋の底部
と軒天面との間隔を両者が略面一状に連続するように閉
塞してなるものであり、この構成によって上記課題が解
決されたものである。

〔作用〕

本考案の軒樋取り付け装置においては、軒樋保持具の
後端固定部より垂下片が下方へ延設され、該垂下片の下
端に設けられる結合部に、軒樋と軒先前面との間隔を閉
塞するカバー材が取着固定されるため、軒樋保持具の垂
下片を軒樋の高さ寸法に対応した適切な長さに形成し
て、該垂下片の下端に設けられる結合部の位置を適切高
さに設定することによって、該カバー材は、軒樋の底部
に対応した適切な一定高さ位置に簡単且つ確実に取着固
定されるものであり、同カバー材によって、軒樋と軒先
前面との間隔内が体裁良く塞ぎ隠されるものである。特
に、この場合、結合部の下面が軒天面と略同一高さに配
置され、該結合部の下面に略帯板状のカバー材が当接さ
れて取着固定され、該カバー材にて軒樋の底部と軒天面
との間隔が両者が略面一状に連続するように閉塞される
ので、軒樋が軒樋保持具に取り付け保持された後に略帯
板状のカバー材を下方から結合部の下面に当接させ位置
決めして取着固定することにより簡単に、しかも、軒樋
の底部と軒天面とがカバー材を介して略面一状に連続さ
れるように同軒樋の底部と軒天面との間隔を違和感なく
閉塞することができるものである。

〔実施例〕 以下、本考案を、図面に示した実施例に基づいて詳細
に説明する。

第１図、第２図に示す軒樋取り付け装置は、本考案の
一実施例で、軒樋１を吊下保持する軒樋保持具２の後端
固定部３を軒先前面４に取着固定し、該軒樋保持具２の
後端固定部３より垂下片５を下方へ延設し、該垂下片５
の下端に結合部６を設けて該結合部６の下面を軒天面25
と略同一高さに配置し、同結合部６の下面に略帯板状の
カバー材７を当接させて取着固定し、該カバー材７にて
軒樋１の底部26と軒天面25との間隔を両者が略面一状に
連続するように閉塞してなるものである。軒樋１は合成
樹脂層８内に金属製薄板９がインサートされた素材でな
り、該素材を折曲加工して形成されたものであって、そ
の前後両上縁部分には中空形状の上縁耳部10が一体に形
成されており、前側の上縁耳部10の内側には係止溝部11
が形成されている。軒樋保持具２は、金属製の断面略コ
字型材を折曲加工して形成されており、その前端部分に
は上方へ折曲した係止片部12が形成されており、該係止
片部12が前記軒樋１の係止溝部11に係止されるものであ
る。又、同軒樋保持具２の後端部分には下方へ折曲した
後端固定部３が一体に形成されており、該後端固定部３
にはリベット13によって取着板14が固着されている。該
取着板14の両側部には各々取着孔15が穿設されており、
該取着孔15に固定釘16が挿通され、軒先前面４に打ち込
まれることによって、同軒樋保持具２は軒先前面４に取
着固定されている。又、前記取着板14の前面に同一のリ
ベット13によって、帯状金属板を略コ字状に折曲加工し
て形成された耳保持部材17が固着されている。該耳保持
部材17の下片部の前端には後方へと傾斜した耳部案内片
18が一体に垂設されており、又、同耳保持部材17の上片
部19の前端は、軒樋１の後側の上縁耳部10の外側面に当
接されるものである。又、同耳保持部材17が設けられる
軒樋保持具２の後部は上方へ膨曲形成されており、該膨
曲部分に軒樋１の後側の上縁耳部10が納められるもので
あり、同膨曲部分近傍の軒樋保持具２の下面には、リベ
ット13により板バネ材20が取着されている。この場合、
軒樋１の後側の上縁耳部10は、板バネ材20を上方へ変形
させ、耳部案内片18に摺接案内されながら上方へと移動
されて耳保持部材17にスムーズに係止保持されるもので
あり、係止された後は、同上縁耳部10の内側面に板バネ
材20の先端が係止され、同上縁耳部10の外側面に耳保持
部材17の上片部19の前端が当接されて、該上縁耳部10は
がたつかないように確実に係止保持されるものである。
又、軒樋保持具２の後端固定部３を形成する断面略コ字
型材の下端部分が下方へ垂下延設されて垂下片５が形成
されており、該垂下片５においては、断面略コ字型材の
両壁部21が切欠除去されると共に取着孔15が穿設されて
おり、該取着孔15には固定釘16を打ち込み固定し易いも
のである。又、同断面略コ字型材の両壁部21が切欠除去
された垂下片５の下端部分に、前方へ折曲突出した結合
部６が一体に形成されており、該結合部６には螺子孔22
が穿設されている。該結合部６にカバー材７が取着固定
されるものであるが、その際、カバー材７が結合部６の
下面に当接され、該カバー材７に穿設される貫通孔23に
下方からビス24が挿通され、該ビス24が前記結合部６の
螺子孔22に螺合されて、同カバー材７は結合部６に螺着
結合されている。又、カバー材７は軒樋１と同様に、合
成樹脂層８内に金属製薄板９がインサートされた素材に
て形成されている。又、同カバー材７は、軒天面25及び
軒樋１の底部26と面一高さ位置に固定されており、その
前縁部分は、軒樋１の底部26の後角部分を下側から覆う
ように支持している。

したがって、該実施例においては、軒樋保持具２の後
端固定部３より垂下片５が下方へ延設され、該垂下片５
の下端に設けられる結合部６に、軒樋１と軒先前面４と
の間隔を閉塞するカバー材７が取着固定されるため、軒
樋保持具２の垂下片５を軒樋１の高さ寸法に対応した適
切な長さに形成しておいて、該垂下片５の下端に折曲し
て設けられる結合部６の位置を適切高さに設定すること
によって、該カバー材７は、軒樋１の底部26に対応した
適切な一定高さ位置に簡単且つ確実に取着固定されるも
のであり、同カバー材７によって、軒樋１と軒先前面４
との間隔内が体裁良く塞ぎ隠されて、軒樋保持具２は下
方から見えないものである。又、該実施例においては、
結合部６の下面が略水平状の軒天面25と略同一高さで且
つ略水平に配置され、該結合部６の下面に略帯板状のカ
バー材７が当接されて取着固定され、該カバー材７にて
軒樋１の底部26と軒天面25との間隔が両者が略面一状で
且つ略水平状に連続するように閉塞されるので、軒樋１
が軒樋保持具２に取り付け保持された後に略帯板状のカ
バー材７を下方から結合部６の下面に当接させ位置決め
して取着固定することにより簡単に、しかも、軒樋１の
底部26と軒天面25とがカバー材７を介して略面一状で且
つ略水平状に連続されるように同軒樋１の底部26と軒天
面25との間隔を違和感なく閉塞することができるもので
ある。

なお、本考案の軒樋取り付け装置においては、第３
図、第４図に示す実施例の如きであっても良いものであ
る。すなわち、該実施例の軒樋取り付け装置において
は、軒樋保持具２が、軒樋１を保持する支持板体27と、
その中程にリベット13にて固着されて後方へ突設される
固定板体28とで形成されており、両者は各々帯状金属平
板を折曲加工して成形されるものである。又、支持板体
27の前端部には、上方斜め後方へと屈曲するように起立
した軒樋前壁保持片29が折曲形成されている。該軒樋前
壁保持片29は、軒樋１の前壁部分の上部内面に沿って当
接されており、その上端部に、軒樋１の前側の上縁耳部
10が内下方へと折曲されてその内側に形成される凹角部
30が係止されている。又、同支持板体27の後端部には、
下方内方へと折曲した耳保持部31が一体に形成されてお
り、該耳保持部31に軒樋１の後側の上縁耳部10が係止さ
れている。又、該実施例の軒樋取り付け装置において
は、垂下片５の下端部分の内方へ折曲した片の下面に木
材片32が貼着固定されることによって結合部６が形成さ
れ、該結合部６の木材片32の下面が略水平状の軒天面25
と略同一高さで且つ略水平に配置されており、カバー材
７を下方から打ち抜かれた固定釘16が同木材片32の下面
に打ち込まれることによって、該カバー材７は同結合部
６の木材片32の下面に取着固定されている。

又、本考案の軒樋取り付け装置においては、第５図、
第６図に示す実施例の如きであっても良いものである。
すなわち、該実施例の軒樋取り付け装置においては、支
持板体27の前後両端部に下方内方へと折曲した耳保持部
31が一体に形成されていて、該両耳保持部31に軒樋１の
前後両上縁耳部10が各々係止されている。又、カバー材
７が合成樹脂にて一体に押出成形されたものであり、該
カバー材７は軒樋１の底部26全体を覆い支持している。
又、該カバー材７の上面には断面略Ｌ字状に後方へと屈
曲した係止片33が一体に突設されていて、該係止片33が
垂下片５の下端より前方へ突出する結合部６に係合され
ることによって、同カバー材７は結合部６に取着固定さ
れている。

〔考案の効果〕

上述の如く、本考案の軒樋取り付け装置においては、
軒樋保持具の後端固定部より垂下片が下方へ延設され、
該垂下片の下端に設けられる結合部に、軒樋と軒先前面
との間隔を閉塞するカバー材が取着固定されるため、軒
樋保持具の垂下片を軒樋の高さ寸法に対応した適切な長
さに形成して、該垂下片の下端に設けられる結合部の位
置を適切高さに設定することによって、該カバー材は、
軒樋の底部に対応した適切な一定高さ位置に簡単且つ確
実に取着固定されるものであり、同カバー材によって、
軒樋と軒先前面との間隔内が体裁良く塞ぎ隠されるもの
である。特に、この場合、結合部の下面が軒天面と略同
一高さに配置され、該結合部の下面に略帯板状のカバー
材が当接されて取着固定され、該カバー材にて軒樋の底
部と軒天面との間隔が両者が略面一状に連続するように
閉塞されるので、軒樋が軒樋保持具に取り付け保持され
た後に略帯板状のカバー材を下方から結合部の下面に当
接させ位置決めして取着固定することにより簡単に、し
かも、軒樋の底部と軒天面とがカバー材を介して略面一
状に連続されるように同軒樋の底部と軒天面との間隔を
違和感なく閉塞することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である軒樋取り付け装置を示
す断面図、第２図は同実施例における軒樋保持具及びカ
バー材を示す斜視図、第３図は別の実施例である軒樋取
り付け装置を示す断面図、第４図は同実施例における軒
樋保持具及びカバー材を示す斜視図、第５図は更に別の
実施例である軒樋取り付け装置を示す断面図、第６図は
同実施例における軒樋保持具及びカバー材を示す斜視
図、第７図は本考案の従来例である軒樋取り付け装置を
示す断面図である。 図において、１は軒樋、２は軒樋保持具、３は後端固定
部、４は軒先前面、５は垂下片、６は結合部、７はカバ
ー材である。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軒樋を吊下保持する軒樋保持具の後端固定
   部を軒先前面に取着固定し、該軒樋保持具の後端固定部
   より垂下片を下方へ延設し、該垂下片の下端に結合部を
   設けて該結合部の下面を軒天面と略同一高さに配置し、
   同結合部の下面に略帯板状のカバー材を当接させて取着
   固定し、該カバー材にて軒樋の底部と軒天面との間隔を
   両者が略面一状に連続するように閉塞してなる軒樋取り
   付け装置。