JP2000129872A - 軒 樋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安い部材コストによって軒天井材を容易に施
工できて軒先との一体感の得られる軒樋を提供するこ
と。 【解決手段】 底板２と前面板３と後面板４とからなる
軒樋本体１の後面板４の背面に、軒天井材８の前縁を支
持する下支持片４３と同下支持片４３の上方に軒天井材
８下地用の野縁９前端を支持する上支持片４４とを並設
し、軒樋本体１の長手方向に沿って連出させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、軒樋に関し、詳し
くは軒先に設けられる軒天井材の施工の省力化を図るこ
との出来る軒樋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、住宅等の建築物に設けられる雨樋
は、雨を受けて流す基本機能以外に、特に軒先に設けら
れる軒樋においては、建物の外観の要素としてその軒先
とのデザイン面での調和が重要な機能の一部となってき
ている。そして、本出願人は、軒先との一体感を持たす
ことの出来る軒先構造として、実開平１−６８４４０と
して開示されている、図４に示すような軒樋を提案して
いる。このものは、鼻板６に設置された支持具５４にて
支持される、軒樋本体Ａの建物側に取り付ける側であ
る、後面板４の下部より、鼻板６の下部及び軒天井材８
の端縁下部を覆うカバー片Ｂを一体に連出させている。

【０００３】しかし、上記の軒樋は、カバー片Ｂにて支
持される軒天井材８は、その下地用の野縁９を、鼻板６
後面に木材を組み合わせて設ける必要があった。したが
って、軒天井材８の施工に手間がかかるという問題があ
った。

【０００４】そのため、図５に示すように、鼻板６に取
り付けられる長尺状の鼻隠しであるアルミレールＤを設
け、このアルミレールＤに、軒樋本体Ｃの支持具５４の
固定板５８を支持する溝Ｅと、軒天井材８及び野縁９を
支持する支持片Ｆとを設けて、このアルミレールＤに固
定された支持具５４を介して軒樋本体Ｃを支持するとと
もに、軒天井材８と野縁９とを支持する軒先構造を提案
している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術の鼻隠しのアルミレールＤにおいては、軒先全
体にわたって長尺状のアルミレールＤを設ける必要があ
り、その結果、多くのアルミニウム材料を必要とするた
めに部材コストが高くなるという問題があった。

【０００６】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、安い部材コストによって
軒天井材を容易に施工できて軒先との一体感の得られる
軒樋を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の軒樋は、底板と前面板と後面板とか
らなる軒樋本体の後面板の背面に、軒天井材の前縁を支
持する下支持片と同下支持片の上方に軒天井材下地用の
野縁前端を支持する上支持片とを並設し、軒樋本体の長
手方向に沿って連出させて成る。

【０００８】したがって、この場合、軒天井材の前縁及
びこの軒天井材上方に設けられる下地用の野縁前端が、
軒樋本体後面板の背面長手方向に沿って連出し並設され
た下支持片と上支持片とに支持される。

【０００９】また、請求項２記載の軒樋は、請求項１記
載の上支持片の上方に、野縁の上面に当接して同上支持
片とともに野縁を保持する保持片を付設している。

【００１０】したがって、この場合、野縁が、上支持片
及び保持片にて位置決め保持される。

【００１１】また、請求項３記載の軒樋は、請求項１又
は２記載の下支持片を、軒樋本体の後面板下端に底板か
ら延出するよう突設させている。

【００１２】したがって、この場合、軒天井材の前縁
が、軒樋本体の後面板下端にその底板から延出するよう
突設された下支持片にて支持される。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１乃至図３は、本発明の請求項
１乃至３全てに対応する一実施の形態を示し、図１は、
本発明の一実施の形態の軒樋の使用状態を示す概略構成
図である。図２は、同軒樋を示す側面断面図である。図
３は、同軒樋の他の実施例のものの使用状態を示す概略
構成図である。

【００１４】この実施の形態の軒樋は、底板２と前面板
３と後面板４とからなる軒樋本体１の後面板４の背面
に、軒天井材８の前縁を支持する下支持片４３と同下支
持片４３の上方に軒天井材８下地用の野縁９前端を支持
する上支持片４４とを並設し、軒樋本体１の長手方向に
沿って連出させて成る。

【００１５】又、該実施の形態の軒樋においては、上支
持片４４の上方に、野縁９の上面に当接して同上支持片
４４とともに野縁９を保持する保持片４５を付設しても
いる。又、該実施の形態の軒樋においては、下支持片４
３を、軒樋本体１の後面板４下端に底板２から延出する
よう突設させてもいる。

【００１６】詳しくは、この軒樋は、図１に示すよう
に、その鼻板６が斜めになるよう構成された軒先の、該
鼻板６に設置された支持部５にて支持されるもので、こ
の軒樋背面に軒天井材８が配設される。

【００１７】軒樋本体１は、鋼板のような金属板の両面
に合成樹脂材料を被覆して形成され、図２に示すような
上方開口をもった断面大略コ字状であって、前面板３が
底板２前端から前方へいくように傾斜して立ち上がり、
その上端が上方を向くように途中で屈曲しており、この
前面板３上端には前耳３１が形成されている。また、後
面板４は、底板２後端から略垂直に立ち上がり、この後
面板４上端には後耳４１が形成されている。前耳３１及
び後耳４１には、後述する支持部５の、支持具５４にて
安定して支持されて軒先に設置されるよう、長手方向に
沿ってそれぞれ支持溝３２、４２が併設されている。

【００１８】この場合、後面板４の背面には、その下端
に底板２から延出するよう、軒天井材８の前縁を支持す
る下支持片４３が突設されており、また、その軒天井材
８下地用の野縁９前端を支持する上支持片４４と、その
上支持片４４とともに野縁９を保持する保持片４５と
が、軒樋本体１の長手方向に沿って該下支持片４３に略
平行に後方へ向け一体に突設されている。

【００１９】上記軒樋本体１は、例えば図１に示すよう
な、鼻隠し化粧材５１と支持具５４とによって形成され
る支持部５にて支持される。この場合、鼻隠し化粧材５
１は、アルミ材料による押し出し成形によって形成され
た所定長さの長尺材で、平板状の、支持具装着部である
溝５２ａを備えた鼻隠し部５２と、この鼻隠し部５２か
ら後方へ屈曲され連設された、軒先の野地板７に木ねじ
等の固定具にて固定するための固定孔（図示せず）が長
手方向に所定間隔にて穿設されている固定片５３とを有
している。

【００２０】支持具５４は、例えばポリカーボネート樹
脂等の合成樹脂材料にて形成され、図１に示すように、
軒樋本体１の、前耳３１の支持溝に係合してその前側を
支持する前支持部５５、及び後耳４１の支持溝に係合し
て後側を支持する後支持部５６と、軒樋本体１の底板２
に略当接する底当接片５７とが、鼻隠し化粧材５１の鼻
隠し部５２に形成された溝５２ａにスライド自在に固定
される固定板５８から前側に凸設された支持片５９に一
体形成されている。

【００２１】上記の軒樋を施工して軒天井材８を設ける
場合、まず、鼻隠し化粧材５１を、その固定片５３を野
地板７に当接させて、鼻隠し部５２を軒先の鼻板６に木
ねじ等の固定具にて固定させて設ける。次いで、鼻隠し
化粧材５１の溝５２ａに支持具５４をスライドさせて適
切な位置に設けた後、軒樋本体１をこの支持具５４に、
底当接片５７にその底板２を当接させて、前面板３及び
後面板４を、支持具５４の前支持部５５及び後支持部５
６にて前耳３１と後耳４１とを支持させる。その後、野
縁９の後端を外壁面（図示せず）に設けた支持手段にて
支持させて、軒樋本体１の上支持片４４及び保持片４５
間に前端を挿入して位置決め保持させ、次いで、軒天井
材８を、その前縁を下支持片４３にて支持させるととも
にその後縁を、外壁面（図示せず）に設けた支持手段に
て支持させて軒天井材８を設ける。

【００２２】すなわち、軒天井材８の前縁及びこの軒天
井材８上方に設けられる下地用の野縁９前端が、軒樋本
体１後面板４の背面長手方向に沿って連出し並設された
下支持片４３と上支持片４４とに支持されて、軒天井材
８の前縁が、軒樋本体１の後面板４下端にその底板２か
ら延出するよう突設された下支持片４３にて支持され、
底板２表面とは略同一面となるように美観良く設けられ
るのである。

【００２３】したがって、以上説明した軒樋によると、
軒天井材８の前縁及びこの軒天井材８上方に設けられる
下地用の野縁９前端が、軒樋本体１後面板４の背面長手
方向に沿って連出し並設された下支持片４３と上支持片
４４とに支持されるので、安い部材コストによって軒天
井材８を容易に施工することができる。

【００２４】また、野縁９が、上支持片４４及び保持片
４５にて位置決め保持されるので、野縁９を容易に固定
することが出来、以て、短時間に施工することが出来
る。また、軒天井材８の前縁が、軒樋本体１の後面板４
下端にその底板２から延出するよう突設された下支持片
４３にて支持されるので、軒天井材８と軒先との一体感
が得られ、以て、軒先の美観を向上出来る。

【００２５】なお、本発明は、上記構成による、軒樋本
体１が、鼻隠し化粧材５１と支持具５４とによって形成
される支持部５にて支持されるものの他、例えば、図３
に示す如く、支持具５４の固定板５８を、その鼻板６が
垂下された軒先の鼻板６に直接固定する構成等、各種形
態にて構成しても良い。

【００２６】

【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項１記載の軒
樋は、軒天井材の前縁及びこの軒天井材上方に設けられ
る下地用の野縁前端が、軒樋本体後面板の背面長手方向
に沿って連出し並設された下支持片と上支持片とに支持
されるので、安い部材コストによって軒天井材を容易に
施工することができる。

【００２７】また、請求項２記載の軒樋は、請求項１記
載のものの効果に加え、野縁が、上支持片及び保持片に
て位置決め保持されるので、野縁を容易に固定すること
が出来、以て、短時間に施工することが出来る。

【００２８】また、請求項３記載の軒樋は、請求項１又
は２記載のものの効果に加え、軒天井材の前縁が、軒樋
本体の後面板下端にその底板から延出するよう突設され
た下支持片にて支持されるので、軒天井材と軒先との一
体感が得られ、以て、軒先の美観を向上出来る。

【００２９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の軒樋の使用状態を示す
概略構成図である。

【図２】同軒樋を示す側面断面図である。

【図３】同軒樋の他の実施例のものの使用状態を示す概
略構成図である。

【図４】本発明の従来例である軒樋の使用状態を示す概
略構成図である。

【図５】同軒樋の他の実施例のものの使用状態を示す概
略構成図である。

【符号の説明】

１ 軒樋本体 ２ 底板 ３ 前面板 ４ 後面板 ４３ 下支持片 ４４ 上支持片 ４５ 保持片 ８ 軒天井材 ９ 野縁

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底板と前面板と後面板とからなる軒樋本
   体の後面板の背面に、軒天井材の前縁を支持する下支持
   片と同下支持片の上方に軒天井材下地用の野縁前端を支
   持する上支持片とを並設し、軒樋本体の長手方向に沿っ
   て連出させて成る軒樋。
2. 【請求項２】 上支持片の上方に、野縁の上面に当接し
   て同上支持片とともに野縁を保持する保持片を付設した
   ことを特徴とする請求項１記載の軒樋。
3. 【請求項３】 下支持片を、軒樋本体の後面板下端に底
   板から延出するよう突設させたことを特徴とする請求項
   １又は２記載の軒樋。