JP2536986Y2 - 軒樋支持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、軒先に取り付けられて、軒樋を上側から保
持する軒樋支持具に関するものである。

〔従来の技術〕

従来から、第７図に示す如く、軒先（イ）に取り付け
られる軒樋支持具（ロ）であって、軒樋（ハ）を上側か
ら保持する軒樋支持具（ロ）は知られている。該軒樋支
持具（ロ）は、保持部材（ニ）と取着部材（ホ）とでな
り、両者はリベット（ヘ）にて結合固着されている。取
着部材（ホ）の後端部は下方へ折曲されていて、該折曲
部分にリベット（ヘ）によって取着板（ト）が結合固着
されている。該取着板（ト）において固定釘（チ）が打
ち付けられることによって、同取着板（ト）は軒先
（イ）に固定され、軒樋支持具（ロ）が軒先（イ）に取
り付け固定されるものである。又、保持部材（ニ）の前
端部は上側斜め後方へ湾曲状に折り返されており、該湾
曲状片部（リ）上に軒樋（ハ）の湾曲状に形成された前
壁部（ヌ）の上部内面が当接支持されるものである。同
保持部材（ニ）の後端部には、前方へ開口した略コ字型
の耳受部（ル）が形成されており、該耳受部（ル）に軒
樋（ハ）の後耳部（オ）が係合保持されるものである。
又、保持部材（ニ）の中程上面には、リベット（ヘ）に
て板バネ材（ワ）が結合固着されており、該上方へ突設
される板バネ材（ワ）の折曲上端部が軒樋（ハ）の前耳
部（カ）に係止されることによって、軒樋（ハ）の前端
部（ヌ）の浮き上がりが防止されるものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、軒樋（ハ）には、前壁部（ヌ）だけが
種々形状の異なったものがあって、これに対応する場
合、上記従来の技術においては、保持部材（ニ）の前端
部に湾曲状片部（リ）が一体に形成されているため、同
保持部材（ニ）全体を各形状に対応するように形成する
必要があり、製造面においてその対応が困難なものであ
った。

それならば、第８図に示す如く、保持部材（ニ）と、
軒樋（ハ）の前壁部（ヌ）を支持する前縦片（リ）とを
別体に形成して、両者を結合することが考えられる。こ
の場合、保持部材（ニ）の前端に折曲部（ヨ）が形さ
れ、該折曲部（ヨ）と前縦片（リ）とが重合させれて、
両者はリベット（ヘ）によって軸着されるものである。
しかしながら、この場合には、軸着部分であるリベット
（ヘ）を中心にして、前縦片（リ）が回動し易く、軒樋
（ハ）の前壁部（ヌ）が確実に支持されないものであ
る。

本考案は、上記従来の技術における問題を解決するた
めに考案されたものであり、すなわちその課題は、製造
面において、前壁部の形状のみが異なる種々の軒樋に、
簡単に対応することができ、しかも、軒樋の前壁部を確
実に支持することができる軒樋支持具を提供することで
ある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の軒樋支持具は、支持具本体の前端部に、軒樋
の前壁部の内面に沿って該前壁部を支持する前縦片を設
けてなる軒樋支持具において、前縦片を軒樋の前壁部の
内面に沿うように後方へ傾倒させて形成すると共に、該
前縦片を後方へ開口した断面略コ字型の型材にて形成
し、該型材内に支持具本体の前端に形成される折曲部を
嵌合保持させて、該折曲部と前縦片とを重合軸着してな
るものであり、この構成により上記課題が解決されたも
のである。

〔作用〕

本考案の軒樋支持具においては、支持具本体の前端に
折曲部が形成され、該折曲部と軒樋の前壁部を支持する
前縦片とが、別体となって相互に重合されて軸着されて
いるため、前縦片のみを取り替えて製造することによっ
て、前壁部の形状のみが異なる種々の軒樋にも簡単に対
応することができるものである。又、前縦片が軒樋の前
壁部の内面に沿うように後方へ傾倒すると共に、該前縦
片を後方へ開口した断面略コ字型の型材にて形成され、
該型材内に支持具本体の前端に形成される折曲部が嵌合
保持されて、該折曲部と前縦片とが重合軸着されている
ため、後方へ傾倒して上方からの外力により変形し易く
なった軒樋の前壁部を、断面略コ字型の型材でなる前縦
片によって変形しないよう強固に支持することができ、
しかも、その際、前縦片の断面略コ字型の中辺部分の外
面が、軒樋の前壁部の内面に面接触するように沿い、前
縦片により軒樋の前壁部は傷つかないように安定して支
持されるものであり、この場合に、前縦片が断面略コ字
型の型材であることを有効に利用して、前縦片の軸着部
分を中心とする回動が簡単に防止されるものである。

〔実施例〕

以下、本考案を、図面に示した実施例に基づいて詳細
に説明する。

第１図、第２図、第３図に示す軒樋支持具は、本考案
の一実施例で、支持具本体１の前端部に、軒樋２の前壁
部３の内面に沿って該前壁部３を支持する前縦片４を設
けてなる軒樋支持具において、前縦片４を軒樋２の前壁
部３の内面に沿うように後方へ傾側させて形成すると共
に、該前縦片４を後方へ開口した断面略コ字型の型材６
にて形成し、該型材６内に支持具本体１の前端に形成さ
れる折曲部５を嵌合保持させて、該折曲部５と前縦片４
とを重合軸着してなるものである。

支持具本体は、いずれも断面略コ字型の型材６を折曲
加工して形成される保持部材７と取着部材８とで構成さ
れている。該保持部材７と取着部材８とは、ボルト９と
蝶ナット10とによって結合されている。この場合、保持
部材７にはスライド用長孔11が穿設され、該スライド用
長孔11にボルト９が貫通されているため、保持部材７は
取着部材８に対して前後方向にスライド移動され得るも
のであり、ボルト９と蝶ナット10とを緩めて保持部材７
をスライド移動させることによって、該保持部材７に保
持される軒樋２の軒先からの出寸法の調整が行われるも
のである。

支持具本体１の取着部材８の後端部は下方へ折曲され
ていて、該折曲部分はリベット12によって取着板体13が
結合固着されている。該取着板体13にはその両側部分に
各々上下に二個の釘用孔14が穿設されており、該釘用孔
14に固定釘15が挿通され軒先前面16に打ち付けられるこ
とによって、同取着板体13は軒先前面16に固定され、支
持具本体１が軒先に取り付け固定されている。又、前記
取着板体13の上下両釘用孔14の間には、該釘用孔14より
も大径のアンカーボルト用孔17が穿設されており、該ア
ンカーボルト用孔17を採用して、アンカーボルトによっ
ても、該取着板体13は軒先前面16に固定され得るもので
ある。

支持具本体１の保持部材７の後端部には、前方へ開口
した略コ字型の耳受部18が設けられている。この場合、
保持部材７の後端部が下方へ折曲されており、該下方へ
折曲された垂下片部19にはリベット12によって折曲金属
片20が結合固着されている。該折曲金属片20と前記垂下
片部19とによって、前記略コ字型の耳受部18が形成され
ている。又、前記折曲金属片20の下側前端には、斜め後
方へ折り返った耳部ガイド片21が一体に垂設されてい
る。

上記耳受部18の前側において、支持具本体１の保持部
材７及び取着部材８には、軒樋耳外れ防止ピン22が貫通
され上下方向スライド自在に保持されている。この場
合、取着部材８に穿設される前後方向の長孔23に軒樋耳
外れ防止ピン22は貫通されているため、保持部材７が取
着部材８に対して前後方向にスライド移動されても、軒
樋耳外れ防止ピン22は前記長孔23に沿ってスライド移動
し得るため、支障のないものである。

支持具本体１の保持部材７の前端部は下方へ折曲され
ていて、該下方へ折曲された折曲部５にはリベット12に
よって前縦片４が結合固着されている。該前縦片４は、
断面略コ字型の型材６を折曲加工して形成されるもので
ある。又、該前縦片４は、前記折曲部５に重合される垂
直片部24と、該垂直片部24の上端から斜め後方へ延出す
る傾斜片部25と、該傾斜片部25の上端に延設される屈曲
片部26とで構成されている。この場合、断面略コ字型の
型材６にて形成される該前縦片４の垂直片部24内に、保
持部材７前端の折曲部５が嵌合保持されており、又、そ
の際、両者の断面略コ字型の型材６は同方向にして嵌合
されている。又、リベット12による前縦片４及び折曲部
５の結合固着部分には、各々凹曲部27が形成されてお
り、両凹曲部27が相互に同方向に嵌合されて、リベット
12が貫通され納められている。

軒樋２は、合成樹脂層28内に金属製薄板29がインサー
トされて形成されており、該軒樋２の前側上縁部分に
は、中空形状の前耳部30が一体に形成されている。該前
耳部30は内方へ折り返っており、同前耳部30の内側に凹
部31が形成されている。又、軒樋２の後側上縁部分に
は、中空形状の後耳部32が一体に形成されている。又、
該軒樋２の前壁部３の内面に沿った形状に、上記前縦片
４は形成されるものである。

軒樋２が支持具本体１に保持されるに際しては、前壁
部３上端の凹部31が前縦片４上端の屈曲片部26に嵌合係
止される共に、前壁部３の下端内角部分が前縦片４の下
端部に係止され、同前壁部３が同前縦片４上に当接支持
され、後耳部32が耳受部18に係合されるものである。
又、後耳部32が耳受部18に係合される際には、該後耳部
32が耳部ガイド片21にガイドされて上方へ移動され、該
後耳部32が軒樋耳外れ防止ピン22を上方へ押し上げなが
ら該後耳部32は耳受部18に係合されるものであり、後耳
部32が耳受部18に係合された後には、軒樋耳外れ防止ピ
ン22が下方へ下りて、後耳部32が耳受部18から外れるの
を防止するものである。

したがって、該実施例の軒樋支持具においては、支持
具本体１の前端に折曲部５が形成され、該折曲部５と軒
樋２の前壁部３を支持する前縦片４とが、別体となって
相互に重合されてリベット12によって軸着されているた
め、前縦片４のみを取り替えて製造することによって、
前壁部３の形状のみが異なる種々の軒樋２にも簡単に対
応することができるものである。又、前縦片４が軒樋２
の前壁部３の内面に沿うように後方へ傾側すると共に、
該前縦片４が後方へ開口した断面略コ字型の型材６にて
形成され、該型材６内に支持具本体１の前端に形成され
る折曲部５が嵌合保持されて、該折曲部５と前縦片４と
が重合軸着されているため、後方へ傾側して上方からの
外力により変形し易くなった軒樋２の前壁部３を、断面
略コ字型の型材６でなる前縦片４によって変形しないよ
うに強固に支持することができ、しかも、その際、前縦
片４の断面略コ字型の中辺部分の外面が、軒樋２の前壁
部３の内面に面接触するように沿い、前縦片４により軒
樋２の前壁部３は傷がつかないように且つ安定して支持
されるものであり、この場合に、前縦片４が断面略コ字
型の型材６であることを有効に利用して、前縦片４の軸
着部分を中心とする回動が簡単に防止されるものであ
る。

なお、本考案の軒樋支持具においては、第４図、第５
図、第６図に示す実施例の如きであっても良いものであ
る。すなわち、該実施例の軒樋支持具においては、支持
具本体１全体が断面略コ字型の型材６にて一体に形成さ
れており、該支持具本体１の後部下面に、略コ字型材33
がリベット12にて結合固着されることによって、耳受部
18が設けられている。又、同支持具本体１の前端部は上
方へ折曲されていて、該上方へ折曲された折曲部５が、
断面略コ字型の型材６にて形成された前縦片４内に嵌合
保持されている。この場合、折曲部５及び前縦片４が共
に断面略コ字型の型材６にて形成されており、両者は相
互に対向する方向に嵌合されている。又、リベット12に
よる前縦片４及び折曲部５の結合固着部分には、各々凹
曲部27が形成されており、両凹曲部27の底部分が相互に
対向され、リベット21にて結合されて、該リベット12が
納められている。

〔考案の効果〕

上述の如く、本考案の軒樋支持具においては、支持具
本体の前端に折曲部が形成され、該折曲部と前縦片とが
重合されて軸着されているため、前縦片のみを取り替え
て製造することによって、前壁部の形状のみが異なる種
々の軒樋にも簡単に対応することができるものである。
又、前縦片が軒樋の前壁部の内面に沿うように後方へ傾
側すると共に、該前縦片が後方へ開口した断面略コ字型
の型材にて形成され、該型材内に支持具本体の前端に形
成される折曲部が嵌合保持されて、該折曲部と前縦片と
が重合軸着されているため、後方へ傾側して上方からの
外力により変形し易くなった軒樋２の前壁部を、断面略
コ字型の型材でなる前縦片によって変形しないよう強固
に支持することができ、しかも、その際、前縦片の断面
略コ字型の中辺部分の外面が、軒樋の前壁部の内面に面
接触するように沿い、前縦片により軒樋の前壁部は傷が
つかないよう安定して支持されるものであり、この場合
に、前縦片が断面略コ字型の型材であることを有効に利
用して、前縦片の軸着部分を中心とする回動が簡単に防
止されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である軒樋支持具を示す斜視
図、第２図は同軒樋支持具の要部断面図、第３図は同軒
樋支持具の施工状態を示す側面図、第４図は別の実施例
である軒樋支持具を示す斜視図、第５図は同軒樋支持具
の要部断面図、第６図は同軒樋支持具の施工状態を示す
側面図、第７図は本考案の従来例である軒樋支持具の施
工状態を示す側面図、第８図は従来の改良案である軒樋
支持具を示す要部斜視図である。 図において、１は支持具本体、２は軒樋、３は前壁部、
４は前縦片、５は折曲部である。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】支持具本体の前端部に、軒樋の前壁部の内
   面に沿って該前壁部を支持する前縦片を設けてなる軒樋
   支持具において、前縦片を軒樋の前壁部の内面に沿うよ
   うに後方へ傾倒させて形成すると共に、該前縦片を後方
   へ開口した断面略コ字型の型材にて形成し、該型材内に
   支持具本体の前端に形成される折曲部を嵌合保持させ
   て、該折曲部と前縦片とを重合軸着してなる軒樋支持
   具。