JPH05202589A - 軒樋支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軒先部分が体裁良く覆い隠され、しかも、折
曲変形し難い強固な軒樋支持装置とする。 【構成】 断面略コ字型材でなる縦片部材１の後側に断
面略コ字型材でなる支持部材２が重合固定され、この支
持部材２の下端部が後方へ折曲延設されて軒先固定部３
が形成され、縦片部材１の下端に軒樋５を保持する樋保
持体４が設けられ、同縦片部材１の上端が後方へ傾倒延
設されて上保持部６が形成され、この上保持部６と前記
樋保持体４の前端保持部７との間に軒先部分を大きく覆
い隠す軒先カバ−材８が取着保持されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、軒樋の前側上端部分に
軒先カバ−材を設けてなる軒樋支持装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図６に示す如く、軒先前面
（イ）に固定される樋支持具（ロ）に軒樋（ハ）を取着
保持せしめ、該軒樋（ハ）の前側上端部分に軒先カバ−
材（ニ）を設けてなる軒樋支持装置は知られている。該
軒樋支持装置においては、樋支持具（ロ）から上方へ突
設される支持片部材（ホ）によって軒先カバ−材（ニ）
が保持されており、該軒先カバ−材（ニ）によって樋支
持具（ロ）等と共に軒先部分が体裁良く覆い隠されるも
のである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の軒樋支持装置においては、上前方へと傾倒した支持
片部材（ホ）によって軒先カバ−材（ニ）が保持されて
いるため、該軒先カバ−材（ニ）によっては軒先部分の
上側が充分に覆い隠されず、軒先部分が上方へ大きく露
出するという外観上の問題があり、又、上方から軒先カ
バ−材（ニ）にかかった外力荷重によって、支持片部材
（ホ）或いは樋支持具（ロ）が折曲変形して破損し易い
という設計強度上の問題もあった。

【０００４】本発明は、上記従来の技術における問題を
解決するために発明されたものであり、すなわちその課
題は、軒先部分を充分に覆い隠すことができ、しかも、
折曲変形し難くて強固な軒樋支持装置を提供することで
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の軒樋支持装置
は、断面略コ字型材でなる縦片部材の後側に断面略コ字
型材でなる支持部材を重合固定し、該支持部材の端部を
後方へ折曲延設して軒先固定部を形成し、縦片部材の下
端に樋保持体を設けて該樋保持体に軒樋を取着保持せし
め、同縦片部材の上端を後方へ傾倒延設して上保持部を
形成し、該上保持部と前記樋保持体の前端保持部との間
に、軒樋の前側上端部分から上後方へと傾倒した軒先カ
バ−材を取着保持せしめてなり、この構成によって上記
課題が解決されたものである。

【０００６】

【作用】本発明の軒樋支持装置においては、縦片部材の
上端が後方へ傾倒延設されて形成された上保持部と、樋
保持体の前端保持部との間に、軒樋の前側上端部分から
上後方へと傾倒した軒先カバ−材が取着保持されている
ため、該軒先カバ−材によって軒先部分が上側からも充
分に覆い隠されて外観良好である。しかも、断面略コ字
型材でなる縦片部材の後側に断面略コ字型材でなる支持
部材が重合固定され、該支持部材の端部が後方へ折曲延
設されて軒先固定部が形成され、縦片部材の下端に軒樋
が取着保持される樋保持体が設けられているため、軒樋
或いは前記軒先カバ−材に上方から外力荷重がかかって
も縦片部材及び支持部材は折曲変形し難く、軒樋及び軒
先カバ−材が確実強固に保持されるものである。

【０００７】

【実施例】図１、図２、図３に示す軒樋支持装置は、本
発明の一実施例で、断面略コ字型材でなる縦片部材１の
後側に断面略コ字型材でなる支持部材２を重合固定し、
該支持部材２の端部を後方へ折曲延設して軒先固定部３
を形成し、縦片部材１の下端に樋保持体４を設けて該樋
保持体４に軒樋５を取着保持せしめ、同縦片部材１の上
端を後方へ傾倒延設して上保持部６を形成し、該上保持
部６と前記樋保持体４の前端保持部７との間に、軒樋５
の前側上端部分から上後方へと傾倒した軒先カバ−材８
を取着保持せしめてなるものである。

【０００８】縦片部材１及び支持部材２はいずれも金属
製の断面略コ字型材でなり、いずれも前方へ開口した状
態で相互に重合されるものである。支持部材２は縦片部
材１の後側に嵌合されて重合固定されており、この場
合、支持部材２に穿設された角孔９と縦片部材１に穿設
された長孔10とにビス11が貫通され、該ビス11にワッシ
ャ−が被嵌される共に蝶ナット12が螺合せれて、該蝶ナ
ット12とビス11の締め付けによって、縦片部材１と支持
部材２とが結合固定されている。したがって、支持部材
２に対して縦片部材１を上下方向に移動させて該縦片部
材１の高さ調節を行うことができるものである。

【０００９】支持片部材２の下端部分が後方へ折曲延設
されて軒先固定部３が形成されており、該軒先固定部３
は上方へ折曲していて、リベット13にて軒先取着板14が
固着されている。該軒先取着板14の両側には取着孔15が
穿設されており、該取着孔15に挿通される固定釘16によ
って、該軒先取着板14が軒先前面に打ち付け固定される
ものである。

【００１０】縦片部材１の下端には傾斜片17が垂設され
ており、該傾斜片17に樋保持体４がリベット13によって
結合固着されるものである。該樋保持体４は帯状金属板
を折曲加工して形成されたものであり、その後端部には
略コ字状に折曲した耳保持部18が形成され、同前端部に
は略Ｕ字状に折曲した前端保持部７が形成されている。
同樋保持体４の耳保持部18の前側にはリベット13にて板
バネ19が固着されており、該板バネ19は同耳保持部18に
係合保持される軒樋５の後側の耳部20の外れを防止する
ものである。該樋保持体４には軒樋５が取着保持される
ものであるが、その際、軒樋５の前側の耳部20は後下方
へと折り返っていて、樋保持体４の前端保持部７に係合
されており、軒樋５の後側の耳部20は樋保持体４の耳保
持部18に係合されている。

【００１１】上記樋保持体４の前端保持部７には、軒樋
５の前側の耳部20の上から、軒先カバ−材８の下端の耳
部20が係合されており、該耳部20の上から押さえ片21が
押圧当止されて、両耳部20は同前端保持部７に外れない
ように係合保持されている。該押さえ片21は縦片部材１
の下端部分にビス11、蝶ナット12によって重合固定され
ており、その際、押さえ片21に穿設された長孔10にビス
11が貫通されているため、押さえ片21を縦片部材１に対
して上下方向に移動させることができるものである。

【００１２】縦片部材１の上端には後方へ傾倒延設され
た上保持部６が形成されており、該上保持部６の後側に
は折曲バネ片22がビス11と蝶ナット12にて結合固着され
ている。同上保持部６には、軒先カバ−材８の上端の耳
部20が下方へ折り返って形成された凹溝部23が係合さ
れ、同耳部20に前記折曲バネ片22が係止されて保持され
ている。

【００１３】軒樋５及び軒先カバ−材８は、合成樹脂層
内に薄金属板をインサ−トしてなる帯板部材を折曲加工
して形成されたものであり、その両側端部分に中空の耳
部20が一体に形成されている。軒樋５は、前側の耳部20
よりも後側の耳部20が高く形成された角型樋である。
又、軒先カバ−材８は、前方へ膨らむように湾曲形成さ
れている。

【００１４】したがって、該実施例の軒樋支持装置にお
いては、縦片部材１の上端が後方へ傾倒延設されて形成
された上保持部６と、樋保持体４の前端保持部７との間
に、軒樋５の前側上端部分から上後方へと傾倒した軒先
カバ−材８が取着保持されているため、軒樋５とこれに
連続する同軒先カバ−材８とによって軒先部分が上下に
亘って充分に覆い隠されて外観良好となっている。しか
も、断面略コ字型材でなる縦片部材１の後側に断面略コ
字型材でなる支持部材２が重合固定され、該支持部材２
の下端部が後方へ折曲延設されて軒先固定部３が形成さ
れ、縦片部材１の下端に軒樋５が取着保持される樋保持
体４が設けられているため、軒樋５或いは前記軒先カバ
−材８に上方から外力荷重がかかっても縦片部材１及び
支持部材２は折曲変形し難く、軒樋５及び軒先カバ−材
８は確実強固に保持されるものである。

【００１５】なお、本発明の軒樋支持装置においては、
図４、図５に示す実施例の如きであっても良いものであ
る。すなわち、該実施例の軒樋支持装置においては、縦
片部材１の後側に支持部材２が重合固定されるに際し
て、支持部材２に穿設された丸孔24と縦片部材１に穿設
された丸孔24とに貫通されるリベット13によって、相互
に移動できないように結合固定されている。又、支持部
材２以外は上記実施例と同様であり、同支持部材２は折
版屋根25の山型頂部26上に重合固定されるものである。
この場合、支持部材２の下端部分が後方へ折曲延設して
軒先固定部３が形成されており、該軒先固定部３におい
ては断面略コ字型材の両側片部分が拡開されていて、同
軒先固定部３が山型頂部26上に嵌合されるものである。
又、支持部材２の軒先固定部３に穿設された長孔10に挿
通されるボルト27と、該ボルト27に螺合されるナット28
によって同軒先固定部３は山型頂部26に結合固定されて
おり、該支持部材２を折版屋根25に対して前後方向に移
動させることによって、軒樋及び軒先カバ−材の出寸法
の調節を行うことができるものである。

【００１６】

【発明の効果】上述の如く、本発明の軒樋支持装置にお
いては、後方へ傾倒した上保持部と樋保持体の前端保持
部との間に、上後方へと傾倒した軒先カバ−材が取着保
持されているため、該軒先カバ−材によって軒先部分が
上側からも充分に覆い隠されて外観良好であり、しか
も、断面略コ字型材でなる縦片部材の後側に断面略コ字
型材でなる支持部材が重合固定され、該支持部材の端部
が後方へ折曲延設されて軒先固定部が形成され、縦片部
材の下端に軒樋が取着保持される樋保持体が設けられて
いるため、上方から外力荷重がかかっても縦片部材及び
支持部材は折曲変形し難く、軒樋及び軒先カバ−材が確
実強固に保持されるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である軒樋支持装置を示す斜
視図である。

【図２】同実施例の部分断面図である。

【図３】同実施例の要部分解斜視図である。

【図４】別の実施例である軒樋支持装置を示す要部斜視
図である。

【図５】同実施例の要部分解斜視図である。

【図６】本発明の従来例である軒樋支持装置を示す断面
図である。

【符号の説明】

１ 縦片部材 ２ 支持部材 ３ 軒先固定部 ４ 樋保持体 ５ 軒樋 ６ 上保持部 ７ 前端保持部 ８ 軒先カバ−材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大門 俊文 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面略コ字型材でなる縦片部材の後側に
   断面略コ字型材でなる支持部材を重合固定し、該支持部
   材の端部を後方へ折曲延設して軒先固定部を形成し、縦
   片部材の下端に樋保持体を設けて該樋保持体に軒樋を取
   着保持せしめ、同縦片部材の上端を後方へ傾倒延設して
   上保持部を形成し、該上保持部と前記樋保持体の前端保
   持部との間に、軒樋の前側上端部分から上後方へと傾倒
   した軒先カバ−材を取着保持せしめてなる軒樋支持装
   置。