JP2548735B2 - カカオ豆の焙煎処理法 - Google Patents

カカオ豆の焙煎処理法

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JP2548735B2 JP62189480A JP18948087A JP2548735B2 JP 2548735 B2 JP2548735 B2 JP 2548735B2 JP 62189480 A JP62189480 A JP 62189480A JP 18948087 A JP18948087 A JP 18948087A JP 2548735 B2 JP2548735 B2 JP 2548735B2
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義憲 蛭川
秀樹 馬場
澄夫 堀下
哲夫 山田
晧 松延
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、カカオ豆の焙煎処理法に関し、詳しくは原
料カカオ豆から外皮を除いたカカオニブに糖類を粉体の
状態で混合した後、該混合物を焙煎することによって、
風味の優れたチョコレートまたはココア等のチョコレー
ト製品を製造し得る、カカオ豆の焙煎処理法に関する。
【従来の技術】
カカオ豆からチョコレートやココアを製造する場合、
ココアリカーを得るまでの処理工程は、一般に何れも略
々同じであって、その概略は、凡そ以下の通りである。
即ち、先ず、カカオ豆中に夾雑する小石、金属片、砂、
袋の糸屑等の夾雑物を除去し(選別工程)、次いで選別
されたカカオ豆を焙煎して外皮(シェル)及び胚芽(ジ
ャーム)と胚乳(ニブ)を分離しやすくし(焙煎工程、
本工程はチョコレート独特の芳香を出させるための最初
の工程でもある)、さらに焙煎したカカオ豆を荒砕きし
て風簸機等によりシェル及びジャームとニブとを分離
(分離工程)後、カカオニブを摩砕機で擂潰、摩砕(摩
砕工程)することにより液状のココアリカーとし、最後
にこのココアリカーと香りづけ用の豆から得られるココ
アリカーとを適宜ブレンド(混合工程)して、所望の風
味を持つココアリカーを調製する。その後、チョコレー
トを製造する場合には、上記ココアリカーにカカオ脂或
はカカオ代用脂(ハードバター)及び粉糖や粉乳を適宜
混ぜ合わせ、ロール掛けして微粒化した後、精練(コン
チング)を行い、次いで調温(テンパリング)後、成
形、冷却して製品とする。チョコレート独特の芳香や風
味は上のコンチング工程において最終的に醸成される。 以上の如く、従来一般にカカオ豆の焙煎処理工程で
は、外皮の付いた原料豆がそのまま焙煎され、かかる焙
煎処理後、外皮を除いたカカオニブは、もはや焙煎され
ることなく摩砕機で摩砕され、ココアリカーとして爾後
適宜利用される。尤も、近年では、上の焙煎処理工程に
際し、先ず外皮の付いた原料豆を浅く焙煎して粗砕した
後、外皮を除いて得られるカカオニブを、さらに焙煎す
る《ニブロースト》と称される工程も一般化して来てい
る。 このような一般的なカカオ豆の焙煎処理法に対し、カ
カオ豆に、ロイシン、トレオニン又はアラニン等のアミ
ノ酸と、グルコース、フアクトース又はサッカロース等
の糖類の水溶液とを添加して加圧加熱し、内圧が4〜15
kg/cm2に到った時、急速に常圧に戻す処理を施すことに
よって、芳香及び風味の優れたカカオ豆を得るという、
カカオ豆の焙煎処理法が提案されている(特公昭44−32
497号)。また、外皮を除いたカカオニブを、単糖類又
は二糖類の水溶液で湿潤させて加熱し、蒸気で処理して
不快臭化合物を除去した後、乾燥したカカオaと、炭水
化物、蛋白、添加剤の混合物を、先の糖類水溶液で湿潤
させ加熱、乾燥させたものbとを混合し、この混合物に
カカオバター等を加えることによって、コンチング処理
無しにチョコレート製品を得るという方法(特公昭49−
28991号)、更には、カカオニブに糖類を水溶液として
添加後、密閉下に加圧加熱処理し、次いで乾燥焙煎する
という、カカオニブ香味改良方法(特開昭57−36938
号)も提案されている。
【従来技術の問題点】
しかしながら、このような従来の香味改良を目的とし
たカカオ豆処理法は、何れも糖とアミノ酸とのメイラー
ド反応を利用した方法であって、水分の存在が必須であ
る関係で、被処理物が湿潤状態で加熱処理され結果、そ
れらが加熱機の壁に付着して過度の過熱を受け、このた
め、風味の悪化を来すとともに、歩留りが低下するとい
う欠点を有する。
【発明の目的】
以上の状況に鑑み、本発明は、焙煎に際し水分を必要
とせずに、香味の優れたカカオニブ焙煎物乃至チョコレ
ート製品を歩留まり良く提供するのを目的とする。
【目的達成のための手段】
(概要) 本発明者は、叙上の水分の悪影響を排除する目的で鋭
意研究を重ねた結果、カカオ豆の焙煎処理に際し、カカ
オニブと糖類との乾燥混合物を焙煎するだけでも、良好
の歩留まりで、且つ著しく風味の改良された被焙煎物を
収得し得るという知見を得た。本発明はかかる知見に基
づいて完成されたもので、その要旨は、原料カカオ豆か
ら外皮を除いたカカオニブを、乾燥状態で糖類と混合し
た後、該混合物を焙煎することを特徴とする。カカオ豆
の焙煎処理法に存する。 (工程) 本発明においては、先ず原料カカオ豆を浅く焙煎す
る。この焙煎は、原料カカオ豆から外皮(シェル)を除
去するために行われるものであるから、剥皮(ハスキン
グ)が容易となる程度に焙煎すれば足りる。次いで、浅
く焙煎したカカオ豆を粗砕した後、風簸機等によりシェ
ル及びジャームをカカオニブから分離する。カカオ豆の
荒砕きに際して、粗大な粒子と微細な粒子が混在する
と、その後の焙煎にムラを生じるため、可及的粒子の大
きさが揃っているのが好ましく、粗大な粒子の夾雑は、
生焼けの原因となって全体の風味を損なう場合が多い。
なお、ハスキングした後に粗大粒子を砕き、全体のカカ
オニブの粒子を揃えてもよいことは当然である。 次に、カカオニブと糖類とを混合する。糖類として
は、単糖類及び又は二糖類を粉体の状態で使用する。特
に、チョコレート製造時での増粘現象等のトラブルを避
けるためには、庶糖若しくは乳糖を使用するのが好まし
い。混合割合は、カカオニブ20〜95重量%に対し糖類80
〜5重量%、好ましくは前者30〜70重量%と後者70〜30
重量%である。カカオニブの混合割合が蒸気下限未満で
は、チョコレート製造時でのカカオ成分の不足若しくは
糖類の過剰を生じるという不都合が起こる。他方、糖類
の割合が上記下限未満では、本発明目的とするほどの香
味増強効果を期待できない。 次いで、このカカオニブと糖類との混合物を焙煎す
る。焙煎機(ロースター)は、従来より各種形式の装置
や加熱方式が考案されているが、本発明においては、該
混合物を掻き混ぜながら焙炒しうる装置であれば如何な
る装置であってもよく、例えば回転するドラム内で、或
は固定式ドラムに回転式撹拌板の付設されたドラム内
で、外部よりガスその他の熱源によって直接加熱するよ
うな装置が適用できる。焙煎温度及び焙煎時間が処理量
或はカカオニブの粒度の大きさによって変化するので一
概に規定できないのが、処理量が20kg程度であれば大体
130〜170℃で15〜40分程度焙煎するのが適当である。但
し、この条件は焙煎装置の種類、仕込み量等により変化
するから、最適の条件は予め実験的に確定されるべきで
ある。 かくして得たカカオニブと糖類との焙煎混合物は、以
下常法通り摩砕機にて摩砕し、カカオ脂或はカカオ代用
脂(ハードバター)及び粉糖や粉乳を適宜混ぜ合わせ、
ロール掛けして微粒化した後、精練(コンチング)を行
い、次いで調温(テンパリング)後、成形、冷却してチ
ョコレート製品とする。
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明実施の態様及
び効果をより明確にするが、これらは例示であって、本
発明の精神が、かかる例示によって限定されるものでな
いことは言うまでもない。なお、以下に示す%及び部は
重量基準を意味するものとする。実施例1 浅く焙煎した原料カカオ豆を荒砕きしてハスキングし
た後、シェルを除去したカカオニブ10kgとグラニュー糖
10kgとをロースターに入れ、回転撹拌羽根にて撹拌しな
がら150℃で25分間焙煎した。このローストされたカカ
オニブとグラニュー糖の等量混合物800gをチョッパーで
粉砕し、リファイナーにて摩砕し、8時間コンチングし
た後、カカオ脂200gを加え、常法に従ってチョコレート
を製造した。このチョコレートは、濃厚な風味に加えて
独特な香ばしさを有していた。 比較のため、グラニュー糖を使用せず従来通りにして
焙煎したカカオニブを使用して製造したチョコレートと
実施例1で得たチョコレートとを官能検査にかけたとこ
ろ、20名のパネラー全員が実施例1のチョコレートを好
ましいと評価した。 実施例2 浅く焙煎した原料カカオ豆を荒砕きしてハスキングし
た後、シェルを除去したカカオニブ10kgとグラニュー糖
5kgとを撹拌用の邪魔板付き回転式ロースターに入れ、1
45℃で20分間焙煎した。このローストされたカカオニ
ブ:グラニュー糖=2:1の混合物600gをコロイドミルに
て粉砕し、砂糖200gを加えてリファイナーで摩砕し、10
時間コンチングした後、カカオ脂200gを加え、常法の如
くチョコレートを製造した。 このチョコレート20gと砂糖5gとを、加温した牛乳200
gに溶解、分散させたところ、非常に香ばしく濃厚な風
味を有したチョコレート牛乳が得られた。このチョコレ
ート牛乳は、市販されているチョコレートドリンクに見
られる。喉越しに残るえぐ味がなく、極めて良好なチョ
コレートドリンクであった。 比較例1 実施例1において、カカオニブ8kgと75%庶糖溶液10.
6kgとを使用して、同様に150℃で30分間焙煎したとこ
ろ、水分の蒸発、庶糖の再結晶化により、カカオニブ、
庶糖の撹拌羽根への粘着が起こった。また、得られたロ
ースト物を使用し実施例1と同様にしてチョコレートを
製造したところ、焦げ臭が感じられた。さらに、このロ
ースト物の歩留りは80%であって、実際の生産には好ま
しくない方法であった。 (効果) 本発明は、以上説明した如く、焙煎に際し水分を必要
とせずに、香味の優れたカカオニブ焙煎物乃至チョコレ
ート製品を歩留まり良く提供する手段を開示したもので
あって、カカオ豆加工工業及び国民の食生活に貢献しう
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀下 澄夫 兵庫県明石市大久保町高丘5−3−2 公団47−204号 (72)発明者 山田 哲夫 兵庫県神戸市垂水区学が丘5丁目2番 521−403 (72)発明者 松延 晧 兵庫県西宮市塩瀬町生瀬1198−6

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料カカオ豆から外皮を除いたカカオニブ
    に糖類を粉体の状態で混合した後、該混合物を焙煎する
    ことを特徴とする、カカオ豆の焙煎処理法。
  2. 【請求項2】カカオニブと糖類との混合割合が、前者20
    〜95重量%に対し後者80〜5重量%である、特許請求の
    範囲第1項記載の処理法。
  3. 【請求項3】糖類が、単糖類及び又は二糖類である、特
    許請求の範囲第1項又は第2項記載の処理法。
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