JP2546777Y2 - 半導体装置用の樹脂封止金型 - Google Patents

半導体装置用の樹脂封止金型

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JP2546777Y2
JP2546777Y2 JP1992006363U JP636392U JP2546777Y2 JP 2546777 Y2 JP2546777 Y2 JP 2546777Y2 JP 1992006363 U JP1992006363 U JP 1992006363U JP 636392 U JP636392 U JP 636392U JP 2546777 Y2 JP2546777 Y2 JP 2546777Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、キャビティを備えるチ
ェイスブロック、該チェイスブロックを貫通するリター
ンピン及びエジェクターピンを備える半導体装置用の樹
脂封止金型の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体装置用の樹脂封止金型は、
それぞれ表面に対応するキャビティが形成された上型と
下型とを対向して配置し、内部に所定の半導体素子を配
置した後、外部から樹脂を充填して硬化させ、しかる後
前記上型と下型を引き離し、それぞれに設けられたエジ
ェクターピンを作動させてキャビティ内の半導体装置を
取り出す構造となっていた。前記下型(上型も略同様)
について図2を参照しながら、更に詳しく説明すると、
ベースに固定されるバックアッププレート50に、スペ
ーサーブロック51を介してチェイスブロック52を取
付け、該チェイスブロック52とバックアッププレート
50との空間に上下動するエジェクタープレート53を
配置し、該エジェクタープレート53に適当本数の該エ
ジェクタープレート53を押し下げるリターンピン54
及びエジェクターピン55を取付けてなり、キャビティ
56内の半導体素子を樹脂封止すると共に、前記エジェ
クタープレート53を上下動させて前記エジェクターピ
ン55によって樹脂封止された半導体装置を取り出すよ
うにしていた。なお、図2において、57はスプリング
を、58〜61は連結ネジを示す。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例に係る半導体装置用の樹脂封止金型においては、前
記チェイスブロック52とリターンピン54とは所定の
隙間を有し、該隙間によってリターンピン54を滑動移
動させるようにしていたので、前記隙間に樹脂カスある
いは埃等が侵入して動きが悪くなり、スプリング57に
よってエジェクタープレート53が復帰できなくなり、
結果としてキャビティ内の半導体装置を突き出せなくな
るという問題点があった。また、従来例に係る半導体装
置用の樹脂封止金型においては、チェイスブロック52
に備えたリターンピン孔とリターンピン54が金属接触
をした場合、焼付を起こす場合があるという問題点があ
った。本考案はかかる事情に鑑みてなされたもので、リ
ターンピンの滑動を円滑に行うと共に、リターンピンの
焼付を防止する半導体装置用の樹脂封止金型を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の半導体装置用の樹脂封止金型は、上型及び下型に
対向して配置され、半導体素子を収納する樹脂封止空間
である所定形状のキャビティがそれぞれ表側に形成され
たチェイスブロックと、それぞれの前記チェイスブロッ
クの裏面側に上下動可能に配置されたエジェクタープレ
ートと、それぞれの前記エジェクタープレートに基端部
が固定され、対応する前記チェイスブロックを鉛直方向
に移動可能に貫通し、前記キャビティ内の製品を押し出
すエジェクターピンと、それぞれの前記エジェクタープ
レートに基端部が固定され、前記チェイスブロックに鉛
直方向に移動可能に貫通し、前記エジェクターピンの前
記キャビティ内への侵入深さを決めると共に、前記キャ
ビティ内の製品を押し出すタイミングをはかる複数のリ
ターンピンとを有する半導体装置用の樹脂封止金型にお
いて、前記チェイスブロックのリターンピンが挿通する
孔には、熱膨張を吸収可能な耐熱ブッシュを圧入固定し
て、前記リターンピンが前記耐熱ブッシュを介して滑動
するようにしている。また、請求項2記載の半導体装置
用の樹脂封止金型は、請求項1記載の半導体装置用の樹
脂封止金型において、前記エジェクタープレートを、前
記リターンピンの基端部を固定する裏面側エジェクター
プレートとその表側に配置された表側エジェクタープレ
ートとに分割し、しかも前記リターンピンが挿通する前
記表側エジェクタープレートの挿通孔には、該表側エジ
ェクタープレートの熱膨張を吸収するギャップを備えて
いる。そして、請求項3記載の半導体装置用の樹脂封止
金型は、請求項1記載の半導体装置用の樹脂封止金型に
おいて、前記エジェクタープレートを、前記リターンピ
ンの基端部を固定する裏面側エジェクタープレートとそ
の表側に配置された表側エジェクタープレートとに分割
し、しかも前記リターンピンが挿通する前記表側エジェ
クタープレートの挿通孔には、該表側エジェクタープレ
ートの熱膨張を吸収可能な耐熱ブッシュが設けられてい
る。
【0005】
【作用】請求項1〜3記載の半導体装置用の樹脂封止金
型においては、リターンピンが鉛直方向に貫通するチェ
イスブロックの孔に熱膨張を吸収可能な耐熱ブッシュを
装着して、リターンピンがこの耐熱ブッシュを介して滑
動するようにしているので、耐熱ブッシュとリターンピ
ンとの隙間が小さくなり、これによって樹脂カス等が侵
入することがなくなる。更に前記耐熱ブッシュはチェイ
スブロックとリターンピンとのメタルタッチを防止す
る。特に、請求項2記載の半導体装置用の樹脂封止金型
においては、表側エジェクタープレートが加熱される場
合に発生する熱膨張をギャップによって吸収してリター
ンピンに無理な荷重がかからないようにしている。そし
て、請求項3記載の半導体装置用の樹脂封止金型におい
ては、表側エジェクタープレートのリターンピンの挿通
孔には熱膨張を吸収可能な耐熱ブッシュが設けられてい
るので、表側エジェクタープレートが加熱されても、そ
の熱膨張による変形がリターンピンに伝わらない。
【0006】
【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案
を具体化した実施例につき説明し、本考案の理解に供す
る。ここに、図1は本考案の一実施例に係る半導体装置
用の樹脂封止金型の部分断面図である。図1に示すよう
に、本考案の一実施例に係る半導体装置用の樹脂封止金
型を構成する下型10は、底部のバックアッププレート
11と、該バックアッププレート11にスペーサーブロ
ック12を介して取付けられるチェイスブロック13
と、前記バックアッププレート11と前記チェイスブロ
ック13との中間部に配置された裏側エジェクタープレ
ート14及び表側エジェクタープレート15と、前記表
側エジェクタープレート15に基端部が嵌入したリター
ンピン16と、前記裏側エジェクタープレート14及び
表側エジェクタープレート15によって固定されるエジ
ェクターピン17とを有して構成されている。以下、こ
れらについて詳しく説明する。
【0007】前記チェイスブロック13の所定の位置に
はキャビティ18が形成され、対向する上型と共に、半
導体装置を樹脂封止できるようになっている。そして、
該チェイスブロック13の所定の位置には4本のリター
ンピン16が嵌入しているが、該リターンピン16とチ
ェイスブロック13との間には四フッ化エチレン製(商
標名「テフロン」)の耐熱ブッシュ19が装着され、前
記リターンピン16が円滑に滑動するようになってい
る。
【0008】前記リターンピン16は上部の表側エジェ
クタープレート15に隙間を有して装着されているが、
下部の裏側エジェクタープレート14の動きに対応して
前記チェイスブロック13内を上下に摺動移動するよう
になっている。なお、この実施例においては、前記リタ
ーンピン16は表側エジェクタープレート15に遊嵌さ
れているが、例えば、四フッ化エチレン等の熱膨張を吸
収する耐熱材で構成されたブッシュ20(図1に二点鎖
線で示す)によって前記リターンピン16を固定するこ
とも可能であり、これによってリターンピン16を表側
エジェクタープレート15に固定保持できる。
【0009】前記裏側エジェクタープレート14及び表
側エジェクタープレート15には、エジェクターピン1
7の基端部が固着され、チェイスブロック13には遊嵌
し、しかも該エジェクターピン17が下がった状態で、
該エジェクターピン17の先端部が前記キャビティ18
の底部と面一となるようにその長さが決定されている。
そして、前記裏側エジェクタープレート14及び表側エ
ジェクタープレート15は、図示しないスプリングが設
けられて、通常は前記スプリングに押圧されて、リター
ンピン16及びエジェクターピン17はチェイスブロッ
ク13内に収納されているが、前記キャビティ18内の
樹脂封止が完了した後は、バックアッププレート11を
貫通する図示しない突き上げロッドによって裏側エジェ
クタープレート14が押し上げられ、エジェクターピン
17が図に二点鎖線で示すようにキャビティ18内に突
出し、樹脂封止した半導体装置をキャビティ18から押
し出すようになっている。
【0010】前記動作に伴って、リターンピン16もチ
ェイスブロック13から二点鎖線で示すように突出する
が、再度リードフレームに固着されて配線された半導体
装置をキャビティ18に配置し、該下型10と図示しな
い上型とを当接させた場合には、前記リターンピン16
によって裏側エジェクタープレート14が下がり、これ
によってエジェクターピン17もキャビティ18の底面
に一致する位置まで下がるようになっている。該下型1
0(上型も同様)は以上の動作を繰り返すので、リター
ンピン16がチェイスブロック13内を往復移動をする
が、耐熱ブッシュ19を介して装着されているので、焼
付等を生じることがなく円滑に滑動することになる。な
お、以上は下型について説明したが、これと対向する上
型にも本考案を適用できることは当然である。
【0011】
【考案の効果】請求項1〜3記載の半導体装置用の樹脂
封止金型は、以上の説明からも明らかなように、リター
ンピンとチェイスブロックとの間には熱膨張を吸収でき
る耐熱ブッシュが装着されているので、前記リターンピ
ンと前記耐熱ブッシュとの隙間を小さくすることがで
き、前記隙間に樹脂カス等の侵入を防ぐことができると
共に、前記リターンピンの滑動を良くし、更にはリター
ンピンの焼付を防止でき作業性を向上させることができ
る。そして、請求項2記載の半導体装置用の樹脂封止金
型においては、表側エジェクタープレートが加熱される
場合に発生する熱膨張をギャップによって吸収している
ので、リターンピンに熱膨張に起因する無理な荷重がか
からず、結果として故障の少ない長期の寿命を有する樹
脂封止金型となる。また、請求項3記載の半導体装置用
の樹脂封止金型においては、表側エジェクタープレート
のリターンピンの挿通孔には熱膨張を吸収可能な耐熱ブ
ッシュが設けられているので、表側エジェクタープレー
トが加熱されても、その熱膨張による変形がリターンピ
ンに伝わらず、結果として故障の少ない長期の寿命を有
する樹脂封止金型となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る半導体装置用の樹脂封
止金型の部分断面図である。
【図2】従来例に係る半導体装置用の樹脂封止金型の部
分断面図である。
【符号の説明】
10 下型 11 バックア
ッププレート 12 スペーサーブロック 13 チェイス
ブロック 14 裏側エジェクタープレート 15 表側エジ
ェクタープレート 16 リターンピン 17 エジェク
ターピン 18 キャビティ 19 耐熱ブッ
シュ 20 ブッシュ

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型及び下型に対向して配置され、半導
    体素子を収納する樹脂封止空間である所定形状のキャビ
    ティがそれぞれ表側に形成されたチェイスブロックと、
    それぞれの前記チェイスブロックの裏面側に上下動可能
    に配置されたエジェクタープレートと、それぞれの前記
    エジェクタープレートに基端部が固定され、対応する前
    記チェイスブロックを鉛直方向に移動可能に貫通し、前
    記キャビティ内の製品を押し出すエジェクターピンと、
    それぞれの前記エジェクタープレートに基端部が固定さ
    れ、前記チェイスブロックに鉛直方向に移動可能に貫通
    し、前記エジェクターピンの前記キャビティ内への侵入
    深さを決めると共に、前記キャビティ内の製品を押し出
    すタイミングをはかる複数のリターンピンとを有する半
    導体装置用の樹脂封止金型において、 前記チェイスブロックのリターンピンが挿通する孔に
    は、熱膨張を吸収可能な耐熱ブッシュを圧入固定して、
    前記リターンピンが前記耐熱ブッシュを介して滑動する
    ようにしたことを特徴とする半導体装置用の樹脂封止金
    型。
  2. 【請求項2】 前記エジェクタープレートを、前記リタ
    ーンピンの基端部を固定する裏面側エジェクタープレー
    トとその表側に配置された表側エジェクタープレートと
    に分割し、しかも前記リターンピンが挿通する前記表側
    エジェクタープレートの挿通孔には、該表側エジェクタ
    ープレートの熱膨張を吸収するギャップを備えている請
    求項1記載の半導体装置用の樹脂封止金型。
  3. 【請求項3】 前記エジェクタープレートを、前記リタ
    ーンピンの基端部を固定する裏面側エジェクタープレー
    トとその表側に配置された表側エジェクタープレートと
    に分割し、しかも前記リターンピンが挿通する前記表側
    エジェクタープレートの挿通孔には、該表側エジェクタ
    ープレートの熱膨張を吸収可能な耐熱ブッシュが設けら
    れている請求項1記載の半導体装置用の樹脂封止金型。
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