JP6177695B2 - エジェクタガイドブッシュの水平方向への移動を許容するエジェクタガイド構造を備えたモールド樹脂射出成形金型 - Google Patents

エジェクタガイドブッシュの水平方向への移動を許容するエジェクタガイド構造を備えたモールド樹脂射出成形金型 Download PDF

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Description

本発明は、モールド品の成形を行うモールド射出成形金型に関し、特に、エジェクタガイドブッシュの水平方向への移動を許容するエジェクタガイド構造を備えたモールド樹脂射出成形金型に関する。
従来の突き出し機構を備えたモールド射出成形金型について、図8及び図9を参照して説明する。モールド射出成形金型100は、固定金型110と可動金型130とから成る。固定金型110は、固定側取付板10と、固定側型板20とを備えており、可動金型130は、可動側型板30と、一対の上エジェクタプレート40,下エジェクタプレート50と、可動側取付板60とを備えている。特定形状の成形品19は、固定側型板20のキャビティ(固定側成形駒)17と可動側型板30の中子型(コア、可動側成形駒)18の間で成形される。図8は、キャビティ(固定側成形駒)17と中子型(コア、可動側成形駒)18との間で成形品19が成形された状態を示している。成形機の型開閉動作は、可動側取付板60に固定された可動側型板30が、全体的に進退(図8の上下方向の移動)することにより、固定側型板20に対して可動側型板30が型開閉する。そして、型閉時においてキャビティ17内に射出・充填された成形材料が固化した後、可動側型板30が型開し、固化した成形品19は、突き出し機構70によってキャビティ17から離型させる。
成型品の突き出し機構70は、可動側型板30及び可動側中子型18を貫通してキャビティ17内に突出可能に設けられたエジェクタピン71と、このエジェクタピン71を保持して型開閉方向(図8の上下方向)に進退可能に配置された上下のエジェクタプレート40,50とから成り、成形機側のエジェクタロッド(図示しない)が上昇(図8において)により、可動側型板30に対して相対的にエジェクタピン71を、上下エジェクタプレート40,50により挟んで、前進(図8において上昇)させることによって、エジェクタピン71で成形品19を突き出すように構成している。
従来の上下エジェクタプレート40,50を進退させる際のガイド機構の一例を図9により説明する。可動側取付板60と可動側型板30の間には、複数のエジェクタガイドピン81,81が取り付けられている。エジェクタガイドピン81,81は、夫々可動側型板30及び可動側取付板60に対して固定ピン13及び固定ボルト14により所定の位置に固定されている。このエジェクタガイドピン81,81を摺動自在に案内するためのエジェクタガイドブッシュ82、82を上下エジェクタプレート40,50間に挟んで保持している。このエジェクタガイドブッシュ82は、その筒部82bの外周からフランジ部82aを突出させて構成され、エジェクタガイドブッシュ82の筒部82bをエジェクタプレート40,50に形成する貫通孔42,52に嵌合させた状態でフランジ部82aを上下エジェクタプレート40,50との間に挟み込むことによって上下エジェクタプレート40,50間に取り付けられている。上下エジェクタプレート40,50との間には、リングスペーサ83が挟み込まれ、上下プレート固定ボルト84によって固定されている。これにより、型開時(図示なし)には、エジェクタロッド(図示しない)の上昇(図8において)により、上下エジェクタプレート40,50間に挟まれたエジェクタガイドブッシュ82、82は、エジェクタガイドピン81、81に案内されて上下に摺動することができる。
従来、エジェクタピンによる成形品の突き出し機構を備えた射出成形金型として例えば特許文献1〜4などが知られている。
特開平8−187753号公報 特開2003−155020号公報 特開2004−345275号公報 特開2008−155490号公報
図8、図9に示す従来のモールド射出成形金型において、エジェクタガイドピン81を、エジェクタガイドブッシュ82を介して支持する上下エジェクタプレート40,50は、エジェクタピン71の移動方向に対して図8の直交方向、すなわち、図8の水平方向の位置において動きがぶれないように構成されている。つまり、上下エジェクタプレート40,50に組み付けたエジェクタガイドブッシュ82によってエジェクタガイドピン81が摺動自在に案内されている。通常、モールド射出成形金型においては、2組から4組のエジェクタガイドピン81とエジェクタガイドブッシュ82が組み込まれている。しかし、モールド射出成形金型は、成形樹脂の種類毎に金型温度を設定し、常温から高いものでは200℃以上にも達する。このため、適正成形温度に調整された可動金型130(可動側型板30び可動側取付板60)と、温度調整が困難な上下エジェクタプレート40,50との間では熱膨張差が生じ易く、この可動側型板30及び可動側取付板60と上下エジェクタプレート40,50との熱膨張差によって、図9に一点鎖線81’で示すように、エジェクタガイドピン81が変形し、特に高温成形が必要な金型においては、大きな熱膨張差が生じてエジェクタ動作において不良が起こり易い。このようなエジェクタ動作の不良が発生すると、成形品19が突き出せなくなり型外排出不良が発生し、連続成形が出来なくなる等、生産性の低下を招き、最悪の場合は、エジェクタピン71と可動側中子型18(コア)に設けたエジェクタピン71の摺動穴とにカジリが発生し、中子型18を再製作して交換する等の高いメンテナンス費用が発生することになり、これらを改善させる金型技術を必要としていた。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、可動金型とエジェクタプレートとの熱膨張差によって生じるエジェクタガイドピンの変形を防止し、エジェクタ動作の不良を防ぐことができるエジェクタガイドブッシュの水平方向への移動を許容するエジェクタガイド構造を備えたモールド樹脂射出成形金型を提供することを目的とするものである。
本発明のモールド樹脂射出成形金型は、固定金型と可動金型とでモールド品の成形を行うモールド射出成形金型において、該モールド射出成形金型から成形品を突き出して排出するエジェクタピンと、このエジェクタピンを支持し上下分割して構成したエジェクタプレートと、このエジェクタプレートを案内するエジェクタガイドピンと、前記エジェクタピンの移動方向に沿って前記エジェクタプレートを前記エジェクタガイドピンに沿って摺動案内するために前記エジェクタプレートに形成する貫通孔に組み付けたエジェクタガイドブッシュと、前記上下のエジェクタプレートの間に介在させるリングスペーサとを備えており、前記エジェクタガイドブッシュは、前記エジェクタピンを摺動案内する筒部と、この筒部の外周から突出するフランジ部とを備え、前記筒部を前記エジェクタプレートの前記貫通孔に挿通させると共に、前記フランジ部を前記上下のエジェクタプレートの間に挟み込むよう配置し、前記リングスペーサは、内側に前記エジェクタガイドブッシュの前記フランジ部を位置させる穴部を備え、前記エジェクタプレートの前記貫通孔の内径は、前記エジェクタガイドブッシュの前記筒部の外径より大きく設定されると共に、前記リングスペーサの前記穴部の内径は、前記エジェクタガイドブッシュの前記フランジ部の外径より大きく設定されて、水平クリアランスが設定され、前記リングスペーサの厚みは前記エジェクタガイドブッシュの前記フランジ部の厚みよりも厚く設定されて、垂直クリアランスが設定され、エジェクタガイドブッシュの水平方向への移動を許容するエジェクタガイド構造を備えたことを特徴とする。
これにより、可動金型とエジェクタプレートとの間に熱膨張差が生じた際には、エジェクタピンの移動方向に対して直交する水平方向にエジェクタガイドブッシュが移動できるように、エジェクタプレートにスライド自在に組み付けられるとともに、エジェクタプレートに対するエジェクタガイドブッシュの水平方向へとスライド移動を許容する。
また、本発明のモールド樹脂射出成形金型は、前記水平クリアランスは0.1〜0.5mmで設定されることを特徴とする。
また、本発明のモールド樹脂射出成形金型は、前記垂直クリアランスは0.001mm〜0.005mmで設定されることを特徴とする。
本発明のエジェクタガイドブッシュの水平方向への移動を許容するエジェクタガイド構造を備えたモールド樹脂射出成形金型は、エジェクタガイドピンがエジェクタピンの移動方向に対して平行に配置され、エジェクタピンを支持するエジェクタプレートは、エジェクタガイドピンに沿って固定金型に対して進退する。この時、エジェクタプレートは、エジェクタピンの移動方向に対して垂直方向の位置において動きがぶれないようにエジェクタプレートに組み付けたエジェクタガイドブッシュによって摺動自在に案内されており、これによりエジェクタガイドブッシュによって案内されるエジェクタプレートも可動金型に対して平行を保って前進・後退が可能となり、エジェクタピンによって安定的に成形品を突き出すことができる。
そして、エジェクタガイドブッシュと、このエジェクタガイドブッシュを組み付けるエジェクタプレートの貫通孔との間にエジェクタガイドブッシュの水平方向のスライド移動を許容するクリアランスを形成することによって、可動金型とエジェクタプレートとで熱膨張差が生じたとしても、エジェクタガイドピンとエジェクタプレートとが突き当たらないため、エジェクタガイドピンが撓むなどの変形を防止することができる。これにより、エジェクタピンの動作不良を起こすことなく、成形後において成形品を安定的に突き出すことができるとともに、エジェクタピンの撓みによる摺動穴のカジリなどの損傷を防止することができる。
本発明の実施例1を示すモールド射出成形金型の全体構造を示す断面図である。 本発明の実施例1を示すエジェクタガイドブッシュ部分を拡大した断面図である。 本発明の実施例2を示すモールド射出成形金型の全体構造を示す断面図である。 本発明の実施例3を示すモールド射出成形金型の全体構造を示す断面図である。 本発明の実施例4を示すモールド射出成形金型の全体構造を示す断面図である。 本発明のリングスペーサを示す斜視図である。 本発明のリングスペーサの変形例を示す斜視図である。 従来例のモールド射出成形金型の全体構造を示す断面図である。 従来例のモールド射出成形金型のエジェクタガイドブッシュ部分を拡大した断面図である。
以下、本発明のモールド樹脂射出成形金型について説明する。なお、以下の実施例において、「水平方向」及び「垂直方向」とは、図1において示す「水平方向」及び「垂直方向」を示すものとして使用するが、エジェクタピンの移動方向(図1においては「垂直方向」)を基準として、それに対して直交する方向を「水平方向」として表現する場合もある。
図1、図2を参照して本発明の実施例1を説明する。なお、図1、図2においてモールド射出成形金型の具体的構造は、図8、図9に示す従来例のモールド射出成形金型と実質同一であるため、従来例と共通機能を部分には共通する符号を付し、重複する部分の説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。なお、従来技術と本発明とに構成上の相違がある場合でも、対応する部品には同一の符号を付けて説明する。
図1は、本発明のエジェクタガイドブッシュ82を組み込んだ構造図を示しており、同図に示すように、可動側取付板60と可動側型板30の間に上下エジェクタプレート40,50をガイドするエジェクタガイドピン81を設け、このエジェクタガイドピン81に沿って摺動するエジェクタガイドブッシュ82を上下のエジェクタプレート40,50間に保持している。
エジェクタガイドピン81は、下端部が締結ボルト14によって可動側取付板6に固定され、エジェクタガイドピン81の先端は、エジェクタガイドピン81に植設した位置決めピン13によって可動側型板3に位置決めされている。
エジェクタガイドブッシュ82は、図2に示すように、エジェクタガイドピン81に沿って摺動するように摺動孔82cを有する。さらに、エジェクタガイドブッシュ82は、筒部82bと、この筒部82bの外周から突出するフランジ部82aとで構成されている。このフランジ部82aの外径寸法は、筒部82bの外径より10mm以上大きく形成されている。また、上下エジェクタプレート40,50には、エジェクタガイドピン81と対応する位置に夫々貫通孔42,52を形成し、この貫通孔42,52に対してエジェクタガイドブッシュ82の筒部82bを挿通させ、かつ、フランジ部82aを上下エジェクタプレート40,50の間に挟み込むよう配置することによって、上下エジェクタプレート40,50に対してエジェクタガイドブッシュ82を所定の範囲内で位置決め保持している。なお、上下エジェクタプレート40,50の間にはリングスペーサ83を介在させている。ここでリングスペーサ83の厚みはエジェクタガイドブッシュ82のフランジ部82aの厚みよりも少し厚いので、このリングスペーサ83によってエジェクタガイドブッシュ82のフランジ部82aは所定の垂直クリアランスを保って上下エジェクタプレート40,50の間に挟み付けられて配置されている。
このリングスペーサ83の詳細構造は、図6に示すように、中央部に穴部83cを有してリング状に形成され、その穴部83cの内側にエジェクタガイドブッシュ82のフランジ部82aを位置させるように、エジェクタガイドブッシュ82をエジェクタプレート40,50で上下から挟み付けた状態で締付けボルト84,85によって上下のエジェクタプレート40,50に固定している。これにより、エジェクタガイドブッシュ82は、フランジ部82aがリングスペーサ83によって囲まれた状態でエジェクタプレート40,50間に配置され、かつ、リングスペーサ83によって各エジェクタプレート40,50とフランジ部82aとの間に垂直クリアランス(図1の上下方向)を保った状態でエジェクタガイドブッシュ82が配置される。このエジェクタプレート40,50とフランジ部82aとの垂直クリアランスは、0.001mm〜0.005mmに設定されている。このエジェクタプレート40,50とフランジ部82aとの垂直クリアランスによってエジェクタガイドブッシュ82はエジェクタプレート40,50に沿って水平方向(図1の左右方向)へのスライド移動が可能となる。
また、エジェクタプレート40,50の貫通孔42,52の内径は、エジェクタガイドブッシュ82の筒部82bの外径より大きく設定され、リングスペーサ83の穴部83cの内径は、エジェクタガイドブッシュ82のフランジ部82aの外径より大きく設定されている。これにより、図1に示すように、エジェクタガイドブッシュ82と貫通孔42,52との間に水平クリアランスxが形成され、さらに、リングスペーサ83とフランジ部82aとの間に水平クリアランスyが形成される。この水平クリアランスx,yは、金型の大きさ、エジェクタガイドピン81のピッチ設定、金型成形温度により設定されるが、通常、この種のモールド樹脂射出成形金型においては、水平クリアランスx,yは0.1〜0.5mmである。なお、図1、図2において符号31,61は固定金型110と可動金型130に形成された温度調整用回路穴(カートリッジヒータ穴)である。
このように、本実施例1においては、エジェクタプレート40,50に組み付けたエジェクタガイドブッシュ82でエジェクタガイドピン81を摺動自在に案内することにより、エジェクタガイドブッシュ82によって案内されるエジェクタプレート40,50が可動側型板30に対して平行を保って前進・後退が可能となり、エジェクタピン71によって安定的に成形品19を突き出すことができる。また、エジェクタプレート40,50の間に介在させたリングスペーサ83によってエジェクタガイドブッシュ82のフランジ部82aとエジェクタプレート40,50に間に形成される垂直クリアランス(図1の上下方向)は0.001mm〜0.005mmの適正値に維持される。さらに、エジェクタプレート40,50の貫通孔42,52とエジェクタガイドブッシュ82との間に水平クリアランスxを、リングスペーサ83とフランジ部82aとの間に水平クリアランスyを形成することによって、可動側型板30及び可動側取付板60とエジェクタプレート40,50との熱膨張差によってエジェクタガイドピン81が水平方向に移動としても水平クリアランスx及び水平クリアランスy内においてエジェクタガイドブッシュ82が追従して水平移動し、エジェクタガイドピン81がエジェクタプレート40,50には突き当たらないため、エジェクタガイドピン81が撓むなどの変形を防止することができる。これにより、エジェクタピン71の動作不良が起こすことなく、成形後において成形品19を安定的に突き出すことができるとともに、可動側の中子型18に設けたエジェクタピン摺動穴18cのカジリなどの損傷を防止することができる。
図3は、本発明の実施例2を示し、前記実施例1と共通機能を有する部分には共通する符号を付し、重複する部分を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
前記実施例1では、エジェクタガイドブッシュ82のフランジ部82aを上下のエジェクタプレート40,50で挟み付け、エジェクタプレート40,50の間にリングスペーサ83を配置することによって、エジェクタプレート40,50とフランジ部82aとの間に0.001mm〜0.005mmの垂直クリアランスを維持した例を示したが、実施例2では、リングスペーサ83を用いずに、エジェクタプレート40,50を密着させて固定している。すなわち、実施例2では、下側のエジェクタプレート50に円形のザグリ51を形成し、このザグリ51内にフランジ部82aを収容している。このザグリ51の内径は、フランジ部12aの外径より少し大きく設定することによって、ザグリ51とフランジ部82aとの間に水平クリアランスyを形成している。また、ザグリ51をフランジ部82aの厚さより0.001mm〜0.005mm深く設定することにより、エジェクタプレート40,50とフランジ部82aとの間にエジェクタガイドブッシュ82をスライド移動するための0.001mm〜0.005mmの垂直クリアランスを形成している。なお、本実施例2において下側のエジェクタプレート50にフランジ部82aを収容するザグリ51を形成した例を示したが、上側のエジェクタプレート40にザグリ51を形成してもよく、さらには、上下各エジェクタプレート40,50の両側に対応する深さのザグリ51を形成してフランジ部82aを収容してもよい。
以上のように構成することによって、前記実施例1と同様、ザグリ51によって、エジェクタプレート40,50とフランジ部82aとの間に0.001mm〜0.005mmの垂直クリアランスが維持され、また、エジェクタガイドピン81の水平方向の移動を許容する水平クリアランスx,yが形成される。これにより前記実施例1と同様、エジェクタガイドピン81が変形することなく、エジェクタピン71の動作不良を防止することができる。
図4は、本発明の実施例3を示している。実施例3は、実施例1とエジェクタガイドピン81の組み付け構造が異なる以外、実施例1と実質同一であり、前記実施例1と共通機能を有する部分には共通する符号を付し、重複する部分を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図4に示す実施例3では、エジェクタガイドピン81の先端側が位置決めピン13によって可動側型板3のみに位置決めされ、エジェクタガイドピン81の基端部と可動側取付板60とは実施例1で示す締付ボルト14によって固定していない。すなわち、エジェクタガイドピン81の基部側を自由端として可動側型板30と可動側取付板60との間にエジェクタガイドピン81を設けている。このような構造であっても可動側型板30及び可動側取付板60と、エジェクタプレート40,50との熱膨張差によってエジェクタガイドピン81が移動しても、そのエジェクタガイドピン81の移動に追従してエジェクタガイドブッシュ82がエジェクタプレート40,50に沿って移動できるため、エジェクタガイドピン81の変形を防止することができる。
図5は、本発明の実施例4を示している。実施例4は、実施例1とエジェクタガイドピン81の組み付け構造が異なる以外、実施例1と実質同一であり、前記実施例1と共通機能を有する部分には共通する符号を付し、重複する部分を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図5に示す実施例4では、実施例3とは逆に、エジェクタガイドピン81の基部側を締付ボルト14によって可動側取付板60に固定し、エジェクタガイドピン81の先端側は、可動側型板30に固定することなく、可動側型板30と隙間zを設けている。このように、エジェクタガイドピン81の先端側は可動側型板30と隙間zを隔てることによって、可動側型板30からの熱がエジェクタガイドピン81に直接的に伝わらないように断熱することによって、可動側取付板60とエジェクタプレート40,50に温度差発生が生じにくい構造とし、かつ、仮に可動側型板30及び可動側取付板60と、エジェクタプレート40,50との熱膨張差によってエジェクタガイドピン81が移動したとしても、そのエジェクタガイドピン81の移動に追従してエジェクタガイドブッシュ82がエジェクタプレート40,50に沿って移動できるため、エジェクタガイドピン81の変形を防止することができる。
以上、本発明の各実施例を詳述したが、本発明は、前記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、図6においてリング状に形成したリングスペーサ83を示したが、要はフランジ部82aの周囲を囲むような連続した形状であればよく、例えば図7に示すように、矩形状のリングスペーサ93であってもよい。また、エジェクタプレート40,50によるエジェクタガイドピン81やエジェクタピン71の組付構造あるいは可動金型130へのエジェクタガイドピン81の取付方法など、モールド射出成形金型の具体的構成は前記各実施例に限らず適宜選定すればよい。
100 モールド射出成形金型
110 固定金型
130 可動金型
10 固定側取付板
20 固定側型板
30 可動側型板
40,50 上下エジェクタプレート
60 可動側取付板
19 成形品
71 エジェクタピン
81 エジェクタガイドピン
82 エジェクタガイドブッシュ
82a フランジ部
82b 筒部
83,93 リングスペーサ
x,y 水平クリアランス

Claims (3)

  1. 固定金型と可動金型とでモールド品の成形を行うモールド射出成形金型において、該モールド射出成形金型から成形品を突き出して排出するエジェクタピンと、このエジェクタピンを支持し上下分割して構成したエジェクタプレートと、このエジェクタプレートを案内するエジェクタガイドピンと、前記エジェクタピンの移動方向に沿って前記エジェクタプレートを前記エジェクタガイドピンに沿って摺動案内するために前記エジェクタプレートに形成する貫通孔に組み付けたエジェクタガイドブッシュと、前記上下のエジェクタプレートの間に介在させるリングスペーサとを備えており、
    前記エジェクタガイドブッシュは、前記エジェクタピンを摺動案内する筒部と、この筒部の外周から突出するフランジ部とを備え、前記筒部を前記エジェクタプレートの前記貫通孔に挿通させると共に、前記フランジ部を前記上下のエジェクタプレートの間に挟み込むよう配置し、
    前記リングスペーサは、内側に前記エジェクタガイドブッシュの前記フランジ部を位置させる穴部を備え、
    前記エジェクタプレートの前記貫通孔の内径は、前記エジェクタガイドブッシュの前記筒部の外径より大きく設定されると共に、前記リングスペーサの前記穴部の内径は、前記エジェクタガイドブッシュの前記フランジ部の外径より大きく設定されて、水平クリアランスが設定され、
    前記リングスペーサの厚みは前記エジェクタガイドブッシュの前記フランジ部の厚みよりも厚く設定されて、垂直クリアランスが設定され、
    前記エジェクタガイドブッシュの水平方向への移動を許容することを特徴とするエジェクタガイド構造を備えたモールド樹脂射出成形金型。
  2. 前記水平クリアランスは0.1〜0.5mmで設定されることを特徴とする請求項1記載のエジェクタガイド構造を備えたモールド樹脂射出成形金型。
  3. 前記垂直クリアランスは0.001mm〜0.005mmで設定されることを特徴とする請求項1又は2記載のエジェクタガイド構造を備えたモールド樹脂射出成形金型。
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