JP3633536B2 - 成形用金型及びこれを用いた成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は成形用金型及びこれを用いた成形品の製造方法に係り、特に、溶融金属射出成形用金型として好適な金型構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、溶融金属射出成形、半溶融金属射出成形(チクソモールディング)、合成樹脂射出成形等においては、成形機に射出成形用金型を取り付けて成形を行う。図11には、このような射出成形用金型10の概略構造を示す。ここで、図11には金型構造の半分の断面構造(金型構造軸線の片側部分)を模式的に示してある。この射出成形用金型10には、固定側取付板11と、この固定側取付板11に取付固定された固定側ダイプレート12と、移動側ダイプレート13と、移動側ダイプレートに取付固定されたスペーサブロック14と、スペーサブロック14に取付固定された移動側取付板15と、移動側ダイプレート13と移動側取付板15との間に配置されたエジェクタプレート16と、エジェクタプレート16に取付固定され、移動側ダイプレート13を挿通するエジェクタピン17と、移動側ダイプレート13と移動側取付板15とにその両端が取付固定されたエジェクタガイドピン18とが設けられている。なお、固定ダイプレート12と移動ダイプレート13には金型を加熱するための加熱回路10Aが配置されている。この加熱回路10Aには加熱された油、水等の加熱媒体あるいは電気ヒータ等が投入され型を加熱する。
【0003】
固定側取付板11及び固定側ダイプレート12と、移動側ダイプレート13、スペーサブロック14及び移動側取付板15とは、相互に図示左右方向に離反可能に構成され、固定側取付板11は成形機の固定側に取付固定され、移動側取付板15は成形機の可動側に取付固定される。固定側ダイプレート12にはコアブロック12aが嵌合固定され、また、移動側ダイプレート13にはコアブロック13aが嵌合固定されている。そして、これらのコアブロック12aと13aとによって、図11に示すように射出成形用金型10が型締め状態にある場合にキャビティ10cが構成されるようになっている。
【0004】
図11に示す型締め状態においては、固定側から材料が射出され、上記キャビティ10c内に材料が充填される。キャビティ10c内に充填された材料の温度が降下して固化すると、図示しない成形機の金型駆動機構によって図12に示すように金型の固定側と移動側とが離反して型開き状態となり、その後、図示しない成形機のエジェクタ駆動機構によってエジェクタプレート16がエジェクタガイドピン18に沿って固定側に移動させられるので、コア13aからエジェクタピン17が突出してキャビティ10c内の成形品10nが離型される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の射出成形用金型10においては、成形時にて溶融した金属や合成樹脂等がキャビティ10c内に充填されることから移動側ダイプレート13が高温になる一方、移動側取付板15は成形機の金型駆動機構に固定されているので成形機への放熱により温度が低くなるため、移動側ダイプレート13と移動側取付板15との間に所定の温度差が生じる。特に、溶融金属射出成形を行う場合には溶融金属の充填を良好にする為、金型温度を150〜300℃程度に加熱するため、前述の温度差は大きくなる。また、高温の溶融金属を金型内に注入するために、さらに大きな温度差が発生する。このため、図11及び図12に点線で示すように、移動側ダイプレート13が移動側取付板15に対してより大きく熱膨張し、上記エジェクタガイドピン18は移動側ダイプレート13と移動側取付板15との熱膨張の差によって外側に傾斜する。これにより、エジェクト動作時におけるエジェクタプレート16の動きが悪くなり、エジェクタピン17が突出しなくなって成形品10nの離型が不能になったり、エジェクタピン17が図11の状態に復帰しなくなったりするという不具合が発生するという問題点がある。
【0006】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、成形用金型においてエジェクタガイドピンの傾斜や位置ズレを防止することにより、エジェクト動作の不良発生を低減できる金型構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の成形用金型は、キャビティが構成された型部材と、該型部材を挿通して前記キャビティに臨むエジェクタピンと、該エジェクタピンを背後にて保持するエジェクタプレートと、該エジェクタプレートをエジェクタ方向に案内するための、前記エジェクタプレートの背後に配置された支持部材に取付固定されたエジェクタガイドピンとを有する成形用金型であって、
前記型部材には、前記エジェクタガイドピンの先端部に嵌合する嵌合部が設けられ、前記先端部と前記嵌合部との間には、前記先端部から見て前記型部材の中心側に嵌合余裕が設けられ、前記先端部と前記嵌合部は、前記型部材に対して相対的に前記エジェクタガイドピンを軸線方向に移動させることにより、前記型部材の中心側に有する前記嵌合余裕が低減される嵌合構造を有することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、エジェクタガイドピンの先端部と型部材の嵌合部との間に、先端部から見て型部材の中心側に嵌合余裕が設けられていることにより、成形時において型部材と支持部材との間に温度差が生じて型部材が熱膨張しても、上記嵌合余裕によってエジェクタガイドピンが傾斜しにくくなり、エジェクタプレートに対する位置ズレも生じないので、エジェクト動作時のエジェクタプレートの動きの悪化を抑制することができ、エジェクタピンの動作不良を低減することができる。さらに、型部材の中心側に有する嵌合余裕が低減されるように型部材に対してエジェクタガイドピンが軸線方向に相対的に移動した状態で金型の組み立て作業の一部を行うことによって、型部材によってエジェクタガイドピンをより正確に位置決めすることができるので、組み立て精度を高めることができる。例えば、型部材、エジェクタピン、エジェクタプレート、支持部材の平面的な位置決めをより高精度に行うことができる。そして、この位置決めがなされた後に、エジェクタガイドピンが正規の位置にくるように軸線方向に移動させた状態で最終的に上記部品を相互に組み付ければよい。
【0009】
ここで、型部材は、コアプレートやダイプレートなど、エジェクタプレートよりも前面側(キャビティ側)に配置された部材でさえあれば如何なる部材であってもよい。また、支持部材は、移動側取付板など、エジェクタプレートよりも背後に配置された部材でされあれば如何なる部材であってもよい。さらに、エジェクタガイドピンの先端部と型部材の嵌合部との嵌合態様としては、凹穴等で構成される嵌合部に先端部が挿入される嵌合態様であってもよく、また、先端部に設けられた凹穴等に対して嵌合部が挿入される嵌合態様であってもよい。
また、本発明の成形用金型は、キャビティが構成された型部材と、該型部材を挿通して前記キャビティに臨むエジェクタピンと、該エジェクタピンを背後にて保持するエジェクタプレートと、該エジェクタプレートをエジェクタ方向に案内するための、前記エジェクタプレートの背後に配置された支持部材に取付固定されたエジェクタガイドピンとを有する成形用金型であって、
前記型部材には、前記エジェクタガイドピンの先端部に嵌合する嵌合部が設けられ、
前記先端部と前記嵌合部との間には、前記先端部から見て前記型部材の中心側に嵌合余裕が設けられ、前記先端部と前記嵌合部は、前記エジェクタガイドピンの軸線方向に弾性変形可能な弾性部材を介して当接していることを特徴とする。
この発明によれば、弾性部材を介して先端部と嵌合部とを当接させることにより、弾性部材がエジェクタガイドピンの軸線方向に弾性変形するので、先端部と嵌合部との位置関係が多少変化しても両者の当接状態を維持することができるとともに、両者間に生ずる当接力の変化を抑制することができる。したがって、先端部と嵌合部との間の当接力のばらつきを低減することができるので、型部材の熱膨張によるエジェクタガイドピンの傾斜を防止しつつ、エジェクタガイドピンを確実に支持することが可能になる。
【0010】
本発明において、前記先端部と前記嵌合部との間の嵌合余裕が、他の側よりも前記先端部から見て前記型部材の中心側に大きく構成されていることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、先端部から見て型部材の中心側に嵌合余裕が大きく、他の側には嵌合余裕が小さいことによって、エジェクタガイドピンを嵌合部によって型部材の中心側以外の側に支持することができるので、エジェクタガイドピンのガイド方向をより安定させることができるので、エジェクタプレートをより円滑に案内することが可能になる。
【0012】
本発明において、前記先端部から見て前記型部材の中心側の前記嵌合余裕Cが、C=R・ΔT・K+A(Rは前記型部材の中心から前記嵌合部までの距離、ΔTは成形時における前記型部材と前記支持部材との温度差、Kは前記型部材の熱膨張係数、Aは−0.1〜+0.5mm)であることが好ましい。
【0013】
この発明によれば、嵌合余裕C=R・ΔT・K+Aが確保されていることにより、型部材の熱膨張による嵌合部の位置ズレによるエジェクタガイドピンの傾斜を、さらなる余裕Aをもって防止することができる。上記嵌合余裕が上記よりも小さければエジェクタガイドピンの傾斜によりエジェクタプレートの動作が悪化しやすくなり、上記よりも大きければエジェクタガイドピンに対する型部材による支持効果が得られなくなる。この場合、余裕Aは+0.1〜+0.5mmの範囲内であることが確実にエジェクタガイドピンの傾斜を回避する上でより望ましい。
【0016】
また、本発明の異なる成形用金型は、キャビティが構成された型部材と、該型部材を挿通して前記キャビティに臨むエジェクタピンと、該エジェクタピンを背後にて保持するエジェクタプレートと、該エジェクタプレートをエジェクタ方向に案内するための、前記エジェクタプレートの背後に配置された支持部材に取付固定された複数のエジェクタガイドピンとを有する成形用金型であって、前記型部材には、前記エジェクタガイドピンの先端部に嵌合する嵌合部が設けられ、前記先端部と前記嵌合部との間の、前記先端部から見て他の前記エジェクタガイドピン側の嵌合余裕Cが、C={L・ΔT・K}/2+A(Lは前記先端部と前記他のエジェクタガイドピンの先端部との間の距離、ΔTは成形時における前記型部材と前記支持部材との温度差、Kは前記型部材の熱膨張係数、Aは−0.1〜+0.5mm)であることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、エジェクタガイドピン間に嵌合余裕C={L・ΔT・K}/2+Aが確保されていることにより、型部材の熱膨張による嵌合部の位置ズレによるエジェクタガイドピンの傾斜を、さらなる余裕Aをもって防止することができる。上記嵌合余裕が上記よりも小さければエジェクタガイドピンの傾斜によりエジェクタプレートの動作が悪化しやすくなり、上記よりも大きければエジェクタガイドピンに対する型部材による支持効果が得られなくなる。この場合、余裕Aは+0.1〜+0.5mmの範囲内であることが確実にエジェクタガイドピンの傾斜を回避する上でより望ましい。
【0018】
本発明において、前記先端部と前記嵌合部は、前記型部材に対して相対的に前記エジェクタガイドピンを軸線方向に移動させることにより、前記型部材の中心側に有する前記嵌合余裕が低減される嵌合構造を有することが好ましい。
【0019】
この発明によれば、型部材の中心側に有する嵌合余裕が低減されるように型部材に対してエジェクタガイドピンが軸線方向に相対的に移動した状態で金型の組み立て作業の一部を行うことによって、型部材によってエジェクタガイドピンをより正確に位置決めすることができるので、組み立て精度を高めることができる。例えば、型部材、エジェクタピン、エジェクタプレート、支持部材の平面的な位置決めをより高精度に行うことができる。そして、この位置決めがなされた後に、エジェクタガイドピンが正規の位置にくるように軸線方向に移動させた状態で最終的に上記部品を相互に組み付ければよい。
【0020】
上記発明のより具体的な構成としては、先端部と嵌合部の少なくとも一方における、エジェクタガイドピンの軸線方向の異なる部位に、異なる高さ(例えば外径又は内径)を有する第1の部位と第2の部位を設けることが望ましい。
【0023】
本発明において、前記先端部と前記嵌合部は、前記エジェクタガイドピンの軸線方向に弾性変形可能な弾性部材を介して当接していることが好ましい。
【0024】
この発明によれば、弾性部材を介して先端部と嵌合部とを当接させることにより、弾性部材がエジェクタガイドピンの軸線方向に弾性変形するので、先端部と嵌合部との位置関係が多少変化しても両者の当接状態を維持することができるとともに、両者間に生ずる当接力の変化を抑制することができる。したがって、先端部と嵌合部との間の当接力のばらつきを低減することができるので、上記のように型部材の熱膨張によるエジェクタガイドピンの傾斜を防止しつつ、エジェクタガイドピンを確実に支持することが可能になる。
【0025】
次に、本発明のさらに別の成形用金型は、キャビティが構成された型部材と、該型部材を挿通して前記キャビティに臨むエジェクタピンと、該エジェクタピンを背後にて保持するエジェクタプレートと、該エジェクタプレートをエジェクタ方向に案内するための、前記エジェクタプレートの背後に配置された支持部材に取付固定されたエジェクタガイドピンとを有する成形用金型であって、前記エジェクタガイドピンと前記型部材とは、前記エジェクタガイドピンの軸線方向に相互に離反した状態に配置され、前記型部材には、前記エジェクタガイドピンを前記軸線方向に移動させた場合に前記エジェクタガイドピンの先端部を位置決め可能に嵌合し得る嵌合部が設けられていることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、エジェクタガイドピンの先端部が型部材の嵌合部に嵌合した状態で金型の組み立て作業の一部を行うことによって、型部材によってエジェクタガイドピンをより正確に位置決めすることができるので、組み立て精度を高めることができる。また、組み立て後においては、エジェクタガイドピンと型部材とがエジェクタガイドピンの軸線方向に相互に離反した状態に配置されるので、型部材と支持部材との間の温度差によってエジェクタガイドピンが傾斜することがなくなることから、エジェクト動作の不良を防止することができる。
【0027】
上記各発明は、溶融金属射出成形用金型若しくは半溶融金属射出成形用金型、或いは、金属ダイキャスト用金型に適用することが好ましい。成形材料の融点が高い金属成形においては金型内の温度差が大きくなるので、エジェクタガイドピンの傾斜によるエジェクト動作の不良も生じ易くなるから、上記構成は特に有効である。
【0028】
なお、上記各発明の記述内容(特に嵌合余裕に関する記述)は、基本的に金型温度が常温である状況若しくは金型内の温度分布がほぼ均一な状況における金型構造に関するものである。したがって、成形時において材料が金型のキャビティ内に注入されたり、加熱手段によって金型内に温度勾配が形成されたりした状況下では各部の熱膨張によって上記状況は変化する。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る成形用金型の実施形態について詳細に説明する。以下の金型は溶融金属射出成形用金型に関するものではあるが、本発明は、他の金型、例えば合成樹脂成形用金型、金属ダイキャスト用金型、チクソモールド用金型等にも適用することができる。
【0031】
[第1実施形態]
最初に、図1及び図2を参照して本発明に係る第1実施形態について説明する。この実施形態の射出成形用金型20においては、図1に示すように、上記従来例の各部とほぼ対応する加熱回路20A、固定側取付板21、固定側ダイプレート22、コアブロック22a、移動側ダイプレート23、コアブロック23a、スペーサブロック24、移動側取付板25、エジェクタプレート26、エジェクタピン27及びエジェクタガイドピン28を有し、コアブロック22aと23aとによってキャビティ20cが構成されている。
【0032】
本実施形態のエジェクタガイドピン28は、エジェクタプレート26の背後に配置された上記の支持部材に相当する移動側取付板25に対して、その基端部28aが緊密に嵌合し、取付ネジ29により取付固定されている。また、エジェクタガイドピン28の先端部28bは、上記の型部材に相当する移動側ダイプレート23に設けられた上記嵌合部に相当する凹穴23bに嵌合している。
【0033】
本実施形態においては、図2(a)に示すように、エジェクタガイドピン28の先端部28bと、移動側ダイプレート23の凹穴23bとの間には所定の嵌合余裕Cが設けられている。この嵌合余裕Cは、金型内に温度勾配が存在しない状態では、図2(b)に一点鎖線で示すように、先端部28bから見て移動側ダイプレート23の中心側(図示左側)に設けられた嵌合余裕Coが、その他の側に設けられた嵌合余裕C(図示例では移動側ダイプレート23の外周側;図示右側の嵌合余裕)よりも大きくなるように構成されている。これによって、成形時において移動側ダイプレート23が移動側取付板25よりも高温になったとき、移動側ダイプレート23の熱膨張によって凹穴23bが外側に移動することによるエジェクタガイドピン28の傾斜を防止若しくは低減することができる。
【0034】
また、本実施形態では、移動側ダイプレート23の中心側の嵌合余裕Coに対して、それ以外の側(図示例では移動側ダイプレート23の外周側)の嵌合余裕が小さくなっているので、凹穴23bによるエジェクタガイドピン28の支持効果を或る程度確保することができる。
【0035】
また、本実施形態では、上記嵌合余裕Coが、
Co=R・ΔT・K+A (1)
(Rは移動側ダイプレート23の中心23c(図2(c)参照)から凹穴23bまでの距 離、ΔTは成形時に生ずる移動側ダイプレート23と移動側取付板25との間の温度差、 Kは移動側ダイプレート23の熱膨張係数、Aは−0.1〜+0.5mm)
となるように構成されている。
【0036】
上記式(1)のように嵌合余裕Coが設定されているので、成形時において移動側ダイプレート23と移動側取付板25の温度差(例えばマグネシウム合金などの低融点金属を射出成形するための金型である場合には、温度差は100〜150℃程度となる。合成樹脂を射出成形するための金型である場合には、温度差は30〜80℃程度となる。)によって移動側ダイプレート23が移動側取付板25よりも大きく熱膨張するが、その熱膨張によって凹穴23bが外側に移動する量はほぼ上記のR・ΔT・Kであるので、上記嵌合余裕Coによって、熱膨張により移動側ダイプレート23がエジェクタガイドピン28を外側へ変形させることはなくなり、エジェクタガイドピン28の傾斜を防止することができる。ここで、上記余裕Aは、より確実にエジェクタガイドピン28の傾斜を防止するためには、+0.1〜+0.5mmの範囲内であることが望ましい。
【0037】
なお、図2(c)に示すように、本実施形態では複数(図示例では4つ)のエジェクタガイドピン28が設けられ、これらのエジェクタガイドピン28は、移動側ダイプレート23の中心23cから等距離にある位置に配置されている。また、上記複数のエジェクタガイドピン28の先端部にそれぞれ嵌合する複数(図示例では4つ)の凹穴23bは、上記中心23cから凹穴23bの開口縁までの距離がRとなるように形成されている。さらに、複数の凹穴23bの相互距離はL1、L2又はL3となっている。
【0038】
上記の図2(c)に示す場合には、先端部28bから見て他のエジェクタガイドピン28側の嵌合余裕Cl(図2(d)参照)を、上記式(1)の代りに、
Cl={L・ΔT・K}/2+A (2)
(Lは注目するエジェクタガイドピン28の先端部28bと嵌合する凹穴23bと、他の エジェクタガイドピン28の先端部と嵌合する他の凹穴との距離L1、L2又はL3(図 2(c)参照)、ΔTは成形時に生ずる移動側ダイプレート23と移動側取付板25との 間の温度差、Kは移動側ダイプレート23の熱膨張係数、Aは−0.1〜+0.5mm)
とすることもできる。この場合、図2(d)に示すように、上記嵌合余裕Clは、他の全てのエジェクタガイドピン又は他の全ての凹穴に対してそれぞれ成立するように確保する。例えば、図2(d)にCl1,Cl2,Cl3で示すように、或るエジェクタガイドピン28の先端部28b及びこれに嵌合する凹穴23bの嵌合状態は、他の3つのエジェクタガイドピン及び他の3つの凹穴23bに対して全て成立するように構成する。この場合にも、上記余裕Aは+0.1〜+0.5の範囲内であることが好ましい。
【0039】
[第2実施形態]
次に、図3及び図4を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。この実施形態において、加熱回路30A、キャビティ30c、固定側取付板31、固定側ダイプレート32、コアブロック32a、コアブロック33a、スペーサブロック34、移動側取付板35、エジェクタプレート36、エジェクタピン37、及び、取付ネジ39は、上記第1実施形態と同一であるので、これらの説明は省略する。
【0040】
本実施形態においても、エジェクタガイドピン38の基端部38aは移動側取付板35に取り付けられている。また、移動側ダイプレート33には凹穴33bが設けられ、ここに、エジェクタガイドピン38の先端部38bが嵌合している。ただし、上記第1実施形態とは異なり、凹穴33bは、図4に示すように、開口側に設けられた小径の第1穴部33b−1と、奥側に設けられた大径の第2穴部33b−2とを有している。また、エジェクタガイドピン38の先端部38bも、上記第1実施形態とは異なり、先端側に設けられた大径の第1軸部38b−1と、基端側に設けられた小径の第2軸部38b−2とを備えている。ここで、凹穴33bの小径の第1穴部33b−1と、先端部38bの大径の第1軸部38b−1とは相互に緊密に(すなわち僅かな嵌合余裕しか持たずに)嵌合するように構成されている。
【0041】
図3に示すように組み立てられた状態では、大径の第1軸部38b−1が大径の第2穴部33b−2内に配置され、小径の第2軸部38b−2が小径の第1穴部33b−1内に配置された状態で、先端部38bと凹穴33bとが嵌合している。この嵌合状態では、第1軸部38b−1の外径は第2穴部33b−2の内径よりも小さく、両者は所定の嵌合余裕を持っており、また、第2軸部38b−2の外径は第1穴部33b−1の内径よりも小さく、両者は所定の嵌合余裕を持っていて、その結果、先端部38bと凹穴33bとの間には、先端部38bから見て移動側ダイプレート33の中心側に第1実施形態と同様の嵌合余裕Co又はClが確保されている。また、この場合、第1実施形態と同様に他の側にはより小さな嵌合余裕しか存在しないように構成されていてもよい。
【0042】
本実施形態の金型を組み立てる場合には、図4に示すように、移動側ダイプレート33、エジェクタプレート36、エジェクタガイドピン38を、図示しないエジェクタピン37やスペーサブロック34とともに相互に係合させた状態とし、特にエジェクタガイドピン38の第1軸部38b−1が第1穴部33b−1内に配置されるようにする。このとき、第1軸部38b−1と第1穴部33b−1とは緊密に嵌合しているので、エジェクタガイドピン38を介して移動側ダイプレート33とエジェクタプレート36とを平面的に(すなわちエジェクタガイドピンと直交する平面内において)正確に位置決めすることができる。そして、そのままエジェクタガイドピン38と移動側取付板35とを取付ネジ39によって嵌合固定させ、最後にエジェクタガイドピン38を凹穴33b内に押し込み、図3に示す状態にて各部を相互に取付固定する。
【0043】
本実施形態では、図4に示す状態で移動側の各部品をエジェクタガイドピン38を介して相互に正確に位置決めすることができ、容易に組み立てを行うことができる。また、組み立て完了後には図3に示すようにエジェクタガイドピン38の先端部38bと移動側ダイプレート33の凹穴33bとが余裕を持って嵌合するように構成されているので、移動側ダイプレート33の熱膨張によるエジェクタガイドピン38の傾斜を低減若しくは防止することができる。
【0044】
[第3実施形態]
次に、図5を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。この実施形態では、図5に示されていない全ての部分について第1実施形態と同様に構成されているので、それらの説明は省略する。
【0045】
この実施形態においては、第1実施形態と同じ移動側ダイプレート23に設けられた凹穴23b内にエジェクタガイドピン28の先端部28bが挿入されているが、凹穴23b内において、先端部28bと凹穴23bの内底面との間に皿バネ等で構成された弾性部材83が配置され、先端部28bと凹穴23bとが弾性部材83を介してエジェクタガイドピン28の軸線方向(図示上下方向)に当接している点で、上記第1実施形態とは異なる。
【0046】
弾性部材83はエジェクタガイドピン28の軸線方向に弾性変形可能に構成されており、先端部28bと凹穴23bとの上記軸線方向の位置関係が多少変わっても、ほぼ同様の当接力で先端部28bと凹穴23bとが弾性部材83を介して上記軸線方向に当接するようにしている。
【0047】
本実施形態では、成形時において移動側ダイプレート23が図示しない移動側取付板25よりも高温になることによって熱膨張し、凹穴23bの位置が相対的に外側に移動したとき、先端部28bと凹穴23bとの間に嵌合余裕が設けられていることによって凹穴23bの内周面が先端部28bの外周面と当接し、エジェクタガイドピン28が傾斜することのないように構成されている。また、先端部28bの先端面は弾性部材83を介して凹穴23bの内底面に当接しているが、弾性部材83の弾性特性に応じて設定される、弾性部材83を介した先端部28bと凹穴23bとの間の当接力に起因する摩擦力は、エジェクタガイドピン28を実質的に撓ませるために必要な応力よりも小さく設定されている。その結果、移動側ダイプレート23の熱膨張により凹穴23bの位置が外側(図示右側)にずれたときに、弾性部材83と先端部28b、或いは、凹穴23bと弾性部材83とが摺動して相互にずれるため、エジェクタガイドピン28はほとんど撓まず、エジェクタガイドピンはほとんど傾斜しない。
【0048】
なお、先端部28bと凹穴23bとの間に介挿される弾性部材としては、図示例のような皿バネ以外に、コイルバネ等の各種のバネやゴムを用いることも可能である。
【0049】
[第4実施形態]
次に、図6を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。この実施形態では、図6に示されていない全ての部分について第2実施形態と同様に構成されているので、それらの説明は省略する。
【0050】
この実施形態においては、第2実施形態と同様に移動側ダイプレート33に設けられた凹穴33b内にエジェクタガイドピン38の先端部38bが挿入されているが、凹穴33b内において、先端部38bの先端面と凹穴33bの内底面との間に皿バネ等で構成された弾性部材84が配置され、先端部38bと凹穴33bとが弾性部材84を介してエジェクタガイドピン38の軸線方向(図示上下方向)に当接している点で、上記第2実施形態とは異なる。
【0051】
弾性部材84はエジェクタガイドピン38の軸線方向に弾性変形可能に構成されており、この弾性部材84によって、先端部38bと凹穴33bの上記軸線方向の位置関係が多少変わっても、ほぼ同様の当接力で先端部38bと凹穴33bとが弾性部材84を介して上記軸線方向に当接するようになっている。
【0052】
本実施形態では、成形時において移動側ダイプレート33が図示しない移動側取付板35よりも高温になることによって熱膨張し、凹穴33bの位置が相対的に外側に移動したとき、先端部38bと凹穴33bとの間に嵌合余裕が設けられていることによって凹穴33bの内周面が先端部38bの外周面と当接することのないように構成されている。また、先端部38bの先端は弾性部材84を介して凹穴33bの内底面に当接しているが、弾性部材84の弾性特性に応じて設定される、弾性部材84を介した先端部38bと凹穴33bとの間の当接力に起因する摩擦力は、エジェクタガイドピン38を実質的に撓ませるために必要な応力よりも小さく設定され、その結果、移動側ダイプレート33の熱膨張により凹穴33bの位置が外側(図示右側)にずれたときに、弾性部材84と先端部38b、或いは、凹穴33bと弾性部材84が摺動して相互にずれるため、エジェクタガイドピン38はほとんど傾斜しない。
【0053】
なお、先端部38bと凹穴33bとの間に介挿される弾性部材としては、図示例のような皿バネ以外に、コイルバネ等の各種のバネやゴムを用いることも可能である。
【0054】
[第5実施形態]
次に、図7及び図8を参照して本発明に係る第5実施形態について説明する。この実施形態においては、移動側ダイプレート43及びエジェクタガイドピン48以外の構造については上記各実施形態とほぼ同様であるので、それらの説明は省略する。
【0055】
本実施形態においては、移動側ダイプレート43に設けられた凹穴43bには、エジェクタガイドピン48の先端部48bとほぼ緊密に嵌合する第1穴部43b−1が設けられ、また、凹穴43bの開口側には、移動側ダイプレート43の中心側(図示左側)において先端部48bとの間に嵌合余裕を有する第2穴部43b−2が設けられている。なお、エジェクタガイドピン48の基端部48aは、移動側取付板45に取り付けられている。
【0056】
本実施形態では、金型組み立て時において、図7に示すように、エジェクタガイドピン48の先端部48bを、凹穴43bの奥まで挿入して第1穴部43b−1と緊密に嵌合させ、エジェクタガイドピン48を位置決めした状態でエジェクタプレート46や図示しないエジェクタピン等の平面的な位置決めを行い、その後、図示しないスペーサブロックを挿入して図8に示すようにエジェクタガイドピン48の基端部を移動側取付板45に係合固定する。そして、金型が組み立てられた状態では、図8に示すようにエジェクタガイドピン48の先端部48bは凹穴43bに対して引き出され、第1穴部43b−1から脱出して、第2穴部43b−2に嵌合した状態となる。
【0057】
本実施形態では、金型の完成状態においては、エジェクタガイドピン48の先端部48bが第2穴部43b−2内に配置されているので、移動側ダイプレート43が熱膨張して凹穴43bが外側に移動しても、その影響をエジェクタガイドピン48がほとんど受けないように構成されている。
【0058】
[第6実施形態]
次に、図9及び図10を参照して本発明に係る第5実施形態について説明する。この実施形態においては、移動側ダイプレート53及びエジェクタガイドピン58以外の構造については上記各実施形態とほぼ同様であるので、それらの説明は省略する。
【0059】
本実施形態においては、移動側ダイプレート53に設けられた凹穴53bは、エジェクタガイドピン58の先端部58bとほぼ緊密に嵌合するように構成されている。また、エジェクタガイドピン58は、金型が完全に組み立てられた状態においては移動側ダイプレート53に達しない長さに構成されている。なお、エジェクタガイドピン58の基端部58aは、移動側取付板55に取り付けられている。
【0060】
本実施形態では、金型組み立て時において、図9に示すように、エジェクタガイドピン58の先端部58bを凹穴53bに挿入して緊密に嵌合させ、エジェクタガイドピン58を位置決めした状態でエジェクタプレート56や図示しないエジェクタピン等の平面的な位置決めを行い、その後、図示しないスペーサブロックを挿入して図10に示すようにエジェクタガイドピン58の基端部を移動側取付板55に係合固定する。そして、金型が組み立てられた状態では、図10に示すようにエジェクタガイドピン58の先端部58bは凹穴53bから完全に引き出された状態となる。
【0061】
本実施形態では、金型の完成状態においては、エジェクタガイドピン58の先端部58bが凹穴53bに嵌合していないので、移動側ダイプレート53が熱膨張して凹穴53bが外側に移動しても、その影響をエジェクタガイドピン58が受けることはない。また、成形時においても成形機に固定された移動側取付板55とエジェクタプレート56との間の温度差はほとんどないので、エジェクタプレート56に対してエジェクタガイドピン58の間隔が相対的に広がることはほとんどないことから、エジェクタプレート56の案内特性を悪化させることはほとんどない。
【0062】
尚、本発明の射出成形用金型は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0063】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、温度差に起因するエジェクタガイドピンの傾斜や位置ズレを抑制し、エジェクト動作の不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形用金型の第1実施形態の構造(金型軸線の片側部分)を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態の金型の一部を拡大して示す部分拡大断面図(a)、移動側ダイプレートとエジェクタガイドピンとの嵌合部分の横断面図(b)、及び、移動側ダイプレートの全体構造を模式的に示す横断面図(c)である。
【図3】本発明に係る成形用金型の第2実施形態の構造(金型軸線の片側部分)を示す縦断面図である。
【図4】第2実施形態の組み立て時における金型の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図5】本発明に係る第3実施形態の移動側ダイプレートとエジェクタガイドピンとの嵌合部分の拡大部分断面図である。
【図6】本発明に係る第4実施形態の移動側ダイプレートとエジェクタガイドピンとの嵌合部分の拡大部分断面図である。
【図7】本発明に係る第5実施形態の組み立て時における移動側ダイプレートとエジェクタガイドピンとの嵌合部分の拡大部分断面図である。
【図8】本発明に係る第5実施形態の完成時における移動側ダイプレートとエジェクタガイドピンとの嵌合部分の拡大部分断面図である。
【図9】本発明に係る第6実施形態の組み立て時における移動側ダイプレートとエジェクタガイドピンの近傍部分の拡大部分断面図である。
【図10】本発明に係る第6実施形態の完成時における移動側ダイプレートとエジェクタガイドピンの近傍部分の拡大部分断面図である。
【図11】従来の射出成形用金型の構造(金型軸線の片側部分)を示す縦断面図である。
【図12】従来の射出成形用金型のエジェクト動作時の構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
20,30 射出成形用金型、21,31 固定側取付板、22,32 固定側ダイプレート、22a,32a コアブロック、23,33,43,53 移動側ダイプレート、23b,33b,43b,53b 凹穴、24,34 スペーサブロック、25,35,45,55 移動側取付板、26,36,46,56エジェクタプレート、27,37 エジェクタピン、28,38,48,58エジェクタガイドピン、28b,38b,48b,58b 先端部
Claims (7)
- キャビティが構成された型部材と、該型部材を挿通して前記キャビティに臨むエジェクタピンと、該エジェクタピンを背後にて保持するエジェクタプレートと、該エジェクタプレートをエジェクタ方向に案内するための、前記エジェクタプレートの背後に配置された支持部材に取付固定されたエジェクタガイドピンとを有する成形用金型であって、
前記型部材には、前記エジェクタガイドピンの先端部に嵌合する嵌合部が設けられ、
前記先端部と前記嵌合部との間には、前記先端部から見て前記型部材の中心側に嵌合余裕が設けられ、前記先端部と前記嵌合部は、前記型部材に対して相対的に前記エジェクタガイドピンを軸線方向に移動させることにより、前記型部材の中心側に有する前記嵌合余裕が低減される嵌合構造を有することを特徴とする成形用金型。 - キャビティが構成された型部材と、該型部材を挿通して前記キャビティに臨むエジェクタピンと、該エジェクタピンを背後にて保持するエジェクタプレートと、該エジェクタプレートをエジェクタ方向に案内するための、前記エジェクタプレートの背後に配置された支持部材に取付固定されたエジェクタガイドピンとを有する成形用金型であって、
前記型部材には、前記エジェクタガイドピンの先端部に嵌合する嵌合部が設けられ、
前記先端部と前記嵌合部との間には、前記先端部から見て前記型部材の中心側に嵌合余裕が設けられ、前記先端部と前記嵌合部は、前記エジェクタガイドピンの軸線方向に弾性変形可能な弾性部材を介して当接していることを特徴とする成形用金型。 - 前記先端部と前記嵌合部との間の嵌合余裕が、他の側よりも前記先端部から見て前記型部材の中心側に大きく構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型。
- 前記先端部から見て前記型部材の中心側の前記嵌合余裕Cが、
C=R・ΔT・K+A(Rは前記型部材の中心から前記嵌合部までの距離、ΔTは成形時における前記型部材と前記支持部材との温度差、Kは前記型部材の熱膨張係数、Aは−0.1〜+0.5mm)
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用金型。 - キャビティが構成された型部材と、該型部材を挿通して前記キャビティに臨むエジェクタピンと、該エジェクタピンを背後にて保持するエジェクタプレートと、該エジェクタプレートをエジェクタ方向に案内するための、前記エジェクタプレートの背後に配置された支持部材に取付固定された複数のエジェクタガイドピンとを有する成形用金型であって、
前記型部材には、前記エジェクタガイドピンの先端部に嵌合する嵌合部が設けられ、
前記先端部と前記嵌合部との間の、前記先端部から見て他の前記エジェクタガイドピン側の嵌合余裕Cが、C={L・ΔT・K}/2+A(Lは前記先端部と前記他のエジェクタガイドピンの先端部との間の距離、ΔTは成形時における前記型部材と前記支持部材との温度差、Kは前記型部材の熱膨張係数、Aは−0.1〜+0.5mm)であり、
前記先端部と前記嵌合部は、前記型部材に対して相対的に前記エジェクタガイドピンを軸線方向に移動させることにより、前記型部材の中心側に有する前記嵌合余裕が低減される嵌合構造を有することを特徴とする成形用金型。 - 前記先端部と前記嵌合部は、前記エジェクタガイドピンの軸線方向に弾性変形可能な弾性部材を介して当接していることを特徴とする請求項5に記載の成形用金型。
- キャビティが構成された型部材と、該型部材を挿通して前記キャビティに臨むエジェクタピンと、該エジェクタピンを背後にて保持するエジェクタプレートと、該エジェクタプレートをエジェクタ方向に案内するための、前記エジェクタプレートの背後に配置された支持部材に取付固定されたエジェクタガイドピンとを有する成形用金型であって、
前記エジェクタガイドピンと前記型部材とは、前記エジェクタガイドピンの軸線方向に相互に離反した状態に配置され、
前記型部材には、前記エジェクタガイドピンを前記軸線方向に移動させた場合に前記エジェクタガイドピンの先端部を位置決め可能に嵌合し得る嵌合部が設けられていることを特徴とする成形用金型。
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