JP2007289983A - 鋳造用金型及びその冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動型21と、可動型21に取り付けられる可動入子23と、可動入子23の所定位置を冷却する冷却手段とを備えてなる鋳造用金型2であって、前記冷却手段は、前記可動入子23にそれぞれ設けられ、該可動入子23に形成されたキャビティ面23aを冷却する第一の冷却通路50と、該キャビティ面23aとは反対側に位置する前記可動型21と可動入子23との合わせ面27を冷却する第二の冷却通路51とを備えてなる。
【選択図】図3
Description
また、特許文献1には、主型本体と入子に冷却手段としての冷却通路が設けられ、各冷却通路内の冷媒温度を制御して、主型及び入子自体を温度制御するように構成された鋳造用金型が開示されている(特許文献1参照)。このような構成とすることで、主型及び入子自体を積極的に冷却することで、製品形状部の熱的疲労を低減して、特に入子の長寿命化を図ることを目的とするものである。
しかしながら、上述したように主型と入子とからなる鋳造用金型は、両者の熱容量や形状が異なり、溶湯(熱)による熱応力によって両者の合わせ面において熱歪みを生じ易い。特に、大物鋳造製品の鋳造で用いられる大物鋳造用金型においては、低鋳造圧で鋳造が繰り返されることで、その間合わせ面における密着度や平面度を保つのが困難であった。
すなわち、大物鋳造用金型であっても、高鋳造圧で鋳造すれば、鋳造用金型(主型及び入子)の熱歪みを鋳造圧によって押さえ込むことで、主型と入子の合わせ面の密着度・平面度をある程度保つことができる。しかし、低鋳造圧で鋳造すれば、合わせ面の密着力が不足し、鋳造時の熱歪みによる合わせ面の平面度を保つことが困難となり、鋳造製品に鋳ばりが発生する等の鋳造不良など、鋳造精度が低下するという問題があった。
図1は本発明の一実施例に係る鋳造用金型を備えたダイカストマシンの全体的な構成を示した側面断面図、図2は可動入子における第一の冷却通路、第二の冷却通路、及び押出しピンの配置構成を示した平面図、図3は可動入子における第一の冷却通路及び第二の冷却通路の配置構成を示した断面図、図4は別実施例の鋳造用金型における第一の冷却通路、第二の冷却通路、及び温調通路の配置構成を示した断面図である。
図1に示すように、本実施例のダイカストマシン1は、ダイカスト鋳造法によりアルミニウム合金製の井桁形状のサスペンションメンバを鋳造する鋳造用金型2を備え、鋳造用金型2を固定する固定盤10及び可動盤11と、鋳造用金型2に溶湯を射出する射出スリーブ12と、鋳造製品を鋳造用金型2から押し出すための押出しピン13等とで構成されている。
本実施例の鋳造用金型2は、固定盤10に固定される固定型20と、固定型20に対して水平移動可能となるように可動盤11に取り付けられた可動型21と、固定型20と可動型21との間に形成されたキャビティ4等とで構成されている。
そして、ダイカストマシン1では、鋳造用金型2のキャビティ4内に溶湯5が注湯され、溶湯5が凝固することで井桁形状のサスペンションメンバが鋳造される。
固定型20は、可動型21側に開口する凹部が形成され、この凹部の内部にキャビティ面22aを有する固定入子22が交換可能に固定されている。また、可動型21は、固定型20側に開口する凹部が形成され、この凹部の内部にキャビティ面23aを有する可動入子23が交換可能に固定されている。中でも、可動入子23は、可動型21の凹部にて合わせ面27を介して密接されている。
そして、固定型20及び可動型21は、可動型21が移動されることで平面28を介して密着され、固定型20と可動型21とが当接された状態で、固定入子22と可動入子23のキャビティ面22a・23aとに囲繞された空間にキャビティ4が形成される。
射出スリーブ12内には、プランジャロッド12aの先端に取り付けたプランジャチップ12bが摺動自在に嵌装されており、射出スリーブ12内の溶湯5が、プランジャチップ12bにより押し出されて、湯口24及び湯道25を介してキャビティ4へ射出される。
まず、鋳造用金型2において、固定型20及び可動型21に所定の固定入子22及び可動入子23が取り付けられ、固定盤10の方向に向けて可動盤11が移動されて固定型20に可動型21が平面28を介して当接される。このように固定型20に可動型21が当接された状態では、鋳造用金型2の鋳造圧(型締め力)を確保するために、鋳造用金型2は、可動盤11によって可動型21が固定型20に押圧された状態で固定される。
続いて、射出スリーブ12のプランジャが摺動されて、射出スリーブ12内の溶湯5が、固定入子22と可動入子23とのキャビティ面22a・23aによって形成されたキャビティ4内に射出される。
そして、キャビティ4内に射出された溶湯5が凝固した後に、可動盤11が移動されて鋳造用金型2が型開きされ、押出しピン13が挿通孔を摺動されて可動入子23のキャビティ面23aより突出されることで、鋳造製品たるサスペンションメンバが可動型21及び可動入子23より離型されて取り出される。
図1に示したように、鋳造用金型2は、固定型20及び可動型21が平面28で当接された状態で、固定入子22のキャビティ面22aと可動入子23のキャビティ面23aとの離間にキャビティ4(及び湯道25、図3参照)が形成されている。
図2及び図3に示すように、本実施例の可動入子23には、キャビティ面23a及び合わせ面27を間接的に冷却するための冷却手段として、辺構成部40・41の近傍に配置されてキャビティ面23aを冷却する複数の第一の冷却通路50・50・・・と、可動型21との合わせ面27近傍に配置されて合わせ面27を冷却する複数の第二の冷却通路51・51・・・とが設けられている。
なお、図2及び図3は、第一の冷却通路50及び第二の冷却通路51の配置構成を模式的に示した図である。以下、可動入子23のキャビティ面23aと合わせ面27との離間方向を可動入子23の高さ方向とし、この高さ方向に対して直交する方向を可動入子23の幅方向とする。
なお、図示せぬ制御装置によって、キャビティ面23aの温度がモニターされて、鋳造製品の品質の良否判定が行われるように構成されてもよく、また、各冷却通路50・51を通る冷却水の水温を、可動入子23の温度を検出して可変となるように構成してもよい。
例えば、第二の冷却通路51の配置は、可動入子23の合わせ面27を冷却可能であれば特に限定されない。本実施例のように、第二の冷却通路51を可動入子23の合わせ面27近傍位置であって略中央部に設けることで、井桁形状に形成されたキャビティ面23aを有する可動入子23において、キャビティ面23aから熱伝導された熱が蓄熱される箇所を効果的に冷却することができる。
具体的には、上述したように、温調通路52を通る油温を、鋳造開始前は150℃〜250℃の温度範囲に制御し、鋳造開始後50は50℃〜150℃の温度範囲に制御するに際し、油温を検出しフィードバックしつつ所定のタイムスケジュールに従って油温を制御してもよく、また、油温と可動型21の温度を検出してフィードバックしつつ、検出された可動型21の温度に応じて所定の金型温度となるように、上述した温度範囲で油温を変化させてもよい。
21 可動型(主型)
23 可動入子(入子)
23a キャビティ面
27 合わせ面
50 第一の冷却通路
51 第二の冷却通路
Claims (6)
- 主型と、該主型に取り付けられる入子と、前記入子の所定位置を冷却する冷却手段とを備えてなる鋳造用金型であって、
前記冷却手段は、前記入子にそれぞれ設けられる、該入子に形成されたキャビティ面を冷却する第一の冷却通路と、前記キャビティ面とは反対側に位置する前記主型と入子との合わせ面を冷却する第二の冷却通路とを備えてなることを特徴とする鋳造用金型。 - 前記第二の冷却通路は、前記主型との合わせ面に沿って略平行に延設されることを特徴とする請求項1に記載の鋳造用金型。
- 前記主型には、該主型と前記入子との合わせ面を温調する温調通路を備えてなることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の鋳造用金型。
- 前記温調通路によって、鋳造開始前は前記合わせ面が予熱され、鋳造開始後は前記合わせ面が冷却されることを特徴とする請求項3に記載の鋳造用金型。
- 前記入子の所定位置を冷却する鋳造用金型の冷却方法であって、
前記入子に設けられた第一の冷却通路によって、該入子に形成されたキャビティ面を冷却し、
前記入子に設けられた第二の冷却通路によって、前記キャビティ面とは反対側に位置する主型と入子との合わせ面を冷却することを特徴とする鋳造用金型の冷却方法。 - 前記主型に設けられた温調通路によって主型と入子との合わせ面を温調し、
前記温調通路によって、鋳造開始前は前記合わせ面を予熱し、鋳造開始後は前記合わせ面を冷却することを特徴とする請求項5に記載の鋳造用金型の冷却方法。
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