JP4508150B2 - 鋳造用金型及びその冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造用金型及びその冷却方法に関し、より詳細には、主型と、該主型に取り付けられる入子と、前記入子の所定位置を冷却する冷却手段とを備えてなる鋳造用金型及びその冷却方法に関する。
従来、ダイカスト鋳造等で用いられる鋳造用金型には、製品形状部(キャビティ回り)を冷却するための冷却通路が設けられている。このように冷却通路によって鋳造用金型を冷却することで、キャビティ内の鋳造製品を素早く冷却し、鋳造後の製品の取り出し時間を短縮することで鋳造サイクルの向上が図られている。
鋳造用金型においては、鋳造が繰り返されると、製品形状部に形成された細かな凹凸部や肉厚部が他の箇所に比べて高温となって、かかる熱応力による熱歪みが生じて、鋳造製品においてかじりや焼付き等の鋳造不良が生じる場合があった。つまり、鋳造条件としては、鋳造用金型全体、特にキャビティ全体が均一な温度となって、そのばらつきが少ないことが好ましい。このような観点から、従来の鋳造用金型は、製品構造に応じて冷却通路を適宜配置して、局所的な高温部が発生しないように構成されていた。
例えば、従来の鋳造用金型は、製品形状部の凹凸部に合わせて冷却通路の配置や本数を変更し、キャビティ面と冷却通路との離間を変更する等して、上述したような製品形状部の冷却バランスを確保するように構成されていた。
また、特許文献1には、主型本体と入子に冷却手段としての冷却通路が設けられ、各冷却通路内の冷媒温度を制御して、主型及び入子自体を温度制御するように構成された鋳造用金型が開示されている(特許文献1参照)。このような構成とすることで、主型及び入子自体を積極的に冷却することで、製品形状部の熱的疲労を低減して、特に入子の長寿命化を図ることを目的とするものである。
特開2003−80343号公報
ところで、近年では、鋳造技術に対する鋳造コストの低減と鋳造装置の小型化の要請から、通常よりも低い鋳造圧(型締め力)で鋳造を行う方法が提案されている。このような低鋳造圧での鋳造が可能となったことで、例えば、自動車部品のサスペンションメンバやインナードアパネル等の大物鋳造製品の鋳造が可能となっている。
しかしながら、上述したように主型と入子とからなる鋳造用金型は、両者の熱容量や形状が異なり、溶湯(熱)による熱応力によって両者の合わせ面において熱歪みを生じ易い。特に、大物鋳造製品の鋳造で用いられる大物鋳造用金型においては、低鋳造圧で鋳造が繰り返されることで、その間合わせ面における密着度や平面度を保つのが困難であった。
すなわち、大物鋳造用金型であっても、高鋳造圧で鋳造すれば、鋳造用金型(主型及び入子)の熱歪みを鋳造圧によって押さえ込むことで、主型と入子の合わせ面の密着度・平面度をある程度保つことができる。しかし、低鋳造圧で鋳造すれば、合わせ面の密着力が不足し、鋳造時の熱歪みによる合わせ面の平面度を保つことが困難となり、鋳造製品に鋳ばりが発生する等の鋳造不良など、鋳造精度が低下するという問題があった。
上述した特許文献1に開示された鋳造用金型の構成では、なるほど主型本体と入子にそれぞれ冷却通路を設けることで、入子の長寿命化を図ることはできるが、低鋳造圧で鋳造する際に生ずる主型及び入子の合わせ面の歪みを解消することができない。
そこで、本発明においては、鋳造用金型及びその冷却方法に関し、前記問題に鑑み、鋳造時における、主型及び入子の合わせ面の密着度及び平面度を確保して、鋳造精度を向上させた鋳造用金型及びその冷却方法を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、主型と、該主型に取り付けられる入子と、前記入子の所定位置を冷却する冷却手段とを備えてなる鋳造用金型であって、前記冷却手段は、前記入子にそれぞれ設けられる、該入子に形成されたキャビティ面を冷却する第一の冷却通路と、前記キャビティ面とは反対側に位置する前記主型と入子との合わせ面を冷却する第二の冷却通路とを備え、前記主型には、該主型と前記入子との合わせ面を温調する温調通路を備えてなるものである。
請求項2においては、前記温調通路によって、鋳造開始前は前記合わせ面が予熱され、鋳造開始後は前記合わせ面が冷却されるものである。
請求項3においては、前記入子の所定位置を冷却する鋳造用金型の冷却方法であって、前記入子に設けられた第一の冷却通路によって、該入子に形成されたキャビティ面を冷却し、前記入子に設けられた第二の冷却通路によって、前記キャビティ面とは反対側に位置する主型と入子との合わせ面を冷却し、前記主型に設けられた温調通路によって主型と入子との合わせ面を温調し、前記温調通路によって、鋳造開始前は前記合わせ面を予熱し、鋳造開始後は前記合わせ面を冷却するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に示す構成としたので、第一の冷却通路によって冷却されない箇所であって、入子の蓄熱による熱歪みの影響を受ける合わせ面近傍位置を積極的に冷却することで、合わせ面の密着度及び平面度を確保して、鋳造精度を向上することができる。
また、主型と入子との温度差の違いから生じる合わせ面のずれを少なくするように温調して、合わせ面の密着度及び平面度を精度よく確保できる。
請求項2に示す構成としたので、鋳造開始前は主型の合わせ面近傍位置を予熱しておくことで、溶湯によって主型が急激に高温化するのを防止し、鋳造開始後は主型の合わせ面近傍位置をある程度の温度で徐々に冷却することで、入子との熱容量や形状等の違いによる熱歪みの差に基づいて、入子とは個別に主型を冷却することができる。
請求項3に示す構成としたので、第一の冷却通路によって冷却されない箇所であって、入子の蓄熱による熱歪みの影響を受ける合わせ面近傍位置を積極的に冷却することで、合わせ面の密着度及び平面度を確保して、鋳造精度を向上することができる。
また、主型と入子との温度差の違いから生じる合わせ面のずれを少なくするように温調して、合わせ面の密着度及び平面度を精度よく確保できる。すなわち、鋳造開始前は主型の合わせ面近傍位置を予熱しておくことで、溶湯によって主型が急激に高温化するのを防止し、鋳造開始後は主型の合わせ面近傍位置をある程度の温度で徐々に冷却することで、入子との熱容量や形状等の違いによる熱歪みの差に基づいて、入子とは個別に主型を冷却することができる。
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る鋳造用金型を備えたダイカストマシンの全体的な構成を示した側面断面図、図2は可動入子における第一の冷却通路、第二の冷却通路、及び押出しピンの配置構成を示した平面図、図3は可動入子における第一の冷却通路及び第二の冷却通路の配置構成を示した断面図、図4は別実施例の鋳造用金型における第一の冷却通路、第二の冷却通路、及び温調通路の配置構成を示した断面図である。
まず、本実施例の鋳造用金型2を備えたダイカストマシン1について、以下に概説する。
図1に示すように、本実施例のダイカストマシン1は、ダイカスト鋳造法によりアルミニウム合金製の井桁形状のサスペンションメンバを鋳造する鋳造用金型2を備え、鋳造用金型2を固定する固定盤10及び可動盤11と、鋳造用金型2に溶湯を射出する射出スリーブ12と、鋳造製品を鋳造用金型2から押し出すための押出しピン13等とで構成されている。
本実施例の鋳造用金型2は、固定盤10に固定される固定型20と、固定型20に対して水平移動可能となるように可動盤11に取り付けられた可動型21と、固定型20と可動型21との間に形成されたキャビティ4等とで構成されている。
そして、ダイカストマシン1では、鋳造用金型2のキャビティ4内に溶湯5が注湯され、溶湯5が凝固することで井桁形状のサスペンションメンバが鋳造される。
ダイカストマシン1は、図示せぬ機台に固定盤10が位置変動不能に固定され、この機台15上に固定盤10に対して水平面が略平行となるように可動盤11が対峙して配置されている。可動盤11は、図示せぬ押圧シリンダ等によって、図示せぬタイバーを介してガイドされながら固定盤10に対して水平面が略平行となる状態を保持しつつ水平移動されて、固定盤10側に押圧される。
固定式の固定盤10には、鋳造用金型2の固定型20が位置変動不能に固定され、可動式の可動盤11には、鋳造用金型2の可動型21が固定型20に対して水平移動可能に取り付けられている。
固定型20は、可動型21側に開口する凹部が形成され、この凹部の内部にキャビティ面22aを有する固定入子22が交換可能に固定されている。また、可動型21は、固定型20側に開口する凹部が形成され、この凹部の内部にキャビティ面23aを有する可動入子23が交換可能に固定されている。中でも、可動入子23は、可動型21の凹部にて合わせ面27を介して密接されている。
そして、固定型20及び可動型21は、可動型21が移動されることで平面28を介して密着され、固定型20と可動型21とが当接された状態で、固定入子22と可動入子23のキャビティ面22a・23aとに囲繞された空間にキャビティ4が形成される。
射出スリーブ12は、先端部が固定盤10に取り付けられ、先端部である開口端が固定盤10を介して固定型20に開口された湯口24に接続されている。この湯口24は、湯道25を介してキャビティ4に接続されている。
射出スリーブ12内には、プランジャロッド12aの先端に取り付けたプランジャチップ12bが摺動自在に嵌装されており、射出スリーブ12内の溶湯5が、プランジャチップ12bにより押し出されて、湯口24及び湯道25を介してキャビティ4へ射出される。
押出しピン13は、可動型21及び可動入子23を貫通してキャビティ4に開口するように穿設された挿通孔に、摺動自在に挿入される。押出しピン13の他端は、可動型21のキャビティ4側とは反対側に設けられた押出し板14に接続されている。そして、押出しピン13は、図示せぬ押圧シリンダによって押出し板14が可動盤11に対して相対移動されると、挿通孔内を摺動されて、先端がキャビティ4に挿脱される。鋳造製品であるサステンションメンバは、この押出しピン13によって可動型21(可動入子23のキャビティ面23a)から押し出されて離型される。
以上のようなダイカストマシン1では、以下の工程によって鋳造が行われる。
まず、鋳造用金型2において、固定型20及び可動型21に所定の固定入子22及び可動入子23が取り付けられ、固定盤10の方向に向けて可動盤11が移動されて固定型20に可動型21が平面28を介して当接される。このように固定型20に可動型21が当接された状態では、鋳造用金型2の鋳造圧(型締め力)を確保するために、鋳造用金型2は、可動盤11によって可動型21が固定型20に押圧された状態で固定される。
続いて、射出スリーブ12のプランジャが摺動されて、射出スリーブ12内の溶湯5が、固定入子22と可動入子23とのキャビティ面22a・23aによって形成されたキャビティ4内に射出される。
そして、キャビティ4内に射出された溶湯5が凝固した後に、可動盤11が移動されて鋳造用金型2が型開きされ、押出しピン13が挿通孔を摺動されて可動入子23のキャビティ面23aより突出されることで、鋳造製品たるサスペンションメンバが可動型21及び可動入子23より離型されて取り出される。
次に、本実施例の鋳造用金型2の構成について、以下に詳述する。
図1に示したように、鋳造用金型2は、固定型20及び可動型21が平面28で当接された状態で、固定入子22のキャビティ面22aと可動入子23のキャビティ面23aとの離間にキャビティ4(及び湯道25、図3参照)が形成されている。
キャビティ4は、鋳造製品たるサスペンションメンバの形状に対応するように、上下方向及び左右方向にそれぞれ一対の対辺が設けられた平面視略井桁形状に形成されており、具体的には、可動入子23の水平面には、製品形状部として上下方向の一対の辺構成部40と左右方向の一対の辺構成部41が凹設され、固定入子22の水平面には、可動入子23の辺構成部40・41に対応する位置に製品形状部としてリブ42が設けられている。辺構成部40・41の水平面には、複数のリブ42・42・・・が突出されている。キャビティ4は、鋳造用金型2が型締めされた状態で、辺構成部40・41にリブ42が嵌合されることで形成される(図3参照)。
ここで、可動入子23の構成について、以下に詳述する。
図2及び図3に示すように、本実施例の可動入子23には、キャビティ面23a及び合わせ面27を間接的に冷却するための冷却手段として、辺構成部40・41の近傍に配置されてキャビティ面23aを冷却する複数の第一の冷却通路50・50・・・と、可動型21との合わせ面27近傍に配置されて合わせ面27を冷却する複数の第二の冷却通路51・51・・・とが設けられている。
なお、図2及び図3は、第一の冷却通路50及び第二の冷却通路51の配置構成を模式的に示した図である。以下、可動入子23のキャビティ面23aと合わせ面27との離間方向を可動入子23の高さ方向とし、この高さ方向に対して直交する方向を可動入子23の幅方向とする。
第一の冷却通路50は、可動入子23のキャビティ面23aに対して垂直方向、すなわち可動入子23の高さ方向に沿うようにして配置され、先端部がキャビティ面23a(辺構成部40・41)の近傍に位置するように配設され、先端部から他端部に渡って合わせ面27方向に直線状に延出される。具体的には、第一の冷却通路50は、平面視で辺構成部40・41の近傍又は重なる位置に設けられており、特に、辺構成部40・41の中でも、細かなリブ42・42・・・が形成される箇所や、肉厚となる箇所等に密集して配置される。
第二の冷却通路51は、可動入子23内部の可動型21との合わせ面27の近傍位置であって合わせ面27に沿って延設されている。具体的には、可動入子23の幅方向に略水平であって、かつ合わせ面27に対して略平行となるように配置された水平部51aが形成され、その両端が合わせ面27方向に屈曲されて側面視略コ字状に形成されている。特に、本実施例では、第二の冷却通路51は、平面視でキャビティ面23aを形成する辺構成部40・41により囲まれる範囲内であって、可動入子23の略中央部に複数(本実施例では4個)設けられ、各第二の冷却通路51が、水平部51aが可動入子23の高さ方向において合わせ面27に近接する位置に配置されている。
各冷却通路50・51には、冷媒としての冷却水が循環されており、可動入子23において、第一の冷却通路50によってキャビティ面23a近傍が冷却され、第二の冷却通路51によって合わせ面27近傍が冷却される。具体的には、第一の冷却通路50及び第二の冷却通路51は、可動入子23に各冷却通路50・51用に穿設された配管孔に、冷却水通水部材としてのU字管(図略)が内設されて構成される。U字管は、入口及び出口が可動型21又は可動入子23に設けられた冷却水給排装置(図略)に接続されて冷却水が循環される。なお、冷却水通水部材としては、U字状に形成されたU字管の他に、二重状や螺旋状の給水管等が用いられる。
各冷却通路50・51は、図示せぬ冷却水給排装置に接続されており、各冷却通路50・51を通る冷却水の通水時間、通水量及び水温等が最適となるように制御されるとともに、ダイカストマシン1の型閉め、型開き、及び射出等に連動して制御される。特に、本実施例の冷却通路50・51を通る冷却水の水温は、一定温度となるように制御される。各冷却通路50・51を通る冷却水の通水量や通水時間等には、可動入子23での配置構成に応じで変更される。
なお、図示せぬ制御装置によって、キャビティ面23aの温度がモニターされて、鋳造製品の品質の良否判定が行われるように構成されてもよく、また、各冷却通路50・51を通る冷却水の水温を、可動入子23の温度を検出して可変となるように構成してもよい。
以上のように、本実施例の鋳造用金型2は、可動入子23に第一の冷却通路50・50・・・を設けることによって、キャビティ面23a近傍部分を冷却して、鋳造中のキャビティ4内の溶湯5を直ちに凝固させ、鋳造製品の取り出し温度まで直ちに低下させることができ、鋳造用金型2を用いた鋳造サイクルを向上できる。
特に、本実施例の可動入子23は、キャビティ面23aに複数のリブ42・42・・・や肉厚部が形成されており、かかる箇所は鋳造回数(ショット回数)が増加するにつれて他の箇所に比べて冷却効率が低く、蓄熱して局所的に高温となる。そこで、本実施例のように、細かなリブ42・42・・・が形成される箇所や、鋳造製品が肉厚となる箇所等に第一の冷却通路50を密集して配置することで、局所的に高温部が発生するのを防止してキャビティ4全体を均一な温度に調整できる。そのため、熱応力による熱歪みやクラッキング等を防止でき、鋳造製品たるサスペンションメンバのかじりや焼付き等の鋳造不良も防止できる。
一方で、本実施例の鋳造用金型2は、可動入子23に第二の冷却通路51・51・・・を設けることによって、可動入子23の合わせ面27近傍部分を冷却して、合わせ面27での熱歪みを防止し、可動型21と可動入子23との当接部分である合わせ面27の密着度及び平面度を確保することができる。
すなわち、可動入子23は、細かなリブ42・42・・・が形成される箇所や、鋳造製品が肉厚となる箇所等はキャビティ面23a近傍に配置された第一の冷却通路50によって冷却されるが、金型内部の第一の冷却通路50が配置されない箇所(換言すると、第一の冷却通路50によって冷却されない箇所)は、キャビティ面23aの熱が熱伝導されるいことで蓄熱されてある程度高温となってしまう場合がある。可動入子23において、キャビティ面23aとは反対側の合わせ面27近傍が蓄熱によって高温になると、熱応力の影響を受けて熱歪みが生じ、合わせ面27の密着度及び平面度が低下してしまう。合わせ面27の密着度が低下すると、可動入子23から可動型21への熱伝導が不規則になるため、かかる傾向がさらに助長される。特に、大物鋳造製品を鋳造する際には、通常の鋳造と比べて金型の型締め力が低い(低鋳造圧)ため、熱応力による熱歪みを受けやすく、合わせ面27の密着度及び平面度の低下が大きい。
そこで本実施例では、第一の冷却通路50とは異なり、キャビティ面23aとは反対側に位置する可動入子23と可動型21との合わせ面27を冷却する第二の冷却通路51を設けることで、第一の冷却通路50によって冷却されない箇所であって、可動入子23の蓄熱による熱歪みの影響を受ける合わせ面27近傍位置を積極的に冷却することで、合わせ面27の密着度及び平面度を確保して、鋳造用金型2の鋳造精度を向上することができる。また、第二の冷却通路51によって合わせ面27の熱歪みを制御できるため、低鋳造圧での鋳造を高い鋳造精度で行うことができる。さらに、低鋳造圧での鋳造では、高鋳造圧での鋳造に比べて金型の拘束力が小さくなるため、ひいては金型の長寿命化をも図ることができる。
特に、本実施例では、第二の冷却通路51は、可動型21との合わせ面27に沿って略平行に延設される水平部51aを有するように構成されているため、合わせ面27近傍位置を広範に渡って冷却することができ、合わせ面27の密着度及び平面度を効果的に保つことができる。
なお、本実施例で鋳造される製品たるサスペンションメンバは、その投影サイズが大きいため、可動入子23を一体で精度よく製造することが困難であることから、本実施例の可動入子23は、3つのパーツがボルト等によって一体に組み付けられることで構成されている。このように可動入子23が複数のパーツにより構成される場合には、可動型21との合わせ面27において蓄熱による熱歪みの影響が大きく、合わせ面27の密着度及び平面度を保つのが困難であるが、本実施例のように第二の冷却通路51を配置することで、かかる場合であってもその合わせ面27の密着度及び平面度を効果的に調整できる。
ただし、鋳造用金型2の構成としては、上述した実施例に限定されない。
まず、第二の冷却通路51の配置や構成は、上述したものに限定されず、可動入子23自体の形状や、可動入子23の大きさ(厚さ)や、可動入子23に形成されるキャビティ面23aの形状や、第一の冷却通路50の配置構成等によって変更される。
例えば、第二の冷却通路51の配置は、可動入子23の合わせ面27を冷却可能であれば特に限定されない。本実施例のように、第二の冷却通路51を可動入子23の合わせ面27近傍位置であって略中央部に設けることで、井桁形状に形成されたキャビティ面23aを有する可動入子23において、キャビティ面23aから熱伝導された熱が蓄熱される箇所を効果的に冷却することができる。
また、図4に示す実施例ように、鋳造用金型2の可動型21に、可動入子23との合わせ面27を油温調する温調通路52を別途設けてもよい。温調通路52は、可動型21内部の可動入子23との合わせ面27の近傍位置であって合わせ面27に沿って延設され、具体的には、可動型21の幅方向(可動入子23の幅方向)に略水平であって、かつ合わせ面27に対して略平行となるように直線状に配置されている。本実施例においては、第二の冷却通路51は、合わせ面27近傍位置であって、合わせ面27に対して略平行かつ温調通路53と合わせ面27を介して略平行に対峙するように直線状に延出されている。
温調通路52には、溶媒として油が循環されており、温調通路52を通る油の通油時間、通油量及び油温等が最適となるように制御されるとともに、ダイカストマシン1の型閉め、型開き、及び射出等に連動して制御される。そして、温調通路52を通る油の温度は、図示せぬ制御装置によって制御され、本実施例では、鋳造開始前は150℃〜250℃の温度範囲に制御され、鋳造開始後は50℃〜150℃の温度範囲に制御される。
具体的には、上述したように、温調通路52を通る油温を、鋳造開始前は150℃〜250℃の温度範囲に制御し、鋳造開始後50は50℃〜150℃の温度範囲に制御するに際し、油温を検出しフィードバックしつつ所定のタイムスケジュールに従って油温を制御してもよく、また、油温と可動型21の温度を検出してフィードバックしつつ、検出された可動型21の温度に応じて所定の金型温度となるように、上述した温度範囲で油温を変化させてもよい。
このように、図4に示す本実施例では、合わせ面27において第二の冷却通路51及び温調通路52が対峙するようにして配置されるため、可動型21と可動入子23との温度差の違いから生じる合わせ面27のずれを少なくするように温調して、合わせ面27の密着度及び平面度を精度よく確保できる。特に、鋳造開始前は可動型21の合わせ面27近傍位置を予熱しておくことで、溶湯5によって急激に高温化するのを防止でき、一方で、鋳造開始後は合わせ面27近傍位置をある程度の温度で徐々に冷却することで、可動型21と可動入子23との熱容量や形状等の違いによる熱歪みの差に基づいて、可動入子23とは個別に可動型21を冷却することができる。
上述した実施例の鋳造用金型2が適用される鋳造製品としては、サスペンションメンバの他に、インナードアパネル等の大物鋳造製品の鋳造(低鋳造圧での鋳造)に用いることができる。また、鋳造金属としては、アルミニウム合金の他に、マグネシウムや銅又はそれらの合金、鉄系合金等、任意の金属を選択することができる。
本発明の一実施例に係る鋳造用金型を備えたダイカストマシンの全体的な構成を示した側面断面図。 可動入子における第一の冷却通路、第二の冷却通路、及び押出しピンの配置構成を示した平面図。 可動入子における第一の冷却通路及び第二の冷却通路の配置構成を示した断面図。 別実施例の鋳造用金型における第一の冷却通路、第二の冷却通路、及び温調通路の配置構成を示した断面図。
2 鋳造用金型
21 可動型(主型)
23 可動入子(入子)
23a キャビティ面
27 合わせ面
50 第一の冷却通路
51 第二の冷却通路

Claims (3)

  1. 主型と、該主型に取り付けられる入子と、前記入子の所定位置を冷却する冷却手段とを備えてなる鋳造用金型であって、
    前記冷却手段は、前記入子にそれぞれ設けられる、該入子に形成されたキャビティ面を冷却する第一の冷却通路と、前記キャビティ面とは反対側に位置する前記主型と入子との合わせ面を冷却する第二の冷却通路とを備え
    前記主型には、該主型と前記入子との合わせ面を温調する温調通路を備えてなることを特徴とする鋳造用金型。
  2. 前記温調通路によって、鋳造開始前は前記合わせ面が予熱され、鋳造開始後は前記合わせ面が冷却されることを特徴とする請求項1に記載の鋳造用金型。
  3. 前記入子の所定位置を冷却する鋳造用金型の冷却方法であって、
    前記入子に設けられた第一の冷却通路によって、該入子に形成されたキャビティ面を冷却し、
    前記入子に設けられた第二の冷却通路によって、前記キャビティ面とは反対側に位置する主型と入子との合わせ面を冷却し、
    前記主型に設けられた温調通路によって主型と入子との合わせ面を温調し、
    前記温調通路によって、鋳造開始前は前記合わせ面を予熱し、鋳造開始後は前記合わせ面を冷却することを特徴とする鋳造用金型の冷却方法。
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