JP6232825B2 - 低圧鋳造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用サスペンションメンバ等の構造部材を製造するのに用いられる低圧鋳造装置に関するものである。
一般に、低圧鋳造装置は、非特許文献1に記載されているように、溶湯を収容した保持炉の上部に、キャビティを有する金型を配置すると共に、保持炉とキャビティとをストークで連通させた構造である。そして、保持炉の内部を加圧して溶湯をキャビティに供給することにより鋳物を成形する。この低圧鋳造装置は、中子を用いて中空状の鋳物を得ることができるので、例えば、シリンダブロックの成形に使用されている。
また、自動車用サスペンションメンバ等の構造部材のように、薄肉で且つ比較的大型であるとともに材料強度や延性が要求されるものは、高真空ダイカスト法により一体成形することができる。高真空ダイカスト法は、高速・高圧充填性に優れ、ガスの巻き込みが少ない等の利点がある。さらに、近年では、強度向上や軽量化を図るために、一部を中空状(閉断面構造)にしたサスペンションメンバが開発されており、この場合には、中空部品だけを鋳造により成形し、その中空部品と別の展伸材とを溶接するようにしていた。
社団法人日本機械学会 「新版・機械工学便覧」、昭和62年4月15日、B2−16,17
しかしながら、低圧鋳造法(装置)は、湯廻り性の面から、薄肉で大型の部材を一体成形するには不向きであることが周知であり、高真空ダイカスト法(装置)は、低圧鋳造に比べて設備費が大幅に嵩むので、高コストになるという問題点があった。このため、従来では、薄肉で大型の構造部材を一体成形するうえで、これらの問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、薄肉で大型の構造部材を高品質で且つ低コストで一体成形することができる低圧鋳造装置を提供することを目的としている。
本発明の低圧鋳造装置は、低圧鋳造法に基づいて構造部材を成形するものである。この低圧鋳造装置は、金型のキャビティの下側に、キャビティから離間した複数の湯口を配置すると共に、キャビティと夫々の湯口とを連通状態にするファンゲートを備えている。そして、低圧鋳造装置は、各ファンゲートが、平面視でキャビティ側に広がる扇状を成し且つ湯口との接続部からキャビティとの接続部に向かって断面積が漸次減少する形態である構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の低圧鋳造装置によれば、キャビティ全域の湯廻り性が安定し、薄肉で大型の構造部材を高品質で且つ低コストで一体成形することができる。
本発明の低圧鋳造装置の一実施形態を説明する正面図である。 構造部材である自動車用フロントサスペンションメンバを説明する平面図(A)、底面図(B)、及び中空部の断面図(C)である。 金型の下型を説明する平面図である。 湯口及びファンゲートの配置を説明する斜視図である。 湯口及びファンゲートを説明する断面図(A)、及び平面図(B)である。 本発明の低圧鋳造装置の他の実施形態における湯口及びファンゲートを説明する側面図(A)及び平面図(B)である。 溶湯の加圧及びキャビティの減圧のパターンの一例を示すグラフである。 湯口とファンゲートの接続部分が傾斜している構造を示す側面図(A)及び平面図(B)である。 自動車用フロントサスペンションメンバに対する湯口及びファンゲートの配置を説明する平面図である。
図1に示す低圧鋳造装置1は、周知の基本構造を有するもので、テーブル状の固定盤2と、固定盤2の下側に配置した保持炉3と、固定盤2に立設した一対の支柱4に沿って昇降駆動される可動盤5を備えている。固定盤2には、金型6の下型(固定型)6Lが設けてあり、可動盤5には、金型6の上型(可動型)6Uが設けてある。金型6は、上型6U及び下型6Lとの間に、鋳物の成形空間であるキャビティCを形成する。
可動盤5の上面には、一対のガイドポスト7と、ガイドポスト7により上下に案内されるエジェクタプレート8と、エジェクタプレート8を昇降駆動するシリンダ9が設けてある。エジェクタプレート8には、可動盤5及び上型6Uを摺動自在に貫通する適数のエジェクタピン10が設けてある。
また、低圧鋳造装置1は、図示を省略したが、可動盤5を昇降させる駆動装置、保持炉3に収容した溶湯を加熱するためのヒータ、及び鋳造時に保持炉3内を加圧するためのガス供給手段などを備えており、保持炉3内を加圧することによりストーク(図示せず)を介して溶湯をキャビティCに供給する。さらに、低圧鋳造装置1は、より好ましい実施形態として、図1中に仮想線で示すように、金型6のキャビティC内の空気を吸引する減圧手段Vを備えたものとすることができる。
本発明の低圧鋳造装置Mは、低圧鋳造法に基づいて、鋳物として構造部材を成形するものであり、この実施形態では、図2に示す自動車用フロントサスペンションメンバ(以下、「サスペンションメンバ」とする)SMを製造する。
サスペンションメンバSMは、自動車のボディとアクスルを連結すると同時にエンジンを積載するための骨格部材であって、図示例のものは、フロントクロスメンバ部M1と、ボディ側となるリヤクロスメンバ部M2と、左右のサイドメンバ部M3,M3を一体的に有している。このサスペンションメンバSMは、例えばアルミニウム合金製である。
また、前記サスペンションメンバSMは、とくに図2(B)及び(C)に示すように、両クロスメンバ部M1,M2、及びサイドメンバ部M3における両クロスメンバ部M1,M2の間の部分(図中灰色の部分)が、中空状(閉断面構造)になっている。これにより、サスペンションメンバSMは、強度向上や軽量化を実現する一方で、鋳物としては、中空部を有し且つ薄肉で比較的大型のものとなる。
ところで、一般的に、サスペンションメンバのような薄肉で大型の構造部材を低圧鋳造法で成形する場合には、溶湯の流れる距離が長くなるので、複数の湯口が必要になるが、その場合、溶湯の合流部で空気の巻き込みなどが発生することがあると共に、低圧鋳造法のメリットである材料歩留の良さを損なうおそれがある。
これに対して、本発明の低圧鋳造装置1では、必要最小限の複数の湯口を使用して、合流部を少なくしつつ溶湯を外側方向に流すために、キャビティCの概略的な輪郭の内側に、キャビティCとは直接連通しない湯口11を配置している。
すなわち、低圧鋳造装置1は、図3に下型6Lを示すように、金型6のキャビティCの下側に、キャビティCと離間した複数の湯口11を配置すると共に、キャビティCと夫々の湯口11とを連通状態にするファンゲート12を備えている。
また、低圧鋳造装置1は、キャビティCの概略的な輪郭から金型6の中央側に、前記湯口11を配置し、キャビティCの外側にフローオフ21や吸引孔22等の方案部を配置すると共に、キャビティC及び方案部(21,22)よりも外周側に金型6のシール材23を配置している。シール材23は、耐熱ゴム製であって、上型6Uと下型6Lとの間でキャビティCを密封する。
また、この実施形態のように、構造部材が自動車用のサスペンションメンバSMである場合には、金型6のキャビティCに対して、少なくともクロスメンバ部M1,M2とサイドメンバ部M3との連結部分に対応する部分の下側に、湯口11及びファンゲート12を配置するのが望ましい。
そこで、図示例では、図4にも示すように、クロスメンバ部M1,M2とサイドメンバ部M3,M3との連結部分J1〜J4、及びリヤクロスメンバ部M2の中間部分J5の計五カ所の下側に、湯口11及びファンゲート12が配置してある。つまり、湯口11及びファンゲート12は、サスペンションメンバSMの中空部に対して配置してある。
なお、図4中におけるサスペンションメンバSMは、底面を上側にした上下逆向きの姿勢である。この図4には、サスペンションメンバSMと、湯口11及びファンゲート12を示したが、サスペンションメンバSMの形態はそのまま金型6内のキャビティCの形態でもあるから、図4はキャビティCに対する湯口11及びファンゲート12の配置を示す図でもある。
前記湯口11は、図5に示すように、上端部が閉塞された断面円形の空洞部であって、上端部近傍の側部にファンゲート12が接続してあり、ファンゲート12との接続部よりも上位側(上端部)にトラップ用空間11Aを備えている。
前記ファンゲート12は、同じく図5に示すように、平面視でキャビティC側に広がる扇状を成し且つキャビティC側に向かって断面積が漸次減少する形態であって、湯口11からキャビティCに向けて上り勾配を有している。
より具体的には、ファンゲート12は、湯口11との接続部の断面積A1、中間部の断面積A2、及びキャビティC側との接続部の断面積A3が漸次小さくなるようにし、とくに、湯口の断面積A0に対して、キャビティC側との接続部の断面積A3を90%に絞るように、各部位の高さ(肉厚)t1〜t3が設定してある。
ここで、ファンゲート12は、先述したようにサスペンションメンバSMの中空部に対して配置してあるので、とくに図5(A)に示すように、キャビティCにおけるファンゲート12の連通部分には、中子50が配置してある。これに対して、前記ファンゲート12は、キャビティC側の開口部Kが、キャビティCと同等の間隙Sを有すると共に、その内面が、中子50を含むキャビティCの内面と滑らかに連続したものとなっている。
すなわち、ファンゲート12のキャビティC側の開口部Kは、サスペンションメンバSMの中空部の肉厚と同等の間隔Sを有している。また、ファンゲート12は、図5(A)では、キャビティCと直線的に連続しているが、キャビティCの内面が曲面である場合には、これに対応して内面を曲面にしてキャビティCと滑らかに連続させる。
上記の湯口11及びファンゲート12は、例えば、下型6Lに形成することも可能であるが、より好ましい実施形態として、少なくとも一部を断熱材料で形成することができる。この実施形態では、断熱材料としての鋳造用砂を使用し、図3に示すように、湯口12及びファンゲート12を砂型13で一体化した。
上記構成を備えた低圧鋳造装置1は、図1に示すように、金型6内に砂型13や中子50をセットした後、エジェクタプレート8とともにエジェクタピン10を引き上げた状態にすると共に、可動盤5を下降させて金型6の上型6Uと下型6Lを閉じる。次に、保持炉3内を加圧することにより溶湯をキャビティCに充填する。この際、減圧手段Vを作動させてキャビティC内の空気を吸引することも有効である。
そして、低圧鋳造装置1は、キャビティC内の溶湯が凝固したのち、可動型5を上昇させて金型6を開く。この際、鋳物(サスペンションメンバSM)は、上型6Uに付いている。その後、上型6Uと下型6Lとの間に図示しない鋳物受けを配置し、エジェクタプレート8とともにエジェクタピン10を下降させて鋳物を上型6Uから外し、さらに、砂型13や中子50を崩して除去する。
上記鋳造の際、低圧鋳造装置1は、キャビティCから離間した各湯口11と、扇状を成し且つ断面積が漸次減少する形態のファンゲート12を採用しているので、各ファンゲート12において、溶湯の供給不足(湯切れ)が発生しない。そして、必要最小限の複数の湯口11を介して、キャビティCの内側から外側に向かって溶湯が流れることなり、空気の巻き込み等を発生させずに溶湯を円滑に充填させる。
このようにして、低圧鋳造装置1は、設備費が高価な高真空ダイカスト法によらなくても、鋳造欠陥の原因となる空気の巻き込み等を防止しつつ、薄肉で大型であるサスペンションメンバSMを成形し得るのである。
すなわち、上記の低圧鋳造装置1によれば、キャビティCの全域の湯廻り性が安定し、サスペンションメンバSMのような薄肉で大型の構造部材を高品質で且つ低コストで一体成形することができる。
また、上記の低圧鋳造装置1は、この実施形態のように、クロスメンバ部M1,M2と左右のサイドメンバ部M3を一体的に有し且つ少なくとも一部を中空状にしたサスペンションメンバSMを一体成形するにあたり、図3に示す如く湯口11及びファンゲート12の配置を工夫することで、キャビティCの全域の湯廻り性が安定し、高品質のサスペンションメンバSMを得ることができる。
さらに、低圧鋳造装置1は、金型6の中央側に湯口11を配置し、キャビティCの外側にフローオフ21や吸引孔22等の方案部を配置しているので、金型中央部の保温効果が得られる。また、キャビティC及び方案部(21,22)の外周側、すなわち金型温度の低い最外周にシール材23を配置しているので、シール材23の寿命が長くなり、長期にわたって良好なシール性を確保し得る。このような保温効果及びシール性の確保によっても鋳造品質が安定する。
さらに、低圧鋳造装置は、湯口11の上端部にトラップ用空間11Aを備えているので、キャビティCに溶湯を充填する際に、溶湯表面の酸化皮膜や前ショットの凝固殻をトラップ用空間11Aで捕らえ、不純物の無い溶湯のみをファンゲート12に送り込むことができる。また、ファンゲート12がキャビティC側に上り勾配を成しているので、通過する溶湯への空気の巻き込みを防ぐことができる。
さらに、低圧鋳造装置1は、ファンゲート12とキャビティCとが滑らかに連続しているので、キャビティCの形状に沿って溶湯が供給されることとなり、これによっても溶湯の充填時における空気の巻き込みを防ぐことができる。
さらに、低圧鋳造装置1は、溶湯の充填時において、減圧手段Vにより補助的にキャビティC内の空気の吸引を行うことにより、溶湯の湯廻り性が向上し、鋳物(サスペンションメンバSM)の品質を高めることができる。
さらに、低圧鋳造装置1は、湯口11及びファンゲート12の少なくとも一部を断熱材料(砂型13)で形成したことにより、湯口11及びファンゲート12における溶湯の凝固を防止して、材料歩留をより向上させることができる。
さらに、低圧鋳造装置1は、構造部材が自動車用のサスペンションメンバSMであり、その所定の箇所(連結部分J1〜J4)に対応して湯口11及びファンゲート12を配置したことから、キャビティCの全域の湯廻り性が安定し、中空部を有し且つ薄肉で大型のサスペンションメンバSMを高品質で且つ低コストで一体成形することができる。
図6〜図9は、本発明に係わる低圧鋳造装置の他の実施形態を説明する図である。
図6に示す湯口11及びファンゲート12において、湯口11は、先の実施形態と同様に、ファンゲート12との接続部よりも上位側にトラップ用空間11Aを備えている。
ファンゲート12は、平面視でキャビティ側(図6B中で下側)に広がる扇状を成し且つキャビティ側に向かって断面積が漸次減少する形態であって、湯口11からキャビティに向けて上り勾配を有している。さらに、ファンゲート12は、キャビティ側の開口部Kが、キャビティと同等の間隙Sを有すると共に、その内面が、キャビティの内面と滑らかに連続している。なお、図6ではキャビティを省略したが、ファンゲート12は開口部Kでキャビティに連通している。上記の湯口11及びファンゲート12は、少なくとも一部を砂型等の断熱材料で形成することができる。
そして、この実施形態では、図6(A)に示すように、湯口11とファンゲート12とが、互いに水平面HS内で接続されている。このとき、ファンゲート12は、先述したように、湯口11からキャビティ側に上り勾配を有するので、湯口11との接続部Jよりもキャビティ側の開口部Kが上側になる。
また、ファンゲート12は、内部の上下面が滑らかな三次元曲面になっている。このとき、ファンゲート12の上下面は、先述の如くキャビティ側に向かって断面積が漸次減少するように、互いに略平行状態で相対向している。さらに、ファンゲート12は、キャビティとの接続部における最上部と最下部との高低差HFを10cm以内にしている。なお、キャビティとの接続部は、開口部Kと同等である。
上記構成を備えた湯口11及びファンゲート12は、図1に示す低圧鋳造装置1に配置され、構造部材である自動車用のフロントサスペンションメンバSMを製造する。
この実施形態では、図7に加減圧のパターンを示すように、保持炉内の溶湯を所定の初期圧力(+P1)まで加圧して、溶湯を湯口11まで上昇させる。その後、保持炉内の溶湯を充填圧力(+P2)まで加圧すると共に、キャビティ内を減圧(−P)して、キャビティ内に溶湯を充填する。
このとき、上記の低圧鋳造装置では、湯口11とファンゲート12とが互いに水平面HS内で接続された構成であるため、ファンゲート12からキャビティへ溶湯を均一に充填することができる。
ここで、例えば、図8(A)に示すように、湯口11とファンゲート12とが互いに傾斜面SS内で接続されていると、溶湯に初期圧力(+P1)を付与した際、溶湯の加圧装置の制御誤差等により、図8中の点線Fで示すように溶湯の一部がファンゲート12に入り込んだ状態になる。これにより、次に充填圧力(+P2)を付与した際に、図8(B)に大小の矢印で示すように、ファンゲート12における溶湯の初期流れが不均一になり、ファンゲート12からキャビティへの充填も不均一になる。なお、仮に、初期圧力(+P1)を付与した際に溶湯が湯口11内に留まった場合でも、充填圧力(+P2)を付与した際に、傾斜面SSの下側で先に溶湯が流れ出し、同様に初期流れが不均一になる。
これに対して、上記の低圧鋳造装置では、図6(A)に示すように、湯口11とファンゲート12とが互いに水平面HS内で接続された構成であるため、溶湯の加圧装置に制御誤差等があっても、湯口12から溶湯が一斉に流れ出し、図6(B)に矢印で示すように、ファンゲート12における溶湯の初期流れが均一になる。これにより、上記の低圧鋳造装置では、ファンゲート12からキャビティへ溶湯を均一に充填することができる。
また、上記の低圧鋳造装置では、ファンゲート12の内部の上下面が滑らかな三次元曲面になっているので、溶湯の通過が円滑になり、通過する際の空気の巻き込みを低減若しくは無くして清浄度の高い溶湯をキャビティに充填することができる。これにより、鋳造欠陥の発生を防止することができる。
さらに、上記の低圧鋳造装置では、ファンゲート12のキャビティとの接続部(開口部K)における最上部と最下部との高低差HFを10cm以内としている。これにより、低圧鋳造装置では、部分的な高低差が比較的大きい構造部材の鋳造において、キャビティに溶湯を均一に充填することができ、その結果、構造部材の設計の自由度や鋳造方案の自由度の向上に貢献することができる。
この実施形態では、図9に示す自動車用のフロントサスペンションメンバSMを製造するにあたり、フロント及びリアのクロスメンバ部M1,M2と、左右のサイドメンバ部M3,M3との四カ所の連結部分J1〜J4に、図6に示す湯口11及びファンゲート12を配置した。一部のファンゲート12とキャビティとの接続部には、高低差が10cmの部分が存在した。そして、キャビティに溶湯を充填した際に、各部での溶湯の到達時間を測定した。
その結果、フロント及びリアのクロスメンバ部M1,M2の夫々の中央部B1,B2や、左右のサイドメンバ部M3,M3のフロント及びリアの端部B3〜B6において、溶湯の到達時間がほぼ等しいものとなった。これにより、当該低圧鋳造装置では、ファンゲート12とキャビティとの接続部に10cmの高低差があっても、同キャビティに対して、溶湯が同心円状に広がるように均一に充填されることを確認した。
なお、本発明の低圧鋳造装置は、その構成が上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更することができる。また、本発明の低圧鋳造装置は、低圧鋳造法に基づいて薄肉で大型の各種鋳物を成形することが可能であるが、とくに、自動車のサスペンションメンバやフレーム類などのように機能が重要視される構造部材を低コストで大量生産するうえで非常に有効である。
1 低圧鋳造装置
6 金型
11 湯口
12 ファンゲート
13 砂型(断熱材料)
11A トラップ用空間
21 フローオフ(方案部)
22 吸引孔(方案部)
23 シール材
C キャビティ
J1〜J4 (メンバ部の)連結部分
K ファンゲートの開口部
M1 フロントクロスメンバ部
M2 リヤクロスメンバ部
M3 サイドメンバ部
SM フロントサスペンションメンバ(構造部材)
V 減圧手段

Claims (10)

  1. 低圧鋳造法に基づいて構造部材を成形する低圧鋳造装置であって、
    金型のキャビティの下側に、キャビティから離間した複数の湯口を配置すると共に、キャビティと夫々の湯口とを連通状態にするファンゲートを備え、
    各ファンゲートが、平面視でキャビティ側に広がる扇状を成し且つ湯口との接続部からキャビティとの接続部に向かって断面積が漸次減少する形態であることを特徴とする低圧鋳造装置。
  2. キャビティの輪郭から金型の中央側に湯口を配置し、キャビティの外側にフローオフや吸引孔等の方案部を配置すると共に、キャビティ及び方案部よりも外周側に金型のシール材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の低圧鋳造装置。
  3. 湯口及びファンゲートの少なくとも一部を断熱材料である鋳造用砂で形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の低圧鋳造装置。
  4. ファンゲートは、キャビティ側の開口部が、キャビティ内部の間隔と同等の間隙を有すると共に、その内面が、キャビティの内面と連続していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の低圧鋳造装置。
  5. 湯口が、ファンゲートとの接続部よりも上位側にトラップ用空間を備えていると共に、 ファンゲートが、湯口からキャビティに向けて上り勾配を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低圧鋳造装置。
  6. 湯口とファンゲートとが、互いに水平面内で接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の低圧鋳造装置。
  7. ファンゲートは、内部の上下面が曲面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の低圧鋳造装置。
  8. ファンゲートは、キャビティとの接続部における最上部と最下部との高低差を10cm以内にしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の低圧鋳造装置。
  9. 金型のキャビティ内の空気を吸引する減圧手段を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の低圧鋳造装置。
  10. 構造部材が、クロスメンバ部と左右のサイドメンバ部を一体的に有し且つ少なくとも一部を中空状にした自動車用のサスペンションメンバであって、
    金型のキャビティに対して、少なくともクロスメンバ部とサイドメンバ部との連結部分に対応する部分の下側に、湯口及びファンゲートを配置したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の低圧鋳造装置。
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