JP2019111551A - ダイカスト金型の冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型の型面が所定の温度以上まで加熱されることを抑制しつつ、金型の型面が所定の温度以下まで冷却されることを抑制するダイカスト金型の冷却構造を提供する。【解決手段】複数の冷却系統を有するダイカスト金型の冷却構造であって、ダイカスト金型3の突出する型面に向かって延設され、前記複数の冷却系統のうち少なくとも1つの冷却系統4を形成する直線冷却回路41、42と、ダイカスト金型3の型面に沿って延設され、前記複数の冷却系統のうち残りの冷却系統5を形成する面沿い冷却回路51と、ダイカスト金型3の型面の温度を測定するセンサー7と、面沿い冷却回路51に流す第1の冷却媒体を温度調節するチラー55と、を備え、前記第1の冷却媒体の熱伝導率が、直線冷却回路41、42に流す第2の冷却媒体の熱伝導率よりも小さく、センサー7によって測定された温度に基づいて、チラー55の設定温度を制御する、ダイカスト金型の冷却構造。【選択図】図2

Description

本発明はダイカスト金型の冷却構造に関する。
ダイカスト鋳造に用いるダイカスト金型の型面の形状は、形成する粗材に対応している。したがって、ダイカスト金型の型面は、複雑な形状である場合がある。複雑な形状の型面を有するダイカスト金型は、溶湯が注入されると、部分ごとに異なる温度上昇を示す。
そこで、ダイカスト金型の内部に複数の冷却系統を備える冷却構造を設けることがある。例えば、特許文献1には、複数の冷却系統をそれぞれ形成する複数の冷却回路が設けられたダイカスト金型が開示されている。複数の冷却系統は、冷却温度やタイミング等の冷却条件がそれぞれ設定される。したがって、ダイカスト金型は、部分ごとに異なる冷却条件により冷却される。
特許第3186027号公報
発明者は、複数の冷却系統を有するダイカスト金型の冷却構造に関し、以下の課題を見出した。
ダイカスト金型は、溶湯が注入される際に、例えば、冷却回路が略水平になるように配置される。しかしながら、特許文献1に開示されているようなダイカスト金型を冷却回路が略水平になるように配置すると、下記のような問題が発生する。以下、図7及び図8を参照して本発明の課題について説明する。
図7は、従来のダイカスト金型の冷却構造100の構成について説明する模式図である。図7に示すように、従来のダイカスト金型の冷却構造100は、金型103、冷却系統104、105、冷却回路141、142、151、及び152、注入部147、157、排出部143、153、及びホルダー106を備える。
図8は、冷却回路141の拡大模式図である。図8に示すように、冷却回路141は、パイプ141bを備える。なお、図8では、冷却媒体109及びエアー110も図示している。また、図8において矢印の方向は、エアー110の流れる方向を示す。
図7に示すように、金型103の内部には、冷却回路141、142、152、及び152が設けられている。冷却回路141、142、151、及び152は、それぞれホルダー106から延設された直線状の冷却回路である。冷却回路141、142は、注入部147及び排出部143と共に冷却系統104を形成する。冷却回路151、152は、注入部157及び排出部153と共に冷却系統105を形成する。
図8に示すように、冷却回路141の内部にはパイプ141bが設置されている。パイプ141bは、注入部147に接続しており、冷却媒体109を冷却回路141に注入する。冷却回路141に注入された冷却媒体109により、冷却回路141の周縁部が冷却される。所定の温度や時間まで冷却回路141の周縁部が冷却されると、図8に示す矢印の方向にエアー110を導入することにより冷却回路141内から冷却媒体109を除去するエアーパージを行う。エアーパージを行うと、冷却媒体109が除去されるため、冷却回路141による金型103の冷却が停止する。
しかしながら、冷却回路が略水平になるように配置されている場合、エアー110は、パイプ141bを通った後、冷却回路141の上部を通り、抜けていく。したがって、冷却回路141の下部には、エアー110が通らず、冷却媒体109が残留する。つまり、エアーパージを行っても第2の冷却媒体を十分に除去することは困難であり、冷却回路内に第2の冷却媒体が残留し、金型の型面が所定の温度以下まで冷却される虞がある。
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、金型の型面が所定の温度以上まで加熱されることを抑制しつつ、金型の型面が所定の温度以下まで冷却されることを抑制するダイカスト金型の冷却構造を提供することを目的とする。
本発明に係るダイカスト金型の冷却構造は、複数の冷却系統を有するダイカスト金型の冷却構造であって、ダイカスト金型の突出する型面に向かって延設され、前記複数の冷却系統のうち少なくとも1つの冷却系統を形成する直線冷却回路と、前記ダイカスト金型の型面に沿って延設され、前記複数の冷却系統のうち残りの冷却系統を形成する面沿い冷却回路と、前記ダイカスト金型の型面の温度を測定するセンサーと、前記面沿い冷却回路に流す第1の冷却媒体を温度調節するチラーと、を備える。そして、前記第1の冷却媒体の熱伝導率が、前記直線冷却回路に流す第2の冷却媒体の熱伝導率よりも小さく、前記センサーによって測定された温度に基づいて、前記チラーの設定温度を制御する。
本発明に係るダイカスト金型の冷却構造には、ダイカスト金型の突出する型面に向かって直線冷却回路が延設されている。直線冷却回路は、ダイカスト金型の突出する型面を冷却する。そのため、金型の型面が所定の温度以上まで加熱されることを抑制する。
さらに、本発明に係るダイカスト金型の冷却構造には、ダイカスト金型の型面に沿って面沿い冷却回路が延設されている。また、第1の冷却媒体の熱伝導率が、直線冷却回路に流す第2の冷却媒体の熱伝導率よりも小さく、センサーによって測定された温度に基づいて、チラーの設定温度が制御される。つまり、チラーの設定温度を所定の温度以上に設定することにより、金型の型面を所定の温度以上に保温することができる。したがって、金型の型面が所定の温度以下まで冷却されることを抑制する。
本発明に係るダイカスト金型の冷却構造は、直線冷却回路及び面沿い冷却回路を備えているため、金型の型面が所定の温度以上まで加熱されることを抑制しつつ、金型の型面が所定の温度以下まで冷却されることを抑制することができる。
本発明によれば、金型の型面が所定の温度以上まで加熱されることを抑制しつつ、金型の型面が所定の温度以下まで冷却されることを抑制するダイカスト金型の冷却構造を提供することができる。
本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却構造の模式図である。 本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却構造の詳細模式図である。 金型の透視平面図である。 図3のIV−IV線に沿う金型の断面図である。 本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却方法を示すフローチャートである。 本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却構造の温度変化を示すグラフである。 従来のダイカスト金型の冷却構造の模式図である。 従来のダイカスト金型の冷却構造の冷却回路の拡大模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却構造1の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却構造1の模式図である。図1に示すように、ダイカスト金型の冷却構造1は、(ダイカスト)金型3、(複数の)冷却系統4、5、ホルダー6、センサー7、及びシリンダー8を備える。
図1に示すように、金型3は、例えば金属材料を用いて構成される構造体である。金型3は、例えば凹型の外金型(不図示)と組み合わせられ、凸型の内金型として用いられる。そして、外金型の内側面と金型3の外側面(型面)との間隙に溶湯(不図示)が注入される。注入された溶湯は、冷却されると凝固し、粗材を形成する。
図1に示すように、ダイカスト金型の冷却構造1は、複数の冷却系統4、5を備える。ダイカスト金型の冷却構造1は、複数の冷却系統4、5を使用して、金型3及び溶湯を冷却することができる。したがって、ダイカスト金型の冷却構造1を用いると、ダイカスト金型の冷却構造1を用いない場合よりも、注入された溶湯の温度を短い時間で下げることができる。
金型3の型面には、離型剤が塗布されている。詳細は後述するが、離型剤の塗布は、金型3の型面が所定の温度以上である状態で行われることが好ましい。離型剤を塗布することにより、粗材の型離れを向上することができる。
図1に示すように、金型3は、ホルダー6に接続されている。また、ホルダー6は、シリンダー8に接続されている。シリンダー8は、例えば内部にピストン(不図示)を備えている。ホルダー6内においてピストンを摺動すると、ホルダー6及び金型3は、ピストンの摺動方向にスライドする。
次に、図1及び図2を参照して、実施の形態に係るダイカスト金型の冷却構造1の構成についてより詳細に説明する。図2は、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却構造1の詳細模式図である。図2に示すように、ダイカスト金型の冷却構造1は、図1の構成に加えて、制御部9を備える。
図1に示した冷却系統4は、図2に示すように、直線冷却回路41、42、排出部43、バルブ44、チラー45、ポンプ46、及び注入部47を備える。また、図1に示した冷却系統5は、図2に示すように、面沿い冷却回路51、排出部53、バルブ54、チラー55、ポンプ56、及び注入部57を備える。図1及び図2において、実線矢印は、第2の冷却媒体を流す方向を表す。点線矢印は、第1の冷却媒体を流す方向を表す。また、図2において、一点鎖線矢印は、データ及び信号の送信を表す。
直線冷却回路41、42は、例えば断面円形であり、底を有する直線状の回路である。直線冷却回路41、42は、図2に示すように、金型3の内部に延設される。直線冷却回路41、42が延設される方向は、特に限定されないが、例えば、図2に示すように、ホルダー6から金型3の型面に向かって延設される。直線冷却回路41、42は、例えば、ドリルを用いて金型3を切削することにより形成される。
直線冷却回路41、42は、排出部43、バルブ44、チラー45、ポンプ46、及び注入部47と共に、冷却系統4を形成する。冷却系統4の内部には、第2の冷却媒体が流されている。図2に示す実線矢印は、第2の冷却媒体を流す方向を示す。図2に示すように、直線冷却回路41、42の内部には、パイプ41b、42bが、それぞれ配置されている。パイプ41b、42bは、例えば断面円形状の筒であり、直線冷却回路41、42に沿って延設されている。
パイプ41bは、図2に示すように、第2の冷却媒体を注入する注入部47に接続されている。注入部47から注入された第2の冷却媒体は、パイプ41b内を通り、直線冷却回路41の先端部まで注入される。そして、直線冷却回路41の先端部まで注入された第2の冷却媒体は、パイプ41bの外側面と直線冷却回路41の内側面との間隙を通りつつ、直線冷却回路41の周縁部を冷却する。
直線冷却回路41は、連結部材(不図示)を介してパイプ42bに連通している。したがって、直線冷却回路41内に注入された第2の冷却媒体は、連結部材を通り、パイプ42bに注入される。パイプ42bに注入された第2の冷却媒体は、パイプ42bを通り、直線冷却回路42の先端部まで注入される。そして、直線冷却回路42の先端部まで注入された第2の冷却媒体は、パイプ42bの外側面と直線冷却回路42の内側面との間隙を通りつつ、直線冷却回路42の周縁部を冷却する。
直線冷却回路42は、図2に示すように、第2の冷却媒体を排出する排出部43に接続している。排出部43は、バルブ44を介してチラー45に接続している。直線冷却回路42から排出された第2の冷却媒体は、排出部43及びバルブ44を介してチラー45に注入される。チラー45に注入された第2の冷却媒体は、所定の温度まで冷却される。
制御部9は、バルブ44の開度を調節し、第2の冷却媒体の流量を調節する。制御部9は、センサー7に接続している。また、センサー7は、金型3の型面の温度を測定し、測定データを制御部9に送信する。センサー7は、例えば図2に示すように、金型3の内部に設置されている。制御部9は、センサー7が取得した金型3の型面の温度に基づいて、バルブ44の開度を調節し、冷却系統4内における第2の冷却媒体の流量を調節する。
チラー45は、ポンプ46に接続している。ポンプ46は、注入部47を介して直線冷却回路41に接続している。したがって、ポンプ46を作動すると、チラー45から直線冷却回路41に第2の冷却媒体を注入することができる。所定の温度まで冷却された第2の冷却媒体は、ポンプ46を用いて、注入部47を介して直線冷却回路41に注入される。ポンプ46の作動は、例えば、制御部9を用いて制御されていてもよい。
以上のように、直線冷却回路41、42内に所定の温度まで冷却された第2の冷却媒体が流されると、直線冷却回路41、42の周縁部は冷却される。また、第2の冷却媒体は、例えば水を用いて構成される。
金型3の型面の冷却を停止する際には、直線冷却回路41、42への第2の冷却媒体の流れを停止する。具体的には、センサー7によって取得した金型3の型面の温度に基づいて、制御部9がバルブ44を閉じるように制御する。バルブ44を閉じると、第2の冷却媒体の流れが停止し、金型3の型面の冷却が停止する。また、金型3の型面の冷却を停止する際には、直線冷却回路41、42から冷却水を除去してもよい。例えば、注入部47からエアーを導入してエアーパージを行うと、直線冷却回路41、42から第2の冷却媒体を除去される。
金型3の型面は、形成する粗材に対応した形状であるため、例えば図2に示すように凹凸を有する。型面に凹凸を有するため、高温の溶湯を注入されると、金型3は、部分により異なる温度上昇を示す。例えば、凸部3aのように溶湯に向かって突出している部分は、温度が上昇しやすい。一方、凹部3bのように溶湯に対して凹んでいる部分は、温度が上昇しにくい。
溶湯を注入する際に、金型3の型面が一定の温度以上まで加熱されると、焼付きが発生する虞がある。特に、凸部3aのように溶湯に向かって突出している部分は、焼付きが発生しやすい。そこで、図2に示すように、凸部3aのような突出する型面に向かって直線冷却回路41、42を延設する。冷却系統4を用いて温度が上昇しやすい部分を冷却するため、金型3の型面が焼付きが発生する温度以上まで加熱されることを抑制することができる。以後、焼付きが発生する型面の温度を「焼付き発生温度」と称することがある。
次に、図1〜図4を参照して、冷却系統5の構成について詳細に説明する。
図1に示した冷却系統5は、図2に示すように、面沿い冷却回路51、排出部53、バルブ54、チラー55、ポンプ56、及び注入部57を備える。図3は、金型3における面沿い冷却回路51の透視上面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う金型3の断面図である。なお、図3及び図4では、簡略のため、直線冷却回路41、42の図示を省略している。
図2に示すように、面沿い冷却回路51は、排出部53、バルブ54、チラー55、ポンプ56、及び注入部57と共に、図1に示した冷却系統5を形成する。冷却系統5の内部には、第1の冷却媒体が流れる。図2に示す点線矢印は、第1の冷却媒体を流す方向を示す。
図3に示すように、面沿い冷却回路51は、途中部において複数の枝に分かれる回路であり、金型3の型面全体に延設されている。図4に示すように、面沿い冷却回路51は、金型3の型面に沿って延設されている。したがって、面沿い冷却回路51は、金型3の型面における温度の偏りを均すように温度調節することができる。なお、面沿い冷却回路51は、金型3の型面に沿って延設されていればどのような形状であっても良い。面沿い冷却回路51は、例えば、枝分かれのない断面円形状の回路であっても良い。
図2に示すように、面沿い冷却回路51の一方の端は、第1の冷却媒体を注入する注入部57に接続している。注入部57から注入された第1の冷却媒体は、面沿い冷却回路51内を通りつつ、面沿い冷却回路51の周縁部を温度調節する。
面沿い冷却回路51の他方の端は、図2に示すように、第1の冷却媒体を排出する排出部53に接続している。排出部53は、バルブ54を介してチラー55に接続している。面沿い冷却回路51から排出された第1の冷却媒体は、排出部53及びバルブ44を介してチラー55に注入される。チラー55に注入された第1の冷却媒体は、所定の温度に温度調節される。
制御部9は、バルブ54の開度を調節し、第1の冷却媒体の流量を調節する。制御部9は、センサー7が取得した金型3の型面の温度に基づいて、バルブ54の開度を調節し、冷却系統5内における第1の冷却媒体の流量を調節する。また、制御部9は、図2に示すように、チラー55に接続している。制御部9は、センサー7が取得した金型3の型面の温度に基づいてチラー55の設定温度を調節する。
チラー55は、ポンプ56に接続している。ポンプ56は、注入部57を介して面沿い冷却回路51に接続している。したがって、ポンプ56を作動すると、チラー55から面沿い冷却回路51に第1の冷却媒体を注入することができる。所定の温度に温度調節された第1の冷却媒体は、ポンプ56を用いて、注入部57を介して面沿い冷却回路51に注入される。ポンプ56の作動は、例えば、制御部9を用いて制御されていてもよい。
なお、第1の冷却媒体は、第2の冷却媒体よりも熱伝導率が小さい流体を用いて構成する。第1の冷却媒体は、例えば、鉱物油、水グリコール系作動油、及び脂肪酸エステル等の作動油を用いて構成される。第1の冷却媒体は、第2の冷却媒体よりも熱伝導率が小さいため、面沿い冷却回路51の周縁部の熱を徐々に奪う。つまり、冷却系統5は、冷却系統4よりも、金型3の型面を弱く冷却する。
また、第1の冷却媒体を構成する鉱物油、水グリコール系作動油、及び脂肪酸エステル等の作動油は、第2の冷却媒体を構成する水等よりも、比熱が小さい。したがって、第1の冷却媒体は、チラー55内において、第2の冷却媒体よりも少ないエネルギーを用いて所定の温度に温度調節される。
図1に示した凹部3bのように溶湯に対して凹んでいる部分は、溶湯が注入されても温度が上昇しにくい。そのため、凹部3bの近傍は、冷却系統5のみを用いて十分冷却することができる。したがって、図2に示すように、凹部3bの近傍には、直線冷却回路41、42が延設されず、面沿い冷却回路51のみが延設されている。
詳細は後述するが、金型3の型面が一定の温度以下まで冷却されると、水残りが発生する虞がある。以後、水残りが発生する型面の温度を「水残り発生温度」と称することがある。
チラー55の設定温度を水残り発生温度以上にすると、第1の冷却媒体の温度が水残り発生温度以上となる。面沿い冷却回路51に、水残り発生温度以上に温度調節された第1の冷却媒体を流すと、金型3の型面の温度を水残り発生温度以上に保つことができる。つまり、面沿い冷却回路51は、金型3の型面が所定の温度以下まで冷却されることを抑制することができる。
以上のように、所定の温度に温度調節された第1の冷却媒体が面沿い冷却回路51内に流されると、金型3の型面は温度調節される。また、バルブ54を開閉し、第1の冷却媒体の流量を調節することによっても、金型3の型面を温度調節することができる。第1の冷却媒体の温度及び流量を調節すると、金型3の型面の温度は、より精密に制御される。
ダイカスト金型の冷却構造1は、図1に示すように冷却系統4、5を備えているため、金型3が焼付き温度以上まで加熱されることを抑制しつつ、金型3が水残り温度以下まで冷却されることを抑制することができる。つまり、ダイカスト金型の冷却構造1は、金型3の焼付き発生を抑制しつつ、金型3の水残り発生を抑制することができる。
次に、表1、図5、及び図6を参照して、本発明に係るダイカスト金型の冷却構造を用いた冷却方法(ダイカスト金型の冷却方法)について説明する。
表1は、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却方法における第2の冷却媒体及び第1の冷却媒体の流れの有無を示した表である。図5は、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却方法を示すフローチャートである。図6は、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却構造の温度変化を示すグラフである。
Figure 2019111551
図5は、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却方法を示すフローチャートである。図5に示すように、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却方法は、型締めする工程(ステップS1)、射出する工程(ステップS2)、型開きする工程(ステップS3)、粗材押出しする工程(ステップS4)、離型剤を塗布する工程(ステップS5)、及びエアブローする工程(ステップS6)を備える。
表1において、○は、直線冷却回路41、42に第2の冷却媒体が流れていること、又は、面沿い冷却回路51に第1の冷却媒体が流れていることを示す。また、×は、直線冷却回路41、42に第2の冷却媒体が流れていないことを示す。
表1に示すように、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却方法では、射出する工程(ステップS2)、型開きする工程(ステップS3)、及び粗材押出しする工程(ステップS4)を行う際に、直線冷却回路41、42に第2の冷却媒体を流す。また、全ての工程(ステップS1〜ステップS6)を行う際に、面沿い冷却回路51に第1の冷却媒体を流す。
詳細は後述するが、射出する工程(ステップS2)、型開きする工程(ステップS3)、及び粗材押出しする工程(ステップS4)を行う際には、金型3の型面が冷却される。一方、型締めする工程(ステップS1)、離型剤を塗布する工程(ステップS5)、及びエアブローする工程(ステップS6)を行う際には、金型3の型面が保温される。したがって、ステップS2〜ステップS4を行う際には、ステップS1、ステップS5、及びステップS6を行う際よりも、チラー55の設定温度が低い。
図6は、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却構造の温度変化を示すグラフである。図6において、実線は凸部3aにおける温度変化を示し、一点鎖線は凹部3bにおける温度変化を表す。また、型温変動TA′は、金型3の最高温度と金型3の最低温度の差分である。
図6に示すように、凸部3aは温度が上昇しやすく、凹部3bは温度が低下しやすい。したがって、金型3の最高温度は、凸部3aの最高温度である。また。金型3の最低温度は、凹部3bの最低温度である。つまり、型温変動TA′は、凸部3aの最高温度と凹部3bの最低温度との差分である。詳細は後述するが、射出する工程(ステップS2)において、凸部3aは最も加熱され、最高温度となる。また、エアブローする工程(ステップS6)において、凹部3bは最も冷却され、最低温度となる。
まず、金型3と外金型(不図示)とを型締めする工程(ステップS1)を行う。具体的には、外金型の凹部に、シリンダー8を用いて金型3を嵌合し、外金型の内側面と金型3の外側面(型面)との間に間隙を形成する。外金型の内側面と金型3の型面との間隙は、形成する粗材に対応した形状である。
表1に示すように、型締めする工程(ステップS1)を行う際には、直線冷却回路41、42に第2の冷却媒体を流さない。また、面沿い冷却回路51に第1の冷却媒体を流す。型締めする工程(ステップS1)を行う際には、チラー55の設定温度が、水残り発生温度以上に設定されている。したがって、金型3の型面は、水残り発生温度以上の温度に保たれている。
次に、外金型の内側面と金型3の型面との間隙に溶湯を射出する工程(ステップS2)を行う。射出する工程(ステップS2)を行う際には、溶湯が高温であるため、図6に示すように、金型3の型面が加熱される。特に、凸部3aのように溶湯に向かって突出している部分は、焼付き発生温度以上まで加熱されやすい。
そこで、直線冷却回路41、42に第2の冷却媒体を流し、直線冷却回路41、42の周縁部を冷却する。また、表1に示すように、面沿い冷却回路51に第1の冷却媒体を流す。なお、射出する工程(ステップS2)を行う際には、型締めする工程(ステップS1)を行う際よりも、チラー55の設定温度を低くする。チラー55の設定温度を低くすることにより、面沿い冷却回路51に流れる第1の冷却媒体の温度が低下し、金型3の型面がより短い時間で冷却される。
射出する工程(ステップS2)において、金型3の型面及び射出された溶湯が十分に冷却されると、射出された溶湯が凝固し、粗材が形成される。粗材が形成された後、外金型と金型3とを分離する型開きする工程(ステップS3)を行う。具体的には、シリンダー8を用いて金型3をスライドし、粗材及び金型3と、外金型と、を分離する。
さらに、形成された粗材を金型3から押出す、粗材押出しする工程(ステップS4)を行う。金型3には、押出し機構(不図示)が設けられており、押出し機構を作動すると、金型3から粗材を押出すことができる。粗材を押出すことにより、金型3から粗材を取り外す。粗材押出しする工程(ステップS4)を行うと、高温の粗材が金型3から分離されるため、金型3は冷却される。
型開きする工程(ステップS3)及び粗材押出しする工程(ステップS4)を行う際には、表1に示すように、直線冷却回路41、42に第2の冷却媒体を流し、面沿い冷却回路51に第1の冷却媒体を流す。チラー55の設定温度が射出する工程(ステップS2)と同様に低いため、金型3の型面は冷却される。
次に、金型3の型面に離型剤を塗布する工程(ステップS5)を行う。離型剤は、例えばスプレーを用いて金型3の型面に塗布される。離型剤は、例えば、水溶性離型剤を用いて構成される。水溶性離型剤は、例えば、水等の基材と、鉱物油、油脂、及びシリコーン等を用いて構成される主成分と、界面活性剤と、を含有する。
次に、塗布された離型剤をエアブローする工程(ステップS6)を行う。エアブローする工程(ステップS6)を行うと、金型3の型面に離型剤の皮膜が形成される。金型3の型面に離型剤の皮膜が形成されると、粗材の型離れが向上する。
エアブローする工程(ステップS6)を行う際に金型3の型面が水残り温度以下である場合、離型剤の水分が蒸発せず、水残りが発生する虞がある。水残りが発生すると金型3の型面に離型剤の皮膜が十分に形成されないため、粗材が金型3の型面から型離れしにくくなる。したがって、離型剤を塗布する工程(ステップS5)及びエアブローする工程(ステップS6)では、金型3の型面が水残り発生温度以上の温度に保たれていることが望ましい。
そこで、表1に示すように、離型剤を塗布する工程(ステップS5)及びエアブローする工程(ステップS6)を行う際には、直線冷却回路41、42に第2の冷却媒体を流さない。一方、面沿い冷却回路51に第1の冷却媒体を流す。離型剤を塗布する工程(ステップS5)及びエアブローする工程(ステップS6)を行う際には、チラー55の設定温度が、水残り発生温度以上に設定されている。したがって、金型3の型面は、水残り発生温度以上の温度に保たれている。
なお、直線冷却回路41、42内に第2の冷却媒体が残留している場合、直線冷却回路41、42に第2の冷却媒体を流していない状態であっても、直線冷却回路41、42の周縁部が冷却される。しかしながら、直線冷却回路41、42は、温度が上昇しやすい部分の近傍に延設されているため、直線冷却回路41、42の周縁部は、残留した第2の冷却媒体により冷却されても水残り温度以下まで冷却する虞が少ない。
上記で述べたように、本実施の形態に係るダイカスト金型の冷却構造1は、射出する工程(ステップS2)における凸部3aの温度の上昇を抑えつつ、エアブローする工程(ステップS6)における凹部3bの温度の低下を抑制することができる。したがって、金型3の最高温度と金型3の最低温度の差分である型温変動TA′を小さくすることができる。つまり、冷却系統4、5を組み合わせて用いることにより、1サイクル中における金型3の温度変動を小さくすることができる。
以上で説明した本発明の実施の形態に係る発明により、金型の型面が所定の温度以上まで加熱されることを抑制しつつ、金型の型面が所定の温度以下まで冷却されることを抑制するダイカスト金型の冷却構造を提供することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上記では、直線冷却回路41、42から形成される冷却系統4と、面沿い冷却回路51から形成される冷却系統5と、を備えるダイカスト金型の冷却構造に本発明を適用した場合について説明した。しかし本発明は、複数の冷却系統を備える金型の冷却構造であればどのような技術にも適用することができる。例えば本発明は、直線冷却回路から形成される2以上の冷却系統と、面沿い冷却回路から形成される2以上の冷却系統と、を備える金型の冷却構造等に適用することができる。
1、100 ダイカスト金型の冷却構造
3、103 金型
3a 凸部
3b 凹部
4、5、104、105 冷却系統
41、42 直線冷却回路
51 面沿い冷却回路
141、142、151、152 冷却回路
41b、42b、141b パイプ
43、53、143、153 排出部
44、54 バルブ
45、55 チラー
46、56 ポンプ
47、57、147、157 注入部
6、106 ホルダー
7 センサー
8 シリンダー
9 制御部
109 冷却媒体
110 エアー

Claims (1)

  1. 複数の冷却系統を有するダイカスト金型の冷却構造であって、
    ダイカスト金型の突出する型面に向かって延設され、前記複数の冷却系統のうち少なくとも1つの冷却系統を形成する直線冷却回路と、
    前記ダイカスト金型の型面に沿って延設され、前記複数の冷却系統のうち残りの冷却系統を形成する面沿い冷却回路と、
    前記ダイカスト金型の型面の温度を測定するセンサーと、
    前記面沿い冷却回路に流す第1の冷却媒体を温度調節するチラーと、を備え、
    前記第1の冷却媒体の熱伝導率が、前記直線冷却回路に流す第2の冷却媒体の熱伝導率よりも小さく、
    前記センサーによって測定された温度に基づいて、前記チラーの設定温度を制御する、
    ダイカスト金型の冷却構造。
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