JP2546724B2 - ポリカーボネートプレポリマー多孔体とその製造方法、及びそれを用いる芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
ポリカーボネートプレポリマー多孔体とその製造方法、及びそれを用いる芳香族ポリカーボネートの製造方法Info
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Description
族ポリカーボネートプレポリマー多孔体及びその製造方
法、及び該多孔体を用いる固相重合による芳香族ポリカ
ーボネートの製造方法に関する。
は、耐熱性、耐衝撃性、透明性などに優れたエンジニア
リングプラスチックとして、多くの分野において幅広く
用いられている。
来種々の研究が行われ、その中で、芳香族ジヒドロキシ
化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(以下、ビスフェノールAという)とホスゲと
の界面重縮合法等(以下、しばしば単に、“ホスゲシ
法”と呼ぶことがある)が工業化されている。この方法
においては、通常、水又はアルカリ水溶液と、水に対し
て非混和性の有機溶剤との混合溶媒が用いられる。工業
的には、苛性ソーダ水溶液と塩化メチレンの混合溶媒が
用いられる。重合触媒として、3級アミンや4級アンモ
ニウム化合物が用いられ、副生する塩化水素は塩基の塩
として除かれる。
おいては、(1)有毒なホスゲンを用いなければならな
いこと、(2)副生する塩化水素や塩化ナトリウムなど
の含塩素化合物により装置が腐蝕すること、(3)樹脂
中に混入する塩化ナトリウムなどのポリマー物性に悪影
響を及ばす不純物の分離が困難なこと、(4)反応溶媒
として通常用いられている塩化メチレンはポリカーボネ
ートの良溶媒であり親和性が非常に強い。
しても塩化メチレンが残存してしまうことになる。この
残存塩化メチレン量を低下させることを工業的に実施す
るには多大の費用を要するが、それでもなお、ポリカー
ボネート中に残存する塩化メチレンを完全に除去するこ
とは殆ど不可能に近い。
加熱等によって分解して塩化水素を発生し、成形機の腐
蝕の原因となっているばかりでなく、ポリマーの品質を
低下させる原因となっている。また、超高分子量ポリカ
ーボネート(例えば、数平均分子量15,000以上)を製造
しようとすると、塩化メチレン溶液層の粘度が非常に高
くなり、撹拌が困難になるばかりでなく、生成物がモチ
状になり、ポリマーと塩化メチレンの分離を大変困難と
する。このため品質良好な超高分子量ポリマーをホスゲ
ン法で工業的に製造することは困難であった。
多くの問題を伴っている。
ネートとから、芳香族ポリカーボネートを製造する方法
も以前から知られており、例えばビスフェノールAとジ
フェニルカーボネートとの溶融状態におけるエステル交
換反応を触媒の存在下に行うことによってフェノールを
離脱させ、ポリカーボネートを製造する方法が、いわゆ
るエステル交換法あるいは別名溶融法として工業化され
ている。
(例えば、280℃で8,000〜20,000ポイズ)のポリカーボ
ネートの溶融体の中から、フェノール及び最終的にはジ
フェニルカーボネートを留去していかなければ、目的と
する芳香族ポリカーボネートの重合度が上がらないこと
から、通常280〜310℃の高温下で、かつ1mmHg以下の高
真空下で長時間、例えば4〜5時間反応させる必要があ
る。
生成物の高粘性による強力なかきまぜ装置を必要とする
こと、(2)生成物の高粘性のために、プラスチック工
業界で通常使用されている反応機及びかきまぜ形式のも
のでは、重量平均分子量が30,000程度の重合体しか得ら
れないこと、(3)高温で反応させるため、副反応によ
って分枝や架橋が起こりやすく、品質の良好なポリマー
が得にくいこと、(4)高温での長時間滞留によって着
色を免れないこと、など種々の欠点を有している(松金
幹夫他著、プラスチック材料口座〔5〕、「ポリカーボ
ネート樹脂」日刊工業新聞社刊行、第62〜67頁、昭和44
年参照)。
は、分子量分布が広いこと、分岐構造が多いことなどが
知られており、そのために、ホスゲン法で製造されたポ
リカーボネートに比べて物性面で劣ること、例えば強度
的にやや劣ること、特に脆性破壊性が大きいこと、流動
挙動が非ニュートン性であり成形性が劣ることが指摘さ
れている〔松金幹夫著、「高分子」、第27巻、第521
頁、1978年参照〕。
キサメチレンアジパミド(ナイロン66)やポリエチレン
テレフタレート(PET)などは、プラスチックや繊維と
して十分な機械的特性を有する分子量まで、通常、溶融
重合法によって重合が行われているが、このようにして
製造された高分子量のポリマーを、減圧下又は乾燥窒素
などの流通下に常圧で、固相状態を保ち得る温度で加熱
することによって固相重合を行い、さらに重合度を高め
ることが可能であることは既に知られている。
が近くに存在する末端アミノ基又は末端ヒドロキシル基
と反応して、脱水縮合が進行しているものと思われる。
また、ポリエチレンテレフタレートの場合には、生成重
合体からの脱エチレングリコールによる縮合反応も一部
併発している。
ートが固相重合によって高重合度化できるのは、これら
のポリマーが高い融点(265℃及び260℃)を有する元来
結晶性のポリマーであり、固相重合が進行する温度(例
えば、230〜250℃)で充分固相状態を保ち得るからであ
る。さらに重要なことは、脱離すべき化合物が、水やエ
チレングリコールのように分子量が小さくて沸点の比較
的低い物質であって、それらが固体のポリマー中を容易
に移動して気体として系外に除去され得るからである。
せ持つ高融点の芳香族ポリエステルカーボネートを溶融
重合後、更に固相重合を行うことによって高分子量の芳
香族ポリエステルカーボネートを製造する方法も提案さ
れている。この方法は、ナフタレンジカルボン酸、パラ
ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸などの芳香族ジカル
ボン酸や芳香族オキシカルボン酸と、ジヒドロキシ芳香
族化合物及びジアリールカーボネートを溶融状態で反応
させることによって得られたプレポリマーを結晶化させ
た後、固相重合を行うものである。
には、260〜280℃の溶融重合で或る程度重合度が上がれ
ば、もはや溶融状態を保ち得ないで固体状になってしま
う。この固体は高融点の高結晶性プレポリマーであるの
で、さらに結晶化させる必要はない(特開昭48−22593
号公報、特開昭49−31796号公報、米国特許第4,107,143
号明細書、特開昭55−98224号公報参照)。
以上、通常は約50%以上含む芳香族ポリエステルカーボ
ネートを製造する場合に適用できる方法であって、エス
テル結合が30%よりも少ない場合は、固相重合時にプレ
ポリマーの溶融が起こり、固相重合が出来なかったこと
も報じられている(特開昭55−98224号公報)。
法で芳香族ポリエステルカーボネートを製造する場合の
カーボネート結合生成反応を促進する効果を有している
ことも知られている(特公昭52−36797号公報参照)。
を含む高分子量の芳香族ポリカーボネートを溶融重縮合
法で製造する場合に、低重合度の芳香族ポリカーボネー
トの分子鎖中にあらかじめエステル結合を導入しておく
ことにより、溶融重縮合反応が著しく促進されることが
明らかにされている。当然のことながら、固相重合にお
いても、エステル結合のこのような重縮合反応促進効果
があるものと推定される。
ルカーボネート、例えばパラヒドロキシ安息香酸、ハイ
ドロキノン及びジフェニルカーボネートから得られるエ
ステル結合が40%モル%のポリマーや、若干の結晶化操
作、例えば融点以下の所定の温度に加熱することによ
り、容易に高融点の結晶性ポリマーとなり得る芳香族ポ
リエステルカーボネート、例えば2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、ビスフェノールA及びジフェニルカーボネー
トから得られるエステル結合が55モル%のポリマーを固
相重合によって、より高重合度化させることは、比較的
容易なことである。
の芳香族ポリカーボネートを、まず低い分子量のプレポ
リマーを溶融重合法で生成させ、次いで、プレポリマー
を固相重合に付すことにより製造しようとする試みは、
280℃以上の高融点を有する高結晶性の特殊なポリカー
ボネートを固相重合によって得ようとする例(特開昭52
−109591号公報の実施例3)を除いて知られていない。
ロキノン約70%、ビスフェノールA約30%からなる芳香
族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートとの溶
融重合を280℃、0.5mmHgの高真空下で行い、固化した融
点が280℃を超えるプレポリマーを、280℃、0.5mmHgの
条件下で4時間固相重合させるものである。
シジアリールアルカンを主成分とする実質的に非晶性の
ポリマーである芳香族ポリカーボネートについて、比較
的低分子量のプレポリマーをまず生成させ、次にプレポ
リマーを固相重合に付すことによって高分子量のポリマ
ーを製造しようとする試みは殆どなされていなかった。
的な方法である、酸結合剤を用いるホスゲン法において
は、結合反応を進行させるために反応系から脱離すべき
化合物が通常、塩化ナトリウムのように、無溶媒では固
体であり、これが固体のポリマー中を移動して系外に抜
け出ることは非常に困難である。従って、この方法を固
相で実施することは本質的に不可能である。
スフェノールAのポリカーボネートを、ビスフェノール
Aとジフェニルカーボネートとのエステル交換反応によ
って製造する方法においても、全て高温、高真空下での
溶融重合法が検討されており、まだ重合度の比較的低い
プレポリマーをまず生成させ、次いで、プレポリマーを
固相重合に付して高重合度化することは、全く検討され
ていなかった。
ガラス転移温度(Tg)149〜150℃の非晶性のポリマーで
あるため、固相重合を行うことが不可能であると考えら
れていたことによる。すなわち、一般的に固相重合を可
能にするためは、ガラス転移温度以上の温度(ガラス転
移温度より低いと分子運動が不可能なので固相重合不可
能)において、そのポリマーが融着などを起こさないで
固相状態を保持しうることが必要であるが、非晶性の該
ポリカーボネートの場合、150℃以上の温度では融着な
どが起こり、そのままでは、固相重合が実質的に不可能
であったためである。
ジアリールアルカンを主成分とする実質的に非晶性のポ
リマーである芳香族ポリカーボネートを固相重合によっ
て製造しようとする試みは、本出願人が先に出願した方
法(特開昭63−223035号公報、特開昭64−1725号公報、
特開昭64−4617号公報、特開昭64−16826号公報、特開
昭64−16827号公報)を除いて、全くなされていなかっ
た。
おいては、芳香族ジヒドロキシ化合物のビスアルキルカ
ーボネート、例えば式(I): で表されるビスフェノールAのビスメチルカーボネート
を、加熱下にジメチルカーボネートを脱離させる自己縮
合反応によって、ビスフェノールAのポリカーボネート
を製造するに当たって、固相重合が可能であることを示
した。
ルカーボネート基からなるプレポリマー、式(II): (lは2〜約30の整数を表す。) を調製し、積いで、このプレポリマーを溶媒処理又は、
加熱結晶化を行った後、固相重合させる。
報及び特開昭64−16827号公報においては、例えば、式
(I)で表されるビスフェノールAのビスメチルカーボ
ネートとジフェニルカーボネートとの反応等によって得
られる、末端基がメチルカーボネート基とフェニルカー
ボネート基からなるプレポリマー、例えば次式(II
I): (lは前記の通り) で表されるプレポリマーを調製し、溶媒結晶化処理又は
加熱結晶化処理を行った後、固相重合させることによっ
て、ビスフェノールAのポリカーボネートを製造できる
ことを示した。
であるメチルカーボネート基とフェニルカーボネート基
から、メチルフェニルカーボネートが脱離していく反応
によって重縮合が進行する。
を低くすることが可能である。従って、固相重合では、
重合時のポリマーの熱劣化が抑制され、品質の良好なポ
リマーが得られることが固相重合法の大きな特徴の1つ
であるが、一般に、重合速度が遅いのが欠点である。前
記の脱ジメチルカーボネート反応又は脱メチルフェニル
カーボネート反応を伴う固相重合法による芳香族ポリカ
ーボネートの製造法においても、なお、重合速度が十分
でなく、長い重合時間が必要であった。そして、これら
の固相重合法において、重合時間を短縮するために触媒
を使用することも可能であるが、この触媒が生成ポリマ
ー中に残存すれば、一般にポリマーの品質を低下(例え
ば、成形時のシルバーストリーク発生等)させやすいと
いう問題があった。
々の欠点を克服し、塩素化合物を含まない高品質の芳香
族ポリカーボネートを製造する方法を提供するものであ
り、しかも従来の固相重合法よりも重合速度が速く、ハ
ンドリングの容易な固相重合に適した多孔性の結晶性芳
香族ポリカーボネートプレポリマーを提供することを目
的としてなされたものであり、さらには、このプレポリ
マーの製造方法及び、このプレポリマーを用いる固相重
合による芳香族ポリカーボネートの製造方法をも提供す
るものである。
ジアリールアルカンを主成分とするジヒドロキシアリー
ル化合物と、ジフェニルカーボネートなどのジアリール
カーボネートを原料とする芳香族ポリカーボネートの製
造法において、これまで全く試みられていなかった固相
重合による高重合度化が可能であることを見出し、別に
出願した(特開平1−158033号(特公平7−094546号公
報)WO89−02904号、特開平2−180925号)。
カーボネート基からなる実質的に非晶性のプレポリマー
を結晶化させ、この結晶性プレポリマーを固相重合させ
ることによって、高品質の芳香族ポリカーボネートを製
造する方法を掲示するものであるが、その際、該結晶性
プレポリマーの結晶化度が固相重合を実施する上で重要
な役割を果たしていることを見出したものである。
による芳香族ポリカーボネートの製造方法について、さ
らに鋭意研究を続けた結果、結晶性芳香族ポリカーボネ
ートプレポリマーの比表面積が、固相重合をさらに有利
に実施する上で重要な役割を果たしていることを見出
し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
キシル末端基及びアリールカーボネート末端基からな
り、且つ該ヒドロキシル基とアリールカーボネート基の
モル比が5:95〜95:5であり、数平均分子量が1,000〜15,
000で、かつ比表面積が0.2m2/g以上で、結晶化度が5%
以上である、多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートプ
レポリマー粉体。
末端基及びアリールカーボネート末端基からなり、且つ
該ヒドロキシル基とアリールカーボネート基のモル比が
5:95〜95:5であり、数平均分子量が1,000〜15,000で、
かつ比表面積が0.2m2/g以上で、結晶化度が5%以上で
あり、かつ粒状成形体の形態を有する、多孔性、結晶性
芳香族ポリカーボネートプレポリマー粒状成形体。
キシル末端基及びアリールカーボネート末端基からな
り、且つ該ヒドロキシル基とアリールカーボネート基の
モル比が5:95〜95:5であり、数平均分子量が1,000〜15,
000である非晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー
を溶媒中で高剪断下で処理する、多孔性、結晶性芳香族
ポリカーボネートプレポリマー粉体を製造する方法。
ートプレポリマー粉体に十分な圧力又は熱を加えること
により、多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポ
リマーの凝集粉体を製造する方法。
シル末端基及びアリールカーボネート末端基からなり、
且つ該ヒドロキシル基とアリールカーボネート基のモル
比が5:95〜95:5であり、数平均分子量が1,000〜15,000
で、かつ比表面積が0.2m2/g以上で、結晶化度が5%以
上である多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポ
リマー粉体もしくは凝集粉体の形態を有する多孔性、結
晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマーを、該プレポ
リマーのガラス転移温度以上でしかも該プレポリマーが
固体状態を保つ温度で加熱ゾーンにおいて加熱し、重縮
合副生成物を加熱ゾーンより除去しながら固装重合を行
う、結晶化度が35%以上で、数平均分子量が6,000〜20
0,000の多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体
もしくは凝集粉体を製造する方法。
ーの該粉体又は該凝集粉体を加熱し、そこに該プレポリ
マー1g当たり、0.1〜10N(N.T.P)/hrの不活性ガスを
流通させ、加熱ゾーンより重縮合副生成物を含んだ不活
性ガスを排出させる、記載の方法。
するかもしくは排出された不活性ガスを新たな不活性ガ
スにより希釈することにより、得られた不活性ガス中の
重縮合副生成物の含有量が不活性ガス中の分圧として5m
mHg以下になった不活性ガスを、不活性ガスとして加熱
ゾーンに供給する、記載の方法。
れ且つ結晶化度が35%以上で、数平均分子量が6,000〜2
00,000を有することを特徴とする、(但し、該ポリカー
ボネート粉体又は凝集粉体が、 1)結晶化度が35〜70%で、 2)重合体の末端が の場合末端のうちの−OH部分が、重合体に対して重量
比で0.003%以下で 3)実質的に塩素原子を含まず 4)表面積が0.1m2/g以上である、 上記1)〜4)の組合せをすべて満たすものである場合
を除く) 多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体又は凝
集粉体。
レポリマー粉体又は記載の方法で製造された多孔性、
結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー凝集粉体を
造粒する、多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートプレ
ポリマー粒状成形体の製法。
ートプレポリマー粒状成形体を該プレポリマー粒状成形
体のガラス転移温度以上で、且つ該プレポリマー粒状成
形体が固体状態を保つ温度で加熱ゾーンにおいて加熱
し、重縮合副生成物を加熱ゾーンより除去しながら固相
重合を行う、結晶化度が35%以上で、数平均分子量が6,
000〜200,000の多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネート
粒状成形体を製造する方法。
ー粒状成形体を加熱し、そこに該プレポリマー粒状成形
体1g当たり、0.1〜50N(N.T.P)/hrの不活性ガスを流
通させ、加熱ゾーンより重縮合副生成物を含んだ不活性
ガスを排出させる、記載の方法。
するかもしくは排出された不活性ガスを新たな不活性ガ
スにより希釈することにより、得られた不活性ガス中の
重縮合副生成物の含有量が不活性ガス中の分圧として5m
mHg以下になった不活性ガスを、不活性ガスとして加熱
ゾーンに供給する、記載の方法。
れた多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネート粒状成形
体。
キシル末端基及び/又はアリールカーボネート末端基か
らなり、数平均分子量が6,000〜200,000、かさ密度が0.
1〜1.1g/cm3、結晶化度が35%以上、圧縮破壊強度が10k
g重/cm2以上である、多孔性、結晶性芳香族ポリカーボ
ネート成形体。
キシル末端基及び/又はアリールカーボネート末端基か
らなり、数平均分子量が6,000〜200,000、比表面積が0.
1m2/g以上及び結晶化度が35%以上である多孔性、結晶
性芳香族ポリカーボネートの粉体、凝集粉体又は粒状成
形体を加熱して、その温度を該ポリカーボネートのガラ
ス転移温度以上であり、かつ該ポリカーボネートの結晶
融点以下に保ち、該粉体、凝集粉体、又は粒状成形体の
表面を融解し、接着させる、かさ密度が0.1〜1.1g/cm3
で、圧縮破壊強度が10kg重/cm2以上である多孔性、結晶
性芳香族ポリカーボネート成形体を製造する方法。
末端基及び/又はアリールカーボネート末端基からな
り、数平均分子量が6,000〜200,000、比表面積が0.1m2/
g以上及び結晶化度が35%以上である多孔性、結晶性芳
香族ポリカーボネートの粉体、凝集粉体又は粒状成形体
を、該ポリカーボネートのガラス転移温度以下で成形す
る、かさ密度が0.1〜1.1g/cm3で、圧縮破壊強度が10kg
重/cm2以上である多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネー
ト成形体を製造する方法。
体、凝集粉体、又は粒状成形体を製造するに当たり、 1)芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族カーボネート化
合物を反応させ、数平均分子量が1,000〜15,000で、末
端基がヒドロキシル基とアリールカーボネート基からな
る非晶性プレポリマーを生成させるに十分な温度と時間
をかけて反応させる予備重合工程、 2)該非晶性プレポリマーを5%以上の結晶化度に結晶
化させ、かつ同時にプレポリマーを多孔化するに十分な
剪断力下で溶媒で処理するに際し、 該剪断力が生成する多孔性、結晶性芳香族ポリカーボ
ネートプレポリマー粉体の平均粒径を250μm以下に
し、比表面積を0.2m2/g以上にするに十分なものである
結晶化及び多孔化工程、 3)多孔性、結晶性プレポリマー粉体、又は該プレポリ
マー粉体より作られた多孔性、結晶性プレポリマー凝集
粉体又は粒状成形体を固相重合反応を進行させるため
に、該プレポリマーのガラス転移温度以上で、しかも該
プレポリマーが固体状態を保つ温度で加熱する固相重合
工程、 を順次行う、多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネート粉
体、凝集粉体、又は粒状成形体の製造方法。
粉体、又は粒状成形体を製造するに当たり、 1)分子量調節剤の存在下、芳香族ジヒドロキシ化合物
とホスゲンとを反応させて、数平均分子量が1,000〜15,
000のプレポリマーを調製する予備重合工程、 2)該プレポリマーを5%以上の結晶化度に結晶化さ
せ、かつ同時にプレポリマーを多孔化するに十分な剪断
力下で溶媒で処理するに際し、 該剪断力が生成する多孔性、結晶性芳香族ポリカーボ
ネートプレポリマー粉体の平均粒径を250μm以下に
し、比表面積を0.2m2/g以上にするに十分なものである
ことを特徴とする、結晶化及び多孔化工程、 3)多孔性、結晶性プレポリマー粉体、又は該プレポリ
マー粉体より作られた多孔性、結晶性プレポリマー凝集
粉体又は粒状成形体を固相重合反応を進行させるため
に、該プレポリマーのガラス転移温度以上で、しかも該
プレポリマーが固体状態を保つ温度で加熱する固相重合
工程、 を順次行う、多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネート粉
体、凝集粉体、又は粒状成形体の製造方法。
粉体、又は粒状成形体を製造するに当たり、 1)末端基が主としてアリールカーボネート基からな
り、数平均分子量が約350〜950である芳香族ポリカーボ
ネートオリゴマーと芳香族ジヒドロキシ化合物とを充分
な温度と時間の下に反応させ、末端ヒドロキシル基と末
端アリールカーボネート基を有する数平均分子量1,000
〜15,000の非晶性プレポリマーを調製する予備重合工
程、 2)該非晶性プレポリマーを5%以上の結晶化度に結晶
化させ、かつ同時にプレポリマーを多孔化するに十分な
剪断力下で溶媒で処理するに際し、 該剪断力が生成する多孔性、結晶性芳香族ポリカーボ
ネートプレポリマー粉体の平均粒径を250μm以下に
し、比表面積を0.2m2/g以上にするに十分なものであ
る、結晶化及び多孔化工程、 3)多孔性、結晶性プレポリマー粉体、又は該プレポリ
マー粉体より作られた多孔性、結晶性プレポリマー凝集
粉体又は粒状成形体を固相重合反応を進行させるため
に、該プレポリマーのガラス転移温度以上で、しかも該
プレポリマーが固体状態を保つ温度で加熱する固相重合
工程、 を順次行う、多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネート粉
体、凝集粉体、又は粒状成形体の製造方法。
係を第12図に示す。
ジヒドロキシ化合物と芳香族カーボネート化合物を加熱
下に反応させる予備重合によりまず非晶性芳香族ポリカ
ーボネートプレポリマーを製造し、次いで、該非晶性プ
レポリマーを結晶化溶媒を用いて結晶化と多孔化させ
て、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー多孔体
を調製し、これを固相重合することにより結晶性芳香族
ポリカーボネート多孔体を得るというものである。
レポリマー多孔体は、通常、繰り返し単位として: からなっており、その末端基は芳香族基に直結したヒド
ロキシル基(−OH)と、アリールカーボネート基: からなっている。
香族基を表す。
の数平均分子量などによって変化するが、 のモル比は、通常、5/95〜95/5の範囲である。この範囲
の中でも、固相重合速度をより高められるという意味に
おいて、10/90〜90/10の範囲が好ましく、さらにより好
ましい範囲は20/80〜80/20である。
合を例にとって末端基組成の好ましい範囲を以下に説明
する。
量ポリカーボネートを短時間で製造するためには、 のモル比は、40/60〜60/40の範囲が重合速度が速く好ま
しい。
溶液粘度や溶融粘度が急激に上がるので、所望の超高分
子量ポリカーボネートの製造は困難か、あるいは実質的
に不可能であった。上記の平均分子量及び末端基の比を
有する本発明のプレポリマーを用いれば、純度の影響が
ないため、該超高分子量ポリカーボネートの製造も可能
となる。
ーボネート(数平均分子量8,000〜13,000)は末端ヒド
ロキシル基が少ない方が好ましく、これを製造するため
には、該プレポリマーの末端基の比、すなわち、 のモル比が5/95〜49/51、特に好ましくは20〜80/40/60
の範囲が好ましい。
香族ポリカーボネートを製造するためには、 のモル比が51/49〜95/5、特に好ましくは60〜40〜80/20
の範囲が望ましい。
固相重合して得られる結晶性芳香族ポリカーボネート多
孔体の末端基は、ヒドロキシル基とアリールカーボネー
ト基の両方を含むものが普通であるが、ヒドロキシル基
のみからなるもの、あるいはアリールカーボネート基の
みからなるものも製造できる。
ーボネート基以外の基として、例えばエチルカーボネー
ト基を含む場合には、上記の比のヒドロキシル基をヒド
ロキシル基とエチルカーボネート基の和に置き換える。
30を有する2価の炭素環式または複素環式芳香族基を表
し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルカン基を表
す。) で表される2価の芳香族基である。
子が、反応に悪影響を及ぼさない他に置換基、例えば、
ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜
10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル
基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などに
よって置換されたものであっても良い。
しては、1ないし複数の環形成窒素原子又は酸素原子又
はイオウ原子を有する芳香族基を挙げることが出来る。
レン、置換又は非置換のナフチレン、置換又は非置換の
ビフェニレン、置換又は非置換のピリジレンなどの基を
表す。ここでの置換基は前述の通りである。
〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構
成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環構成炭素数5〜
10の炭素環式芳香族、炭素数6〜10の炭素環式アラルキ
ル基を表し、kは3〜11の整数を表す。) で表される有機基である。
子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコ
キシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基又はフ
ェニル基であって、m及びnは1〜4の整数で、mが2
〜4の場合には各R5はそれぞれ同一でも異なるものであ
ってもよいし、nが2〜4の場合には各R6はそれぞれ同
一でも異なるものであってもよい。) で表されるものが挙げられる。
O−、−CO−、−S−、−SO2−、−SO−、−COO−、−
CON(R1)−であり、但し、R1は前述の通りなどの2価
の基を表す。) で表されるものであってもよい。
価の芳香族基のうち単一種類のものからなるものであっ
てもよいし、2種類以上のものからなるものであっても
よい。
ェノールAの残基である、式(VIII): で表される基がAr全体の85〜100モル%含んでいる場合
である。
01〜3モル%の範囲内で、3価の芳香族基を含んでいて
もよい。
又は複素環式芳香族基を表すが、このAr3において、1
つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置
換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノ
キシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、
ニトロ基などによって置換されたものであってもよい。
ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基を挙げることが
できる。これらは、上述の一種以上の置換基で置換され
たものでもよい。
レポリマー多孔体は、数平均分子量が1,000〜15,000で
ある。数平均分子量が1,000より小さいものは、固相重
合時間が長くなって好ましくないし、また固相重合時の
融着も起こり易いので好ましくない。一方、15,000より
大きくしても固相重合に特段のメリットを与えない。よ
り好ましい数平均分子量の範囲は1,500〜10,000であ
る。さらにより好ましい範囲は2,000〜8,000である。
レポリマー多孔体は、比表面積が0.2m2/g以上である。
この比表面積の大きさが、上記プレポリマーから結晶性
芳香族ポリカーボネート多孔体を固相重合によって製造
する場合に重要な役割を果たしている。比表面積が0.2m
2/g未満のプレポリマー多孔体では、固相重合速度が遅
くなり、工業的に芳香族ポリカーボネートを製造するの
は不利となってくるからである。本発明の結晶性芳香族
ポリカーボネートプレポリマー多孔体の比表面積が大き
いほど、その固相重合速度が速くなるので、有利であ
る。
表面積は0.2m2/g以上であることが必要で、好ましくは
0.5m2/g以上であり、さらに好ましくは0.8m2/g以上であ
る。
ガスを用いて測定したものである。
多孔体が有する0.2m2/g以上もの大きい比表面積は、プ
レポリマーを多孔性にすることにより達成されている。
本発明のプレポリマーが多孔性であることは、例えば第
1、2、4、5、6、7及び8図に示された走査型電子
顕微鏡写真に見られる通りである。
リマー多孔体は、結晶性である。この結晶化度について
は特に制限はないが、X線回折法で測定した値が、通常
5〜55%の範囲のものが好ましい。結晶化度が5%より
も低いと融着しやすく、固相重合を実施し難くなり、ま
た、55%よりも高すぎると固相重合速度が遅くなる。固
相重合の行い易さの点からは、結晶化度が10〜45%のプ
レポリマーがより好ましく、さらにより好ましくは、結
晶化度が15〜40%のプレポリマーである。
マー多孔体の結晶化度とは、完全非晶性プレポリマーと
結晶化プレポリマーの粉末X線回折図(例えば、第10図
と第11図)を用いて、次のような方法により得られた値
のことを意味する。
が観測されるが、これは結晶部分に起因する結晶散乱
と、非晶部分に起因する非晶散乱の和として現れるもの
である。
し、それらに比例するX線散乱強度をそれぞれIc、Iaと
し、IcとIaとが分離できたとすると、結晶化度Xc(%)
は; (I100cは完全結晶の単位質量当たりの結晶散乱強度
を、またI100aは完全非晶の単位質量当たりの非晶散乱
強度を表す。) で与えられる。
香族ポリカーボネートプレポリマー多孔体はK=1の値
を持つものであると仮定し、次の式により結晶化度X
c(%)を求めた。
による散乱、原子の熱運動に起因する散乱、コンプトン
散乱などに基づく、いわゆるバックグラウンドと、結晶
散乱強度と非晶散乱強度の和として表されたものである
から、これから結晶化度を求めるには、各成分を分離す
る必要がある。
図を用いて次のような方法で行った。
粉末X線回折図(第11図)において、2θ=10゜の点
(P)と2θ=35゜の点(Q)を結ぶ直線PQ(ベースラ
イン)を引く。結晶散乱強度がゼロと考えられる2θ=
15゜での回折強度曲線上及びベースライン上の点をそれ
ぞれ(R)、(S)とする。
を280〜300℃で溶融させて厚さ約1mmのシート状にした
ものを、その温度から0℃に急冷させて完全に非晶化さ
せたもの)の粉末X線回折図(第10図)において、直線
KL(ベースライン)と2θ=15゜での点回折強度曲線上
及びベースライン上の点(M)及び(N)を得る。
られる。
多孔体の形状は、通常、粉末状又は顆粒状である。
レポリマー多孔体を用いて、固相重合を実施する場合、
微粉を量が少ない方が、ハンドリングが容易であるので
好ましい。微粉の量が多いと、固相重合中に、プレポリ
マーやポリマー同士の融着や、固相重合用反応容器への
プレポリマーやポリマーの融着が起こりやすくなり、好
ましくない。このような意味において、50μm以下の微
粉の割合が10重量%以下のプレポリマーが固相重合用に
適している。
多孔体を製造する好ましい方法の1つは、予備重合によ
り数平均分子量が1,000〜15,000で、末端基がヒドロキ
シル基とアリールカーボネート基からなる実質的に非晶
性の芳香族ポリカーボネートプレポリマーを製造し、こ
れを結晶化溶媒中で、平均粒径が250μm以下になるよ
うに高剪断力をかけて撹拌することによって結晶化させ
ながら多孔化させる方法である。
ポリマーは固体状、溶融状のどちらでもよい。このよう
な方法においては、結晶化と多孔化はプレポリマーの固
体表面から起こっていくので、結晶化溶媒中でプレポリ
マーの固体を高剪断力をかけて機械的に粉砕し、その平
均粒径が250μ以下になるように結晶化処理を行うこと
が、本発明の比表面積が0.2m2/g以上の多孔体を製造す
る上で有効である。
ーの平均粒径であって、後述の顕微鏡によって測定され
るものである。結晶化溶媒中で該プレポリマーを高剪断
力をかけて機械的に粉砕する方法としては、ワーリング
ブレンダーなどの高速回転羽根を有する装置や、カッタ
ー付うず巻ポンプを用いる方法などがある。結晶化工程
での所要時間を短縮するためには、結晶化溶媒に導入す
る非晶性プレポリマーは、固体状態及び溶融状態のいず
れの場合でも、その形状は繊維状、ストランド状、フィ
ルム状、小粒状などのものが好ましい。
表面積を有する粉末状又は顆粒状の結晶性芳香族ポリカ
ーボネートプレポリマー多孔体が得られるが、微粉の存
在量を減少させる目的で、これらの粉末を凝集させて2
次粒子化させることも好ましい方法である。
は、該粉末又は顆粒を取得するために、溶媒類を除去す
る必要がある。この除去方法としては、通常、遠心分離
や、加圧又は真空濾過等が挙げられ、これらの方法は粉
体間に圧力がかかる状態で行われるので、微粉の凝集及
び2次粒子化が同時に行われることになり好都合であ
る。
留去した後でも微粉化せず、安定に存在し得る。この理
由は明らかではないが、恐らく、該プレポリマー多孔体
中に存在する低分子量ポリカーボネートオリゴマーが微
粒子間の接着剤的な役割を果たしているためであろうと
思われる。このような意味で、該オリゴマーの少ない該
プレポリマー多孔体を用いる場合には、低分子量ポリカ
ーボネートオリゴマーを添加した上で、結晶化・多孔化
処理を行うことが好ましい。
融着しやすいことを利用するもので、粉末状の結晶性芳
香族ポリカーボネートプレポリマー多孔体を該プレポリ
マー多孔体がわずかに融着するような適度な温度に加熱
することによっても実施できる。
2mm以下である。
ネートプレポリマーを結晶化させるのに必要な時間は、
該プレポリマーの種類や分子量、形状、あるいは用いる
溶媒の種類、処理温度などによって異なるが、通常数秒
〜数時間の範囲で結晶化が行われる。
るが、上記範囲内でも一般的に結晶化処理温度が高い方
が結晶化速度が速く、また比表面積の大きい結晶性芳香
族ポリカーボネートプレポリマー多孔体が得られやすい
ので好ましい。
できる好ましい溶媒としては、例えば、クロロメタン、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエタ
ン、ジクロロエタン(各種位置異性体)、トリクロロエ
タン(各種位置異性体)、トリクロロエチレン、テトラ
クロロエタン(各種位置異性体)などの脂肪族ハロゲン
化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなど
の芳香族ハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、
ジオキサンなどのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル
などのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなど
のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類などが挙げられる。これらの溶媒は1種類
用いても良いし、2種以上を混合して用いてもよい。こ
のうち、アセトンは比表面積の大きい結晶性芳香族ポリ
カーボネートプレポリマーを製造できるので、特に好ま
しい。
化に用いられる溶媒の量は、該プレポリマーや溶媒の種
類、必要とする結晶化度、必要とする比表面積、処理温
度などによっても異なるが、通常、該プレポリマーの重
量に対して0.1〜100倍、好ましくは0.3〜50倍の範囲で
ある。
ートプレポリマー粒状成形体について説明する。
0〜15,000で、末端基がヒドロキシル基とアリールカー
ボネート基からなり、且つ比表面積が0.2m2/g以上、よ
り好ましくは0.5m2/g以上の多孔性、結晶性芳香族ポリ
カーボネートプレポリマー(多孔体)からなり、圧縮破
壊強度が5kg重/cm2以上である粒状成形体のことであ
る。その中でも、数平均分子量、末端基、比表面積が上
記の通りで、結晶化度が5〜55%(X線回折法)である
結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー多孔体から
なり、圧縮破壊強度が5kg重/cm2以上である該プレポリ
マー粒状成形体が特に好ましい。
や、固相重合前後のハンドリングが容易なこと、固相重
合時のプレポリマーの飛散がないこと、固相重合時の融
着がないことなどの優れた特徴を有していることに加え
て、このような粒状成形体では、固相重合速度を飛躍的
に向上させることが可能である。
はなく、通常、ペレット状、球状、円柱状、円板状、多
角注状、立方体状、直方体状、円筒状、レンズ状などに
成形される。
は通常0.5mm〜30mm、好ましくは0.8mm〜10mm、特に好ま
しくは1mm〜5mmである。0.5mmよりも小さい場合は、微
粉が飛散したり、固相重合時に融着しやすくなる。ま
た、30mmより大きい場合は、ハンドリング上好ましくな
い。
工業協会編、昭和50年発行、第19〜20頁に記載の体積平
均径で定義されるものである。すなわち、短軸径(粒子
を平面上に安定させ、その粒子の平面上への投影像を2
本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔が最小とな
る粒子の幅をw、長軸径(短軸径の平行線に直角な方向
の2本の平行線で粒子の平面上への投影像を挟むときの
距離)をL、その粒子の高さをhとしたとき、体積平均
径は次式で定義される: 体積平均径=3Lwh/(Lw+wh+hL) このようなプレポリマー粒状成形体を製造する方法
は、どのようなものであってもよいが、粉末状または顆
粒状の結晶性芳香族ポリカーボネートトプレポリマー多
孔体を、転動法、振動性、圧縮成形法、押出成形法など
の通常の粉体の造粒方法で造粒成形する方法で容易に実
施できる。これらの造粒方法のなかで、押出し造粒法ま
たは圧縮造粒法が特に好ましい。押出し造粒法または圧
縮造粒法では、本発明の5kg重/cm2以上の圧縮破壊強度
を有する粒状成形体が容易に製造できるからである。押
出し造粒法の装置形式としては、スクリュー方式、ロー
ル型円筒ダイス方式、ロール型円板ダイス方式等が例示
される。また、圧縮造粒法の装置形式の例としては、圧
縮ロール方式、ブリケッティングロール方式、打錠方式
等が挙げられる。造粒温度は該プレポリマー多孔体の融
点以下、通常は100℃以下である。
ー多孔体を用いて行う乾式造粒法でも実施でき、また、
適当な液体媒体を含む湿潤状態で行う湿式造粒法でも実
施できるが、湿式造粒の方法が好ましい。特に非晶性プ
レポリマーを結晶化して結晶化プレポリマー多孔体を製
造する際に溶媒を用いる場合には、結晶化後にこの溶媒
を完全に除去せずに、結晶化溶媒が一部残存する状態に
して湿式造粒することができるので好ましい。
g重/cm2以上の圧縮破壊強度を有している。
合前及び固相重合時での粉化等が起こり、ハンドリング
が面倒になるからである。この圧縮破壊強度が大きいも
の程好ましいが、5kg重/cm2あれば十分である。
は木屋式硬度計を用いて測定したものであり、該粒状成
形体に圧縮荷重をかけ、該粒状成形体が破壊したときの
荷重の値を表すものである。
体の強度が最も大きく測定されるように配慮し、10点測
定したうち、最大値、最小値を除いた8測定値の平均値
を該粒状成形体の圧縮破壊強度とする。
ボネートの製造方法について説明する。
000〜15,000で、末端基がヒドロキシル基とアリールカ
ーボネート基からなり、且つ表面積が0.2m2/g以上の多
孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー(多
孔体)を加熱下に固相重合させることにより結晶性芳香
族ポリカーボネートの製造方法が提供される。
晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー多孔体を固相
重合させることがより好ましく、さらに、前記の方法に
おいて、結晶化度が5〜55%の範囲の結晶性芳香族ポリ
カーボネートプレポリマー多孔体を固相重合させること
が好ましい。
て、前述の結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー
多孔体からなり、圧縮破壊強度が5kg重/cm2以上である
粒状成形体を固相重合させる芳香族ポリカーボネートの
製造方法が挙げられる。
は、数平均分子量が該プレポリマーのそれよりも高めら
れたものであって、その範囲が6,000〜200,000の範囲で
あり、結晶化度が35〜70%、末端基がヒドロキシル基又
はアリールカーボネート基又はその両方からなってお
り、且つ圧縮破壊強度が10kg重/cm2以上の結晶性芳香族
ポリカーボネート粒状成形体である。
破壊強度が原料であるプレポリマーの粒状成形体のそれ
よりも大きい10kg重/cm2となっていることは、全く予想
外のことであった。
ル類やジアリールカーボネートが該プレポリマーから除
去されながら進行するため、成形体の圧縮破壊強度は低
下することが予想されたが、驚くべきことに固相重合後
の粒状成形体の圧縮破壊強度は、重合前の該プレポリマ
ーの粒状成形体のそれよりも強くなることが明らかとな
った。この事実をもとに、本発明の該プレポリマー粒状
成形体の圧縮破壊強度範囲からでも十分圧縮破壊強度の
高い結晶性ポリカーボネートの粒状成形体を得ることが
可能となったのである。
ネート粒状成形体の形状および粒径は、原料である結晶
性芳香族ポリカーボネートプレポリマー粒状成形体の形
状、粒径がほぼ維持される。すなわち、ペレット状、球
状、円柱状、円板状、多角注状、立方体状、直方体状、
円筒状、レンズ状など種々の形状が可能であり、また、
粒径は、通常0.5mm〜30mmの範囲である。
プレポリマー多孔体または、該多孔体から成る粒状成形
体を加熱することによって実施されるが、該固相重合反
応を実施する際の反応温度Tp(℃)及び反応時間につい
ては、結晶性プレポリマー多孔体の種類(化学構造、分
子量など)や形状、結晶性プレポリマー多孔体中の触媒
の有無や種類や量、必要に応じて追加される触媒の種類
や量、結晶性プレポリマー多孔体の結晶化の度合や結晶
の溶融温度Tm(℃)の違い、結晶性プレポリマー多孔体
の比表面積の違い、目的とする結晶性芳香族ポリカーボ
ネートの必要重合度、あるいは他の反応条件などによっ
て異なるが、結晶性プレポリマー多孔体のガラス転移温
度以上で、かつ固相重合中に結晶性プレポリマー多孔体
が溶融しないで固相重合を保つ範囲の温度であることが
必要である。
点は上昇するので、重合の進行とともに、重合温度を上
げていくのは一つの好ましい方法である。
しくは0.1〜50時間程度加熱することにより、固相重合
反応が行われる。このような温度範囲としては、例えば
ビスフェノールAのポリカーボネートを製造する場合に
は、約150〜260℃が好ましく、特に約180〜230℃が好ま
しい。
てくる芳香族モノヒドロキシ化合物及び/またはジアリ
ールカーボネートを系外に抜き出すことによってその反
応が促進される。そのための方法としては、減圧下に反
応を行う方法と不活性ガスを導入して上記重縮合副生物
をこれらのガスに随伴させて除去する方法、及びこれら
を併用した方法が好ましく用いられる。
ム、二酸化炭素などのいわゆる不活性ガスだけでなく、
低級炭化水素ガスやアセトンなどの固相重合に不活性な
ガスを言う。また、同伴用の不活性ガスを導入する場合
には、これらのガスを、反応温度付近に加熱しておくこ
とが好ましい。
うなガスを導入して、ガスの流通下に行う方法がある
が、この際に、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリ
マー多孔体の重量当たりのガス流量が重要である。
レポリマー多孔体の固相重合を行う際には、該プレポリ
マー多孔体1g当たり、0.1〜10N/hr、好ましくは0.2〜
7N/hr、の不活性ガスを流通させることが好ましい。
不活性ガスの流量が0.1N/hrより少ない場合には固相
重合速度が遅くなり好ましくない。また、不活性ガスの
流量が10N/hrより多い場合には固相重合速度が速くな
る利点があるが、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポ
リマー多孔体は、通常、粉末状または顆粒状なので、固
相重合中に飛散して重合器壁に付着したり、重合器外へ
排出され易くなる等の問題がでてくるので好ましくな
い。
リマー多孔体の粒状成形体の固相重合の場合には、該粒
状成形体1g当たり、0.1〜50N/hr、好ましくは0.2〜30
N/hr、の不活性ガスを流通させて行われることが好ま
しい。このような粒状成形体の場合には、固相重合中の
飛散等による問題点がないために、不活性ガス流量を該
粒状成形体1g当たり、50N/hrまで挙げることができ
る。不活性ガスの流量が多い程、固相重合速度を飛躍的
に向上できることが分かったが、該粒状成形体1g当た
り、50N/hrよりも多くしても重合速度の向上に及ぼす
寄与率がだんだん小さくなるので、50N/hrよりも多く
する必要もない。重合度向上の点からは、該粒状成形体
1g当たり、0.2〜30Nリットル/hrの不活性ガス流量を用
いることがより好ましい。
不活性ガスは、再使用せずに排出することもできるが、
コスト高になるので、通常、これらの不活性ガスは回収
して再使用に供される。
の重縮合副生成物である芳香族ヒドロキシ化合物等が含
まれている。従って、固相重合に使用した不活性ガスを
回収して再使用する場合には、不活性ガス中に含まれて
いる縮重合副生物、芳香族ヒドロキシル化合物等を完全
に分離した後、再使用に供することが必要と考えられて
いた。ところが、再使用するガス中に縮重合副生物、芳
香族ヒドロキシ化合物等が存在しても、その分圧を5mmH
g以下にすれば、予想外にも固相重合が進行することを
見出した。
そのガス中に含まれる芳香族ヒドロキシ化合物等の分圧
は、0.001mmHgより低くする必要もない。芳香族ヒドロ
キシ化合物等の分圧が0.001mmHgより低い場合は、固相
重合を行う上で特に問題はないが、固相重合に使用した
不活性ガスを回収して再使用する再のコストが高くな
り、工業的に実施する場合には好ましくないからであ
る。
は、回分式、連続式、及びこれらを併用した方式のもの
などいずれの方法のものであってもよく、例えば、タン
ブラー型、キルン型、パドルドライヤー型、スクリュー
コンベアー型、振動型、流動床型、固定床型、移動床型
等が挙げられる。
な速度で進行させることができ、これが最も好ましい実
施態様であるが、さらに反応速度を高める目的で触媒を
使用することもできる。しかしながら、このような触媒
は、通常の場合、最終製品である芳香族ポリカーボネー
トの中にそのまま残存し、このような残存触媒がポリマ
ー物性(例えば、色、耐熱性、耐熱水性、耐候性など)
に悪影響を及ぼす場合が多いので、触媒の使用量はでき
るだけ少ない方が好ましい。
多孔体を製造するときに重合触媒を使用したならば、通
常、得られた該プレポリマー多孔体中に触媒が残存する
ので、新たに触媒を加える必要もない。しかし、結晶化
及び多孔化処理時に、触媒が除去されたり、活性が低下
している場合もあるので、その際には、必要に応じて適
当な触媒を加えることもできる。つまり、液状又は気相
状態にした触媒成分を該結晶プレポリマー多孔体に加え
ることもできる。
媒であり、この分野で用いられている重縮合触媒であれ
ば特に制限はないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ
金属及びアルカリ土類金属の水酸化物類;水酸化アルミ
ニウムリチウム、水酸化ホウ素ナトリウム、水酸化ホウ
素テトラメチルアンモニウムなどのホウ素やアルミニウ
ムの水素化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、
第四級アンモニウム塩類;リチウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、カルシウムメトキシドなどのアルカリ
金属及びアルカリ土類金属のアルコキシド類;リチウム
フェノキシド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウム
フェノキシド、LiO−Ar−OLi、NaO−Ar−ONa(Arはアリ
ール基)などのアルカリ金属及びアルカリ土類金属のア
リーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息
香酸ナトリウムなどとアルカリ金属及びアルカリ土類金
属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシ
ドなどの亜鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナ
トリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ
酸トリフェニルなどのホウ素の化合物類;酸化ケイ素、
ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリ
ールケイ素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素など
のケイ素の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマ
ニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノ
キシドなどのゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、ジア
ルキルスズオキシド、ジアリールスズオキシド、ジアル
キルスズカルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリ
ブトキシドなどのアルコキシ基又はアリーロキシ基と結
合したスズ化合物、有機スズ化合物などのスズの化合物
類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基炭酸鉛、鉛及び有機
鉛のアルコキシド又はアリーロキシドなどの鉛の化合物
類;第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第
4級アルソニウム塩などのオニウム化合物類;酸化アン
チモン、酢酸アンチモンなどのアンチモンの化合物類;
酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガンなどのマ
ンガンの化合物類;酸化チタン、チタンのアルコキシド
又はアリールオキシドなどのチタンの化合物類;酢酸ジ
ルコニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムのアルコ
キシド又はアリールオキシド、ジルコニウムアセチルア
セトンなどのジルコニウムの化合物類などの触媒を用い
ることができる。
ポリカーボネートプレポリマー多孔体に対する使用量
は、金属含有触媒の場合は該金属の量に換算して、ま
た、金属不含有触媒の場合は該触媒中のカチオン種とな
る元素の量に換算して、通常は1ppm〜500ppmの範囲であ
る。
となく、実質的に無触媒で実施することが容易であり、
このようにして得られる芳香族ポリカーボネートの品質
は格段に優れており、このことは本発明の方法の大きな
特徴の1つである。
である1ppmよりも少ないときのことを意味する。
多孔体を前記のような方法で固相重合させることによっ
て、比表面積が0.1m2/g以上で、且つ数平均分子量が該
プレポリマー多孔体のそれよりも高められたものであ
て、その範囲が6,000〜200,000である、結晶性芳香族ポ
リカーボネート多孔体が容易に得られる。
リカーボネートプレポリマー多孔体を前記のような方法
で固相重合させることによって、比表面積が0.1m2/g以
上で、結晶化度が35〜70%であり、且つ数平均分子量が
該プレポリマー多孔体のそれよりも高められたものであ
って、その範囲が6,000〜200,000である、結晶性芳香族
ポリカーボネート多孔体が容易に得られる。
ポリカーボネートが、粉末状又は顆粒状などの小粒径の
ものである場合には、該結晶性芳香族ポリカーボネート
をその結晶融点よりも低い温度で圧縮成形や押出成形を
することによって、数平均分子量が6,000〜200,000の範
囲であって、結晶化度が35〜70%であり、主たる末端基
がヒドロキシル基又はアリールカーボネート基又はその
両方からなっており、且つ圧縮破壊強度が10kg重/cm2以
上で、比表面積が0.1m2/g未満である、結晶性芳香族ポ
リカーボネート成形体は容易に得られる。
0.1m2/g以上を有する結晶性芳香族ポリカーボネート多
孔体が、粉末状又は顆粒状などの小粒径のものである場
合には、同様な方法で成形することによって、数平均分
子量が6,000〜200,000の範囲であって、結晶化度が35〜
70%であり、主たる末端基がヒドロキシル基又はアリー
ルカーボネート基又はその両方からなっており、比表面
積が0.1m2/g以上であり、且つ圧縮破壊強度が10kg重/cm
2以上である、結晶性芳香族ポリカーボネートの多孔性
成形体は容易に得られる。
性芳香族ポリカーボネート多孔体を、そのガラス転移温
度以上でその結晶融点までの温度に加熱して、該結晶性
ポリカーボネート多孔体を部分的に融着させるような成
形を行うことによって、嵩密度が0.1〜1.0g/cm3であ
る、結晶性芳香族ポリカーボネートの多孔性成形体が容
易に得られる。
0%で、数平均分子量が6,000〜200,000の範囲にある、
結晶性芳香族ポリカーボネート多孔体は、通常粉末状又
は顆粒状であり、これらの粉体は、結晶化度が高いため
に平衡含水量が少ないので、成形前の粉体の予備乾燥を
しなくても、成形時における粉体の加水分解はほとんど
起こらない。
の粉体を使う成形法に特に適した芳香族ポリカーボネー
トであるといえる。
カーボネート多孔体、結晶性芳香族ポリカーボネート粒
状成形体、結晶性芳香族ポリカーボネート成形体、結晶
性芳香族ポリカーボネートの多孔性成形体は、いずれも
高い結晶融点と鋭い融点ピークを有する高結晶性ポリマ
ーであり、この点においても公知のホスゲン法やメルト
(溶融)法(エステル交換法)の芳香族ポリカーボネー
トと明確に区別される。
び各種成形体は結晶性プレポリマーを固相重合して製造
するため、固相重合時に分子鎖の再配列が生じ、従来に
ない高い結晶性を示すものと思われる。
合、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点ピークは230
〜300℃、融点ピークの半値巾は3〜8℃である。DSCの
測定は不活性ガス雰囲気下、10℃/minの昇温速度、サン
プル量5〜10mgの条件で行った。これら高い結晶性の芳
香族ポリカーボネート類は、通常の非晶性ポリカーボネ
ートに比べて耐薬品性、耐溶剤性に優れている。これら
の特徴によりこれら結晶性芳香族ポリカーボネート類
は、焼結体、フィルター、ガスあるいは液の吸着剤、壁
剤、断熱剤等に用いられる。その形状はシート状、円板
状、筒状、球状、直方体、立方体等各種形状が可能であ
る。
トプレポリマーの製造方法としては特に限定されるもの
ではない。
が挙げられる。
トとのエステル交換法を用いる方法。
トとをモル比(1:1.2〜1:2の範囲)で反応させて、末端
基が主としてアリールカーボネート基からなる、数平均
分子量が約350〜950である芳香族ポリカーボネートオリ
ゴマーをあらかじめ製造しておき、該オリゴマーと芳香
族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換法を用いる方
法。
トとをモル比(1.2:1〜2:1の範囲)で反応させて、末端
基が主としてヒドロキシル基からなる、数平均分子量が
約350〜950である芳香族ポリカーボネートオリゴマーを
あらかじめ製造しておき、該オリゴマーとジアリールカ
ーボネートとのエステル交換法を用いる方法。
物とホスゲンとの界面重縮合法を用いる方法。
合物に対して、過剰量のホスゲン及び芳香族モノジヒド
ロキシ化合物(分子量調節剤)とを反応させて得られ
る、末端基が主としてアリールカーボネート基からな
る、数平均分子量が約350〜950である芳香族ポリカーボ
ネートオリゴマーをあらかじめ製造しておき、該オリゴ
マーと芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換法を
用いる方法。
ーボネートプレポリマーを製造した場合には、これらの
非晶性プレポリマー中には、実質的に塩素化合物を含ま
ないようにすることは容易であり、このような非晶性プ
レポリマーから得られた結晶性芳香族ポリカーボネート
プレポリマー多孔体、及び結晶性芳香族ポリカーボネー
トは、実質的に塩素化合物を含まないものである。
した場合であっても、本発明に使用する非晶性芳香族ポ
リカーボネートプレポリマーや、芳香族ポリカーボネー
トオリゴマーが、比較的低分子量の時は、塩素化合物を
分離除去するのは容易であるので、これらのプレポリマ
ーやオリゴマー中には塩素化合物を実質的に含まない高
純度のものにすることができる。従って、これらの方法
を用いても、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマ
ー多孔体、及び結晶性芳香族ポリカーボネートは、実質
的に塩素化合物を含まないものとすることができる。
原料として用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物とは、
式(IX): HO−Ar−OH …(IX) (式中、Arは前記の通りである。) で表されるものであり、ジアリール化合物とは 式(X): (式中、Ar3は前記の通りである。) で表されるものである。
子、炭素数1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜10を
有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアル
キル基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜5の整数
で、pが2以上の場合には各R7はそれぞれ異なるもので
あってもよいし、qが2以上の場合には各R8はそれぞれ
異なるものであってもよい。) で表される置換又は非置換のジフェニールカーボネート
類を挙げることができる。
カーボネートや、ジトリルカーボネート、ジ−t−ブチ
ルフェニルカーボネートのような低級アルキル置換ジフ
ェニールカーボネートなどの対称型ジアリールカーボネ
ートが好ましいが、特に最も簡単な構造のジアリールカ
ーボネートであるジフェニルカーボネートが好適であ
る。
良いし、2種以上を組合せて用いても良いが、2種以上
を用いると反応系が複雑になりあまり利点がないので、
対称型のジアリールカーボネート1種を用いるのが良
い。
としては、一般式(XI): Ar3−OH …(XI) (Ar3は前記の通りである。) で表される芳香族モノヒドロキシ化合物が挙げられる。
好ましい芳香族モノヒドロキシ化合物としては、例えば
フェノール、o、m、p−クレゾール、2,6−キシレー
ル、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノー
ル(オクチル基は各種)などを用いることができるが、
これらの中でフェノール及びp−t−ブチルフェノール
が特に好適である。
に、他の分子量調節剤、例えばメタノール、エタノール
などの一価アルコール類:メチルクロロホーメイト、エ
チルクロロホーメイト、イソプロピルクロロホーメイ
ト、シクロヘキシルクロロホーメイトなどのハロホーメ
イト類:メチルメルカプタン、エチルメルカプタンなど
の一価チオール類:メチルクロロチオホーメイト、エチ
ルクロロチオホーメイトなどの一価ハロチオホーメイト
類:酢酸、プロピオン酸、安息香酸、酢酸ナトリウム、
無水酢酸、アセチルクロリド、プロピオニルクロリドな
どのモノカルボン酸やその誘導体などを併用することも
有効である。
ロキシ化合物に対して、5モル%以下の二塩基酸やその
反応性誘導体を添加し、反応させることも有効である。
脂環式のいずれのものであってもよく、具体例として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリ
ン−1,5−ジカルホン酸、ジフェニル−2,2′−ジカルボ
ン酸、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シュ
ウ酸、コハク酸、セバチン酸、アジピン酸、マレイン
酸、フマル酸などの二塩基酸や、これらの二塩基酸のア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、酸ハラ
イドなどを挙げることができる。
を製造するための好ましい実施態様を述べるが、これに
は次の(A)、(B)、(C)のような方法が挙げられ
る。
ートから、結晶性芳香族ポリカーボネートを製造するに
当たり、 (a)該芳香族ジヒドロシ化合物と該芳香族カーボネー
ト化合物を加熱下に反応させて、数平均分子量1,000〜1
5,000で、末端基がヒドロキシル基とアリールカーボネ
ート基からなる非晶性芳香族ポリカーボネートプレポリ
マーを調製する予備重合工程、 (b)該非晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマーを
結晶化させ、その比表面積が0.2m2/g以上の結晶性芳香
族ポリカーボネートプレポリマー多孔体を調製する結晶
化工程、及び (c)該結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー多
孔体又は該多孔体の粒状成形体を該結晶性プレポリマー
多孔体のガラス転移温度より高く且つ該結晶性プレポリ
マー多孔体又は該多孔体の粒状成形体が固相状態を保ち
得る範囲の温度に加熱して、さらに重合度を挙げるため
の固相重合工程、を順次行うことからなる、結晶性芳香
族ポリカーボネートの製造方法。
程で得られた該非晶性プレポリマーを結晶化工程(b)
で結晶化及び多孔化させた後、工程(c)で固相重合さ
せるが、該予備重合工程においては、芳香族ジヒドロキ
シ化合物とジアリールカーボネートとの混合物を加熱す
ることによって、ジアリールカーボネートに基づくアリ
ール基にヒドロキシル基の結合した化合物である芳香族
モノヒドロキシ化合物を脱離させながら、非晶性プレポ
リマーを調製する。
の数平均分子量は、1,000〜15,000の範囲で選ばれる。
該非晶性プレポリマーの数平均分子量は、温度、時間、
圧力、撹拌等の反応条件で適宜コントロールできる。通
常、重合温度は100℃〜320℃、好ましくは160〜280℃で
あり、重合時間は0.5〜20時間の範囲である。圧力は通
常、常圧か減圧で行う。
い。
活性な溶媒、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,
2−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロベ
ンゼン、テトラヒドロフラン、ジフェニルメタン、ジフ
ェニルエーテルなどを用いてもよいが、通常は無溶媒か
つ溶融状態で実施される。
と、芳香族ジヒドロキシ化合物との使用割合(仕込比
率)については、用いられるジアリールカーボネートと
芳香族ジヒドロキシ化合物の種類や、反応温度、その他
の反応条件によって異なるが、該ジアリールカーボネー
トは、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常
0.6〜1.8モル、好ましくは0.7〜1.6モル、より好ましく
は0.8〜1.5モルの割合で用いられる。
は、通常、例えば、 (Ar3は前記の通りである。) で表されるような末端アリールカーボネート基と、例え
ば HO−Ar− (Arは前記の通りである。) で表されるジヒドロキシジアリール化合物に基づく末端
ヒドロキシル基とからなっている。
は、本発明の前半の部分で詳述した通りである。
性芳香族ポリカーボネートを製造するに当たり、 (a)分子量調節剤の存在下、該芳香族ジヒドロキシ化
合物とホスゲンとを反応させて、数平均分子量が1,000
〜15,000の芳香族ポリカーボネートプレポリマーを調製
する予備重合工程、 (b)該芳香族ポリカーボネートプレポリマーから、比
表面積が0.2m2/g以上の結晶性芳香族ポリカーボネート
プレポリマー多孔体を調製する結晶化工程、及び (c)該結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー多
孔体又は該多孔体の粒状成形体を該結晶性プレポリマー
多孔体のガラス転移温度より高く且つ結晶性プレポリマ
ー多孔体又は該多孔体の粒状成形体が固相状態を保ち得
る範囲の温度に加熱して、さらに重合度を挙げるための
固相重合工程、 を順次行う結晶性芳香族ポリカーボネートの製造方法。
ドロキシ化合物とホスゲンとを前記分子量調節剤、酸結
合剤、溶剤の存在下に反応させる公知の方法を用いるこ
とができる。
水溶液やピリジンなどの第三級アミンが好ましく用いら
れる。
ム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、クロロベンゼ
ン、キシレンなどが用いられる。
酸結合剤、分子量調節剤、溶剤(塩化メチレンが特に好
ましい)の混合物中に吹き込むか、あるいは溶剤に溶解
して、混合物中に滴下することにより反応系に加えるの
が有利である。
中、反応後のいずれの時期においても添加することがで
きるが、反応前又は反応中に添加することが望ましい。
1分〜10時間の範囲である。
平均分子量は1,000〜15,000であり、分子量調節の量、
反応温度、ホスゲンの添加速度等の条件を調節すること
によって容易に達成される。
して用いた芳香族モノジヒドロキシ化合物に基づくアリ
ールカーボネート基以外に、クロロホルメート基(−Ar
OCOCl)やアルカリ金属のフェノラート基(例えば、−A
rONa)が存在する。このクロロホルメート基はアルカリ
水溶液で完全にフェノラート基が加水分解した後、アル
カリ金属のフェノラート基を酸水溶液での中和及び純水
での洗浄によって、末端ヒドロキシル基に変換できる。
合物に加えて、エタノールなどの一価アルコール類や、
エチルクロロホーメイトなどの一価アルコールのクロロ
ホーメイト類を使用したならば、プレポリマーの末端基
は主としてアリールカーボネート基とアルキルカーボネ
ート基から成っているが、通常、これに加えてヒドロキ
シル基も存在している場合が多い。
ーは、通常、有機溶媒(塩化メチレンが特に好ましい)
の溶液である。この溶液から、固体のプレポリマーを得
る方法については特に制限はないが、例えば予備重合工
程で得られたプレポリマー溶液をよく洗浄し、中和した
後、 濃縮、乾固した後に粉砕するか、あるいは濃縮した
後に一旦粉砕して乾固する方法、 プレポリマー溶液を加熱し、高速にかきまぜなが
ら、これにスチームを吹き込み、溶媒を留去する方法、 などが好ましく用いられる。
本発明の結晶性ポリカーボネートプレポリマー多孔体を
製造するためには、該プレポリマーを固体状又は溶融状
態で結晶化溶媒中に導入し、その際、高剪断力をかけて
平均粒径が250μm以下となるように粉砕しながら、結
晶化と多孔化を進めることが好ましい。
ン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、キシレン、酢酸エチル、アセトニ
トリル、トルエンなどが挙げられる。特に、アセトンが
好ましい。
た通りであるが、末端基としては、例えばフェニルカー
ボネート基及びヒドロキシル基に加えて、エチルカーボ
ネート基などのアルキルカーボネート基を含むプレポリ
マーの場合には、固相重合反応は、前記のようにフェノ
ールやジフェニルカーボネートが脱離して重縮合してい
く反応に加えて、フェニルエチルカーボネートが脱離し
て重縮合していく反応も起こっているものと思われる。
り、数平均分子量が約350〜950である芳香族ポリカーボ
ネートオリゴマーと芳香族ジヒドロキシ化合物とから結
晶性芳香族ポリカーボネートを製造するに当たり、 (a)該芳香族ポリカーボネートオリゴマーと芳香族ジ
ヒドロキシ化合物を加熱下に反応させて、数平均分子量
が1,000〜15,000で、末端基がヒドロキシル基とアリー
ルカーボネート基からなる、非晶性芳香族ポリカーボネ
ートプレポリマーを調製する予備重合工程、 (b)該非晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマーを
結晶化させ、その比表面積が0.2m2/g以上の結晶性芳香
族ポリカーボネートプレポリマー多孔体を調製する結晶
化工程、及び (c)該結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー多
孔体又は該多孔体の粒状成形体を該結晶性プレポリマー
多孔体のガラス転移温度より高く、且つ該結晶性プレポ
リマー多孔体又は該多孔体の粒状成形体が固相状態を保
ち得る範囲の温度に加熱して、さらに重合度を挙げるた
めの固相重合工程、 を順次行う、結晶性芳香族ポリカーボネートの製造方
法。
ト基からなる芳香族ポリカーボネートオリゴマーが用い
られるが、このようなオリゴマーは前述のように、エス
テル交換法又は界面重縮合法によって容易に得られるも
のである。
である。
形式は、予備重合、結晶化及び固相重合のいずれの工程
においても、回分式、連続式及び、これらを併用した方
式のものなど、いずれの方法のものであっても良い。
多孔体及び該多孔体の粒状成形体は、固相重合用のプレ
ポリマーとして極めて優れているが、もちろん固相重合
用以外の用途、例えば焼結体、フィルター、吸着剤、粉
体塗料用原料としたり、他の樹脂と混合して使用したり
することも可能である。
芳香族ポリカーボネート多孔体又は粒状成形体は、一旦
冷却しあるいは冷却せずにそのまま押出機に導入してペ
レット化することにより、無色・透明な非晶性ポリカー
ボネートペレットを得ることができる。後者の冷却しな
いで押出機に導入した場合は、押出機の所要エネルギー
が少なく、又、押出機の吐出量も増大するので有利であ
る。
ので、押出機を通してペレット化しなくても、直接射出
成形や押出成形に供することも可能である。溶融押出造
粒工程は、エネルギーがかかり、しかも加熱溶融による
芳香族ポリカーボネートの品質低下をきたすが、本発明
の方法ではこの工程を省くことができ、プロセス上の大
きな革新となる。
子量分布が小さいものから、大きいものまで比較的自由
に製造できる。これは、例えば、分子量分布の小さいプ
レポリマーを用いれば、分子量分布の小さい芳香族ポリ
カーボネートが得られ、分子量分布の広いプレポリマー
を用いれば、分子量分布の広い芳香族ポリカーボネート
が得られるからである。このことは本発明の大きな特徴
の1つである。
量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnの値が用い
られており、縮合系ポリマーの場合、この値が2の時が
理論的に最も小さい分子量分布とされている。成形時流
動性、強度、伸度など物理的特性等の観点から、一般
に、分子量分布は小さい方が良い。実際的にはMw/Mnの
値が2.5以下、特に、2.4以下のポリマーを製造すること
は困難である。既存の方法、例えばいわゆる溶融法とい
われるエステル交換法では、重合末期に非常に高粘度に
なるために、反応が不均一になりやすく、そのために分
子量分布を小さくすることは不可能であり、得られるポ
リカーボネートは、通常Mw/Mn>2.6である。また、現在
工業的に実施されているホスゲン法でも、この値は2.4
〜3.5であり、通常は2.5〜3.2の範囲である。
芳香族ポリカーボネートも容易に得られる。このこと
は、プレポリマーのように比較的低分子量体では、分子
量分布の小さいものが容易に得られ、これを固相重合す
ることに起因していると考えられる。
ーボネート、例えば、最も重要なポリカーボネートであ
るビスフェノールAから得られる結晶性芳香族ポリカー
ボネートは、そのままでは白色不透明であるが、これを
その結晶融点より高い温度に加熱するか、あるいは通常
の溶融成形により着色の無い透明性の良好な非晶性芳香
族ポリカーボネートが得られる。このように本発明の方
法により得られる芳香族ポリカーボネートが着色の無い
ものであることも本発明の大きな特徴でもある。
スフェノールAのポリカーボネートを製造する既存のい
わゆる溶融法では、300℃付近の高温下で、高粘度物を1
mmHg以下の高真空下で長時間反応させる必要があるた
め、ポリマーの熱分解や微量の酸素のために、生成する
ポリカーボネートがどうしても淡黄色に着色するという
欠点があったが、本発明の方法では、エステル交換法に
よる予備重合においても、例えば250℃以下、好ましく
は240℃以下の比較的低温下短時間で実施できること
と、結晶化工程及び固相重合工程も、例えば230以下の
比較的低温度で実施できるから、溶融法のエステル交換
法で見られるようなポリマーの変性がほとんど起こらな
いからである。
ト多孔体は、必要に応じて各種熱安定剤、酸化防止剤、
離型剤、難燃剤、ガラスファイバー等各種無機充填剤と
混合し、エンジニアリングプラスチックとして各種用途
に使用できる。さらには、他のポリマーとの混練による
ポリマーアロイの製造にも粉体から直接混合性良く混練
できるので、工業的に使用する場合に、特に重要であ
る。
トも得られ、これらの芳香族ポリカーボネートは、特に
光学機器やエレクトロニクス用材料として重要である。
また、固相重合法ではホスゲン法や従来のエステル交換
法(メルト法)で製造困難又は不可能な数平均分子量1
5,000以上の超高分子量ポリマーの製造が可能である。
また、末端の反応性のヒドロキシル基を有するポリカー
ボネートの製造も可能である。
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
ラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(以下、Mnと
略す)と重量平均分子量(以下、Mwと略す)である。
したところ、Mn=10,700、Mw=28,000であった。
合は、高速液体クロマトグラフィーによる分析又はNMR
による分析により求める。
キュアソープ2100−02型を使用して、クリプトンガスを
用いて測定し、サンプルの重量で除して求める。
て均一になったスラリーの一部を取り出し、溶媒で希釈
した後、超音波をかけて分散させて、これをガラス板に
流延し、さらに乾燥し、顕微鏡で測定したものである。
ミクロ型電磁振動ふるい器M−2型を用いて、粒子を1,
070μオン、850μオン、600μオン、250μオン、150μ
オン、75μオン、50μオン、50μパスにより篩分け、そ
れぞれの重量を測定することにより求める。
行う。
木屋式硬度計を用いて、該成形体のほぼ平行な二面(面
積約1mm2以上を有し、その面間隔は約1〜2mm)間に荷
重をかけ、成形体が破壊する時の強度(kg重/cm2)を測
定し、実施例33及び34においてはインストロタイプユニ
バーサルテスターを用いて、成形体破壊時の強度(kg重
/cm2)を測定する。
分圧は、「化学便覧」昭和59年丸善(株)発行II−128
頁より、下式: (P:フェノール蒸気圧〔mmHg〕、t:温度〔℃〕) によるフェノール蒸気圧より求める。
レポリマー多孔体を結晶性プレポリマー多孔体と称し、
非晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマーを非晶性プ
レポリマーと称し、結晶性芳香族ポリカーボネート多孔
体を結晶性ポリカーボネート多孔体と称し、結晶性芳香
族ポリカーボネート多孔性成形体を結晶性ポリカーボネ
ート多孔性成形体と称し、また、結晶性芳香族ポリカー
ボネート粒状成形体は結晶性ポリカーボネート粒状成形
体と称す。
4kgを撹拌器、ガス導入口、ガス排出口を備えたグラス
ライニング製の40予備重合器に仕込み、180℃まで昇
温して溶融し、減圧下で脱気した後、3時間かけて230
℃に昇温する。昇温中はN2を流し、留出フェノールを系
外に除去した。その後、N2フローを停止し、段階的に減
圧し、2時間後に1mmHg圧に到達するようにする。この
間副生してくるフェノール及びジフェニルカーボネート
は系外へ連続的に除去する。さらに、1mmHg圧の減圧条
件下で2時間反応させて、数平均分子量が4,000、末端
ヒドロキシル基と末端フェニルカーボネート基とのモル
比が33/67の非晶性プレポリマー〔非晶性プレポリマー
(I)と略す。〕約10kgを得る。
状態で、1mm径の孔20個をもつダイスを通して、40〜50
℃のアセトン15kgを張ったワーリングブレンダー型アセ
トン槽中に1時間かけて押出す。押出と同時にアセトン
槽の撹拌器を1,000rpmで高速回転させる。
状となりながらアセトン液に浸漬し、強い剪断力で粉砕
する。アセトン中の結晶性プレポリマーの平均粒径は15
0μであった。その後、アセトン槽を加熱しながら減圧
してアセトンを留去して、結晶性プレポリマー多孔体を
得る。結晶性プレポリマー多孔体は白色不透明である。
が存在することが認められる(第1図、3,060倍)。ま
た、比較的大きな塊(約800μ)をピンセットで割り、
その断面を走査型電子顕微鏡で観察すると、断面にも多
数の孔が存在することが判明する(第2図、1,020
倍)。比較として、非晶性プレポリマー(I)を溶融状
態から室温まで冷却し、走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、表面は平滑であり孔は存在しないことが分かる
(第3図、4,400倍)。
g、結晶化度は28%である。この結晶性プレポリマー多
孔体10kgを146℃に予熱し、下部に孔径約40〜50μの多
孔を有し、厚さが約5mmの焼結フィルター板を有するス
テンレス製円筒形ガス流通式反応器(内径60cm、高さ1
m)に仕込み、固相重合を行った。その際、予熱した窒
素ガスを重合器底部より焼結フィルターを通し、均一に
10Nm3/hrで供給し、重合器の上部より排出する。供給ガ
スの予熱により重合温度をコントロールし、30分で140
℃〜180℃まで昇温した後、重合温度を180℃から220℃
まで10℃/hrで昇温し、その後は220℃に5時間保持して
重合を行い、Mn=13,000、Mw=31,200の結晶性ポリカー
ボネート多孔体が得られる。
8m2/g、結晶化度が45%であり、DSCによる融点ピークは
271℃、半値巾は4.3℃である。DSCチャートを第9図に
示す。
ェニルホスファイト250ppmを熱安定剤として加え、280
℃で溶融押出しを行うと、無色透明な非晶性のポリカー
ボネートが得られる。
ラーは色彩色差計CR−200b(ミノルタカメラ(株)製)
で測定し、L値:91.7、b値:3.5であり、無色透明であ
る。
(1)10kgを約240℃で溶融押出し、水冷した後、ペレ
ット化する。得られた非晶性のペレットをプラスチック
用粉砕機(西ドイツ、FRITSCH社製)を用いて粉砕し、
粒径1mm以下の粉粒体を得る。
み、40℃に保ち、これに上記粉粒体を1時間かけて撹拌
しながら徐々に加え、結晶化と多孔化を行う。撹拌は実
施例1と同様1,000rpmで行う。得られたアセトン中のプ
レポリマーの粒径は180μであった。次いで、実施例1
と同様にして、アセトンを留去し、乾固する。
倍、6,020倍の走査型電子顕微鏡写真を第4〜6図に示
す。孔径の揃った多孔体であることが分かる。この結晶
性プレポリマー多孔体の比表面積は1.2m2/g、結晶化度
は26%である。
にして固相重合すると、Mn=12,500、Mw=29,000の結晶
性ポリカーボネート多孔体が得られる。実施例1と同様
に射出成形すると、実施例1と同等の無色透明で、銀条
のない成形片が得られる。
レット(約2mm径、約3mm長)10kgを粉砕せずにアセトン
槽に1時間にわたって加え、アセトン15kg中に1時間撹
拌しながら、結晶化操作を行う。得られたアセトン中の
プレポリマーの平均粒径は230μである。得られる結晶
性プレポリマー多孔体は実施例2に比べ、粒径が大きく
(元のペレットの形態を有しているものもある。)、ま
た、実施例2に比べて白色度が少なく若干透明性を帯び
ている傾向が見られる。
での保持時間を14時間とした以外は、実施例2と同様に
して行うと、Mn=13,000、Mw=31,400の結晶性ポリカー
ボネート多孔体が得られる。実施例1、2に比べ重合時
間が長くかかる。
砕物10kgを100の塩化メチレンに溶解し、その後、塩
化メチレンを室温で減圧留去する。その後、真空乾燥機
で40℃に保持し、一晩乾燥する。得られる粉粒体は結晶
化しており、結晶化度25%、比表面積が0.07m2/gであ
る。
の保持時間を8時間、13時間及び24時間とする以外は、
実施例1と同様にして行うと、8時間でMn=8,100、13
時間でMn=8,900、24時間でMn=9,200の芳香族ポリカー
ボネートが得られるが、分子量の増加は頭打ちとなり、
目標のMn=12,500に到達できない。
ネート樹脂のうちの高粘度グレードに相当するものであ
り、この分子量のものが製造できないことは工業的価値
をかなり損なうものと云える。
砕物10kgを約40℃のテトラヒドロフラン飽和蒸気中に24
時間置いて、結晶化させる。得られる結晶性プレポリマ
ーの比表面積は0.05m2/g、結晶化度は20%である。
時間を24時間とする以外は、、実施例1と同様にして行
うと、比較例1と同様に、分子量の増加は頭打ちとな
り、得られるポリカーボネートのMnは8,800である。
施例1と同様な予備重合器に入れ、280℃に予熱した乾
燥アルゴンガスを30N/hrの流量で導入しながらかきま
ぜ、280℃で7時間反応させて、Mn=1,700、Mw=3,300
の非晶性ポリマーを得る。次に、このプレポリマーを比
較例1と同様にして塩化メチレンによる結晶化と、乾燥
を行った。
を24時間及び50時間とする以外は、実施例1と同様にし
て行うと、24時間でMn=6,500、Mw=16,800の、また50
時間でMn=7,100、Mw=18,000のポリカーボネートが得
られるが、分子量の増加は頭打ちである。
重合温度を250℃にする以外は、比較例3と同様に予備
重合を行い、予備重合時間6時間でMn=3,100、Mn=6,4
00の非晶性プレポリマーを得る。この非晶性プレポリマ
ーを比較例1と同様にして塩化メチレンによる結晶化と
乾燥を行った後、220℃での保持時間を24時間及び40時
間とする以外は、実施例1と同様にして固相重合を行う
と、24時間でMn=8,500、40時間でMn=10,300のポリカ
ーボネートが得られる。
ーボネートをそれぞれ300℃で射出成形すると、いずれ
もシルバーの発生が激しく一部表面が曇って不透明にな
る。
て、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートより製
造した数平均分子量3,900、末端ヒドロキシル基と末端
フェニルカーボネート基とのモル比が35/65の非晶性ポ
リカーボネートプレポリマー10kgを約240℃に加熱して
溶融し、1mm径の孔を20個有するダイスを通して、40〜5
0℃のアセトン12kgが入っているワーリングブレンダー
型混合槽中に1時間かけて細いストランド状で押出す。
押出しと同時にアセトンとプレポリマーの混合物をナイ
フ刃付撹拌器で500rpmの高速撹拌を行って、結晶化と多
孔化及び微粉化を同時に行う。スラリーは乳白色で微粉
が多数存在することが認められる。
る。
多孔体が沈澱し、アセトン溶液の上部は透明となる。こ
の透明溶液の一部を取り出し、アセトンを乾固すると、
数平均分子量710のポリカーボネートオリゴマーがアセ
トン12kg当たり390g含まれている。
撹拌しながら加熱し、アセトンを留去し、最終的に乾固
する。
を測定すると、50μパス2.8%、50μオン3.4%、75μオ
ン12.6%、150μオン11.7%、250μオン20.7%、600μ
オン26.8%、850μオン15.4%、1070μオン6.5%であ
る。
を果たし凝集を起こすため、2次粒子となり、粒径が大
きくなるものと思われる。また、この結晶性プレポリマ
ー多孔体の比表面積は1.7m2/g、結晶化度は29%であ
る。
0のステンレス製タンブラー型固相重合器を用いて固
相重合を行う。重合条件は少量の窒素を系内にもれ込ま
せながら、真空ポンプで1〜2mmHgの減圧条件にし、温
度は180℃から220℃まで10℃/hrで昇温し、その後は220
℃に7時間保持すると、Mn=11,500の結晶性ポリカーボ
ネート多孔体が得られる。タンブラー壁面へのポリカー
ボネートの付着はなく、タンブラーと真空ポンプの間に
設置したバッグフィルターへの付着もほとんど認められ
ない。
280℃で溶融押出造粒したところ、無色透明な非晶性の
芳香族ポリカーボネートのペレットが得られる。
3)は90.4%、曇り度(ASTM D1003)は0.3%である。
孔体のアセトンスラリーをバッチ式遠心分離器にかけ
て、該プレポリマー多孔体とアセトン溶液に分離する。
得られる結晶性プレポリマー多孔体9kgと、別に製造す
るMn=850のポリカーボネートオリゴマーのアセトン溶
液(オリゴマー濃度30重量%)650gをよく混合し、撹拌
しながらアセトンを留去し、最終的に乾固する。
ークトップは600μパスであり、50μパスは3.5%であ
る。この結晶性プレポリマー多孔体の比表面積は1.5m2/
g、結晶化度は28%である。
と同様にして行うと、Mn=10,800の結晶性ポリカーボネ
ート多孔体(比表面積は0.8m2/gで、末端ヒドロキシル
基と末端フェニルカーボネート基のモル比は4/96であ
る。)が得られる。
ルターのつまりは認められない。
施例1と同様にして製造される数平均分子量5,100、末
端ヒドロキシル基と末端フェニルカーボネート基とのモ
ル比が30/70の非晶性プレポリマーを実施例4と同様に
処理すると、比表面積は1.3m2/g、粒径分布のピークト
ップは850μバス、50μパス1.3%の結晶性プレポリマー
多孔体が得られる。
の保持時間を6時間とする以外は、実施例4と同様にし
て行うと、Mn=10,200、結晶化度41%、結晶融点262
℃、比表面積0.6m2/gの結晶性ポリカーボネート多孔体
が得られる。タンブラーへのポリカーボネートの付着や
バックフィルターのつまりは認められない。
ビスフェノールA137g、塩化メチレン400ml及びフェノー
ル1.7gを混合して乳濁状とし、これに、10〜20℃でかき
まぜながらホスゲン58.5gを徐々に1時間をかけて吹き
込んで反応させる。
え1時間撹拌する。分液して得られるプレポリマーの塩
化メチレン溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を加え、残
存するクロロホルメート基を分解してフェノラート基に
変換する。
ポリマーの塩化メチレン溶液中の塩化メチレンを留去
し、さらに真空乾燥器で一晩乾燥した。得られる固体を
実施例2と同様にして粉砕した後、アセトン300gを含む
小型ワーリングブレンダー中に入れ、高速撹拌(1,000r
pm)下に結晶化及び多孔化を行い、次いで、アセトンを
留去することによって結晶性プレポリマー多孔体を得
る。
子量9,500、比表面積0.5m2/gの結晶性ポリカーボネート
多孔体を得る。
0、Mw=4,600、結晶化度は28%、比表面積1.3m2/g、末
端ヒドロキシル基と末端フェニルカーボネート基とのモ
ル比が45/65である。
び原子吸光法)を行ったが、塩素化合物は検出出来なか
った。
い、140℃に予熱したポリマーをフラスコに仕込み、2
〜3mmHgの減圧下、30分で180℃に昇温した後、180℃か
ら220℃まで10℃/hrで昇温し、220℃で4時間保持する
ことによって行う。
スフェノールA137g、塩化メチレン400ml及びフェノール
1.7gを混合して乳濁状とし、これに、10〜20℃でかきま
ぜながらホスゲン55gを徐々に1時間をかけて吹き込ん
で反応させる。
き込んだ後、トリエチルアミン0.13gを加え1.5時間撹拌
する。次いで、実施例7と同様な処理を行うことによっ
て結晶性プレポリマー多孔性体を得る。
で、固相重合することによって、重量平均分子量=25,0
00(Mw/Mn=2.3)、比表面積0.5m2/gの結晶性ポリカー
ボネート多孔体を得る。
0、Mw=6,500、結晶化度28%、比表面積1.0m2/g、末端
ヒドロキシル基と末端フェニルカーボネート基とのモル
比が40/60である。
を使用する以外は、実施例1と同様にして予備重合を行
い、Mn=3,200、末端ヒドロキシル基と末端フェニルカ
ーボネート基とのモル比が50/50の非晶性プレポリマー
約12kgを得る。
で、予備重合器の下部より1mm径の孔20個を持つダイス
を通してアセトン槽の上部より、15kgのアセトン中に1
時間かけて押出す。このアセトン槽の下部は、カッター
付うず巻きポンプ(商品名サントク カッターポンプSD
−K型、三和特殊製鋼社製)のサクション口に配管で連
結されており、また、該ポンプのデリベリ口は、アセト
ン槽の側部に配管で連結されている。
トン槽中の内容物はアセトン槽と該ポンプの間を循環す
ることになる。該ポンプを通過する固体は、高速回転し
ているカッターにより微粉化される。
アセトン中に押出すことによって、結晶性プレポリマー
多孔体を含むアセトンスラリーが得られる。
体の平均粒径は190μであり、このアセトンスラリーか
ら実施例1と同様にしてアセトンを留去し、プレポリマ
ーを乾固すると、比表面積1.9m2/g、結晶化度31%の結
晶性プレポリマー多孔体が得られる。その3,060倍及び
6,020倍の走査型電子顕微鏡写真を第7〜8図に示す。
間とする以外は実施例1と同様にして、この結晶性プレ
ポリマー多孔体を固相重合すると、Mn=26,000、Mw=6
5,000の超高分子量のポリカーボネート多孔体が得られ
る。その後、さらに240℃に重合温度を上げて、その温
度で10時間反応させると、Mn=40,000、Mw=100,000の
超高分子量の結晶性ポリカーボネート多孔体が得られ
る。
4kgを使用する代わりに、ビスフェノールA6.5kgとビス
フェノールAのビスフェノール炭酸エステル 13.3kgを使用する以外は、実施例1と同様にして予備
重合、結晶化及び固相重合を実施する。
ー多孔体の分子量は、Mn=2,500、比表面積は0.8m2/g、
結晶化度は31%、末端ヒドロキシル基と末端フェニルカ
ーボネート基とのモル比は42/58であり、固相重合によ
り得られる結晶性ポリカーボネート多孔体は、Mn=13,0
00である。
4kgを使用する代わりに、ビスフェノールA13.0kgとジフ
ェニルカーボネート12.1kgを使用して、実施例1と同様
に予備重合、結晶化を行う。得られる結晶性プレポリマ
ー多孔体の分子量はMn=4,300、比表面積は1.5m2/g、結
晶化度は30%、末端ヒドロキシル基と末端フェニルカー
ボネート基とのモル比は65/35である。
て固相重合すると、Mn=12,300で末端ヒドロキシル基と
末端フェニルカーボネート基とのモル比が98/2である実
質的に両末端がヒドロキシル基である結晶性芳香族ポリ
カーボネート多孔体が得られる。
ェノールAとエピクロルヒドリンから得られるグリシジ
ルポリエーテルとアミン系硬化剤(トリエチレンテトラ
ミン)の存在化に加熱し、反応させる溶剤に不溶な硬化
物が得られる。
ビスフェノールA137g、塩化メチレン400ml及びフェノー
ル1.7gを混合して乳濁状とし、これに、10〜20℃で撹拌
しながらホスゲン58.5gを徐々に1時間を要して吹き込
んで反応させる。
を塩化メチレン40mlに溶解した溶液を添加し、さらにホ
スゲン6gを5分間で吹き込んだ後、トリルエチルアミン
0.15gを加え、2時間撹拌する。次いで、実施例7と同
様な処理を行うことによって、結晶性プレポリマー多孔
体を得る。
%、かつMn=3,000、Mw=6,300で比表面積は1.3m2/gで
ある。末端ヒドロキシル基、末端エチルカーボネート
基、フェニルカーボネート基のモル比は26/23/51であ
る。
孔体を、加熱炉付真空エバポレーターのフラスコに入
れ、予備加熱して180℃にした後、フラスコを回転させ
ながら、180℃より5℃/hrで昇温し、乾燥窒素を少しず
つ加えながら2〜3mmHgの減圧下反応させる。220℃に達
した後、さらに4時間反応させることにより、重量平均
分子量24,000(Mw/Mn=2.2)の結晶性ポリカーボネート
多孔体(比表面積0.6m2/g)が得られる。
スフェノールA124g、塩化メチレン400ml及びフェノール
1.2gを混合して乳濁状とし、これに、10〜20℃で撹拌し
ながらホスゲン53gを徐々に1時間を要して吹き込んで
反応させる。
んだ後、トリエチルアミン0.15gを加え、2時間撹拌す
る。
晶性プレポリマー多孔体を得る。
の保持時間を5時間とする以外は、実施例7と同様にし
て行うことによって、数平均分子量11,200、比表面積0.
3m2/gの結晶性ポリカーボネート多孔体を得る。
0、結晶化度は21%、比表面積0.8m2/g、末端ヒドロキシ
ル基と末端フェニルカーボネート基とのモル比は40/60
である。
1.4g、フェノール0.8g、メタノール0.50g、乾燥ピリジ
ン162g及び塩化メチレン600mlをフラスコに仕込んだ
後、撹拌しながら10〜20℃で、ホスゲン65gを90分間を
要して吹き込む。その後、塩化メチレン400mlをフラス
コに追加し、さらにホスゲン5gを含む塩化メチレン溶液
50mlを滴下して90分間反応させた後、これを10重量%塩
酸900mlに加え、よく撹拌する。
得られるプレポリマーの塩化メチレン溶液は実施例7と
同様にして処理し、結晶性プレポリマー多孔体を得る。
保持時間10時間で重量平均分子量24,000(Mw/Mn=2.5)
の結晶性ポリカーボネート多孔体を得る。
化度は23%、比表面積は1.8m2/gである。
端基、ヒドロキシル基末端基の比率は48/36/16である。
液、ビフェノールA146g、塩化メチレン400ml及びフェノ
ール1.7gを混合して乳濁状とし、これに、10〜20℃で撹
拌しながらホスゲン62gを徐々に1時間を要して吹き込
んで反応させる。その後、この反応液に、テレフタロイ
ルクロライド1.3gを塩化メチレン160mlに溶解した溶液
を加え、次いでホスゲン6.4gを吹き込み、吹き込み終了
の10分後にトリエチルアミン0.16gを加え、1時間撹拌
する。
る塩化メチレン相を取出し、0.1N塩酸で良く洗浄したの
ち、十分水洗いする。
ビスフェノールAのジナトリウム塩を加え、実施例12と
同様に処理して、結晶性プレポリマー多孔体とした。
量33,000(Mw/Mn=2.4)の結晶性ポリカーボネート多孔
体を得る。
結晶化度は25%、比表面積は1.0m2/gである。
ビスフェノールA137g、塩化メチレン400ml及びフェノー
ル1.7gを混合して乳濁状とし、これに、10〜20℃でかき
まぜながらホスゲン58.5gを徐々に1時間を要して吹き
込んで反応させる。
き込んだ後、トリエチルアミン0.15gを加え2時間撹拌
する。
晶性プレポリマー多孔体を得る。
孔を有するガラスフィルターを備えた内径50mmのガラス
製ガス流通式重合器に仕込み、N2ガスをこのガラスフィ
ルターの下部より120N/hrで供給して、常圧210℃で3
時間固相重合することによって、重量平均分子量=25,0
00(Mw/Mn=2.3)比表面積0.5m2/gの結晶性ポリカーボ
ネート多孔体を得る。
0、Mw=6,500、結晶化度は28%、比表面積は1.0m2/g、
末端ヒドロキシル基と末端フェニルカーボネート基との
モル比は40/60である。
ビスフェノールA137g、塩化メチレン400ml及びフェノー
ル18gを混合して乳濁状とし、これに、10〜20℃で撹拌
しながらホスゲン58.5gを徐々に1時間を要して吹き込
んで反応させる。
込んだ後、トリエチルアミン0.15gを加えて2時間撹拌
する。塩化メチレン相を分離し、リン酸により中和を行
った後、くり返し水洗いする。塩化メチレンを留去後、
真空乾燥し、末端基が98%フェニルカーボネート基であ
り、2%がハイドロキシル基であるオリゴマーを得る。
このオリゴマーの数平均分子量は800である。
し、230℃で溶融重合を行い、実施例2と同様な方法で
結晶化を行う。このようにして得られる結晶性プレポリ
マー多孔体の分子量はMn=3,800、比表面積は0.9m2/gで
ある。
28,300(Mw/Mn=2.4)の結晶性ポリカーボネート多孔体
を得る。
孔体のアセトンスラリーをアセトン含量35重量%となる
まで乾燥し、この湿潤パウダーを小型押出機(不二パウ
ダル(株)製、EXKF−1型ペレッター)で約40℃で粒成
形し、約2mm径、約3mm長の粒状成形体を作製した。この
粒状成形体を120℃で2時間乾燥する。
ヒドロキシル基と末端フェニルカーボネート基とのモル
比が33/67、比表面積2.2m2/g、圧縮破壊強度7kg重/c
m2、結晶化度22%である。
ラスフィルターを備えた内径50mmのガラス製流通式重合
器に仕込み、N2ガスをこのガラスフィルターの下部より
150N/hrで供給して常圧、210℃で3時間で固相重合を
行うことにより、数平均分子量12,100、結晶化度は45%
の結晶性ポリカーボネート粒状成形体が得られる。この
粒状成形体の形状は、もとの粒状成形体とほぼ同じであ
り、粉化は認められない。
43Kg重/cm2であり、その平衡含水率は、0.04%であり、
市販の非晶性ポリカーボネートペレットに比べ、ほぼ1
ケタ低い値である。
使用する以外は、実施例1と同様な方法により製造した
数平均分子量3,800、末端ヒドロキシル基と末端フェニ
ルカーボネート基とのモル比が50/50の、塩素化合物を
含まない非晶性プレポリマーを用いて、実施例18と同様
の方法で結晶性ポリカーボネートプレポリマー粒状成形
体を得た。ただし、粒状成形体の形状は、約1mm径、約3
mm長となるように作製する。
ドロキシル基と末端フェニルカーボネート基とのモル非
が50/50、比表面積1.9m2/g、圧縮破壊強度11kg重/cm2、
結晶化度25%である。
重合を行う。ただし、重合は210℃、3時間の後、さら
に220℃で、3時間行う。
分子量は、17,100であり、結晶化度は51%である。この
成形体の形状はもとの粒状成形体とほぼ同じであり、粉
化は認められなかった。成形体の圧縮破壊強度は55kg重
/cm2である。
は、0.04%である。
同様にして小型押出機で成形し、約2mm径、約3mm長の粒
状成形体を作製する。この粒状成形体の比表面積は0.04
m2/gである。
いが、得られるポリカーボネートのMnは8,100である。
で、約10mm径、高さ約5mmの粒状成形体に成形する以外
は、実施例18と同様の方法で、結晶性プレポリマーの粒
状成形体を得る。
ドロキシル基と末端フェニルカーボネート基とのモル比
35/65、比表面積2.1m2/g、圧縮破壊強度26kg重/cm2、結
晶化度22%である。
時間を2時間とする他は、実施例18と同様の条件で固相
重合を行い、数平均分子量12,900、結晶化度40%の結晶
性ポリカーボネート粒状成形体を得る。
あり、粉化は認められなかった。成形体の圧縮破壊強度
は120kg重/cm2である。
のジヒドロキシジアリール化合物より製造した非晶性プ
レポリマーを用いて、実施例18と同様の方法で粒状成形
体の作製及び固相重合を行う。
結晶化度は、20〜38%の範囲であり、また固相重合中の
粉化は認められない。また、固相重合により得られる結
晶性ポリカーボネート粒状成形体の結晶化度は40〜58%
である。
2kgを原料として使用する以外は、実施例1と同様にし
て重合し、次いで、実施例1と同様なアセトンによる溶
媒結晶化法で得られる、数平均分子量4,100、末端ヒド
ロキシル基と末端フェニルカーボネート基とのモル比が
37/63、結晶化度25%、比表面積1.1m2/gの結晶性プレポ
リマー多孔体を用いて、約40〜50μの多孔を有するガラ
スフィルターを備えた、内径15mmのガラス製ガス流通式
反応基で固相重合を行う。
対して、窒素をガラスフィルターの下部より2.5N/hr
で供給し、常圧下210℃で行う。重合時間2時間で数平
均分子量10,800の結晶性ポリカーボネート多孔体が得ら
れる。
せる以外は、実施例25と同様にして結晶性ポリカーボネ
ート多孔体を得る。その結果を第2表に示す。
3kgとを用いた以外は、実施例1と同様に溶融状態で予
備重合した後、実施例1と同様にアセトン中で結晶化及
び多孔化を行い、次いで乾燥することによって得られ
る、数平均分子量4,100、末端ヒドロキシル基と末端フ
ェニルカーボネート基とのモル比が35/65、結晶化度25
%、比表面積1.0m2/gの結晶性プレポリマー多孔体を用
いて、内径15mmのガラス製ガス流通式反応基で固相重合
を行う。
対して、不活性ガスとして0℃でフェノールを飽和させ
た窒素ガス(フェノール分圧0.028mmHg)を2.5N/hrで
流し、常圧下180℃から210℃まで30分間で昇温し、その
後、210℃に2時間30分保つことによって、数平均分子
量11,400の結晶性ポリカーボネート多孔体が得られる。
8)でフェノールを飽和させた窒素ガスを用いる以外
は、実施例29と同じ結晶性プレポリマー多孔体の固相重
合を実施例29と同様な方法により行い結果を第3表に示
す。
数平均分子量が6,800まで上がったが、フェノール分圧
が5.7mmHgの場合には、殆ど分子量が上がっていないこ
とが分かる。
0、末端ヒドロキシル基と末端フェニルカーボネート基
とのモル比が36/64、結晶化度25%、比表面積0.9m2/gの
粒状成形体(径約1mm、長さ約0.5〜2.0cm)を用い、実
施例29と同じ条件で固相重合を行う。反応3時間で得ら
れる結晶性ポリカーボネート多孔体の数平均分子量は、
10,500である。
粒状成形体を使用し、エアポンプとガス冷却装置を備え
た内径15cm、有効長さ1mのSUS304製移動床連続式ガス流
通反応器を用いて固相重合を行う。
r、重合温度を210℃とし、窒素ガスを6Nm2/hrで反応器
下部に供給し、反応器から排出されるガスを0℃に冷却
した後、再び210℃に加熱して、反応器に供給する方法
で20時間の連続運転を実施する。運転開始7時間後〜20
時間後の間、反応器下部から排出される粒状成形体の数
平均分子量は10,800〜11,000の範囲であり、窒素ガスの
回収再利用ができる。
ら0.028mmHgである。
ート多孔体を、30℃で圧力1,000kg重/cm2で圧縮成形
し、15cm角で3mm厚のプレスシートを得る。このプレス
シートの見掛け密度は1.03g/cm3で、比表面積は0.5m2/g
であり、成形後も多孔性である。この結晶性ポリカーボ
ネート多孔性成形体の結晶融点ピークは271℃であり、
結晶化度45%である。圧縮破壊強度をインストロンタイ
プユニバーサルテスターを用いて測定したところ、25kg
重/cm2である。
ート多孔体を、200℃で圧力500kg重/cm2で圧縮成形し、
15cm角で3mm厚のプレスシートを作製する。この結晶性
ポリカーボネート成形体(プレスシート)の見掛け密度
は1.05g/cm3で、比表面積は0.08m2/gである。このもの
の結晶融点ピークは273℃であり、結晶化度は46%であ
る。圧縮破壊強度をインストロンタイプユニバーサルテ
スターで測定して、150kg重/cm2である。
るホスゲン法においては、塩化ナトリウムなどの電解質
や塩素を含む副生物が生成し、これらの不純物が必然的
に樹脂中に含まれている。また、溶媒として大量に用い
ている塩化メチレンなどの含塩素化合物も樹脂中に残存
している。
スゲン法においては樹脂中のこれらの含有量を低下させ
るために、複雑で費用のかかる洗浄や除去工程を実施し
ているが、これらの不純物を完全に除去することは不可
能である。
ボネートには、このような不純物は実質的に存在しない
ので、品質的に優れているだけでなく、当然のことなが
ら、これらを分離する面倒な工程が不要であるため、本
発明方法は工業的に有利である。
が可能な高価な高粘度リアクターが必要であり、しか
も、ポリマーが高温での熱劣化を受けて黄変しやすいと
いう欠点があるが、本発明の方法は、特別な装置も不溶
であり、また得られる芳香族ポリカーボネートも優れた
品質のものである。
リマー多孔体及びその粒状成形体は、極めて固相重合速
度が速く、しかも、微粉の割合が少ないために、重合器
への付着やポリマー同志の融着の問題がなく、工業的に
固相重合法を実施するに当たり極めて有効である。
法)では製造困難かあるいは不可能な超高分子量ポリマ
ーの製造が可能であり、またその製造に適している。
ボネートの製造も可能である。
マー多孔体の表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率:3060
倍)を示す。 第2図は、実施例1で得られた本発明の結晶性プレポリ
マー多孔体をピンセットで割った際の断面の走査型電子
顕微鏡写真(倍率:1,020倍)を示す。 第3図は、実施例1の予備重合で得られた非晶性プレポ
リマー(I)の走査型電子顕微鏡写真(倍率:4,400倍)
を示す。 第4図は、実施例2で得られた結晶性プレポリマー多孔
体の表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率:1,020倍)を示
す。 第5図は、第4図の1部を拡大した走査型電子顕微鏡写
真(倍率:3,060倍)を示す。 第6図は、第5図の1部を拡大した走査型電子顕微鏡写
真(倍率:6,020倍)を示す。 第7図は、実施例9で得られた本発明の結晶性プレポリ
マー多孔体の走査型電子顕微鏡写真(倍率:3,060倍)を
示す。 第8図は、第7図の1部を拡大した走査型電子顕微鏡写
真(倍率:6,020倍)を示す。 第9図は、実施例1で得られる本発明の結晶性ポリカー
ボネート多孔体のDSCチャートを示す。 第10図及び第11図は、それぞれプレポリマーの結晶化前
及び結晶化後のX線回析パターンの例を示すものであ
る。 第12図は、本発明に係わる各種芳香族ポリカーボネート
の相互関係を示すものである。
Claims (19)
- 【請求項1】芳香族カーボネートの繰返し単位と、ヒド
ロキシル末端基及びアリールカーボネート末端基からな
り、且つ該ヒドロキシル基とアリールカーボネート基の
モル比が5:95〜95:5であり、数平均分子量が1,000〜15,
000で、かつ比表面積が0.2m2/g以上で、結晶化度が5%
以上であることを特徴とする、多孔性、結晶性芳香族ポ
リカーボネートプレポリマー粉体。 - 【請求項2】芳香族カーボネートの繰返し単位と、ヒド
ロキシル末端基及びアリールカーボネート末端基からな
り、且つ該ヒドロキシル基とアリールカーボネート基の
モル比が5:95〜95:5であり、数平均分子量が1,000〜15,
000で、かつ比表面積が0.2m2/g以上で、結晶化度が5%
以上であり、かつ粒状成形体の形態を有することを特徴
とする、多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポ
リマー粒状成形体。 - 【請求項3】芳香族カーボネートの繰返し単位と、ヒド
ロキシル末端基及びアリールカーボネート末端基からな
り、且つ該ヒドロキシル基とアリールカーボネート基の
モル比が5:95〜95:5であり、数平均分子量が1,000〜15,
000である非晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー
を溶媒中で高剪断下で処理することを特徴とする、多孔
性、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマー粉体を
製造する方法。 - 【請求項4】請求項(1)記載の多孔性、結晶性芳香族
ポリカーボネートプレポリマー粉体に十分な圧力又は熱
を加えることにより、多孔性、結晶性芳香族ポリカーボ
ネートプレポリマーの凝集粉体を製造する方法。 - 【請求項5】芳香族カーボネートの繰返し単位と、ヒド
ロキシル末端基及びアリールカーボネート末端基からな
り、且つ該ヒドロキシル基とアリールカーボネート基の
モル比が5:95〜95:5であり、数平均分子量が1,000〜15,
000で、かつ比表面積が0.2m2/g以上で、結晶化度が5%
以上である多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートプレ
ポリマー粉体もしくは凝集粉体の形態を有する多孔性、
結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマーを、該プレ
ポリマーのガラス転移温度以上でしかも該プレポリマー
が固体状態を保つ温度で加熱ゾーンにおいて加熱し、重
縮合副生成物を加熱ゾーンより除去しながら固相重合を
行うことを特徴とする、結晶化度が35%以上で、数平均
分子量が6,000〜200,000の多孔性、結晶性芳香族ポリカ
ーボネートの粉体もしくは凝集粉体を製造する方法。 - 【請求項6】多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートプ
レポリマーの該粉体又は該凝集粉体を加熱し、そこに該
プレポリマー1g当たり、0.1〜10N(N.T.P)/hrの不活
性ガスを流通させ、加熱ゾーンより重縮合副生成物を含
んだ不活性ガスを排出させることを特徴とする、請求項
(5)記載の方法。 - 【請求項7】排出された不活性ガス中より重縮合副生成
物を除去するかもしくは排出された不活性ガスを新たな
不活性ガスにより希釈することにより、得られた不活性
ガス中の重縮合副生成物の含有量が不活性ガス中の分圧
として5mmHg以下になった不活性ガスを、不活性ガスと
して加熱ゾーンに供給することを特徴とする、請求項
(6)記載の方法。 - 【請求項8】請求項(5)〜(7)のいずれかに記載の
方法により製造され且つ結晶化度が35%以上で、数平均
分子量が6,000〜200,000を有することを特徴とする、
(但し、該ポリカーボネート粉体又は凝集粉体が 1)結晶化度が35〜70%で、 2)重合体の末端が の場合末端のうちの−OH部分が、重合体に対して重量
比で0.003%以下で 3)実質的に塩素原子を含まず 4)表面積が0.1m2/g以上である、 上記1)〜4)の組合せをすべて満たすものである場合
を除く) 多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体又は凝集
粉体。 - 【請求項9】請求項(1)記載の多孔性、結晶性芳香族
ポリカーボネートプレポリマー粉体又は請求項(4)記
載の方法で製造された多孔性、結晶性芳香族ポリカーボ
ネートプレポリマー凝集粉体を造粒することを特徴とす
る、多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマ
ー粒状成形体の製法。 - 【請求項10】請求項(2)記載の多孔性、結晶性芳香
族ポリカーボネートプレポリマー粒状成形体を該プレポ
リマー粒状成形体のガラス転移温度以上で、且つ該プレ
ポリマー粒状成形体が固体状態を保つ温度で加熱ゾーン
において加熱し、重縮合副生成物を加熱ゾーンより除去
しながら固相重合を行うことを特徴とする、結晶化度が
35%以上で、数平均分子量が6,000〜200,000の多孔性、
結晶性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を製造する方
法。 - 【請求項11】多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネート
プレポリマー粒状成形体を加熱し、そこに該プレポリマ
ー粒状成形体1g当たり、0.1〜50N(N.T.P)/hrの不活
性ガスを流通させ、加熱ゾーンより重縮合副生成物を含
んだ不活性ガスを排出させることを特徴とする、請求項
(10)記載の方法。 - 【請求項12】排出された不活性ガス中より重縮合副生
成物を除去するかもしくは排出された不活性ガスを新た
な不活性ガスにより希釈することにより、得られた不活
性ガス中の重縮合副生成物の含有量が不活性ガス中の分
圧として5mmHg以下になった不活性ガスを、不活性ガス
として加熱ゾーンに供給することを特徴とする、請求項
(11)記載の方法。 - 【請求項13】請求項(10)〜(12)のいずれかに記載
の方法により製造された多孔性、結晶性芳香族ポリカー
ボネート粒状成形体。 - 【請求項14】芳香族カーボネートの繰返し単位と、ヒ
ドロキシル末端基及び/又はアリールカーボネート末端
基からなり、数平均分子量が6,000〜200,000、かさ密度
が0.1〜1.1g/cm3、結晶化度が35%以上、圧縮破壊強度
が10kg重/cm2以上であることを特徴とする、多孔性、結
晶性芳香族ポリカーボネート成形体。 - 【請求項15】芳香族カーボネートの繰返し単位と、ヒ
ドロキシル末端基及び/又はアリールカーボネート末端
基からなり、数平均分子量が6,000〜200,000、比表面積
が0.1m2/g以上及び結晶化度が35%以上である多孔性、
結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体、凝集粉体又は粒
状成形体を加熱して、その温度を該ポリカーボネートの
ガラス転移温度以上であり、かつ該ポリカーボネートの
結晶融点以下に保ち、該粉体、凝集粉体、又は粒状成形
体の表面を融解し、接着させることを特徴とする、かさ
密度が0.1〜1.1g/cm3で、圧縮破壊強度が10kg重/cm2以
上である多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネート成形体
を製造する方法。 - 【請求項16】芳香族カーボネートの繰返し単位と、ヒ
ドロキシル末端基及び/又はアリールカーボネート末端
基からなり、数平均分子量が6,000〜200,000、比表面積
が0.1m2/g以上及び結晶化度が35%以上である多孔性、
結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体、凝集粉体又は粒
状成形体を、該ポリカーボネートのガラス転移温度以下
で成形することを特徴とする、かさ密度が0.1〜1.1g/cm
3で、圧縮破壊強度が10kg重/cm2以上である多孔性、結
晶性芳香族ポリカーボネート成形体を製造する方法。 - 【請求項17】多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネート
粉体、凝集粉体、又は粒状成形体を製造するに当たり、 芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族カーボネート化
合物を反応させ、数平均分子量が1,000〜15,000で、末
端基がヒドロキシル基とアリールカーボネート基からな
る非晶性プレポリマーを生成させるに十分な温度と時間
をかけて反応させる予備重合工程、 該非晶性プレポリマーを5%以上の結晶化度に結晶
化させ、かつ同時にプレポリマーを多孔化するに十分な
剪断力下で溶媒で処理するに際し、 該剪断力が生成する多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネ
ートプレポリマー粉体の平均粒径を250μm以下にし、
比表面積を0.2m2/g以上にするに十分なものである結晶
化及び多孔化工程、 多孔性、結晶性プレポリマー粉体、又は該プレポリ
マー粉体より作られた多孔性、結晶性プレポリマー凝集
粉体又は粒状成形体を固相重合反応を進行させるため
に、該プレポリマーのガラス転移温度以上で、しかも該
プレポリマーが固体状態を保つ温度で加熱する固相重合
工程、 を順次行うことを特徴とする、多孔性、結晶性芳香族ポ
リカーボネート粉体、凝集粉体、又は粒状成形体の製造
方法。 - 【請求項18】多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネート
粉体、凝集粉体、又は粒状成形体を製造するに当たり、 分子量調節剤の存在下、芳香族ジヒドロキシ化合物
とホスゲンとを反応させて、数平均分子量が1,000〜15,
000のプレポリマーを調製する予備重合工程、 該プレポリマーを5%以上の結晶化度に結晶化さ
せ、かつ同時にプレポリマーを多孔化するに十分に剪断
力下で溶媒で処理するに際し、 該剪断力が生成する多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネ
ートプレポリマー粉体の平均粒径を250μm以下にし、
比表面積を0.2m2/g以上にするに十分なものであること
を特徴とする、結晶化及び多孔化工程、 多孔性、結晶性プレポリマー粉体、又は該プレポリ
マー粉体より作られた多孔性、結晶性プレポリマー凝集
粉体又は粒状成形体を固相重合反応を進行させるため
に、該プレポリマーのガラス転移温度以上で、しかも該
プレポリマーが固体状態を保つ温度で加熱する固相重合
工程、 を順次行うことを特徴とする、多孔性、結晶性芳香族ポ
リカーボネート粉体、凝集粉体、又は粒状成形体の製造
方法。 - 【請求項19】多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネート
粉体、凝集粉体、又は粒状成形体を製造するに当たり、 末端基が主としてアリールカーボネート基からな
り、数平均分子量が約350〜950である芳香族ポリカーボ
ネートオリゴマーと芳香族ジヒドロキシ化合物とを充分
な温度と時間の下に反応させ、末端ヒドロキシル基と末
端アリールカーボネート基を有する数平均分子量1,000
〜15,000の非晶性プレポリマーを調製する予備重合工
程、 該非晶性プレポリマーを5%以上の結晶化度に結晶
化させ、かつ同時にプレポリマーを多孔化するに十分な
剪断力下で溶媒で処理するに際し、 該剪断力が生成する多孔性、結晶性芳香族ポリカーボネ
ートプレポリマー粉体の平均粒径を250μm以下にし、
比表面積を0.2m2/g以上にするに十分なものである、結
晶化及び多孔化工程、 多孔性、結晶性プレポリマー粉体、又は該プレポリ
マー粉体より作られた多孔性、結晶性プレポリマー凝集
粉体又は粒状成形体を固相重合反応を進行させるため
に、該プレポリマーのガラス転移温度以上で、しかも該
プレポリマーが固体状態を保つ温度で加熱する固相重合
工程、 を順次行うことを特徴とする、多孔性、結晶性芳香族ポ
リカーボネート粉体、凝集粉体、又は粒状成形体の製造
方法。
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JP1-180434 | 1988-12-27 | ||
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JP18043489 | 1989-07-14 | ||
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