JP2545709Y2 - クレーンの吊具傾転装置 - Google Patents

クレーンの吊具傾転装置

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JP2545709Y2
JP2545709Y2 JP1698093U JP1698093U JP2545709Y2 JP 2545709 Y2 JP2545709 Y2 JP 2545709Y2 JP 1698093 U JP1698093 U JP 1698093U JP 1698093 U JP1698093 U JP 1698093U JP 2545709 Y2 JP2545709 Y2 JP 2545709Y2
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tilting
ropes
rope
sheave
tilting mechanism
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芳和 高橋
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はクレーンの吊具傾転装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来例Iを図6に基づき説明する。70は
吊具でその上面には左右前後に4個のシーブが取付けら
れており、前側のシーブ71に巻掛けたロープ72は巻取ド
ラム73に巻付けられ、後側のシーブ76に巻掛けたロープ
77は巻取ドラム78に巻付けられている。2本の巻取ドラ
ム73、78には個別にモータ74、79が連結され、2台のモ
ータ74、79はクラッチ75を介して連結されている。吊具
70を傾転させないで昇降させるときは、クラッチ75を接
続し、2台のモータ74、79を同方向に駆動して、2本の
ロープ72、77を同方向に巻上げ下げして昇降させる。吊
具70を傾転させるときは、クラッチ75を切り、一方のモ
ータ74(79)のみを駆動するか、あるいは2台のモータ7
4、79を反対方向に駆動して、吊具70の前方あるいは後
方を上げ下げする。これにより、吊具70を前後方向(矢
印a方向)に傾転させうる。
【0003】従来例IIを図7に基づき説明する。これは
吊具80を、アッパーフレーム81とトング82とを回動自在
にピン連結すると共にアッパーフレーム81とトング82の
間にシリンダ83を取付けて構成したもので、シリンダ83
を伸縮させることにより、トングを前後方向(矢印a方
向)に傾転させるものである。
【0004】従来例III を図8に基づき説明する。これ
は実開昭64− 53189号公報に記載されたもので、スプレ
ッダ90を傾転させるものではなく、旋回させるものであ
る。この装置は、旋回装置93のレバー93A を傾動操作す
ることにより左右のロープ91、92を繰出したり繰込んだ
りして、スプレッダ90を水平方向に旋回(矢印e方向)
するように構成されている。
【0005】従来例IVを図9〜10に基づき説明する。こ
れは実開平1− 99887号公報に記載されたもので吊具 1
02の四隅を吊上げる4本のロープ104a、104b、104c、10
4dを姿勢調整装置 105で引出し引込みするように構成さ
れており、各ロープの引出し引込みを組合わせることに
より、吊具 102を前後方向の傾転、左右方向の傾転、お
よび旋回を行うようにしたものであり、姿勢制御装置に
はロープ104a、104bを操作するシリンダ112aとロープ10
4c、104dを操作するシリンダ112bを備えている。そし
て、吊具 102を前後方向に傾転さすときは、2本のシリ
ンダ112a、112bを同方向に伸縮させてロープ104aと104c
を引き(戻し)、ロープ104bと104dを戻す(引く)よう
に操作する。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】図6の従来例Iは、傾
転方向が前後方向の一方向のみであり傾転操作の自由度
が低く、しかもモータを2台とクラッチを要するので、
構造が複雑であるという欠点がある。図7の従来例II
も、傾転方向が前後方向の一方向のみであり傾転操作の
自由度が低く、シリンダ83を駆動するためのホース(ま
たはケーブル)をトロリーより降ろさなければならない
ので、構造が複雑になり、ホース等の損傷を考えると安
全性が低いという問題がある。図8の従来例III は、吊
具92を旋回させるのみであり、操作の自由度が低いとい
う問題がある。図9の従来例IVは、吊具 102を前後方向
に傾転させる際、2本のシリンダ112a、112bを同調させ
なければならず、制御が困難であり、同調が不十分であ
ると左右方向の傾転が生じ吊荷の落下等の危険が生ずる
という問題がある。
【0007】要するに従来は、傾転操作が一方向のみで
自由度が低いか、あるいは傾転自由度が高いものにあっ
ては、制御が困難とか安全性に問題が残っていたのであ
る。
【0008】本考案はかかる事情に鑑み、吊具を左右方
向および前後方向の2方向に傾転操作でき、しかも構造
が簡単で、特別の操作なしに傾転時の同調がとれるクレ
ーンの吊具傾転装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案に係るクレーンの
吊具傾転装置は、巻上ドラムより繰出された4本のロー
プを吊具の前後左右の四ケ所に取付けたシーブに掛け廻
し、前記4本のロープのうち、前記吊具の前側または後
側の2個のシーブを経由させた2本のロープの他端を第
1傾転機構に連結し、前記吊具の左側または右側の2個
のシーブを経由させた2本のロープの他端を第2傾転機
構に連結し、上記ロープのうち前記第1傾転機構および
第2傾転機構の両方に連結された1本のロープは、一方
の傾転機構で該ロープを引込み引出しするとき、他方の
傾転機構に拘束されず自由に移動させうるフリー機構を
介して、第1傾転機構および第2傾転機構に連結されて
おり、前記吊具の残る1個のシーブを経由させた1本の
ロープの他端は機枠の適宜に固定されており、前記第1
傾転機構および第2傾転機構は、いずれも連結されてい
る2本のロープの引込み引出し操作を1個の駆動装置で
行うように構成されていることを特徴とする。
【0010】
【作用】本考案では、第1傾転機構を駆動すると吊具の
前側(または後側)を吊下げているロープを上げ下げす
るので、それにより吊具を前後方向に傾転でき、第2傾
転機構を駆動すると吊具の左側(または右側)を吊下げ
ているロープを上げ下げするので、それにより吊具を左
右方向に傾転することができる。そして、第1傾転機構
と第2傾転機構の両方に連結されている1本のロープは
フリー機構を介して連結されているので、前後方向の傾
転操作をするとき第2傾転機構に拘束されず、第2傾転
機構を不測に作動させることもない。また、左右方向の
傾転操作をするとき第1傾転機構に拘束されず、第1傾
転機構を不測に作動させることもない。しかも、各傾転
機構はいずれも1個の駆動装置で2本のロープを駆動す
るので、各傾転機構の同調を失うことがない。
【0011】
【実施例】つぎに、本考案の実施例を図面に基づき説明
する。図1は本考案の一実施例に係る吊具傾転装置の斜
視図、図2は同傾転装置の前後方向傾転操作の説明図、
図3は同傾転装置の幅方向傾転操作の説明図である。
【0012】図1において、1、2、3、4はワイヤロ
ープであり、巻上ドラム5より繰出されている。6は巻
上ドラム5を回転させる巻上減速機である。10は上部ビ
ームで、その下面にクロー7を取付けており、この上部
ビーム10とクロー7で吊具8が構成されている。上部ビ
ーム10の上面における前後左右の四隅には、シーブ11、
12、13、14が取付けられ、前記4本のロープ1、2、
3、4が巻き掛けられている。
【0013】上部ビーム10の後側両隅の2個のシーブ1
1、12を経由させた2本のワイヤロープ1、2について
説明すると、まずワイヤロープ1は固定シーブ15、固定
シーブ16、固定シーブ17で案内されて、可動シーブ18に
掛け廻され、端部が固定されている。そしてワイヤロー
プ2は固定シーブ19、固定シーブ20で案内され可動シー
ブ21に掛け廻されている。
【0014】前記可動シーブ18と可動シーブ21は支持棒
22の両端に軸支されており、該支持棒22には1台の駆動
装置(駆動装置としては、例えばモートルシリンダ,油
圧シリンダ,スクリュージャッキ等があり、実施例では
モートルシリンダを使用しているので、以下、モートル
シリンダで説明する)24が連結されている。前記可動シ
ーブ18、21、支持棒22およびモートルシリンダ24で第1
傾転機構25が構成されており、このモートルシリンダ24
を伸縮させると可動シーブ18、21を移動させて、ワイヤ
ロープ1、2を引き込んだり戻したりすることができ、
吊具8の後側を上げ下げできるようになっている。
【0015】上部ビーム10の左側両隅のシーブ12、14を
経由させた2本のワイヤロープ2、4について説明する
と、まずワイヤロープ2は前記可動シーブ21に掛け廻し
たあと、さらに延ばし固定シーブ31で案内されて、レバ
ー32の揺動中心より下側(上側でもよい)に連結されて
いる。またワイヤロープ4は固定シーブ33、固定シーブ
34、固定シーブ35で案内されて前記レバー32の揺動中心
より上側(下側でもよい)に固定されている。そして、
レバー32の下端には駆動装置であるモートルシリンダ36
が連結されている。このレバー32とモートルシリンダ36
で第2傾転機構37が構成されている。このモートルシリ
ンダ36を伸縮させるとレバー32を揺動させて、ワイヤロ
ープ2、4を引き込んだり戻したりすることができ、吊
具8の左側を上げ下げできるようになっている。
【0016】上記に説明した3本のワイヤロープ1、
2、4のうち1本のワイヤロープ2は第1傾転機構25と
第2傾転機構37の両方に連結されている。そして、第1
傾転機構25に対しても、第2傾転機構37に対しても、可
動シーブ21を介して連結しているので、第1傾転機構25
を駆動してワイヤロープ2を引き込んだり戻したりして
も可動シーブ21から上部ビーム10上のシーブ12の間のロ
ープ部分が動くだけで、可動シーブ21から第2傾転機構
37のレバー32の間のロープ部分は動かず、第2傾転機構
に拘束されず、また第2傾転機構37を作動させることも
ない。同様に第2傾転機構37を駆動してワイヤロープ2
を引き込んだり戻したりしたとき可動シーブ21が回転し
てワイヤロープ2が動くだけで第1傾転機構25に拘束さ
れず、また第1傾転機構を動作させることもない。すな
わち可動シーブ21は実用新案登録請求の範囲にいうフリ
ー機構を構成している。
【0017】前記上部ビーム10の前側右端のシーブ13に
掛け廻したワイヤロープ3は固定シーブ38で案内され
て、端部が固定されている。
【0018】そして、前記第1・第2傾転機構25、37は
いずれも1個のモートルシリンダ24、36で駆動されるよ
うに構成されている。
【0019】つぎに、本実施例の吊具傾転装置による傾
転操作を説明する。図2は第1傾転機構25による前後方
向傾転操作を示しており、モートルシリンダ24を矢印c
方向に伸縮させると可動シーブ18、21が同方向に移動す
る。ワイヤロープ1の端部は固定され、ワイヤロープ2
の端部は静止している第2傾転機構37のレバー32で固定
されているので、可動シーブ18、21の移動に伴い、可動
シーブ18、21と吊具8のシーブ11、12間のワイヤロープ
1、2が上げ(矢印U方向)、下げ(矢印D方向)さ
れ、吊具8を前後方向(矢印a方向)に傾転させる。
【0020】この前後方向傾転操作は1個のモートルシ
リンダ24の動作で2本のワイヤロープ1、2を動かすの
で、2本のワイヤロープ間の同調が完全にとれており、
しかも左右方向の傾転動作はまったく生じないので、安
全に傾転操作を行いうる。
【0021】図3は第2傾転機構37による左右方向傾転
操作を示している。モートルシリンダ36を矢印d方向に
伸縮させるとレバー32が揺動し、該レバー32に連結され
ている2本のワイヤロープ2、4が引込められたり戻さ
れたりする。このため、吊具8のシーブ12、14に掛け廻
わされているワイヤロープ2、4が上げ(矢印U方
向)、下げ(矢印D方向)され、吊具8を左右方向(矢
印b方向)に傾転させる。
【0022】この左右方向傾転操作は1個のモートルシ
リンダ36の動作で2本のワイヤロープ2、4を同時に動
かすので、2本のワイヤロープ間の同調が完全にとれて
おり、しかも前後方向の傾転動作はまったく生じないの
で、安全に傾転操作を行いうるものである。
【0023】以上のごとく、本実施例によれば、前後方
向と左右方向の傾転を互いに影響を受けず別個独立に行
え、しかも各傾転操作用の2本のワイヤロープ間の同調
がとれているので、安全確実に製品を運搬でき、船の傾
きに対する調整も容易に行いうるものである。
【0024】つぎに、本考案の他の実施例を説明する。
前記実施例では前後方向への傾転を吊具8の後側を上げ
下げして行ったが、これを吊具8の前側を上げ下げして
行ってもよい。この場合、第1傾転機構25に接続される
ワイヤロープを前側両隅のシーブ13、14に掛け廻わされ
るワイヤロープ3、4とすればよい。また、前記実施例
では左右方向への傾転を吊具8の左側を上げ下げして行
ったが、これを吊具8の右側を上げ下げして行ってもよ
い。この場合、第2傾転機構37に接続されるワイヤロー
プを右側両隅のシーブ13、11に掛け廻わされるワイヤロ
ープ3、1とすればよい。
【0025】本考案では吊具8の前後方向および左右方
向の2方向に傾転させればよいので、吊具8の後側の2
本のワイヤロープ1、2(または前側の2本のワイヤロ
ープ3、4)および左側の2本のワイヤロープ2、4
(または右側の2本のワイヤロープ1、3)を同時に引
出したり、引込んだりできればよい。そして、そのよう
な2本一組のワイヤロープの同時操作が可能であれば、
各ワイヤロープの配設経路は任意であり、上記実施例の
ものに限られない。したがって、例えば図4に示すよう
に、第2傾転機構37に連結するワイヤロープ2、4が同
方向から延びて、レバー32の上下端部にそれぞれ連結し
たものであってもよい。
【0026】また、図5に示すようにワイヤロープ1を
方向転換用のシーブ26を介して支持棒22に連結し、その
支持棒22をモートルシリンダ24でピン27を中心に揺動さ
せるようにしてもよい。この場合、シーブ21に掛け廻し
たワイヤロープ2は、端部を固定しているワイヤロープ
1に比べて2倍の量を引き寄せることができるので、回
動中心(ピン27)からシーブ21までの距離と、回動中心
から連結点28までの距離は1(1L)対2(2L)の比率に
しておく必要がある。
【0027】
【考案の効果】本考案によれば、吊具を前後方向および
左右方向の2方向に傾転操作ができ、しかも構造が簡単
な傾転装置を提供しうる。また、本考案によれば、どの
方向に傾転させる場合でも、1個の駆動装置を駆動する
だけで、2本のロープを同調して上げ下げでき、傾転操
作が安全に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係わる吊具傾転装置の全体
斜視図である。
【図2】図1の吊具傾転装置における前後方向傾転操作
の説明図である。
【図3】図1の吊具傾転装置における左右方向傾転操作
の説明図である。
【図4】第2傾転機構37におけるワイヤロープ2、4の
他の配設例を示す説明図である。
【図5】第1傾転機構25におけるワイヤロープ1、2の
他の配設例を示す説明図である。
【図6】従来例Iの説明図である。
【図7】従来例IIの説明図である。
【図8】従来例III の斜視図である。
【図9】従来例IVの全体斜視図である。
【図10】従来例IVの姿勢調整装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 ワイヤロープ 2 ワイヤロ
ープ 2 ワイヤロープ 4 ワイヤロ
ープ 3 巻上ドラム 8 吊具 10 上部ビーム 11 シーブ 12 シーブ 13 シーブ 14 シーブ 18 可動シー
ブ 21 可動シーブ 24 モートル
シリンダ 25 第1傾転機構 32 レバー 36 モートルシリンダ 37 第2傾転
機構

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻上ドラムより繰出された4本のロープを
    吊具の前後左右の四ケ所に取付けたシーブに掛け廻し、
    前記4本のロープのうち、 前記吊具の前側または後側の2個のシーブを経由させた
    2本のロープの他端を第1傾転機構に連結し、 前記吊具の左側または右側の2個のシーブを経由させた
    2本のロープの他端を第2傾転機構に連結し、 上記ロープのうち前記第1傾転機構および第2傾転機構
    の両方に連結された1本のロープは、一方の傾転機構で
    該ロープを引込み引出しするとき、他方の傾転機構に拘
    束されず自由に移動させうるフリー機構を介して、第1
    傾転機構および第2傾転機構に連結されており、 前記吊具の残る1個のシーブを経由させた1本のロープ
    の他端は機枠の適所に固定されており、 前記第1傾転機構および第2傾転機構は、いずれも連結
    されている2本のロープの引込み引出し操作を1個の駆
    動装置で行うように構成されていることを特徴とするク
    レーンの吊具傾転装置。
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JPH0673064U JPH0673064U (ja) 1994-10-11
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