JP2545247B2 - 農業用塩化ビニル系樹脂フイルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フイルム

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JP2545247B2
JP2545247B2 JP62291547A JP29154787A JP2545247B2 JP 2545247 B2 JP2545247 B2 JP 2545247B2 JP 62291547 A JP62291547 A JP 62291547A JP 29154787 A JP29154787 A JP 29154787A JP 2545247 B2 JP2545247 B2 JP 2545247B2
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  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有用植物栽培に用いる施設園芸用ハウスの被
覆用フイルムに関するものである。更に詳しくは、葉菜
の栽培に適したハウス内の光質及び微気象環境を提供す
るとともにハウス栽培上の管理を容易にする優れた特徴
を有する農業用塩化ビニル系樹脂フイルムに関するもの
である。
〔従来の技術〕
従来、施設園芸用ハウスの被覆資材として硬質系及び
軟質系のプラスチック制資材が使用されている。この中
に於いて軟質系、特に塩化ビニル樹脂系フイルムが、価
格、施工性、保温性、耐久性等の利点の為特に多用され
ていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
施設栽培は無被覆下の露地栽培に比べた場合、ハウス
内の微気象を制御し易い特徴を有する。しかしながら、
施設栽培の生産性向上の為作物生産者の被覆資材に対す
る要求は強い。
具体的にはハウス内微気象のうち被覆資材を通して得
られる光質条件を栽培作物に適合させて早期収穫を可能
にする事、ハウス内の温、湿度の作物毎の適正化、さら
には施設管理労働力の軽減化であった。かかる要求が継
続して存在しているのに対応し、これらの顕在化した改
良要求を満足する被覆資材の開発が求められていた。
〔問題点を解決するための手段〕 発明者はこれら問題点の解決を計るべく鋭意研究を行
ない、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、塩化ビニル系樹脂100重量部当
り、少なくとも可塑剤40〜60重量部、紫外線吸収剤0.2
〜1.0重量部、フタロシアニンブルー及び/又は群青0.0
05〜0.5重量部、架橋塩化ビニル樹脂及び/又は無機系
充填剤0.1〜10重量部、含弗素アルキル基及びエチレン
オキサイド基及び/又はプロピレンオキサイド基及び/
又は水酸基含有化合物0.01〜1.0重量部含有してなるフ
イルムであつて、該フイルムの波長330nmの光線透過率
が5〜30%、波長450nm及び750nmの光線透過率が75〜95
%、波長帯500〜700nmに於ける分光光線透過率の最小値
の80〜95%である事を特徴とする農業用塩化ビニル系樹
脂フイルムである。
本発明に於いて、塩化ビニル系樹脂とは塩化ビニル単
独重合樹脂、塩化ビニルとこれと共重合可能な単量体と
の共重合樹脂及びこれらの混合物である。
可塑剤としてはフタール酸エステル系可塑剤、リン酸
エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、エポ
キシ基含有フタール酸エステル系可塑剤、エポキシ化大
豆油、エポキシ樹脂等のエポキシ基含有化合物等の塩化
ビニル樹脂用可塑剤が使用出来る。可塑剤量はフイルム
の仕上がり硬さ、樹脂重合度により40〜60重量部の範囲
で使用する。40重量部より少ないと硬く、寒冷地での耐
寒性が悪く不適当である。60重量部より多いとフイルム
の粘着性が増し、本発明には不適当である。
紫外線吸収剤は次のものが使用可能である。ベンゾフ
ェノン系、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−nオクトキシベンゾフェノ
ン、2.4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン
等、ベンゾトリアゾール系、2(2′−ヒドロキシ−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2′
−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニ
ル−5−クロロベンゾトリアゾール、2(2′−ヒドロ
キシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′
−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等、サリチレート系、p−ター
シャリーフェニルサリチレート、2,4−シャリーブチル
フェニル−3,5ターシャリーブチル4ヒドロキベンゾエ
ート、p−オクチルフェニルサリチレート、ジオクチル
フェニルサリチレート、フェニルサリチレート等、シュ
ウ酸アニリド系、N−(2−エチルベンジル)・N′−
(2−エトキシ−5−t−ブチルベンジル)シュウ酸ア
ニリド、N−(2−エチルベンジル)・N′(2エトキ
シベンジル)シュウ酸アニリド等があげられる。紫外線
吸収剤は0.2〜1.0重量部の範囲で使用する。使用量はフ
イルムの紫外線透過率が波長330nmで5〜30%になる様
にフイルムの厚さと紫外線吸収剤の種類により適宜前記
の範囲で使用するものである。5%より小さいと店持ち
の劣る作物となり不適である。30%より大きいと成育が
劣り収量が少なく不適である。さらに好ましくは5〜10
%の範囲である。又、波長350nm以上の紫外線の透過率
は30%以上を有するものが店持ち性の優れた作物栽培上
好ましい。
架橋塩化ビニル樹脂は部分架橋塩化ビニル樹脂で熱可
塑性を有するが、フイルムの仕上がり表面が艶消し傾向
を与える性質を有したものである。例えば塩化ビニルと
架橋剤であるジアリルフタレート、ジアリルマレート、
アクリル酸アリル、メタアクリル酸アリル、ポリエチレ
ンジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ビスフェノール変性ジメタアクリレート、ビ
スフェノール変性ジアクリレート等の共重合体である。
THF不溶分が1〜90%の範囲のものが使用出来る。該架
橋塩化ビニル樹脂はフイルム成形時90℃〜180℃の温度
域に於いて面積比で2倍以上に延伸すると艶消し現象が
顕著に現われる特徴が有り、一方、塩化ビニル系樹脂に
添加した場合、成形したフイルムを常温下で引き伸ばし
た場合にも伸び白化現象を生じない利点があり、このた
め特に施設園芸用被覆材の如く、被覆展張時に伸ばされ
る事の多い用途には特に適している。無機系充填剤は平
均粒径が1〜15μのものが好ましい。代表的種類を例示
すると、シリカ、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、長石、石英、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサ
イト系化合物、硫酸マグネシウム、タルク(アルミノ硅
酸塩)、リン酸カルシウム等である。該架橋塩化ビニル
樹脂及び/又は無機系充填剤は0.1〜10重量部の範囲で
用いるが、前述の如く、伸び白化現象を防止する上で
は、架橋塩化ビニル樹脂単独使用が好ましい。無機系充
填剤は単独又は併用する場合は1.0重量部以下の範囲で
用いるのが好ましい。架橋塩化ビニル樹脂及び/又は無
機性充填剤を0.1〜10重量部の範囲で用いたフイルムは
光線の一部を散乱光化してハウス内の作物に供給する事
で成育の均一性を与える効果が得られる。又、同時にフ
イルムのスリップ性が向上し、換気作業時の労力軽減効
果が得られる。添加量は使用する物質の種類、フイルム
成形時の延伸率、フイルム厚さによって、フイルムの波
長450nm及び750nmの光線透過率が75〜95%の範囲になる
様使用する。光線透過が75%より小さいと成育性が悪く
不適である。95%を越えたものは散乱光が少なく、か
つ、フイルムスリップ性が劣り、本発明の目的が達成さ
れない。
フタロシアニンブルー及び/又は群青は0.005〜0.5重
量部の範囲で用いる。フタロシアニンブルーを単独又は
主体に用いる場合は0.005〜0.05重量部が好ましい。群
青を単独又は主体に用いる場合は0.05〜0.5重量部が好
ましい。添加量はフイルムの波長帯500〜700nmに於ける
分光光線透過率の最小値が の80〜95%になる様フイルムの厚さ、フタロシアニンブ
ルーと群青の併用量、その他配合剤の割合により選定す
る。フイルムの特性が上記範囲を越えない範囲で他の着
色剤を併用する事が可能である。フイルムの波長帯500
〜700nmの透過率値は、前述の範囲が作物、特に葉菜類
の栽培の成育促進と収量増に有効である。この範囲外で
あると本発明の目的が達成出来ない。
含弗素アルキル基及びエチレンオキサイド基及び/又
はプロピレンオキサイド基及び/又は水酸基含有化合物
は1分子中にパーフルオロアルキル基又は部分弗化アル
キル基を1個以上とエチレンオキサイド基(ポリエチレ
ンオキサイド基も含む)及び/又はプロピレンオキサイ
ド基(ポリプロピレンオキサイド基も含む)及び/又は
水酸基を1個以上有するものである。該化合物は分子量
500〜10,000であり、水の表面張力を低下させる特性を
有しているものである。例えば特開昭57−192445、特開
昭59−80468、特開昭59−93739、特開昭61−133244、特
開昭61−152745、特開昭62−158756等に記載のものであ
る。これ以外のものでも前記のものであれば使用する事
が出来る。
本発明に於いては他の添加剤として防曇剤、帯電防止
剤、有機金属塩系熱安定剤、亜リン酸エステル系熱安定
化剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、対候
性向上リン酸エステルの2量体系化合物、リン酸エステ
ル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、遠赤外線吸
収剤、赤色顔料等を性能確保出来る範囲で使用する事が
出来る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例をあげ説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
実施例1 (組成物1) ポリ塩化ビニル(=1700) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP) 50重量部 トリクレジルホスフェート 3 〃 トリキシレニルホスフェート 1 〃 Ba・Zn・P系複合安定剤 4 〃 ソルビタンセスキパルミテート(防曇剤) 2 〃 メチレンビスステアリルアミド(滑剤) 1 〃 (組成物2) 組成物1に2−ヒドロキシ−4−n−オクチルベンゾ
フェノン(紫外線吸収剤)0.45重量部、旭硝子製サーフ
ロンS−8405(含弗素アルキル基及びポリエチレンオキ
サイド基含有化合物,分子量4000)0.1重量部、フタロ
シアニンブルー0.01重量部、群青0.1重量部、架橋塩化
ビニル樹脂(XEL−Cカネカ製)1.0重量部を含有した組
成物。
(組成物3) 組成分1に旭硝子製サーフロンS−8405 0.1重量部
を含有した組成物。
組成物1、2、3をカレンダー加工法を用いて圧延延
伸し、フイルム化して、それぞれ厚さ0.1mmのフイルム
1(比較例)、厚さ0.1mmのフイルム2(本発明)、厚
さ0.05mmのフイルム3(トンネル被覆用フイルム)のフ
イルムを得た。第1表にフイルムの光線透過率の特性値
を示す。(日本分光(株)製コビデックス610C型の全光
線透過率) 本発明フイルム及び比較例フイルムを用い被覆ハウス
にてホウレン草栽培を実施した結果を次に示す。
栽培例A 間口4.5×長さ20mの単棟ハウス2棟を用い、それぞれ
を本発明(フイルム2)、比較例(フイルム1)にて被
覆を行ない栽培に供した。
栽培条件;場所(群馬県太田市)、品種(ソロモン)、
ベット幅(120cm)、播種間隔(条間15cm×6条播
き)、播種日(昭和61年10月20日)、収穫日(昭和61年
12月4日)、内張フイルム及びトンネル被覆は行なわな
かった。
収量等の結果を第2表に示す。
栽培例B 間口4.5m×長さ20mの単棟ハウス2棟を用い、それぞ
れを本発明(フイルム2)、比較例(フイルム1)にて
被覆を行ない栽培に供した。
栽培条件;場所(群馬県太田市)、品種(アトラス)、
播種日(昭和62年1月10日)、収穫(昭和62年3月10
日)、播種栽培ベットに夜間フイルム3を用いトンネル
被覆を実施した。播種間隔は栽培例Aと同一とした。
収量等の結果を第3表に示す。
栽培例A、B共に本発明フイルム2のハウスには低温
多湿にて生ずるベト病の発生が少なく、これに比べ比較
例ハウスには発生が多く見られ、葉が自斑状を呈し商品
価値を落した。
又、本発明フイルム2のハウスはフイルムのスリップ
性に優れ換気作業性が容易である利点が認められた。
実施例2 実施例1に記したフイルム1、2、3を用いニラの栽
培を実施した。
栽培条件;品種(グリーンベルト)、播種(昭和61年3
月18日)、育苗期間(4カ月)、定植日(昭和61年7月
25日)定植ハウスは間口4.5×長さ20mパイプハウスでフ
イルム被覆は無い状態。定植時茎数(8本/株)、定植
間隔(畦幅150cm,30cm×30cm3条植)、被覆保温開始
(ハウス被覆昭和61年12月3日,夜間のトンネル被覆フ
イルム3にて61年12月4日より開始。) 収量等の結果を第4表に示す。
本発明フイルム2ハウスは対照区に比べ灰色カビ病の
発生率が少なく、かつ収穫物は店当に置かれた場合しお
れ現象が出にくく、店持ち(たなもち)の良い商品であ
った。
〔効果〕
以上のように本発明のフイルムによれば優れた栽培成
果が得られ、従来のものにない作物栽培性、フイルムの
取扱い性を有する極めて有用な効果を発揮する。すなわ
ち本発明のフイルムは特定の組成物より成る特性を有す
るものであり、かつ該フイルムの光線透過率が紫外線の
透過率を抑制し、可視光線の特性波長の透過率を抑制し
ている事により葉菜の栽培に用い多収穫、高商品価値、
病害発生が少なく、かつフイルムの換気時のスリップ性
に優れる、従来にない利点を有する施設園芸用被覆材で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/00 KGP C08K 5/00 KGP //(C08L 27/06 71:02)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂100重量部当り、少なく
    とも可塑剤40〜60重量部、紫外線吸収剤0.2〜1.0重量
    部、フタロシアニンブルー及び/又は群青0.005〜0.5重
    量部、架橋塩化ビニル樹脂及び/又は無機系充填剤0.1
    〜10重量部、含弗素アルキル基及びエチレンオキサイド
    基及び/又はプロピレンオキサイド基及び/又は水酸基
    含有化合物0.01〜1.0重量部含有してなるフイルムであ
    つて、該フイルムの波長330nmの光線透過率が5〜30
    %、波長450nm及び750nmの光線透過率が75〜95%、波長
    帯500〜700nmに於ける分光光線透過率の最小値が の80〜95%である事を特徴とする農業用塩化ビニル系樹
    脂フイルム。
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