JP2544870Y2 - パワーシート装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動車等のシートを前後進させるためのパ
ワーシート装置に関する。

従来の技術 自動車のシート１は、第３図と第４図に示す如く、シ
ートクッション２と、シートクッション２にリクライニ
ング機構３を介してシートバック４を結合させている。
シートクッション２の両側をアッパレール５に固定し、
このアッパレール５を車体側に固定したロアレール６に
摺動自在に取付ける。

ロアレール６（又はアッパレール５）に固定したプレ
ートに可逆式電動モータ７を保持し、その出力軸を減速
用ギヤボックス８に結合する。ブラケット９に回転自在
に支承させたスクリューロッド10の一端をギヤボックス
８に接続し、モータ７の作動によりスクリューロッド10
の回転を可能にする。このスクリューロッド10にアッパ
レール５（又はロアレール６）側に支持させたナット11
を螺合させる。

電動モータ７を作動させ、その回転運動を減速ギヤボ
ックス８を介してスクリューロッド10に伝達し、このス
クリューロッド10を回転させる。スクリューロッド10に
螺合するナット11が、アッパレール５に非回転関係に支
持されているので、スクリューロッド10の回転方向に応
じて、ナット11がスクリューロッド10に沿って前後進す
ることになる。ナット11の動きは、アッパレール５及び
シート１を動かすことになる。

図示例とは別に、スクリューロッド10の両端をアッパ
レール５に支承させ、減速ギヤボックス８内のウォーム
と螺合するウオームホイールの中央部のメネジ部に、ス
クリューロッド10を係合させて、ナット11を省略し、ウ
オームホイールの回転によって、スクリューロッド10を
ウオームホイールに対し前後進させて、シートをスライ
ドさせることもできる。又、左右のレール５、６に沿っ
てスクリューロッド10を配し、これらスクリューロッド
10を両レール間に配した電動モータにより作動させるこ
ともできる。

第５図と第６図に示す如く、減速ギヤボックス８は、
モータ７の出力軸に結合されたウオーム12と、ウオーム
12と係合するウオームホイール13とを有し、このウオー
ムホイール13の中央部にスクリューロッド10を係合させ
る。ウオームホイール13とスクリューロッド10との係合
は、スクリューロッド10の端部を、四角形断面或いは二
面巾断面形状とし、この端部を同断面形状のウオームホ
イール13の中央孔に差込むことで成される。

本考案が解決しようとする問題点 一般には、ロアレールに対するアッパレールの位置を
決めた後、スクリューロッドをウオームホイールに差込
むが、たとえば、スクリューロッドの端部の角部が真上
に位置するのに対し、ウオームホイールの中央孔の対応
角部が横方向に位置し、スクリューロッドのウオームホ
イールへの差込みを不可能にする。

この場合、ウオームホイールからウオームを回転でき
ないことから、モータを微回転させてスクリューロッド
のウオームホイールへの差込みを可能にさせるが、この
調整は大変煩しいものとなっている。これとは別に、ス
クリューロッドを回転させることも成されるが、このや
り方ではロアレールとアッパレールとの所定の相対的位
置関係にずれが生じ、好ましくない。特に、スクリュー
ロッドをシートの両側に延出させているケースでは、前
述した両レール間の相対的位置関係のずれは、左右のア
ッパレールの位置関係にずれを作り、シートを捩ること
になる。

それ故に、この考案は、前述した従来技術の不具合を
解消させることを解決すべき課題とする。

問題点を解決するための手段 本考案は、前述した課題を解決するために、減速ギヤ
とスクリューロッドとをセレーション結合させる技術的
手段を採用する。

作用 セレーション結合の採用は、スクリューロッドの微少
回転により減速ギヤとスクリューロッドの結合を可能に
する。

実施例 第１図及び第２図を参照する。スクリューロッド10の
端部に転造加工によりセレーション部14を作り、このセ
レーション部14と同ピッチのセレーション部15を、ウオ
ームホイール13の中央孔に作る。このセレーション部1
4、15の採用は、スクリューロッド10の僅かな回転によ
り、スクリューロッド10のウオームホイール13への差込
みを可能にし、従来技術の不具合を解消できる。

図示例は、第４図に示す装置に適用できるので、スク
リューロッド10やウオームホイール13の動きは、第４図
と関連して成された説明と同じなので、ここではその説
明を省略する。

効果 セレーション部の採用は、スクリューロッドと減速ギ
ヤとの間の遊びを小さくするので、両者の間のガタ付き
がなく、応答性がよく且つ騒音がない。

シート両側のスクリューロッドをセレーション部を介
して減速用ギャボックスのウオームホィールの中央孔に
係合させることは、左右のアッパレールの左右のロアレ
ールに対する相対的位置ズレを可及的に小さくして、即
ち、左右のナットの位置を一致させ、左右のアッパレー
ルの左右ロアレールに対する動きを一致させ、電動モー
タへの負荷を小さくできる。

さらに、各スクリューロッドの端部に螺合させたナッ
トを減速ギャボックスに摺接させるので、軸心方向のガ
タ付きが防止され、シートに着座したときのシートの動
きがなく、着座感がきわめて良い。又、このようなナッ
トの使用は、スクリューロッドと減速用ギャボックスと
を予め組付け、ギャボックスを備えるスクリューロッド
は、ギャボックスとは反対側の端部をブラケット等に差
込むだけでスクリューロッドの取付が可能となり、スク
リューロッドの取付作業が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例の部分斜視図、第２図はその断面
図、第３図はシートの側面図、第４図はシートの駆動装
置を示す斜視図、第５図は従来のスクリューロッドと減
速ギヤとの結合を示す斜視図、第６図はその断面図であ
る。 図中： １……シート、５……アッパレール、６……ロアレー
ル、７……モータ、８……減速ギヤボックス、10……ス
クリューロッド、11……ナット、14、15……セレーショ
ン部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−67660（ＪＰ，Ａ) 特公 昭39−12406（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電動モータにシート両側の減速ギヤを介し
   て結合されたシート両側のスクリューロッド、および該
   各スクリューロッドに螺合するナットとを有し、該スク
   リューロッドを車体に固定された左右のロアレール又は
   シートを保持する左右のアッパレールにブラケットを介
   して支持し、前記ナットを前記アッパレール又はロアレ
   ールに支持させたパワーシート装置において、前記各ス
   クリューロッドの端部と前記各減速ギヤとを各スクリュ
   ーロッドを微小回転させかつ左右のアッパレールの左右
   のロアレールに対する相対位置を微調整可能とするよう
   減速ギヤとスクリューロッドとの結合をセレーション係
   合とさせ且つ前記スクリューロッドの端部に螺合したナ
   ットを減速ギヤボックスに摺接されていることを特徴と
   するパワーシート装置。