JP2001290548A - 前後調節可能な車両用ペダル装置 - Google Patents
前後調節可能な車両用ペダル装置Info
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Abstract
踏込み操作時のがたつきが少ない前後調節可能な車両用
ペダル装置を提供する。 【解決手段】 支持軸16を上側連結点として四角形を
形成するように連結された4本のリンク30、32、3
4、36から成るリンク機構26を主体としてブレーキ
ペダル装置10を構成するとともに、第1リンク30と
第4リンク36とに跨がって配設された前後調節手段2
8によってリンク機構26の中間部を接近、離間させる
ことにより、四角形状を変形させて踏部20を車両の前
後方向へ移動させる。また、一点鎖線で示すように踏部
20が運転席に最も近くなる後側移動端で踏部20の高
さが最も低くなり、その後側移動端から前側移動端へ移
動するに従って高さが高くなるように、第4リンク36
の基準位置や前後調節手段28による踏部20の前後調
節範囲を設定した。
Description
クセルペダル等の車両用のペダル装置に係り、特に、踏
部の位置を車両の前後方向へ移動させることができる車
両用ペダル装置の改良に関するものである。
わりに回動可能に配設され、下端に設けられた踏部(ペ
ダルパッドなど)が踏み込まれて原位置からその支持軸
まわりに回動させられることにより、所定の作用部材を
押圧または引張する車両用ペダル装置、例えばブレーキ
ペダルやアクセルペダル,クラッチペダルが広く知られ
ている。そして、このような車両用ペダル装置の一種
に、上記踏部の位置を車両の前後方向へ移動できるよう
にしたものが提案されている。例えば実開昭51−22
218号公報(従来例1)や特開平7−191773号
公報(従来例2)などに記載されている装置はその一例
で、このような車両用ペダル装置によれば、運転者の体
格などに応じて踏部の位置を車両の前後へ移動させるこ
とができるため、運転操作が容易になる。
ットに操作レバーを回転自在に軸支するとともに、これ
と同軸に調節レバーを回転自在に取付け、操作レバーの
一端に作用部材を連結し、調節レバーの他端にペダルア
ームを回転自在に取り付け、且つ調節レバーと平行な連
結ロッドでペダルアームと操作レバーの他端とを連結
し、調節レバーを回転させることによりペダルアームを
平行移動させて踏部を前後移動させるようになってお
り、踏込み操作時には連結ロッドを介して操作レバーが
回動させられる。従来例2は、車体に固設されたブラケ
ットに操作レバーを回転自在に軸支するとともに、この
操作レバーに一対の平行リンクを介して踏込み部材を取
り付け、平行リンクを前後へ揺動させて踏み込み部材を
平行移動させるようになっている。
うな従来の車両用ペダル装置は何れも構造が複雑である
とともに十分な剛性が得られ難く、踏込み方向や横方向
にがたつく可能性がある。すなわち、従来例1の場合、
踏込み操作されるペダルアームが調節レバーに回動可能
に配設されているとともに、その踏込み操作力は連結ロ
ッドを介して操作レバーに伝達されるため、構造的に十
分な強度や剛性が得られ難い一方、踏込み操作時に回動
部位が多いとともに、踏込み抵抗を軽減するために各回
動部位に所定の遊びが設けられるため、踏込み方向のが
たつきが発生し易い。従来例2の場合は、ブラケットに
回動可能に配設された操作レバーに一対の平行リンクを
介して踏込み部材が取り付けられているため、計5箇所
で回動可能に連結されることになり、横方向のがたつき
が発生し易い。
もので、その目的とするところは、簡単且つコンパクト
に構成されるとともに、踏込み操作時のがたつきが少な
い前後調節可能な車両用ペダル装置を提供することにあ
る。
めに、第1発明は、車体に固設されたブラケットに支持
軸まわりに回動可能に配設され、下端に設けられた踏部
が踏み込まれて原位置からその支持軸まわりに回動させ
られる一方、非踏込み操作時における前記踏部の位置を
車両の前後方向へ移動させることができる車両用ペダル
装置であって、(a) 前記支持軸を上側連結点として四角
形を形成するように連結された4本のリンクから成り、
その支持軸から下方へ延び出すとともに、その上側連結
点で連結された一対の上側リンクの一方の基準リンクか
ら出力する一方、その上側連結点と反対側に位置する下
側連結点で連結された一対の下側リンクの一方の踏込み
リンクに前記踏部が設けられているリンク機構と、(b)
前記基準リンクを、非踏込み操作時に前記支持軸まわり
において予め定められた一定の基準位置に位置決めする
位置決め装置と、(c) 前記4本のリンクのうちの任意の
2本のリンクに跨がって配設され、前記リンク機構の四
角形状を変形させることにより、前記基準リンクが前記
基準位置に位置決めされた状態において前記踏部を車両
の前後方向へ移動させるとともに、所定の位置でそのリ
ンク機構を一定の四角形状に位置決めする前後調節手段
と、を有することを特徴とする。
両用ペダル装置において、前記前後調節手段は、前記踏
部が運転席に最も近くなる後側移動端でその踏部の高さ
が最も低くなり、その後側移動端から前側移動端へ移動
するに従って高さが高くなるように、その踏部を前後移
動させる調節範囲が定められていることを特徴とする。
後調節可能な車両用ペダル装置において、(a) 前記リン
ク機構の4本のリンクは凸四角形を形成するように連結
されているとともに、前記基準リンクおよび前記踏込み
リンクは車両前後方向において互いに反対側に位置する
リンクによって構成されており、(b) そのリンク機構の
4本のリンクのうち、車両前側の上側リンクのリンク長
さをL1 、車両前側の下側リンクのリンク長さをL2 、
車両後側の下側リンクのリンク長さをL3 、車両後側の
上側リンクのリンク長さをL4 とした時、L1 =L3 で
且つL2 =L4であることを特徴とする。なお、「リン
ク長さ」は、リンクの全長を意味するのではなく、リン
ク同志を連結した連結点間の長さを意味している。第4
発明についても同様である。
後調節可能な車両用ペダル装置において、(a) 前記リン
ク機構の4本のリンクは凸四角形を形成するように連結
されているとともに、前記基準リンクは車両後側の上側
リンクで、前記踏込みリンクは車両前側の下側リンクで
あり、(b) そのリンク機構の4本のリンクのうち、車両
前側の上側リンクのリンク長さをL1 、車両前側の下側
リンクのリンク長さをL2 、車両後側の下側リンクのリ
ンク長さをL3 、車両後側の上側リンクのリンク長さを
L4 とした時、L1 ≧L3 で且つL2 >L4 、およびL
1 <L3 で且つL2 ≧L4 の何れか一方を満足すること
を特徴とする。
装置においては、前後調節手段によってリンク機構の四
角形状が変形させられることにより踏部が車両の前後方
向へ移動させられるため、運転者の体格に合わせて踏部
の前後位置を調節できる一方、踏込み操作時には、リン
ク機構が前後調節手段によって一定の四角形状に位置決
めされたまま一体的に支持軸まわりに回動させられるた
め、踏込み操作時の回動部位が1箇所でがたつきが少な
い。また、支持軸を上側連結点としてリンク機構が構成
されているため、部品点数が少なくて簡単且つコンパク
トに構成される。
る後側移動端でその踏部の高さが最も低くなり、その後
側移動端から前側移動端へ移動するに従って高さが高く
なるようになっているため、踏部の前後位置とともに高
さが運転者の体格に合わせて適切に調節されるようにな
り、ペダル操作が一層容易になる。すなわち、一般に踏
部を運転席側へ移動させて使用する運転者は脚が短くて
足の大きさも小さい一方、踏部を運転席から離して使用
する運転者は脚が長くて足の大きさも大きいのが普通で
あるため、後側移動端から前側移動端へ向かうに従って
踏部の高さが高くなるようにすれば、小柄な運転者から
大柄な運転者まで、楽にペダル操作できるようになるの
である。
のうち前記基準リンクおよび前記踏込みリンクは車両前
後方向において互いに反対側に位置するリンクによって
構成されているとともに、L1 =L3 で且つL2 =L4
であるため、リンク機構が平行リンクになり、踏部は車
両の前後方向へ平行移動させられるようになる。このた
め、前後調節に拘らず踏部の角度が一定に維持され、踏
部の角度変化に起因して踏込み操作性が損なわれる恐れ
がない。
のうち前記基準リンクは車両後側の上側リンクで、前記
踏込みリンクは車両前側の下側リンクであるとともに、
L1≧L3 で且つL2 >L4 、およびL1 <L3 で且つ
L2 ≧L4 の何れか一方を満足するため、踏部が後側移
動端へ移動するに従って踏部の足載せ面が上向きになる
ように踏込みリンクの姿勢が変化するようになり、ペダ
ル操作が一層容易になる。すなわち、運転席の高さが略
一定であるとすると、運転席に近い後側移動端程車両用
ペダル装置の踏部は上方から踏込み操作されるようにな
るため、足載せ面が上向きになる方が踏込み操作し易く
なるのである。
セルペダル、クラッチペダル、パーキングブレーキペダ
ルなど、車両用の総てのペダル装置に適用され得る。基
準リンクには、例えば踏込み操作によって押圧されるブ
レーキブースタのロッドや、踏込み操作により引っ張ら
れるアクセラレータケーブル、パーキングブレーキケー
ブルなどの作用部材が接続され、その作用部材を介して
踏込み操作力や操作量を機械的に出力するように構成さ
れるが、基準リンクの回転角やトルクなどを検出装置に
より電気的に検出して出力する場合であっても良い。
クが用いられるが、車両前側の上側リンクを基準リンク
とすることもできる。位置決め装置は、例えば基準リン
クを基準位置側へ付勢するリターンスプリングおよびス
トッパなどによって構成され、基準リンクが基準位置に
位置決めされることによって車両用ペダル装置の原位置
が規定される。
ンクが用いられるが、車両後側の下側リンクを踏込みリ
ンクとすることもできる。
のうちの任意の2本のリンクにそれぞれ前記支持軸と平
行な調節軸まわりに相対回動可能に連結され、その調節
軸を接近、離間させることにより前記リンク機構の上下
方向の中間部を開閉して、前記基準リンクが前記基準位
置に位置決めされた状態において前記踏部を車両の前後
方向へ移動させるとともに、所定位置でそのリンク機構
を一定の四角形状に位置決めするように構成される。こ
の場合は、リンク機構の中間部が前後調節手段によって
連結されるため、高い剛性が得られるようになる。
軸およびナット部材の何れか一方を軸心まわりに回転不
能に2本のリンクの一方に連結するとともに、他方を軸
心まわりに回転可能に2本のリンクの他方に連結し、そ
の回転可能な部材を手動または電動モータ等の駆動手段
を用いて回転駆動することにより、両者を軸方向へ相対
移動させて2本のリンクを接近離間させるように構成さ
れる。更に具体的には、例えば(a) 軸心まわりに回転不
能に配設されるとともに、調節軸を介して2本のリンク
の一方に連結されたねじ軸と、(b) そのねじ軸に螺合さ
れるとともに電動モータ等の駆動手段により回転駆動さ
れてねじ軸の軸心方向へ直線移動させられるナット部材
と、(c) そのナット部材を前記ねじ軸の軸方向の相対移
動不能且つ軸心まわりに回転可能に保持しているととも
に、調節軸を介して他方のリンクに連結されたナット保
持部材と、を有して構成される。ナット部材を回転不能
に配設して、ねじ軸を軸心まわりに回転可能に配設する
ようにしても良い。また、ねじ軸およびナット部材を有
する送りねじ機構の他に、シリンダ装置などの他の伸縮
機構を用いて一対の調節軸を接近離間させるようにする
こともできる。
の四角形状に位置決めするために、例えばブレーキ付き
の電動モータが好適に用いられるが、ウォーム歯車など
を用いて電動モータの逆回転を防止するようにしても良
い。また、軸方向の荷重が作用してもねじ軸およびナッ
ト部材が回転しないように、リードが小さなねじを採用
するだけでも良い。
の連結点で連結されている場合は、例えば(a) その連結
点を中心として一方のリンクに一体的に設けられた扇形
状の噛合歯と、(b) その噛合歯と噛み合わされるととも
に他方のリンクに軸心まわりに回転可能に配設された駆
動歯車と、(c) その駆動歯車を回転駆動して2本のリン
クを連結点まわりに相対回動させる電動モータ等の駆動
装置と、から成る回動装置などを前後調節手段として採
用することもできる。駆動歯車の代わりにラックを用い
ることもできる。
る後側移動端で踏部の高さが最も低くなり、その後側移
動端から前側移動端へ移動するに従って高さが高くなる
ようになっているが、他の発明の実施に際しては、後側
移動端および前側移動端における踏部の高さが略同じで
あっても良いなど、適宜設定される。
のうち基準リンクおよび踏込みリンクは車両前後方向に
おいて互いに反対側に位置するリンクによって構成され
ているが、第1発明、第2発明の実施に際しては、車両
後側の上側リンクおよび下側リンクがそれぞれ基準リン
クおよび踏込みリンクであっても良いし、車両前側の上
側リンクおよび下側リンクがそれぞれ基準リンクおよび
踏込みリンクであっても良い。
2 =L4 であるが、幾何学的な意味において厳密にそれ
等の式を満足する必要はなく、加工誤差などを考慮して
所定の許容範囲内で満足するようになっておれば良い。
のうち車両後側の上側リンクが基準リンクで、車両前側
の下側リンクが踏込みリンクの場合であるが、車両前側
の上側リンクが基準リンクで、車両後側の下側リンクが
踏込みリンクの場合にも、同様の考え方を適用して、踏
部が後側移動端へ移動するに従って踏部の足載せ面が上
向きになるように、踏込みリンクの姿勢が変化するよう
に構成することができる。車両後側の上側リンクおよび
下側リンクがそれぞれ基準リンクおよび踏込みリンクで
ある場合や、車両前側の上側リンクおよび下側リンクが
それぞれ基準リンクおよび踏込みリンクである場合も、
各リンク長さを適当に設定することにより、踏部が後側
移動端へ移動するに従って踏部の足載せ面が上向きにな
るように、踏込みリンクの姿勢が変化するように構成す
ることができる。
に回動」とは、特に支障がない限り「・・・軸の軸心ま
わりに回動」と同義であり、必ずしも軸に対する相対回
動を意味するものではない。
詳細に説明する。図1は、本発明が車両用ペダル装置と
しての車両用ブレーキペダル装置10に適用された場合
の一例を示す正面図で、車両に配設された状態を示す図
であり、図の左側が車両の前方で右側が車両の後方すな
わち運転席側である。かかるブレーキペダル装置10
は、図示しない車体に固設されたブラケット14に支持
軸(実施例はボルト)16を介してその支持軸16の軸
心まわりに回動可能に配設されており、下端に設けられ
た踏部20が踏み込まれて図1に示す原位置から支持軸
16の右まわりに回動させられることにより、クレビス
22を介して連結されたブレーキブースタのロッド24
を押圧し、図示しないマスターシリンダのプッシュロッ
ドを押し込んでブレーキ油圧を発生させるようになって
いる。本実施例ではブレーキブースタのロッド24が作
用部材に相当する。支持軸16は、その軸心が車両の幅
方向と略平行となる姿勢でブラケット14に取り付けら
れるようになっている。
軸16を上側連結点として四角形を形成するように連結
されたリンク機構26を主体として構成されており、そ
のリンク機構26の四角形状が前後調節手段28によっ
て変形させられることにより、非踏込み操作時すなわち
原位置における踏部20の位置が実線で示す前側移動端
から一点鎖線で示す後側移動端まで移動させられるよう
になっている。図2は、踏部20が後側移動端へ移動さ
せられた状態を示す図で、図3〜図7は、それぞれ図1
における III− III断面、IV−IV断面、V−V断面、VI
−VI断面、 VII− VII断面を示す図である。
ように連結された4本の第1リンク30、第2リンク3
2、第3リンク34、第4リンク36を備えていて、前
記支持軸16から下方へ延び出すように配設されてい
る。第1リンク30および第4リンク36は、上側連結
点である支持軸16によって相対回動可能に連結されて
おり、図3から明らかなように、第1リンク30は、第
4リンク36の両側に配設された一対の部材30aおよ
び30bにて構成されている。それ等の部材30a、3
0bは、それぞれスリーブ44および一対の軸受部材4
6を介して支持軸16の軸心まわりに回転可能に配設さ
れているとともに、その軸受部材46の外向きフランジ
を介してブラケット14に密着させられて位置決めされ
ている。第4リンク36は、スリーブ48および円筒状
の軸受部材50を介して支持軸16の軸心まわりに回転
可能に配設され、第1リンク30に対して相対回転可能
に連結されている。
支持軸16と平行な中間連結ピン(実施例はボルト)3
8によって相対回動可能に連結されており、図5から明
らかなように、中間連結ピン38はスペーサ52を介し
て所定寸法だけ離間させられた第1リンク30の一対の
部材30a、30bに一体的に固定されている。第2リ
ンク32は、第1リンク30の一対の部材30a、30
bの間において、スリーブ54および一対の軸受部材5
6を介して中間連結ピン38の軸心まわりに回転可能に
配設されているとともに、その軸受部材56の外向きフ
ランジを介して第1リンク30の部材30a、30bに
密着して位置決めされた状態で相対回転可能に連結され
ている。
支持軸16と平行な下側連結ピン40によって相対回動
可能に連結されており、図7から明らかなように、下側
連結ピン40は第2リンク32に一体的に溶接固定され
ているとともに、第3リンク34は、下側連結ピン40
の軸心まわりに回転可能に配設され、円板状の摺接部材
58を介して第2リンク32に密着して位置決めされた
状態で相対回転可能に連結されている。下側連結ピン4
0は下側連結点に相当する。
6は、支持軸16と平行な中間連結ピン42によって相
対回動可能に連結されており、図6から明らかなよう
に、中間連結ピン42は第4リンク36に一体的に溶接
固定されているとともに、第3リンク34は、中間連結
ピン42の軸心まわりに回転可能に配設され、円板状の
摺接部材60を介して第4リンク36に密着して位置決
めされた状態で相対回転可能に連結されている。
対の上側リンクである第1リンク30および第4リンク
36のうち、車両後側に位置する第4リンク36には前
記ロッド24が接続されているとともに、車体との間に
張設されたリターンスプリング(実施例では引張コイル
スプリング)62によって支持軸16の左まわり方向へ
付勢されており、非踏込み操作時には車体側に配設され
たストッパ64に当接する一定の基準位置に位置決めさ
れるようになっている。このように、第4リンク36が
ストッパ64に当接する位置がブレーキペダル装置10
の原位置である。また、支持軸16と反対側に位置する
下側連結ピン40によって連結された一対の下側リンク
である第2リンク32および第3リンク34のうち、車
両前側に位置する第2リンク32は、その下端部が下側
連結ピン40よりも下方へ突き出し、その先端に前記踏
部20が一体的に設けられている。上記第4リンク36
は基準リンクに相当し、第2リンク32は踏込みリンク
に相当し、リターンスプリング62およびストッパ64
は基準リンクを基準位置に位置決めする位置決め装置に
相当する。
および第4リンク36に跨がって配設され、基準リンク
である第4リンク36が前記基準位置に位置決めされた
状態において前記踏部20を車両の前後方向へ移動させ
るとともに、所定の位置でリンク機構26を一定の四角
形状に位置決めするものである。具体的には、図1およ
び図4から明らかなように、(a) 軸心まわりに回転不能
に配設されるとともに、支持軸16と平行な調節軸66
を介して第4リンク36の下端部、すなわち中間連結ピ
ン42の近傍部分に連結されたねじ軸68と、(b) その
ねじ軸68に螺合されるとともに駆動手段としての図示
しない電動モータにより回転駆動されてねじ軸68の軸
心方向へ直線移動させられるナット部材70と、(c) そ
のナット部材70をねじ軸68の軸方向の相対移動不能
且つ軸心まわりに回転可能に保持しているとともに、支
持軸16と平行な一対の調節軸72を介して第1リンク
30の一対の部材30a、30bの下端部、すなわち中
間連結ピン38の近傍部分に連結されたナット保持部材
74と、を有して構成されている。
は、何れも調節軸66、72の軸心まわりに相対回動可
能にリンク36、30に連結されており、ナット部材7
0が回転駆動されてねじ軸68の軸方向へ移動させられ
ることにより、調節軸66、72が互いに接近、離間さ
せられ、それに伴ってリンク機構26の中間部が接近、
離間させられて四角形状が変形させられる。ナット部材
70を回転駆動する電動モータは、ウォームおよびウォ
ームホイールを介してナット部材70に動力伝達するよ
うになっており、電動モータの停止時にナット部材70
およびねじ軸68に軸方向の荷重が作用しても、電動モ
ータが逆回転してそれらが軸方向へ移動する恐れはな
く、リンク機構26は所定の四角形状に位置決めされ
る。電動モータやウォームおよびウォームホイールは、
ナット部材70と共にナット保持部材74に配設され、
例えばナット部材70の外周側にウォームホイールが一
体的に設けられる。
操作時すなわち原位置における踏部20の位置が、図1
において実線で示す前側移動端から一点鎖線で示す後側
移動端まで移動させられるが、本実施例では運転席に最
も近くなる後側移動端で踏部20の高さが最も低くな
り、後側移動端から前側移動端へ移動するに従って高さ
が高くなるように、前後調節手段28による踏部20の
前後調節範囲や前記ストッパ64による第4リンク36
の基準位置などが定められている。
装置10においては、前後調節手段28によってリンク
機構26の四角形状が変形させられることにより踏部2
0が車両の前後方向へ移動させられるため、運転者の体
格に合わせて踏部20の前後位置を調節できる一方、踏
込み操作時には、リンク機構26が前後調節手段28に
よって一定の四角形状に位置決めされたまま一体的に支
持軸16まわりに回動させられるため、踏込み操作時の
回動部位が1箇所だけでがたつきが少ない。特に、本実
施例では、リンク機構26の中間部が前後調節手段28
によって連結されているため、高い剛性が得られる。前
後調節手段28は、四角形のリンク機構26の略対角線
に配設されているため、より高い剛性が得られる。ま
た、支持軸16を上側連結点としてリンク機構26が構
成されているため、部品点数が少なくて簡単且つコンパ
クトに構成される。
側移動端でその踏部20の高さが最も低くなり、その後
側移動端から前側移動端へ移動するに従って高さが高く
なるようになっているため、踏部20の前後位置ととも
に高さが運転者の体格に合わせて適切に調節されるよう
になり、ペダル操作が一層容易になる。すなわち、一般
に踏部20を運転席側へ移動させて使用する運転者は脚
が短くて足の大きさも小さい一方、踏部20を運転席か
ら離して使用する運転者は脚が長くて足の大きさも大き
いのが普通であるため、後側移動端から前側移動端へ向
かうに従って踏部20の高さが高くなるようにすれば、
小柄な運転者から大柄な運転者まで、楽にペダル操作で
きるようになるのである。
報に記載の車両用ペダル装置は、図9に示すように踏部
80の高さが略同じになるように、踏部80の車両前後
方向の移動範囲(調節範囲)が定められていたため、例
えば図に示すように前側移動端において大きな足の運転
者に対して適切な高さ位置に設定すると、後側移動端で
は、小さな足の運転者に対して踏部80が高くなり、必
ずしも十分に満足できない。逆に、後側移動端において
小さな足の運転者に対して適切な高さ位置に設定する
と、前側移動端では、大きな足の運転者に対して踏部8
0が低くなり、やはり十分に満足できないのである。図
9の82は、車両のフロアである。
0のリンク長さをL1 、第2リンク32のリンク長さを
L2 、第3リンク34のリンク長さをL3 、第4リンク
36のリンク長さをL4 とした時、図8(a) の骨子図に
示すようにL1 =L3 で且つL2 =L4 に設定すると、
リンク機構26が平行リンクになり、踏部20は車両の
前後方向へ平行移動させられるようになる。このため、
前後調節に拘らず踏部20の角度が一定に維持され、踏
部20の角度変化に起因して踏込み操作性が損なわれる
恐れがない。上記各リンク長さは連結点間の寸法であ
る。
1 ≧L3 で且つL2 >L4 を満足するように設定する
と、一点鎖線で示すように踏部20が後側移動端へ移動
するに従って踏部20の足載せ面20fが上向きになる
ように第2リンク32の姿勢が変化するようになり、ペ
ダル操作が一層容易になる。すなわち、運転席の高さが
略一定であるとすると、運転席に近い後側移動端程ブレ
ーキペダル装置10の踏部20は上方から踏込み操作さ
れるようになるため、足載せ面20fが上向きになる方
が踏込み操作し易くなるのである。なお、L1 <L3 で
且つL2 ≧L4 を満足するように設定しても、同様の作
用効果が得られる。
が運転席に最も近くなる後側移動端で踏部20の高さが
最も低くなり、その後側移動端から前側移動端へ移動す
るに従って高さが高くなるようになっている。
細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
た場合の一実施例を示す正面図である。
まで移動させられた状態を示す正面図である。
車両用ペダル装置の一例を示す図である。
4:ブラケット 16:支持軸 20:踏部 2
6:リンク機構 28:前後調節手段 30:第1
リンク(上側リンク) 32:第2リンク(下側リン
ク、踏込みリンク) 34:第3リンク(下側リン
ク) 36:第4リンク(上側リンク、基準リンク)
40:下側連結ピン(下側連結点) 62:リタ
ーンスプリング(位置決め装置) 64:ストッパ
(位置決め装置)
Claims (4)
- 【請求項1】 車体に固設されたブラケットに支持軸ま
わりに回動可能に配設され、下端に設けられた踏部が踏
み込まれて原位置から該支持軸まわりに回動させられる
一方、非踏込み操作時における前記踏部の位置を車両の
前後方向へ移動させることができる車両用ペダル装置で
あって、 前記支持軸を上側連結点として四角形を形成するように
連結された4本のリンクから成り、該支持軸から下方へ
延び出すとともに、該上側連結点で連結された一対の上
側リンクの一方の基準リンクから出力する一方、該上側
連結点と反対側に位置する下側連結点で連結された一対
の下側リンクの一方の踏込みリンクに前記踏部が設けら
れているリンク機構と、 前記基準リンクを、非踏込み操作時に前記支持軸まわり
において予め定められた一定の基準位置に位置決めする
位置決め装置と、 前記4本のリンクのうちの任意の2本のリンクに跨がっ
て配設され、前記リンク機構の四角形状を変形させるこ
とにより、前記基準リンクが前記基準位置に位置決めさ
れた状態において前記踏部を車両の前後方向へ移動させ
るとともに、所定の位置で該リンク機構を一定の四角形
状に位置決めする前後調節手段と、 を有することを特徴とする前後調節可能な車両用ペダル
装置。 - 【請求項2】 前記前後調節手段は、前記踏部が運転席
に最も近くなる後側移動端で該踏部の高さが最も低くな
り、該後側移動端から前側移動端へ移動するに従って高
さが高くなるように、該踏部を前後移動させる調節範囲
が定められていることを特徴とする請求項1に記載の前
後調節可能な車両用ペダル装置。 - 【請求項3】 前記リンク機構の4本のリンクは凸四角
形を形成するように連結されているとともに、前記基準
リンクおよび前記踏込みリンクは車両前後方向において
互いに反対側に位置するリンクによって構成されてお
り、 該リンク機構の4本のリンクのうち、車両前側の上側リ
ンクのリンク長さをL 1 、車両前側の下側リンクのリン
ク長さをL2 、車両後側の下側リンクのリンク長さをL
3 、車両後側の上側リンクのリンク長さをL4 とした
時、L1 =L3 で且つL2 =L4 である、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の前後調節可
能な車両用ペダル装置。 - 【請求項4】 前記リンク機構の4本のリンクは凸四角
形を形成するように連結されているとともに、前記基準
リンクは車両後側の上側リンクで、前記踏込みリンクは
車両前側の下側リンクであり、 前記リンク機構の4本のリンクのうち、車両前側の上側
リンクのリンク長さをL1 、車両前側の下側リンクのリ
ンク長さをL2 、車両後側の下側リンクのリンク長さを
L3 、車両後側の上側リンクのリンク長さをL4 とした
時、L1 ≧L3で且つL2 >L4 、およびL1 <L3 で
且つL2 ≧L4 の何れか一方を満足することを特徴とす
る請求項1または2に記載の前後調節可能な車両用ペダ
ル装置。
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---|---|---|---|
JP2000102232A JP3703681B2 (ja) | 2000-04-04 | 2000-04-04 | 前後調節可能な車両用ペダル装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001290548A true JP2001290548A (ja) | 2001-10-19 |
JP3703681B2 JP3703681B2 (ja) | 2005-10-05 |
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JP (1) | JP3703681B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100901574B1 (ko) | 2007-12-13 | 2009-06-08 | 현대자동차주식회사 | 자동차용 브레이크 페달 어셈블리 |
JP2009166811A (ja) * | 2008-01-21 | 2009-07-30 | Advics Co Ltd | ブレーキペダル装置 |
CN109204254A (zh) * | 2017-06-30 | 2019-01-15 | 比亚迪股份有限公司 | 车辆及其电子制动踏板装置 |
US11383717B2 (en) * | 2020-03-10 | 2022-07-12 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Braking/driving force control apparatus for a vehicle |
WO2023082359A1 (zh) * | 2021-11-15 | 2023-05-19 | 广东东箭汽车科技股份有限公司 | 一种连杆结构、踏板装置,以及汽车 |
-
2000
- 2000-04-04 JP JP2000102232A patent/JP3703681B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100901574B1 (ko) | 2007-12-13 | 2009-06-08 | 현대자동차주식회사 | 자동차용 브레이크 페달 어셈블리 |
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CN109204254B (zh) * | 2017-06-30 | 2021-09-03 | 比亚迪股份有限公司 | 车辆及其电子制动踏板装置 |
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WO2023082359A1 (zh) * | 2021-11-15 | 2023-05-19 | 广东东箭汽车科技股份有限公司 | 一种连杆结构、踏板装置,以及汽车 |
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