JP3703681B2 - 前後調節可能な車両用ペダル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブレーキペダルやアクセルペダル等の車両用のペダル装置に係り、特に、踏部の位置を車両の前後方向へ移動させることができる車両用ペダル装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車体に固設されたブラケットに支持軸まわりに回動可能に配設され、下端に設けられた踏部(ペダルパッドなど)が踏み込まれて原位置からその支持軸まわりに回動させられることにより、所定の作用部材を押圧または引張する車両用ペダル装置、例えばブレーキペダルやアクセルペダル,クラッチペダルが広く知られている。そして、このような車両用ペダル装置の一種に、上記踏部の位置を車両の前後方向へ移動できるようにしたものが提案されている。例えば実開昭51−22218号公報(従来例1)や特開平7−191773号公報(従来例2)などに記載されている装置はその一例で、このような車両用ペダル装置によれば、運転者の体格などに応じて踏部の位置を車両の前後へ移動させることができるため、運転操作が容易になる。
【0003】
上記従来例1は、車体に固定されたブラケットに操作レバーを回転自在に軸支するとともに、これと同軸に調節レバーを回転自在に取付け、操作レバーの一端に作用部材を連結し、調節レバーの他端にペダルアームを回転自在に取り付け、且つ調節レバーと平行な連結ロッドでペダルアームと操作レバーの他端とを連結し、調節レバーを回転させることによりペダルアームを平行移動させて踏部を前後移動させるようになっており、踏込み操作時には連結ロッドを介して操作レバーが回動させられる。従来例2は、車体に固設されたブラケットに操作レバーを回転自在に軸支するとともに、この操作レバーに一対の平行リンクを介して踏込み部材を取り付け、平行リンクを前後へ揺動させて踏み込み部材を平行移動させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の車両用ペダル装置は何れも構造が複雑であるとともに十分な剛性が得られ難く、踏込み方向や横方向にがたつく可能性がある。すなわち、従来例1の場合、踏込み操作されるペダルアームが調節レバーに回動可能に配設されているとともに、その踏込み操作力は連結ロッドを介して操作レバーに伝達されるため、構造的に十分な強度や剛性が得られ難い一方、踏込み操作時に回動部位が多いとともに、踏込み抵抗を軽減するために各回動部位に所定の遊びが設けられるため、踏込み方向のがたつきが発生し易い。従来例2の場合は、ブラケットに回動可能に配設された操作レバーに一対の平行リンクを介して踏込み部材が取り付けられているため、計5箇所で回動可能に連結されることになり、横方向のがたつきが発生し易い。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、簡単且つコンパクトに構成されるとともに、踏込み操作時のがたつきが少ない前後調節可能な車両用ペダル装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、車体に固設されたブラケットに支持軸まわりに回動可能に配設され、下端に設けられた踏部が踏み込まれて原位置からその支持軸まわりに回動させられる一方、非踏込み操作時における前記踏部の位置を車両の前後方向へ移動させることができる車両用ペダル装置であって、(a) 前記支持軸を上側連結点として四角形を形成するように連結された4本のリンクから成り、その支持軸から下方へ延び出すとともに、その上側連結点で連結された一対の上側リンクの一方の基準リンクから出力する一方、その上側連結点と反対側に位置する下側連結点で連結された一対の下側リンクの一方の踏込みリンクに前記踏部が設けられているリンク機構と、(b) 前記基準リンクを、非踏込み操作時に前記支持軸まわりにおいて予め定められた一定の基準位置に位置決めする位置決め装置と、(c) 前記4本のリンクのうちの任意の2本のリンクに跨がって配設され、前記リンク機構の四角形状を変形させることにより、前記基準リンクが前記基準位置に位置決めされた状態において前記踏部を車両の前後方向へ移動させるとともに、所定の位置でそのリンク機構を一定の四角形状に位置決めする前後調節手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明の前後調節可能な車両用ペダル装置において、前記前後調節手段は、前記踏部が運転席に最も近くなる後側移動端でその踏部の高さが最も低くなり、その後側移動端から前側移動端へ移動するに従って高さが高くなるように、その踏部を前後移動させる調節範囲が定められていることを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明の前後調節可能な車両用ペダル装置において、(a) 前記リンク機構の4本のリンクは凸四角形を形成するように連結されているとともに、前記基準リンクおよび前記踏込みリンクは車両前後方向において互いに反対側に位置するリンクによって構成されており、(b) そのリンク機構の4本のリンクのうち、車両前側の上側リンクのリンク長さをL1 、車両前側の下側リンクのリンク長さをL2 、車両後側の下側リンクのリンク長さをL3 、車両後側の上側リンクのリンク長さをL4 とした時、L1 =L3 で且つL2 =L4 であることを特徴とする。
なお、「リンク長さ」は、リンクの全長を意味するのではなく、リンク同志を連結した連結点間の長さを意味している。第4発明についても同様である。
【0009】
第4発明は、第1発明または第2発明の前後調節可能な車両用ペダル装置において、(a) 前記リンク機構の4本のリンクは凸四角形を形成するように連結されているとともに、前記基準リンクは車両後側の上側リンクで、前記踏込みリンクは車両前側の下側リンクであり、(b) そのリンク機構の4本のリンクのうち、車両前側の上側リンクのリンク長さをL1 、車両前側の下側リンクのリンク長さをL2 、車両後側の下側リンクのリンク長さをL3 、車両後側の上側リンクのリンク長さをL4 とした時、L1 ≧L3 で且つL2 >L4 、およびL1 <L3 で且つL2 ≧L4 の何れか一方を満足することを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
このような前後調節可能な車両用ペダル装置においては、前後調節手段によってリンク機構の四角形状が変形させられることにより踏部が車両の前後方向へ移動させられるため、運転者の体格に合わせて踏部の前後位置を調節できる一方、踏込み操作時には、リンク機構が前後調節手段によって一定の四角形状に位置決めされたまま一体的に支持軸まわりに回動させられるため、踏込み操作時の回動部位が1箇所でがたつきが少ない。また、支持軸を上側連結点としてリンク機構が構成されているため、部品点数が少なくて簡単且つコンパクトに構成される。
【0011】
第2発明では、踏部が運転席に最も近くなる後側移動端でその踏部の高さが最も低くなり、その後側移動端から前側移動端へ移動するに従って高さが高くなるようになっているため、踏部の前後位置とともに高さが運転者の体格に合わせて適切に調節されるようになり、ペダル操作が一層容易になる。すなわち、一般に踏部を運転席側へ移動させて使用する運転者は脚が短くて足の大きさも小さい一方、踏部を運転席から離して使用する運転者は脚が長くて足の大きさも大きいのが普通であるため、後側移動端から前側移動端へ向かうに従って踏部の高さが高くなるようにすれば、小柄な運転者から大柄な運転者まで、楽にペダル操作できるようになるのである。
【0012】
第3発明では、リンク機構の4本のリンクのうち前記基準リンクおよび前記踏込みリンクは車両前後方向において互いに反対側に位置するリンクによって構成されているとともに、L1 =L3 で且つL2 =L4 であるため、リンク機構が平行リンクになり、踏部は車両の前後方向へ平行移動させられるようになる。このため、前後調節に拘らず踏部の角度が一定に維持され、踏部の角度変化に起因して踏込み操作性が損なわれる恐れがない。
【0013】
第4発明では、リンク機構の4本のリンクのうち前記基準リンクは車両後側の上側リンクで、前記踏込みリンクは車両前側の下側リンクであるとともに、L1 ≧L3 で且つL2 >L4 、およびL1 <L3 で且つL2 ≧L4 の何れか一方を満足するため、踏部が後側移動端へ移動するに従って踏部の足載せ面が上向きになるように踏込みリンクの姿勢が変化するようになり、ペダル操作が一層容易になる。すなわち、運転席の高さが略一定であるとすると、運転席に近い後側移動端程車両用ペダル装置の踏部は上方から踏込み操作されるようになるため、足載せ面が上向きになる方が踏込み操作し易くなるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、ブレーキペダルやアクセルペダル、クラッチペダル、パーキングブレーキペダルなど、車両用の総てのペダル装置に適用され得る。基準リンクには、例えば踏込み操作によって押圧されるブレーキブースタのロッドや、踏込み操作により引っ張られるアクセラレータケーブル、パーキングブレーキケーブルなどの作用部材が接続され、その作用部材を介して踏込み操作力や操作量を機械的に出力するように構成されるが、基準リンクの回転角やトルクなどを検出装置により電気的に検出して出力する場合であっても良い。
【0015】
基準リンクは、例えば車両後側の上側リンクが用いられるが、車両前側の上側リンクを基準リンクとすることもできる。位置決め装置は、例えば基準リンクを基準位置側へ付勢するリターンスプリングおよびストッパなどによって構成され、基準リンクが基準位置に位置決めされることによって車両用ペダル装置の原位置が規定される。
【0016】
踏込みリンクは、例えば車両前側の下側リンクが用いられるが、車両後側の下側リンクを踏込みリンクとすることもできる。
【0017】
前後調節手段は、例えば前記4本のリンクのうちの任意の2本のリンクにそれぞれ前記支持軸と平行な調節軸まわりに相対回動可能に連結され、その調節軸を接近、離間させることにより前記リンク機構の上下方向の中間部を開閉して、前記基準リンクが前記基準位置に位置決めされた状態において前記踏部を車両の前後方向へ移動させるとともに、所定位置でそのリンク機構を一定の四角形状に位置決めするように構成される。この場合は、リンク機構の中間部が前後調節手段によって連結されるため、高い剛性が得られるようになる。
【0018】
具体的には、例えば互いに螺合されたねじ軸およびナット部材の何れか一方を軸心まわりに回転不能に2本のリンクの一方に連結するとともに、他方を軸心まわりに回転可能に2本のリンクの他方に連結し、その回転可能な部材を手動または電動モータ等の駆動手段を用いて回転駆動することにより、両者を軸方向へ相対移動させて2本のリンクを接近離間させるように構成される。更に具体的には、例えば(a) 軸心まわりに回転不能に配設されるとともに、調節軸を介して2本のリンクの一方に連結されたねじ軸と、(b) そのねじ軸に螺合されるとともに電動モータ等の駆動手段により回転駆動されてねじ軸の軸心方向へ直線移動させられるナット部材と、(c) そのナット部材を前記ねじ軸の軸方向の相対移動不能且つ軸心まわりに回転可能に保持しているとともに、調節軸を介して他方のリンクに連結されたナット保持部材と、を有して構成される。ナット部材を回転不能に配設して、ねじ軸を軸心まわりに回転可能に配設するようにしても良い。また、ねじ軸およびナット部材を有する送りねじ機構の他に、シリンダ装置などの他の伸縮機構を用いて一対の調節軸を接近離間させるようにすることもできる。
【0019】
上記駆動手段としては、リンク機構を一定の四角形状に位置決めするために、例えばブレーキ付きの電動モータが好適に用いられるが、ウォーム歯車などを用いて電動モータの逆回転を防止するようにしても良い。また、軸方向の荷重が作用してもねじ軸およびナット部材が回転しないように、リードが小さなねじを採用するだけでも良い。
【0020】
前後調節手段はまた、2本のリンクが共通の連結点で連結されている場合は、例えば(a) その連結点を中心として一方のリンクに一体的に設けられた扇形状の噛合歯と、(b) その噛合歯と噛み合わされるとともに他方のリンクに軸心まわりに回転可能に配設された駆動歯車と、(c) その駆動歯車を回転駆動して2本のリンクを連結点まわりに相対回動させる電動モータ等の駆動装置と、から成る回動装置などを前後調節手段として採用することもできる。駆動歯車の代わりにラックを用いることもできる。
【0021】
第2発明では、踏部が運転席に最も近くなる後側移動端で踏部の高さが最も低くなり、その後側移動端から前側移動端へ移動するに従って高さが高くなるようになっているが、他の発明の実施に際しては、後側移動端および前側移動端における踏部の高さが略同じであっても良いなど、適宜設定される。
【0022】
第3発明では、リンク機構の4本のリンクのうち基準リンクおよび踏込みリンクは車両前後方向において互いに反対側に位置するリンクによって構成されているが、第1発明、第2発明の実施に際しては、車両後側の上側リンクおよび下側リンクがそれぞれ基準リンクおよび踏込みリンクであっても良いし、車両前側の上側リンクおよび下側リンクがそれぞれ基準リンクおよび踏込みリンクであっても良い。
【0023】
また、第3発明では、L1 =L3 で且つL2 =L4 であるが、幾何学的な意味において厳密にそれ等の式を満足する必要はなく、加工誤差などを考慮して所定の許容範囲内で満足するようになっておれば良い。
【0024】
第4発明では、リンク機構の4本のリンクのうち車両後側の上側リンクが基準リンクで、車両前側の下側リンクが踏込みリンクの場合であるが、車両前側の上側リンクが基準リンクで、車両後側の下側リンクが踏込みリンクの場合にも、同様の考え方を適用して、踏部が後側移動端へ移動するに従って踏部の足載せ面が上向きになるように、踏込みリンクの姿勢が変化するように構成することができる。車両後側の上側リンクおよび下側リンクがそれぞれ基準リンクおよび踏込みリンクである場合や、車両前側の上側リンクおよび下側リンクがそれぞれ基準リンクおよび踏込みリンクである場合も、各リンク長さを適当に設定することにより、踏部が後側移動端へ移動するに従って踏部の足載せ面が上向きになるように、踏込みリンクの姿勢が変化するように構成することができる。
【0025】
なお、本明細書において「・・・軸まわりに回動」とは、特に支障がない限り「・・・軸の軸心まわりに回動」と同義であり、必ずしも軸に対する相対回動を意味するものではない。
【0026】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が車両用ペダル装置としての車両用ブレーキペダル装置10に適用された場合の一例を示す正面図で、車両に配設された状態を示す図であり、図の左側が車両の前方で右側が車両の後方すなわち運転席側である。かかるブレーキペダル装置10は、図示しない車体に固設されたブラケット14に支持軸(実施例はボルト)16を介してその支持軸16の軸心まわりに回動可能に配設されており、下端に設けられた踏部20が踏み込まれて図1に示す原位置から支持軸16の右まわりに回動させられることにより、クレビス22を介して連結されたブレーキブースタのロッド24を押圧し、図示しないマスターシリンダのプッシュロッドを押し込んでブレーキ油圧を発生させるようになっている。本実施例ではブレーキブースタのロッド24が作用部材に相当する。支持軸16は、その軸心が車両の幅方向と略平行となる姿勢でブラケット14に取り付けられるようになっている。
【0027】
このブレーキペダル装置10は、上記支持軸16を上側連結点として四角形を形成するように連結されたリンク機構26を主体として構成されており、そのリンク機構26の四角形状が前後調節手段28によって変形させられることにより、非踏込み操作時すなわち原位置における踏部20の位置が実線で示す前側移動端から一点鎖線で示す後側移動端まで移動させられるようになっている。図2は、踏部20が後側移動端へ移動させられた状態を示す図で、図3〜図7は、それぞれ図1における III− III断面、IV−IV断面、V−V断面、VI−VI断面、 VII− VII断面を示す図である。
【0028】
リンク機構26は、凸四角形状を形成するように連結された4本の第1リンク30、第2リンク32、第3リンク34、第4リンク36を備えていて、前記支持軸16から下方へ延び出すように配設されている。第1リンク30および第4リンク36は、上側連結点である支持軸16によって相対回動可能に連結されており、図3から明らかなように、第1リンク30は、第4リンク36の両側に配設された一対の部材30aおよび30bにて構成されている。それ等の部材30a、30bは、それぞれスリーブ44および一対の軸受部材46を介して支持軸16の軸心まわりに回転可能に配設されているとともに、その軸受部材46の外向きフランジを介してブラケット14に密着させられて位置決めされている。第4リンク36は、スリーブ48および円筒状の軸受部材50を介して支持軸16の軸心まわりに回転可能に配設され、第1リンク30に対して相対回転可能に連結されている。
【0029】
第1リンク30および第2リンク32は、支持軸16と平行な中間連結ピン(実施例はボルト)38によって相対回動可能に連結されており、図5から明らかなように、中間連結ピン38はスペーサ52を介して所定寸法だけ離間させられた第1リンク30の一対の部材30a、30bに一体的に固定されている。第2リンク32は、第1リンク30の一対の部材30a、30bの間において、スリーブ54および一対の軸受部材56を介して中間連結ピン38の軸心まわりに回転可能に配設されているとともに、その軸受部材56の外向きフランジを介して第1リンク30の部材30a、30bに密着して位置決めされた状態で相対回転可能に連結されている。
【0030】
第2リンク32および第3リンク34は、支持軸16と平行な下側連結ピン40によって相対回動可能に連結されており、図7から明らかなように、下側連結ピン40は第2リンク32に一体的に溶接固定されているとともに、第3リンク34は、下側連結ピン40の軸心まわりに回転可能に配設され、円板状の摺接部材58を介して第2リンク32に密着して位置決めされた状態で相対回転可能に連結されている。下側連結ピン40は下側連結点に相当する。
【0031】
また、第3リンク34および第4リンク36は、支持軸16と平行な中間連結ピン42によって相対回動可能に連結されており、図6から明らかなように、中間連結ピン42は第4リンク36に一体的に溶接固定されているとともに、第3リンク34は、中間連結ピン42の軸心まわりに回転可能に配設され、円板状の摺接部材60を介して第4リンク36に密着して位置決めされた状態で相対回転可能に連結されている。
【0032】
そして、支持軸16によって連結された一対の上側リンクである第1リンク30および第4リンク36のうち、車両後側に位置する第4リンク36には前記ロッド24が接続されているとともに、車体との間に張設されたリターンスプリング(実施例では引張コイルスプリング)62によって支持軸16の左まわり方向へ付勢されており、非踏込み操作時には車体側に配設されたストッパ64に当接する一定の基準位置に位置決めされるようになっている。このように、第4リンク36がストッパ64に当接する位置がブレーキペダル装置10の原位置である。また、支持軸16と反対側に位置する下側連結ピン40によって連結された一対の下側リンクである第2リンク32および第3リンク34のうち、車両前側に位置する第2リンク32は、その下端部が下側連結ピン40よりも下方へ突き出し、その先端に前記踏部20が一体的に設けられている。上記第4リンク36は基準リンクに相当し、第2リンク32は踏込みリンクに相当し、リターンスプリング62およびストッパ64は基準リンクを基準位置に位置決めする位置決め装置に相当する。
【0033】
前記前後調節手段28は、第1リンク30および第4リンク36に跨がって配設され、基準リンクである第4リンク36が前記基準位置に位置決めされた状態において前記踏部20を車両の前後方向へ移動させるとともに、所定の位置でリンク機構26を一定の四角形状に位置決めするものである。具体的には、図1および図4から明らかなように、(a) 軸心まわりに回転不能に配設されるとともに、支持軸16と平行な調節軸66を介して第4リンク36の下端部、すなわち中間連結ピン42の近傍部分に連結されたねじ軸68と、(b) そのねじ軸68に螺合されるとともに駆動手段としての図示しない電動モータにより回転駆動されてねじ軸68の軸心方向へ直線移動させられるナット部材70と、(c) そのナット部材70をねじ軸68の軸方向の相対移動不能且つ軸心まわりに回転可能に保持しているとともに、支持軸16と平行な一対の調節軸72を介して第1リンク30の一対の部材30a、30bの下端部、すなわち中間連結ピン38の近傍部分に連結されたナット保持部材74と、を有して構成されている。
【0034】
上記ねじ軸68およびナット保持部材74は、何れも調節軸66、72の軸心まわりに相対回動可能にリンク36、30に連結されており、ナット部材70が回転駆動されてねじ軸68の軸方向へ移動させられることにより、調節軸66、72が互いに接近、離間させられ、それに伴ってリンク機構26の中間部が接近、離間させられて四角形状が変形させられる。ナット部材70を回転駆動する電動モータは、ウォームおよびウォームホイールを介してナット部材70に動力伝達するようになっており、電動モータの停止時にナット部材70およびねじ軸68に軸方向の荷重が作用しても、電動モータが逆回転してそれらが軸方向へ移動する恐れはなく、リンク機構26は所定の四角形状に位置決めされる。電動モータやウォームおよびウォームホイールは、ナット部材70と共にナット保持部材74に配設され、例えばナット部材70の外周側にウォームホイールが一体的に設けられる。
【0035】
上記前後調節手段28によって、非踏込み操作時すなわち原位置における踏部20の位置が、図1において実線で示す前側移動端から一点鎖線で示す後側移動端まで移動させられるが、本実施例では運転席に最も近くなる後側移動端で踏部20の高さが最も低くなり、後側移動端から前側移動端へ移動するに従って高さが高くなるように、前後調節手段28による踏部20の前後調節範囲や前記ストッパ64による第4リンク36の基準位置などが定められている。
【0036】
このような前後調節可能なブレーキペダル装置10においては、前後調節手段28によってリンク機構26の四角形状が変形させられることにより踏部20が車両の前後方向へ移動させられるため、運転者の体格に合わせて踏部20の前後位置を調節できる一方、踏込み操作時には、リンク機構26が前後調節手段28によって一定の四角形状に位置決めされたまま一体的に支持軸16まわりに回動させられるため、踏込み操作時の回動部位が1箇所だけでがたつきが少ない。特に、本実施例では、リンク機構26の中間部が前後調節手段28によって連結されているため、高い剛性が得られる。前後調節手段28は、四角形のリンク機構26の略対角線に配設されているため、より高い剛性が得られる。また、支持軸16を上側連結点としてリンク機構26が構成されているため、部品点数が少なくて簡単且つコンパクトに構成される。
【0037】
また、踏部20が運転席に最も近くなる後側移動端でその踏部20の高さが最も低くなり、その後側移動端から前側移動端へ移動するに従って高さが高くなるようになっているため、踏部20の前後位置とともに高さが運転者の体格に合わせて適切に調節されるようになり、ペダル操作が一層容易になる。すなわち、一般に踏部20を運転席側へ移動させて使用する運転者は脚が短くて足の大きさも小さい一方、踏部20を運転席から離して使用する運転者は脚が長くて足の大きさも大きいのが普通であるため、後側移動端から前側移動端へ向かうに従って踏部20の高さが高くなるようにすれば、小柄な運転者から大柄な運転者まで、楽にペダル操作できるようになるのである。
【0038】
因みに、前記特開平7−191773号公報に記載の車両用ペダル装置は、図9に示すように踏部80の高さが略同じになるように、踏部80の車両前後方向の移動範囲(調節範囲)が定められていたため、例えば図に示すように前側移動端において大きな足の運転者に対して適切な高さ位置に設定すると、後側移動端では、小さな足の運転者に対して踏部80が高くなり、必ずしも十分に満足できない。逆に、後側移動端において小さな足の運転者に対して適切な高さ位置に設定すると、前側移動端では、大きな足の運転者に対して踏部80が低くなり、やはり十分に満足できないのである。図9の82は、車両のフロアである。
【0039】
なお、上記実施例において、第1リンク30のリンク長さをL1 、第2リンク32のリンク長さをL2 、第3リンク34のリンク長さをL3 、第4リンク36のリンク長さをL4 とした時、図8(a) の骨子図に示すようにL1 =L3 で且つL2 =L4 に設定すると、リンク機構26が平行リンクになり、踏部20は車両の前後方向へ平行移動させられるようになる。このため、前後調節に拘らず踏部20の角度が一定に維持され、踏部20の角度変化に起因して踏込み操作性が損なわれる恐れがない。上記各リンク長さは連結点間の寸法である。
【0040】
また、図8(b) の骨子図に示すように、L1 ≧L3 で且つL2 >L4 を満足するように設定すると、一点鎖線で示すように踏部20が後側移動端へ移動するに従って踏部20の足載せ面20fが上向きになるように第2リンク32の姿勢が変化するようになり、ペダル操作が一層容易になる。すなわち、運転席の高さが略一定であるとすると、運転席に近い後側移動端程ブレーキペダル装置10の踏部20は上方から踏込み操作されるようになるため、足載せ面20fが上向きになる方が踏込み操作し易くなるのである。なお、L1 <L3 で且つL2 ≧L4 を満足するように設定しても、同様の作用効果が得られる。
【0041】
上記図8の(a) 、(b) は、何れも踏部20が運転席に最も近くなる後側移動端で踏部20の高さが最も低くなり、その後側移動端から前側移動端へ移動するに従って高さが高くなるようになっている。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が車両用ブレーキペダル装置に適用された場合の一実施例を示す正面図である。
【図2】図1のブレーキペダル装置の踏部が後側移動端まで移動させられた状態を示す正面図である。
【図3】図1における III− III断面を示す図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面を示す図である。
【図5】図1におけるV−V断面を示す図である。
【図6】図1におけるVI−VI断面を示す図である。
【図7】図1における VII− VII断面を示す図である。
【図8】本発明の別の実施例を説明する骨子図である。
【図9】前後調節に拘らず踏部の高さが略等しい従来の車両用ペダル装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
10:ブレーキペダル装置(車両用ペダル装置) 14:ブラケット 16:支持軸 20:踏部 26:リンク機構 28:前後調節手段 30:第1リンク(上側リンク) 32:第2リンク(下側リンク、踏込みリンク) 34:第3リンク(下側リンク) 36:第4リンク(上側リンク、基準リンク) 40:下側連結ピン(下側連結点) 62:リターンスプリング(位置決め装置) 64:ストッパ(位置決め装置)

Claims (4)

  1. 車体に固設されたブラケットに支持軸まわりに回動可能に配設され、下端に設けられた踏部が踏み込まれて原位置から該支持軸まわりに回動させられる一方、非踏込み操作時における前記踏部の位置を車両の前後方向へ移動させることができる車両用ペダル装置であって、
    前記支持軸を上側連結点として四角形を形成するように連結された4本のリンクから成り、該支持軸から下方へ延び出すとともに、該上側連結点で連結された一対の上側リンクの一方の基準リンクから出力する一方、該上側連結点と反対側に位置する下側連結点で連結された一対の下側リンクの一方の踏込みリンクに前記踏部が設けられているリンク機構と、
    前記基準リンクを、非踏込み操作時に前記支持軸まわりにおいて予め定められた一定の基準位置に位置決めする位置決め装置と、
    前記4本のリンクのうちの任意の2本のリンクに跨がって配設され、前記リンク機構の四角形状を変形させることにより、前記基準リンクが前記基準位置に位置決めされた状態において前記踏部を車両の前後方向へ移動させるとともに、所定の位置で該リンク機構を一定の四角形状に位置決めする前後調節手段と、
    を有することを特徴とする前後調節可能な車両用ペダル装置。
  2. 前記前後調節手段は、前記踏部が運転席に最も近くなる後側移動端で該踏部の高さが最も低くなり、該後側移動端から前側移動端へ移動するに従って高さが高くなるように、該踏部を前後移動させる調節範囲が定められている
    ことを特徴とする請求項1に記載の前後調節可能な車両用ペダル装置。
  3. 前記リンク機構の4本のリンクは凸四角形を形成するように連結されているとともに、前記基準リンクおよび前記踏込みリンクは車両前後方向において互いに反対側に位置するリンクによって構成されており、
    該リンク機構の4本のリンクのうち、車両前側の上側リンクのリンク長さをL1 、車両前側の下側リンクのリンク長さをL2 、車両後側の下側リンクのリンク長さをL3 、車両後側の上側リンクのリンク長さをL4 とした時、L1 =L3 で且つL2 =L4 である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の前後調節可能な車両用ペダル装置。
  4. 前記リンク機構の4本のリンクは凸四角形を形成するように連結されているとともに、前記基準リンクは車両後側の上側リンクで、前記踏込みリンクは車両前側の下側リンクであり、
    前記リンク機構の4本のリンクのうち、車両前側の上側リンクのリンク長さをL1 、車両前側の下側リンクのリンク長さをL2 、車両後側の下側リンクのリンク長さをL3 、車両後側の上側リンクのリンク長さをL4 とした時、L1 ≧L3 で且つL2 >L4 、およびL1 <L3 で且つL2 ≧L4 の何れか一方を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の前後調節可能な車両用ペダル装置。
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