JP3514804B2 - 前後調節可能な操作ペダル装置 - Google Patents

前後調節可能な操作ペダル装置

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JP3514804B2
JP3514804B2 JP6101294A JP6101294A JP3514804B2 JP 3514804 B2 JP3514804 B2 JP 3514804B2 JP 6101294 A JP6101294 A JP 6101294A JP 6101294 A JP6101294 A JP 6101294A JP 3514804 B2 JP3514804 B2 JP 3514804B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブレーキペダルやアクセ
ルペダル等の車両用の操作ペダル装置に係り、特に、ペ
ダルパッドの位置を車両の前後方向へ移動させることが
できる操作ペダル装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車体に固設されたブラケットに回動可能
に配設され、ペダルパッドが踏み込まれて原位置から回
動させられることにより、所定の作用部材を押圧または
引張する車両用操作ペダル装置、例えばブレーキペダル
やアクセルペダル,クラッチペダルが広く知られている
が、このような車両用操作ペダル装置の一種に、上記ペ
ダルパッドの位置を車両の前後方向へ移動できるように
したものが提案されている。例えば特開昭63−495
28号公報(従来例1)や特開平2−39214号公報
(従来例2),実公昭62−5700号公報(従来例
3),特開平2−129710号公報(従来例4),特
公昭50−6694号公報(従来例5),実開昭51−
22218号公報(従来例6)に記載されている装置は
その一例であり、このような操作ペダル装置によれば、
運転者の体型や好みなどに応じてペダルパッドの位置を
最適な位置に調節できるため、運転操作が容易となる。
【0003】上記従来例1乃至3は、長穴に沿ってペダ
ルパッドを平行移動させるようにしたもので、ペダルパ
ッドの姿勢や高さ位置が略一定に維持されるとともに、
そのうちの従来例1および2は、操作ペダルの回動軸心
や作用部材の連結部をペダルパッドの前後移動に伴って
変位させることにより、操作ペダルの回動軸心からペダ
ルパッドまでの距離とその回動軸心から作用部材の連結
部までの距離との比(以下、レバー比という)を略一定
とし、ペダルパッドを前後に移動させても必要な踏込み
操作力が変化しないようになっている。従来例4および
5は、同期回転させられる複数のねじ軸を用いて作用部
材との連結部も含めた全体を平行移動させるもので、各
部材間の相対位置が変化せず、ペダルパッドの姿勢や高
さ位置およびレバー比が一定に維持される。従来例6
は、平行リンクを利用して操作ペダル全体を平行移動さ
せるもので、平行リンクの前後方向の回動によりペダル
パッドが一定の姿勢で前後調節されるとともに、踏込み
操作時には1本のリンクを介してレバー部材を回動させ
ることにより作用部材を押圧するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1,2は、操作ペダルの回動軸心や作用部材の連結部を
変位させるために部品点数が多くて構造が複雑且つ大掛
かりになり、組付けが面倒でコスト高となるとともに、
従来例1では操作ペダルの回動軸心の位置が変化するた
め回動の安定性が損なわれる。従来例3は、構造は簡単
であるが、ペダルパッドの移動に伴ってレバー比が変化
するため、必要な踏込み操作力が変化する。従来例4,
5は、操作ペダル全体を平行移動させる構造であるた
め、前後方向に比較的大きなスペースが必要になり、運
転席前方の狭いスペースに配設するには好ましくないと
ともに、操作ペダル側と作用部材側とでねじ軸を同期さ
せる構造が複雑でコスト高となる。従来例4ではねじ軸
とペダル回動軸とが直交しているためにそのペダル回動
軸の構造が成り立ち難く、十分な強度・剛性が得られ難
い。一方、平行リンクを用いた従来例6は、操作ペダル
が平行リンクの一方によって支持されているとともに他
方のリンクおよびレバー部材を介して操作力が伝達され
るため、構造的に充分な強度・剛性が得られ難い。ま
た、前後調節時のリンクの回動に伴うペダルパッドの上
下変動が避けられず、必ずしも常に最良の踏込み操作性
が得られるとは限らなかった。さらに、何れの従来例に
おいても、踏込み操作時には操作ペダルが一定の回動軸
心まわりに回動させられるため、それに伴ってペダルパ
ッドの高さや姿勢が変化するとともに、その変化特性は
回動軸心までの距離によって定まるため自由に変更する
ことができず、車両の構造や操作ペダル装置の種類によ
っては必ずしも充分に満足できる操作性が得られないこ
とがある。
【0005】一方、上記従来例1や2は、電動モータに
よってねじ軸を回転駆動することによりペダルパッドの
位置を自動で前後調節するようになっているため、装置
が高価で重くなる。従来例6は、ねじ軸を手動で回転操
作して前後調節するようになっているため、安価に構成
できるが、操作ハンドルが大きくて運転席の近傍に設け
ると邪魔になるとともに、操作ハンドルの位置を自由に
設定できないため必ずしも調節作業が容易でない。ま
た、従来例3は、複数の切欠部に対するピンの係合位置
を変更して前後調節するようになっているため、安価に
構成されるが、調節作業が面倒であるとともに運転席に
座ったまま調節することができない。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その第1の目的とするところは、車両への搭載
スペースが小さく且つ前後調節に拘らずペダルパッドの
姿勢や必要な踏込み操作力が略一定で、しかも構造的に
充分な強度が得られる比較的簡単な構造で安価な、また
踏込み操作時におけるペダルパッドの姿勢変化特性を任
意に設定できる操作ペダル装置を提供することにある。
また、第2の目的は、ペダルパッドの位置調節を運転席
に座ったまま容易且つ迅速に行うことができる操作ペダ
ル装置を軽量且つ安価に構成することにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】前記第1の目的を
達成するために、第1発明は、車体に固設されたブラケ
ットに回動可能に配設され、ペダルパッドが踏み込まれ
て原位置から回動させられることにより、所定の作用部
材を押圧または引張する一方、前記ペダルパッドの位置
を車両の前後方向へ移動させることが可能な操作ペダル
装置であって、(a)前記ブラケットに互いに平行な回
動軸心まわりの回動可能にそれぞれ上側連結部が連結さ
れて略並列に下方へ吊り下げられる一対の吊下げリンク
部材と、(b)それら一対の吊下げリンク部材の下側連
結部にそれぞれ前記回動軸心と略平行な軸心まわりの回
動可能に連結されることにより4節回転連鎖を形成する
下側リンク部材と、(c)その下側リンク部材に、前記
一対の吊下げリンク部材が原位置に保持された状態にお
いて前後方向の相対移動可能に配設されるとともに、
の下側リンク部材と略同じ高さ位置に前記ペダルパッド
が一体的に設けられたスライド部材と、(d)そのスラ
イド部材と前記下側リンク部材とに跨がって配設され、
その下側リンク部材に対してスライド部材を異なる相対
位置で位置決めして前記ペダルパッドの位置を変更する
前後調節手段とを有し、前記一対の吊下げリンク部材
何れか一方に前記作用部材が連結されていることを特徴
とする。
【0008】
【第1発明の作用および効果】このような前後調節可能
な操作ペダル装置においては、一対の吊下げリンク部材
および下側リンク部材によって4節回転連鎖が形成され
るとともに、その下側リンク部材に対してスライド部材
が前後方向の相対移動可能に取り付けられ、前後調節手
段により異なる相対位置に位置決めされるようになって
いるため、操作ペダル全体を平行移動させる場合に比較
して、構造が簡単でコンパクトに構成されるとともに組
付けが容易で安価となる。また、ペダルパッドが踏み込
まれると、4節回転連鎖が変形して作用部材を押圧した
り引っ張ったりするため、構造的に高い強度が得られる
一方、ペダルパッドを前後調節しても4節回転連鎖は変
形しないため、前後調節に拘らず必要な踏込み操作力が
略一定で、前後調節に起因して踏込み操作性が大きく変
わることはない。
【0009】一方、一対の吊下げリンク部材の上側連結
部および下側連結部を結ぶ図形すなわち連結位置を変更
すれば、踏込み操作時における下側リンク部材の姿勢、
更にはペダルパッドの姿勢の変化特性が変わるため、車
両の構造や操作ペダル装置の種類などに応じてその変化
特性を任意に設定でき、踏込み操作を一層容易とするこ
とが可能である。例えば、一対の吊下げリンク部材の上
側連結部および下側連結部を結ぶ図形が略平行四辺形を
成すように下側リンク部材を連結すれば、下側リンク部
材は吊下げリンク部材の回動位置に拘らず略一定の姿勢
に保持されて平行移動させられるため、踏込み操作時に
おけるペダルパッドの姿勢が略一定に維持される。この
場合はまた、ペダルパッドの前後位置を変更しても、踏
込み操作時にはペダルパッドが平行移動させられるた
め、前後調節に拘らず同じ特性が得られ、ペダルパッド
の姿勢に関する操作性に変動がないとともに、必要な踏
込み操作力についてもペダルパッドの前後調節に拘らず
一定に維持される。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】第2発明は、前記
第1の目的と同時に第2の目的を達成するためのもの
で、上記第1発明の前後調節可能な操作ペダル装置にお
いて、前記前後調節手段を、(e)前記下側リンク部材
および前記スライド部材の一方に車両の前後方向に設け
られたラチェットと、(f)前記下側リンク部材および
前記スライド部材の他方に回動可能に配設され、前記ラ
チェットと噛み合わされることにより、そのスライド部
材が上記下側リンク部材に対して車両の後方側へ移動す
ることを許容するが、車両の前方側へ移動することを阻
止するポールと、(g)そのポールを常には前記ラチェ
ットと噛み合う方向へ付勢する第1スプリングと、
(h)一端部が前記ポールに係合させられるとともに他
端部が運転席近傍に導かれ、その他端部側へ引張操作さ
れることにより上記ポールを前記第1スプリングの付勢
力に抗して回動させ、前記ラチェットとの噛合いを解除
するレリーズケーブルと、(i)前記スライド部材と前
記下側リンク部材とに跨がって設けられ、常にはそのス
ライド部材を車両の前方側へ付勢する第2スプリング
と、(j)一端部が前記スライド部材に係合させられる
とともに他端部が運転席近傍に導かれ、その他端部側へ
引張操作されることにより上記スライド部材を前記第2
スプリングの付勢力に抗して車両の後方側へ移動させる
アジャストケーブルとを備えて構成したことを特徴とす
る。
【0011】
【第2発明の作用および効果】かかる前後調節可能な操
作ペダル装置においては、スライド部材が車両の前方側
に位置している状態では、アジャストケーブルを引張操
作することによりスライド部材を第2スプリングの付勢
力に抗して車両の後方側へ移動させることができるとと
もに、アジャストケーブルの引張操作を解除してもポー
ルとラチェットとの噛合いによってスライド部材の車両
前方側への移動が阻止されるため、アジャストケーブル
の引張量に応じてペダルパッドの位置が車両の後方側す
なわち運転席に接近する側へ調節される。また、スライ
ド部材が車両の後方側に位置している状態では、レリー
ズケーブルを引張操作することにより第1スプリングの
付勢力に抗してポールとラチェットとの噛合いが解除さ
れ、スライド部材が第2スプリングの付勢力に従って車
両前方側へ移動することが許容されるため、アジャスト
ケーブルを操作してその引張量を変更することによりス
ライド部材、更にはペダルパッドの位置を調節できると
ともに、ペダルパッドが所望する位置となった時にレリ
ーズケーブルを戻せば、ポールとラチェットとの噛合い
によってスライド部材の位置が規定される。レリーズケ
ーブルを引張操作した状態でアジャストケーブルを操作
してペダルパッドの前後調節を行うこともできるが、ス
ライド部材が第2スプリングの付勢力に従って一旦車両
の前方端まで移動させられた後でレリーズケーブルを戻
し、その後にアジャストケーブルを引張操作してペダル
パッドの前後調節を行うようにしてもよい。
【0012】このように、本発明の操作ペダル装置は運
転席の近傍に導かれた2種類のケーブルを操作するだけ
でペダルパッドの前後位置を調節できるため、従来例3
のように複数の切欠部に対するピンの係合位置を変更し
て調節する場合に比較して、ペダルパッドの位置調節を
運転席に座ったままペダルパッドに足を掛けるなどして
容易且つ迅速に行うことができる。また、レリーズケー
ブルおよびアジャストケーブルは自由に引き回すことが
できるため、それらを引張操作する操作部材の配設位置
は運転席の近傍に自由に設定でき、従来例6のように運
転席の下方に設けられた操作ハンドルを回転操作する場
合に比較して、操作部材を邪魔にならないように配設で
きるとともに調節作業が容易となる。また、電動モータ
等の駆動源を設けてねじ軸を回転駆動し、スライド部材
を自動で前後移動させる場合に比較して、駆動源が不要
で装置が軽量且つ安価に構成される。なお、この第2発
明においても、前記第1発明と同様の効果が得られるこ
とは勿論である。
【0013】ここで、上記レリーズケーブルが、運転席
近傍のパネルに一中心線まわりの回動可能に配設された
回動部材に係止されるとともに、前記アジャストケーブ
ルが、前記一中心線上において前記回動部材に対して相
対回動不能且つその一中心線方向への相対移動可能に配
設された操作ノブに係止され、その操作ノブが回動操作
されることによって前記レリーズケーブルが引っ張ら
れ、その操作ノブが引張操作されることによって前記ア
ジャストケーブルが引っ張られるようにすれば、単一の
操作ノブを操作するだけで前記レリーズケーブルおよび
アジャストケーブルを引張操作できるため、両ケーブル
の引張操作部材を別々に設ける場合に比較して、ペダル
パッドの前後位置を調節する作業が一層容易となる。例
えば操作ノブを回動操作してレリーズケーブルを引っ張
り、ポールとラチェットとの噛合いを解除した状態で、
操作ノブを引っ張ったり戻したりしてアジャストケーブ
ルの引張量を変更し、スライド部材を前後移動させると
ともに、ペダルパッドが所望する位置となった時に操作
ノブを戻し回動することにより、ペダルパッドの前後位
置を片手で容易に調節できる。また、回動部材と操作ノ
ブは同じ位置に配置されるため、運転席近傍にコンパク
トに配置できる利点がある。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明が操作ペダル装置としての
車両用ブレーキペダル装置10に適用された場合の一例
を示す一部を切り欠いた正面図である。かかるブレーキ
ペダル装置10は、車体12に固設されたブラケット1
4に設けられた互いに平行な一対の支持軸16,18に
上側連結部がそれぞれ連結されて略並列に下方へ吊り下
げられ、それら支持軸16,18の軸心まわりの回動可
能にそれぞれ配設された一対の吊下げリンク部材20,
22と、それら吊下げリンク部材20,22の下側連結
部にそれぞれ支持軸16と略平行な一対の連結ピン2
4,26まわりの回動可能に連結されて4節回転連鎖を
形成する下側リンク部材28と、上記吊下げリンク部材
20,22が図1に示す原位置に保持された状態で下側
リンク部材28に前後方向の相対移動可能に配設された
スライド部材30とを備えて構成されている。支持軸1
6,18は、それらの軸心が車両の幅方向と略平行とな
る姿勢でブラケット14に取り付けられている。
【0015】上記スライド部材30に設けられたペダル
パッド32が踏み込まれてブレーキペダル装置10が原
位置から回動させられると、クレビス34を介して踏込
み方向前側の一方の吊下げリンク部材20の上下方向中
間部に連結されたブレーキブースタ36のロッド38が
押圧され、図示しないマスターシリンダのプッシュロッ
ドが押し込まれてブレーキ油圧が発生させられる。上記
クレビス34は支持軸16と略平行なピン40まわりの
回動可能に一方の吊下げリンク部材20に連結されてお
り、ロッド38はブレーキブースタ36から突き出すよ
うに付勢されている。その付勢力によって吊下げリンク
部材20が支持軸16の左まわりに戻り回動させられる
と、踏込み方向後側の他方の吊下げリンク部材22に一
体的に固設された当接部23がブラケット14に取り付
けられたストッパ42に当接させられ、この当接により
ブレーキペダル装置10の原位置が規定される。本実施
例ではロッド38によってブレーキペダル装置10が原
位置へ復帰させられるようになっているが、必要に応じ
てリターンスプリングを配設することもできる。本実施
例ではブレーキブースタ36のロッド38が作用部材に
相当するとともに、支持軸16,18の軸心が回動軸心
に相当する。
【0016】支持軸16から連結ピン24までの長さ寸
法は支持軸18から連結ピン26までの長さ寸法と略等
しく、支持軸16と支持軸18との離間寸法は連結ピン
24と連結ピン26との離間寸法と略等しい。すなわ
ち、各連結点を結ぶ図形が略平行四辺形を成すのであ
り、吊下げリンク部材20,22がブラケット14に対
してそれぞれ回動させられることにより、下側リンク部
材28およびスライド部材30は車両の前後方向へ略平
行移動させられる。この時、ペダルパッド32の高さは
変化するが、ブレーキペダル装置10が原位置に保持さ
れた状態において吊下げリンク部材20,22は略上下
方向となるように配設され、且つそれらが十分な長さを
有するため、その高さ変動は僅かである。
【0017】下側リンク部材28は、略水平な横断面が
コの字形状を成している板金部品であり、略鉛直な背部
44からそれぞれ直角に且つ互いに平行に曲成された一
対の側面部46,46間に吊下げリンク部材20,22
の下側連結部を挟んだ状態で前記連結ピン24,26が
貫通させられるとともに、その連結ピン24,26と略
平行に一対のピン48,50が車両の前後方向に所定の
距離だけ離間して貫通させられている。前記スライド部
材30には、所定長さ寸法の長穴52が設けられてお
り、上記一対の側面部46,46間に挟まれる状態でそ
の長穴52内に上記一対のピン48,50が貫通させら
れることにより、車両の前後方向の相対移動可能に支持
されている。そして、前記背部44の外側には電動モー
タ54が取り付けられており、その出力軸であるねじ軸
56が下側リンク部材28の内側において連結ピン2
4,26とピン48,50との中間に位置させられてい
る。ねじ軸56は、ピン48,50を結ぶ直線と平行な
姿勢となるように、下側リンク部材28に固設された軸
受部材58によって先端部が支持されているとともに、
そのねじ軸56にはスライド部材30の一端に設けられ
たナット部60が螺合させられている。
【0018】このため、運転席近傍に設けられた図示し
ないスイッチの操作により上記電動モータ54が正逆回
転駆動されると、スライド部材30がねじ軸56に沿っ
て直線往復移動させられる。本実施例では電動モータ5
4、ねじ軸56、およびスライド部材30のナット部6
0により前後調節手段が構成されている。図1は、スラ
イド部材30が最も電動モータ54側へ接近させられて
ペダルパッド32が車両前方側の移動端に位置させられ
た状態で、図2は、スライド部材30が電動モータ54
から最も離間させられてペダルパッド32が車両後方側
の移動端に位置させられた状態であり、ペダルパッド3
2はこの間の任意の位置に位置決めされる。
【0019】ここで、本実施例のブレーキペダル装置1
0は、一対の吊下げリンク部材20,22および下側リ
ンク部材28によって4節回転連鎖が形成されるととも
に、その下側リンク部材28に対してスライド部材30
が前後方向の相対移動可能に取り付けられ、電動モータ
54の回転駆動により異なる相対位置に位置決めされる
ようになっているため、操作ペダル全体を平行移動させ
る場合に比較して、構造が簡単でコンパクトに構成され
るとともに組付けが容易で安価となる。また、ペダルパ
ッド32が踏み込まれると、4節回転連鎖が変形してロ
ッド38を押圧するため、構造的に高い強度が得られ
る。
【0020】一方、ペダルパッド32を前後調節しても
4節回転連鎖は変形せず、ペダルパッド32に加えられ
る踏込み操作力が連結ピン24を介してそのまま吊り下
げリンク部材20に作用させられるため、前後調節に拘
らず必要な踏込み操作力の大きさが略一定で、前後調節
に起因して踏込み操作性が大きく変わることはない。特
に、本実施例のブレーキペダル装置10は4節回転連鎖
の連結点を結ぶ図形が略平行四辺形であることから、下
側リンク部材28に加えられる踏込み操作力とロッド3
8に対する出力との関係は変化しない。
【0021】このことを具体的に説明すると、例えば図
7に示すように4節回転連鎖の連結点A,B,C,Dを
結ぶ図形が平行四辺形でなく、下側リンク部材62によ
り一対の吊り下げリンク部材64,66(線分で表示)
が下方に向かうほど前後方向に開いた状態で連結されて
いる場合、下側リンク部材62に踏込み操作力Pが加え
られた時の釣合いを考えると、一方の吊り下げリンク部
材64の連結点Bまわりのモーメントの釣合いの条件か
ら他方の吊り下げリンク部材66の連結点Cには力Fc
が作用し、この連結点Cにおける力Fc は、踏込み操作
力Pと共に連結点Bを介して一方の吊り下げリンク部材
64に作用するが、この場合の力Fc は、吊り下げリン
ク部材64,66の開き角度に対応して一方の吊り下げ
リンク部材64を連結点Aの右まわりに回動させるモー
メントを作用させるため、踏込み操作力Pに基づくモー
メントをアシストする作用を生じる。このとき、ペダル
パッド68が前後調節されることによって踏込み操作力
P(その作用方向が調節移動方向と一致しない場合)の
作用する位置の変化、厳密には作用方向から連結点Bま
での距離aの変化に伴って連結点Bまわりのモーメント
の大きさが変化すると、上記力Fc の大きさも変化して
ロッド69への出力Qの大きさが幾分変化することにな
る。しかし、本実施例では連結点を結ぶ図形が略平行四
辺形であるため、図8に示すように力Fc が同様に生じ
てもその力Fc が吊り下げリンク部材20を支持軸16
まわりに回動させるモーメントを作用させないため、ペ
ダルパッド32の前後調節に拘らずロッド38への出力
Qの大きさ(倍率)が一定に維持されるのである。な
お、図7のような連結形態も第1発明の一態様である。
【0022】また、本実施例では一対の吊下げリンク部
材20,22の上側連結部および下側連結部を結ぶ図形
が略平行四辺形を成しているため、下側リンク部材28
は吊下げリンク部材20,22の回動位置に拘らず略一
定の姿勢に保持されて平行移動させられ、踏込み操作時
におけるペダルパッド32の姿勢が略一定に維持され
る。ペダルパッド32の前後位置を変更しても、踏込み
操作時にはペダルパッド32が平行移動させられるた
め、前後調節に拘らず同じ特性が得られ、ペダルパッド
32の姿勢に関する操作性に変動がない。
【0023】また、本実施例では吊下げリンク部材20
の中間部にロッド38が連結されているため、吊下げリ
ンク部材20の支持軸16からピン40までの寸法と、
支持軸16から連結ピン24までの寸法との比に応じて
踏込み操作力が増大させられる。
【0024】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、前述の実施例と共通する部分については同じ符号を
付して説明を省略する。図3は、前記実施例に対して前
後調節手段の異なる態様のブレーキペダル装置70の一
部を切り欠いた正面図であり、図4は下側リンク部材7
2を中心とする各部品の組付け前の状態を示す斜視図で
ある。前記下側リンク部材28と同様に吊下げリンク部
材20,22と共に略平行四辺形の4節回転連鎖を形成
する下側リンク部材72は、その構成要素である互いに
平行な一対の側面部材74,76の中間に前記吊下げリ
ンク部材20,22の下側連結部をそれぞれ挟んだ状態
で連結ピン78,80が挿し通されることにより、それ
らの吊下げリンク部材20,22に連結されている。ま
た、前記長穴52と同様な長穴86が設けられたスライ
ド部材84は、上記一対の側面部材74,76に跨がっ
て車両前後方向に離間して配設される一対のピン88,
90が長穴86内を挿通させられることにより、下側リ
ンク部材72に対して車両前後方向の相対移動可能に取
り付けられている。スライド部材84には、下側リンク
部材72から車両後方側へ突き出す部分にペダルパッド
82が設けられているとともに、下側リンク部材72内
に位置する部分の上端縁には、歯形が車両前方側に向か
って傾斜するラチェット92が設けられている。下側リ
ンク部材72には、連結ピン78等と平行に設けられた
ピン96まわりの回動可能にポール94が配設されてお
り、そのポール94が上記ラチェット92と噛み合わさ
れることにより、スライド部材84が下側リンク部材7
2に対して車両後方側、すなわち図3の右方向へ移動す
ることは許容されるが、車両前方側へ移動することは阻
止される。
【0025】上記ポール94は、側面部材76に設けら
れた曲折部77との間に配設された圧縮コイルスプリン
グ112によって、常にはラチェット92と噛み合う方
向、すなわち図3においてピン96の右まわりに回動す
る方向へ付勢されている。また、ポール94にはレリー
ズケーブル110の一端部が連結されており、そのレリ
ーズケーブル110が他端部側へ引っ張られ、圧縮コイ
ルスプリング112の付勢力に抗してポール94が図3
の左まわりに回動させられると、そのポール94とラチ
ェット92との噛合いが解除され、スライド部材84が
車両前方側へ相対移動することが許容される。上記圧縮
コイルスプリング112は第1スプリングに相当する。
【0026】レリーズケーブル110は、上記曲折部7
7と運転席近傍のパネル113との間に配設されたガイ
ドチューブ114内を挿通させられて、他端部が運転席
近傍まで導かれている。そのレリーズケーブル110の
他端部には、図5に明らかに示されているように球形の
係止部材115が取り付けられ、パネル113に軸心ま
わりの回動可能且つ軸心方向の移動不能に配設された円
筒部材118のカム部116に係止されている。カム部
116は、円筒部材118の外周面に周方向の所定範囲
に亘って設けられているとともに、その所定範囲内で軸
方向位置が徐々に変化させられており、係止部材115
はカム部116に形成されたスリットに周方向への相対
移動可能に係止されている。そして、円筒部材118が
図5において右まわりに回動させられると、係止部材1
15はカム部116の軸方向位置変化に従って手前側へ
移動させられ、レリーズケーブル110が他端部側へ引
っ張られて前記ポール94とラチェット92との噛合い
が解除される。円筒部材118は回動部材に相当し、そ
の軸心は一中心線に相当する。
【0027】一方、前記スライド部材84は、車両前方
側の端部に立設された係止ピン102と側面部材74の
下部に設けられた曲折部75との間に介挿された圧縮コ
イルスプリング104により、常には車両前方側へ移動
するように付勢されている。また、前記ピン88には、
側面部材74の外側においてプーリ98が回転可能に配
設されているとともに、そのプーリ98にはアジャスト
ケーブル100が巻き掛けられて一端部が上記係止ピン
102に連結されており、アジャストケーブル100が
他端部側へ引っ張られることにより、スライド部材84
は圧縮コイルスプリング104の付勢力に抗して車両後
方側へ移動させられる。上記圧縮コイルスプリング10
4は第2スプリングに相当する。
【0028】アジャストケーブル100は、側面部材7
4の上部に設けられた曲折部101と前記パネル113
との間に配設されたガイドチューブ106内を挿通させ
られて、他端部が運転席近傍まで導かれており、その他
端部は図5に明らかに示されている操作ノブ108に連
結されている。操作ノブ108の軸部は断面が矩形で、
前記円筒部材118の軸心部分に形成された矩形穴12
0内に軸心方向の相対移動可能且つ軸心まわりの相対回
動不能に挿入されており、その操作ノブ108を軸心方
向へ引張操作すれば、アジャストケーブル100が他端
部側へ引っ張られてスライド部材84が圧縮コイルスプ
リング104の付勢力に抗して車両後方側へ移動させら
れる。また、操作ノブ108を右まわりに回動操作すれ
ば、それに伴って円筒部材118も回動させられ、前記
レリーズケーブル110が他端部側へ引っ張られてポー
ル94とラチェット92との噛合いが解除され、その状
態で操作ノブ108を引っ張ったり戻したりすれば、ス
ライド部材84を車両の前後方向へ移動させることがで
きる。
【0029】このようなブレーキペダル装置70におい
ては、スライド部材84が車両前方側に位置している状
態では、操作ノブ108を引張操作することによりスラ
イド部材84を車両後方側へ移動させることができると
ともに、操作ノブ108の引張操作を解除してもポール
94とラチェット92との噛合いによってスライド部材
84の車両前方側への移動が阻止されるため、操作ノブ
108の引張量に応じてペダルパッド82の位置が車両
後方側すなわち運転席に接近する側に調節される。ま
た、スライド部材84が車両後方側に位置している状態
では、操作ノブ108を右まわりに回動操作することに
よりポール94とラチェット92との噛合いが解除さ
れ、スライド部材84が圧縮コイルスプリング104の
付勢力に従って車両前方側へ移動することが許容される
ため、その状態で操作ノブ108をパネル113側へ戻
せば、スライド部材84を車両前方側へ移動させること
ができる。ポール94とラチェット92との噛合いを解
除した状態では、操作ノブ108を引っ張ったり戻した
りしてスライド部材84を前後移動させることができ、
ペダルパッド82を所望する任意の位置へ移動させるこ
とができる。そして、操作ノブ108を左まわりに戻し
回動すれば、ポール94が圧縮コイルスプリング112
の付勢力に従ってラチェット92と噛み合わされ、スラ
イド部材84の車両前方側への移動が阻止される。図3
の実線で示すペダルパッド82は車両前方側の移動端に
位置させられた状態で、二点鎖線は車両後方側の移動端
に位置させられた状態であり、それらの間の任意の位置
に調節できる。
【0030】このように、本実施例のブレーキペダル装
置70は、運転席の近傍に配設された操作ノブ108を
操作するだけでペダルパッド82の前後位置を調節でき
るため、ペダルパッド82の位置調節を運転席に座った
ままペダルパッド82に足を掛けるなどして容易且つ迅
速に行うことができる。レリーズケーブル110および
アジャストケーブル100は自由に引き回すことができ
るため、それらを引張操作する操作ノブ108の配設位
置は運転席の近傍に自由に設定でき、邪魔にならないよ
うに配置できるとともに調節作業が容易となる。また、
第1実施例のように電動モータ等の駆動源を設けてねじ
軸を回転駆動し、スライド部材を自動で前後移動させる
場合に比較して、駆動源が不要で装置が軽量且つ安価に
構成される。さらに、単一の操作ノブ108を操作する
だけでレリーズケーブル110およびアジャストケーブ
ル100を引張操作できるため、両ケーブル110,1
00の引張操作部材を別々に設ける場合に比較して、ペ
ダルパッド82の前後位置を片手で容易に調節できると
ともに、操作ノブ108や円筒部材118を運転席近傍
にコンパクトに配置できる。なお、この第2実施例にお
いても、前記第1実施例と同様の効果が得られる。
【0031】この実施例では、ラチェット92、ポール
94,アジャストケーブル100,圧縮コイルスプリン
グ104,112,操作ノブ108,レリーズケーブル
110,および円筒部材118を含んで前後調節手段が
構成されている。また、このような前後調節手段は、一
対の吊下げリンク部材20,22や下側リンク部材72
などを備えた操作ペダル装置のみならず、ブラケットに
回動可能に配設されたペダル本体、すなわち上例では吊
下げリンク部材20,22および下側リンク部材72に
対して、ペダルパッドを有するスライド部材を車両の前
後方向へ移動させることができる他の前後調節可能な操
作ペダル装置にも同様に適用することが可能である。
【0032】図6に示す実施例は、本発明が操作ペダル
装置としての車両用アクセルペダル装置130に適用さ
れた場合の一例で、アクセルペダル装置130は、車体
132に固設されたブラケット134に設けられた互い
に平行な一対の支持軸136,138に上側連結部がそ
れぞれ連結されて略並列に下方へ吊り下げられ、それら
支持軸136,138の軸心まわりの回動可能にそれぞ
れ配設された一対の吊下げリンク部材140,142
と、それら吊下げリンク部材140,142の下側連結
部にそれぞれ支持軸136等と略平行な一対の前記連結
ピン24,26まわりの回動可能に連結されて4節回転
連鎖を形成する前記下側リンク部材28と、上記吊下げ
リンク部材140,142が原位置に保持された状態で
下側リンク部材28に前後方向の相対移動可能に配設さ
れた前記スライド部材30とを備えて構成されている。
【0033】支持軸136,138は、それらの軸心が
車両の幅方向と略平行となる姿勢でブラケットに取り付
けられているとともに、車両後側の吊下げリンク部材1
42は車体132との間に張設された引張コイルスプリ
ング144の付勢力により、ブラケット134の上部に
設けられたストッパ部146に当接させられており、こ
の当接によりアクセルペダル装置130の原位置が規定
される。スライド部材30に設けられた前記ペダルパッ
ド32が踏み込まれて原位置から回動させられることに
より、吊下げリンク部材142の上部先端に連結された
スロットルケーブル148が引っ張り出されて図示しな
いスロットル弁が開かれるようになっている。本実施例
では上記スロットルケーブル148が作用部材に相当す
るとともに、支持軸136,138の軸心が回動軸心に
相当する。
【0034】支持軸136から連結ピン24までの長さ
寸法は支持軸138から連結ピン26までの長さ寸法と
略等しく、支持軸136と支持軸138との離間寸法は
連結ピン24と連結ピン26との離間寸法と略等しい。
すなわち、各連結点を結ぶ図形が略平行四辺形を成すの
であり、吊下げリンク部材140,142がブラケット
134に対してそれぞれ回動させられることにより、下
側リンク部材28およびスライド部材30は車両の前後
方向へ略平行移動させられる。本実施例においても下側
リンク部材28にはねじ軸56を備えた電動モータ54
が設けられているとともにそのねじ軸56にスライド部
材30のナット部60が螺合させられており、図1の実
施例と同様に、運転席近傍に設けられた図示しないスイ
ッチの操作により電動モータ54が正逆回転駆動される
ことにより、スライド部材30およびペダルパッド32
が車両前後方向に往復移動させられる。図6において
は、ペダルパッド32が車両前方側の移動端に位置させ
られた状態を実線で示すとともに、ペダルパッド32が
車両後方側の移動端に位置させられた状態を一点鎖線で
示す。
【0035】このようなアクセルペダル装置130にお
いても、構造が簡単でコンパクトに構成されるとともに
組付けが容易で安価となること、構造的に高い強度が得
られること、前後調節に拘らず必要な踏込み操作力やス
ロットルケーブル148に対する出力特性が略一定で踏
込み操作性が変わらないこと、ペダルパッド32の姿勢
が略一定に維持されて姿勢に関する操作性に変動がない
ことなど、図1の実施例と同様な効果が得られる。な
お、このようなアクセルペダル装置にも、前記第2実施
例の前後調節手段を適用できる。
【0036】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
【0037】例えば、前記実施例では一対の吊下げリン
ク部材20,22、或いは吊下げリンク部材140,1
42と、下側リンク部材28、或いは下側リンク部材7
2とにより形成される4節回転連鎖は、何れも各連結部
を結ぶ図形が略平行四辺形を成している場合であった
が、図7にも示したように必ずしも平行四辺形を成す必
要はなく、例えば意図的に平行でない四辺形として、踏
込み操作時における下側リンク部材の姿勢、更にはペダ
ルパッドの姿勢を変化させるようにし、車両の構造や操
作ペダル装置の種類などに応じてその変化特性を任意に
設定して、踏込み操作性の改良を図ることが可能であ
る。
【0038】また、前記実施例では、一対の吊下げリン
ク部材が車両前後方向に離間した連結位置で上側連結部
および下側連結部がそれぞれ連結されていたが、連結位
置が鉛直方向に離間していても一対の吊下げリンク部材
を略並列に下方へ吊り下げて配設することは可能である
とともに、上下の連結部を結ぶ図形が略平行四辺形を成
すように構成することも可能であり、両リンク部材の連
結位置は任意に設定できる。
【0039】また、前後調節手段としては、例えばラッ
クおよびそのラックと噛み合う歯車を配設し、その歯車
を電動モータで回転駆動して相対位置を変更するように
してもよいなど、少なくとも異なる相対位置でスライド
部材を位置決めできるものであればよい。
【0040】また、前記第1実施例、第3実施例ではス
ライド部材30に形成された長穴52と下側リンク部材
28に設けられた一対のピン48,50との係合によ
り、スライド部材30が車両前後方向の相対移動可能と
されていたが、スライド部材30側にピンを立設すると
ともに下側リンク部材28側に長穴を形成するようにし
てもよいし、下側リンク部材28に車両前後方向に設け
られたガイドロッドやリニアガイドなどでスライド部材
30を移動可能に支持するようにしてもよいなど、下側
リンク部材28に対するスライド部材30の配設態様は
適宜変更され得る。第2実施例についても同様である。
【0041】また、前記第1実施例,第2実施例では吊
下げリンク部材20に作用部材としてのロッド38が連
結されていたが、吊下げリンク部材22に連結してもよ
いことは勿論である。
【0042】また、前記実施例ではスライド部材30,
84が略完全に車両の前後方向へ相対移動させられるよ
うになっていたが、多少上下方向へ相対移動させるよう
にして、前後方向のみならず高さ方向についても調節で
きるようにすることも可能である。
【0043】また、前記第2実施例では円筒部材118
にカム部116が設けられ、円筒部材118の回動によ
ってレリーズケーブル110を円筒部材118の軸心と
略平行な方向へ引っ張るようになっていたが、円筒部材
118の外周面にレリーズケーブル110を連結し、円
筒部材118の回動によってレリーズケーブル110を
外周面に巻き掛けて引っ張り出すようにしてもよいな
ど、レリーズケーブル110を引っ張る回動部材の態様
は適宜変更され得る。
【0044】また、前記第2実施例ではアジャストケー
ブル100およびレリーズケーブル110が単一の操作
ノブ108によって引張操作されるようになっていた
が、それらを引張操作する操作部材を別々に配置するこ
とも可能である。
【0045】また、前記第2実施例ではラチェット92
がスライド部材84に設けられ、ポール94が下側リン
ク部材72に配設されていたが、ラチェットを下側リン
ク部材72に設けるとともにポールをスライド部材84
に配設することもできる。その場合には、ラチェットの
歯形を車両後方側へ傾斜させるようにすればよい。
【0046】また、前記第2実施例ではアジャストケー
ブル100がスライド部材84に連結され、下側リンク
部材72に取り付けられたプーリ98に巻き掛けられる
ようになっていたが、アジャストケーブル100の一端
部を下側リンク部材72の車両後方側端部に連結し、ス
ライド部材84の車両前方側端部、例えば前記係止ピン
102などに取り付けられたプーリに巻き掛けて、他端
部側へ引張操作されることによりスライド部材84が車
両後方側へ移動させられるようにすることもできる。プ
ーリ98によりアジャストケーブル100を円滑に操作
できるが、プーリ98を省略してピンなどに巻き掛ける
ようにしても差し支えない。
【0047】また、上記アジャストケーブル100は必
ずしも直接スライド部材84と係合させる必要はなく、
例えばレバーなどの倍力機構を介してスライド部材84
を移動させるようにしたり、アジャストケーブル100
の中間部に倍力機構を介在させたりすることも可能であ
る。レリーズケーブル110についても同様である。
【0048】また、前記第2実施例ではポール94を付
勢する第1スプリングとして圧縮コイルスプリング11
2が用いられていたが、引張コイルスプリングや捩りコ
イルスプリングを用いることもできる。スライド部材8
4を付勢する第2スプリングについても、引張コイルス
プリングを用いることが可能である。
【0049】また、前記実施例のアクセルペダル装置1
30にはスロットルケーブル148が連結されるように
なっていたが、リンクなどでアクセル操作量を伝達する
アクセルペダル装置にも本発明は適用され得るし、クラ
ッチペダル装置など他の操作ペダル装置に適用すること
もできる。
【0050】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が車両用ブレーキペダル装置に適用され
た場合の一実施例を示す一部を切り欠いた正面図であ
る。
【図2】図1のブレーキペダル装置のペダルパッドが車
両の後方側へ移動させられた状態を示す図である。
【図3】本発明が車両用ブレーキペダル装置に適用され
た場合の他の実施例を示す一部を切り欠いた正面図であ
る。
【図4】図3のブレーキペダル装置における下側リンク
部材を中心として各構成部品の組付け前の状態を示す斜
視図である。
【図5】図3のブレーキペダル装置において前後調節手
段を構成する操作ノブ付近を示す斜視図である。
【図6】本発明が車両用アクセルペダル装置に適用され
た場合の一実施例を示す正面図である。
【図7】一対の吊下げリンク部材の上側連結部および下
側連結部を結ぶ図形が略平行四辺形を成していない場合
における踏込み操作力と作用部材への出力との関係を説
明する概略図である。
【図8】図1のブレーキペダル装置における踏込み操作
力と作用部材への出力との関係を説明する概略図であ
る。
【符号の説明】
10,70:ブレーキペダル装置(操作ペダル装置) 12,132:車体 14,134:ブラケット 20,22,64,66,140,142:吊下げリン
ク部材 28,62,72:下側リンク部材 30,84:スライド部材 32,68,82:ペダルパッド 38,69:ロッド(作用部材) 54:電動モータ(前後調節手段) 56:ねじ軸(前後調節手段) 60:ナット部(前後調節手段) 92:ラチェット 94:ポール 100:アジャストケーブル 104:圧縮コイルスプリング(第2スプリング) 108:操作ノブ 110:レリーズケーブル 112:圧縮コイルスプリング(第1スプリング) 118:円筒部材(回動部材) 130:アクセルペダル装置(操作ペダル装置) 148:スロットルケーブル(作用部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05G 1/00 - 25/04 B60K 23/00 - 23/08 B60T 1/00 - 7/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に固設されたブラケットに回動可能
    に配設され、ペダルパッドが踏み込まれて原位置から回
    動させられることにより、所定の作用部材を押圧または
    引張する一方、前記ペダルパッドの位置を車両の前後方
    向へ移動させることが可能な操作ペダル装置であって、 前記ブラケットに互いに平行な回動軸心まわりの回動可
    能にそれぞれ上側連結部が連結されて略並列に下方へ吊
    り下げられる一対の吊下げリンク部材と、 該一対の吊下げリンク部材の下側連結部にそれぞれ前記
    回動軸心と略平行な軸心まわりの回動可能に連結される
    ことにより4節回転連鎖を形成する下側リンク部材と、 該下側リンク部材に、前記一対の吊下げリンク部材が原
    位置に保持された状態において前後方向の相対移動可能
    に配設されるとともに、該下側リンク部材と略同じ高さ
    位置に前記ペダルパッドが一体的に設けられたスライド
    部材と、 該スライド部材と前記下側リンク部材とに跨がって配設
    され、該下側リンク部材に対して該スライド部材を異な
    る相対位置で位置決めして前記ペダルパッドの位置を変
    更する前後調節手段とを有し、前記一対の吊下げリンク
    部材の何れか一方に前記作用部材が連結されていること
    を特徴とする前後調節可能な操作ペダル装置。
  2. 【請求項2】 前記下側リンク部材は、前記一対の吊下
    げリンク部材の上側連結部および下側連結部を結ぶ図形
    が略平行四辺形を成すように該下側連結部に連結されて
    いる請求項1に記載の前後調節可能な操作ペダル装置。
  3. 【請求項3】 前記前後調節手段は、 前記下側リンク部材および前記スライド部材の一方に車
    両の前後方向に設けられたラチェットと、 前記下側リンク部材および前記スライド部材の他方に回
    動可能に配設され、前記ラチェットと噛み合わされるこ
    とにより、該スライド部材が該下側リンク部材に対して
    車両の後方側へ移動することを許容するが、車両の前方
    側へ移動することを阻止するポールと、 該ポールを常には前記ラチェットと噛み合う方向へ付勢
    する第1スプリングと、 一端部が前記ポールに係合させられるとともに他端部が
    運転席近傍に導かれ、該他端部側へ引張操作されること
    により該ポールを前記第1スプリングの付勢力に抗して
    回動させ、前記ラチェットとの噛合いを解除するレリー
    ズケーブルと、 前記スライド部材と前記下側リンク部材とに跨がって設
    けられ、常には該スライド部材を車両の前方側へ付勢す
    る第2スプリングと、 一端部が前記スライド部材に係合させられるとともに他
    端部が運転席近傍に導かれ、該他端部側へ引張操作され
    ることにより該スライド部材を前記第2スプリングの付
    勢力に抗して車両の後方側へ移動させるアジャストケー
    ブルとを備えて構成されている請求項1または2に記載
    の前後調節可能な操作ペダル装置。
  4. 【請求項4】 前記レリーズケーブルは、運転席近傍の
    パネルに一中心線まわりの回動可能に配設された回動部
    材に係止されるとともに、前記アジャストケーブルは、
    前記一中心線上において前記回動部材に対して相対回動
    不能且つ該一中心線方向への相対移動可能に配設された
    操作ノブに係止され、該操作ノブが回動操作されること
    によって前記レリーズケーブルが引っ張られ、該操作ノ
    ブが引張操作されることによって前記アジャストケーブ
    ルが引っ張られる請求項3に記載の前後調節可能な操作
    ペダル装置。
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