JP2537547B2 - 特に、自動車用ｖベルトに張力を加えるための装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、特に、自動車用Ｖベルトに張力を与えるた
めに、滑車の可動支持体に係合すると共に静止している
止めにより支持されている可変長さのリンク部材から成
り立っており、前記リンク部材は、連結軸受を支持して
いるケーシングと、ケーシングの内部を案内されると共
に他の連結軸受を支持しているピストン棒と、ケーシン
グのばね座と、ピストン棒のばね座との間に固定された
コイル圧縮ばねとから成り立っているＶベルトに張力を
加えるための装置に関するものである。

背景技術 上記の種類の公知の装置は、老化により、又は、熱作
用により、あるいは、Ｖベルトにより駆動される補助手
段の故障によるＶベルトの長さに差が生ずる時は、高回
転速度においてベルトのばた付きを防止するためにＶベ
ルトのループの長さの調節を行う。

それに関して、本発明は、Ｖベルトループの有効長さ
の変動の自動的補正が、ばた付きが、高回転速度におい
て生ずることの無いように、Ｖベルトに張力を加えるた
めの装置を設計することを、意図されているものであ
る。

発明の開示 本発明の前述の目的は、簡単に説明された上述の種類
の装置において、シリンダが、ケーシングの底部から、
加圧液体の漏れ流れを許すすきまを有して延びており、
前記シリンダの加圧液体を充てんされたシリンダ空間
が、一方では、ケーシング内部と、ピストン棒、又は、
それを含んでいるシリンダとの間において、他方では、
ケーシングの面と通路系統を介して、それぞれ、連通さ
れており、この通路の系統は、シリンダ空間からの加圧
流体の流れを阻止するためのばねにより偏せられている
逆止め弁を含んでいることを特徴とする装置により、達
成される。

このようにして、シリンダ空間の中に充てんされた加
圧液体は、ケーシングに関してピストン棒に対する支持
体を構成し、一方、逆止め弁及び液体内容物の非圧縮性
にもかかわらず、前記支持体は、固く無く、しかしなが
ら、特定されたすきまを経る加圧液体のあり得る漏れ流
れにより可変容積のものであり、この場合、逆止め弁の
リンク部材の有効長さを増加する方向の作用により、上
述のシリンダの加圧液体内容物を迅速に補充することが
可能であり、また、加圧液体の特定されたすきまによる
漏れ流れにより、リンク部材を短縮する方向に一層遅く
減少させることが可能である。更に、逆止め弁を経る加
圧液体の流れは、何らかのベルトの振動、又は、ばた付
きを有効に減衰するためにリンク部材の長さを変更する
運動の減衰を許す。

本発明による装置の有利な輪郭が、「請求の範囲」第
２〜５項に特徴付けられているが、ここには、その説明
を繰り返すことをしない。

図面の簡単な説明 以下に、推奨される実施例を、添付図面に基づいて説
明をするが、図は： 第１図は、Ｖベルトに張力を加えるための装置の作動
様式を説明するための略図； 第２図は、第１図に示された装置のリンク部材の部分
切断側面図； である。

発明を実施するための最良の形態 第１図は、Ｖベルト１の一部分を示すものであるが、
Ｖベルト１は、駆動機構、又は、被駆動部分の滑車２の
上及び遊び滑車３の上に巻回されている。滑車３は、リ
ンク４を介して枠構造物の一部分である静止固定部に５
において固定されており、また、可変長さのリンク部材
６により、Ｖベルト１の方に、Ｖベルト１を張力の下に
維持するように偏せられるようにされている。リンク部
材６は、連結軸受７を介してリンク４に連結されたピス
トン棒８と、連結軸受９を介して枠構造物の一部分に連
結されたケーシング10とから成り立っている。

ピストン棒８は、溝11を形成されているが、この溝11
は、その中に、割りばね座金12をはめられている。ばね
座金12の下部のピストン棒８の下方部分（第２図参照）
は、シリンダ14の中に突出しているピストン部分13を有
しているが、シリンダ14は、ケーシング10の内部空間の
底部から同軸に延びている。ピストン部分13は、シリン
ダ14の内部を、15で示されるように，すきまを有して案
内されるーこれは、図には詳細には示されていないー
が、このすきま15は、シリンダ室16とケーシング10の内
部空間17との間の加圧された液体、すなわち加圧流体の
漏れ流れを可能としているものである。

ピストン棒８およびシリンダ14の外面とケーシング10
の内面との間には、コイル圧縮ばね18に対するばねハウ
ジングとして役立っているケーシング10の内部空間17が
形成されている。このコイル圧縮ばね18は、その１端部
を、ケーシング10の内部空間17の内部に配置されたシリ
ンダ側ばね座19に支持されており、その他端部を、ピス
トン部分13の上を案内されると共にケーシング内部空間
17の方に軸方向に開放している溝を有している環により
形成されたばね座20にも支持されている。ばね座20は、
ピストン棒８に、コイル圧縮ばねの偏せ力を、ばね座金
12及びピストン棒８の溝11を介して伝達する。

ピストン棒８及びその端部に設けられた連結軸受７
は、ケーシング10の内部に、ケーシングふた21により保
持されているが、ケーシングふた21は、ピストン棒８に
係合しているスクレーパシール22及びピストン棒８の方
に放射方向に延びているフランジ23を設けられており、
前記フランジ23は、止めとして作用をしているばね座金
12と協同している。ケーシングふた21は、図示されるよ
うに、ケーシング10の開放頂部の中に、ケーシング10の
表面のひだ寄せにより固着されるが、シールリング24
が、ケーシングふた21の円周溝の中に置かれ、ケーシン
グ10とケーシングふた21との間をシールしている。

第２図に見られるように、シリンダ14及びシリンダ側
ばね座19はケーシングインサート25と一体に形成されて
おり、このケーシングインサート25はケーシング10の内
部で滑動できる。さらに、ケーシングインサート25に
は、シリンダ内部16と通じるための底部の中心に開口す
る軸方向の通路26と、ケーシングインサート25の外端面
とケーシング10の内部空間17の底面との間を径方向に延
びている放射方向通路27と、そしてシリンダ側ばね座19
の外周面とケーシング10の内面との間に形成される軸方
向通路28とが形成されており、これらの通路26,27およ
び28により構成される通路系統により、シリンダ内部16
とケーシング10の内部空間17とは連通している。

通路系統26、27、28の内部には、弁ボール30を含んで
いる逆止め弁29が配置されているが、弁ボール30は、ボ
ール31により、弁体32の中に形成された弁座に向かって
押圧されている。弁体32は、ケーシングインサート25の
底部の中にはめられており、シールリング33を、それら
の間に介装されている。このようにして、逆止め弁29
は、通路26、27及び28を含んでいる通路系統を介して、
ケーシング内部空間17から、シリンダ内部空間16の中へ
加圧液体の流れだけを許し、逆の流れは、阻止する。

最後に、ピストン棒８と、ケーシング10との連結軸受
７及び９は、それぞれ、軸受座の穴の中にはめられてい
るフランジブシュ34及び35並びに、それぞれ、前者の穴
に中にはめられた軸受ブシュ36及び37から成り立ってい
ることを述べて置く。

本明細書はリンク部材６の垂直位置を仮定している
が、今述べられた設計は、傾斜された位置、例えば、45
゜の角度の傾斜位置を許し、シリンダ内部16及びケーシ
ング内部空間17の中の液体内容物が、シリンダ内部16
を、連続的に液体を充てんされたままとするため及びケ
ーシング内部空間17の中にシリンダ14の内部において、
ピストン棒８により変位され、すきま15のために排出さ
れた何らかの液体を補正するのに十分な容積を与えるの
に十分である。

すきま15及び逆止め弁29のための漏れ流れ通路と協同
するリンク部材６の液体内容物は、Ｖベルト１の何らか
の振動を有効に抑圧するための衝撃吸収効果を現す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブライントル、ヴェルナー ドイツ連邦共和国、Ｄ‐8044 ウンテル シュライスハイム、シリウスシュトラー セ ２ (56)参考文献 米国特許4657524（ＵＳ，Ａ) 米国特許4790801（ＵＳ，Ａ) 英国特許1304368（ＧＢ，Ａ)

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｖベルトに緊張を与えるための滑車（３）
   を支持し、静止固定部に装着されて可変長さのリンク部
   材（６）と連結軸受（７）を介して係合する可動リンク
   （４）とからなる、特に、自動車用Ｖベルトに張力を加
   えるための装置であって、前記リンク部材（６）が、ケ
   ーシング（10）と、このケーシング（10）内で案内され
   るとともに前記連結軸受（７）を支持しているピストン
   棒（８）と、シリンダ（14）側のばね座（19）とピスト
   ン棒（８）側のばね座（20）との間で圧縮されているコ
   イル圧縮ばね（18）と、ケーシング（10）の底部から上
   方に延び、前記ピストン棒（８）のピストン部分（13）
   が配置される、加圧流体の充填されたシリンダ室（16）
   を形成するシリンダ（14）とからなり、ケーシングの内
   部空間（17）への加圧流体の漏れ流れはすきま（15）に
   よって可能であるとともに、ケーシング内部空間（17）
   とシリンダ室（16）とは、シリンダ室（16）からケーシ
   ング内部空間（17）への直接の加圧流体の流れは逆止め
   弁（29）によって阻止されるように逆止め弁（29）を介
   して連通されている、特に、自動車用Ｖベルトに張力を
   加えるための装置において、上記ケーシング（10）は他
   の連結軸受（９）によって支持され、ピストン棒（８）
   やこれを取り巻くシリンダ（14）とケーシング（10）の
   側壁の間に形成されるケーシングの内部空間（17）は、
   上記シリンダ室（16）や逆止め弁（29）と通路系統（2
   6,27,28）を介して連絡しており、上記加圧流体の漏れ
   流れを許容するすきま（15）は、ピストン棒（８）のピ
   ストン部分（13）とシリンダ（14）の間に位置するよう
   にしたことを特徴とする、特に、自動車用Ｖベルトに張
   力を加えるための装置。
2. 【請求項２】上記ケーシング（10）の内部空間（17）
   が、そのケーシング（10）の底部から上方へ延びている
   シリンダ（14）を包囲しているコイル圧縮ばね（18）に
   対するばね室を形成しているとともに、ピストン棒
   （８）側のばね座（20）まで延びており、そのばね座
   （20）がケーシング（10）の内部空間（17）によって案
   内されることを特徴とする請求項１記載の、特に、自動
   車用Ｖベルトに張力を加えるための装置。
3. 【請求項３】上記ピストン棒（８）側のばね座（20）
   が、ピストン棒（８）の上で変位可能に案内されるとと
   もに、ピストン棒（８）の溝（11）の中に嵌挿されたば
   ね座金（12）に保持されていることを特徴とする請求項
   ２記載の、特に、自動車用Ｖベルトに張力を加えるため
   の装置。
4. 【請求項４】上記ピストン棒（８）が、ケーシングふた
   （21）によってケーシング（10）に保持され、そのケー
   シングふた（21）が、ピストン棒（８）を取り巻くスク
   レーパシール（22）とばね座金（12）に対するストッパ
   として作用するピストン棒（８）側ばね座（20）とから
   成ることを特徴とする請求項３記載の、特に、自動車用
   Ｖベルトに張力を加えるための装置。
5. 【請求項５】通路系統（26,27,28）が、シリンダ室（1
   6）の底部から出発し、シリンダ（14）とシリンダ（1
   4）側のばね座（19）を形成しているケーシングインサ
   ート（25）の端面において径方向外側に延び、それか
   ら、ケーシングインサート（25）とケーシング（10）の
   内面との間を軸方向にケーシング（10）の内部空間（1
   7）にまで延びていることを特徴とする請求項１〜４の
   いずれか１項に記載の、特に、自動車用Ｖベルトに張力
   を加えるための装置。