JP2534456B2 - 半導体素子のフィ―ルド酸化膜形成方法 - Google Patents

半導体素子のフィ―ルド酸化膜形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体素子の製造工程の
うち素子分離膜形成方法に関し、特にシリコン基板のス
トレスを減少させることができる半導体素子のフィール
ド酸化膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のフィールド酸化膜形成方法は図8
に示したように、シリコン基板1にパッド酸化膜2、窒
化膜3を順次に形成した後、所定の部位の窒化膜3を蝕
刻しフィールド酸化膜を形成する部位を開放させる。次
いで、窒化膜を蒸着してスペーサ窒化膜7を形成した
後、窒化膜3とスペーサ窒化膜7を蝕刻マスクとしてシ
リコン基板1にトレンチを形成して湿式酸化工程により
フィールド酸化膜を形成するが、図面においてフィール
ド酸化膜の形成は示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のフィー
ルド酸化膜形成方法は、シリコン基板に高温で直接酸化
工程を施すので、シリコン基板は急速に酸化する。これ
により、シリコンが不純物に置換され、嘴状部分(bird'
s beak)が厚くなる。したがって、フィールド酸化膜表
面が荒くなり、電流漏れが増加するという問題があっ
た。
【0004】本発明は、上記の問題を解決するため、嘴
状部分(bird's beak)の発生要因を減少させることによ
り、より広い活性領域を得ることができるとともに、高
温での酸化工程でシリコン基板のシリコン原子が他の原
子に置換されることを防止することができ、さらに酸素
によるシリコン基板の欠陥発生を減少させることができ
る半導体素子のフィールド酸化膜形成方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、半導体基板にパッド酸化膜、窒化膜を順
次に形成する工程;所定部位の前記窒化膜、パッド酸化
膜、半導体基板を順次に蝕刻して半導体基板に所定の大
きさのトレンチを形成する工程;全体構造上部に多結晶
シリコン膜を形成してトレンチ内部及び上部に形成され
た前記窒化膜を覆う蒸着工程;前記多結晶シリコン膜を
平坦化させる工程;窒化膜を積層した後、エッチバック
(etch back)して窒化膜側壁及び平坦化された多結晶シ
リコン膜上部にスペーサ窒化膜を形成する工程;前記ス
ペーサ窒化膜及び窒化膜を蝕刻マスクとしてトレンチ内
に埋まっている多結晶シリコン膜を蝕刻する工程;酸化
工程によりフィールド酸化膜を形成し、前記窒化膜、ス
ペーサ窒化膜、パッド酸化膜を除去する工程からなるこ
とを特徴とする。
【0006】
【発明の作用・効果】上記した本発明の方法による半導
体装置の素子分離膜においては、スペーサ多結晶シリコ
ン膜を用いたことにより、酸化によるストレスを緩衝す
ることと、シリコンの置換を誘発する酸素を吸収するこ
とができるので、欠陥のない素子の分離が可能となる。
さらに本発明はゲート工程後にもフィールド酸化膜をシ
リコン基板より高く維持できるので、高集積素子の素子
分離特性を向上させることができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明によるフィールド酸化膜の形成
方法を図1〜図7を用いて説明する。
【0008】図1に示したように、シリコン基板21を
酸化させてパッド酸化膜22を形成した後、化学気相蒸
着法(Chemical Vapor Deposition)(以下、CVDとい
う)により窒化膜23を形成し、感光膜パターン24を
形成してフィールド酸化膜を形成する部位を設定する。
【0009】次いで、図2に示したように、感光膜パタ
ーン24を蝕刻マスクとして窒化膜23、パッド酸化膜
22、シリコン基板21を順次蝕刻してトレンチを形成
する。このトレンチの深さは1000〜1300オング
ストロームとする。トレンチを形成した後、感光膜パタ
ーン24を除去し、トレンチを形成したことにより露出
したシリコン基板21をさらに酸化させて厚さ500オ
ングストロームの酸化膜25を形成し、多結晶シリコン
膜26を全体構造の上部に形成する。このとき、トレン
チを形成した部位に形成される多結晶シリコン膜の厚さ
は、窒化膜3の上からトレンチの底部までの高さよりも
厚く設定する。
【0010】図3に示したように、CMP(Chemical Me
chanical Polishing)法により、多結晶シリコン膜を平
坦化した後、乾式蝕刻して最終的に残った多結晶シリコ
ン膜26’の高さを調節し、パッド酸化膜22よりやや
高い程度にする。
【0011】これにより、フィールド酸化膜を後に形成
するとき、フィールド酸化膜の高さがパッド酸化膜22
より高く形成される。したがって、犠牲酸化膜及びゲー
ト酸化膜形成工程でのクリーニング(Cleaning)の後にフ
ィールド酸化膜の高さがパッド酸化膜より低くなること
を防止でき、さらに酸素が直接シリコン基板21と窒化
膜23の間を移動できないので、嘴状部分を減少させる
ことができる。
【0012】次いで、図4に示したように、全体構造の
上部に窒化膜を形成して窒化膜23の側壁にスペーサ窒
化膜27を形成した後、図5に示したように、窒化膜2
3とスペーサ窒化膜27を蝕刻マスクとしてトレンチ内
部を充している多結晶シリコン26’の所定部位を蝕刻
してスペーサ多結晶シリコン膜28を形成すると、前工
程で形成したトレンチより小さい幅でシリコン基板が露
出される。
【0013】以上のような工程の後に、図6に示したよ
うにフィールド酸化膜を29を1000〜1200℃の
高温で充分に酸化させる。このように酸化工程を進める
と、トレンチ側壁に形成されているスペーサ多結晶シリ
コン膜28は酸化されてトレンチの中央で接触し、その
後は酸化が抑制される。ここで、酸化工程を高温で行う
ため、トレンチで形成されたフィールド酸化膜29は、
ビスコスフロー(viscos flow)現象によりシリコン基板
12にストレスを多く与えなくなる。さらに、スペーサ
多結晶シリコン膜28の緩衝作用により直接シリコン基
板に伝達されるストレスも小さくなる。そして、急速な
酸化工程によるシリコンの置換は多結晶シリコン膜2
6’の粒界(grain boundary)、シリコン基板21と酸化
膜との界面および酸化膜と多結晶シリコン26’との界
面で吸収されるため、欠陥の発生が減少する。このと
き、図6の右側に示したように、シリコン基板上のフィ
ールド幅が広い領域のフィールド酸化膜は、左側のフィ
ールド幅が狭い領域のフィールド酸化膜より成長の度合
が大きくなる。
【0014】最後に、図7に示したように、窒化膜23
とスペーサ窒化膜27を高温の燐酸溶液でパッド酸化膜
22を除去して最終的なフィールド酸化膜29を形成す
る。
【0015】上記した本発明の方法による半導体装置の
素子分離膜においては、スペーサ多結晶シリコン膜を用
いたことにより、酸化によるストレスを緩衝すること
と、シリコンの置換を誘発する酸素を吸収することがで
きるので、欠陥のない素子の分離が可能となる。さらに
本発明はゲート工程後にもフィールド酸化膜をシリコン
基板より高く維持できるので、素子の分離特性を向上さ
せることができる。
【0016】本発明のフィールド酸化膜形成方法は64
M DRAM以上の高度集積素子の素子分離に好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るフィールド酸化膜形成の第1行
程を示す断面図。
【図2】 本発明に係るフィールド酸化膜形成の第2行
程を示す断面図。
【図3】 本発明に係るフィールド酸化膜形成の第3行
程を示す断面図。
【図4】 本発明に係るフィールド酸化膜形成の第4行
程を示す断面図。
【図5】 本発明に係るフィールド酸化膜形成の第5行
程を示す断面図。
【図6】 本発明に係るフィールド酸化膜形成の第6行
程を示す断面図。
【図7】 本発明に係るフィールド酸化膜形成の第7行
程を示す断面図。
【図8】 従来のフィールド酸化膜形成を示す半導体素
子の断面図。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…パッド酸化膜、3…窒化膜、7
…スペーサ窒化膜、21…シリコン基板、22…パッド
酸化膜、23…窒化膜、24…感光膜、25…酸化膜、
26…多結晶シリコン膜、27…スペーサ窒化膜、28
…スペーサ多結晶シリコン膜、29…フィールド酸化
膜、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−182956(JP,A) 特開 平2−10729(JP,A) 特開 昭58−54651(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子のフィールド酸化膜形成方法
    において、半導体基板(21)にパッド酸化膜(2
    2)、窒化膜(23)を順次に形成する工程、 所定部位の前記窒化膜(23)、パッド酸化膜(2
    2)、半導体基板(21)を順次に蝕刻して半導体基板
    (24)に所定の大きさのトレンチを形成する工程、 全体構造の上部に多結晶シリコン膜(26)を形成し
    て、トレンチ内部及び上部に形成された前記窒化膜(2
    3)を覆う蒸着工程、 前記多結晶シリコン膜(26)を平坦化する工程、 窒化膜を積層した後、エッチバックして窒化膜(23)
    の側壁及び平坦化された多結晶シリコン膜(26’)の
    上部にスペーサ窒化膜(27)を形成する工程、 前記スペーサ窒化膜(27)及び窒化膜(23)を蝕刻
    マスクとしてトレンチ内を埋めている多結晶シリコン膜
    (26’)を蝕刻する工程、 酸化工程によりフィールド酸化膜(29)を形成し、前
    記窒化膜(23)、スペーサ窒化膜(27)、パッド酸
    化膜(22)を除去する工程、からなることを特徴とす
    る半導体素子のフィールド酸化膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記トレンチの深さが1000〜300
    0オングストロームであることを特徴とする請求項1に
    記載の半導体素子のフィールド酸化膜形成方法。
  3. 【請求項3】 エッチバックする前のトレンチ部位に形
    成された多結晶シリコン膜(26)の厚さが窒化膜(2
    3)の上からトレンチ底部までの高さより厚く形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のフィー
    ルド酸化膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記多結晶シリコン膜(26)を平坦化
    させる工程が、前記多結晶シリコン膜(26)がパッド
    酸化膜(22)の高さより低くならないように、さらに
    前記多結晶シリコン膜(26)を蝕刻する工程を含んで
    いることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のフ
    ィールド酸化膜形成方法。
  5. 【請求項5】 多結晶シリコン膜(26)の平坦化工程
    がCMP(Chemical Mechanical Polishing)であること
    を特徴とする請求項1に記載の半導体素子のフィールド
    酸化膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記フィールド酸化膜(29)を形成す
    るための酸化工程の温度が1000〜1200℃である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のフィー
    ルド酸化膜形成方法。
JP6061510A 1993-03-31 1994-03-30 半導体素子のフィ―ルド酸化膜形成方法 Expired - Fee Related JP2534456B2 (ja)

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