JP2531181Y2 - 過流出防止弁付きガスコック - Google Patents

過流出防止弁付きガスコック

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JP2531181Y2
JP2531181Y2 JP5667389U JP5667389U JP2531181Y2 JP 2531181 Y2 JP2531181 Y2 JP 2531181Y2 JP 5667389 U JP5667389 U JP 5667389U JP 5667389 U JP5667389 U JP 5667389U JP 2531181 Y2 JP2531181 Y2 JP 2531181Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [利用分野] 本考案は、過流出防止弁付きガスコック、特に、過流
出防止弁の弁座口部が閉子内に位置するように過流出防
止弁を配設して、この弁座口を閉塞する弁体を閉子と連
動するカム機構によって開閉させるとともに、この開閉
タイミングを閉子のそれと所定の関係に設定した型式の
過流出防止弁付きガスコックに関するものである。
そして、この考案は、カム機構部を介して閉子と連動
する弁体を、閉子が閉弁状態にある特定の位置において
開弁されるようにして、閉子のシール性能を検査できる
ようにするものである。
[従来技術及びその問題点] 過流出防止弁の弁座口に弁体を対接させ、これを閉子
と連動するカム機構によって開閉するようにした過流出
防止弁付きのガスコックとして、すでに、実開昭62−14
3881号公報に記載のものを提案した。
この従来のものは、第9図〜第10図に示すような構成
で、コック本体(1)に回動自在に収容した閉子(10)
内に小径端部からその胴部に開放する逆L字状の通過孔
を形成し、コック本体(1)内のガス通路の閉子収容部
の上流側(下方)に配設固定した過流出防止弁の主体
(2)を前記通過孔内に没入するように配設し、この主
体(2)の上端に形成した弁座口(20)に弁体(5)を
対接させ、この弁体(5)を閉子(10)とすすみ対偶さ
せるとともに、この弁体(5)の一部を主体(2)の基
端部の外周に配設固定したカム筒(22)及びこれに回動
自在に対偶する回動リング(30)に連動させ、さらに、
前記弁体(5)と閉子(10)との間に弁体(5)の閉弁
付勢力を付与する第1バネ(61)を介装し、他方の回動
リング(30)と主体(2)の基端部平面との間に第2バ
ネ(62)を介装したものである。
このものでは、第10図のように動作し、前記回動リン
グ(30)はその内周側で弁体(5)の一部と上下方向に
係合しており、弁体(5)は、カム筒(22)と回動リン
グ(30)とによって構成されるカム機構及び第1,第2バ
ネ(61),(62)の作用により、閉子(10)の回動に応
じて昇降せしめられる。そして、この昇降によって弁体
(5)が開閉され、しかも、この開閉タイミングは閉子
(10)の開閉に適合させて所定のタイミングに設定され
ている。従って、この従来のものでは、閉子(10)が全
閉位置から全開位置に開回動するとき、全開位置直前で
第2バネ(62)の付勢力によって弁体(5)が開弁し、
逆に、全開位置から閉回動するときには、全開位置から
僅かに離れた位置で第1バネ(61)の付勢力によって弁
体(5)が弁座口(20)に対接して閉弁する。このよう
に、閉子(10)が全開位置の近傍に達した時点で弁体
(5)が開閉することから、閉子(10)が半開状態に維
持されてもガスコック内の流路が弁体(5)によって遮
断され、閉子(10)が全開位置近傍にあってガスコック
内のガス通過量が全開流量値に達した時点で弁体(5)
が開弁することから、ガスコック内の通路が開放状態あ
るときには、ガス通過量不足の状態が生じないこととな
る。この結果、過流出防止弁がガス通過量不足の状態で
不完全な作動をすることがなく、ガスコックの下流側で
過流出状態が生じると、確実に過流出防止弁が作動する
こととなる。
ところが、この従来のものでは、生産段階において、
閉子(10)のシール部の漏れ検査が行えないという不都
合がある。
これは、閉子(10)の全開位置およびこの全開位置の
近傍の開放位置においてのみ弁体(5)が開弁状態にあ
って、それ以外の部分では常時閉弁状態にあるからであ
る。つまり、弁体(5)が閉弁状態にあって且閉子(1
0)が開放した状態にセットできることから、この状態
では弁体(5)の部分の漏れ検査が出来るものの、弁体
(5)が開弁状態にあって且閉子(10)が閉弁した状態
での漏れ検査ができないからである。
*請求項1の考案について [技術的課題] 本考案は、このような『コック本体(1)内の閉子
(10)に形成された通過孔内に、過流出防止弁を構成す
る円筒形状の主体(2)の少なくとも下流側部分を没入
させ、前記主体(2)の一方端部に形成された弁座口
(20)を閉塞するように閉方向に付勢された弁体(5)
に接続する円筒形状のスカート部(53)を、前記閉子
(10)の通過孔内に対して摺動可能で且前記閉子(10)
と共に一体的に回動する構成にすると共に前記主体
(2)の胴部(81)に昇降自在に外嵌させ、前記主体
(2)の他方端部に固定接続され且前記スカート部(5
3)の外方に配設された円筒状のカム部と前記スカート
部(53)との間にカム機構を介装し、前記カム機構によ
って、前記閉子(10)の回動に応じて動作させて前記弁
体(5)を開閉させると共に前記閉子(10)の全開位置
及びその近傍の閉子開放位置でのみ前記弁体(5)を開
弁状態に維持すべく構成した過流出防止弁付きガスコッ
ク』において、閉子(10)のシール部の漏れ検査と、弁
体(5)のシール部の漏れ検査とを別個に行えるように
することをその課題とし、この課題解決のために、閉子
(10)の閉弁状態において、弁体(5)を開弁状態に維
持できるようにすることをその技術的課題とする。
[技術的手段] 上記技術的課題を解決するために講じた本考案の技術
的手段は『前記弁座口(20)を弾性材料からなる環状の
シート体(23)から構成し、前記シート体(23)の上端
縁を前記弁体(5)の下面に対接させ、前記シート体
(23)の内周縁からこれと一体の突起(M)を内方に突
出させ、一方、前記弁体(5)の下面に突出部(59)を
形成し、前記閉子(10)の回動域における閉弁区間内で
前記突出部(59)と前記突起(M)とが一致すると、前
記シート体(23)と前記弁体(5)の下面とのシールが
解除されるように、前記突出部(59)と前記突起(M)
とが配置される』ことである。
[作用] 本考案の上記技術的手段は次のように作用する。
弁体(5)は、従来のものと同様に閉子(10)の回動
に応じて弁体のスカート部(53)と主体(2)のカム部
との間に介在させたカム機構の作用により昇降動作せし
められる。すなわち、閉子(10)の回動に応じて弁体
(5)が開閉することとなる。又、この開閉タイミング
は、閉子(10)の開閉タイミングとの関係で所定に設置
されており、閉子(10)が全閉位置から全開位置の近傍
に達した時点で弁体(5)が開弁し、閉子(10)が全開
位置から僅かに閉方向に復帰回動した時点で弁体(5)
が閉弁する。
又、閉子(10)が閉弁状態にあるこの閉子の回動区間
の特定の位置では、弁体(5)の下面に具備させた突出
部(59)と、シート体(23)の内周から突出させた突起
(M)とが一致することから、この状態では、前記突出
部(59)が突起(M)の上方に乗り上げる。つまり、こ
の状態では、閉子(10)が閉弁状態にあって、弁体
(5)が開弁状態にあることとなる。
そして、閉子(10)を前記特定の位置から開方向又は
閉方向に回動させた状態では、突出部(59)と突起
(M)とが一致しないこととなって、弁体(5)はこれ
に作用させた常閉方向の付勢力により閉弁状態に復帰す
る。
[効果] 本考案は上記構成であるから、次の特有の効果を有す
る。
弁体(5)は、これを閉子(10)の回動と関連させた
カム機構によって昇降せしめられて開閉するが、これと
は別に、閉子(10)が閉弁状態にある閉子(10)の回動
区間においては、弁体(5)が前記カム機構と無関係に
開弁状態に維持できるから、この状態で漏れ試験をする
と、閉子(10)のシール部の漏れ検査が可能となる。
尚、弁体(5)のシール部の漏れ検査は、従来のものと
同様に、閉子(10)が開弁状態にあって弁体(5)が閉
弁した状態において、漏れ検査を行えばよく、これによ
り、弁体(5)のシール部からの漏れが検査できる。
このように、弁体(5)のシール部と閉子(10)のシ
ール部とが各別に漏れ検査できる。
[実施例] 以下、本考案の実施例を第1図から第5図に基いて説
明する。
この実施例のものでは、既述従来の過流出防止弁付き
ガスコックと基本的には同様の機構を採用するが、各部
の詳細を第1図,第2図に従って説明する。
先ず、弁体(5)にはこれと一体の筒状のスカート部
(53)が連設されており、このスカート部(53)の上端
の閉塞板部分が弁体(5)となる。そして、このスカー
ト部(53)の上部で弁体(5)の下方には通過孔へのガ
ス出口となる一対の開口が形成されている。
又、このスカート部(53)を閉子(10)とすすみ対偶
させるため、スカート部(53)の胴部の一部に第2図の
ように、突起(54)が形成され、他方の閉子(10)の通
過孔の内周面には上下方向のガイド溝(12)が形成さ
れ、前記ガイド溝(12)と突起(54)とが相互に嵌合す
る。さらに、このスカート部(53)の下部には回動リン
グ(30)と対偶する一対の第1開口カム部(3a),(3
a)が、相互に反対の位置に形成されており、この第1
開口カム部(3a)はスカート部(53)の軸線に並行な縦
孔部(31)とこれに続き且つ円周方向の一方に伸る横孔
部(32)とからなり、この第1開口カム部(3a),(3
a)に前記回動リング(30)の内面に突出させた一対の
突起(36),(36)が移動自在に嵌入している。
前記回動リング(30)は主体(2)の基端部外周に配
設したカム筒(22)と対偶してカム機構を構成する。こ
のため、このカム筒(22)の基端部には一対の第2開口
カム部(3b),(3b)が形成され、この第2開口カム部
(3b),(3b)に回動リング(30)の外周面に具備させ
たカム突起(21),(21)が各別に嵌入している。この
第2開口カム部(3b)は、第4図のように、円周方向の
長孔部(34)と、この長孔部(34)の一端に形成され且
つ傾斜辺(37)を具備する広幅部(35)とから構成さ
れ、前記カム突起(21),(21)が前記第2開口カム部
(3b),(3b)の上辺に沿って移動する。
従って、閉子(10)の回動によってスカート部(53)
が回動せしめられると、これと突起(36),(36)との
係合関係に応じて回動リング(30)が回動し、この回動
リング(30)の昇降タイミングが第1,第2開口カム部
(3a),(3b)との相関関係によって決定される。
尚、この回動リング(30)の上昇付勢力は主体(2)
の基端部との間に介装された第2バネ(62)によって付
与されており、さらに、回動リング(30)の回動を円滑
化するため、第2バネ(62)の上端と回動リング(30)
との間に補助リング(63)を介装してある。他方、弁体
(5)の閉弁力を付与するため、この弁体(5)の上面
と閉子(10)の通過孔の頂壁との間に第1バネ(61)が
介装されている。
尚、閉子(10)が全閉位置にあって弁体(5)が閉弁
状態にあるときには、カム突起(21)は長孔部(34)に
おける広幅部(35)の反対側の端部に位置し、且、他方
の突起(36)は横孔部(32)における縦孔部(31)の反
対側の端部に位置するように設定されており、このとき
の各部の位置が初期位置であり、突起(36)が縦孔部
(31)に杆入しカム突起(21)が広幅部(35)の上端に
位置した状態が各部の最終位置である。
又、この実施例では、横孔部(32)の初期位置側の端
部にはその下部に切込部(38)が形成され、この切込部
(38)は弁体(5)が何らかの異常によって開弁状態に
維持されたときに突起(36)の侵入を許容するものであ
る。
さらに、カム筒(22)には、上端開放部から回動リン
グ(30)を挿入できるようにするため、長孔部(34),
(34)の初期位置側に続く部分に上端に開放する溝部
(39),(39)が所定の位置に形成されている。従っ
て、この実施例では、予め第2バネ(62)及び補助リン
グ(63)をこの順序で円筒形状の主体(2)の胴部(8
1)に外嵌させ、回動リング(30)とスカート部(53)
とを組合せた状態でカム突起(21),(21)と前記溝部
(39),(39)とが一致するように組込み、カム突起
(21),(21)を初期位置に回動させると各部が初期位
置に設定され、この状態のスカート部(53)の突起(5
4)をガイド溝(12)に一致させて第1バネ(61)を介
在させた状態で閉子(10)を組込むと第4図に示すよう
に、各部がコック本体(1)内に連動状態に組立られる
こととなる。
尚、この実施例においては、第3図の如く、主体
(2)の上端の弁座口(20)は、主体(2)の上端開放
部の外周にシート体(23)が嵌着された構成となってお
り、このシート体(23)を既述のように弾性材料で構成
するとともにその上端を主体(2)の上部開放端よりも
上方に突出させている。又、過流出防止弁作動後の球弁
(24)の弁体(5)による押し込みを可能にするため、
前記突出量は、球弁(24)が弁座口(20)に嵌入したと
きの突出量との関連で所定の値に設定してある。
さらに、前記シート本体(23)は、その内周面から突
起(M)が突出する構成とし、この突起(M)を具備す
るシート体(23)をゴム製として全体が一体成形された
ものとしてある。なお、このシート体(23)は過流出防
止弁の主体(2)に固定され、前記突起(M)が閉子
(10)に対して特定の位置にある。
一方、弁体(5)の裏面には、突出部(59)が突出
し、スカート部(53)を主体(2)に外嵌したときに、
シート体(23)の内周側に位置する部分に突出部(59)
が形成され、この突出部(59)の縦方向の断面形状は、
下方に凸の滑らかな円弧状となっている。そして、閉子
(10)が全閉位置の近傍に位置する時点で前記突出部
(59)が主体(2)の上端に装着されたシート体(23)
の突起(M)と一致するように、前記突出部(59)の配
設位置が特定されている。
上記構成の実施例の過流出防止弁付きガスコックで
は、各部が初期位置にある状態から、閉子(10)を全開
方向に開回動させると、回動リング(30)の突起(3
6),(36)と横孔部(32)との端部との係合により回
動リング(30)が回動せしめられ、この回動リング(3
0)のカム突起(21),(21)が長孔部(34),(34)
の上辺に沿って移動し、この状態では、第2バネ(62)
の付勢力は回動リング(30)によって受け止められ、弁
体(5)には作用せず、弁体(5)は第1バネ(61)の
閉弁付勢力によって閉弁状態に維持されている。(第5
図A,B参照) 尚、この間において、突起(M)と突出部(59)とが
一致した時点では、第3−(2)図のように、弁体
(5)が第1バネ(61)の閉弁付勢力に抗して独立的に
且一次的に開弁する。
次いで、カム突起(21),(21)が広幅部(35)の傾
斜辺(37)の部分に達すると、第5図の「C」のよう
に、第2バネ(62)の付勢力によって回動リング(30)
が前記傾斜辺配設域に応じた範囲回動しながら上昇し、
これによりスカート部(53)すなわち弁体(5)が持ち
上げられて開弁する。尚、ここで、第2バネ(62)の付
勢力は第1バネ(61)のそれよりも強く設定されてい
る。従って前記位置では、第1バネ(61)の付勢力に抗
して第2バネ(62)の付勢力により開弁されるのであ
る。
これにより、突起(36),(36)は横孔部(32),
(32)の端部すなわち縦孔部(31)の近傍に位置した状
態にある。このままの状態で極僅か回動して閉子(10)
が全開状態となり、主体(2)内に収容した球弁が動作
可能な状態となる。すなわち、主体(2)が動作可能な
状態となる。(第5図「C」参照) 次いで、この前回状態から閉子(10)を閉回動させる
と、この初期の微小角度の回動によってスカート部(5
3)が独立して回動し、第5図の「D」のように突起(3
6),(36)が縦孔部(31),(31)に一致し、第2バ
ネ(62)の付勢力が作用する回動リング(30)との係合
が外れ、第1バネ(61)の付勢力により弁体(5)が閉
弁降下することとなる。
その後、閉子(10)を初期位置に復帰回動させると、
突起(36),(36)が縦孔部(31),(31)の下端部の
側辺によって初期位置側に復帰回動せしめられ、同時に
カム突起(21),(21)は長孔部(34),(34)に沿っ
て復帰回動し、閉子(10)が全閉位置に復帰回動すると
最終的にはカム突起(21),(21)が初期位置に復帰す
ることとなる。尚、この間においても、突起(M)と突
出部(59)とが一致した時点では弁体(5)が一時的に
開弁するが、この実施例では、閉子(10)の全閉位置で
は突起(M)と突出部(59)とが一致しないから、閉子
(10)の全閉位置において弁体(5)は開弁状態に放置
されない。
以後、上記動作の繰り返しによって閉子(10)の開閉
及び弁体(5)の開閉が行なわれることとなる。
尚、上記実施例のガスコックの生産段階では、弁体
(5)のシール部の漏れ検査は、閉子(10)を、弁体
(5)が未だ開弁せず且閉子(10)が開弁状態にある所
謂半開状態として行う。又、閉子(10)のシール部の漏
れ検査は、この閉子の通過孔が閉鎖された閉弁状態で、
しかも、弁体(5)の突出部(59)と突起(M)とが一
致した状態に閉子(10)をセットし、この状態で閉子
(10)のシール部の漏れ検査を行う。
《第2請求項の考案について》 [技術的課題] 本考案は、第1請求項の考案と同じ課題を解決するも
のであり、『コック本体(1)内の閉子(10)に形成さ
れた通過孔内に、過流出防止弁を構成する円筒形状の主
体(2)の少なくとも下流側部分を没入させ、前記主体
(2)の一方端部に形成された弁座口(20)を閉塞する
ように閉方向に付勢された弁体(5)に接続する円筒形
状のスカート部(53)を、前記閉子(10)の通過孔内に
対して摺動可能で且前記閉子(10)と共に一体的に回動
する構成にすると共に前記主体(2)の胴部(81)に昇
降自在に外嵌させ、前記主体(2)の他方端部に固定接
続され且前記スカート部(53)の外方に配設された円筒
状のカム部と前記スカート部(53)との間にカム機構を
介装し、前記カム機構によって、前記閉子(10)の回動
に応じて動作させて前記弁体(5)を開閉させると共に
前記閉子(10)の全開位置及びその近傍の閉子開放位置
でのみ前記弁体(5)を開弁状態に維持すべく構成した
過流出防止弁付きガスコック』において、上記課題を解
決するために、閉子(10)の全閉位置において、弁体
(5)の上流側と閉子(10)の通過構内とを連通できる
ようにすることを技術的な課題とするものである。
[技術的手段] 上記技術的課題を解決するために講じた本考案の技術
的手段は『前記コック本体(1)の閉子収容部側壁と、
過流出防止弁収容部の上流側とを連通させる補助通路
(H)を形成し、前記補助通路(H)の下流端を前記閉
子(10)の全閉位置において前記通過孔の下流側開口端
と一致するように前記閉子収容部側壁に開口させた』こ
とである。
[作用] 本考案の上記技術的手段は次のように作用する。
弁体(5)の開閉動作は、従来のものと同様に閉子
(10)の回動に応じて、所定の位置で開閉動作せしめら
れる。閉子(10)の全閉位置では、補助通路(H)を介
して過流出防止弁の上流側部分と通過孔とが連通するこ
ととなるが、コック本体の出口側部分は閉子(10)によ
って閉塞されているから、閉子(10)の下流側への流路
は遮断されている。
又、閉子(10)が全閉位置から一定角度開回動した状
態では、通過孔は、補助通路(H)の下流側開口端から
外れた位置にあるから、この状態では、補助通路(H)
を介しては、コック本体内の流路は連通しない。そし
て、閉子(10)の通過孔が連通状態となった時点では、
前記補助通路(H)の回路が閉子(10)によって遮断さ
れた状態となる。つまり、弁体(5)の開閉状態に応じ
て又、過流出防止弁の作動状態に応じてガスコックが内
の回路が開閉されることとなる。
[効果] 本考案は上記構成であるから、次の特有の効果を有す
る。
閉子(10)の全閉位置では、通過孔内が過流出防止弁
の上流側と連通状態にあるから、この状態で漏れ検査を
すると、閉子(10)のシール部のみの漏れ検査ができ
る。従って、上記第1請求項の考案の場合と同様に、閉
子(10)のシール部と弁体(5)のシール部とが各別に
漏れ検査可能となる。
[実施例] 以下、本考案の実施例を第7図及び第8図に基づいて
説明する。
この実施例は上記第1請求項の考案の実施例とは、補
助通路(H)以外の構成については全く同一の構成を採
用する。
従って、ここでは、補助通路(H)の構成を、閉子
(10)及び過流出防止弁との関係において以下に詳細に
説明する。
補助通路(H)はコック本体(1)の閉子収容部(1
9)の側壁から、コック本体(1)のガス入口(18)に
かけて、その構成壁を貫通するように設けられ、その下
流端は、第8図に示すように通過孔の出口(下流端)
が、閉子(10)の全閉位置において対向する側壁に開口
し、上流端は、第7図のように、ガス入口(19)の接続
ネジ部と過流出防止弁の主体(2)の下端との間に開口
する。
従って、この実施例のものでは、閉子(10)及び弁体
(5)によってガス入口(18)から過流出防止弁を介し
てガス出口に達する回路が開閉される。そして、閉子
(10)の半開状態においては、前記弁体(5)によって
前記ガス回路が遮断されている。従って、この状態で漏
れ検査を行うと、弁体(5)のシール部の漏れ検査が出
来る。
次いで、閉子(10)の全閉位置では、弁体(5)も閉
弁状態にあるが、このとき、閉子(10)の通過孔内とガ
ス入口(18)とは補助通路(H)を介して連通してお
り、ガス出口への回路は閉子(10)によってのみ遮断さ
れている。従って、この状態で漏れ検査をすると、閉子
(10)のシール部の検査ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1請求項の考案のガスコックの要部分解図,
第2図は第1図の主要部品の平面図又は断面図で、これ
らを当該主要部品と並設した図,第3−(1)図は過流
出防止弁の主体(2)の断面図,第3−(2)図は弁体
開弁状態の断面図,第4図は組立状態の断面図,第5図
は通常時の作動説明図,第6図は異常時の作動説明図,
第7図は第2請求項の考案の要部の断面図,第8図はそ
の要部X−X断面図,第9図,第10図は従来例の説明図
であり、図中, (1)……コック本体 (10)……閉子 (2)……主体 (20)……弁座口 (5)……弁体 (23)……シート体 (53)……スカート部 (M)……突起 (59)……突出部 (H)……補助通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 田中 信男 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】コック本体(1)内の閉子(10)に形成さ
    れた通過孔内に、過流出防止弁を構成する円筒形状の主
    体(2)の少なくとも下流側部分を没入させ、前記主体
    (2)の一方端部に形成された弁座口(20)を閉塞する
    ように閉方向に付勢された弁体(5)に接続する円筒形
    状のスカート部(53)を、前記閉子(10)の通過孔内に
    対して摺動可能で且前記閉子(10)と共に一体的に回動
    する構成にすると共に前記主体(2)の胴部(81)に昇
    降自在に外嵌させ、前記主体(2)の他方端部に固定接
    続され且前記スカート部(53)の外方に配設された円筒
    状のカム部と前記スカート部(53)との間にカム機構を
    介装し、前記カム機構によって、前記閉子(10)の回動
    に応じて動作させて前記弁体(5)を開閉させると共に
    前記閉子(10)の全開位置及びその近傍の閉子開放位置
    でのみ前記弁体(5)を開弁状態に維持すべく構成した
    過流出防止弁付きガスコックにおいて、 前記弁座口(20)を弾性材料からなる環状のシート体
    (23)から構成し、前記シート体(23)の上端縁を前記
    弁体(5)の下面に対接させ、前記シート体(23)の内
    周縁からこれと一体の突起(M)を内方に突出させ、一
    方、前記弁体(5)の下面に突出部(59)を形成し、前
    記閉子(10)の回動域における閉弁区間内で前記突出部
    (59)と前記突起(M)とが一致すると、前記シート体
    (23)と前記弁体(5)の下面とのシールが解除される
    ように、前記突出部(59)と前記突起(M)とが配置さ
    れる、過流出防止弁付きガスコック。
  2. 【請求項2】コック本体(1)内の閉子(10)に形成さ
    れた通過孔内に、過流出防止弁を構成する円筒形状の主
    体(2)の少なくとも下流側部分を没入させ、前記主体
    (2)の一方端部に形成された弁座口(20)を閉塞する
    ように閉方向に付勢された弁体(5)に接続する円筒形
    状のスカート部(53)を、前記閉子(10)の通過孔内に
    対して摺動可能で且前記閉子(10)と共に一体的に回動
    する構成にすると共に前記主体(2)の胴部(81)に昇
    降自在に外嵌させ、前記主体(2)の他方端部に固定接
    続され且前記スカート部(53)の外方に配設された円筒
    状のカム部と前記スカート部(53)との間にカム機構を
    介装し、前記カム機構によって、前記閉子(10)の回動
    に応じて動作させて前記弁体(5)を開閉させると共に
    前記閉子(10)の全開位置及びその近傍の閉子開放位置
    でのみ前記弁体(5)を開弁状態に維持すべく構成した
    過流出防止弁付きガスコックにおいて、 前記コック本体(1)の閉子収容部側壁と、過流出防止
    弁収容部の上流側とを連通させる補助通路(H)を形成
    し、前記補助通路(H)の下流端を前記閉子(10)の全
    閉位置において前記通過孔の下流側開口端と一致するよ
    うに前記閉子収容部側壁に開口させた、過流出防止弁付
    きガスコック。
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