JPS6121663Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガスゴム管の外れ等の異常過流出状
態でガス流路を自動的に遮断する、いわゆる、過
流出防止弁を具備する過流出防止弁付のガス元栓
に関する。

従来のこの種元栓としては、第１図、第２図に
示す如く、元栓の本体１内に閉子３を設け、該閉
子内の通過孔を介してガス入口２からガス出口８
に致る流路を前記閉子の回動により開閉すべく構
成し、閉子３の上流側に過流出防止弁４を配し、
閉子３の下端からその下方の空所６に突出させた
突片７を該過流出防止弁の弁座口５に対応させた
もので、閉子３の全開状態で突片７が弁座口５か
ら外れて位置し、全閉状態で突片７が弁座口５の
真上に位置するようになつている。

このものでは、閉子３が全開状態にあるときに
は、異常過流出状態で過流出防止弁４の球弁９が
適正に作動するが、閉子３が半開状態にある場合
には、過流出防止弁４を介するガス量が予め抑え
られた状態にあり、ガスゴム管の外れ等の異常状
態が生じても該過流出防止弁を介するガス量は作
動流量以上に達せず、球弁９が作動しないことと
なる。

本考案は、ガス元栓の開閉弁を中間位置に停止
しないようにして、異常状態に於ける過流出防止
弁の不作動を防止することを目的とする。

本考案の構成を図面に従つて説明すると、本考
案の過流出防止弁付のガス元栓は、本体１の下部
に過流出防止弁４を挿入し、該過流出防止弁の下
流側に弁室２５を設け、さらにその下流側をガス
出口８と成し、過流出防止弁４の上流側から、前
記ガス出口に致るガス流路を本体１内に設け、弁
室２５の上部に支点を有する揺動杆２６の先端近
傍に弁体２７を設けて該弁体を弁室２５の側壁に
開口し且前記ガス出口８に連通する弁口２８に開
閉可能に対向させ、前記揺動杆と固定部材との間
にバネ２９を介装し、該バネの中程に移動子３０
を対向させ、該移動子を操作軸と一体回動するカ
ム筒１０に連動させたものである。（第１図、第
２図） さらに、上記に於いて、揺動杆２６の先端を下
流出防止弁４の弁座口５に対向近接させ、上記バ
ネ２９は揺動杆２６と固定部間に支点を越えて介
装すると共に該バネにより揺動杆２６を常閉方向
に付勢させ、カム筒１０を操作軸１２と一体回動
させると共に該操作軸の全閉位置でのみ該カム筒
の内側に設けた突部１３が移動子３０と一致し、
これによりバネ２９の中程が該移動子により押し
込まれて揺動杆２６が反転すべく構成してある。

本考案の上記構成によれば、操作軸１２の回動
により、カム筒１０が適宜範囲（第３図〜第４
図）で回動してこれにより弁体２７が開閉する、
すなわち、操作軸１２の初期位置（第１図又は第
３図）ではバネ２９が揺動杆２６を常閉方向に付
勢させており、これから一定角度（例えば90度）
回動した位置でカム筒１０の突部１３と移動子３
０とが一致して該移動子３０が内側に押し込ま
れ、バネ８の中程がその下端部に対して揺動杆２
６の支点の反対側に位置して弁体２７が開弁し、
ガス流路が開放される。（第２図、第４図） この状態で異常過流出状態が生じると、過流出
防止弁４の球弁９が作動して弁座口５に嵌入し、
本体１内の流路を自動遮断する。ガス出口８以下
の下流側の回路を正常に戻すに先立つて操作軸１
２を閉回動させると、該操作軸が全開位置からわ
ずかに復帰回動した位置でカム筒１０の突部１３
と移動子３０との対接が外れ、バネ２９が初期状
態に復元して揺動杆２６も閉弁姿勢に復帰し、弁
体２７が閉弁する。この閉弁移動の間に揺動杆２
６の先端が弁座口５に嵌入している球弁１４の頂
部を押し込み該球弁を下落させる。

以後、ガス出口８以下の下流側の回路を正常に
すれば、前記操作でガスの再使用が可能となる。

上記のように、本考案の過流出防止弁付ガス元
栓では、操作軸１２の全開位置でのみ弁体２７が
開弁し、元栓が開となる。従つて、元栓が半開等
の流量制限状態に置かれることがなく、元栓が半
開状態に置かれることによる過流出防止弁４の不
作動が防止できる。

本考案は上記構成であるから、次の利点があ
る。

揺動杆２６が閉弁姿勢へ瞬間的に反転移動する
間に過流出防止弁４の球弁９を下落させるもので
あるから、揺動杆２６の閉弁付勢力が小さくても
衝撃力により球弁９を下落させ得ることとなる。
従つて、元栓の操作力が軽減できる。

以下、本考案の図示実施例の詳細につきさらに
詳述すると、既述の揺動杆２６は、弁室２５の上
方に続くカム室１５内に固定したＣ型の固定枠１
６の横向き下片１７に揺動自在に連結されてお
り、その為の構成として、下片１７の中程に設け
た透孔１８に揺動杆２６の先端突片１９が嵌入
し、バネ２９は引張バネとしてその下端が揺動杆
２６の支点近傍に係着し、他方、上端が固定枠１
６の上片２０の先端側に係着している。（第７
図） また、前記固定枠１６はブラケツト２１により
カム室１５の側壁に固定されている。移動子９は
固定枠１６に固定された垂下片２２を貫通して該
垂下片に揺動自在に保持され、該移動子の頭部は
常にバネ２９の中程に当接状態にあり、しかも、
該移動子は弁口２８の上方に位置している。

カム筒１０は操作軸１２と一体に形成され、該
カム筒１０は下方開放でしかも一部切欠の円筒形
状に形成されており、該カム筒１０がカム室１５
内のストツパー２２によりその回動角度を90度に
規制し、該カム筒の全開位置でその内側の突部１
３と移動子３０の先端部が一致するようにしてあ
る。

次に、操作軸１２は本体１のカム室１５の上端
開口部を閉塞する蓋板２３を外周気密状態で貫通
し、その突出部に操作つまみ２４を取り付けて該
操作つまみにより元栓の開閉を可能ならしめてあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の説明図、第２図はそのＸ−Ｘ
断面図、第３図は本考案の過流出防止弁付のガス
元栓の一実施例の断面図で元栓の「閉」の状態を
示し、第４図は「開」の状態を示す。第５図はＹ
−Ｙ断面図、第６図はＺ−Ｚ断面図、第７図は揺
動杆２６と固定枠１６との関係を示す分解斜視図
であり、図中 ４……過流出防止弁、５……弁座口、８……ガ
ス出口、１２……操作軸、１３……突部、２５…
…弁室、２６……揺動杆、２７……弁体、２９…
…バネ、３０……移動子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 過流出防止弁４の下流側の弁室２５に揺動杆２
   ６を揺動自在に設け、該揺動杆の先端を前記過流
   出防止弁の弁座口５に対向近接させると共に該揺
   動杆の先端近傍に弁体２７を設けて該弁体をガス
   出口８の上流側の弁口２８に対向させ、揺動杆２
   ６と固定部間に引張バネ２９を介装させて該揺動
   杆を常閉状態に付勢させ、該バネの中程に移動子
   ３０の頭部を対接させ、該移動子の先端を操作軸
   １２と一体回動する回動部材の突部１３に関連さ
   せ、操作軸１２の全開位置でのみ前記突部と移動
   子３０とが一致して該移動子を押し込み、バネ２
   ９の中程を揺動杆２６の支点を越えた位置に移動
   させるべく構成した過流出防止弁付のガス元栓。