JPS6123989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ハンドルの回転規制位置を決めるス
トツパー機構と、ハンドルの全閉位置に於けるロ
ツク機構と封印機構とを共通の部品により構成し
たガスコツク（元栓）に関するものである。

従来のガスコツクに於いて、メーターコツク又
は元栓と称されるものの場合、ハンドルの回転を
規制するストツパー機構と、ハンドルの全閉位置
に於けるロツク或いは封印機構は夫々別の部品構
成であつた。例えば、実公昭52−49785の場合に
は、ガスコツク本体１側にストツパーピン１２を
取り付け、ハンドル８側にこのストツパーピン１
２に当る係止部を形成して回転規制を行い、ハン
ドル８の全開位置決めは係止部材ｌにより行つて
いる。又、特開昭50−128836の場合には、ストツ
パーピン１２と封印機構としての突出ピン１４、
キヤツプ１７等は別々の部品構成である。又、実
開昭50−125131の場合にはハンドルの回転を規制
するためのストツプ板６を操作するためのロツク
ピン７がハンドル３の上面に露出していて、部外
者が簡単に悪戯することができるという欠点があ
る。

本考案は斯かる点に鑑みて提案されるもので、
その目的の第１は、ハンドルの回転規制機構とロ
ツク機構及び封印機構を共通の部品により構成し
て製作コストの低下を図ると共に分解、修理等の
作業を簡単に行なうことができるようにすること
である。次に第２の目的は、ハンドルのロツク、
封印機構について、操作性を良好にすると共に部
外者には判り難い位置に構成することである。次
に第３の目的は、ガスコツク本体側の加工部分を
極力少なくして美観を損うことがないように工夫
することである。

以下本考案の構成を説明すると、その構成要旨
は内部にガス通路を形成すると共に上口内に切り
欠きつきの係合縁を形成し、上口縁を180゜の範
囲で切り欠くことにより回転段部を形成すると共
にこの回転段部の両端にロツク溝を形成して成る
ガスコツク本体と、前記上口内に組み込まれる閉
子と、前記閉子をテーパー面側に押圧するスプリ
ングと、下面に閉子の係合突起が係合する係合溝
を形成すると共に前記係合縁に係合する鍔を形成
し、胴体部の上部に円周溝を形成し、把手の基部
下面内に奥ネジ付のネジ穴を形成し、このネジ穴
と同一中心線であつて、前記円周溝を挾んで胴体
部側にロツク部材組込穴を形成して成るハンドル
と、前記ロツク部材組込穴内奥に挿入されるコイ
ルスプリングと、 前記ロツク部材組込穴内にコイルスプリングの
次に挿入されるものであつて、下面に平坦部、こ
の平坦部の中央にロツク解除溝を形成して成るロ
ツク部材と、前記ネジ穴内において、奥ネジに螺
合自在のネジを有し、頭に特殊工具取付孔を設
け、前記ロツク部材の当接部に接してロツク部材
の動きを規制する小径ネジと、前記小径ネジが入
る孔を設けると共にこの孔の入口側に小径ネジの
頭が露出する鍔を形成し、外周に前記ネジ穴に螺
合するネジを形成して成る大径ネジとから成り、
本書添付図面にその実施例を明示した。

図に於いて、１はガスコツク本体を示し、２は
上口（閉子組込口）、３は上口縁を示し、この上
口縁３には、180゜の角度を一段低く切り落とし
て形成した回転段部４と、この回転段部４の両終
端（上口縁３の対称位置）に形成したロツク溝
５，５′の構成がある。４′は上口縁３の基部外周
に形成した水平段部を示す。６は上口２内に形成
したハンドルの係合縁にして、この係合縁６には
ハンドル組み用の切り欠き７，７′の構成があ
る。８はガス通路を示す。

９はガスコツク本体１の上口２内に組み込まれ
る閉子、１０は閉子９上の係合突起、１１は閉子
９をテーパー面に押圧するためのスプリングであ
る。

１２はハンドルにして、このハンドル１２の下
面には前記閉子９の係合突起１０が係合する係合
溝１３が構成してあると共に下縁には、前記係合
縁６に下方から係合して抜け出るのを防止する鍔
１４，１４′が構成してある。

１５はハンドル１２の把手部分にして、この基
部下面には、ハンドル１２の中心方向に貫通した
奥ネジ１６′を有するネジ穴１６が形成してあ
る。１７はハンドル１２の下面に形成した前記ガ
スコツク本体１側の上口縁３、回転段部４が自由
に入る円周溝、１８はハンドル１２の胴体部１８
である。

１９はハンドル１２の胴体部１８に於いて、円
周溝１７を挾んで前記ネジ穴１６と同一中心線上
に形成された有底のロツク部材組込穴にして、ハ
ンドル１２をガスコツク本体１に取り付けた際
に、このロツク部材組込穴１９の中心近くまで上
口縁３及び回転段部４が入る構成であ。

２０は前記ネジ穴１６内に螺合せられるネジ２
０を有する大径ネジにして、この大径ネジ２０内
には貫通した孔２１が設けてあると共に孔２１の
入口には鍔２２が形成してある。

２３は前記大径ネジ２０内の孔２１内にスライ
ド自在に挿入される小径ネジにして、この頭２６
は前記大径ネジ２０の孔２１から露出し得る構成
で、先端には奥ネジ１６′に螺合するネジ２４が
構成してある。２５は頭２６の平面部に形成した
特殊工具係合孔２５である。

２７は前記ロツク部材組込穴１９内に出入り自
在に挿入されるロツク部材にして、このロツク部
材２７は下面に回転防止用の平坦部３０を形成す
ると共にこの平坦部３０の中央に、前記ガスコツ
ク本体１の回転段部４を跨ぐロツク解除溝２９を
形成している。２８はロツク部材２７と小径ネジ
２３との当接部、３１はロツク部材２７をロツク
部材組込穴１９内に於いて、小径ネジ２３側に弾
発するコイルスプリングである。

本考案に係るガスコツクは以上の如き部品構成
から成り、次にその組み立て方法を説明すると、
ガスコツク本体１の上口２内に閉子９を組み込み
この閉子９上にスプリング１１を乗せる。次に、
ハンドル１２の係合溝１３に閉子９の係合突起１
０を合わせ、次に鍔１４，１４′をガスコツク本
体１の係合縁６に形成した切込み７，７′に合わ
せて挿入し、鍔１４，１４′を係合縁６の下面に
位置させる。

以上のようにしてハンドル１２をガスコツク本
体１に取り付けたなら、ハンドル１２を90゜回転
し、ロツク溝５又は５′の処にハンドル１２側の
ロツク部材組込穴１９を位置させて、先ずこのロ
ツク部材組込穴１９内にコイルスプリング３１を
挿入し、次にロツク部材２７を平坦部３０が下に
なるようにして挿入し、次に大径ネジ２０内に小
径ネジ２３を挿入して大径ネジ２０をネジ穴１６
内に螺合し、ロツク部材２７を小径ネジ２３で押
える。

ロツク部材２７の組み込みが終了した状態は閉
せんロツクとなる。更に第２図に示すように指先
で小径ネジ２３の頭２６を押し、ロツク部材２７
のロツク解除溝２９で回転段部４を跨ぐようにし
て係合を逃がし、ハンドル１２を更に90゜回転す
る。この状態を示したのが第２図であり、閉子９
は全開である。なお、この第２図に於いては、ロ
ツク部材２７のロツク解除溝２９は回転段部４を
跨ぎ、この回転段部４にて係止されている。又、
ハンドル１２はロツク部材２７が回転段部４を跨
いでいるだけのため、左又は右に回転が自在であ
る。

本考案に係るガスコツクは以上のようにして組
み立てられ、次のようにして使用される。

先ず、閉子９を全開から全閉にする場合である
が、この場合にはハンドル１２を左又は右にその
まゝ90゜回転すればよい。ハンドル１２が90゜回
転すると、ロツク部材２７がロツク溝５又は５′
部分に於いて上口縁３の縁３ａ又は３a′に当り、
それ以上は回転しない。この状態が閉子９全閉の
状態である。ハンドル１２が全閉の位置にくる
と、ロツク部材２７は回転段部４を跨いでいた
が、ロツク溝５、または５′の部分に於いて回転
段部４が切れているため、ロツク部材２７のスラ
イドを阻止しているものがなくなり、ロツク部材
２７はコイルスプリング３１により押し出され
る。この状態を示したのが第４図であり、ロツク
部材２７のロツク解除溝２９は回転段部４とず
れ、跨がなくなる。この結果、ハンドル１２は左
右何れの方向にも回転できなくなり、所謂ロツク
状態となる。そして、再開放を行うためには、把
手１５の下面に於いて小径ネジ２３の頭２６を指
先で押し込み、ロツク解除溝２９が回転段部４を
跨ぐようにしてロツクを解除する。

次に、封印を行う際には、前記ロツク状態に於
いて、小径ネジ２３の特殊工具取付孔２５に特殊
工具を取り付け、小径ネジ２３を一担押込んでか
らハンドル１２のネジ部１６′に当接させて回転
し、ネジ２４をネジ穴１６の奥ネジ１６′に螺合
する。この結果、ロツク部材２７は奥の方に押し
込まれ、ロツク解除溝２９は回転段部４を跨いで
更に次のロツク部ｘで固定される。この状態を示
したのが第５図であり、再び特殊工具を使用しな
い限り小径ネジ２３の解除は不可能である。又こ
の状態に於いては、小径ネジ２３の頭２６は大径
ネジ２０の鍔２２内に入り、露出していない。

本考案に係るガスコツクは以上の如きものであ
り、次にその効果を列記する。

ガスコツク本体１側に回転段部４とロツク溝
５，５′及び上口縁端部３ａ，３a′を形成し、
ハンドル１２側ロツク部材２７、大径ネジ２
０、小径ネジ２３を設け、ロツク部材２７に設
けたロツク解除溝２９により回転段部４を跨ぐ
か、又は跨がないように小径ネジ２３を操作し
てハンドル１２の回転規制ハンドルロツクを行
なうので、回転規制とハンドルロツクの部品は
共通となり、製作コストの低下を図ることがで
きる。

更に前記に記載した回転規制とハンドルロ
ツク以外に、小径ネジ２３をネジ穴１６内の奥
ネジ１６′に螺合して固定することにより、ロ
ツク部材２７をハンドル１２の封印部材として
利用できる。このため、本考案によれば、前記
したハンドル１２の回転規制と共にハンドルロ
ツク、ハンドル封印の３つの機能をロツク部材
２７とこの関連部品ですべて所有し、製作コス
トの低下、小型化、故障発生率の低減化を図る
ことができると共に組立、分解、修理等も至極
簡単にできる。又、小径ネジ２３は特殊工具で
ない限り回転できないので封印効果として確実
である。

次に本考案によれば、ガスコツク本体１側に
おいては、回転段部４、ロツク溝５，５′、水
平段部４′の構成のみのため、外観上問題とな
る部分がなく、体裁のよいガスコツクの提供が
可能である。

次に本考案は、前記したロツク部材関係の部
品をすべてハンドル１２の把手１５の下面に構
成したので、外部からは簡単にこの構成が判ら
ない利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したガスコツクの分解斜
視図、第２図は組み立てた状態の断面図、第３図
はロツク状態の要部を示す線断面図、第４図及び
第５図はロツク部材の作用を説明するための要部
の断面図である。 １……ガスコツク本体、４……回転段部、５，
５′……ロツク溝、９……閉子、１２……ハンド
ル、１６……ネジ穴、２０……大径ネジ、２３…
…小径ネジ、２７……ロツク部材、２９……ロツ
ク解除溝、３１……コイルスプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部にガス通路８を形成すると共に上口２内に
   切り切き７，７′つきの係合縁６を形成し、上口
   縁３を180゜の範囲で切り欠くことにより回転段
   部４を形成すると共にこの回転段部４の両端にロ
   ツク溝５，５′を形成して成るガスコツク本体
   と、 前記上口２内に組み込まれる閉子９と、 前記閉子９をテーパー面側に押圧するスプリン
   グ１１と、 下面に閉子９の係合突起１０が係合する係合溝
   １３を形成すると共に前記係合縁６に係合する鍔
   １４，１４′を形成し、胴体部１８の上部に円周
   溝１７を形成し、把手１５の基部下面内に奥ネジ
   １６′付のネジ穴１６を形成し、このネジ穴１６
   と同一中心線であつて、前記円周溝１７を挾んで
   胴本体部１８側にロツク部材組み穴１９を形成し
   て成るハンドル１２と、 前記ロツク部材組込穴１９内奥に挿入されるコ
   イルスプリング３１と、 前記ロツク部材組込穴１９内にコイルスプリン
   グ３１の次に挿入されるものであつて、下面に平
   坦部３０、この平坦部３０の中央にロツク解除溝
   ２９を形成して成るロツク部材２７と、 前記ネジ穴１６内において、奥ネジ１６′に螺
   合自在のネジ２４を有し、頭２６に特殊工具取付
   孔２５を設け、前記ロツク部材２７の当接部２８
   に接してロツク部材２７の動きを規制する小径ネ
   ジ２３と、 前記小径ネジ２３が入る孔２１を設けると共に
   この孔２１の入口側に小径ネジ２３の頭２６が露
   出する鍔２２を形成し、外周に前記ネジ穴１６に
   螺合するネジ２０′を形成して成る大径ネジ２０
   と、 から成るガスコツク。