JPH0443376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はエンジンの燃料タンクおよび注入管
内に溜まる燃料蒸気をカーボンキヤニスタ側に送
るためのバルブ装置に関する。

（従来の技術） 最近の車両では公害対策と経済性の面から第３
図のように燃料タンクＴの注入管１の入口端部に
バルブ装置Ｖを設け、これをパイプラインｌによ
つてカーボンキヤニスタＣに連結し、燃料の補給
時にタンク内に充満している燃料蒸気を外部に放
出することなく、蒸気制御用のカーボンキヤニス
タＣに吸着保留させ、随時これを吸気マニホール
ド側に送り込むようにしている。

そして、注入管１の入口端部に設けられている
バルブ装置Ｖは第４図に示すようなもので、注入
管１の入口端部の側壁に通孔１ａが穿設され、そ
の通孔１ａ上に出口パイプ２ａを備えた弁箱２が
注入管１に直交する状態に取付けられ、この弁箱
２内には所要長さのステム３ａを注入管１中に差
し込むようにしてポペツトバルブ３が収容され、
バルブ頭部と弁箱上壁との間にコイルばね４が張
設され、そのばね力でポペツトバルブ３は注入管
１側に付勢され、通常にはバルブ頭部下側のテー
パ面が弁座に圧接していて通孔１ａを閉じてい
る。一方注入管１内において弁箱２より入口側に
固定されているじようご状のノズルガイド５の通
孔１ａ側の周面上に一対のブラケツト６が取付け
られ、ブラケツト６の間に蓋板７の上端が回動可
能に軸支され、通常には枢支軸上のばねでガイド
５の内側口を閉じ、外部からの異物の侵入を防ぐ
と共に注入管１内の燃料蒸気が外部へ出ないよう
になされている。

そして、燃料タンクＴへの給油に当たり、ガイ
ド５を介して注入管１中に給油ノズルｎを挿入
し、ノズルｎによつて蓋板７を外側に回動させ、
その回動によつてポペツトバルブ３を外側に移動
させ、通孔１ａを開くことにより、タンクＴおよ
び注入管１内に充満している燃料蒸気が通孔１ａ
を経て弁箱２からカーボンキヤニスタＣ側に流出
するようになされている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上記従来のバルブ装置では閉じた状
態でのバルブステム３ａと蓋体７はほぼ平行して
おり、蓋体７の開き動作を直ちにバルブステム３
ａに伝えるべくステム３ａを蓋体７の背後にくる
ように長くすると蓋体７が開かなくなるところか
ら、蓋体７が図示のようにほぼ90度回転したとこ
ろでバルブステム３ａに接し、これをばね４に逆
らつて上動させるようになつていて、蓋体７の動
作に無駄があり、また、蓋体７に作用する力がバ
ルブステム３ａの軸線に沿つていないので、バル
ブが傾いて開き動作が円滑にいかない難点があ
る。

そこで、この考案は注入管にあるノズルガイド
の蓋体の回転動作が直ちにボペツトバルブに伝え
ることができ、そしてポペツトバルブを傾ける恐
れがないバルブ装置を提供するものである。

（問題点を解決するための手段ならびに作用） 上記目的のもとにこの考案は、燃料タンクの入
口端部の側壁に通孔を設け、該通孔上にはパイプ
ラインを介しカーボンキヤニスタに連通する出口
パイプを備えた弁箱を取付け、該弁箱中には通孔
を介しバルブステムが注入管中に挿入されたポペ
ツトバルブを注入管側にばね付勢して配設し、注
入管内のノズルガイド上のブラケツトのガイドの
内側口を開閉する蓋板の基部を回動可能に軸支す
るバルブ装置として、蓋板の回動中心をポペツト
バルブの軸線上に位置させると共に基部上には山
形状のカムを設け、該カムの周面にバルブステム
の先端を圧接させたことを特徴とするものであ
り、燃料の補給に当たり、注入管にバルブガイド
を介し給油ノズルを挿入すれば、ガイドの内側口
を閉じている蓋板が押し開かれ外方に回動し、そ
れと同時に蓋板基部上のカムが共に回動してバル
ブステムすなわちポペツトバルブを上動させるこ
とになり、蓋板がほぼ90度回動したところでポペ
ツトバルブも最も高く上動し、注入管の通孔が充
分に開かれ、燃料タンクおよび注入管内に溜まつ
ている燃料蒸気が通孔を通つてカーボンキヤニス
タ側に流出していく。

一方、注入管から給油ノズルを引き抜けば、蓋
板がガイドの内側口を閉じると同時にポペツトバ
ルブが注入管の通孔を閉じる。

（実施例） 第１図および第２図はこの考案の実施例を示す
ものであるが、燃料タンクの注入管１の入口端部
の側壁に所要大きさの通孔１ａが設けられ、その
通孔１ａ上にはパイプラインｌにより燃料蒸気制
御用のカーボンキヤニスタに連なる出口パイプ２
ａを備えた弁箱２が直交して取付けられ、この弁
箱２中にはポペツトバルブ３が所要長さのステム
３ａを注入管１中に挿入させて収容され、そのバ
ルブ頭部と弁箱２の上壁との間に張設されたコイ
ルばね４によつてポペツトバルブ３は注入管１側
に付勢され、通常にはバルブ頭部下側のテーパ面
が点線のように通孔１ａの弁座に圧接して通孔１
ａを閉じており、また、注入管１内には弁箱２よ
り入口端側にじようご状のノズルガイド５が固定
され、そのノズルガイド５の通孔１ａに向う周面
上には左右一対のブラケツト６が取付けられ、こ
れらのブラケツト６の間にはピン軸６ａが架設さ
れ、そのピン軸６ａに蓋板７の基部が回動可能に
取付けられ（これは蓋板７の基部とピン軸６ａが
一体になり、ピン軸６ａが回動可能に軸支される
場合もある）、常時はピン軸６ａ上に設けたコイ
ルばね８によつてノズルガイド５の内側口を閉じ
るようになされている点の構成は前記従来のもの
と変りない。

ところで、この考案ではノズルガイド５上の左
右一対のブラケツト６に架設されているピン軸６
ａの中心すなわち蓋板７の回動中心Ｏが弁箱２中
のポペツトバルブ３の軸線上に位置していて、蓋
板７の基部中央には山形状のカム９が設けられ、
そのカム９の周面にバルブステム３ａの先端がば
ね力で圧接するようになされており、そしてカム
９は蓋板７が図示点線のようにノズルガイド５の
内側口を閉じた状態（他方ではポペツトバルブ３
が通孔１ａを閉じた状態）において、回転中心Ｏ
からバルブステム３ａの先端が接するまで周面ま
での距離（半径）が最も小さく、一方蓋板７が点
線位置から実線のようにほぼ90度回転したときバ
ルブステム３ａが接する周面までの距離が最も大
きくなるように形成されている。

したがつて、蓋板７が点線のようにノズルガイ
ド５の内側口を閉じているときにはバルブステム
３ａが最も注入管１中に入り込み、バルブ頭部の
テーパ面が弁座に圧接して通孔１ａを閉じてい
る。

そこで、燃料タンクへの燃料の補給に当たり、
注入管１中にノズルガイド５を介して給油ノズル
ｎを挿入すれば、ノズルｎの先端で蓋板７が押し
開かれて外方に回動するが、その際には基部に設
けられたカム９が半径が漸次大きくなる方向に回
動するので、その周面に圧接しているバルブステ
ム３ａが直ちに押し上げられ、給油ノズルｎの一
定の差し込みによつ蓋板７が実線のようにほぼ90
度回動したとき、ポペツトバルブ３も最高に押し
上げられ、注入管１の通孔１ａが充分に開かれ、
燃料タンクおよび注入管１中に溜まつていた燃料
蒸気が通孔１ａを通り、弁箱２およびパイプライ
ンｌを経てカーボンキヤニスタ側に流出してい
く。

また、注入管１から給油ノズルｎを引き抜け
ば、蓋板７はコイルばね８の復元力で内側に回動
してノズルガイド５の内側口を閉じ、ポペツトバ
ルブもコイルばね４で押し下げられて再び注入管
１の通孔１ａを閉じる。

（考案の効果） 以上のようにこの考案では、燃料タンクの注入
管に設けた通孔をポペツトバルブにより開閉し、
そのバルブステムを通孔を介し注入管中に挿入
し、このバルブステムを注入管内のノズルガイド
の内側開口を開閉する蓋板により作動させる形式
のバルブ装置として、蓋板の回動中心をポペツト
バルブの軸線上に位置させると共に蓋板の基部上
には山形状のカムを設け、その周面にバルブステ
ムの先端を圧接するようにしたので、給油ノズル
による蓋板の回動動作が即時にポペツトバルブに
伝えられ、蓋板の開き動作に無駄がなく、しかも
カムによるバルブステムの上下動作がバルブの軸
線に沿つて伝えられるので、バルブを傾けること
なく円滑に操作することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を水平にした状態の
断面図。第２図はそのＡ−Ａ線に沿つた正面図。
第３図は燃料タンクの燃料蒸気制御装置の説明
図。第４図は第３図の円形部分における従来のバ
ルブ装置の断面図。 図中、１……注入管、１ａ……通孔、２……弁
箱、２ａ……出口パイプ、３……ポペツトバル
ブ、３ａ……バルブステム、４……コイルばね、
５……ノズルガイド、６……ブラケツト、６ａ…
…ピン軸、７……蓋板、９……カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンクの注入管１の入口端部の側壁に通孔
   １ａを設け、該通孔１ａ上にはパイプラインｌを
   介しカーボンキヤニスタＣに連通する出口パイプ
   ２ａを備えた弁箱２を取付け、該弁箱２中には通
   孔１ａを介しバルブステム３ａが注入管１中に挿
   入されたポペツトバルブ３を注入管１側にばね付
   勢して配設し、注入管１内のノズルガイド５上の
   ブラケツト６にガイド５の内側口を開閉する蓋板
   ７の基部を回動可能に軸支するものにおいて、上
   記蓋板７の回動中心を前記ポペツトバルブ３の軸
   線上に位置させると共に基部上には山形状のカム
   ９を設け、該カム９の周面にバルプステム３ａの
   先端を圧接させてなる燃料タンクの注入管におけ
   るバルブ装置。