JPH0620825B2 - フユ−エルフイラ−パイプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は燃料タンクに接続し、入口に燃料補給口を挿着
したフューエルフィラーパイプに係り、パイプ本体の前
記補給口より内方の管壁に気化ガス逃出口を設け、燃料
補給口の下面に垂下したブラケットを中枢とするユニッ
トの弁座と弁作動片に設けた開閉弁により前記気化ガス
逃出口に対する弁座の嵌込みと、前記気化ガス逃出口の
開閉制御を施すようにしたものである。

（従来の技術） 従来のフューエルフィラーパイプは、燃料補給の度毎に
燃料補給口を開くと、燃料タンク内の気化ガスが該補給
口から自動的に大気中に逃げ出すようになっている。
（気化ガスをキャニスターに導くものもある） （発明が解決しようとする技術課題） 本発明はフューエルフィラーパイプのパイプ本体内方の
側腹に気化ガス逃出口を設ける構想から出発したもので
あるが、その逃出口に弁座の取付けと、その弁座に圧接
する開閉弁の軸支とを施さねば、常に気化ガスが逃出口
から逃出することになる。しかしながらパイプ本体に開
閉弁を軸支する構造にすれば、パイプ本体の製作工数を
徒らに増加して製作費が高くなる。

（技術課題を解決するための手段） 本発明は前記に鑑み、パイプ本体には単に気化ガス逃出
口を形成するだけで止どめるもので、燃料タンクに接続
したパイプ本体の端口に、燃料補給口を嵌着すると共
に、該補給口の下面にブラケットを垂下してなるフュー
エルフィラーパイプにおいて、前記燃料補給口の内方で
パイプ本体の側壁に気化ガス逃出口を設け、前記気化ガ
ス逃出口に嵌める弁座と、該弁座に接する開閉弁を設け
た弁作動片を前記ブラケットを中枢にしてユニットとし
て組込み、前記燃料補給口のパイプ本体の端口への嵌着
により、ブラケットをパイプ本体に嵌め、弁座を気化ガ
ス逃出口に嵌め、弁作動片の開閉弁を弁座に接しさせる
ことを特徴とするフューエルフィラーパイプにかかるも
のである。

（実施例） 本発明の一実施例を添付図面によって説明する。

フィラーパイプａのパイプ本体(1)の端口部(2)には燃料
補給口(4)を嵌着し、その嵌着より内方の側腹に気化ガ
ス逃出口(3)を設ける。燃料補給口(4)にキャップ(4a)を
嵌めて内周突環(6)により係合すると共に、底面(7)に一
方に片寄られた縮径口(8)を形成する。

燃料補給口(4)には、縮径口(8)の形成により残された面
積が狭い底面(7)の下面に第５図に示したブラケット(9)
をスポット熔接等により垂下状に取り付け、その誰何の
下方部に前記したガス逃出口(3)の部分付近を横切る板
部(10)を設け、この板部(10)に前記逃出口(3)の位置に
合せた取付透孔(11)を設け、さらに縮径口(8)のすぐ下
方部とそれよりさらに下方部へ第１支持軸(12)、第２支
持軸(13)を取り付ける。また、板部(10)の取付透孔(11)
にガス逃出口(3)に緊密に嵌める縮径段部(15)を設けた
金属製の弁座(14)を嵌着し、第１支持軸(12)に縮径口
(8)を下方から塞ぐ開閉蓋(16)を嵌め、該第１支持軸(1
2)に巻き付けたばね(17)を開閉蓋(16)に掛けてそのばね
弾力により縮径口(8)を第１、２図のように閉じさせ
る。また、第２支持軸(13)に弁作動片(18)を嵌め、該作
動片(18)の第２支持軸(13)より上方に受圧片(19)を一体
に設けると共に、前記の弁座(14)に球面形面を圧接する
開閉弁(20)を弁作動片(18)に取付け、第２支持軸(13)に
巻き付けたばね(21)を弁作動片(18)に掛けて開閉弁(20)
を弁座(14)に圧接する、以上の各部品は前記ブラケット
(9)を中枢とするユニットに組む。

前記開閉弁(20)は弁作動片(18)に形成した取付孔(18a)
に緩やかに嵌めて、該取付孔(18a)内で任意方向の移動
を可能にして取付け、弁座(14)と開閉弁(20)との軸線が
一致しない場合でも、閉弁時の弁座(14)と開閉弁(20)と
の圧接整合を自動的に行って確実にシールする。

開閉蓋(16)には、支持軸の後方に縮径口(8)を第４図の
ように開く約90゜の回転と共に受圧片(19)を押して開閉
弁(20)を弁座(4)から引離す開弁動作を生じさせるカム
(22)を設ける。該カム(22)は直線縁(23)と第１支持軸(1
2)を中心とする円弧縁(24)とからなる。

前記の各部品はブラケット(9)を中枢にしたユニットと
し、パイプ本体(1)の内部に組込む前に組立てる。

(25)は燃料タンクｂの上方部分に接続すエアー抜き管で
あって、燃料補給のときはタンクｂに溜まった気化ガス
を端口部(2)に導く。

第６図は本発明の気化ガス逃出口(3)から逃出する気化
ガスの処理機構の一例を示したもので、活性炭の充填に
より気化ガスを吸着する作用を有するキャニスターｃ
に、弁座(14)の外側に接続した気化ガス誘導管(26)を接
続し、そのキャニスターｃを別の誘導管ｄによりエンジ
ンの気化器、燃料噴射ポンプの吸込口等に接続する。

本実施例の作用を説明すると、燃料補給のとき燃料補給
ガン(27)を第４図のように燃料補給口(4)からパイプ本
体(1)内に押し込むと、開閉蓋(16)が押されて縮径口(8)
を開く回転動作を生じ、そのときカム(22)が受圧片(19)
を押して開閉弁(20)を弁座(14)から引き離す。開閉蓋(1
6)の回転角度がある角度迄は、開閉弁(20)と弁座(14)の
距離は開閉蓋(16)の回転角度にほぼ比例して引き離され
るが、ある角度以上の回転角度になると、カム(22)の円
弧縁(24)が第１支持軸(12)を中心とする円弧に形成され
ているため、受圧片(19)並びに弁作動片(18)は静止状に
なって開閉弁(20)を必要以上に開かない。このため燃料
補給ガン(27)の先端が開閉弁(20)によって邪魔されるこ
となくスムーズに挿入できる。また燃料補給ガン(27)の
径が細かったり、該補給ガンの(27)の挿入の角度によ
り、開閉蓋(16)が約90゜迄回転しないで全開しない場合
でも、開閉弁(20)は前記のように常に一定角度開き弁座
(14)との間に気化ガスが通過するに充分な開口面積を確
保することができる。

（本発明の作用及び効果） 本発明は前記実施例の説明によって明らかにしたよう
に、燃料タンクに接続したパイプ本体の端口に、燃料補
給口に嵌着すると共に、該補給口の下面にブラケットを
垂下してなるフューエルフィラーパイプにおいて、前記
燃料補給口の内方でパイプ本体の側壁に気化ガス逃出口
を設け、前記気化ガス逃出口に嵌めると弁座と、該弁座
に接する開閉弁を設けた弁作動片を前記ブラケットを中
枢にしてユニットとして組込み、前記燃料補給口のパイ
プ本体の端口への嵌着により、ブラケットをパイフ本体
に嵌め、弁座を気化ガス逃出口に嵌め、弁作動片の開閉
弁を弁座に接しさせることを特徴とするものであって、
パイプ本体(1)には、成形が容易な気化ガス逃出口を設
けただけにしているものであるから製作が容易で、開閉
弁の軸支作動の健全性、弁座(14)への圧接により生ずる
シール性を点検できるのみでなく、ユニット化した弁座
(14)と開閉弁(20)はパイプ本体に振動があっても、対応
の関係が崩れて弁動作に故障を来すことがなく、その耐
久性を極く良好にできるものであり、しかも気化ガス逃
出口を設けたパイプ本体(1)からなるフューエルフィラ
ーパイプの量産を容易にできる効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は本発明の一実施例を示し、第１図は中心部
縦断側面図、第２図は第１図の矢線Ａの方向から見た下
面図、第３図は第１図Ｂ−Ｂ線で切断した一部の平面
図、第４図は燃料補給ガンの挿入時の中心部縦断側面
図、第５図は一部の分離斜視図、第６図は本発明の応用
例を示した側面図である。 (1)→パイプ本体、(2)→端口部 (3)→気化ガス逃出口、(4)→燃料補給口 (9)→ブラケット、(10)→板部(12) →第１支持軸、(13)→第２支持軸 (14)→弁座、(18)→弁作動片、(20)→開閉弁 (21)→ばね

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦西 康次 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 宮▲碕▼ 信次 愛知県豊田市鴻ノ巣町２丁目26番地 堀江 金属工業株式会社内 (72)発明者 杉本 純一 愛知県豊田市鴻ノ巣町２丁目26番地 堀江 金属工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−127025（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料タンクに接続したパイプ本体の端口
   に、燃料補給口を嵌着すると共に、該補給口の下面にブ
   ラケットを垂下してなるフューエルフィラーパイプにお
   いて、 前記パイプ本体の燃料補給口の内方でパイプ本体の側壁
   に気化ガス逃出口を設け、 前記気化ガス逃出口に嵌める弁座と、該弁座に接する開
   閉弁を設けた弁作動片を前記ブラケットを中枢にしてユ
   ニットとして組込み、 前記燃料補給口のパイプ本体の端口への嵌着により、ブ
   ラケットをパイプ本体に嵌め、弁座を気化ガス逃出口に
   嵌め、弁作動片の開閉弁を弁座に接しさせることを特徴
   とするフューエルフィラーパイプ。