JPS5852359Y2 - 自動車用燃料蒸気放出防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車エンジンの燃料蒸気（以下ペーパーと称
す。

）が大気に放出されるのを防止する装置に関するもので
ある。

一般に自動車エンジンにおいては、エンジンが停止して
いる際に、気化器内に滞留するペーパーが上昇し、気化
器上部に取付けられているエアクリーナの濾過エレメン
トを通過してエアクリーナの空気入口から大気へ流出す
ることがあり、その量は比較的わずかであるが、火災発
生の原因となると共に大気汚染の見地から防止しなげれ
ばならない。

この目的でエアクリーナの空気入口に吸着剤を配設し、
キースイッチと連動するスイッチのオン、オフに応じて
空気入口を開閉するバルブを吸着剤の前部に設けた燃料
蒸気排出防止装置が特公昭４７−１６２０７号公報に示
されている。

ところが本装置は、エンジン停止時にはバルブが空気入
口を閉じているから、ペーパーは吸着材に吸着されて大
気へ放出されないが、エンジンが作動しバルブが開くと
、吸着材が空気取入口の内部に設けられているので、吸
着材に吸着されているペーパーは主として空気取入口か
ら吸入される空気によって脱離される。

従ってアイドリンク時または減速時等の吸入空気量の少
い際にも吸着されているペーパーが脱離され、混合気が
その分だげ過濃となり、エンジン不調を生じさせるとと
もに不良排気ガスを放出させる。

またエンジン作動中に電気回路に故障が生ずると、バル
ブが空気取入口を閉じて空気が流入されないため、エン
ジンが停止するようなことになり、安全上きわめて危険
である。

本案は上記の欠点を解消するために、エアクリーナの吸
気パイプにペーパーの吸着部と吸気パイプの開閉バルブ
を設け、気化器から上昇するペーパーを吸気パイプから
外部へ放出しないようにすると共に、バルブの開閉を吸
入空気流によって行い、エンジンの運転状況に応じてペ
ーパーを脱離させ、気化器へ放出するようにしたところ
の自動車用燃料蒸気放出装置である。

以下図示の実施例について説明する。

第１、第２図において、１は濾過エレメント２を収容し
たエアクリーナの１部を示し、３はカバー ４は吸気パ
イプ５を有するケースである。

吸気パイプ５の下面外方に吸着部６を設ける。

吸着部６は吸気パイプ５の外方に突出成形された方形状
の吸気剤ケース７内に活性炭のような吸着剤８を充てん
され、その上下にゴ□等を濾過するためのウレタンシー
トを用いたフィルタ９と９′を配設し、最上部に金網１
０が固設されている。

金網１０の上面は吸気パイプ５の内面と同一が、もしく
はやや下方に位置させる。

吸着剤ケース７の下面に複数の空気流入口１１を形成す
る。

吸着部６の上端吸気上流側（図面左方部）で吸気パイプ
下面に半球状のくぼみ１２を成形し、その左右壁を貫挿
するバルブ軸１３を設げ、該バルブ軸１３によってバル
ブ１４を装着する。

バルブ１４の上面にはシール用のパツキン１５をはり付
けてアル。

バルブ１４はバルブ軸１３を矢印のように回動して吸気
パイプ５を開閉し、最大量じた際はその先端部が吸気パ
イプ５上壁に成形した段付き部１６に当接して停止する
ようになっている。

また最大量いた際は吸着部６の上面を閉鎖して停止する
。

バルブ軸１３の吸気パイプ外側にある端部に渦巻式スプ
リング１７を付設し、その外周端部は吸気パイプ５に設
けたブラケット１８にボルト１９で固定する。

スプリング１７は常時バルブ１４を閉じる方向に付勢す
るように組付けられる。

エンジンが停止している場合には、バルブ１４は吸気パ
イプ５を閉じているので、気化器内に滞留しているペー
パーは上昇し、濾過エレメント２を経て吸気パイプ５に
至り、バルブ１４に突き当ると金網１０とフィルタ９を
流過して吸着剤８に吸着される。

エンジンが始動して吸入する空気量が増大するとともに
、その空気流によりバルブ１４はスプリング１７に抗し
て吸気パイプ５を開き、吸着部６の上面を閉鎖する状態
に近づく。

吸着部６に吸着されているペーパーは、エンジンが所定
回転数以上になると、吸着部６の空気流入口１１かも吸
入された空気によって脱離される。

そして脱離されたペーパーはパルプ１４下面と吸気パイ
プ５の下方内面とでつくる開部から流出し、炉渦エレメ
ント２を経てエンジンの燃焼室へ放出される。

吸入空気量の少いアイドリンク時や減速時には、バルブ
１４は少し開かれ、空気は吸気パイプ５の上部を流れて
エンジンに吸入される。

このとき吸着部６にかかる負圧は小さく、さらに吸着剤
８が抵抗体として作用するので、吸着部６の空気流入口
１１からは空気は流入しない。

従って１吸着されているペーパーの脱離も起らない。

エンジンの回転数が増加し吸入空気量が増えると、バル
ブ１４の開度が大きくなるとともに吸着部６にかかる負
圧も大きくなるので、吸着剤８の抵抗に打ち勝って空気
が空気流入口１１から流入する。

そして吸着剤８に吸着されているペーパーの脱離が始ま
る。

そしてエンジン回転数の増加に伴って脱離能力も向上す
る。

吸入空気量が更に増加するとバルブ１４は吸着部６を完
全に閉鎖して停止し、ペーパーは脱離されない。

尚吸着ペーパーの脱離は、吸着剤８に空気が流入した直
後において最大となるので、エンジン回転が高速時にお
いてバルブ１４が吸着部６を閉鎖しても、それ以前にペ
ーパーの脱離はｆ分に行われているので問題は生じない
。

以上のように本考案は、アイドリング時または減速時等
の吸入空気量の少い場合に吸着ペーパーの脱離が行われ
ない構造のものであるから、混合気が過濃となって、エ
ンジン不調を生じたり、大気中に不良排気ガスを放出さ
せることを防止できる。

またバルブは吸入する空気流によって開閉する簡単な構
造であるから、故障を起すことがないので安全面でも優
れたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置を装着したエアクリーナの第１部
断面図を示し、第２図はその吸気パイプの１部斜視図で
ある。 １・・・・・・エアクリーナ、５・・・・・・吸気パイ
プ、６・・・・・・吸着部、９． ９′・・・・・・フ
ィルタ、１０・・・・・・金網、１１・・・・・・空気
流入口、１２・・・・・・くぼみ、１３・・・・・・バ
ルブ軸、１４・・・・・・バルブ、１７・・・・・・ス
フリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気パイプを有するエアクリーナの吸気パイプ下面の外
   側に、吸着剤を収納し空気の流通口を有する吸着部を設
   け、吸気パイプ内でしかも吸気パイプの吸着部取付は位
   置より上流側に、エンジン停止時において吸気パイプを
   閉塞するバルブを配設して、エンジンの吸入空気に応じ
   て該バルブを開放させるようにした自動車用燃料蒸気放
   出防止装置。