JPS5939164Y2 - 蒸発燃料排出抑止装置用キヤニスタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関の蒸発燃料排出抑止装置用キャニス
タ−に関する。

内燃機関の燃料タンクや気化器浮子室から発生する蒸発
燃料を大気中に排出することなく、蒸発燃料回収装置で
回収し、機関の作動と共に回収装置で回収した蒸発燃料
を導出して燃焼させるようにした蒸発燃料排出抑止装置
は周知であり、〜その代表例として、活性炭等の吸着剤
を充填したキャニスタ一方式がある。

このキャニスタ−におい−で、従来は、そのキャニスタ
−ケース材料に板金を使用しているのが殆んどであった
が、車輌の軽吐化及び加工工数、組立工数の低減による
コストダウン等を目的に徐々に樹脂製キャニスタ−が採
用されるようになっており、現在では殆んどが樹脂製キ
ャニスタ−を採用している。

その代表例として第１図及び第２図に示すようなものが
あるが、そのものにあっては、ダイアフラム弁Ａの弁座
部Ｂがキャニスタ−ケースＣと一体的に成形されており
、そのため製造工程、組立工程で弁座部に弁性能上有害
な傷が発生した場合、全部品が使用不能となり、生産コ
ストが上昇する欠点がある。

この考案は上記のような欠点を解消することを目的とす
るもので、すなわち内燃機関の燃料タンクや気化器浮子
室内で発生する蒸発燃料の大気への排出を抑止する装置
に使用される樹脂製キャニスタ−において、キャニスタ
−ケース１にこれと一体に取付承部３を形成すると共に
キャニスタ−ケース１とは別体に、蒸発燃料の入口側に
通ずる弁室と吐出側に通ずる弁室を備え、これらの弁室
にそれぞれ逆止弁と絞弁に対応する弁座を設け、前記取
付承部３に適合する外周形状をもった弁構成体５を設げ
、該弁構成体を前記取付承部３に嵌着固定したものであ
る。

次にこの考案の実施例について説明する。

第３図乃至第５図に示す第１の実施例において、１はキ
ャニスタ−ケースで樹脂材料で成形されており、その内
部には活性炭等の吸着剤２が充填されている。

キャニスタ−ケース１の土壁には、取付承部３及びペー
パーガイドパイプ４が一体に成形されている。

５は弁構成体で、上記キャニスタ−ケース１とは別体の
部材により形成され前記取付承部３に適合する外周形状
をもっており、キャニスタ−ケース１の取付承部３に嵌
合固着されるようになっている。

１５は弁室蓋で、これに蒸発燃料吸入管１６及び蒸発燃
料吐出管１７が一体成形されており、この弁室蓋１５は
弁構成体５上に閉塞的に固着されている。

１８はパツキンを示す。弁構成体５は、蒸発燃料吸入管
１６側の球弁６、圧縮スプリング９及びスプリングガイ
ド１２から成る弁機構と、蒸発燃料吐出管１７側の球弁
７、圧縮スプリング１０及びスプリングガイド１３から
成る弁機構を隔離して備えている。

また、蒸発燃料吸入管１６側から吸着剤２内への流れを
可能にする弁機構は、ペーパーガイドパイプ４内の吸着
剤内へ開口されており、他の弁機構は、ペーパーガイド
パイプ４外の吸着剤２内へ開口されている。

１９は大気導入口である。

次に第６図に示す実施例は、弁構成体５と弁室蓋１５を
予め接着固定しておき、これをキャニスタ−ケース１の
弁室３に固着するようにしたものである。

そのため第１の実施例のようなパツキン１８はない。

その他の機構は第１の実施例と同様である。

次に第７図に示す実施例は弁構成体５ど弁室蓋１５を一
体に形成して、これを弁室３に固着するようにしたもの
である。

尚、弁構成体５と弁室蓋１５は、その材質を、キャニス
タ−ケース１と同質の樹脂材料或いは異なる樹脂材料、
又は金属、又はこれらの組み合せたものを用いるもので
ある。

又、弁構成体の取付承部３に対する固着方法は、圧入方
法、スナツプフィツト、超音波溶着、摩擦溶着等を用い
る。

更に、弁は図示のような球弁が用いられていると共に、
その材質は適宜の樹脂材料又は金属を用いるもので、こ
れにより、第２図に示す従来のゴム材料使用のダイアフ
ラム弁にみられた次のような欠点が解消される。

■ 排気ガス対策等の影響により、キャニスタ−取付雰
囲気温度が従来以上に高温になり、ゴム材料を使用して
いるダイアフラム弁の耐久性能が低下し、ダイアフラム
弁の亀裂発生やエンジン不調を起こす。

■ 吸気管からのオイル成分、キャニスタ−からの蒸発
燃料成分、高温雰囲気等により、ダイアフラム弁のゴム
材料が劣化を起こし、ゴム成分中の可塑剤が抽出され、
ダイアフラム弁表面に付着することにより、ダイアフラ
ム弁と弁座とが固着を起こし、作動不良となる。

この結果、蒸発燃料が掃気されなくなり、吸着剤が破過
吸着に達すると、それ以降に発生した蒸発燃料は全て大
気中に排出され大気汚染の原因となる。

■ ダイアフラム弁を使用しているため、弁室全体が大
きくなり、車輛塔載上、コスト面で不利となる。

以上のようであるから、この考案にあっては予め弁機能
を十分調査し、要求特性に合致した弁構成体のみをキャ
ニスタ−ケースの一部に固定することにより、弁機能不
良が発生した場合の生産上の損失額を最低限にすること
ができる許りでなくその取付が極めて簡単に確実に行な
える利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来型の平面図、第２図は同■−■線の縦断面
図、第３図はこの考案の平面図、第４図の同ＩＶ−ＩＶ
線断面図、第５図は同Ｖ−Ｖ線断面図、第６図及び第７
図は他の２つの実施例を示す夫々要部の縦断面図である
。 １・・・・・・キャニスタ−ケース、３・・・・・・取
付承部、５・・・・・・弁構成体、６，７，８・・・・
・・球弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内燃機関の燃料タンクや気化器浮子室内で発生する蒸発
   燃料の大気への排出を抑止する装置に使用される樹脂製
   キャニスタ−において、キャ三スターケース１にこれと
   一体に取付承部３を形成すると共にキャニスタ−ケース
   １とは別体に、１燃料の入口側に通ずる弁室と吐出側に
   通ずる弁室を備え、これらの弁室にそれぞれ逆止弁と絞
   弁に対応する弁座を設け、前記取付承部３に適合する外
   周形状をもった弁構成体５を設け、該弁構成体を前記取
   付承部３に嵌着固定した蒸発燃料排出抑止装置用キャニ
   スタ−８